JP2015056506A - 基板用反り抑制装置 - Google Patents

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Koji Saito
浩司 斉藤
川上 武彦
Takehiko Kawakami
武彦 川上
信章 田森
Nobuaki Tamori
信章 田森
博宣 中野
Hironobu Nakano
博宣 中野
孝 中田
Takashi Nakada
孝 中田
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Abstract

【課題】プリント基板の加熱により生じる反りを有効に抑制しプリント基板の質および生産性向上を図った基板用反り抑制装置を提供すること。【解決手段】四角形状の加熱用基板100を保持した状態で基板用移送手段1により加熱領域へ移送される基板保持機構11と、この基板保持機構11に装備され前記加熱用基板100の熱変形を張力を印加することにより抑制する基板用張力印加機構12とを有し、前記基板保持機構11が、前記加熱用基板100の上の複数の係止領域を、各加熱用基板100の内側から外方向へ相互に広がる方向に移動可能な状態で個別に係止する基板係止部13乃至16を備え、前記基板用張力印加機構12が、前記基板係止部13乃至16に対し前記各対角線に沿った外方向への移送力を個別に付勢する移送力付勢手段17〜20を備えていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、基板用反り抑制装置に係り、特にプリント基板に電子部品をはんだ付する際に成される加熱処理によって、当該基板に反りが生じるのを抑制するための、基板用反り抑制装置に関する。
従来より、プリント基板に電子部品を実装しはんだ付を行う際、基板に加熱を行うため、種々の要因がからんで、プリント基板に反りが発生することが知られている。
とくに昨今にあっては、電子機器の軽薄短小化の流れに伴い、使用するプリント基板の厚みも薄くなり、プリント基板には、更に、反りが発生し易い状態が生じている。
図11に、この場合のプリント基板の「反り」のイメージを示す。
この図において、図11(A)は加熱前の状態を示す。ここで、符号90はプリント基板を示し、符号91,92,93はそれぞれはんだ付けされる電子部品を示す。
また、図11(B)は加熱後の状態を示す。この図11(B)ではプリント基板が上に反った状態を示すが、下に向けて反る場合もある。
この図11に示すように、プリント基板90に「反り」が発生すると、当該基板90全体の外形に変化が生じることのみならず、それぞれの電子部品91〜93のはんだ付け部分にクラックや未実装が生じ、プリント基板90が不良品となり、生産性が大幅に低下する。
この基板90の反りの問題を改善する技術として、従来より下記の特許文献1,2が知られている。
この内、特許文献1は、プリント基板の搬送工程中に、プリント基板を幅方向の一か所を両側から引っ張ることにより、反りを抑制する技術が開示されている。
また、特許文献2は、特許文献1の場合と同等の技術内容が開示され、更に、プリント基板を幅方向の複数か所(固定された位置)を両側から引っ張ることにより、反りを抑制する技術が開示されている。
実公平5−39824号公報 特開平5−63394号公報
しかしながら、上記各特許文献1,2にあっては、基板全体を対象として一様に延ばす構成とはなっていないことがから、部分的に反りが残るという不都合が生じている。
例えば、特許文献1の場合は、プリント基板を両側から引っ張る一か所の所定幅領域のみで有効となり、他の領域には機能しないという不都合がある。
また、特許文献1の場合は、プリント基板の全領域を対象とするものの、引っ張る箇所の相互間が固定であることから、この引っ張る箇所の相互間に位置する領域で反りが発生した場合には、かかる反りには対応し得ないことから、当該プリント基板の移動方向に沿った反りに対しては何ら機能しないという不都合があった。
〔発明の目的〕
本発明は、上記従来例の有する不都合を改善し、特にプリント基板の面領域の一部又は全部を対象として加熱により生じる反りを有効に抑制し、これによってプリント基板の質および生産性の向上を図った基板用反り抑制装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる基板用反り抑制装置は、加熱用基板を保持した状態で基板用移送手段により加熱領域へ移送される基板保持機構と、この基板保持機構に装備され前記加熱用基板の熱変形を張力を印加することにより抑制する基板用張力印加機構とを有している。
そして、前記基板保持機構が、前記加熱用基板の予め特定された複数の係止領域を、前記加熱用基板の中心部側からみて相互に放射状に広がる外方向へ移動可能な状態で個別に係止する基板係止部を有し、
前記基板用張力印加機構が、前記各基板係止部に対して前記外方向への移送力を付勢する移送力付勢手段を備えていることを特徴とする。
ここで、基板保持機構については、前記加熱用基板の少なくとも一方の側の2隅を、外方向へ向って放射状に広がる方向に移動可能な状態で個別に係止する基板係止部を備え、前記基板用張力印加機構が、前記基板係止部に対し前記各外方向への移送力を付勢する移送力付勢手段を備えた構成としてもよい。
又、上記目的を達成するため、本発明にかかる基板用反り抑制装置にあっては、上記基板用張力印加機構を介して上述した基板保持機構に加熱用基板の各角部を係止するように構成してもよい。
本発明は、上記のように構成したので、これによると、加熱用基板の予め特定された複数の係止領域の内の少なくとも隣接する二つの係止領域を、前記加熱用基板の中心部側からみて外側に向けて放射状に広がる方向に常時引っ張るように構成したので、少なくとも加熱用基板の引っ張られる側の面領域全体がほぼ一様に伸延されることとなり、これによって、特に引っ張られる側の面領域全体に生じる反りを有効に吸収し(抑制する)ことができ、プリント基板の質および生産性の向上を図ことができる、という従来にない優れた基板用反り抑制装置を提供することができる。
本発明にかかる基板用反り抑制装置の第1実施形態を示す一部省略した平面図である。 図1の矢印B方向からみた正面図である。 図1の第1実施形態に使用される加熱用基板の外形を示す平面図である。 本発明にかかる基板用反り抑制装置の第2実施形態を示す一部省略した平面図である。 図4に開示した第2実施形態の一部断面した正面図である。 図5に開示した第2実施形態の一部省略した左側面図であり。 本発明にかかる基板用反り抑制装置の第3実施形態を示す概略平面図である。 図7に開示した第3実施形態における加熱用基板を円形状した場合の例を示す説明図である。 図7に開示した第3実施形態の変形例(加熱用基板を三角形状とした場合)の例を示す説明図である。 本発明にかかる基板用反り抑制装置の第4実施形態を示す概略平面図である。 一般に知られているプリント基板の反りに状態を示す図で、図11(A)は加熱前の状態を示し、図11(B)は加熱後の状態を示す説明図である。 本発明にかかる基板用反り抑制装置に装備される加熱用基板の具体例を示す図で、図12(A)は平面図、図12(B)は図12(A)のI−I線に沿った断面図である。 図12に開示した加熱用基板の他の具体例を示す図で、図13(A)は平面図、図13(B)は図13(A)のII−II線に沿った断面図である。 一般に知られているプリント基板の例を示す図で、図14(A)は平面図、図14(B)は図14(A)の右側面図、図14(C)は図14(A)の沿った状態の例を示す説明図である。 加熱用基板の4隅に係止用穴を設けた場合の例を示す図で、図15(A)は平面図、図15(B)は図15(A)の右側面図、図15(C)は図15(A)の正面図である。 加熱用基板の4隅に係止用穴を設けた場合の他の具体例を示し、特に本各実施形態では不適当とされる場合の加熱用基板の例を示す図で、図16(A)はその平面図、図16(B)は図16(A)のV−V線に沿った断面図である。 本発明にかかる基板用反り抑制装置の変形例を示す平面図である。 図17に開示した変形例の要部を示す説明図である。 図17に開示した変形例のIII−III線に沿った断面図である。 図17に開示した変形例の拡大部分説明図で、図20(A)はプリント基板の側面中央部の係止及び引っ張り状態を示す説明図、図20(B)はプリント基板の両側面部の変形抑え状態を示す説明図である。
以下、本発明の基板用反り抑制装置にかかる実施形態および変形例を、添付図面に従って、順次説明する。
〔第1実施形態〕
まず、第1実施形態を図1乃図3に基づいて説明する。
(基本的構成)
図1において、符号1はプリント基板移送用の基板移送手段を示す。この基板移送手段1は、四角形状に形成されたプリント基板(加熱用基板)100を保持した基板保持機構11を、はんだ付用の基板加熱領域に移送するためのもので、当該基板保持機構11をその両側で係止し移送するための一対の搬送チェーン2,3を備えている。
この内、基板保持機構11には、上記プリント基板100の加熱時に生じる熱変形を、一定の張力を印加することによって抑制する(抑え込む)基板用張力印加機構12が装備されている。
この基板保持機構11と基板用張力印加機構12とにより、本第1実施形態における基板用反り抑制装置10が構成されている。
ここで、第1実施形態で対象とする加熱用基板100としては、四角形状,円形状,或いは三角形状を含む多角形状等種々のものがあるが、本第1実施形態では四角形状の加熱用基板100を対象としている。
即ち、本第1実施形態にあって、基板用反り抑制装置10は、図1に示すように、四角形状の加熱用基板100を保持した状態で前記一対の搬送チェーン2,3により加熱領域へ移送される基板保持機構11と、この基板保持機構11に装備され前記加熱用基板100の熱変形を張力を印加することにより抑制する基板用張力印加機構12とを備えている。
そして、この内、基板保持機構11は、加熱用基板100の予め特定された周囲4か所の係止領域(本第1実施形態では4か所の角部領域)を、前記加熱用基板100の中心部側からみて相互に放射状に広がる斜め外方向へ移動可能な状態で個別に係止する基板係止部13,14,15,16を備えて構成されている。
ここで、上記した各基板係止部13乃至16の移動可能な方向として特定した前記斜め外方向を、本第1実施形態では、上記加熱用基板100の4か所の係止領域を結ぶ対角線L,Lに沿った外方向とした。
更に、上記基板用張力印加機構12は、前記各基板係止部13〜16に対し個別に前記各斜め外方向への移送力(即ち、対角線L,Lに沿った方向への移送力)を付勢する移送力付勢手段17〜20を備えている。
このため、加熱用基板100は、その4隅の角部領域が前記加熱用基板100の対角線L,Lに沿って外側に向けて常時引っ張られるように構成されているので、加熱用基板100の面領域全体がほぼ一様に伸延されることとなり、これによって、特に加熱時に面領域全体に生じる反りを有効に抑制することが可能となり、加熱用基板100の熱変形に伴う不都合を排除することが可能となる。
(具体的内容)
以下、これを更に詳述する。
上記基板保持機構11は、図1に示すように、加熱用基板100の前記対角線L,Lに沿って配設された棒状保持部材21,22,23,24と、上記移送手段1の搬送チェーン2,3に沿って配設され各棒状保持部材21〜24の(前記搬送チェーン2,3側に位置する)各先端部を一体的に固着係止する枠部材25,26とを備えて構成されている。
この枠部材25,26には、上端面に係止板25A,26Aが止めねじ25a,26aにより複数箇所でねじ止めされている。そして、この各係止板25A,26A部分で、前述した基板保持機構11が、搬送チェーン2,3に予め等間隔に設けられた複数の支持用突起部2a,2a,…,3a,3a,…(図2参照)によって、その両側で着脱自在に保持されるようになっている。
更に、この枠部材25,26は、その移送方向の前端部と中間部と後端部が、三箇所で、連結バー28,29,30を介して相互に一体的に連結され、これによって前記基板保持機構11の骨格が構成されている。
符号31は、連結バー29の中央部に設置され前述した各棒状保持部材21,22,23,24を基板の中央部にて一体的に連結する中央連結部材を示す。この中央連結部材31は、外形が六角形状に形成されているが円形であってもよい。
又、この中央連結部材31には、中心部に通気用の貫通穴が形成され、基板加熱用の熱気の通気性が確保されている。
又、各基板係止部13〜16は、加熱用基板100の各角部領域に設けられた係止穴K(図3参照)に対応する位置で、各棒状保持部材21,22,23,24に往復移動可能に保持され、その同一面を成す上端面で、加熱用基板100の4隅の角部領域を個別に受け止めると共に、各係止穴Kを介して加熱用基板100を固定保持するように構成されている。符号13A〜16Aは、加熱用基板100をこの各基板係止部13〜16に固定する基板固定ねじを示す。
ここで、この基板固定ねじ13A〜16Aについては、これに代えて、基板係止ピンを用いると共に、この各基板係止ピンを前記各係止穴Kに個別に挿通させて前記加熱基板100を各基板係止部13〜16にて係止するように構成してもよい。
更に、前述した各棒状保持部材21,22,23,24には、上記基板係止部13〜16の前記中央連結部材31側に、当該基板係止部13〜16を前記加熱用基板100の対角線L,Lに沿って個別に外方向に押圧する移送力付勢手段17〜20が装備されている。
この移送力付勢手段17〜20は、具体的には圧縮ばね17A〜20Aにより構成され、この圧縮ばね17A〜20Aの押圧力を効率良く出力するための出力調整ネジ部17B〜20Bが、前記各棒状保持部材21〜24に設けられている。
この出力調整ねじ部17B〜20Bは、実施にはダブルナットが使用され、これによって搬送中や加熱中の振動による出力調整ねじ17B〜20Bの緩みが防止されている。
そして、この各圧縮ばね17A〜20Aを個別に調整することにより、加熱用基板100の4隅の角部を対角線の方向に設定される引っ張り力を自在に調整し設定することが可能となっている。
符号36,37,38,39は、前述した各枠部材25,26の両端部でその対向面側に、それぞれ固着装備された連結棒保持ブロックを示す。
この連結棒保持ブロック36,37,38,39部分で、前述した前端部と後端部の各連結バー28,30および各棒状保持部材21,22,23,24の各外側端部が、図1に示すように、各枠部材25,26の両端部に一体的に連結されている。
(第1実施形態の動作)
加熱用基板100を基板保持機構11に装着するに際しては、オペレータは、まず、出力調整ねじ17B〜20Bを緩めて圧縮ばね17A〜20Aの押圧力(圧縮力)を零調整したのち、加熱用基板100を、その4隅の係止穴K部分で、基板固定ねじ13A〜16Aにより各基板係止部13〜16に個別に固定する。
次に、出力調整ねじ17B〜20Bを操作し、各基板係止部13〜16に所望の押圧力が印加されるように各圧縮ばね17A〜20Aを圧縮調整する。
この場合、各圧縮ばね17A〜20Aは、本第1実施形態では圧縮距離によって各圧縮ばね17A〜20Aの押圧力が予め明確に特定されているものが使用されている。このため、オペレータは、圧縮距離を設定するだけで、加熱用基板100毎に予め設定された所望の圧縮押圧力を、各圧縮ばね17A〜20Aに対して迅速に且つ正確に設定することができる。
尚、この場合、出力調整ねじ17B〜20Bを特に調整することなく、予め特定された同一の圧縮力をもって、各圧縮ばね17A〜20Aをそれぞれ装着するようにしてもよい。
このため、図1に示すように、加熱用基板100上では、4隅の係止穴K部分で対角線上の外方向に向けて4方向の放射上に広がりを持って且つ全体的にバランス良く引っ張り力が印加された状態となり、内部に引っ張り方向のずれに伴う歪みの発生は有効に抑制されている。
かかる状態が設定された後、オペレータは、加熱用基板100を装備した基板保持機構11を、図1乃至図2に示すように搬送チェーン2,3の各支持用突起部2a,2a,…,3a,3a,…上に載置し、搬送チェーン2,3を移送動作させる。
そして、加熱用基板100が、加熱領域でのはんだ付け加熱処理が完了する迄の間、及びその後のライン工程上で、加熱用基板100が熱膨張しても、前述したように全体的にバランス良く引っ張り力が印加されているので、加熱用基板100の熱膨張による歪みが均一化され全体的に平坦な状態で加熱され且つ徐々に冷却されることとなる。この間、前述した引っ張り力が加熱用基板100に一様に印加される状態は継続される。
このため、冷却された後も、かかる平坦化された状態が維持され、これにより、常温化された場合における加熱用基板100にあっては、反りはほぼ完全に除去された状態が得られる。
ここで、上記第1実施形態では、前述した引っ張り力を対角線L,Lに沿って加熱用基板100に一様に且つ放射状に印加する場合を例示したが、前述した基板保持機構11が、前記加熱用基板100の対角線L,L上の少なくとも一方の側の隣接する2隅を、当該各対角線に沿って外方向へ移動可能な状態で個別に係止する基板係止部13,14を備え、前記加熱用基板100の対角線L,L上の他方の側の隣接する2隅の角部領域(係止領域)の基板係止部15,16の一方は両方を固定状態に設定し、前記基板用張力印加機構12が備えている移送力付勢手段17〜18を、前記一方の側の基板係止部13,14に対してのみに装備し、この一方の側の基板係止部13,14に対してのみ前記各対角線L,Lに沿った外方向又はこれに準ずる斜め外方向への移送力を付勢するように構成してもよい。
又、この場合、他方の側に位置する上記した隣接する2隅の各角部領域については、幅方向に引っ張る手段を装備してもよい。
このようにすると、加熱用基板の種類によっては、一方の側の面に集中して多くの反りは発生するものもあり、かかる場合には、これに有効に対応することができ、作業上の手間もはぶくことができ、かかる点において、反り全体を抑制しつつ生産性向上を図り得るという利点がある。
更に、本第1実施形態においては、加熱用基板100の対角線上の四箇所について加熱用基板100を固定して中心部から外部に向けて引っ張る場合を例示したが、図1において、加熱用基板100の進行方向の中央部を幅方向に引っ張る手段を装備してもよい。
このようにすると、進行方向に細長の基板100に対しても、更に有効に対応することができて、都合がよい。
(第1実施形態の効果)
本第1実施形態は、上述したように構成され機能するので、これによると、加熱用基板100の4隅の領域を、当該加熱用基板100の対角線L,Lに沿って外側に向けて常時引っ張るように構成したので、少なくとも加熱用基板100の面領域全体がほぼ一様に伸延されることとなり、これによって、加熱用基板100の面領域全体に生じる反りを有効に吸収し(抑制する)ことができ、プリント基板の質および生産性の向上を図ることが可能とすることができる。
又、前述した基板保持機構11が、前記加熱用基板100の対角線L,L上の少なくとも一方の側の隣接する2隅のみを、当該各対角線L,Lに沿って外方向へ移動可能な状態に構成した場合においても、当該加熱用基板100は特に前記一方の面領域がほぼ一様に且つ放射上に引っ張られることとなり、加熱用基板100によっては、これでも充分に対応して反りの発生を有効に抑制することが可能となる。
ここで、上記第1実施形態では、四角形状の加熱用基板100を対象とした場合について説明したが、本発明で対象とする加熱用基板については、円形状であっても、或いは楕円形状若しくは多角形状であってもよい。
又、加熱用基板100の係止領域を対角線上に設定した場合を例示したが、これは例示的記載であり、本発明は、加熱用基板の係止領域をその対角線上に限定するものではなく、加熱用基板の中心部側からみて隣接する係止領域が相互に放射状に広がる外方向へ移動が可能な状態で係止されるようになっておれば、加熱用基板の係止領域は対角線上でなくてもよい。後述する各実施形態にあっても同様である。
更に、上記第1実施形態では、加熱用基板100の対角線上の係止領域にそれぞれ係止穴Kを設けると共に当該4隅の各係止穴Kを介して加熱用基板100を中心部側からみて外側に放射状に引っ張る場合を例示したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えばフレキシブル基板などで引張力をそれほど与えないで反りを矯正可能なものについては、当該基板の4隅の係止領域を上下からプレート等で挟み込むように固定(挟持)して引張力を与えるように構成してもよい。後述する各実施形態についても同様である。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を図4乃図6に基づいて説明する。
ここで、前述した第1実施形態と同一構成部材については同一の符号を用いるものとする。
この第2実施形態における基板用反り抑制装置50は、図4に示すように、四角形状の加熱用基板100を保持した状態で基板移送手段1(図6参照)によって加熱領域へ移送される基板保持機構51と、この基板保持機構51に装備され前記加熱用基板100に所定の張力を印加することによって当該加熱用基板100の熱変形を抑制する基板用張力印加機構52とを備えている。
この内、基板保持機構51は、前述した第1実施形態の場合と同様に、上記加熱用基板100の対角線L,L上の4隅の角部領域を、各対角線L,Lに沿って外方向へ移動可能な状態で、個別に係止する基板係止部53,54,55,56を備えている。
そして、前述した基板用張力印加機構52が、前記基板係止部53〜56に対し前記各対角線L,Lに沿った外方向への移送力を付勢する移送力付勢手段61,62を備えている。
また、上記基板保持機構51は、具体的には、基板移送手段1の搬送チェーン2,3(図6参照)に沿って配設され当該搬送チェーン2,3に着脱自在に保持される四角形状の枠部材51Aと、この枠部材51Aに装備され前記各搬送チェーン2,3に沿ってそれぞれ配設された一方の前記基板係止部53,54及び他方の前記基板係止部55,56とを備えている。
そして、この各基板係止部53〜56は、それぞれ前記加熱用基板100の角部領域に予め設けられた係止穴K(図3参照)に対応して且つ前記各対角線L,Lに沿って前記枠部材51Aに設けられた長穴53A〜56Aと、この長穴53A〜56Aに沿って移動可能に立設され且つ前記加熱用基板100を前記係止穴Kで保持すると共に前記移送力付勢手段61,62に付勢されて外側に向けて移動する基板用保持支柱71,72,73,74とを備えて構成されている。
ここで、上記各基板用保持支柱71〜74は、図5に示すように中央部下方に上下方向の位置を一定に保持するための鍔部71a〜74aを有し、その下端部71b〜74bが前記長穴53A〜56Aを貫通して下方に突設されている。又、この突設した下端部71b〜74bには、当該下端部71b〜74bを前記移送力付勢手段61,62の移送力に抗して前記加熱用基板100の中心部方向に向けて常時引っ張る引張ばね76〜79が装備されている。符号76a〜79aはバネ係止ピンを示す。
これにより、前記移送力付勢手段61,62の移送力によって、各基板用保持支柱71〜74の下端部71b〜74bが前記長穴53A〜56Aから引き抜かれるという不都合が解消され、加熱用基板100の延びに合わせて各基板用保持支柱71〜74が直立状態を維持しつつ長穴53A〜56Aに沿って外部方向に円滑移動可能となっている。
更に、前述した移送力付勢手段61,62は、前記枠部材51A上で前記搬送チェーン2,3の移動方向又はその反対側の方向に沿って移動し前記各基板係止部53〜56の各基板用保持支柱71〜74を前記長穴53A〜56Aに沿って且つ外側に向けて放射状に移送する一方と他方の二つのカム部63,64と、この各カム部63,64に前記各搬送チェーン2,3の移送方向と同方向又は反対方向の移動力を付勢する押圧ばね機構部66,67とを備えて構成されている。
ここで、上記二つのカム部63,64の内、一方のカム部63は、中心部から左右方向(幅方向)に延設された延設部63A,63Bと、この延設部63A,63Bに前述した基板用保持支柱71,72に対応して形成された押圧傾斜面63a,63bとを備え、前記枠部材51Aの図4における右端部に前記基板用保持支柱71,72を同時に押圧可能な位置に配設されている。
そして、一方のカム部63の両端部は、枠部材51Aによってその回転動作が抑制され、当該枠部材51A上にて円滑に往復移動可能に構成されている。他方のカム部64についても同様である。
又、他方のカム部64も、上記一方のカム部63と同等に形成され、延設部64A,64Bに押圧傾斜面64a,64bを有し、前記枠部材51Aの図4における左端部に前記基板用保持支柱73,74を同時に押圧可能な位置に配設されている。
ここで、前述した押圧ばね機構部66は、上記した枠部材51Aの移動方向の中心軸P上に配設され且つ一方の側(図4の右側)に配設された前記カム部63を中心軸Pに沿って外部(図4の右側方向)に向けて押圧する押圧ばね部66Aと、一方のカム部63の往復移動を許容し且つ当該カム部63を保持する支軸66Bとを備えて構成されている。
この内、一方の側の支軸66Bは、前述した枠部材51Aの図4における右端部中央に設けられた軸受部66Cと、前記押圧ばね部66Aの図4における左端部を保持する位置に前記枠部材51Aを跨いで横設され当該枠部材51Aに保持された一方の横設軸受部材66Dとにより、着脱自在に保持されている。
同様に、前述した押圧ばね機構部67は、上記した枠部材51Aの前記中心軸P上に配設され且つ他方の側(図4の左側)に配設された前記カム部64を前記中心軸Pに沿って外部(図4の左側方向)に向けて押圧する押圧ばね部67Aと、前記カム部64の往復移動を許容し且つ当該カム部64を保持する支軸67Bとを備えて構成されている。
この内、他方の側の支軸67Bは、前述した枠部材51Aの図4における左端部中央に設けられた軸受部67Cと、前記押圧ばね部67Aの図4における右端部を保持する位置に前記枠部材51Aを跨いで横設され当該枠部材51Aに保持された他方の横設軸受部材67Dとにより、着脱自在に保持されている。
ここで、上記枠部材51Aの中間領域には、一方と他方の横設軸受部材66D,67Dの各端部を連結保持するための角形座ぐり穴51Aa,51Ab,51Ac,51Adが設けられている。
そして、対応する一対の各角形座ぐり穴51Aa,51Abには、上記横設軸受部材66Dの両端部がそれぞれ係合装備され、対応する他方の各角形座ぐり穴51Ac,51Adには前記横設軸受部材67Dの両端部が、それぞれ係合装備されている。
この角形座ぐり穴51Aa,51Ab,51Ac,51Adに配置されることにより、前述した一方と他方の横設軸受部材66D,67Dは、その押圧ばね部66A,67Aに抗して堅牢な状態で着脱自在に枠部材51Aに保持されている。符号66e,66fは固着ネジを示す。
また、前述した枠部材51Aには、図6に示すように、基板移送手段1の各搬送チェーン2,3に係止されるための係止板51E,51Fが、当該各搬送チェーン2,3に沿って配設されている。そして、この係止板51E,51Fを保持し固定する係止板保持部材51G,51Hが、当該各搬送チェーン2,3に沿って枠部材51A側に固定装備されている。符号51Ea,51Ea,…,51Fa,51Fa,…,は、係止板51E,51Fを対応する枠部材51Aにそれぞれ固定する固定ねじを示す。
又、符号71e,72e,73e,74eは、加熱用基板100を係止穴K部分で前記各基板用保持支柱71乃至74の上端部に固着する固着ねじを示す。
(第2実施形態の動作)
まず、加熱用基板100の装備に際しては、外力によってカム部63,64を中央部よりに移送して保持し、基板用保持支柱71乃至74を加熱用基板100の4隅の係止穴Kに合わせて配置し、係止穴Kを介して加熱用基板100を基板用保持支柱71乃至74上に固着装備する。その後、カム部63,64の係止状態を解放して当該カム部63,64を基板用保持支柱71乃至74に当接させる。これにより、加熱用基板100には、係止穴Kを介して対角線L,Lに沿って外部に向かう引張力が印加される。
かかる状態が設定された後、オペレータは、前述した第1実施形態の場合と同様に加熱用基板100を装備した基板保持機構51を、図6に示すように搬送チェーン2,3の各支持用突起部2a,2a,…,3a,3a,…上に載置し、搬送チェーン2,3を移送動作させる。
そして、加熱用基板100が加熱領域ではんだ付けが完了する迄の一定時間、加熱処理される途上およびその後に、加熱用基板100が熱膨張すると、これに対応して押圧ばね部66A,67Aが機能し、カム部63,64を中心線Pに沿って外側に押圧し、カム部63,64はその両端部で対応する基板用保持支柱71,72又は,73,74をそれぞれ外側に向けて押し出すこととなり、これによって加熱用基板100が熱膨張分が平坦に引き延ばされる。
即ち、前述した第1実施形態の場合と同様に、加熱用基板100には、対角線L,Lに沿って外部に向かう引張力が全体的にバランス良くが印加されているので、加熱用基板100の熱膨張による歪みが均一化され、全体的に平坦な状態で加熱され且つ徐々に冷却されることとなる。この間、前述した引っ張り力が加熱用基板100に一様に印加される状態は継続される。
このため、冷却された後も、かかる平坦化された状態が維持され、これにより、常温化された場合における加熱用基板100にあっては、反りはほぼ完全に除去された状態が得られる。
ここで、上記第2実施形態では、加熱用基板100の全面にわたって引張力が印加される場合について説明したが、加熱用基板100の強度若しくは熱膨張特性に応じて、一方のカム部63の機能を停止させて他方のカム部64のみを機能させるように構成してもよい。
又、上記第2実施形態にあっては、加熱用基板100を対角線L,Lに沿って引っ張る場合について例示したが、本発明は、この加熱用基板100を引っ張る方向については、前述した第1実施形態の場合と同様に、加熱用基板100の中央部側からみて放射方向に広がる方向(斜め外方向)であれば、必ずしも対角線L,Lに沿った方向に限定するものではない。即ち、枠部材51Aに設けられた前記長穴53A〜56Aを加熱用基板100の中央部側からみて放射方向に広がる方向(斜め外方向)に沿って形成することが重要であり、本発明はこの長穴53A〜56Aの形成方向を加熱用基板100を対角線L,Lに沿って設ける場合に限定するものではない。
又、この場合、加熱用基板100の中間部を搬送チェーン2,3側から引っ張る中間引張機構を新たに追加してもよい。前述した第1実施形態でも同様である。
このようにすると、各ばねのバネ力を弱めに設定して全体的に均一化された面状引っ張り力を設定する事ができ、加熱用基板100の損傷を更に少なくすることが出来て都合がよい。
本第2実施形態は、上記のように構成したので、これによると、前述した第1実施形態の場合と同様に、加熱用基板100の4隅の角部領域又は少なくとも隣接する二つの角部領域を、前記加熱用基板100の対角線L,Lに沿った方向(若しくはこれに準ずる斜め外方向)で外側に向けて常時引っ張るように構成したので、少なくとも加熱用基板の引っ張られる側の面領域全体がほぼ一様に伸延されることとなり、これによって、特に引っ張られる側の面領域全体に生じる反りを有効に吸収し(抑制する)ことができ、プリント基板の質および生産性の向上を図ることができる。
その他の構成およびその作用効果は、上記第1実施形態の場合と同一となっている。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を図7に基づいて説明する。
ここで、前述した第1実施形態と同一構成部材については同一の符号を用いるものとする。
(加熱用基板が四角形状の場合)
最初に、加熱用基板を四角形状とした場合について説明する。
この第3実施形態においては、基板用反り抑制装置80は、図7に示すように、加熱用基板100(図3参照)を保持する手段そのものが、基板用反り抑制装置80を構成している点に特徴を有する。
即ち、図7において、基板用反り抑制装置80は、四角形状の加熱用基板100を保持した状態で基板用移送手段1により加熱領域へ移送される基板保持機構81と、この基板保持機構81に装備され上記加熱用基板100の熱変形を張力を印加すること(引っ張ること)により抑制する基板用張力印加機構82とを備えている。
この内、基板保持機構81は、上記加熱用基板100の対角線L,L上の4隅の角部領域を、当該各対角線L,Lに沿って斜め外方向へ移動可能な状態で個別に係止する4枚の基板係止部83として基板保持プレート83A,83B,83C,83Dを備えている。
又、前述した基板用張力印加機構82は、上記各基板保持プレート83A〜83D上で、上記加熱用基板100に対してその各対角線L,Lに沿った外方向への引張力をそれぞれ付勢する移送力付勢手段84としての引張ばね84A,84B,84C,84Dを備えている。
即ち、本第3実施形態では、4個の基板係止部83(基板保持プレート83A,83B,83C,83D)に対応して4個の移送力付勢手段84(引張ばね84A,84B,84C,84D)を備え、この各4個の移送力付勢手段84(引張ばね84A,84B,84C,84D)を介して、加熱用基板100の4個の角部領域を個別に着脱自在に係止する構成となっている。
この場合、各引張ばね84A,84B,84C,84Dとしては、図7に示すように、それぞれが同一の引っ張り強度特性を備えた単一の引張ばねによって構成され、その中心軸線は前述した加熱用基板100の対角線L,Lの延長上に配設されている。
このため、例えば加熱用基板100が正方形上の場合には、XーY座標上、対角線の方向は加熱用基板100の各片に対して角度で45°の方向となる。
この各引張ばね84A〜84Dは、図7に示すように、その加熱用基板100側の一端部が予め準備されたばね係止片85A,85B,85C,85Dにそれぞれ係止され、基板とは反対側の他端部が、ばね固定部材85E,85F,85G,85Hに係止されている。
ここで、各ばね係止片85A〜85Dは、中央部に取付穴を備えその外側にばね係止穴(図示せず)を備えた同一大きさの四角形状に形成されたものが使用されている。又、前述したばね固定部材85E〜85Hは、ばね固定穴(図示せず)を備えた四角形状に形成され、各基板保持プレート83A〜83D上で且つ前記加熱用基板100の対角線L,L上に沿った位置(搬送チェーン2,3に近い位置)に植設されている。
ここで、上記4枚の基板保持プレート83A〜83Dは、搬送用の移送手段1である二つの搬送チェーン2,3の内側の対向位置にそれぞれ配設され、各搬送チェーン2,3の要部である側板2E,2Fの一部から内側(対向面側)に向けて水平状態を維持して突設され、当該各搬送チェーン2,3と共に移動走行可能に装備されている。
そして、前述した各ばね係止片85A〜85Dと前述した加熱用基板100とが、加熱用基板100の各係止穴K(図3参照)を介して着脱自在にボルト止めされ、各基板保持プレート83A,83B,83C,83D上の空間で一体的に連結されている。
この場合、加熱用基板100の各係止穴Kと各ばね係止片85A〜85Dとの連結位置は、各基板保持プレート83A,83B,83C,83D上の空間でなくてもよい。
これにより、加熱用基板100は、その対角線L,Lに沿ってその4隅の角部領域が基板保持機構81と基板用張力印加機構82とによって常時保持され且つ基板用張力印加機構82の各引張ばね84A〜84Dによって、その中心部側から外部に向かって常時放射状に引っ張られる状態が、簡単な構成で容易に且つ円滑に設定されることとなる。
このため、本第3実施形態にあっては、前述した第1乃至第2の各実施形態の場合とほぼ同等の作用効果を備えた基板用反り抑制装置80を得ることができ、構造が単純化されているので、設備投資を大幅に抑制することができるという利点がある。
ここで、上記第3実施形態においては、加熱用基板100の対角線L,L上の四箇所の角部領域について加熱用基板100を保持して中心部側から外部に向けて引っ張る場合を例示したが、図7において、加熱用基板100の進行方向の中央部を相互に幅方向に引っ張る一組の引張手段を装備するように構成してもよい。
この場合、加熱用基板100の中心部に周囲に向かう引張力が集中するのを回避するため、周囲4か所の角部領域を結ぶ対角線L,L上の引張力を、上記中央部を幅方向に引っ張る引張手段との間で対角線を構成し、これにより中心部に引張力が集中するのを二分するように構成してもよい。
このようにすると、進行方向に細長の加熱基板100に対しても、更に有効に対応することができ、更に、加熱用基板100全面にわたってより均一な引っ張り力を設定することができ、加熱基板100の中心部に発生し易い損傷事故を有効に抑制することが出来るという利点がある。
(加熱用基板が円形状の場合)
次に、加熱用基板を円形状とした場合を、図8に基づいて説明する。
この第3実施形態において、四角形状の加熱用基板100に代えて円形状の加熱用基板100Aを対象とした場合を説明する。図8にこれを示す。
この場合、円形状の加熱用基板100Aは、前記四角形状の加熱用基板100の角部領域に相当する基板係止位置として、当該加熱用基板100Aの周囲4か所が予め特定されている。
この図8の例では、前述した図7に示す四角形状の加熱用基板100の角部領域と同一の位置に基板係止位置が設定され、係止穴K(図示せず)が設けられている。
そして、この円形状の加熱用基板100Aを保持する基板用反り抑制装置としては、前述した図7に示す基板用反り抑制装置80がそのまま使用されている。
このように、本第3実施形態では、円形形状の加熱用基板100Aに対しても、四角形状の加熱用基板100の場合と同様に、基板の反り抑制を円滑に実行することが可能となっている。
〔第3実施形態の変形例)
次に、加熱用基板を三角形状とした場合を、図9に基づいて説明する。
この図9に示す基板用反り抑制装置80Bは、本第3実施形態の変形例を示すもので、四角形状の加熱用基板100に代えて三角形状の加熱用基板100Bを対象としたものである。
即ち、図9において、基板用反り抑制装置80Bは、三角形状の加熱用基板100Bを保持した状態で基板用移送手段1により加熱領域へ移送される基板保持機構81Bと、この基板保持機構81Bに装備され上記加熱用基板100Bの熱変形を張力を印加すること(引っ張ること)により抑制する基板用張力印加機構82Bとを備えている。
この内、基板保持機構81Bは、上記加熱用基板100Bの三つの角部領域を個別に係止する3枚の基板係止部83Bとして基板保持プレート83Ab,83Bb,83Cbを備えている。この各基板保持プレート83Ab,83Bb,83Cb,は、前述した図7の基板保持プレート83A,83Bとそれぞれ同一の形状及び機能を備えたものが使用されている。
ここで、三つの角部領域を個別に係止する3枚の基板保持プレート83Ab,83Bb,83Cbの内、基板保持プレート83Ab,83Cbが、図7における基板保持プレート83A,83Cと同様に一方の搬送チェーン2に装備されている。
又、基板保持プレート83Bbは、前述した基板保持プレート83Ab,83Cbの中間領域に対向する前記他方の搬送チェーン3側の位置(加熱用基板100Bの下側の角部領域に対応する位置)に装備されている。
更に、前述した基板用張力印加機構82bは、上記各基板保持プレート93Ab〜93Cb上で、上記加熱用基板100Bに対してその中心部側から外方向への引張力をそれぞれ付勢する移送力付勢手段84Bとしての引張ばね84Ab,84Bb,84Cbを備えている。
この各引張ばね84Ab,84Bb,84Cbは、前述した図7の引張ばね84A,84B,84Cと同一の形状及び機能を備えたものが使用されている。
即ち、本第3実施形態の変形例では、3個の基板係止部83B(基板保持プレート83Ab,83Bb,83Cb)に対応して3個の移送力付勢手段84B(引張ばね84Ab,84Bb,84Cb)を備え、この各3個の移送力付勢手段84B(引張ばね84Ab,84Bb,84Cb)を介して、加熱用基板100Bの3個の角部領域を個別に着脱自在に係止する構成となっている。
その他の構成内容(特に各構成要素の機能)については、対応する図7の各構成要素と同一となっている。
このようにしても、前述した第3実施形態における四角形状の加熱用基板100の場合と同等に機能することから、加熱用基板100Bの熱変形である反りを有効に抑制することが可能となっている。
〔第4実施形態〕
次に、本発明にかかる基板用反り抑制装置の第4実施形態を、図10に基づいて説明する。ここで、前述した第3実施形態と同一構成部材については同一の符号を用いるものとする。
この第4実施形態における基板用反り抑制装置90は、前述した第3実施形態において、加熱基板100の4つの角部を結ぶ対角線上に沿って当該各角部に配設された四個の各引張ばね84A〜84Dに代えて、2個1組の4組の引張ばね94A,94A,94B,94B,94C,94C,94D,94Dを、装備した点に特徴を有する。
即ち、前述した各基板保持プレート83A,83B,83C,83D上にあって、上記加熱用基板100に対して(各対角線に沿った外方向への)引張力を付勢する移送力付勢手段94として、上記8個の引張ばね94A,94A,94B,94B,94C,94C,94D,94Dを備えている。
この場合、基板保持プレート83Aには引張ばね94A,94Aが、基板係止プレート83Bには引張ばね94B,94Bが、基板保持プレート83Cには引張ばね94C,94Cが、基板保持プレート83Dには引張ばね94D,94Dが、それぞれ装備されている。
ここで、各引張ばね94A,94Aは、その外側端部が、ばね固定部材95E,95Eを介して基板保持プレート83Aに保持されている。又、各引張ばね94B,94Bは、その外側端部が、ばね固定部材95F,95Fを介して基板保持プレート83Bに保持されている。
更に、各引張ばね94C,94Cは、その外側端部が、ばね固定部材95G,95Gを介して基板保持プレート83Cに保持されている。更に又、各引張ばね94D,94Dは、その外側端部が、ばね固定部材95H,95Hを介して基板保持プレート83Dに保持されている。
そして、各基板保持プレート83A〜83D上にあって、二つの各引張ばねの合力が、前述した加熱用基板100の各対角線に沿った方向になるように、各組の引張ばねの強度特性が予め設定されている。
更に、この第4実施形態では、加熱用基板100を挟んで、当該加熱用基板100の一端部(図10の右側)の各係止穴Kと基板保持プレート83A,83Bの各引張ばね94A,94Bが図10の左側における幅方向に沿って一直線上に配置されている。又、加熱用基板100を挟んで、当該加熱用基板100の他端部(図10の左側)の各係止穴Kと基板保持プレート83C,83Dの各引張ばね94C,94Bが図8の左側における幅方向に一直線上に配置されている。
また、この第4実施形態では、図10の上側(搬送チェーン2に近い側)では、加熱用基板100の前記搬送チェーン2に近い側の各係止穴Kと基板保持プレート83C,83Aの各引張ばね94C,94Aが図10の上側における搬送チェーン2に沿って一直線上に配置されている。
又、図10の下側(搬送チェーン3に近い側)では、加熱用基板100の前記搬送チェーン3に近い側の各係止穴Kと基板保持プレート83D,83Aの各引張ばね94D,94Aが、図8の下側における搬送チェーン3に沿って一直線上に配置されている。
その他の構成は、前述した第3実施形態と同一となっている。
このため、本第4実施形態にあっては、前述した第3実施形態と同様の作用効果を有するほか、更に、各の基板保持プレート83A〜83Dに各二個の引張ばねが装備され、その合力の一致性および引張力のバランス等を設定しやすい状態となっており、無理のない範囲で種々のばね強度のばねの組み合わせが可能となっており、かかる点で汎用性に富んだ基板用反り抑制装置90を得ることができる。
〔第5実施形態〕
次に、上記各実施形態で使用される好ましい形態の加熱用基板(プリント基板)100について、その一例を、図12乃至図16に基づいて説明ずる。
ここで、具体的な例の説明に先立って、加熱用基板100の上記各実施形態への適用状況について説明する。
(1).加熱用基板にかかる背景技術
はんだ付によって電子部品をプリント配線板(加熱用基板)に実装する際、必然的にプリント配線板(加熱用基板)も加熱される。このとき、プリント配線板の各層の熱膨張係数の相違によって、プリント配線板に「反り」が発生することがあった。プリント配線板の反りは、プリント配線板の変形だけでなく、電子部品の実装不良を招く。
これに対し、前述したように、特開平5−63394号公報(図5等)には、はんだ付時にプリント配線板を外側へ引っ張ることにより、プリント配線板の反りを防止しようとする技術(以下「関連技術1」という。)が開示されている。図14に関連技術1におけるプリント配線板を示す。この内、図14(A)は平面図、図14(B)は右側面図、図14(C)は正面図である。以下、この図面に基づき説明する。
上記関連技術1では、プリント配線板250に貫通孔251を設け、はんだ付装置の搬送チェーンのピン(図示せず)を貫通孔251に挿入し、プリント配線板250に対してピンを介して外側(Y軸方向)に引っ張る力205を加えながらX軸方向へ搬送し、この状態ではんだ付をする。
しかしながら、引っ張る力205は、Y軸成分のみであるため、X軸方向には何ら影響を及ぼさない。そのため、図14(B)に示すようにY軸方向の反りが抑えられるものの、図14(C)に示すようにX軸方向の反りは発生してしまう。
(2).解決しようとする課題
発明者らは、上記関連技術1の問題点を解決すべく研究を重ねた結果、はんだ付時にプリント配線板を斜め外側に引っ張る未公開技術(以下「関連技術2」という)に思い至った。図15は関連技術2におけるプリント配線板を示す。この内、図15(A)は平面図、図15(B)は右側面図、図15(C)は正面図である。以下、この図面に基づき説明する。
上記図15における関連技術2では、プリント配線板240に貫通孔241を設け、はんだ付装置の搬送チェーンのピン(図示せず)を貫通孔241に挿入し、プリント配線板240に対してピンを介して斜め外側(Y軸方向かつX軸方向)に引っ張る力204を加えながらX軸方向へ搬送し、この状態ではんだ付をする。
ここで「斜め外側に引っ張る」とは、言い換えると、プリント配線板240の中心から放射状に外側へ引っ張ることである。
引っ張る力204はY軸成分とX軸成分の両方からなるため、プリント配線板240はY軸方向にもX軸方向にも引っ張られる。そのため、図15(B)に示すようにY軸方向の反りが抑えられるだけではなく、図15(C)に示すようにX軸方向の反りも抑えられる。
しかしながら、関連技術2にも次のような問題点があった。
図16は関連技術2の問題点を説明するためのプリント配線板であり、図16(A)は平面図、図16(B)は図16(A)におけるV−V線断面図である。以下、この図面に基づき説明する。
はんだ付装置ではんだ付される一般的なプリント配線板230は、切り離し可能な複数枚の小さなプリント配線板232から構成され、全体として四角形状の大きな一枚になっている。つまり、プリント配線板230は、複数枚の連結されたプリント配線板232と、これらのプリント配線板232を一枚ずつに切り離すための貫通部233と、を備えている。
ここで、プリント配線板230に貫通孔231を設け、貫通孔231に搬送チェーンのピン(図示せず)を挿入し、プリント配線板230に対してピンを介して斜め外側(Y軸方向かつX軸方向)に引っ張る力203を加えながらX軸方向へ搬送し、この状態ではんだ付をする。引っ張る力203は、隣接しない貫通孔231同士を結ぶ直線234上に作用する。
しかし、引っ張る力203が作用する直線234上には、貫通部233が設けられている。そのため、引っ張る力203は、直線234上の貫通部233で分散することにより、プリント配線板230を変形させることに使われる。つまり、引っ張る力203は、プリント配線板230の反りに抵抗する力として作用しなくなる。
(3).本第5実施形態における発明の目的、基本的構成及びその効果
そこで、本第5実施形態では、はんだ付時にプリント配線板を中心から放射状に外側へ引っ張る際に、その引っ張る力をプリント配線板の反りに抵抗する力として用いることが可能なプリント配線板を提供することにある。
本第5実施形態に係るプリント配線板は、複数枚の連結されたプリント配線板と、これらのプリント配線板を一枚ずつに切り離すための貫通部と、を備えた一枚の四角形状のプリント配線板において、前記四角形の四隅にそれぞれ、前記プリント配線板をその中心から放射状に外側へ引っ張るための係合部が設けられ、隣接しない前記係合部同士を結ぶ直線上に、前記貫通部が設けられていない ことを、構成上の特徴とする。
このため、これによると、一枚の四角形状のプリント配線板の四隅にその中心から放射状に外側へ引っ張るための係合部を設け、隣接しない係合部同士を結ぶ直線上に貫通部を設けないことにより、引っ張る力が貫通部で分散しないので、その引っ張る力をプリント配線板の反りに抵抗する力として用いることができ、これによりプリント配線板の反りを確実に防止できる。
(4).プリント配線板(加熱用基板)の具体的内容
以下、本第5実施形態の具体例を説明する。
ここで、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を用いる。又、図面に描かれた形状は、当業者が理解しやすいように描かれているため、実際の寸法及び比率とは必ずしも一致していない。
図12は本第5実施形態におけるプリント配線板(プリント基板)を示し、図12(A)は平面図、図12(B)は図12(A)におけるI−I線断面図である。以下、この図面に基づき説明する。
図12において、プリント配線板210は、複数枚の連結されたプリント配線板212と、これらのプリント配線板212を一枚ずつに切り離すための貫通部213と、を備えた一枚の四角形状である。そして、その四角形の四隅にはそれぞれ、プリント配線板210をその中心から放射状に外側(Y軸方向かつX軸方向)へ引っ張るための係合部(係止領域)211が設けられている。隣接しない係合部211同士を結ぶ直線214上には、全てリブが存在する構成となっている。即ち、この部分には貫通部213が設けられていない。ここで、リブとは、貫通穴の存在領域にあって貫通部213が存在しない基板上の連続した領域をいう。また、係合部211は、四角形の対角線上に設けられている。すなわち、直線214は四角形の対角線に重なる。
プリント配線板210は、例えばガラス繊維入りのエポキシ樹脂を母材とし、図示しない導体パターン及び非導体パターンが設けられた多層構造になっている。係合部211は、引っ張る力201を付与する引っ張りばねなどの一端が取り付けられるものであればどのような形状又は構造でもよく、例えば単なる平面、突起、貫通孔などからなる。本第5実施形態における係合部211は、単なる平面であり、引っ張りばねの一端に連結されたクランプなどによって挟持される。貫通部213は、例えばルータ加工などによって、プリント配線板210を貫通した状態で直線状、折れ線状、曲線状などに形成されたものである。
この図12におけるプリント配線板210によれば、一枚の四角形状のプリント配線板210の四隅にその中心から放射状に外側へ引っ張るための係合部211を設け、隣接しない係合部211同士を結ぶ直線214上にはリブが存在することにより、引っ張る力201をプリント配線板210の反りに抵抗する力として用いることができ、これによりプリント配線板210の反りを有効に抑制できる。
また、係合部211を四角形の対角線上に設けたことにより、引っ張る力201をプリント配線板210の全体に付与できるので、プリント配線板210の反りをより確実に抑制できる。更に、同じ理由で、係合部211はプリント配線板210のできるだけ外側に設けることが好ましい。
(5).プリント配線板(加熱用基板)の他の具体例
図13は、本第5実施形態における他の例におけるプリント配線板を示し、図13(A)は平面図、図13(B)は図13(A)におけるII−II線断面図である。以下、この図面に基づき説明する。
この図13のプリント配線板220は、係合部に係止部としての貫通孔221がある点で、前述した図12の実施形態と異なる。貫通孔221は、例えばルータ加工などによってプリント配線板220を貫通した状態に形成されたものであり、円状、楕円状、円弧状、多角形状などどのような形状でもよい。
はんだ付装置の搬送チェーンのピン(図示せず)を貫通孔221に挿入し、プリント配線板220に対してピンを介して斜め外側(Y軸方向かつX軸方向)に引っ張る力201を加えながらX軸方向へ搬送し、この状態ではんだ付をする。
この図13に記載のプリント配線板220によれば、係合部に貫通孔221が設けられていることから、はんだ付装置の搬送チェーンのピンを貫通孔221に対して出し入れするだけで、プリント配線板220をはんだ付装置に容易に着脱できる。
図13に記載のプリント配線板220のその他の構成、作用及び効果は、前述した図12に記載のプリント配線板210と同一となっている。
以上、本第5実施形態におけるプリント配線板210,220は、図12,図13に開示した構成や動作にのみ限定されるものではなく、本実施形態の範囲内で当業者であればなし得ることが可能な各種変形及び修正を含むことはもちろんである。
また、本実施形態のかかるプリント配線板210,220については、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
(6).付記
上記した第5実施形態にあっては、その新規な内容については、以下のようにまとめることが出来る。
(付記1).複数枚の連結されたプリント配線板と、これらのプリント配線板を一枚ずつに切り離すための貫通部と、を備えた一枚の四角形状のプリント配線板において、
前記四角形の四隅にそれぞれ、前記プリント配線板をその中心から放射状に外側へ引っ張るための係合部(係止領域)が設けられ、隣接しない前記係合部同士を結ぶ直線上にはリブが連続して配設されていることを特徴とするプリント配線板。
(付記2).付記1記載のプリント配線板において、前記係合部には係止用の貫通孔が設けられていることを特徴とするプリント配線板。
(付記3).付記1又は2記載のプリント配線板において、前記係合部が前記四角形の対角線上に設けられた、ことを特徴とするプリント配線板。
〔変形例〕
次に、上記各実施形態と同一目的を達成可能な他の具体例(図17乃至図20)を変形例として、以下説明する。
(1).背景技術
従来、基板に電子部品を実装した後、ハンダ付けを行う際にプリント基板を加熱するため、基板材料の熱膨張係数の異なった部材の組み合わせ等も関連して、基板に反りが発生する場合がある。
このプリント基板に反りが発生した場合、基板全体の外形に変化が生じることのみならず、実装されたそれぞれの電子部品のハンダ付けの部分にクラックや未実装が生じる。そして、そのような基板は使用することはできないので、結局、不良品となってしまい、大きな損害を蒙ることになる。
そこで、基板の反りを防止しようと各種の創意工夫が実施されており、そのうちの一例として、基板搬送装置が知られている(特許文献2参照)。
この特許文献2(特開平5−63394号公報)に開示された基板搬送装置では、基板の搬送方向に沿った両側が、搬送チェーンに設けられたピンによりそれぞれ3箇所で固定されている。一方側のピンは、突起部に設けられており、この突起部はスプリングにより一方側の搬送チェーンに近づくように付勢されている。つまり、基板が搬送方向と直交する方向にのみ常時引っ張られた構造となっている。
(2).解決しようとする課題
しかしながら、特許文献2に開示された基板搬送装置では、次に述べるような問題がある。即ち、プリント基板が搬送方向と直交する方向にのみ常時引っ張られているので、ハンダ付け時等にプリント基板が加熱された場合でも、その方向の反りは押えることができる。
しかし、プリント基板は、その搬送方向に沿った両側が、搬送チェーンに設けられたピンによりそれぞれ3箇所で固定されているので、基板が加熱された場合、3箇所のうち、基板の最外側の固定位置から外方の部位は外方にスライドすることで、反りを防止することができるが、基板の3箇所で固定された部位では、その部位の基板が加熱により反った場合、スライドする逃げ場がなく、波打った状態となる。その結果、実装されたそれぞれの電子部品のハンダ付けの部分にクラックや未実装が生じるので、不良品となってしまうという前述したような問題がある。
(3).本変形例における発明の目的,基本構成,及びその効果
プリント基板が加熱された際でも、プリント基板の搬送方向と直交する方向の反りのみならず搬送方向に沿った方向の反りも抑制することができる基板の反り抑制装置を提供することにある。
又、これを実現するための本発明の基本構成としては、本変形例にかかる基板の反り抑制装置は、電子部品を実装しかつ一方向に搬送される基板の反りを抑制する基板の反り抑制装置であって、前記プリント基板の前記搬送方向に沿った両側をそれぞれ載置する第1,第2の載置部材と、前記第1,第2の載置部材のそれぞれに固定されると共に先端部が前記基板の両側に形成された係合部に係合する固定部材と、前記基板の下方空間に配置されると共に前記第1,第2の載置部材間に設けられた軸部材と、この軸部材の一端側に設けられると共に前記第1,第2の載置部材のいずれか一方と当接しこの一方の載置部材をその外方側に付勢する付勢手段と、前記軸部材の他端側に設けられると共に前記第1,第2の載置部材のいずれか他方と当接し前記一方の載置部材が前記付勢手段により軸方向に移動するのを防止するストッパ部材と、前記第1,第2の載置部材の上面に設けられ前記基板の前記両側の一部を前記基板が前記搬送方向に移動できるように押える押え部材と、を備えて構成したことを特徴とする。
このため、これによると、本発明にかかる基板の反り抑制装置によれば、プリント基板が、その搬送方向に沿った両側を固定部材により第1,第2の載置部材に固定されており、また、プリント基板は軸部材を介して付勢手段により一端側に引張られている。そのため、加熱されても、その方向での反りを防止することができる。
また、プリント基板は押え部材により一部が搬送方向Aに沿った方向に移動可能に押えられているので、基板が加熱され、搬送方向に沿った方向の反りが生じようとする場合でも、その反りの分だけ、搬送方向に沿った方向にスライドすることになり、その方向の反りも防止することができる。
このため、この変形例に係る本発明によると、プリント基板が加熱された場合でも、当該プリント基板の搬送方向と直交する方向の反りのみならず搬送方向に沿った方向の反りも防止することができる。その結果、実装されたそれぞれの電子部品のハンダ付けの部分に生じるクラックや未実装を防止することができ、不良品の歩留まりを大幅に向上させることができる。
(4).具体的構成内容
以下、図17〜図20に基づいて、本発明に係る基板の反り抑制装置(以下、単に「基板反り抑制装置」と言う)の具体的内容を説明する。
図17は基板反り抑制装置310の全体平面図であり、図18は基板反り抑制装置310の要部を構成する軸部材320,付勢手段322等を示す説明図である。又、図19には、図17のIII−III線に沿った断面図を示す。
図17に示すように、本変形例にあって、基板反り抑制装置310は、基板330の搬送方向Aに沿った両側をそれぞれ載置して支持する第1,第2の載置部材311,312を備えている。
これらの第1,第2の載置部材311,312は、図20(A)に示すように、それぞれが略偏平角柱状に形成されており、それらが高さ方向を上下にした状態で、互いが平行状態となるように横向きに配置して設けられている。
各載置部材311,312の上面には前記プリント基板330が載置されるようになっており、このプリント基板330は、その搬送方向Aに沿った両側を、固定部材(固定片)313により固定されて各載置部材311,312に着脱可能に設けられている。
即ち、図17に示すように、固定部材(固定片)313は、平面形状が略T字状に形成されると共に、その平坦部が各載置部材311,312の上面にビス314により固定されている。また、固定部材313の先端部は、図20(A)に示すように、下方に向けて折り曲げ形成されている。そして、これらの固定部材313は、各載置部材311,312の長さ方向の略中央部に取付けられている。
これに対して、基板330の搬送方向Aに沿った両側の一部には、例えば、寸法Φの係合穴330Aが形成されており、この係合穴330Aに、上記各固定部材313の先端部を引掛けることにより、基板330が各固定部材313、ひいては第1、第2の載置部材311,312に固定されていることになる。
各載置部材311,312の上面に載置された基板330は、図17、図20(B)に示すように、押え部材315により、基板330が搬送方向に移動できるような状態で押えられている。押え部材315は所定厚さの板状部材で形成されており、固定部材313から所定寸法離れた両側位置から、固定部材313の互いに反対方向の端部まで延びて形成された先端側部材316と、後端側部材317との2部材で構成されている。
図20(B)に示すように、基板330が、固定部材313を中心としてそれぞれ反対方向に移動できるように、各載置部材311,312の上面と押え部材315の裏面との間には、寸法Sの極わずかな隙間が設けられており、この寸法Sの隙間を確保するために、厚さ寸法tのスペーサ部材318が設けられている。つまり、スペーサ部材318は、基板330の厚さ寸法t1と上記寸法Sの隙間とを合計した厚さ寸法に形成されているものである。
即ち、本発明では、t1+s=tで、s=10乃至50〔μm〕に設定されているが、これ以外の隙間寸法であってもよい。要するに、この領域では、基板の熱膨張を同一面内で有効に吸収することが重要であり冷却後に湾曲を残さないために、加熱及び冷却工程の全工程中で、この隙間寸法sが一定の微小厚さ寸法を保持することが重要である。
尚、この隙間寸法sは、基板の熱膨張で、基板の厚さt1自体の寸法の増加も考慮して、保持部材318は、厚さ寸法等、仕様の異なる各種の基板330に対応できるように、厚さ寸法が異なる複数種類を予め準備しておくと好適であり、それらを適宜交換できるように、取付けビス319により着脱自在となっている。
なお、図20(A)(B)は、第1の載置部材311側のみを表しているが、第2の載置部材312側の構成も、向きは異なっているがまったく同様の構成である。
図19に示すように、基板330の下方空間には、第1、第2の載置部材311,312間に架けわたされた前記軸部材320が配置され、この軸部材320の一端側には、第1,第2の各載置部材311,312のいずれか一方(本変形例では第1の載置部材311)と当接し、この一方の載置部材311を軸方向外側に付勢する付勢手段322が設けられている。
この付勢手段322は、上記一方の載置部材311の側面と当接する圧縮コイルばね323と、軸部材320に設けられ圧縮コイルばね323の位置を所定位置に保持する保持部材324とで構成されている。保持部材324は、例えばナット部材で構成されており、軸部材320の圧縮コイルばね323側に切られたネジ部320Aに螺合させることで所定位置に固定されるようになっている。そのため、保持部材324の締め付け力を調整することで、バネ力の調整を行うことができる。
次に、図20(A)に示すように、バネ力について説明をする。
圧縮コイルばね323のバネ力(圧縮力)は、F=kxで表される。
ここで、Fはバネ力であり、kはバネ定数であり、xは第1の載置部材311の移動距離(圧縮距離)である。
これに対して、軸部材320の他端側には、図17,図18に示すように、第1、第2の載置部材311,312のいずれか他方(本変形例では第2の載置部材312)と当接し、この他方の載置部材312が付勢手段322により軸方向に移動するのを防止するストッパ部材325が設けられている。
このストッパ部材325は、例えばナット部材で構成されており、軸部材320の他端部側に切られたネジ部320Bに螺合させ、いずれか他方の載置部材312の側面に当接させて固定されるようになっている。そのため、ストッパ部材325の締め付け力を調整することで、第2の載置部材312の位置調整を行うことができる。
また、図17及び図19に示すように、第1乃至第2の各載置部材311,312のそれぞれの外方には、各々載置部材311,312と平行に配置されて、第1,第2の連結部材326,327が設けられている。
これらの各連結部材326,327は、上記各載置部材311,312の長さと略同じ長さ寸法に形成されている。そして、それぞれの連結部材326,327の板状部が、例えば一組の搬送チェーンで構成された搬送装置350に連結されており、搬送チェーンが回動することにより、それに連れて、連結部材326,327,ひいては各載置部材311,312およびプリント基板330が移動するようになっている。
各連結部材326,327の長さ方向の両側側には、それぞれ1本ずつ連結棒328が架けわたされている。これらの連結棒328は前記各載置部材311,312の側面を貫通すると共に、各連結部材326,327の側面内に挿通された後、各載置部材311,312の側面に、例えば溶接により固定され、強固に一体化されている。
すなわち、第1、第2の連結部材326,327と2本の連結棒328とで一つの枠体329が構成されている。そして、第1、第2の載置部材311,312および基板330を取り付けた状態で、枠体329が、前記搬送装置350の移動に連れて移動することになる。
(5).動作内容
次に、以上のように構成された基板反り抑制装置310の動作を説明する。
基板330が、その搬送方向Aに沿った一端側が、固定部材313により固定され、かつ付勢手段322により外側に引張られた状態で、また、他端側が固定部材313により固定された状態で、搬送装置350の移動に連れてハンダ付け工程に移行する。
ハンダ付け工程でのハンダ付け作業時に、基板330は所定加熱温度に加熱される。このとき、プリント基板330の搬送方向Aに沿った一端側が引張られているので、結果的に両端が引張られている状態である。そのため、加熱されても、その方向での反りは防止される。
また、基板330は、先端側部材316と後端側部材317とにより搬送方向Aに沿った方向に移動可能に押えられているので、基板330が加熱され全体的に伸びが生じても、この二つの部材316,317により設定された隙間に沿ってスライドしつつそれぞれ反対方向に伸びることとなり、その結果、基板上の反りは有効に抑制される。この場合、基板330は、前記各固定部材313を中心として、全体的にその両側方向にスライドするようになっている。
ここで、上記図17の変形例では、上述したように、図17上にあって、基板330の下端部中央部が載置部材312上の中央部で固定係止され且つ当該基板330の上端部中央部が載置部材311上の中央部で固定係止され、更に当該基板330の上端部中央部が載置部材311と共に同図の上方向へ常時引っ張られるように構成した場合を例示したが、この基板330については、更に、前記載置部材311側の両端部を係止して、当該基板330の中心部側からみて図17の上側の外方向に向けて放射状に引っ張る手段を前記載置部材311に装備するように構成してもよい。
このようにすると、基板330の中央領域を含む全面を対象として当該基板330の反りをより有効に抑制すことが可能となる。
(6).本変形例における発明の効果
以上のような構成の抑制装置310によれば、次のような効果が得られる。
1).基板330が、その搬送方向Aに沿った両側を固定部材313により第1、第2の載置部材311,312に固定されており、また、基板330は軸部材320を介して付勢手段322により一端側に引張られている。そのため、加熱されても、その方向での反りは防止される。
また、基板330は押え部材315により一部が搬送方向Aに沿った方向に移動可能に押えられているので、前述したように、基板330が加熱された場合、搬送方向Aに沿った方向に伸びが追従するので、基板の伸び部分は搬送方向Aに沿った方向にスライドすることになり、その方向の反りが有効に抑制される。
これにより、基板330が加熱された場合、基板330の搬送方向Aと直交する方向の反りのみならず搬送方向Aに沿った方向の反りも防止することができる。その結果、実装されたそれぞれの電子部品のハンダ付けの部分に生じるクラックや未実装を防止することができ、不良品の歩留まりを大幅に向上させることができる。
2).基板330は、その中央部を、第1、第2の載置部材311,312の長さ方向中央部で固定部材313により固定されており、その固定部材313を中心として、それぞれ反対方向に移動可能となっているので、基板330が加熱された場合に反りが生じようとしても、バランスよく反りを防止することができる。
3).付勢手段322を構成する保持部材(ナット部材)324を、軸部材320に切られたネジ部320Aに螺合させる際、ナット部材324の締め付け力を調整することで、バネ力の調整を行うことができる。そのため、厚さ寸法や、大きさ等が異なる各種の基板330に柔軟に対応することができる。
4).軸部材320の他端側に設けられているストッパ部材325(ナット部材)を、軸部材320の他端部側に切られたネジ部320Bに螺合させる際、ナット部材325の締め付け力を調整することで、第2の載置部材312の位置調整を行うことができる。
以上、図17乃至図20を参照して本発明の内容を説明したが、本発明は上記図17乃至図20の実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることが出来る。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
(7).付記
上記した図17乃至図20に開示した変形例については、その新規な内容を、以下のようにまとめることができる。
(付記1)
電子部品を実装しかつ水平方向に搬送されるプリント基板の加熱による反りを抑制する装置であって、
前記プリント基板の前記搬送方向に沿った両側をそれぞれ載置する平行な第1、第2の載置部材と、前記第1,第2の載置部材のそれぞれに設けられると共に先端部が前記基板に形成された係合部に係合し当該基板を固定する固定部材と、前記基板の下方空間に配置されると共に前記第1,第2の載置部材間に架けわたされた軸部材と、この軸部材の一端側に設けられると共に前記第1,第2の載置部材のいずれか一方と当接しこの一方の載置部材をその外方側に付勢する付勢手段と、前記軸部材の他端側に設けられると共に前記第1,第2の載置部材のいずれか他方と当接し当該他方の載置部材が前記付勢手段により軸方向に移動するのを防止するストッパ部材と、前記基板の上面に配置されると共に当該基板を前記搬送方向へ移動可能として押える押え部材とを備えて構成したことを特徴とする基板の反り抑制装置。
(付記2)
付記1に記載の基板の反り抑制装置において、
前記軸部材を、前記第1、第2の載置部材の前記搬送方向に沿った長さ方向の中央部間に架けわたすと共に、前記固定部材の先端部の中心を前記軸部材の軸線の上方に合わせて配置したことを特徴とする基板の反り抑制装置。
(付記3)
付記1又は2に記載の基板の反り抑制装置において、
前記押え部材を板状部材で構成すると共に前記第1,第2の載置部材の前記長さ方向に沿って設け、かつ前記固定部材から距離をあけた位置から前記各載置部材の互いの反対側の端部まで延びた先端側部材と後端側部材との2部材で構成したことを特徴とする基板の反り抑制装置。
(付記4)
付記3に記載の基板の反り抑制装置において、
前記押え部材の先端側部材および後端側部材と前記第1,第2の載置部材との間に、前記基板の厚さ寸法より大きな厚さ寸法のスペーサ部材を着脱自在に設けたことを特徴とする基板の反り抑制装置。
(付記5)
付記4に記載の基板の反り抑制装置において、
前記スペーサ部材を、その厚さ寸法が異なる複数種類で構成したことを特徴とする基板の反り抑制装置。
(付記6)
付記1乃至5の何れか一つに記載の基板の反り抑制装置において、
前記付勢手段を、前記軸部材に巻き回された圧縮コイルばねと、前記軸部材に設けられ前記圧縮コイルばねを一定の位置に保持するバネ保持部材とで構成したことを特徴とする基板の反り抑制装置。
本発明にかかる基板反り抑制装置は、各種の電子部品が実装された基板がハンダ付け等により加熱される場合等に利用することができる。
1 基板移送手段
2,3 搬送チェーン
11,51,81,81B 基板保持機構
12,52,82,82B 基板用張力印加機構
13乃至16,83 基板係止部
17乃至20,84,84B 移送力付勢手段
17A乃至20A 圧縮コイルばね
21〜24 棒状保持部材
25,26 枠部材
51A 四角形状の枠部材
53乃至56 基板係止部
53A乃至56A 長穴
61,62 移送力付勢手段
63 一方のカム部
64 他方のカム部
66 一方のばね機構
67 他方のばね機構
71乃至74 基板用保持支柱
83A,83Ab,83B,83Bb,83C,83Cb,83D 基板保持プレート
84A,84Ab,84B,84Bb,84C,84Cb,84D 引張ばね
100 プリント基板
K 係止穴
210,212,220,230,330,232,240,250 プリント配線板
211 係合部
213,233 貫通部
214,234 直線
201 引っ張る力
221,231,241,251 貫通孔
203,204,205 引っ張る力
310 基板の反り抑制装置
311 第1の載置部材
312 第2の載置部材
313 固定部材
315 押え部材
316 先端側部材
317 後端側部材
320 軸部材
322 付勢手段
323 圧縮コイルばね
325 ストッパ部材
328 連結棒
329 枠体

Claims (12)

  1. 加熱用基板を保持した状態で基板用移送手段により加熱領域へ移送される基板保持機構と、この基板保持機構に装備され前記加熱用基板の熱変形を張力を印加することにより抑制する基板用張力印加機構とを有し、
    前記基板保持機構が、前記加熱用基板の予め特定された複数の係止領域を、前記加熱用基板の中心部側からみて相互に放射状に広がる外方向への移動を可能とする状態で個別に係止する基板係止部を有し、
    前記基板用張力印加機構が、前記各基板係止部に対して前記各外方向への移送力を付勢する移送力付勢手段を備えていることを特徴とした基板用反り抑制装置。
  2. 加熱用基板を保持した状態で基板用移送手段により加熱領域へ移送される基板保持機構と、この基板保持機構に装備され前記加熱用基板の熱変形を張力を印加することにより抑制する基板用張力印加機構とを有し、
    前記基板保持機構が、前記加熱用基板の予め特定された少なくとも周囲三か所の係止領域の内の隣接する二つの係止領域を、当該加熱用基板の中心部側からみて放射状に広がる外方向への移動を可能とした状態で個別に係止する基板係止部を備え、
    前記基板用張力印加機構が、前記各基板係止部に対し前記各外方向への移送力を付勢する移送力付勢手段を備えていることを特徴とした基板用反り抑制装置。
  3. 請求項1に記載の基板用反り抑制装置において、
    前記加熱用基板の前記係止領域を4か所設けると共に、
    前記各基板係止部の移動可能な方向として特定した前記外方向を、前記加熱用基板の前記係止領域を結ぶ対角線に沿った外方向としたことを特徴とする基板用反り抑制装置。
  4. 請求項3に記載の基板用反り抑制装置において、
    前記基板保持機構は、前記加熱用基板の前記係止領域を結ぶ対角線に沿って設置された棒状保持部材と、前記基板用移送手段に沿って配設され当該基板用移送手段に保持されると共に前記棒状保持部材の前記基板用移送手段側の各先端部を一体的に係止する枠部材とを備えて構成され、
    前記基板係止部は、前記加熱用基板上の4つの各係止領域に設けられた係止穴に対応して前記棒状保持部材に往復移動可能に保持されていることを特徴とした基板用反り抑制装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一つに記載の基板用反り抑制装置において、
    前記移送力付勢手段を、圧縮コイルばねにより構成したことを特徴とする基板用反り抑制装置。
  6. 請求項1に記載の基板用反り抑制装置において、
    前記基板保持機構は、前記基板用移送手段に沿って配設され当該基板用移送手段に着脱自在に保持される四角形状の枠部材と、この枠部材の前記基板移送手段に沿った方向の少なくとも一方の側に配設された二つの前記基板係止部とを有し、
    この各基板係止部を、前記加熱用基板の各係止領域に予め設けられた係止穴に対応して且つ前記各外方向に沿って前記枠部材に設けられた長穴と、この長穴に沿って往復移動可能に立設され前記加熱用基板を前記係止穴で保持すると共に前記移送力付勢手段に付勢されて外側に向けて移動する基板用保持支柱とにより構成したことを特徴とする基板用反り抑制装置。
  7. 請求項2に記載の基板用反り抑制装置において、
    前記基板保持機構は、前記基板用移送手段に沿って配設され当該基板用移送手段に着脱自在に保持される四角形状の枠部材と、この枠部材の前記基板移送手段に沿った一方の側と他方の側にそれぞれ配設された四つの前記基板係止部とを有し、
    この各基板係止部を、それぞれ前記加熱用基板の各コーナー領域に予め設けられた各係止穴に対応して且つ前記各外方向に沿って前記枠部材に設けられた長穴と、この各長穴に沿って移動可能に立設され前記加熱用基板を前記係止穴で保持すると共に前記移送力付勢手段に付勢されて外側に向けて移動する基板用保持支柱とにより構成したことを特徴とする基板用反り抑制装置。
  8. 請求項6又は7に記載の基板用反り抑制装置において、
    前記移送力付勢手段を、前記枠部材上で前記基板移送手段の移送方向又はその反対側の方向に沿って移動し前記各基板係止部の前記基板用保持支柱を前記長穴に沿って外側に向けて押圧移送する一方と他方のカム部と、この各カム部に前記基板用保持支柱に対する移送力を付勢するばね機構部とにより構成したことを特徴とした基板用反り抑制装置。
  9. 加熱用基板を保持した状態で基板用移送手段により加熱領域へ移送される基板保持機構と、この基板保持機構に装備され前記加熱用基板の熱変形を張力を印加することにより抑制する基板用張力印加機構とを有し、
    前記基板保持機構が、前記加熱用基板の予め特定された周囲4か所の係止領域を、前記加熱用基板の中心部側からみて相互に放射状に広がる外方向へ移動可能な状態で個別に係止する基板係止部を有し、
    前記基板用張力印加機構が、前記各基板係止部に対し対応する前記各外方向に沿った方向への移送力を個別に付勢する移送力付勢手段を備えると共に、
    前記各基板係止部が、前記移送力付勢手段を介して前記加熱用基板の周囲4か所の係止領域を個別に保持する構成としたことを特徴とした基板用反り抑制装置。
  10. 請求項9に記載の基板用反り抑制装置において、
    前記基板用移送手段を前記加熱用基板の両側に配設され並行して走行する二つの搬送チェーンにより構成し、
    前記各基板係止部を、前記加熱用基板の周囲4か所の前記係止領域に対応して前記搬送チェーンの内側面にて水平状態に突設された4枚の基板保持プレートと、当該基板保持プレート上に装備されたばね固定部材とを備えた構成とし、
    前記移送力付勢手段を、前記加熱用基板の周囲4か所の前記係止領域に対応して4組の引張ばねで構成すると共に、この各組の引張ばねを前記加熱用基板の各係止領域の係止穴と前記各基板保持プレート上のばね固定部材との間にそれぞれ架設装備したことを特徴とする基板用反り抑制装置。
  11. 請求項10に記載の基板用反り抑制装置において、
    前記4個の各基板保持プレート上に敷設された4組の各引張ばねを、4組共それぞれ単一の引張ばねにより構成したことを特徴とする基板用反り抑制装置。
  12. 請求項10に記載の基板用反り抑制装置において、
    前記4個の各基板保持プレート上に敷設された4組の各引張ばねを、4組共前記搬送チェーンに沿った方向と当該搬送チェーンに直交する方向とに向けてそれぞれ設置された二つの引張ばねにより構成し、
    前記各基板保持プレート上には、この二つの引張ばねに対応してそれぞれに二つのばね固定部材を設置したことを特徴とした基板用反り抑制装置。
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