JP2015055120A - 樹脂製グレーチング - Google Patents

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【課題】成形用の金型を不要とし製造コストを低減させるとともに、従来の樹脂製グレーチングに対して構成部材の肉厚を薄くすることで軽量化を図り、美観に優れた樹脂製グレーチングを提供する。【解決手段】上方からの荷重を主に担う主部材と、前記主部材の端部に接合される副部材とを備える樹脂製グレーチングにおいて、前記主部材と前記副部材が、金属からなる芯材と、前記芯材の外側を被覆する合成樹脂からなる被覆材と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、溝等の開口部を覆うために敷設される樹脂製グレーチングに関し、詳しくは、金属からなる芯材を備える樹脂製グレーチングに関する。
従来、強度を維持しながら軽量化ならびに耐久性の向上を図ることができる格子蓋を提供することを目的として、実開平6−57984号公報に、金属部品を芯材として合成樹脂を成形することによって形成される格子蓋が開示されている。
実開平6−57984号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、合成樹脂を成形するための金型が必要となり、製造コストが増大してしまう恐れがあるという課題があった。また、各構成部品の肉厚が厚くなり、重量増を招くとともに、外観を損ねやすいという課題もあった。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、その課題は、成形用の金型を不要とし製造コストを低減させるとともに、従来の樹脂製グレーチングに対して構成部材の肉厚を薄くすることで軽量化を図り、美観に優れた樹脂製グレーチングを提供することを目的とする。
本発明の樹脂製グレーチングは、
上方からの荷重を主に担う主部材と、前記主部材に接合される副部材とを備える樹脂製グレーチングにおいて、
金属からなる芯材と、
前記芯材を被覆する合成樹脂からなる被覆材と、
を備えることを特徴とする。
本発明の樹脂製グレーチングによれば、金属からなる芯材を、合成樹脂からなる被覆材で被覆するため、成形用の金型が不要となり、設備投資額を抑えることができ、製造コストを低減させることができる。また、各構成部材の肉厚が、芯材に対して被覆材の厚さ分増加するにすぎないため、各構成部材を薄く形成することができ、軽量化を図り、美観に優れた樹脂製グレーチングとすることができる。
本発明の樹脂製グレーチングの好ましい例は、
前記主部材を構成する芯材の板厚が0.6〜1.2mmであり、
前記被覆材の厚さが0.5〜1.5mmであることを特徴とする。
本発明の樹脂製グレーチングの好ましい例によれば、主部材を構成する芯材の板厚が0.6〜1.2mmであり、被覆材の厚さが0.5〜1.5mmであるため、主部材の板厚をより薄くすることができ、より軽量化と美観の向上を図ることができる。
本発明の樹脂製グレーチングの好ましい例は、
上記芯材に脚部を設け、前記脚部が前記被覆材から露出していることを特徴とする。
本発明の樹脂製グレーチングの好ましい例によれば、芯材に脚部を設けるとともに、該脚部が被覆材から露出しているため、脚部で樹脂製グレーチング及び通過物の重量を支えることができる。また、脚部は芯材に設けられているため、脚部にかかる加重を、芯材を通じて樹脂製グレーチング全体に分散させることができる。これらにより、樹脂製グレーチングの底面を被覆する被覆材が通過物の重量等で破損することがなく、耐久性に優れた樹脂製グレーチングとすることができる。
上述したように、本発明の樹脂製グレーチングによれば、成形用の金型を不要とし製造コストを低減させるとともに、従来の樹脂製グレーチングに対して構成部材の肉厚を薄くし、軽量化を図り、美観に優れた樹脂製グレーチングを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る樹脂製グレーチングを示す図である。 第1実施形態の樹脂製グレーチングを構成する部材の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂製グレーチングを示す図である。 図3におけるA−A線切断部端面図である。
以下、本発明の樹脂製グレーチングの実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施形態の樹脂製グレーチングは、歩道等に使用される軽荷重型の樹脂製グレーチングであり、特に風呂場やプール等の人が裸足で歩く場所において好適に使用される。また、樹脂製グレーチングは、図示しない排水溝の幅方向の開口部に、周辺の床や地面等の設置面からグレーチングの高さ分低く埋設された、一対の受枠に載置される。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る樹脂製グレーチング1を示す図、図2は、第1実施形態の樹脂製グレーチング1を構成する部材の断面図である。本実施形態の樹脂製グレーチング1は、金属からなる芯材と、該芯材の外表面を被覆する合成樹脂からなる被覆材から構成される。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る樹脂製グレーチング1は、主部材10としてのメインバー20と、副部材12としてのエンドバー23とサイドバー24とを備える。また、主部材10及び副部材12の一部を構成する芯材は、ステンレス、鉄等の金属からなり、それぞれが溶接等の公知の接合方法で接合されている。また、被覆材は、芯材の周囲を被覆しており、塩化ビニール、ポリエチレン、ポリエステル等の合成樹脂を採用することができる。
メインバー20は、複数本が所定の間隔をあけ並列して配置されることにより格子状をなしている。また、図2(A)にも示すように、横板21と縦板22からなる断面T字形をなしており、メインバー20の一部を構成する芯材s21,s22の周囲を、被覆材h20が被覆している。ここで、芯材s21,s22の板厚t1,t2は、通常の金属のみからなるグレーチングより薄くすることが好ましい。
これは、芯材s21,s22の周囲を被覆する被覆材h20によりメインバー20の強度が向上し、芯材s21,s22を薄くすることが可能となるためである。また、被覆材を備えない金属製グレーチングでは、構成部材を薄くすることにより、表面に溶接歪みや溶接跡が出現し、外観を損ねてしまう恐れがあるとともに、グレーチングの上を裸足で歩いたときに構成部材の縁辺が皮膚に食い込み、違和感を感じたり怪我の原因となったりする恐れがあるが、本実施形態の樹脂製グレーチング1では被覆材で被覆するため、係る問題が発生しづらい。
この芯材の板厚の具体的な寸法を挙げると、横板21における芯材s21の厚さt1は、1.0〜0.6mmが好ましく、0.8〜0.6mmがより好ましい。これは、0.8mmより厚くすると重量増加を招く恐れがあるためであり、1.0mmより厚くするとその傾向がより顕著となるためである。一方、0.6mmより薄くすると、メインバー20の強度が不足する恐れがあるためである。
また、縦板22における芯材s22の厚さt2は、1.2〜0.8mmが好ましく、1.0〜0.8mmがより好ましい。これは、1.0mmより厚くすると重量増加を招く恐れがあるためであり、1.2mmより厚くするとその傾向がより顕著となるためである。一方、0.8mmより薄くするとメインバー20の強度が不足する恐れがあるためである。なお、一般的な金属製軽加重型グレーチングでは、上記横板及び縦板の厚さは約2mmとなっている。
これらの横板21と縦板22における芯材s21,s22に被覆される被覆材h20は、いわゆるライニングと呼ばれる程度の厚さを有することが好ましく、0.5〜1.5mmの厚さが好ましい。これは、被覆材h20の厚さが0.5mmより薄いと、人が裸足で樹脂製グレーチング1の上を歩いたとき、皮膚に当たる感触が芯材に使用されている金属の感触に近くなり、不快感を与える恐れがあるとともに、被覆材h20の割れや亀裂が生じやすくなるためである。一方、被覆材h20の厚さが1.5mmより厚いと、重量増加を招く恐れがあるとともに、メインバー20が厚くなり、美観を損ねる恐れがあるためである。なお、芯材を備えない一般的な樹脂製グレーチングのメインバーの板厚は3〜5mmが採用されている。
エンドバー23は、平板からなる長尺材を所望寸法に切断してなる一対の帯板状のものであり、その平坦な側面が垂直方向となるよう、互いに平行に配置されるとともに、それぞれメインバー20の一方の長手端部同士、及びメインバー20の他方の長手端部同士を連結する。
また、図2(B)にも示すように、エンドバー23は、金属からなる芯材s23と、その周囲を被覆する被覆材h23から構成される。エンドバー23の一部を構成する芯材s23の板厚t3は、特に限定されず、グレーチングの使用される場所等の条件にあわせて適宜決定されるが、例えば、板厚が2〜6mmの平板を採用することができる。また、被覆材h23の厚さはメインバー20同様に0.5〜1.5mmが好ましい。
サイドバー24は、平板からなる長尺材をメインバー20と同じ長さに切断した一対の帯板状のものであり、エンドバー23とともに樹脂製グレーチング1の外枠を構成する。そして、エンドバー23同様に金属からなる芯材と、その周囲を被覆する被覆材から構成され、その態様はエンドバー23と同様である。また、サイドバー24を構成する芯材の板厚及び被覆材の厚さもエンドバー23と同様であり、それぞれ2〜6mm及び0.5〜1.5mmが好ましい。なお、サイドバー24は省略される場合もある。
次に、本実施形態の樹脂製グレーチング1の製造方法を説明する。先ず、メインバー20、エンドバー23、サイドバー24の一部を構成する芯材同士を、溶接等の公知の方法で接合する。次に、接合し組み立てられた芯材の表面の錆、汚れ、油脂等を除去する。そして、被覆材を、公知の溶射法、流動浸漬法、浸漬塗布法、又は吹付け法等で芯材の外側に融着させるのである。
このとき、被覆材の材料に軟質のものを採用すると、人が樹脂製グレーチング1の上を歩いたときの皮膚に当たる感触をより軟らかくすることができ、硬質のものを採用すると、樹脂製グレーチング1の強度をより向上させることができる。
このように、本実施形態の樹脂製グレーチング1では、芯材の外側を被覆材で被覆しているため、芯材を薄く構成することができ、軽量化とコストダウンを図ることができる。また、樹脂のみで構成されたグレーチングに比べ強度が高いため、各構成部品を薄くすることができ、美観に優れた樹脂製グレーチング1とすることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る樹脂製グレーチング2を説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係る樹脂製グレーチング2を示す図、図4は、図3におけるA−A線切断部端面図とその一部の拡大図である。また、本実施形態の樹脂製グレーチング2も、第1実施形態同様に金属からなる芯材と、該芯材の外表面を被覆する合成樹脂からなる被覆材から構成される。なお、第1実施形態と同様の箇所については、説明を省略する。
図3、図4に示すように、本実施形態の樹脂製グレーチング2は、主部材11としての底板35とエンドバー33、副部材13としてのサイドバー34と補強材36とを備える。また、芯材と被覆材の材料、及び芯材の周囲が被覆材で被覆される構成は、第1実施形態と同様である。
底板35は、その周囲から一段低く構成され、複数の丸形排水孔40が設けられている。また、底板35の一部を構成する芯材s35は、板厚が0.6〜1.0mmのものが採用され、その外側を被覆材h35が0.5〜1.5mmの厚さで被覆している。
エンドバー33は、底板35の長辺側の両端部に設けられ、その断面はコ字を90度回転させ、その開口部を下に向けた、横コ字状をなしている。また、エンドバー33の上面には、細長の矩形排水孔41が複数設けられている。このエンドバー33の一部を構成する芯材s33は、底板35の芯材s35と一体に構成され、1枚の板材を曲げ加工して形成されている。また、エンドバー33も、被覆材h33により0.5〜1.5mmの厚さで被覆されている。
サイドバー34は、底板35及びエンドバー33の長手方向端部に一対設けられ、エンドバー33とともに樹脂製グレーチング2の外枠をなしている。また、サイドバー34は、断面L字状の金属からなるアングル材を、底板35及びエンドバー33の幅方向の長さに切断して芯材とし、その外側を被覆材で被覆してなるものである。そして、サイドバー34の立設された面の内側面がエンドバー33の長手方向端部と接合され、底辺の上面が底板35の裏面と接合される。
なお、底板35、エンドバー33、及びサイドバー34で構成される凹状の空間には、人工芝、タイル、スポンジゴム等が充填され、その上を通行する人等に支障がないようにされる。
補強材36は、底板35の下側端部、すなわち裏面に、サイドバー34と平行して2本設けられている。この補強材36の一部を構成する芯材s36は、金属からなる帯状の平板をサイドバー34と略同じ長さに切断してなり、その外側を被覆材h36が被覆している。この補強材36及び上記サイドバー34の底辺により、樹脂製グレーチング2の脚部をなし、樹脂製グレーチング2及びその上の通行物の重さを支えるとともに、底板35及びエンドバー33を受枠から浮かせるのである。
なお、サイドバー34及び補強材36の一部を構成する芯材の板厚は、2〜6mmのものが採用され、被覆材の厚さは0.5〜1.5mmとなっている。
また、本実施形態の樹脂製グレーチング2の製造方法であるが、第1実施形態同様に、先ず、底板35、エンドバー33、サイドバー34、補強材36の一部を構成する芯材同士を溶接等の方法により接合する。次に、組み立てられた芯材の錆、汚れ、油脂等を除去し、被覆材を、第1実施形態同様の方法で芯材の外側に融着させるのである。
また、他の実施形態として、本実施形態の樹脂製グレーチング2の脚部を構成する補強材36及びサイドバー34の底辺のみ被覆材を被覆せず、金属からなる芯材をそのまま露出させることもできる。このような形態とすることで、樹脂製グレーチング2の上を通過する人等の重さを金属からなる脚部で支え、樹脂製グレーチング2の底部における被覆材の損傷を防止し、耐久性に優れた樹脂製グレーチング2とすることができる。
以上説明したように、本発明に係る樹脂製グレーチングによれば、芯材の周囲を合成樹脂で被覆しているため、合成樹脂を成形するための金型が不要であり、製造コストを低減させることができる。また、樹脂のみで構成されたグレーチングに比べて強度が増加するため、各構成部品の板厚を薄くすることができ、美観の向上を図ることができるとともに、樹脂のみで構成されたグレーチングに発生しやすい経年変化による反りや曲がり等も防止でき、耐久性に優れた樹脂製グレーチングとすることができる。
また、その上を通過する人が裸足である場合、金属製のグレーチングに比べて、足の裏に当たる感触を柔らかいものとすることができる。また、芯材の板厚も、金属製グレーチングに比べて薄くすることができ、軽量化とコストダウンを図ることができる。また、芯材の外側を被覆材で被覆しているため、芯材の腐食を防止することもできる。
1,2・・樹脂製グレーチング、10,11・・主部材、12,13・・副部材、
20・・メインバー、21・・横板、22・・縦板、23,33・・エンドバー、24,34サイドバー、35・・底板、36・・補強材、
40・・丸形排水孔、41・・矩形排水孔、
s21,s22,s23,s33,s24,s35,s36・・芯材、
h20,h23,h33,h24,h35,h36・・被覆材、

Claims (3)

  1. 上方からの荷重を主に担う主部材と、前記主部材に接合される副部材とを備える樹脂製グレーチングにおいて、
    金属からなる芯材と、
    前記芯材を被覆する合成樹脂からなる被覆材と、
    を備えることを特徴とする樹脂製グレーチング。
  2. 前記主部材を構成する芯材の板厚が0.6〜1.2mmであり、
    前記被覆材の厚さが0.5〜1.5mmであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製グレーチング。
  3. 上記芯材に脚部を設け、前記脚部が前記被覆材から露出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂製グレーチング。
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