JP2015054938A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2015054938A
JP2015054938A JP2013189975A JP2013189975A JP2015054938A JP 2015054938 A JP2015054938 A JP 2015054938A JP 2013189975 A JP2013189975 A JP 2013189975A JP 2013189975 A JP2013189975 A JP 2013189975A JP 2015054938 A JP2015054938 A JP 2015054938A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
curable resin
resin composition
component
meth
diene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013189975A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6404552B2 (ja
Inventor
佑基 比舎
Yuki Hisha
佑基 比舎
泰則 石田
Yasunori Ishida
泰則 石田
健司 深尾
Kenji Fukao
健司 深尾
慶次 後藤
Keiji Goto
慶次 後藤
大島 和宏
Kazuhiro Oshima
和宏 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP2013189975A priority Critical patent/JP6404552B2/ja
Publication of JP2015054938A publication Critical patent/JP2015054938A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6404552B2 publication Critical patent/JP6404552B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】十分な接着性を付与することが困難であるという課題を解決する。
【解決手段】温度23℃、湿度50%の条件下で、硬化体の破断時の伸びが300%以下であり、かつ、下記(A)〜(D)成分を含有する硬化性樹脂組成物。(A)(メタ)アクリロイル基を有し、かつ、ジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格を有するオリゴマー100質量部、(B)400部を超える、(メタ)アクリロイル基を有さず、かつ、ジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格を有するオリゴマー、(C)100部を超える、芳香族環を有する(メタ)アクリレート、(D)光重合開始剤。更に、シランカップリング剤を含有してもよく、接着剤組成物として使用してもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物に関する。
LCD(液晶ディスプレイ)等の表示体の上に搭載するタッチパネルには、抵抗膜式、静電容量式、電磁誘導式、光学式等がある。これらのタッチパネルの表面に、見た目のデザイン性を良くするための化粧板や、タッチする位置を指定するアイコンシートを貼り合わせる場合がある。静電容量式タッチパネルは、透明基板の上に透明電極を形成し、その上に透明板を貼り合わせた構造を有している。
従来、上記の化粧板とタッチパネルとの貼り合わせ、上記のアイコンシートとタッチパネルとの貼り合わせ、上記の透明基板と透明板の貼り合わせは、接着剤を用いていた。特許文献1は、(A)ポリイソプレン、ポリブタジエン又はポリウレタンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマー、(B)柔軟化成分、並びに(C1)フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO付加物(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートから選択した(メタ)アクリレートモノマーを含む光硬化型樹脂組成物が記載されている(特許文献1)。
近年LCD等の表示体のガラスが薄くなってきている。ガラスが薄くなると外部応力でLCDが変形しやすくなる。この薄いガラスのLCD等の表示体と、アクリル板やポリカーボネート板等の光学機能材料とを貼り合わせる場合、ガラスとアクリル等の線膨張の違いや、アクリル板やポリカーボネート等のプラスチック成型材の成型時の歪みにより、耐熱試験や耐湿試験において成型歪みの緩和や吸湿/乾燥が起こり、寸法変化や反り等の面精度変化が起きる。従来の接着剤(例えば、特許文献2)でこの変形を抑えようとした場合は、接着面が剥がれたり、LCDが割れたり、LCDが表示ムラになったりするという課題があった。
上記課題の解決策として、特許文献3のようなUV硬化型樹脂が挙げられる。特許文献3はイソボルニル(メタ)アクリレートのような剛直な骨格モノマーをベースとした高弾性樹脂である。
化粧板とタッチパネルとの貼り合わせ、アイコンシートとタッチパネルとの貼り合わせ、透明基板と透明板の貼り合わせ等の用途では、使用環境を想定した加温雰囲気での被着体の変形に追随できる程度の柔軟性を有することが望ましいとされている。
国際公開第2010/027041号 特開2004−77887号公報 特開昭64−85209号公報
しかしながら、上記文献記載の従来技術は、以下の点で改善の余地を有していた。
例えば、特許文献1に記載の光硬化型樹脂組成物は、接着耐久性または貼り合わせ面に印刷加工がある場合の接着力が十分ではなかった。
また、特許文献3のUV硬化型樹脂は、高温信頼性試験において被着体の膨張収縮に耐えることができず、剥がれを生じてしまう可能性があった。
また、いずれの文献の技術においても、貼り合わせ面に印刷加工がしてあると、印刷加工の部分は光エネルギー線による接着が難しく、未硬化部の影響により接着性が低下するという課題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、例えば、タッチパネル等の表示体に使用される化粧板やアイコンシートを貼り合わせる場合、透明基板と透明基板とを貼り合わせる場合、印刷加工された部分を貼り合わせる場合に、十分な接着耐久性を付与することが困難であるという従来技術の課題、或いは表示体と光学機能材料とを貼り合わせる場合に、接着面が剥がれたり、表示体のガラスが割れたりするという従来技術の課題を解決する硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
即ち、本発明によれば、温度23℃、湿度50%の条件下で、硬化体の破断時の伸びが300%未満であり、かつ、下記(A)〜(D)成分を含有する硬化性樹脂組成物が提供される。
(A)(メタ)アクリロイル基を有し、かつ、ジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格を有するオリゴマー100質量部
(B)400部を超える、(メタ)アクリロイル基を有さず、かつ、ジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格を有するオリゴマー
(C)100部を超える、芳香族環を有する(メタ)アクリレート
(D)光重合開始剤
また、本発明によれば、上記硬化性樹脂組成物に、更に、(E)成分として、シランカップリング剤を含有する該硬化性樹脂組成物が提供される。また、本発明によれば、上記硬化性樹脂組成物に、更に、(F)成分として、重合禁止剤を含有する該硬化性樹脂組成物が提供される。また、本発明によれば、(A)成分及び/又は(B)成分のジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格が、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエンの水素添加物、及びポリイソプレンの水素添加物からなる群から選ばれる1種以上の骨格である上記の硬化性樹脂組成物が提供される。また、本発明によれば、(A)成分及び/又は(B)成分のジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格を有するオリゴマーの分子量が500〜70000である上記の硬化性樹脂組成物が提供される。本発明によれば、温度23℃、湿度50%の条件下で、硬化体の弾性率が0.5MPa以下である上記の硬化性樹脂組成物が提供される。また、本発明によれば、上記の硬化性樹脂組成物からなる接着剤組成物が提供される。また、本発明によれば、上記の接着剤組成物の硬化体が提供される。また、本発明によれば、上記硬化体により被着体が被覆又は接合された複合体が提供される。また、本発明によれば、上記被着体がトリアセチルセルロース、フッ素系ポリマー、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ガラス、金属からなる群から選ばれる1種以上である複合体が提供される。また、本発明によれば、上記の接着剤組成物により被着体を貼り合わせたタッチパネル積層体が提供される。また、本発明によれば、上記の接着剤組成物により被着体を貼り合わせた液晶パネル積層体が提供される。また、本発明によれば、上記のタッチパネル積層体を用いたディスプレイが提供される。また、本発明によれば、上記の液晶パネル積層体を用いたディスプレイが提供される。
本発明の硬化性樹脂組成物は、接着耐久性または貼り合わせ面に印刷加工がある場合の接着力に優れている。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書においてA〜Bとは、A以上B以下を意味するものとする。
(A)成分について
本実施形態で用いることができる(A)成分は、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ、ジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格を有するオリゴマーである。
本実施形態における該オリゴマーの主鎖骨格は、ジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格である。ジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエンの水素添加物、及びポリイソプレンの水素添加物からなる群から選ばれる1種以上の骨格が好ましい。これらの中では、接着耐久性が大きい点で、ポリブタジエン及びポリイソプレンからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ポリイソプレンがより好ましい。
該オリゴマーは、上記主鎖骨格の末端又は側鎖に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。これらの中では、主鎖骨格の両末端に(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。
該オリゴマーの分子量は500〜70000が好ましく、1000〜60000がより好ましく、1000〜55000が最も好ましい。分子量がこの範囲であれば、本実施形態の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化体の硬度が高いので接着剤層を形成しやすくなり、一方で、得られる硬化性樹脂組成物の粘度が小さいので、製造過程での混合等における作業性や実用用途において作業性が良好になる。なお、この分子量は、例えば500、1000、2000、3000、4000、5000、7000、10000、15000、20000、25000、30000、35000、40000、45000、50000、55000、60000、65000、70000のうち任意の2つの値の範囲内であってもよい。
オリゴマーの分子量は、分子1個あたりの平均の分子量として算出される数平均分子量を指す。後述する実施例では、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した、ポリスチレン換算の数平均分子量を使用した。具体的には、平均分子量は、下記の条件にて、溶剤としてテトラヒドロフランを用い、GPCシステム(東ソ−社製SC−8010)を使用し、市販の標準ポリスチレンで検量線を作成して求めた。
流速:1.0ml/min
設定温度:40℃
カラム構成:東ソー社製「TSK guardcolumn MP(×L)」6.0mmID×4.0cm1本、及び東ソー社製「TSK−GELMULTIPOREHXL−M」7.8mmID×30.0cm(理論段数16,000段)2本、計3本(全体として理論段数32,000段)、
サンプル注入量:100μl(試料液濃度1mg/ml)
送液圧力:39kg/cm
検出器:RI検出器
(A)成分のオリゴマーとしては、イソプレン重合物の無水マレイン酸付加物と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとのエステル化物オリゴマー(構造は下記式(1)参照、クラレ社製「UC−203」等)、日本曹達社製「TEAI−1000」(末端アクリル変性した水素添加1,2−ポリブタジエンオリゴマー)、日本曹達社製「TE−2000」(末端アクリル変性した1,2−ポリブタジエンオリゴマー)等が挙げられる。これらの中では、イソプレン重合物の無水マレイン酸付加物と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとのエステル化物オリゴマーが好ましい。


(B)成分について
本実施形態で用いることができる(B)成分は、(メタ)アクリロイル基を有さず、かつ、ジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格を有するオリゴマーである。
本実施形態における該オリゴマーの主鎖骨格は、ジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格である。ジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエンの水素添加物、及びポリイソプレンの水素添加物からなる群から選ばれる1種以上の骨格が好ましい。これらの中では、接着耐久性が大きい点で、ポリブタジエン及びポリイソプレンからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ポリブタジエンがより好ましい。
該オリゴマーは、上記主鎖骨格の末端又は側鎖に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。これらの中では、主鎖骨格の両末端に(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。
該オリゴマーの分子量は500〜70000が好ましく、1000〜60000がより好ましく、1000〜55000が最も好ましい。分子量がこの範囲であれば、本実施形態の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化体の硬度が高いので接着剤層を形成しやすくなり、一方で、得られる硬化性樹脂組成物の粘度が小さいので、製造過程での混合等における作業性や実用用途において作業性が良好になる。なお、この分子量は、例えば500、1000、2000、3000、4000、5000、7000、10000、15000、20000、25000、30000、35000、40000、45000、50000、55000、60000、65000、70000のうち任意の2つの値の範囲内であってもよい。
オリゴマーの分子量は、分子1個あたりの平均の分子量として算出される数平均分子量を指す。後述する実施例では、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した、ポリスチレン換算の数平均分子量を使用した。具体的には、前述の通りである。
(B)成分のオリゴマーとしては、クラレ社製「LIR−50」(イソプレンオリゴマー)、クラレ社製「LBR−307」「LBR−50」(ブタジエンオリゴマー)、東洋紡社製「バイロン」(非晶質ポリエステル樹脂)等が挙げられる。これらの中では、イソプレンオリゴマー、1,2−ポリブタジエンオリゴマー及び1,4−ポリブタジエンオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、1,2−ポリブタジエンオリゴマー及び1,4−ポリブタジエンオリゴマーがより好ましく、1,4−ポリブタジエンオリゴマーが最も好ましい。
(C)成分について 本実施形態で用いることができる(C)成分は、芳香族環を有する(メタ)アクリレートである。芳香族環を有する(メタ)アクリレートとしては、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、ECH(ECHはエピクロロヒドリンの略)変性フェノキシ(メタ)アクリレート,フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリレートは1種類又は2種類以上を使用できる。これらの中では、フェノキシ基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。フェノキシ基は、下記式(2)に示す構造を有することが好ましい。Rは、任意の置換基を示す。Rは、水素、アルキル基、水酸基等が挙げられる。Rの中では、アルキル基が好ましい。アルキル基は、炭素数1〜20個のアルキル基が好ましく、炭素数6〜12個のアルキル基がより好ましい。フェノキシ基を有する(メタ)アクリレートの中では、ノニルフェノキシ基を有する(メタ)アクリレート及び/又はフェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、ノニルフェノキシ基を有する(メタ)アクリレートがより好ましい。ノニルフェノキシ基を有する(メタ)アクリレートの中では、ノニルフェノキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートが好ましく、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及び/又はノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートが好ましい。ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートのエチレングリコール鎖−(CHCHO)n−は、n=1〜30が好ましい。ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートのプロピレングリコール鎖−(CHCHO)n−は、n=1〜30が好ましい。芳香族環の数は、例えば1、2、又は3であり、好ましくは1つである。

(D)成分について (D)成分は、光重合開始剤(以下光開始剤という)である。光開始剤としては、(A)成分、(B)成分、(C)成分といった(メタ)アクリレートの重合を開始させるものであれば特に制限はない。
(D)光開始剤としては、紫外線重合開始剤や可視光重合開始剤等が挙げられるが、どちらも制限無く用いられる。紫外線重合開始剤としては、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系等が挙げられる。可視光重合開始剤としては、アシルホスフィンオキサイド系、チオキサントン系、メタロセン系、キノン系、α−アミノアルキルフェノン系等が挙げられる。
(D)光開始剤としては、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンジル,ベンゾイン、ベンゾイルイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、カンファーキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル―2-ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モリフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、特に各被着体に対する接着性を一層向上させることを目的に、(A)成分以外の(メタ)アクリレートや(C)成分以外の(メタ)アクリレートを含有することができる。
(E)成分について 本実施形態ではガラスへの密着力を向上させる目的で、(E)成分として、シランカップリング剤を含有することができる。シランカップリング剤としては、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらの中では、ガラス等への接着性の点で、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び/又はγ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましく、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
(F)成分について
本実施形態では貯蔵安定性の点で、(F)成分として、重合禁止剤を含有することができる。重合禁止剤としては、ヒンダードフェノール系、ビスフェノール系、リン酸系等が挙げられる。これらの中では、ヒンダードフェノール系が好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤には、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、スチレン化フェノール、スチレン化クレゾール、トコフェロール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘクシルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、プロピルガレート、オクチルガレート、ラウリルガレート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−9側鎖アルキルエステル(Cは炭素の数)等が挙げられる。
各成分の含有量について
本実施形態は、前記(A)〜(D)成分を必須成分として含有することにより、光や紫外線で硬化させることが可能になる。
(B)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対して、400部を超えることが、硬化性樹脂組成物の被着体に対するに対する接着性が特段に高くなり、且つ、硬化性が良好となり、貼り合わせ面に印刷加工がある場合の接着力に優れる点で、好ましく、401〜600質量部を含有することがより好ましく、410〜450質量部を含有することが最も好ましい。なお、(B)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対して、400、401、402、403、404、405、410、420、430、440、450、500、550、600のうちの任意の2つの値の範囲内(両端の数値は含んでも含まなくてもよい)であってもよい。
(C)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対して、100部を超えるものであり、100部を超え450質量部が好ましく、101〜400質量部がより好ましく、150〜350質量部が最も好ましい。100部を超えることにより、硬化性樹脂組成物の被着体に対するに対する接着性が特段に高くなり、且つ、硬化性が良好となり、貼り合わせ面に印刷加工がある場合の接着力に優れる。なお、(C)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対して、100、101、102、103、104、105、110、120、130、140、150、200、250、300、350、400、450のうちの任意の2つの値の範囲内(両端の数値は含んでも含まなくてもよい)であってもよい。
(D)成分の使用量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して、0.01〜20質量部を含有することが、硬化性樹脂組成物の被着体に対するに対する接着性が特段に高くなり、且つ、硬化性が良好となり、貼り合わせ面に印刷加工がある場合の接着力に優れる点で、好ましく、0.5〜5質量部を含有することが、より好ましい。なお、(D)成分の使用量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して、0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10、15、20のうちの任意の2つの値の範囲内(両端の数値は含んでも含まなくてもよい)であってもよい。
(E)成分の使用量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。なお、(E)成分の使用量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して、0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10、15、20のうちの任意の2つの値の範囲内(両端の数値は含んでも含まなくてもよい)であってもよい。
(F)成分の使用量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して、0.00001〜3質量部が好ましく、0.001〜2質量部がより好ましく、0.05〜1質量部が最も好ましい。なお、(F)成分の使用量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して、0.00001、0.0001、0.001、0.01、0.1、1、2、3のうちの任意の2つの値の範囲内(両端の数値は含んでも含まなくてもよい)であってもよい。
これらの他にも所望により、エラストマー、各種パラフィン類、可塑剤、充填剤、着色剤、防錆剤。酸化防止剤等を使用できる。
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、接着剤組成物として使用できる。本実施形態では、接着剤組成物の硬化体によって、被着体を接合又は被覆して複合体を作製することができる。被着体の各種材料は、シクロオレフィンポリマー等のポリオレフィン、トリアセチルセルロース、フッ素系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ガラス、金属からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ポリエステル、ポリオレフィン、ガラスからなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物にて接着した硬化体は、完全硬化させた後にリワーク(再利用)することが可能である。リワークの方法としては特に制限は無いが、貼り合わされた1種又は2種の被着体間に0.01〜100Nの荷重を負荷することにより被着体同士を解体し、解体後の被着体を再利用することが可能となる。
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、その硬化体の破断時の伸びが300%以下である。硬化体がこのような破断時の伸びを示すことにより、本実施形態の硬化性樹脂組成物は、基材同士を貼り合わせた場合に、接着面が剥がれたり、基材が割れたりすることがないといった効果を有する。
本実施形態において、温度23℃、湿度50%の条件下で、硬化体の破断時の伸びは300%以下であり、300%未満が好ましく、150%以下がより好ましい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、温度23℃、湿度50%の条件下で、その硬化体の弾性率(貯蔵弾性率)が0.5MPa以下であることが好ましい。硬化体がこのような弾性率を示すことにより、本実施形態の硬化性樹脂組成物は、基材同士を貼り合わせた場合に、接着面が剥がれたり、基材が割れたりすることがないといった効果を有する。
本実施形態において、硬化体の弾性率は0.5MPa以下が好ましく、硬化体の弾性率は0.5MPa未満がより好ましく、0.1MPa未満が最も好ましい。
硬化体の弾性率及び破談時の伸びは、後述の実施例に記載の方法により測定できる。
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、印刷加工された部分を貼り合わせる場合に、十分な接着耐久性を付与することが可能である。印刷加工方法としては、顔料とバインダーを混合した印刷インキを被着体に印刷する方法等が挙げられる。印刷面の厚さは、紫外線や可視光等の光が印刷面を透過し、硬化性樹脂組成物に照射し、硬化性樹脂組成物が硬化できれば、特に制限はない。光が印刷面を透過できる点で、印刷面の厚さを、数μmと薄くしても良い。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下に、実験例をあげて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実験例)
特記しない限り、温度23℃、湿度50%の条件下で、実験した。表1に示す組成の硬化性樹脂組成物を調製し、評価した。結果を表1〜2に示した。
実験例に記載の硬化性樹脂組成物中の各成分としては、以下の化合物を選択した。
(A)成分の、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ、ジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格を有するオリゴマーとして、以下の化合物を選択した。
(A−1)1,2−ポリブタジエンオリゴマー(日本曹達社製「TE−2000」)(GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量2000)
(A−2)イソプレンオリゴマー(クラレ社製「UC−203」)(GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量36000、イソプレン重合物の無水マレイン酸付加物と2−ヒドロキシエチル(メタクリレートとのエステル化物オリゴマー、式(1)にてYはエチレン基、Rはメチル基)
(B)成分の、(メタ)アクリロイル基を有さず、かつ、ジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格を有するオリゴマーとして、以下の化合物を選択した。
(B−1)ブタジエンオリゴマー(クラレ社製「LBR−307」、1,4−ポリブタジエンオリゴマー)(GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量8000)
(C)成分の、フェノキシ基若しくはノニルフェノキシ基を有する(メタ)アクリレートとして、以下の化合物を選択した。
(C−1)ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート(n=1)(東亜合成社製「M−111」)
(C−2)2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−5700」) (D)成分の光開始剤として、以下の化合物を選択した。
(D−1)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティケミカル社製「Irgacure184」)
(D−2)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(チバスペシャリティケミカル社製「DarocurTPO」)
(E)成分のシランカップリング剤として、以下の化合物を選択した。
(E−1)γ−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ社製「シルクエストA−174」)
(F)成分の重合禁止剤として、以下の化合物を選択した。
(F−1)ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−9 側鎖アルキルエステル(BASF社製「イルガノックス1135」)
各種物性は、次のように測定した。
〔光硬化性〕
温度23℃で測定した。光硬化性に関しては、テンパックスガラス(幅25mm×長さ25mm×厚さ2mm)の表面に硬化性樹脂組成物を厚み0.1mmになるように塗布した。その後、無電極放電ランプを使用したフュージョン社製硬化装置を用い、波長365nmのUV光を積算光量2000mJ/cmの条件にて照射し、硬化させた。その後、引張剪断接着強さを測定した。硬化性樹脂組成物を調製し、塗布した。試験片を印刷加工する場合、以下の方法により印刷加工した。カーボン粉と溶剤からなる黒色塗料を、試験片表面全体にスプレー塗布することにより、厚さ数μmの印刷面を形成した試験片を作製した。
〔弾性率及び破断時の伸び〕
JIS Z 1702に準拠した。ダンベル試験片(厚さ1.0mm)を作製後、インストロンジャパン社製引張試験機を使用し、引張速度10mm/分で測定した。ダンベル試験片は〔光硬化性〕に記載の方法に従い、硬化した。
〔ポリエチレンテレフタレート(PET)接着性評価(ポリエチレンテレフタレート試験片間の剥離接着強さ)〕
2軸延伸PETフィルム(ルミラーT60、平均厚さ190μm、東レ社製)の印刷加工された試験片(幅50mm×長さ10mm×厚さ0.19mm)同士を、硬化性樹脂組成物を接着剤組成物として用いて、貼り合わせ面に印刷加工がある状態で接着層の厚み30μmで接着面積を縦40mm×横10mmとして接着させた。光硬化による硬化後、接着剤組成物とで接着した該試験片の、密着されていない2箇所のフィルム端部を引っ張ることで、フィルム同士が密着された部分を剥離させて、初期の180°剥離接着強さを測定した。光硬化における光照射条件は〔光硬化性〕に記載の方法に従った。剥離接着強さ(単位:N/cm)は、引張試験器を用いて温度23℃、湿度50%の環境下で引張速度50mm/分で測定した。
〔ガラス接着性評価(耐熱ガラス試験片間の引張接着強さ)〕
印刷加工された耐熱ガラス試験片(幅25mm×長さ25mm×厚さ2.0mm)同士を、厚み80μm×幅11.5mm×長さ25mmのテフロン(登録商標)テープをスペーサーとして用い、硬化性樹脂組成物を接着剤組成物として用いて貼り合わせ面に印刷加工がある状態で接着させた(接着面積3.125cm)。光硬化における光照射条件は〔光硬化性〕に記載の方法に従った。上記条件にて接着剤組成物を硬化させた後、更に、試験片の両面に電気化学工業社製接着剤組成物「G−55」を使用し、亜鉛メッキ鋼板(幅100mm×長さ25mm×厚さ2.0mm、エンジニアリングテストサービス社製)を接着させた。硬化後、接着剤組成物で接着した該試験片を用いて、亜鉛メッキ鋼板をチャックして、初期の引張剪断接着強さを測定した。引張剪断接着強さ(単位:MPa)は、引張試験器を用いて温度23℃、湿度50%の環境下で引張速度10mm/分で測定した。
〔シクロオレフィンポリマー(COP)接着性評価(シクロオレフィンポリマー試験片間の剥離接着強さ)〕
COPフィルム(ZEONOR、平均厚さ40μm、日本ゼオン社製)の印刷加工された試験片(幅50mm×長さ10mm×厚さ0.04mm)同士を、硬化性樹脂組成物を接着剤組成物として用いて、貼り合わせ面に印刷加工がある状態で接着層の厚み10μmで接着面積を縦40mm×横10mmとして接着させた。光硬化による硬化後、接着剤組成物で接着した該試験片の、密着されていない2箇所のフィルム端部を引っ張ることで、フィルム同士が密着された部分を剥離させて、初期の180°剥離接着強さを測定した。光硬化における光照射条件は〔光硬化性〕に記載の方法に従った。剥離接着強さ(単位:N/cm)は、引張試験器を用いて温度23℃、湿度50%の環境下で引張速度50mm/分で測定した。
〔トリアセチルセルロース接着性評価(トリアセチルセルロース試験片間の剥離接着強さ)〕
トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(平均厚さ40μm、富士フィルム社製)の印刷加工された試験片(幅50mm×長さ10mm×厚さ0.04mm)同士を、硬化性樹脂組成物を接着剤組成物として用いて、貼り合わせ面に印刷加工がある状態で接着層の厚み10μmで接着面積を縦40mm×横10mmとして接着させた。接着剤組成物で接着した該試験片の、密着されていない2箇所のフィルム端部を引っ張ることで、フィルム同士が密着された部分を剥離させて、初期の180°剥離接着強さを測定した。光硬化における光照射条件は〔光硬化性〕に記載の方法に従った。剥離接着強さ(単位:N/cm)は、引張試験器を用いて温度23℃、湿度50%の環境下で引張速度50mm/分で測定した。
〔フッ素系ポリマー接着性評価(フッ素フィルム試験片間の剥離接着強さ)〕
PVDF(Polyvinylidene fluoride)フィルム(平均厚さ40μm、電気化学工業社製「DXフィルム」)の印刷加工された試験片(幅50mm×長さ10mm×厚さ0.04mm)同士を、硬化性樹脂組成物を接着剤組成物として用いて、貼り合わせ面に印刷加工がある状態で接着層の厚み10μmで接着面積を縦40mm×横10mmとして接着させた。接着剤組成物で接着した該試験片の、密着されていない2箇所のフィルム端部を引っ張ることで、フィルム同士が密着された部分を剥離させて、初期の180°剥離接着強さを測定した。光硬化における光照射条件は〔光硬化性〕に記載の方法に従った。剥離接着強さ(単位:N/cm)は、引張試験器を用いて温度23℃、湿度50%の環境下で引張速度50mm/分で測定した。
〔ポリカーボネート接着性評価(ポリカーボネート試験片間の引張接着強さ)〕
印刷加工されたポリカーボネート(帝人社製「パンライト」)試験片(幅25mm×長さ25mm×厚さ2.0mm)同士を、厚み80μm×幅12.5mm×長さ25mmのテフロン(登録商標)テープをスペーサーとして用い、硬化性樹脂組成物を接着剤組成物として用いて貼り合わせ面に印刷加工がある状態で接着させた(接着面積3.125cm)。光硬化における光照射条件は〔光硬化性〕に記載の方法に従った。引張剪断接着強さ(単位:MPa)は、引張試験器を用いて温度23℃、湿度50%の環境下で引張速度10mm/分で測定した。
〔金属接着性評価(SPCC試験片とガラス試験片間の引張接着強さ)〕
印刷加工されたSPCC試験片(幅25mm×長さ25mm×厚さ1.6mm)とテンパックスガラス(幅25mm×長さ25mm×厚さ2mm)を、厚み80μm×幅12.5mm×長さ25mmのテフロン(登録商標)テープをスペーサーとして用い、硬化性樹脂組成物を接着剤組成物として用いて貼り合わせ面に印刷加工がある状態で接着させた(接着面積3.125cm)。光硬化における光照射条件は〔光硬化性〕に記載の方法に従った。上記条件にて接着剤組成物を硬化させた後、更に、テンパックス試験片側に電気化学工業社製接着剤組成物「G−55」を使用し、亜鉛メッキ鋼板(幅100mm×長さ25mm×厚さ2.0mm、エンジニアリングテストサービス社製)を接着させた。硬化後、接着剤組成物で接着した該試験片を用いて、亜鉛メッキ鋼板をチャックして、初期の引張剪断接着強さを測定した。引張剪断接着強さ(単位:MPa)は、引張試験器を用いて温度23℃、湿度50%の環境下で引張速度10mm/分で測定した。
〔耐湿熱性評価(高温高湿暴露後の耐熱ガラス試験片間の引張接着強さ)〕
印刷加工されたテンパックスガラス(幅25mm×長さ25mm×厚さ2mm)同士を、硬化性樹脂組成物を接着剤組成物として用いて、貼り合わせ面に印刷加工がある状態で接着層の厚み100μmで接着面積を1.0mmとして接着させ硬化させた。光硬化における光照射条件は〔光硬化性〕に記載の方法に従った。硬化後、接着剤組成物で接着した該試験片を、恒温恒湿槽を用いて、温度85℃、相対湿度85%の環境下に1000時間暴露した。暴露後の試験片を用いて、引張剪断接着強さを測定した。接着部位の外観を目視で観察し、黄変しているか否かを調べた。引張剪断接着強さ(単位:MPa)は、引張試験器を用いて温度23℃、湿度50%の環境下で引張速度10mm/分で測定した。
〔外観観察(黄変度)〕
テンパックスガラス(幅25mm×長さ25mm×厚さ2mm)同士を、硬化性樹脂組成物を接着剤組成物として用いて、接着層の厚み100μmで接着面積を1.0mmとして接着させ硬化させた。光硬化における光照射条件は〔光硬化性〕に記載の方法に従った。硬化後、接着剤組成物で接着した該試験片をカラー測定装置(SHIMADZU社製「UV−VISIBLE SPECTROPOHOTOMETER」にてΔb値を黄変度とした。

実験例から、以下のことが判る。本発明の実施例に相当する硬化性樹脂組成物は、高い接着性を示すとともに、良好な硬化特性および耐湿熱性を示す。また、本発明の実施例に相当する硬化性樹脂組成物は、印刷加工された部分を貼り合わせる場合に、十分な接着耐久性を付与することが可能である。特に、トリアセチルセルロース、フッ素系ポリマー、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ガラス、金属に対して、高い接着性を示す。実施例に相当する硬化性樹脂組成物は、高い接着性を示すので、薄いガラスのLCD等の表示体と、アクリル板やポリカーボネート板等の光学機能材料とを貼り合わせる場合、接着面が剥がれたり、LCDが割れたり、LCDが表示ムラになったりしない。実施例に相当する硬化性樹脂組成物は、耐湿熱性が大きく、加温雰囲気での被着体の変形に追随できるので、被着体が剥がれることもない。なお、上記の実施例に相当する硬化性樹脂組成物は、印刷加工された部分を貼り合わせる場合について実験したが、印刷加工されていない部分を貼り合わせる場合にも、十分な接着性を付与できることを実験によって確認している。
比較例に相当する硬化性樹脂組成物の場合、本発明の効果を有しない。
本発明の硬化性樹脂組成物は、タッチパネル積層体用や液晶パネル積層体用の接着剤組成物に使用できる。本発明のタッチパネル積層体や液晶パネル積層体は、ディスプレイとして使用できる。本発明の硬化性樹脂組成物は、透明な部分や半透明な部分を貼り合わせる場合にも、硬化性を向上することができる。

Claims (14)

  1. 温度23℃、湿度50%の条件下で、硬化体の破断時の伸びが300%以下であり、かつ、下記(A)〜(D)成分を含有する硬化性樹脂組成物。
    (A)(メタ)アクリロイル基を有し、かつ、ジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格を有するオリゴマー100質量部
    (B)400部を超える、(メタ)アクリロイル基を有さず、かつ、ジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格を有するオリゴマー
    (C)100部を超える、芳香族環を有する(メタ)アクリレート
    (D)光重合開始剤
  2. 更に、(E)成分として、シランカップリング剤を含有する請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 更に、(F)成分として、重合禁止剤を含有する請求項1〜2のうちのいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(A)成分及び/又は前記(B)成分のジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格が、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエンの水素添加物、及びポリイソプレンの水素添加物からなる群から選ばれる1種以上の骨格である請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(A)成分及び/又は前記(B)成分のジエン系又は水素添加されたジエン系の骨格を有するオリゴマーの分子量が500〜70000である請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 温度23℃、湿度50%の条件下で、硬化体の弾性率が0.5MPa以下である請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物からなる接着剤組成物。
  8. 請求項7記載の接着剤組成物の硬化体。
  9. 請求項8記載の硬化体により被着体が被覆又は接合された複合体。
  10. 請求項9記載の被着体がトリアセチルセルロース、フッ素系ポリマー、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ガラス、金属からなる群から選ばれる1種以上である複合体。
  11. 請求項7に記載の接着剤組成物により被着体を貼り合わせたタッチパネル積層体。
  12. 請求項7に記載の接着剤組成物により被着体を貼り合わせた液晶パネル積層体。
  13. 請求項11に記載のタッチパネル積層体を用いたディスプレイ。
  14. 請求項12に記載の液晶パネル積層体を用いたディスプレイ。
JP2013189975A 2013-09-13 2013-09-13 硬化性樹脂組成物 Active JP6404552B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013189975A JP6404552B2 (ja) 2013-09-13 2013-09-13 硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013189975A JP6404552B2 (ja) 2013-09-13 2013-09-13 硬化性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015054938A true JP2015054938A (ja) 2015-03-23
JP6404552B2 JP6404552B2 (ja) 2018-10-10

Family

ID=52819566

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013189975A Active JP6404552B2 (ja) 2013-09-13 2013-09-13 硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6404552B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016039289A1 (ja) * 2014-09-08 2016-03-17 電気化学工業株式会社 組成物
JP2017149813A (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 協立化学産業株式会社 光硬化性樹脂組成物
WO2018110666A1 (ja) * 2016-12-14 2018-06-21 デンカ株式会社 組成物
JP2022000508A (ja) * 2017-02-28 2022-01-04 デクセリアルズ株式会社 光硬化性樹脂組成物

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010027041A1 (ja) * 2008-09-05 2010-03-11 協立化学産業株式会社 光学機能材料を貼り合わせるための光硬化型樹脂組成物
JP2012144634A (ja) * 2011-01-12 2012-08-02 Jsr Corp 光学樹脂および光学樹脂層の製造方法、光学樹脂用組成物、ならびに画像表示装置
JP2013144749A (ja) * 2012-01-13 2013-07-25 Daicel Corp 接着剤組成物
JP2013181146A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Denki Kagaku Kogyo Kk 硬化性樹脂組成物
JP6088486B2 (ja) * 2012-03-14 2017-03-01 デンカ株式会社 硬化性樹脂組成物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010027041A1 (ja) * 2008-09-05 2010-03-11 協立化学産業株式会社 光学機能材料を貼り合わせるための光硬化型樹脂組成物
JP2012144634A (ja) * 2011-01-12 2012-08-02 Jsr Corp 光学樹脂および光学樹脂層の製造方法、光学樹脂用組成物、ならびに画像表示装置
JP2013144749A (ja) * 2012-01-13 2013-07-25 Daicel Corp 接着剤組成物
JP2013181146A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Denki Kagaku Kogyo Kk 硬化性樹脂組成物
JP6088486B2 (ja) * 2012-03-14 2017-03-01 デンカ株式会社 硬化性樹脂組成物

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016039289A1 (ja) * 2014-09-08 2016-03-17 電気化学工業株式会社 組成物
JP2017149813A (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 協立化学産業株式会社 光硬化性樹脂組成物
WO2018110666A1 (ja) * 2016-12-14 2018-06-21 デンカ株式会社 組成物
JPWO2018110666A1 (ja) * 2016-12-14 2019-10-24 デンカ株式会社 組成物
JP7105198B2 (ja) 2016-12-14 2022-07-22 デンカ株式会社 組成物
JP2022000508A (ja) * 2017-02-28 2022-01-04 デクセリアルズ株式会社 光硬化性樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6404552B2 (ja) 2018-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6035241B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP5964086B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP6594208B2 (ja) 組成物
JP5925123B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
WO2012043664A1 (ja) 硬化性樹脂組成物
WO2012005169A1 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP6797112B2 (ja) 組成物
TW201026801A (en) Photocurable resin composition for laminating optically functional material
JP6404552B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JPWO2011046120A1 (ja) 樹脂組成物及び接着剤
JP6088486B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP6130154B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP7105198B2 (ja) 組成物
JP6454268B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP5863773B2 (ja) 樹脂組成物及び接着剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170926

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180614

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180913

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6404552

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250