JP2015054709A - カートン - Google Patents

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Abstract

【課題】物品の取り出し性が改善されたカートンを提供する。
【解決手段】カートンを作製するためのブランク板は、一方向に順に連接された上天面パネル、外後面パネル、底面パネル、前面パネル、下天面パネルおよび内後面パネルと、底面パネルおよび下天面パネルの少なくとも一方に連接された一対の側面パネルと、を備えている。カートンに設けられる蓋部は、上天面パネルおよび外後面パネルを含む上蓋部と、下天面パネルおよび内後面パネルを部分的に含むとともに、上蓋部に接着された下蓋部と、を有している。このうち下蓋部は、下天面パネルおよび内後面パネルに形成された破断線に沿って画定されている。この破断線は、下天面パネルに形成された第1破断線と、第1破断線の両端から内後面パネルまで延びる一対の第2破断線と、を含んでいる。
【選択図】図2

Description

本発明は、所定の回転軸に沿って回動自在な蓋部を備えるカートンに関する。
紙製のブランク板を製函することによって形成されるカートンの一種として、六面体の天面に開口部が形成されるとともに、開口部を封止するための蓋部が設けられた、いわゆるトップオープン型のカートンが知られている(例えば特許文献1参照)。
トップオープン型のカートンを作製するために用いられるブランク板は一般に、一方向に順に連接された上天面パネル、外後面パネル、底面パネル、前面パネルおよび下天面パネルと、底面パネルおよび下天面パネルの少なくとも一方に連接された一対の側面パネルと、を備えている。このうち上天面パネルおよび下天面パネルは、カートンを形成する際、下天面パネルが上天面パネルよりも下側に位置するよう、互いに接着される。また下天面パネルには、開口部の輪郭に沿った破断線が形成されている。このため、消費者がカートンの上天面パネルの一部を掴んで持ち上げると、下天面パネルの一部が破断線に沿って切り取られて上天面パネル側に移行し、これによって下天面パネルに開口部が形成される。開口部の周辺に残っている下天面パネルの一部が、開口部を取り囲む縁部を形成する。
また、下天面パネルの縁部に切目線などの係止口が形成されている場合、上天面パネルの一部を係止口に差し込むことによって、上天面パネルを下天面パネルに固定することができる。すなわち、上天面パネルおよび上天面パネルに接着されている下天面パネルの一部を蓋部として利用して、カートンの開口部を再封することが可能になっている。このようなトップオープン型のカートンは、菓子などの物品を収納して販売するために好適に用いられている。
特開2009−7012号公報
オープントップ型のカートンの内部に形成される収納空間の長さは、前面パネルと後面パネルとの間の間隔によって定められる。一方、カートンの下天面パネルの開口部は、上述のように、開口部を取り囲む縁部が残るよう形成される。従って、開口部の長さは、縁部の寸法の分だけ、収納空間の長さよりも小さくなっている。この場合、特に収納空間における物品の充填率が高いと、物品が縁部に引っ掛かるため、物品が取り出し難くなってしまう。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得るカートンを提供することを目的とする。
本発明は、請求項所定の回転軸に沿って回動自在な蓋部を備えるカートンであって、前記カートンは、ブランク板を製函することによって形成されており、前記ブランク板は、一方向に順に連接された上天面パネル、外後面パネル、底面パネル、前面パネル、下天面パネルおよび内後面パネルと、前記底面パネルおよび前記下天面パネルの少なくとも一方に連接された一対の側面パネルと、を備え、前記上天面パネルおよび前記下天面パネルは、前記下天面パネルが前記上天面パネルよりも下側に位置するよう、互いに重ねられており、前記外後面パネルおよび前記内後面パネルは、前記内後面パネルが前記外後面パネルよりも内側に位置するよう、互いに重ねられており、前記蓋部は、前記上天面パネルおよび前記外後面パネルを少なくとも部分的に含む上蓋部と、前記下天面パネルおよび前記内後面パネルを少なくとも部分的に含むとともに、前記上蓋部に接着された下蓋部と、を有し、前記下蓋部は、前記下天面パネルおよび前記内後面パネルに形成された破断線に沿って画定されており、前記破断線は、前記下天面パネルに形成された第1破断線と、前記第1破断線の両端から前記内後面パネルまで延びる一対の第2破断線と、を含む、カートンである。
本発明によるカートンにおいて、好ましくは、前記第2破断線は、前記内後面パネルの端部のうち前記下天面パネルと前記内後面パネルとの間の罫線に対向している端部に達しないよう、前記内後面パネルにおいて延びている。
本発明によるカートンにおいて、前記上蓋部は、前記外後面パネルの全域を含み、前記外後面パネルは、前記外後面パネルと前記底面パネルとの間の罫線を回転軸として回動自在であり、前記外後面パネルには、前記外後面パネルとともに回動自在な一対の可動フラップが連接されており、前記一対の可動フラップは、前記側面パネルの内側に折り込まれていてもよい。この場合、好ましくは、前記可動フラップは、所定の回動位置で下天面パネルによって係止されるように構成されている。例えば、前記可動フラップは、第1輪郭と、前記第1輪郭に比べて前記外後面パネルから遠位にある第2輪郭と、を有し、前記回転軸となる前記罫線から前記可動フラップの前記第1輪郭までの距離は、前記一方向における前記外後面パネルの長さ以下になっており、前記回転軸となる前記罫線から前記可動フラップの前記第2輪郭までの距離は、前記一方向における前記外後面パネルの長さよりも大きくなっている。
本発明によるカートンにおいて、前記底面パネルには、一対の側面パネルが連接されており、前記下天面パネルには、一対の側面パネルが連接されており、前記底面パネルに連接された前記側面パネルおよび前記下天面パネルに連接された前記側面パネルは、互いに接着されていてもよい。
本発明によるカートンにおいて、前記底面パネルには、一対の側面パネルが連接されており、前記側面パネルには、前記下天面パネルの下側に折り込まれる折込片が連接されていてもよい。
本発明によるカートンにおいて、前記下天面パネルには、一対の側面パネルが連接されており、前記側面パネルには、前記底面パネルの上側に折り込まれる折込片が連接されていてもよい。
本発明によれば、ブランク板は、一方向に順に連接された上天面パネル、外後面パネル、底面パネル、前面パネル、下天面パネルおよび内後面パネルを備えている。また、ブランク板を製函することによって形成されるカートンの蓋部は、上天面パネルおよび外後面パネルを少なくとも部分的に含む上蓋部と、下天面パネルおよび内後面パネルを少なくとも部分的に含むとともに、上蓋部に接着された下蓋部と、を有している。このうち下蓋部は、下天面パネルおよび内後面パネルに形成された破断線に沿って画定されている。破断線は、下天面パネルに形成された第1破断線と、第1破断線の両端から内後面パネルまで延びる一対の第2破断線と、を含んでいる。このため、カートンの開口部を、下天面パネルおよび内後面パネルに跨る一連のものとして形成することができる。また、上蓋部および下蓋部を有する蓋部を回動させることにより、上蓋部を構成している外後面パネルおよび下蓋部を構成している内後面パネルを、縁部を構成している下天面パネルに対して、水平方向において離間させることができる。これによって、カートンが開放されている際にカートンの内部の収納空間に対してアクセス可能な領域の長さを拡張することができる。このことにより、カートンに収納されている物品の取り出し性を向上させることができる。
図1Aは、本発明の第1の実施の形態において、開封前のカートンを示す斜視図。 図1Bは、本発明の第1の実施の形態において、開封後のカートンを示す斜視図。 図2は、図1Aおよび図1Bに示すカートンを作製するためのブランク板を示す平面図。 図3は、図2に示すブランク板をサック貼りすることによって形成されたサック貼りカートンを示す平面図。 図4Aは、比較の実施の形態において、開封前のカートンを示す斜視図。 図4Bは、比較の実施の形態において、開封後のカートンを示す斜視図。 図5は、図4Aおよび図4Bに示すカートンを作製するためのブランク板を示す平面図。 図6は、本発明の第1の実施の形態の第1の変形例によるカートンを作製するためのブランク板を示す平面図。 図7は、本発明の第1の実施の形態の第2の変形例によるカートンを作製するためのブランク板を示す平面図。 図8は、本発明の第1の実施の形態の第3の変形例によるカートンを作製するためのブランク板を示す平面図。 図9は、本発明の第1の実施の形態の第4の変形例によるカートンを作製するためのブランク板を示す平面図。 図10は、本発明の第1の実施の形態の第5の変形例によるカートンを作製するためのブランク板を示す平面図。 図11は、本発明の第2の実施の形態によるカートンを作製するためのブランク板を示す平面図。
第1の実施の形態
以下、図1乃至図3を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。まず図2を参照して、本実施の形態によるカートン1を作製するためのブランク板2について説明する。図2は、ブランク板2をその外面側から見た場合を示す平面図である。なお外面とは、ブランク板2を製函してカートン1を形成した際に外側に位置する面のことである。また後述する内面とは、外面の反対側に位置する面のことである。ブランク板2の材料としては、保形性を有する厚紙やプラスチックシートなどが用いられ得る。
ブランク板
図2に示すように、ブランク板2は、一方の端部(第1端部)3から他方の端部(第2端部)4へ向かって第1方向(一方向)に順に連接された上天面パネル10、外後面パネル20、底面パネル30、前面パネル40、下天面パネル50および内後面パネル60を備えている。各パネル10,20,30,40,50,60はそれぞれ、ブランク板2に形成された罫線16,26,36,46,56を介して連接されている。
またブランク板2は、罫線25を介して外後面パネル20に連接された一対の可動フラップ21と、罫線35を介して底面パネル30に連接された一対の第1側面パネル31と、罫線45を介して前面パネル40に連接された一対の折込フラップ41と、罫線55を介して下天面パネル50に連接された一対の第2側面パネル51と、罫線65を介して内後面パネル60に連接された一対の折込フラップ61と、をさらに備えている。一対のフラップ21は、上述の第1方向に直交する第2方向において互いに対向するよう、外後面パネル20に設けられている。その他の一対のパネル31,51および一対のフラップ41,61についても同様である。
上述の上天面パネル10および下天面パネル50は、ブランク板2が製函されてカートン1となる際、下天面パネル50が上天面パネル10よりも下側に位置するよう、互いに重ね合わされるパネルである。図2に示すように、上天面パネル10および下天面パネル50は、下天面パネル50の外面の第1接着領域81に塗布される接着剤を介して互いに接着される。
また、上述の外後面パネル20および内後面パネル60は、ブランク板2が製函されてカートン1となる際、内後面パネル60が外後面パネル20よりも内側に位置するよう、互いに重ね合わされるパネルである。
また、上述の第1側面パネル31および第2側面パネル51は、ブランク板2が製函されてカートン1となる際、第1側面パネル31が第2側面パネル51よりも内側に位置するよう、互いに重ね合わされるパネルである。図2に示すように、第1側面パネル31および第2側面パネル51は、第1側面パネル31の外面の第2接着領域83に塗布される接着剤を介して互いに接着される。なお、第1側面パネル31と第2側面パネル51との間の位置関係が特に限られることはない。例えば、第1側面パネル31および第2側面パネル51は、第2側面パネル51が第1側面パネル31よりも内側に位置するよう、互いに重ね合わされてもよい。
また、上述の折込フラップ41および折込フラップ61は、カートン1における天面(上天面パネル10および下天面パネル50)と底面(底面パネル30)との間の間隔を安定に維持するために任意に設けられるものである。
また、上述の可動フラップ21は、ブランク板2が製函されてカートン1となる際、第1側面パネル31および第2側面パネル51の内側の位置であって、折込フラップ61の外側の位置に折り込まれるものである。この可動フラップ21は、後述するようにカートン1において、蓋部70が回動する際に外後面パネル20とともに変位する。なお可動フラップ21は、蓋部70が回動する際、外後面パネル20と底面パネル30との間の罫線26を回転軸として回動する。従って、可動フラップ21が回動するときの可動フラップ21の回転半径は、罫線26と可動フラップ21の輪郭との間の距離によって決まる。可動フラップ21は、図2に示すように、可動フラップ21の回転半径が、上述の第1方向における外後面パネル20の長さD0にほぼ対応したものとなるよう構成された湾曲部分22を含んでいてもよい。なお可動フラップ21は、カートン1の収納空間に異物が入ってしまうことを防ぐダストフラップとしても機能できる。
上述のようなブランク板2を製函してカートン1を作製した場合、上述の上天面パネル10、外後面パネル20、底面パネル30、前面パネル40および一対の第2側面パネル51が、六面体形状を有するカートン1の天面、後面、底面、前面および一対の側面をそれぞれ構成する。
次に、ブランク板2のうち、カートン1に製函された際にカートン1の蓋部70となる部分について説明する。なお本明細書において、蓋部とは、カートン1に形成される開口部を封止するよう、カートン1に存在する罫線や折線など所定の回転軸に沿って回動可能な部分のことである。
蓋部70は、上天面パネル10および外後面パネル20を少なくとも部分的に含む上蓋部71と、下天面パネル50および内後面パネル60を少なくとも部分的に含むとともに、上蓋部71に接着された下蓋部76と、を有している。下蓋部76を構成する下天面パネル50の一部は、ブランク板2が製函されてカートン1となる際、図2に示す第1接着領域81に塗布される接着剤を介して、上蓋部71を構成する上天面パネル10に接着される。
本実施の形態においては、図2に示すように、上蓋部71は、上天面パネル10の全域および外後面パネル20の全域を含んでいる。一方、下蓋部76は、下天面パネル50および内後面パネル60に形成された破断線に沿って画定されている。下蓋部76を画定するための破断線は、図2に示すように、下天面パネル50に形成された第1破断線77と、第1破断線77の両端から内後面パネル60まで罫線56を跨いで延びる一対の第2破断線78と、を含んでいる。また、上述の第1接着領域81は、下天面パネル50のうち第1破断線77および一対の第2破断線78よりも内側(下天面パネル50の中心側)に位置する部分に形成されている。この場合、下天面パネル50および内後面パネル60のうち第1破断線77および一対の第2破断線78よりも内側に位置する部分が、各破断線77,78に沿って分離されて下蓋部76となる。また、下天面パネル50および内後面パネル60のうち下蓋部76に対応する領域は、カートン1が開封された後、カートン1の内部の収納空間に通じる開口部となる。一方、下天面パネル50および内後面パネル60のうち第1破断線77および一対の第2破断線78よりも外側に位置する部分は、カートン1が開封された後も第2側面パネル51、前面パネル40や折込フラップ61に連接されたまま残って、開口部に隣接する縁部50A,60Aとなる。
図2に示すように、下天面パネル50のうち縁部50Aを構成する部分には、蓋部70の一部が差し込まれる切目線などからなる係止口53が形成されていてもよい。また上蓋部71を構成する上天面パネル10には、係止口53に差し込まれる係止片17が設けられていてもよい。係止片17は、図1Aに示すように、切り込み17aに沿って上天面パネル10の一部を下方へ押し込むことによって形成される。なお、切り込み17aに沿った下方への押し込みを容易化するため、切り込み17aの両脇には罫線17bが形成されていてもよい。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用および効果について説明する。はじめに、ブランク板2を製函してカートン1を作製する方法について説明する。
カートンの作製方法
はじめに、図2に示すブランク板2を準備する。次に、前面パネル40と下天面パネル50との間の罫線46を軸として、下天面パネル50および内後面パネル60を底面パネル30および前面パネル40に向けて、互いの内面が接するように折り返す。その後、下天面パネル50の外面上の第1接着領域81に接着剤を塗布する。次に、外後面パネル20と底面パネル30との間の罫線26を軸として、上天面パネル10および外後面パネル20を下天面パネル50および内後面パネル60に向けて、上天面パネル10および外後面パネル20の内面と下天面パネル50および内後面パネル60の外面とが接するように折り返す。これによって、図3に示すように、折り畳まれた状態のブランク板、いわゆるサック貼りカートン82が得られる。
その後、サック貼りカートン82を起こして筒状体にする。次に、筒状体の一方の端部を封止する。具体的には、筒状体の一方の端部の側で、折込フラップ41および折込フラップ61、可動フラップ21、第1側面パネル31、第2側面パネル51の順でフラップおよびパネルを折り込む。その後、筒状体の他方の端部から、菓子などの物品を筒状体の内部に充填する。この際、物品は、ピロー包装容器などの一次容器によって、個々にまたは複数個毎に包装されていてもよい。次に、筒状体の他方の端部を封止する。具体的には、筒状体の他方の端部の側で、折込フラップ41および折込フラップ61、可動フラップ21、第1側面パネル31、第2側面パネル51の順でフラップおよびパネルを折り込む。このようにして、物品が充填されたカートン1を作製することができる。
なお、上述のフラップおよびパネルを折り込む際、第1側面パネル31の外面上の第2接着領域83に接着剤を塗布することによって、第1側面パネル31および第2側面パネル51を互いに接着させる。これによって、第1側面パネル31が連接されている底面パネル30に対して、第2側面パネル51が連接されている下天面パネル50を固定することができる。すなわち、保形性を備えたカートン1を構成することができる。
カートンの開封方法
次に図1Aおよび図1Bを参照して、カートン1の開封方法について説明する。図1Aは、開封前のカートン1を示す斜視図であり、図1Bは、開封後のカートン1を示す斜視図である。
はじめに消費者は、上天面パネル10の一部を掴んで持ち上げる。例えば消費者は、上述の係止片17を掴んで持ち上げる。ここで上述のように、係止片17は、切り込み17aと、切り込み17aの両脇に形成された一対の罫線17bとを含んでいる。このため消費者は、切り込み17aおよび罫線17bに沿って係止片17を上天面パネル10のその他の部分に対して傾けることにより、係止片17を容易に掴むことができる。
上天面パネル10が持ち上げられると、はじめに、上天面パネル10に接着されている下天面パネル50に形成されている第1破断線77が破断する。第1破断線77に生じた破断が一対の第2破断線78にまで到達すると、一対の第2破断線78が、下天面パネル50側から内後面パネル60側に向かって破断する。上天面パネル10が外後面パネル20とほぼ平行に延びるようになるまで上天面パネル10が持ち上げられると、一対の第2破断線78における破断が、下天面パネル50と内後面パネル60との間の罫線56にまで到達する。これによって、下天面パネル50のうち破断線77,78よりも内側に位置する部分が、上方に向かって開口した開口部となる。一方、下天面パネル50のうち破断線77,78よりも外側に位置する部分は、開口部に隣接する縁部50Aとして、第2側面パネル51および前面パネル40に連接されたまま残る。
ところで上述のように、一対の第2破断線78は、下天面パネル50から内後面パネル60まで罫線56を跨いで延びている。このため、外後面パネル20とほぼ平行に延びるようになるまで持ち上げられた状態にある上天面パネル10をさらに後方に倒すと、一対の第2破断線78の破断が、内後面パネル60においてさらに進行する。これによって、内後面パネル60のうち一対の第2破断線78よりも内側に位置する部分が、後方に向かって開口した開口部となる。一方、内後面パネル60のうち一対の第2破断線78よりも外側に位置する部分は、開口部に隣接する縁部60Aとして、縁部50Aおよび折込フラップ61に連接されたまま残る。
また、一対の第2破断線78が下天面パネル50から内後面パネル60まで罫線56を跨いで延びているため、一対の第2破断線78の破断が内後面パネル60まで進行した後、外後面パネル20および内後面パネル60の一部は、外後面パネル20と底面パネル30との間の罫線26を回転軸として回動することができる。このように本実施の形態においては、上天面パネル10および下天面パネル50の一部だけでなく、外後面パネル20および内後面パネル60の一部も、カートン1に存在する罫線や折線など所定の回転軸に沿って回動可能な蓋部70を構成するようになる。
上述のように外後面パネル20および内後面パネル60の一部が罫線26を回転軸として回動すると、外後面パネル20および内後面パネル60の一部が、水平方向において上述の縁部50A,60Aから離れていく。このことは、カートン1が開放されている際にカートン1の内部の収納空間に対してアクセス可能な領域の長さが拡張されることを意味している。以下、この点について、図1Aおよび図1Bに示す本実施の形態と、図4A、図4Bおよび図5に示す比較の形態とを比較しながら説明する。
はじめに図4A、図4Bおよび図5を参照して、比較の形態について説明する。図4Aは、開封前のカートン101を示す斜視図であり、図4Bは、開封後のカートン101を示す斜視図である。また図5は、図4Aおよび図4Bに示すカートン101を作製するためのブランク板102を示す平面図である。なお図4A、図4Bおよび図5に示す比較の形態において、図1A乃至図3に示す本実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
比較の形態においても、本実施の形態の場合と同様に、カートン101の蓋部170は、上蓋部171と、上蓋部171に接着された下蓋部176と、を有している。一方、比較の形態においては、図5に示すように、下蓋部176を画定するための破断線177は、下天面パネル50内に閉領域を画定するよう延びている。この場合、図4Bに示すように、カートン101には、上方に向かって開口した開口部のみが形成される。また開口部の周辺には、開口部を四方から取り囲む縁部150Aが形成される。なお比較の形態においては、上天面パネル10のうち開口部と重ならない位置に折線18が形成されており、上天面パネル10および下天面パネル50の一部から構成される蓋部170は、この折線18を回転軸として回動する。
次に、カートンが開放されている際にカートンの内部の収納空間に対してアクセス可能な領域の長さについて、上述の本実施の形態の場合と比較の形態の場合とで比較する。
本実施の形態においては、図1Bに示すように、開口部は、カートン1の天面および後面に跨る一連のものとして形成されている。また上述のように、蓋部70を構成する外後面パネル20および内後面パネル60の一部は、水平方向において上述の縁部50A,60Aから離れるよう、罫線26を回転軸として回動することができる。このため、カートン1が開放されている際にカートン1の内部の収納空間に対してアクセス可能な領域の長さは例えば、図1Bにおいて符号L1で表されているように、縁部50Aの端部から、蓋部70を構成する内後面パネル60の上端までの距離となる。
一方、比較の形態においては、図4Bに示すように、開口部は、カートン101の天面にのみ形成されている。また上述のように、開口部は、縁部150Aによって四方から取り囲まれている。このため、カートン101が開放されている際にカートン101の内部の収納空間に対してアクセス可能な領域の長さは、図4Bにおいて符号L2で表されているように、開口部の長さ、すなわち対向する縁部150Aの端部間の距離となる。
比較の形態において、収納空間に対してアクセス可能な領域の長さL2は、縁部150Aの寸法の分だけ、収納空間の長さに比べて小さくなっている。これに対して本実施の形態においては、収納空間に対してアクセス可能な領域の長さL1として、下天面パネル50に形成される開口部の長さを超える長さを確保することができる。この場合、内後面パネル60に形成される第2破断線78の長さや、内後面パネル60の高さを適切に調整することにより、収納空間に対してアクセス可能な領域の長さL1を、カートン1の内部の収容空間の長さL0(図1A参照)と同等にすることや、長さL0よりも大きくすることが可能である。従って、カートン1に収納されている物品の取り出し性を向上させることができる。
また比較の形態において、収納空間の長さと同等の長さを有する細長い物品をカートン101から取り出すことは、物品が縁部150Aに引っ掛かるため困難である。これに対して本実施の形態によれば、蓋部70の外後面パネル20および内後面パネル60を後方へ回動させることにより、そのような細長い物品を容易にカートン1から取り出したりカートン1に収納したりすることができる。
また本実施の形態によれば、外後面パネル20には一対の可動フラップ21が設けられている。一対の可動フラップ21は、上述のように、第1側面パネル31の内側の位置であって、折込フラップ61の外側の位置に折り込まれている。このため、罫線26を回転軸として外後面パネル20が回動する際、可動フラップ21は、第1側面パネル31と折込フラップ61との間に定められた経路に沿って安定に変位することになる。これによって、外後面パネル20が回動する経路を安定に定めることができる。例えば、外後面パネル20が回動する際に外後面パネル20が左右方向に揺らぐことを抑制することができる。このことにより、外後面パネル20が回動する際に外後面パネル20が底面パネル30や縁部50Aに対して歪んでしまうことを抑制することができる。
また外後面パネル20が回動する際、可動フラップ21と下天面パネル50の縁部50Aまたは第1側面パネル31との間には摩擦力が生じる。この摩擦力は、外後面パネル20が急激に後方に倒れてしまうことを抑制するよう働く。このため、蓋部70が後方に倒れすぎることを防ぐことができる。
好ましくは、図2に示すように、一対の第2破断線78は、内後面パネル60の端部のうち下天面パネル50と内後面パネル60との間の罫線56に対向している端部、すなわちブランク2の第2端部4に達しないよう、内後面パネル60において延びている。この場合、一対の第2破断線78が破断されて内後面パネル60から下蓋部76が取り出された後であっても、下蓋部76と縁部60Aとがつながったままとなっている。このため、罫線26を回転軸として蓋部70が回動する範囲が、下蓋部76と縁部60Aとの間のつながりによって制限されることになる。すなわち、蓋部70が後方に倒れすぎることを防ぐことができる。これによって、カートン1に収納されている物品が、内後面パネル60に形成されている開口から後方へ漏れ出てしまうことを抑制することができる。
なお、仮に一対の第2破断線78がブランク板4の第2端部4に達しているとすると、折込フラップ61および内後面パネル60の縁部60Aが下天面パネル50の縁部50Aにのみ連接されている、という状態になる。このため、折込フラップ61の位置が不安定になり、この結果、カートン1の保形性が低下してしまうことが考えらえる。従って、一対の第2破断線78がブランク2の第2端部4に達しないことは、カートン1の保形性を確保する上でも有意義である。
また好ましくは、外後面パネル20に連接されている一対の可動フラップ21は、カートン1が開放状態にあるとき、所定の回動位置で下天面パネル50によって係止されるように構成されている。例えば可動フラップ21は、第1側面パネル31と折込フラップ61との間から後方に抜け出てしまうことがないように構成されている。これによって、罫線26を回転軸として蓋部70が回動する範囲を、一対の可動フラップ21が第1側面パネル31と折込フラップ61との間から後方に抜け出さない範囲内に制限することができる。すなわち、蓋部70が後方に倒れすぎることを防ぐことができる。
一対の可動フラップ21が第1側面パネル31と折込フラップ61との間から後方に抜け出さないようにするための可動フラップ21の具体的な構成としては、例えば図2に示すように、可動フラップ21の湾曲部分22の輪郭が、第1輪郭23と、第1輪郭23に比べて外後面パネル20から遠位にある第2輪郭24と、を有するよう、可動フラップ21を構成することが考えられる。ここで図2に示すように、可動フラップ21の回転軸となる罫線26から、可動フラップ21の第1輪郭23までの距離D1は、外後面パネル20の長さD0以下になっている。このため、可動フラップ21は、第2輪郭23が下天面パネル50の縁部50Aに沿って変位する範囲内では、罫線26を回転軸として回動することができる。一方、可動フラップ21の回転軸となる罫線26から、可動フラップ21の第2輪郭24までの距離D2は、外後面パネル20の長さD0よりも大きくなっている。このため、可動フラップ21がある程度後方へ回動すると、第2輪郭24が縁部50Aの内面に衝突し、可動フラップ21がそれ以上後方へ回動できなくなる。すなわち、可動フラップ21が、第2輪郭24を介して縁部50Aによって係止されるようになる。このため、一対の可動フラップ21が第1側面パネル31と折込フラップ61との間から後方に抜け出してしまうことを防ぐことができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
第1の変形例
図6に示すように、下天面パネル50の縁部50Aには係止孔57が形成されていてもよい。また、可動フラップ21の一部には、縁部50Aの係止孔57に引っ掛かる突起部21aが形成されていてもよい。この場合、開封されたカートン1の蓋部70が罫線26を回転軸として回動する際に可動フラップ21の突起部21aが縁部50Aの係止孔57に引っ掛かるので、一対の可動フラップ21が第1側面パネル31と折込フラップ61との間から後方に抜け出してしまうことを防ぐことができる。
第2の変形例
図7に示す本変形例によるブランク板2においては、上述の本実施の形態の場合とは異なり、下天面パネル50に連接した第2側面パネルが設けられておらず、その代わりに、底面パネル30に連接された一対の第1側面パネル31の各々に、カートン1を作製する際に下天面パネル50の下側に折り込まれる折込片32が罫線34を介して連接されている。この場合、一対の折込片32を下天面パネル50の下側に折り込むと、折込片32が折込フラップ41または折込フラップ61と下天面パネル50との間に保持されることになる。これによって、底面パネル30に対して下天面パネル50を、接着剤を用いることなく固定することができる。
図7に示すように、本変形例において、第1側面パネル31と折込片32との間の境界のうち外後面パネル20側の部分には、切り欠き部38が形成されていてもよい。この切り欠き部38は、ブランク板2を製函してカートン1を形成した際に折込フラップ61と重なるものである。この場合、図7に示すように、折込フラップ61の一部に、カートン1の状態のときに切り欠き部38から上方に突出することができる突出部63を形成することにより、折込フラップ61が切り欠き部38に嵌合するようになる。これによって、折込フラップ61に連接されている内後面パネル60の縁部60Aや縁部50Aなどの位置をより安定に定めることができ、このことにより、カートン1の保形性を高めることができる。
同様に、第1側面パネル31と折込片32との間の境界のうち前面パネル40側の部分にも、切り欠き部39が形成されていてもよい。この切り欠き部39は、ブランク板2を製函してカートン1を形成した際に折込フラップ41と重なるものである。この場合、図7に示すように、折込フラップ41の一部に、カートン1の状態のときに切り欠き部39から上方に突出することができる突出部43を形成することにより、折込フラップ41が切り欠き部39に嵌合するようになる。これによって、折込フラップ41に連接されている前面パネル40などの位置をより安定に定めることができ、このことにより、カートン1の保形性を高めることができる。
第3の変形例
図8に示す本変形例によるブランク板2においては、上述の本実施の形態の場合とは異なり、底面パネル30に連接した第1側面パネルが設けられておらず、その代わりに、下天面パネル50に連接された一対の第2側面パネル51の各々に、カートン1を作製する際に底面パネル30の上側に折り込まれる折込片52が罫線54を介して連接されている。この場合、一対の折込片52を底面パネル30の上側に折り込むと、折込片32が折込フラップ41または折込フラップ61と底面パネル30との間に保持されることになる。これによって、底面パネル30に対して下天面パネル50を、接着剤を用いることなく固定することができる。
ところで、上述の第2の変形例においては、折込片32がカートン1の天面側に存在している。一方、本変形例において、折込片52は、カートン1の底面側に存在している。一般に、カートン1の底面側よりも天面側の方が、消費者によって視認され易い。従って、本変形例のように折込片52がカートン1の底面側に存在する方が、意匠性の点では好ましい。一方、折込片52がカートン1の底面側に存在する場合、蓋部70が回動する時に、蓋部70に引っ張られて底面パネル30が折込片52から離れてしまうという事態が生じ得る。従って、カートン1の保形性の点では、上述の第2の変形例の場合のように、折込片32がカートン1の天面側に存在している方が好ましい。
図8に示すように、本変形例において、第2側面パネル51と折込片52との間の境界のうち前面パネル40側の部分には、切り欠き部58が形成されていてもよい。この切り欠き部58は、ブランク板2を製函してカートン1を形成した際に折込フラップ41と重なるものである。この場合、図8に示すように、折込フラップ41の一部に、カートン1の状態のときに切り欠き部58から上方に突出することができる突出部43を形成することにより、折込フラップ41が切り欠き部58に嵌合するようになる。これによって、折込フラップ41に連接されている前面パネル40などの位置をより安定に定めることができ、このことにより、カートン1の保形性を高めることができる。
同様に、第2側面パネル51と折込片52との間の境界のうち内後面パネル60側の部分にも、切り欠き部59が形成されていてもよい。この切り欠き部59は、ブランク板2を製函してカートン1を形成した際に折込フラップ61と重なるものである。この場合、図8に示すように、折込フラップ61の一部に、カートン1の状態のときに切り欠き部59から上方に突出することができる突出部63を形成することにより、折込フラップ61が切り欠き部59に嵌合するようになる。これによって、折込フラップ61に連接されている内後面パネル60の縁部60Aや縁部50Aなどの位置をより安定に定めることができ、このことにより、カートン1の保形性を高めることができる。
第4の変形例
図9に示す本変形例によるブランク板2において、可動フラップ21は、湾曲部分22と、湾曲部分に接続され、直線状の輪郭を有する直線部分28と、を含んでいる。湾曲部分22は、罫線26から湾曲部分22の輪郭までの距離がD1である、上述の第1部分23として構成されている。図9に示す第1部分23の中心角は例えば45°になっている。また直線部分28の直線状の輪郭は、第1部分23の輪郭と直線部分28の輪郭とが接する点における、第1部分23に対する接線を延長したものとして構成されている。この場合、可動フラップ21が罫線26を軸として後方へ45°回動すると、直線部分28の直線状の輪郭が下天面パネル50の縁部50Aの内面に衝突する。すなわち本変形例によれば、可動フラップ21と下天面パネル50の縁部50Aとの間における接触が、点ではなく線として生じる。このため、下天面パネル50の縁部50Aによって可動フラップ21をより安定に係止することができる。
第5の変形例
図10に示す本変形例によるブランク板2において、一対の第2破断線78は、多数のミシン目を含んでいる。また、複数のミシン目のうち第2端部4に最も近接している一対のミシン目の端部は、図10に示すように、内側に向かって終端している。
蓋部70を後方へ回動させる際、第2端部4に最も近接している一対のミシン目の端部には、外側に向かう力が主に作用する。なぜなら、蓋部70を後方へ回動させる際、内後面パネル60のうち一対の第2破断線78よりも内側に位置する部分が、内後面パネル60のうち一対の第2破断線78よりも外側に位置する部分から引っ張られるからである。ここで本変形例によれば、第2端部4に最も近接している一対のミシン目の端部が内側に向かって終端していることにより、第2端部4に最も近接している一対のミシン目の端部を基点として破断がさらに進行してしまうことを抑制することができる。このため、カートン1の使用中に一対の第2破断線78が第2端部4に達してしまうことを抑制することができる。このことにより、カートン1の保形性をより確実に維持ずることができる。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
第2の実施の形態
次に図11を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図11に示す第2の実施の形態においては、上述の第1の本実施の形態の場合とは異なり、外後面パネル20に連接した可動フラップ21が設けられておらず、その代わりに、一対の第2破断線78を互いに接続するように延びる折線68が内後面パネル60に形成されている。図11に示す第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
本実施の形態においても、上述の第1の実施の形態の場合と同様に、一対の第2破断線78は、内後面パネル60の端部のうち下天面パネル50と内後面パネル60との間の罫線56に対向している端部、すなわちブランク2の第2端部4に達しないよう、内後面パネル60において延びている。また本実施の形態においては、上述のように、一対の第2破断線78を互いに接続するように延びる折線68が内後面パネル60に形成されている。このため、蓋部70を回動させた場合、内後面パネル60のうち一対の第2破断線78および折線68によって囲まれている部分が、折線68を回転軸として回動するようになる。すなわち本実施の形態においては、内後面パネル60のうち一対の第2破断線78および折線68によって囲まれている部分が、蓋部70の下蓋部76の一部を構成している。
本実施の形態においても、上述の第1の本実施の形態の場合と同様に、一対の第2破断線78が破断されて内後面パネル60から下蓋部76が取り出された後であっても、下蓋部76と縁部60Aとがつながったままとなっている。このため、蓋部70が回動する範囲が、下蓋部76と縁部60Aとの間のつながりによって制限されることになる。すなわち、蓋部70が後方に倒れすぎることを防ぐことができる。これによって、カートン1に収納されている物品が、内後面パネル60に形成されている開口から後方へ漏れ出てしまうことを抑制することができる。
また本実施の形態によれば、内後面パネル60に上述の折線68が形成されているため、蓋部70を回動させる際に下蓋部76と縁部60Aとの間の境界に働く力が、折線68の全域にわたって分散されることになる。このため、折線68が形成されていない場合に比べて、蓋部70の回動に起因して内後面パネル60の一部、例えば内後面パネル60のうち第2破断線78の端部が位置する部分が破損してしまうことを抑制することができる。このため本実施の形態によれば、下蓋部76と縁部60Aとの間のつながりに基づいて、蓋部70が回動する範囲を安定に制限することができる。
なお本実施の形態において、図11に示すように、外後面パネル20のうち内後面パネル60の折線68に対応する位置に、折線27が形成されていてもよい。この場合、蓋部70を回動させると、外後面パネル20のうち折線27よりも上方に位置する部分が、折線27を回転軸として回動するようになる。すなわち、外後面パネル20のうち折線27よりも上方に位置する部分が、蓋部70の上蓋部71の一部を構成するようになる。この場合、上蓋部71および下蓋部76が、ほぼ同一の位置に存在する回転軸(折線27および折線68)の周りで回動することになるため、蓋部70を後方により大きく倒すことができるようになり、この結果、収納空間に対してアクセス可能な領域の長さL1をより大きく確保することができるようになる。
なお本実施の形態のカートン1やブランク板2においても、上述の第1の実施の形態の変形例の場合と同様に、一対の第1側面パネル31の各々に折込片32が連接され、かつ第1側面パネル31と折込片32との間の境界に切り欠き部38や切り欠き部39が形成されていてもよい。また、一対の第2側面パネル51の各々に折込片52が連接され、かつ第2側面パネル51と折込片52との間の境界に切り欠き部58や切り欠き部59が形成されていてもよい。
1 カートン
2 ブランク板
10 上天面パネル
20 外後面パネル
21 可動フラップ
23 第1部分
24 第2部分
30 底面パネル
31 第1側面パネル
32 折込片
40 前面パネル
41 折込フラップ
50 下天面パネル
51 第2側面パネル
52 折込片
60 内後面パネル
61 折込フラップ
70 蓋部
71 上蓋部
76 下蓋部
77 第1破断線
78 第2破断線

Claims (6)

  1. 所定の回転軸に沿って回動自在な蓋部を備えるカートンであって、
    前記カートンは、ブランク板を製函することによって形成されており、
    前記ブランク板は、
    一方向に順に連接された上天面パネル、外後面パネル、底面パネル、前面パネル、下天面パネルおよび内後面パネルと、
    前記底面パネルおよび前記下天面パネルの少なくとも一方に連接された一対の側面パネルと、を備え、
    前記上天面パネルおよび前記下天面パネルは、前記下天面パネルが前記上天面パネルよりも下側に位置するよう、互いに重ねられており、
    前記外後面パネルおよび前記内後面パネルは、前記内後面パネルが前記外後面パネルよりも内側に位置するよう、互いに重ねられており、
    前記蓋部は、前記上天面パネルおよび前記外後面パネルを少なくとも部分的に含む上蓋部と、前記下天面パネルおよび前記内後面パネルを少なくとも部分的に含むとともに、前記上蓋部に接着された下蓋部と、を有し、
    前記下蓋部は、前記下天面パネルおよび前記内後面パネルに形成された破断線に沿って画定されており、
    前記破断線は、前記下天面パネルに形成された第1破断線と、前記第1破断線の両端から前記内後面パネルまで延びる一対の第2破断線と、を含む、カートン。
  2. 前記第2破断線は、前記内後面パネルの端部のうち前記下天面パネルと前記内後面パネルとの間の罫線に対向している端部に達しないよう、前記内後面パネルにおいて延びている、請求項1に記載のカートン。
  3. 前記上蓋部は、前記外後面パネルの全域を含み、前記外後面パネルは、前記外後面パネルと前記底面パネルとの間の罫線を回転軸として回動自在であり、
    前記外後面パネルには、前記外後面パネルとともに回動自在な一対の可動フラップが連接されており、前記一対の可動フラップは、前記側面パネルの内側に折り込まれており、
    前記可動フラップは、所定の回動位置で下天面パネルによって係止されるように構成されている、請求項1または2に記載のカートン。
  4. 前記底面パネルには、一対の側面パネルが連接されており、
    前記下天面パネルには、一対の側面パネルが連接されており、
    前記底面パネルに連接された前記側面パネルおよび前記下天面パネルに連接された前記側面パネルは、互いに接着されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカートン。
  5. 前記底面パネルには、一対の側面パネルが連接されており、
    前記側面パネルには、前記下天面パネルの下側に折り込まれる折込片が連接されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカートン。
  6. 前記下天面パネルには、一対の側面パネルが連接されており、
    前記側面パネルには、前記底面パネルの上側に折り込まれる折込片が連接されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカートン。
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