JP6205929B2 - 包装容器 - Google Patents

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Description

この発明は包装容器,たとえば個別包装された複数個の菓子類(チョコレート菓子,焼き菓子など)が収納される包装容器に関する。
引用文献1に記載の包装箱は開閉される蓋板の両側にヒンジ板が設けられている。蓋板を回動するとこれに連動してヒンジ板も回動する。ヒンジ板のストッパ片が補助板の端部に係止しここで蓋板の動きがとまる。
特開2003−267355号公報
引用文献1において,ヒンジ板5は,上側板6と側板2cの間,および上側板6と側板2dの間に挟まれている。側板2c(2d),ヒンジ板5,上側板6をこの順番で内がわから重ね,さらにヒンジ板5がつながる蓋部3を最外面に位置させるには,図3に示されているように,箱体の前後の両がわの二方向から同時に折り工程を行う必要がある。蓋部3を最外面に位置させ,かつ蓋部3につながるヒンジ板5を最外面としない(上側板6と側板2c,および上側板6と側板2dの間に挟む)ように折り工程を行うのは容易ではない。
この発明は,簡単な折り工程によって作成することができる,ハッチオープンタイプの包装容器を提供することを目的とする。
この発明による包装容器は,方形の底面部と,底面部の4辺のそれぞれに連続して底面部から立ち上がる前後左右の壁面部と,後壁面部の上端に連続して上記底面部と上記前後左右の壁面部とによって囲まれる空間の天面を覆う開閉面部と,前壁面部の上端に連続して上記開閉面部の内面と接着される接着面部,または開閉面部の先端に連続して前壁面部の外面と接着される接着面部と,上記開閉面部の両側端のそれぞれに連続し,左右の側壁面部の内面に沿うステー面部と,上記ステー面部の内面に沿い,上記左右の側壁面部との間に上記ステー面部を回動可能に挟んだ状態で接着部材によって上記左右の側壁面部と部分的に接着されるフラップ部材とを備え,上記開閉面部は,上記開閉面部上の折り目を軸にして回動自在であり,上記開閉面部とともに回動する上記ステー面部の先端のストッパ片の回動軌跡上に,上記左右の側壁面部とフラップ部材との部分接着に用いられる接着部材が位置していることを特徴とする。
方形の底面部の4辺のそれぞれに底面部から立ち上がる前後左右の壁面部が連続しており,4つの壁面部のうちの後壁面部の上端に開閉面部がさらに連続している。前壁面部の上端または開閉面部の先端にはさらに接着面部が連続している。前壁面部の上端に接着面部が連続している場合にはその接着面部に開閉面部の内面を接着することによって,両がわの側方が開口したスリーブを形成することができる(サック貼り)。開閉面部の先端に接着面部が連続している場合にはその接着面部を前壁面部の外面に接着することによって,両がわの側方が開口したスリーブを形成することができる(サック貼り)。収容物はスリーブの両がわの側方開口の一方または両方からスリーブ内に収容される(エンドロード)。
上記開閉面部は,上記開閉面部上の折り目を軸にして回動自在であり,上記折り目が開閉面部の回動の中心軸となる。上記開閉面部を回動させるときの軸となる上記折り目は上記開閉面部と上記後壁面部との境界であってもよいし,上記境界とは別に上記開閉面部上に形成してもよい。開閉面部を最初に開けるときに上述した接着面部の接着が解かれる(接着部分が剥がされるまたは接着範囲が切取られる)のは言うまでもない。いずれにしても開閉面部は後壁面部の上端に連続した状態を維持する。
回動する開閉面部の両側端のそれぞれに,左右の側壁面部の内面に沿うステー面部が連続している。開閉面部に連続しているので,開閉面部の回動に連動してステー面部も回動する。
ステー面部の内面に沿って,上記左右の側壁面部との間に上記ステー面部を挟んだ状態で,接着部材によって左右の側壁面部と部分的に接着されるフラップ部材が設けられている。すなわち,ステー面部は,その外面がわの左右の側壁面部と,内面がわのフラップ部材との間の隙間に位置しており,この隙間に沿って回動する。
この発明によると,両がわが開口した状態のスリーブの側方開口にフラップ部材を位置させ,次に開閉面部の両側端につながるステー面部を上記フラップ部材の外方に位置させ,最後に底面部につながる左右の側壁面部を上方に折り曲げてフラップ部材の外方に位置させ,ステー面部を回動可能にした状態で左右の側壁面部とフラップ部材とを部分的に接着部材によって接着することで,箱状の包装容器を組み立てることができる。複雑な折り工程は必要とされず,エンドロードカートナーを用いた自動製函に適している。
またこの発明によると,上記開閉面部とともに回動する上記ステー面部の先端のストッパ片の回動軌跡上に,上記左右の側壁面部とフラップ部材との部分接着に用いられる上記接着部材が位置しているから,開く方向に開閉面部を回動させると,ステー面部の先端のストッパ片が接着部材に当接し,そこで開閉面部の回動がとまる。開閉面部につながるステー面部の全体が外に飛び出してしまうことがない。
上記接着面部が上記前壁面部の上端に連続している場合,上記接着面部を上記底面部と前後左右の壁面部とによって囲まれる空間の天面の一部を覆う天面部とすることができる。この場合,上記左右の側壁面部と部分接着される上記フラップ部材は,上記天面部の両側端に連続して設けることができる。
接着面部が前壁面部の上端に連続している上記天面部である場合,上記天面部に切取線を形成しておき,切取線に沿って切取られる上記天面部の範囲を開閉面部の内面に接着しておくとよい。開閉部材を最初に開くときに,開閉部材の内面に接着した天面部の一部の範囲が切取られるから,包装容器の天面が大きく開口し,収容物を取り出しやすくすることができる。
上記接着面部が上記開閉面部の先端に連続している場合,上記接着面部を上記前壁面部の外面に接着される先端片とすることができる。この場合,上記左右の側壁面部と部分的に接着される上記フラップ部材は,上記前壁面部および後壁面部の両側端に連続して設けることができる。
接着面部が開閉面部の先端に連続する先端片である場合,上記前壁面部に切取線を形成しておき,切取線に沿って切取られる上記前壁面部の範囲を上記先端片の内面に接着しておくとよい。開閉部材を最初に開くときに,先端片の内面に接着した前壁面部の一部の範囲が切取られるから,包装容器の開口を前壁面部の一部にも形成することができ,斜め上方から収容物を取り出しやすくなる。
開閉面部を閉じた状態の第1実施例の包装容器の斜視図である。 開閉面部を開いた状態の第1実施例の包装容器の斜視図である。 第1実施例の包装容器の展開図である。 第1実施例の包装容器の組立て工程を示す。 第1実施例の包装容器の組立て工程を示す。 第1実施例の包装容器の組立て工程を示す。 第1実施例の包装容器の組立て工程を示す。 第1実施例の包装容器の右側面を示すもので,開閉面部が回動するときのステー面部の動きを示す。 開閉面部を閉じた状態の第2実施例の包装容器の斜視図である。 開閉面部を開いた状態の第2実施例の包装容器の斜視図である。 第2実施例の包装容器の展開図である。 第2実施例の包装容器の組立て工程を示す。 第2実施例の包装容器の組立て工程を示す。 第2実施例の包装容器の組立て工程を示す。 第2実施例の包装容器の組立て工程を示す。 第2実施例の包装容器の右側面を示すもので,開閉面部が回動するときのステー面部の動きを示している。 第3実施例の包装容器の展開図である。 開閉面部を閉じた状態の第3実施例の包装容器の斜視図である。 開閉面部を開いた状態の第3実施例の包装容器の斜視図である。
(第1実施例)
図1および図2は第1実施例の包装容器1の斜視図であり,図1は開閉面部17を閉じた状態の包装容器1を,図2は開閉面部17を開けた状態の包装容器1をそれぞれ示している。図3は包装容器1を形成するブランク(型紙)の展開図であり,包装容器1の内面となる面を見たものである。図4から図7は包装容器1の組立て工程を示している。包装容器1は図3に示す形状に切り取られた1枚の厚紙を折ることによりつくられる。厚紙に代えて,ボール紙,プラスチック・シート,これらの複合材を用いてもよい。図3の展開図において破線は谷折りされる折り線(折り目)を示している。折曲げを容易にするために破線に沿って折り線加工または折罫加工が施される。以下,図3〜図7を参照して,図1および図2に示す包装容器1の組立て工程を説明する。
図3を参照して,包装容器1は方形の底面部11を備える。底面部11の前,後(図3における下端,上端)に前壁面部12および後壁面部13が,底面部11の左右端に左右の側壁面部14,15が,それぞれ反対方向に連続してのびている。前壁面部12の左右端にはフラップ12A,12Bが,後壁面部13の左右端にはフラップ13A,13Bが,反対方向にそれぞれ連続してのびている。
前壁面部12の下端に天面部16が連続してのびており,天面部16の左右端にもフラップ16A,16Bがそれぞれ反対方向に連続してのびている。天面部16の奥行き(図3における上下方向の長さ)は底面部11の奥行きに比べて短い。天面部16には,その上端に向かう方向に弧状(凸状)の切取線(間欠切込み)Kが形成されており,切取線Kによって,天面部16は,前壁面部12およびフラップ16A,16Bに連続する残存天面部16aと,後述するように切取線Kに沿って切り離される切取天面部16bとに区分けされる。天面部16の切取天面部16bの範囲に糊部n1が設けられる。天面部16は,天面部16(その切取天面部16b)と次に説明する開閉面部17とを接着して胴貼り(サック貼り)を実現するための接着面部として用いられる。
後壁面部13の上端に開閉面部17が連続してのびている。開閉面部17の奥行き(図3における上下方向の長さ)は底面部11の奥行きとほぼ等しい。開閉面部17の後壁面部13に近い左右端に小さいフラップ17A,17Bが反対方向にそれぞれ連続してのびている。フラップ17A,17Bのそれぞれの上方に隣接して,概略扇状のステー面部18,19が,開閉面部17の左右端に連続して反対方向にのびている。ステー面部18,19の外縁は外方に向かう弧を描き,その先端は外向きに突出している。詳細は後述するが,ステー面部18,19の先端部分18a,19aが,上述した開閉面部17の開口範囲(回動角度)を規定するストッパの役割を果たす(以下,ストッパ片18a,19aと呼ぶ)。
開閉面部17の左右のフラップ17A,17Bとステー面部18,19との境界位置を結ぶように,開閉面部17には,開閉面部17と後壁面部13との境界の折り目と平行に横向きにのびるミシン目または折り目Mが形成されている(ミシン目または折り目Mを太い一点鎖線で示す)。後述するように,ミシン目Mを軸として開閉面部17の一部(開閉面部17の先端からミシン目Mまでの範囲)が回動し,これにより開閉面部17は開閉される。
開閉面部17の先端(上端)の近傍に,開閉面部17の閉鎖状態を簡易に保持するための係止片22を形成する弧状の切込みが入れられている。係止片22を形成する切込みと開閉面部17の先端縁との間には,開閉面部17を掴みやすくするための3本の折り目22aが形成されている。3本の折り目22aが形成されている範囲はわずかに外方に突出している。
図4を参照して,はじめに前壁面部12を底面部11との境界で折り畳む。図5を参照して,次に開閉面部17を後壁面部13との境界で折り畳む。天面部16の切取天面部16bに設けられた糊部n1によって,切取天面部(外面)16bと開閉面部(内面)17とが接着される。開閉面部17の両端に連続するステー面部18,19の一部が,先に折り畳まれている天面部16(残存天面部16a)の左右端に連続するフラップ16A,16Bの上に重なる。
図6を参照して,前壁面部12および後壁面部13を底面部11に対してほぼ直角に起立させて起函させる。両がわの側方が開口したスリーブが形付けられる。次に左右の側面のいずれか一方,たとえば右側面の組立てが行われる。前壁面部12の右端に連続するフラップ12Bと後壁面部13の右端に連続するフラップ13Bをほぼ直角に折り曲げる。図7を参照して,開閉面部17の下がわに位置する天面部16(残存天面部16a)の右端に連続するフラップ16Bと,開閉面部17の右端に連続するフラップ17Bおよびステー面部19を直角に折り曲げる。最後に,底面部11の右端に連続する右側壁面部15をほぼ直角に上方に向けて折り曲げ,右側壁面部15の内面の上方の両端部を,糊部n3,n5によってフラップ16B,17Bと接着する。右がわ側方が閉じられる。
開口している左がわ側方から収納物(図示略)が収納される(エンドロード)。先に閉じられた右側面が収納物のストッパの役割を果たす。収納物を入れた後,上述と同様にして左側面を組立てることで,収納物を収納した包装容器1が完成する(図1参照)。
包装容器1を組立てた状態において,上述したステー面部18,19は,その外面に左右側壁面部14,15が沿い,内面にフラップ13A,16A,13B,16Bが沿う(図7参照)。ステー面部18,19は糊付けされていないので,包装容器1の上下方向に回動自在である。
開閉面部17の先端を掴んで持ち上げると,開閉面部17はミシン目Mに沿って曲げられる。糊部n1によって開閉面部17の内面に切取天面部16bが接着されているので,最初に開閉面部17を持ち上げるときに,切取線Kに沿って天面部16から切取天面部16bが切取られる。切取天面部16bは開閉面部17の内面に貼り付いたままである(図2参照)。天面部16から切取天面部16bが切取られることで,包装容器1は大きく開口し,収容物を取り出しやすくなる。
図8は包装容器1の右側面を右側壁面部15の一部を省略して示すもので,開閉面部17が回動するときのステー面部19の動きを示している。図8において,開閉面部17が開けられたときのステー面部19が実線によって,開閉面部17が閉じられたときのステー面部19が一点鎖線によって,それぞれ示されている。包装容器1は左右対称であるから,左側面に設けられるステー面部18が,右側面に設けられるステー面部19と同じ動きをするのは言うまでもない。
開閉面部17が閉じられているとき(一点鎖線,図1参照),開閉面部17につながるステー面部19は,右側壁面部15と,フラップ13B,16Bとによってその全体が両がわから挟まれた状態にある。開閉面部17が閉じられているときにステー面部19は外から見えない。
開閉面部17を持ち上げると(実線,図2参照),開閉面部17につながるステー面部19も開閉面部17とともに持ち上げられ,外に次第に露出する。ミシン目Mを軸にして開閉面部17およびステー面部19は回動する。
開閉面部17の回動を続けると,ステー面部19の先端のストッパ片19aが右側壁面部15とフラップ16Bとの接着に用いられた糊部n3の端部にぶつかり,ここでステー面部19の回動がとまる。開閉面部17の回動もとまる。
一旦開けた開閉面部17を再び閉じるときには,開閉面部17の先端の係止片22を残存天面部16aの縁に下側から差込むことによって,開閉面部17の閉鎖状態が簡易に保持される(図2参照)。
上述したように,底面部11の左右端に連続して左右側壁面部14,15が形成されており,左右側壁面部14,15を最後に下がわ(底面がわ)から上方に向けて折ることで包装容器1は完成する。左右側壁面部14,15と,後壁面部13および残存天面部16aの左右端に連続するフラップ13A,13B,16A,16Bによって,ステー面部18,19をその両がわから挟むことができる。包装容器1は,ブランクを上述した順番で折ることで形成することができ,複雑な折り工程を経ることなくステー面部18,19をその両側から挟むことができるから,自動製函機を用いた製函に適している。
また包装容器1では,上述したように,左右側壁面部14,15を接着するために用いられる糊部n2,n3が,ステー面部18,19の先端のストッパ片18a,19aに当接して開閉面部17の回動範囲を規制し,かつステー面部18,19の全体が外に飛び出してしまうことを防止するためにも用いられる。ステー面部18,19の先端のストッパ片18a,19aを当接させるための面部等を別途考慮する必要がない。さらに包装容器1は紙が二重に重ね合わされている範囲が少ないので材料を節約することもできる。
(第2実施例)
図9および図10は第2実施例の包装容器2の斜視図であり,図9は開閉面部27を閉じた状態の包装容器2を,図10は開閉面部27を開けた状態の包装容器2をそれぞれ示している。図11は包装容器2を形成するブランクの展開図であり,包装容器2の内面となる面を見たものである。図12から図15は包装容器2の組立て工程を示している。
図11を参照して,包装容器2は方形の底面部21を備える。底面部21の前,後(図11における下端,上端)には前壁面部22および後壁面部23が,底面部21の左右端には左右の側壁面部24,25が,それぞれ反対方向に連続している。前壁面部22の左右端にはフラップ22A,22Bが,後壁面部23の左右端にはフラップ23A,23Bが反対方向にそれぞれ連続している。
前壁面部22にはその下端から上に向かってのびる弧状(凸状)の切取線Kが形成されており,切取線Kによって,前壁面部22は,底面部21およびフラップ22A,22Bに連続する残存前壁面部22aと,後述するように切取線Kに沿って切り取られる切取前壁面部22bとに区分けされる。切取前壁面部22bに糊部n6が設けられる。
後壁面部23の上端に開閉面部27が連続し,開閉面部27の上端にさらに先端片30が連続している。先端片30は,糊部n6によって前壁面部22(切取前壁面部22b)と接着して胴貼り(サック貼り)を実現するための接着面部として用いられる。開閉面部27の左右端にステー面部28,29が反対方向にそれぞれ連続している。ステー面部28,29の先端には,外向きに突出するストッパ片28a,29aが形成されている。また,ステー面部28,29の開閉面部27および後壁面部23に近い箇所には弧状の窪み部28b,29bがそれぞれ形成されている。開閉面部27の上端につながる先端片30の上端には矩形のつまみ部30aが外方に突出して形成されている。
図12を参照して,はじめに前壁面部22を底面部21との境界で折り畳む。図13を参照して,次に開閉面部27を後壁面部23との境界で折り畳む。前壁面部22の切取前壁面部22bに設けられた糊部n6によって,前壁面部22の切取前壁面部(外面)22bと先端片30(内面)とが接着される。
図14を参照して,前壁面部22および後壁面部23を底面部21に対してほぼ直角に起立させて起函させる。第1実施例と同様に,左右の側面のいずれか一方,たとえば右側面の組立てが行われる。前壁面部22(残存前壁面部22a)の右端に連続するフラップ22Bと後壁面部23の右端に連続するフラップ23Bをほぼ直角に折り曲げる。図15を参照して,開閉面部27の右端に連続するステー面部29を直角に折り曲げる。最後に,底面部21の右端に連続する右側壁面部25をほぼ直角に上方に向けて折り曲げ,右側壁面部25の内面の上方の両端部に設けられた糊部n9,n10によって右側壁面部25をフラップ22B,23Bと接着する。右がわ側方が閉じられる。
開口している左がわ側方から,収納物(図示略)が収納される(エンドロード)。先に閉じられた右側面が収納物のストッパの役割を果たす。収納物を入れた後,上述と同様にして左側面を組立てることで,収納物を収納した包装容器2が完成する(図9参照)。
図16は包装容器2の右側面を右側壁面部25の一部を省略して示すもので,開閉面部27が回動するときのステー面部29の回動動作を示している。包装容器2の左側面に設けられるステー面部28がステー面部29と同じ動きをするのは言うまでもない。
開閉面部27が閉じられているとき(一点鎖線,図9参照),開閉面部27につながるステー面部29は,右側壁面部25と,フラップ22B,23Bとによって両がわから挟まれている。開閉面部27が閉じられているときにステー面部29は外から見えない。また,開閉面部27が閉じられているとき,ステー面部29の窪み部29bによって糊部n9との干渉が防止される。
開閉面部27の先端につながる先端片30のつまみ部30aを掴んで持ち上げると(実線,図10参照),開閉面部27につながるステー面部29も開閉面部27とともに持ち上げられる。開閉面部27と後壁面部23との境界の折り目を中心軸にして,開閉面部27およびステー面部29は回動する。先端片30の内面に切取前壁面部22bが接着されているので,最初に開閉面部27を持ち上げるときに,切取線Kに沿って前壁面部22から切取前壁面部22bが切取られる。切取前壁面部22bは先端片30の内面に貼り付いたままである。前壁面部22から切取前壁面部22bが切取られることで,包装容器2が前壁面部22の一部が開口し,内容物を斜め上方から取り出しやすくなる(図10参照)。
開閉面部27の回動を続けると,ステー面部29の先端のストッパ片29aが,右側壁面部25とフラップ22Bとの接着に用いられた糊部n10に当接し,ここでステー面部29の回動が止まる。ステー面部29につながる開閉面部27の回動もとまる。
一旦開けた開閉面部27を再び閉じるときには,開閉面部27につながる先端片30の先端のつまみ部30aを残存前壁面部22aの縁に掛けることによって,紙が持つ反発力によって開閉面部27の閉鎖状態が簡易に保持される。
包装容器2も,底面部21の左右端に連続する左右側壁面部24,25を最後に下がわ(底面がわ)から折ることで完成する。複雑な折り工程を経ることなくステー面部28,29をその両側から挟むことができるから,自動製函機を用いた製函に適している。また,包装容器2も紙が二重に重ね合わされている範囲が小さく,材料を節約することができる。
(第3実施例)
図17は第3実施例の包装容器3のブランクの展開図である。図18は開閉面部27を閉じた状態の包装容器3の斜視図を,図19は開閉面部27を開けた状態の包装容器3の斜視図をそれぞれ示している。図9から図16に示す包装容器2と同一部材には同一符号を付し,重複説明を避ける。
包装容器3は,前壁面部22および先端片30の構造が,上述した包装容器2と異なる。図17を参照して,包装容器3の前壁面部22に切取線Kは形成されていず,これに代えて先端片30が備える差込み片34を差し込むための切込みSが形成されている。また,包装容器3の先端片30は,開閉面部27に連続する連結片31,先端片30の左右方向に間隔をあけて形成された2本のミシン目Mによって挟まれる切取片32,および切取片32につながる接着片33がこの順番に連設されることで構成されている。接着片33に糊部n11が設けられる。
図18を参照して,接着片33に設けられた糊部n11によって,先端片30は包装容器3の前壁面部22に接着される。2本のミシン目Mによって挟まれる切取片32の端を掴み,横向きに引っ張ることで切取片32が切り離される。開閉面部27およびこれにつながる連結片31を持ち上げることで,包装容器3の天面を覆っている開閉面部27が回動して包装容器3の天面が開口する。ステー面部28,29の先端のストッパ片28a,29aが,左右側壁面部24,25とフラップ22A,22Bとの接着に用いられた糊部n8,n10に当接し,ここでステー面部28,29の回動および開閉面部27の回動がとまるのは,包装容器2と同じである。
一旦開けた開閉面部27を再び閉じるときに,開閉面部27に連続する連結片31の先端の差込み片34を前壁面部22に形成された切込みSに差し込むことによって,開閉面部27の閉鎖状態が簡易に保持される。
1,2,3 包装容器
11,21 底面部
12,22 前壁面部
13,23 後壁面部
14,24 左側壁面部
15,25 右側壁面部
16 天面部(接着面部)
17,27 開閉面部
12A,12B,13A,13B,16A,16B,17A,17B,22A,22B,23A,23B フラップ
18,19,28,29 ステー面部
18a,19a,28a,29a ストッパ片
30 先端片(接着面部)
n1,n2,n3,n4,n5,n6,n7,n8,n9,n10,n11 糊部(接着部材)
M 折り目(ミシン目)
K 切取線

Claims (5)

  1. 方形の底面部,
    底面部の4辺のそれぞれに連続して底面部から立ち上がる前後左右の壁面部,
    後壁面部の上端に連続して上記底面部と上記前後左右の壁面部とによって囲まれる空間の天面を覆う開閉面部,
    前壁面部の上端に連続して上記開閉面部の内面と接着される接着面部,または開閉面部の先端に連続して前壁面部の外面と接着される接着面部,
    上記開閉面部の両側端のそれぞれに連続し,左右の側壁面部の内面に沿うステー面部,および
    上記ステー面部の内面に沿い,上記左右の側壁面部との間に上記ステー面部を回動可能に挟んだ状態で接着部材によって上記左右の側壁面部と部分的に接着されるフラップ部材を備え,
    上記開閉面部は,上記開閉面部上の折り目を軸にして回動自在であり,
    上記開閉面部とともに回動する上記ステー面部の先端のストッパ片の回動軌跡上に,上記左右の側壁面部とフラップ部材との部分接着に用いられ,かつ回動させた上記ストッパ片が係合する上記接着部材が位置している,
    包装容器。
  2. 上記前壁面部の上端に連続する接着面部が,上記底面部と前後左右の壁面部とによって囲まれる空間の天面の一部を覆う天面部であり,
    上記左右の側壁面部と部分接着される上記フラップ部材が,上記面部の両側端に連続している,
    請求項1に記載の包装容器。
  3. 上記天面部に切取線が形成されており,切取線に沿って切取られる上記天面部の範囲が,上記開閉面部の内面に接着されている,
    請求項2に記載の包装容器。
  4. 上記開閉面部の先端に連続する接着面部が,上記前壁面部の外面に接着される先端片であり,
    上記左右の側壁面部と部分接着される上記フラップ部材が,上記前壁面部および上記後壁面部の両側端に連続している,
    請求項1に記載の包装容器。
  5. 上記前壁面部に切取線が形成されており,切取線に沿って切取られる上記前壁面部の範囲が上記先端片の内面に接着されている,
    請求項4に記載の包装容器。
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