JP2015054477A - フィルム成形用口金端部の漏れ防止方法 - Google Patents

フィルム成形用口金端部の漏れ防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】口金端部における溶融樹脂のシール性に優れ、作業効率の良いフィルム成形用口金端部の漏れ防止方法を提供する。【解決手段】フィルム成形用口金を構成する口金リップ本体の両側側面端部と各サイドシールとの接合部分に、粘度50Pa・s以上150Pa・s以下の縮合反応型の液状シリコーンゴムを塗布し、指触乾燥させた後、前記各サイドシールをボルトで固定し、その後前記縮合反応型の液状シリコーンゴムを常温で硬化させてシリコーン系ガスケットとすることで、口金端部からの溶融樹脂の漏れを防止することを特徴とする、フィルム成形用口金端部の漏れ防止方法。【選択図】図1

Description

本発明は、口金端部における溶融樹脂のシール性に優れ、作業効率の良いフィルム成形用口金端部の漏れ防止方法に関する。
一般的に、ガスケットとは構造に気密性、液密性を持たせるために用いる固定用シール材であり、固定用シール材に対し、運動用シール材をパッキンと呼ぶ。
ガスケットは、フランジ等の接合部或いはその他の隙間部の二つの接合面からの気体もしくは液体等の流動性物質の漏洩防止を目的として接合面の間に配置される材料であり、エンジン等の内燃機関およびポンプや配管のフランジ部分等、各種産業用途に広く使用されている。
具体的には、接合面の良好なシール性を確保するため、通常はガスケットおよび二つの接合面である個別の金属製部品が面同士の間で互いに組み合わさってボルト固定される。
例えば、溶融樹脂をフィルム状に成形するフィルム成形用口金においても、口金端部における溶融樹脂の漏れを防止するために、口金部品の接合部分にガスケットを使用しており、フィルムの生産性および品質を確保する上で重要な役割を果たしている。しかし、フィルム成形用口金端部における溶融樹脂のシール方法については、メーカー各社のノウハウであり公知となっていない部分が多い。また、フィルム成形用口金以外の分野においても、様々な用途でガスケットが用いられている。
そのような中で、口金とカバー体の接合部をシールするシリコーン樹脂のゴム粘度を100〜130Pa・sの範囲とすることで、シール部の自然乾燥時のシリコーン樹脂の垂れなどが生じにくくなり、シール部が均一に形成されて部分的に薄くなることが抑制されることにより、防水性が向上する、電球形蛍光ランプおよび照明器具が提案されている(特許文献1)。
また、シール材本体をアクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムから選ばれたゴム材から形成することにより、シール機能を発現するために本来必要な弾性を、これら各ゴム材から形成されたシール材本体の持つ弾性で確保し、低温時であってもシール性を損なうことが無く、更に、シール材本体の表面に備えた薄膜層をフッ素系ゴムとすることで、伝熱・輻射される熱に対する耐熱性、シール材表面に接触する油に対する耐熱性、およびシール材表面に接触する油に対する耐油性を向上させることができる、例えば、シリンダヘッドカバーガスケットとして接合部に装着されてシールする、ゴム製のシール材が提案されている(特許文献2)。
特開2003−157701号公報 特開平6−123363号公報
特許文献1記載の電球形蛍光ランプおよび照明器具は、一定範囲内のゴム粘度を有する湿度硬化形のシリコーン樹脂でシールすることにより、シール部における乾燥時のシリコーン樹脂の垂れ落ちによる不具合を解消し、シール部を均一な厚さになるようにシール作業することができる。しかしながら、シール性を発揮するためのシリコーン樹脂の塗布条件については十分でなく、外部からの防水処理を行うことが目的であり、フィルム成形用口金のような高温条件に対するガスケットの耐熱性の点については考慮されていない。
特許文献2記載のゴム製のシール材は、シール材本体でゴム製のシール材の持つ弾性を確保し、かつシール材本体の表面に備えた薄膜層をフッ素系ゴムとすることで、耐熱性及び耐油性を確保できる。しかしながら、フッ素系ゴムの薄膜層を形成し、さらに乾燥・熱処理を行う工程が有り、作業効率の点については十分に考慮されていない。
本発明の課題は、口金端部における溶融樹脂のシール性に優れ、作業効率の良いフィルム成形用口金端部の漏れ防止方法を提供することである。
本発明のフィルム成形用口金端部の漏れ防止方法は、フィルム成形用口金を構成する口金リップ本体の両側側面端部と各サイドシールとの接合部分に、粘度50Pa・s以上150Pa・s以下の縮合反応型の液状シリコーンゴムを塗布し、指触乾燥させた後、各サイドシールをボルトで固定し、その後縮合反応型の液状シリコーンゴムを常温で硬化させてシリコーン系ガスケットとすることで、口金端部からの溶融樹脂の漏れを防止する。
本発明により、口金端部における溶融樹脂のシール性に優れ、作業効率の良いフィルム成形用口金端部の漏れ防止方法が提供される。
より具体的には、フィルム状に成形するフィルム成形用口金に関して、押出成形で口金流路に250℃から300℃程度になる溶融樹脂を通す際に、口金端部をシールするために耐熱性を有するシリコーン系ガスケットを最適な条件で作製し、口金部品にセットすることによって、口金端部において溶融樹脂の漏れが無く優れたシール性を発揮し、フィルムの生産性および品質を確保することができる。また、ガスケットの作製においても、作業効率の良いフィルム成形用口金端部の漏れ防止方法を提供することができる。
図1は、口金端部における溶融樹脂の漏れを示す概略図である。 図2は、本発明の一実施形態を示すフィルム成形用口金の部品構成概略図である。 図3は、ダイホッパー、口金リップ本体(A)、(B)の組立概略図である。 図4は、口金部品の接合部分に液状シリコーンゴムを塗布する概略図である。 図5は、サイドシール固定ボルトで口金部にサイドシールを取り付ける概略図である。 図6は、サイドシール取り付け後の口金組立完了の概略図である。
以下に、本発明を実施するための望ましい形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示す通り、フィルム成形工程において、溶融状態のフィルム状物1としてフィルム成形用口金から溶融樹脂が押し出されるが、口金端部における部品接合部分のシール不良により、溶融樹脂の漏れ2が発生する。その結果、漏れた溶融樹脂がフィルム製品部分に付着して、製膜時の破れや異物欠点等の不具合が発生するため、生産を中止して漏れた溶融樹脂を除去する口金掃除を行わなければならない。
本発明のフィルム成形用口金端部の漏れ防止方法は次のような手順で行う。まず、フィルム成形用口金を構成する口金リップ本体の両側側面端部と各サイドシールとの接合部分に、粘度50Pa・s以上150Pa・s以下の縮合反応型の液状シリコーンゴムを塗布する。そして、縮合反応型の液状シリコーンゴムが指触乾燥した後、各サイドシールをボルトで固定する。その状態で縮合反応型の液状シリコーンゴムを常温で硬化させる。この常温で硬化した縮合反応型の液状シリコーンゴムをシリコーン系ガスケットとして用いる。こうすることで、口金端部からの溶融樹脂の漏れを効果的に防止できる。
本発明のフィルム成形用口金端部の漏れ防止方法の一例であるフィルム成形用口金の部品構成を図2に示す。口金部品の組立て順として、図3に示すダイホッパー3、口金リップ本体(A)5および口金リップ本体(B)9をダイホッパー固定ボルト4で固定した。次いで、図4に示す口金リップ本体の両側側面端部(口金リップ本体の側面端部(A)7の両側部分、および口金リップ本体の側面端部(B)11の両側部分)に、粘度50Pa・s以上150Pa・s以下の縮合反応型の液状シリコーンゴム15を、縁周辺部分よりはみ出さないように均一に塗布した(図4の15、黒色部分)。次いで、指触乾燥後、図5に示すサイドシール固定ボルト14を使って、口金部にサイドシール13をボルト固定して取り付けた。この際の締め付けトルクは、JIS B1083およびJIS B1084に準拠した締め付けトルクであることが好ましい。
ここで、本発明で言う「指触乾燥」とは、指の腹が塗膜に軽く触れたとき、指に液状シリコーンゴムが付着しない乾燥(硬化)状態、すなわち塗布した液状シリコーンゴムの表面部分だけが硬化した状態のことを指す。
次いで、該液状シリコーンゴムを常温硬化させて、シリコーン系ガスケット15で口金端部をシールする、図6に示すフィルム成形用口金の組立を完了した。
ここで、本発明で言う「シリコーン系ガスケット」とは、液状シリコーンゴムを硬化させたものを指す。
上記に説明した部品構成から成るフィルム成形用口金は本発明の一実施形態であり、本発明のフィルム成形用口金端部の漏れ防止方法は、特定の口金構造に限定されず各種フィルム成形用口金を対象とし、口金部品の接合部分におけるシール方法として効果的に用いることができる。
本発明では、後述するシリコーン系ガスケットの材料として塗布される、縮合反応型の液状シリコーンゴムの粘度が50Pa・s以上150Pa・s以下であることが必要である。より好ましくは70Pa・s以上140Pa・s以下である。液状シリコーンゴムの粘度が50Pa・sより小さい場合、乾燥(硬化)前の塗布した液状シリコーンゴムがその自重によって流れ落ちてしまい、狙いとする膜厚を得られないことがある。液状シリコーンゴムの粘度が150Pa・sより大きい場合、必要量以上の液状シリコーンゴムを塗布し、最適な条件でガスケットおよび口金部品をセットすることができなくなることがある。
本発明におけるフィルム成形用口金の材質としては、ステンレス鋼材のうち、耐熱性、耐食性、機械的特性に優れた鋼種である、SUS304を用いることが好ましい。
ガスケットの材料としては、例えば、変性アルキッドポリエステル、ポリブテン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、トリアジン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂等、ゴム系としてブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ポリサルファイド、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム等を用いることが公知として知られている。
本発明では、ガスケットの材料として、溶融樹脂に対する耐熱性およびガスケット作製の作業効率の観点から、縮合反応型の液状シリコーンゴムを用いることが必要である。液状シリコーンゴムはペースト状をしており、硬化させることによってゴム状となる。また、液状シリコーンゴムは通常室温で硬化することから、室温硬化性シリコーンゴムとも呼ばれる。液状シリコーンゴムは多彩な硬化形式、形態、品種が開発されており、梱包や形態により大別すると1液型と2液型に分けられる。
液状シリコーンゴム組成物は、基本的にはベースポリマー、架橋剤および触媒からなる。ベースポリマーは、式(化1)に示すような末端に反応性官能基を持つ直鎖状のジオルガノシロキサンである。通常Rはメチル基であり、必要に応じてフェニル基、ビニル基、トリフロロプロピル基などが導入されることがある。Xは反応性官能基で、通常縮合型では水酸基が、付加型ではビニル基が用いられる。nは通常100から1000程度である。架橋剤は式(化2)、式(化3)に示すような反応性官能基Yを1分子中に三つ以上持つシランまたはシロキサンなどが用いられ、通常R’はメチル基であり、三次元構造へと架橋される。触媒は有機金属系化合物やアミノ系化合物、白金化合物などが使用されるが、架橋剤によっては不要の場合もある。この他に、必要に応じて補強剤、添加剤、顔料などが加えられる。
Figure 2015054477
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本発明で用いる縮合反応型の液状シリコーンゴムは、基本的な反応は縮合型であれば1液型も2液型も同じであり、何れを用いても構わない。ただし、後述する作業効率の観点から1液型の室温硬化性シリコーンゴムを用いることが好ましい。
1液型の室温硬化性シリコーンゴムは、通常は縮合型の硬化機構を利用している。チューブやカートリッジなどの密封容器に入れられて市販され、使う時に容器から出して湿気に曝すことで硬化が始まり、ゴム状となる。1液型の室温硬化性シリコーンゴムは、式(化4)のように加水分解性官能基Yが水分の存在下で加水分解縮合反応を起こして架橋する。
Figure 2015054477
反応機構からもわかるように硬化するために水分が必要であり、また必ず副生物が生成する。したがって、密封・低湿分条件下では反応が進行しない。硬化は表面から進行し、内部へ行くほど硬化速度は遅くなり、表面から数センチ以上の深部は実用的には硬化しない。内部の硬化速度は水分の拡散速度に支配される。縮合生成物は系から完全に除かないと耐熱性低下など物性に悪影響が出る。
加水分解性官能基としては、現在以下のものが実用的に使われている。メチルエチルケトオキシム基(脱オキシム型)、アセトキシ基(脱酢酸型)、アルコキシ基(脱アルコール型)、イソプロペノキシ基(脱アセトン型)のほか、アミン型、アミド型など様々なタイプが提案されているが、通常、先の4種が用いられるケースがほとんどである。必要に応じて有機金属系(Sn、Tiなど)、アミン系等の触媒が用いられる。
脱オキシム型はにおいが比較的弱く、接着性も良好で安定しており、一部を除いては腐食性も無いため、様々な分野で最も多く使用されている。脱アルコール型、脱アセトン型はにおいがほとんど無く、腐食性が無いため、主に電気・電子用に使用されている。脱酢酸型は臭気が強く、放出される酢酸による腐食があるが、接着性に優れているため水槽のシール等に使用されている。 また、脱アセトン型は硬化が非常に速く、縮合生成物であるアセトンが活性水素を持たないため、硬化途中で加熱されても解重合が起こらない長所がある。各硬化機構はそれぞれ長所、短所を持ち、用途に応じて使い分けられている。一般的なグレードでは硬化速度は脱アセトン型>脱酢酸型>脱オキシム型>脱アルコール型の順である。
本発明では、溶融樹脂に対する耐熱性およびガスケット作製の作業効率の観点から、硬化速度が速い脱アセトン型かつ1液型の室温硬化性シリコーンゴムを用いることが好ましい。脱アセトン型は、硬化時にアセトンを副生して硬化するタイプである。脱アセトン型は硬化速度が速く、脱アルコール型に比べると未硬化で高温に曝されても劣化しないという特徴がある。ただし、長期保管すると若干変色する。また、硬化後の耐熱性が他のタイプに比べて優れている。
また、2液型の室温硬化性シリコーンゴムは、通常主剤と硬化剤に分けられており、使用時にこれを混合すると硬化が始まりゴム状となる。硬化剤は配合技術上架橋剤である場合もあるし、触媒である場合もあり、一定ではない。硬化機構は主に縮合型と付加型を利用している。1液型と2液型の差は主に硬化剤の量であり、2液型は架橋するのに必要最小限であるのに対して、1液型は、保存時に少量の水分に曝されても架橋反応が進まないように十分な硬化剤が添加されている。このため2液型は、深部硬化性に優れ速硬化することが可能である。一方、1液型では、チューブやカートリッジから吐出されると空気中の水分と架橋剤が反応し、この繰り返しにより架橋が進む。通常、1液型の1日で硬化する厚みは2mm程度となる。このため広い面同士の接着や深い目地などを埋める用途には適さない。しかし、1液型は、混合する手間や加熱オーブンなど特殊な装置がなくても使用できるという作業効率の点でメリットがある。縮合型の基本的な硬化機構は1液型と同様である。
本発明のフィルム成形用口金端部の漏れ防止方法は、フィルム成形時に樹脂温度が250℃から300℃程度になる溶融樹脂に対して、ガスケットが劣化すること無くシール性を発揮するために、液状シリコーンゴムが耐熱性シリコーンゴム組成物であることが好ましい。特に、溶融樹脂に対する耐熱性およびガスケット作製の作業効率の観点から、縮合反応型の液状シリコーンゴムが脱アセトン型かつ1液型の室温硬化性シリコーンゴムであることが好ましく、該脱アセトン型かつ1液型の室温硬化性シリコーンゴム組成物が耐熱性シリコーンゴム組成物であることが最も好ましい。
一般的に、シリコーンゴムの耐熱性を向上させる方法としては、添加剤として、例えばセリウム原子含有ヘテロシロキサンを使用する方法、カーボンブラックを使用する方法、また、酸化セリウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化チタン、石英粉等の無機充填剤を使用する方法或いはこれらを併用する方法などが公知として知られている。その中でも、シリコーンゴム組成物の耐熱性向上に著しい効果を与えるために、本発明においてはカーボンブラックおよび酸化鉄を併用することが好ましい。すなわち、本発明では脱アセトン型かつ1液型の室温硬化性シリコーンゴム組成物が、一般的に用いられるシリカ系充填剤の代わりに、添加剤としてカーボンブラックおよび酸化鉄を含有した、耐熱性シリコーンゴム組成物であることが最も好ましい。
カーボンブラックの種類としては、フォーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラックなどが例示され、これらの公知のものを用いることができるが、添加されるカーボンブラックの含有量が、分子中に水酸基を含有するオルガノポリシロキサン100重量部に対して、5重量部以上30重量部以下であることが好ましい。カーボンブラックの含有量が5重量部未満の場合、充分な耐熱性を発揮できなくなることがある。カーボンブラックの含有量が30重量部を超える場合、シリコーン組成物の作業性、特に押出し性が悪くなることがある。
また、酸化鉄の種類としては、α−Fe、γ−Fe、Feの組成式で例示されるマグネタイト、マゲーマイト、ヘマタイト構造の酸化鉄が用いられるが、添加される酸化鉄の含有量が、分子中に水酸基を含有するオルガノポリシロキサン100重量部に対して、0.1重量部以上10重量部以下であることが好ましい。酸化鉄の含有量が0.1重量部未満の場合、充分な耐熱性を発揮できなくなることがある。酸化鉄の含有量が10重量部を超える場合、シリコーン組成物から得られる硬化物の物理特性が悪くなることがある。
本発明のフィルム成形用口金端部の漏れ防止方法は、フィルム成形用口金を構成する口金リップ本体の両側側面端部と各サイドシールとの接合部分に、脱アセトン型かつ1液型の室温硬化性シリコーンゴムを塗布し、室温25℃で7分以上15分以下の時間で指触乾燥させた後、各サイドシールをJIS B1083およびJIS B1084に準拠した締め付けトルクでボルト固定することが好ましい。脱アセトン型かつ1液型の室温硬化性シリコーンゴムの乾燥時間が7分未満の場合、未硬化乾燥状態となり、硬化不足によりシール面外にはみ出し、口金リップ本体のリップ面内を汚染したり、内部まで硬化できず、口金端部における溶融樹脂の漏れが発生することがある。脱アセトン型かつ1液型の室温硬化性シリコーンゴムの乾燥時間が15分を超える場合、半硬化乾燥状態または硬化乾燥状態となり、口金リップ本体の両側側面端部と、各サイドシールとの密着不足による、口金端部における溶融樹脂の漏れが発生することがある。
以下、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、諸特性は以下の方法により測定した。
(1)硬化前の液状シリコーンゴムの粘度
円錐平板型回転粘度計(EHD型)を用い、JIS K7177およびJIS K2220に準拠して測定した。
(2)シリコーン系ガスケットの硬度
デュロメータ硬さ計((株)テクロック製、GS−719N/タイプA)を用い、JIS K6253−3に準拠して測定した。
(3)液状シリコーンゴムの乾燥(硬化)状態
以下の基準により、液状シリコーンゴムの乾燥(硬化)状態を評価した。
未硬化乾燥:指の腹が塗膜に軽く触れたとき、指に液状シリコーンゴムが付着した。
指触乾燥:指の腹が塗膜に軽く触れたとき、指に液状シリコーンゴムが付着しなかった。
半硬化乾燥:塗布した面を指先でそっと擦ってみたとき、塗布面に擦り跡が付かなかった。或いは、指先で軽く押さえても粘着しないで指紋が付かなかった。
硬化乾燥:指の腹で塗膜を強く圧したとき、塗膜に指紋が付かなかった。
(4)フィルム成形用口金端部のシール性
以下の基準により、フィルム成形用口金端部のシール性を評価した。
◎:口金リップ本体の両側側面端部と、各サイドシールとの密着性は良好であり、口金端部における溶融樹脂の漏れも発生しない。
○:口金リップ本体の両側側面端部と、各サイドシールとの密着性は良好であるが、口金端部における溶融樹脂の漏れが不定期で発生する。
△:口金リップ本体の両側側面端部と、各サイドシールとの密着不足による、口金端部における溶融樹脂の漏れが不連続で発生する。
×:口金リップ本体の両側側面端部と、各サイドシールとの密着不足による、口金端部における溶融樹脂の漏れが連続して発生する。
××:液状シリコーンゴムの硬化不足によりシール面外にはみ出し、口金リップ本体のリップ面内を汚染する。
(5)シリコーン系ガスケットの耐熱性
以下の基準により、シリコーン系ガスケットの耐熱性を評価した。
○:275℃の溶融樹脂を72時間、フィルム成形したときにガスケットの劣化が無かった。
△:275℃の溶融樹脂を72時間、フィルム成形したときにガスケットの劣化が有った。
×:275℃の溶融樹脂を24時間、フィルム成形したときにガスケットの劣化が有った。
(実施例1)
本発明のフィルム成形用口金端部の漏れ防止方法の一実施形態として、図2に示す部品構成から成るフィルム成形用口金を用い、図3に示すダイホッパー3、口金リップ本体(A)5および口金リップ本体(B)9をダイホッパー固定ボルト4で固定した。次いで、25℃に温調された室内で、図4に示す口金リップ本体の両側側面端部(口金リップ本体の側面端部(A)7の両側部分、および口金リップ本体の側面端部(B)11の両側部分)に、粘度140Pa・sの縮合反応型の液状シリコーンゴム15であり、カーボンブラックおよび酸化鉄を含有した脱アセトン型、1液型の室温硬化性シリコーンゴム((株)スリーボンド製、ThreeBond1209)を、縁周辺部分よりはみ出さないように均一に塗布した(図4の15、黒色部分)。次いで、指触乾燥状態まで10分間乾燥後、図5に示すサイドシール固定ボルト(ボルト径M16、ナット対辺24mm)14を使って、230N・mの締め付けトルクで口金部にサイドシール13をボルト固定して取り付けた。次いで、約24時間静置してシリコーン系ガスケット15が硬化後、図6に示す組立完了したフィルム成形用口金を用い、押出成形で口金流路にポリエチレンテレフタレート樹脂((以下、PETということがある)の樹脂温度が275℃の溶融樹脂を通し、フィルム成形時の口金端部における溶融樹脂の漏れおよびシリコーン系ガスケットの劣化有無を観察し、評価した。シリコーン系ガスケットの膜厚は50μm、硬度は37であった。
(実施例2)
液状シリコーンゴムの乾燥時間を15分とした以外は実施例1と同様にして、フィルム成形時の口金端部における溶融樹脂の漏れおよびシリコーン系ガスケットの劣化有無を観察し、評価した。
(実施例3)
粘度70Pa・sの縮合反応型の液状シリコーンゴムであり、カーボンブラックおよび酸化鉄を含有していない脱オキシムタイプ、1液型の室温硬化性シリコーンゴム((株)スリーボンド製、ThreeBond1215)を用い、液状シリコーンゴムの乾燥時間を60分とし、シリコーン系ガスケットの硬度を45とした以外は実施例1と同様にして、フィルム成形時の口金端部における溶融樹脂の漏れおよびシリコーン系ガスケットの劣化有無を観察し、評価した。
(比較例1)
液状シリコーンゴムの乾燥時間を5分とした以外は実施例1と同様にして、フィルム成形時の口金端部における溶融樹脂の漏れおよびシリコーン系ガスケットの劣化有無を観察し、評価した。
(比較例2)
液状シリコーンゴムの乾燥時間を20分とした以外は実施例1と同様にして、フィルム成形時の口金端部における溶融樹脂の漏れおよびシリコーン系ガスケットの劣化有無を観察し、評価した。
(比較例3)
液状シリコーンゴムの乾燥時間を10分とした以外は実施例3と同様にして、フィルム成形時の口金端部における溶融樹脂の漏れおよびシリコーン系ガスケットの劣化有無を観察し、評価した。
Figure 2015054477
本発明により、フィルム状に成形するフィルム成形用口金に関して、押出成形で口金流路に250℃から300℃程度になる溶融樹脂を通す際に、口金端部をシールするために耐熱性を有するシリコーン系ガスケットを最適な条件で作製し、口金部品にセットすることによって、口金端部において溶融樹脂の漏れが無く優れたシール性を発揮し、フィルムの生産性および品質を確保することができる。また、ガスケットの作製においても、作業効率の良いフィルム成形用口金端部の漏れ防止方法を提供することができる。
1:溶融状態のフィルム状物
2:溶融樹脂の漏れ
3:ダイホッパー
4:ダイホッパー固定ボルト
5:口金リップ本体(A)
6:リップ(A)
7:口金リップ本体の側面端部(A)
8:リップ(A)の口金調整ボルト
9:口金リップ本体(B)
10:リップ(B)
11:口金リップ本体の側面端部(B)
12:リップ(B)の口金調整ボルト
13:サイドシール
14:サイドシール固定ボルト
15:液状シリコーンゴム(硬化後はシリコーン系ガスケット)

Claims (4)

  1. フィルム成形用口金を構成する口金リップ本体の両側側面端部と各サイドシールとの接合部分に、粘度50Pa・s以上150Pa・s以下の縮合反応型の液状シリコーンゴムを塗布し、指触乾燥させた後、前記各サイドシールをボルトで固定し、その後前記縮合反応型の液状シリコーンゴムを常温で硬化させてシリコーン系ガスケットとすることで、口金端部からの溶融樹脂の漏れを防止することを特徴とする、フィルム成形用口金端部の漏れ防止方法。
  2. 前記縮合反応型の液状シリコーンゴムが、脱アセトン型かつ1液型の室温硬化性シリコーンゴムである請求項1のフィルム成形用口金端部の漏れ防止方法。
  3. 前記脱アセトン型かつ1液型の室温硬化性シリコーンゴム組成物が、添加剤としてカーボンブラックおよび酸化鉄を含有した、耐熱性シリコーンゴム組成物である請求項2のフィルム成形用口金端部の漏れ防止方法。
  4. 前記脱アセトン型かつ1液型の室温硬化性シリコーンゴムを塗布し、室温25℃で7分以上15分以下の時間で指触乾燥させた後、前記サイドシールをJIS B1083およびJIS B1084に準拠した締め付けトルクでボルト固定する、請求項2または3のフィルム成形用口金端部の漏れ防止方法。
JP2013190105A 2013-09-13 2013-09-13 フィルム成形用口金端部の漏れ防止方法 Pending JP2015054477A (ja)

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JP7501274B2 (ja) 2020-09-24 2024-06-18 東レ株式会社 シート成形口金

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