JP2015054339A - 溶接トーチハンド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接線に忠実に沿った作業が可能で、溶接トーチと溶接線との距離を一定とし、必要に応じて溶接ワイヤの供給も可能であり、管材相互間、管材とエルボ、チーズ等の付属部品との溶接が可能なこと。【解決手段】緩衝材9a,9bを介して溶接トーチ3を溶接本体部100に取付け、被溶接管材1A,1Bを掴んでその周方向に回動自在で、かつ、被溶接管材1A,1Bの長さ方向の移動を禁止し、被溶接管材1A,1Bの溶接線Gと溶接トーチ3との間隔を保持するローラベアリング61、62、71、72を有する本体ガイド部材200は、溶接本体部に取付けられた固定側の掴み固定部60,80と、掴み固定部のローラベアリングの各々が被溶接管材1A,1Bと当接する点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に被溶接管材1A,1Bの中心軸Sが位置するように配設して転動させる掴み可動部70,90とを軸支した。【選択図】図4

Description

本発明は、例えば、長尺パイプ等の管材を接続する溶接トーチハンド装置に関するもので、特に、被溶接管材としての管材相互または管材と其の部品とをTIG溶接するTIG溶接や、アーク溶接に使用できる溶接トーチハンド装置に関するものである。本発明は、マニュアル使用に限られることなく、ロボット溶接の自動溶接ハンドとしても使用できる。
配管の長尺化を図る場合には、管材相互間を溶接またはカップリングで接続して一体化される。即ち、母材である管材相互を突合せ、その突合せ部分に幅広のU型状開先を施した後、これらを突合せ溶接していた。溶接法としては、例えば、TIG溶接(tungsten inert gas welding:非溶極式のイナートガスアーク溶接でタングステンまたはタングステン合金を電極とする溶接法)を手動でまたは溶接ロボット等で自動溶接を行っていた。
従来のこの種の被溶接管材の溶接は、厚さが5mmの管材であっても、突合せ部分のルートフェースが1〜1.5mm程度の幅広のU型状開先加工を施し、その後、添加ワイヤを供給しながら、複数層の溶接を施し、溶接時間に手間がかかっていた。なお、添加ワイヤを用いない場合には、ルートフェースが短いので割れや、溶け落ちがあり、溶接の制御が困難であると共に、高度な熟練を要し、良好な溶接ができないという問題があった。これに対して、例えば、レーザ溶接等を用いる方法もあるが、ボイラチューブ等の配管の生産量に初期投資のコストが高くなるという問題があった。
特許文献1では、従来の一層溶接では不可能であった厚さ5mmのチューブを溶接する際に、単に突き合わせて溶接ワイヤなしで、裏はTIG溶接を可能としている。
即ち、チューブ状の管材相互をトーチで突合せ溶接する溶接方法において、少なくとも5分割の回転ステップで管状の母材またはトーチを回転させ、添加ワイヤ無しで初層のTIG溶接し、次に、添加溶接ワイヤを用いて仕上溶接するもので、具体的には、管母材またはトーチを回転させ、添加溶接ワイヤ無しで初層TIG溶接を行い、次に添加溶接ワイヤを用いて仕上溶接するもので、溶接パス数が2回ですみ、溶接効率が向上し、溶接のコストダウンを図ることができるものである。
また、特許文献2では、活性金属からなる被溶接管材を溶接線に沿って覆い、一方には溶接トーチ固定部が設けられたシールドカバーと、前記溶接トーチ固定部の後方の前記シールドカバー内に分散配置され、底部を耐熱性金属からなるメッシュによって支持された耐熱性金属繊維または耐熱性金属ワイヤ片の集合からなる整流部材と、前記整流部材中に延在して、該整流部材中に不活性ガスを充填し、前記底部のメッシュから該不活性ガスを放出するガス放出管と、前記シールドカバー及びこれに取付けられた溶接トーチを前記溶接線に沿ってガイドするガイド部材を有する活性金属の溶接に使用する溶接補助装置を開示している。
この活性金属の溶接に使用する溶接補助装置は、シールドカバー内に空気や焼結金属よりも熱伝導率の高いステンレス鋼等からなる耐熱性金属繊維または耐熱性金属ワイヤ片の集合からなる整流部材を分散配置しているので、溶接ビードから伝達された熱は整流部材を介してシールドカバーから放熱し易く、シールドカバー内が空洞の場合に比べて冷却効果が大きくなり、溶接直後の溶接ビードの酸化防止効果を高めることができる。
また、整流部材の素材は市販のステンレス鋼等の材料を用いることができ、材料・工数とも安価にすることができる。特に、活性金属の溶接に使用する溶接補助装置においては、前記被溶接物がパイプからなって、前記シールドカバーの下面が前記パイプの外周に沿って円弧状に形成されているので、シールドカバーの下面から余分な不活性ガスが流出するのを防ぎ不活性ガスの消費量を少なくすると共に、外部からの空気の巻き込みを防ぎ、安定したアークを発生させることができるという技術である。
そして、特許文献3には、キャリッジと、取付け板と、前記取付け板上に取付けられ、第1及び第2の端部を有する貫通路及び前記貫通路と連通状態にある溶接ガス通路を画定するトーチブロックとを含み、前記キャリッジ上に配置されたトーチアセンブリと、前記溶接トーチに近接した前記トーチアセンブリ上に配置されたガスタングステンアーク溶加ワイヤ調節モジュールと、前記貫通路の第1の端部に取付けるように適応されたガスメタルアークトーチアセンブリと、前記貫通路の第1の端部に取付けるように適応されたガスタングステンアークトーチアセンブリと、前記貫通路の第2の端部に取付けるように適応されたガスメタルアークアダプタスリーブと、前記貫通路の第2の端部に取付けるように適応可能なキャップとを備える溶接ヘッドキットを開示しています。
しかし、ここには、ガス溶接用治具として当然に有する特徴のない一般的な構成概念を開示するのみであります。
特許文献4には、円柱状外周を有する被溶接材の外周囲にトーチを取付けて一対の被溶接材を溶接する溶接用トーチ組立体であって、被溶接材の外周囲を包囲してその3点を支持するクランプジョ一を有する支持体と、前記支持体に対して被溶接材の軸線を中心として回転自在に連結されるリングホルダと、上記支持体上に支承され上記リングホルダを回転せしめる駆動源と、上記リングホルダに枢着されるトーチ、及び上記リングホルダに回転自在に軸支され両被溶接材の接合面をまたがって延びて両被溶接材外周上を転動する複数個の位置決めローラを有して構成される溶接用トーチ組立体を開示しています。
しかし、特許文献4の発明は、溶接用トーチ組立体の中心軸と、溶接しようとする管材との正確な中心軸が一致しなければ機能しない。特に、溶接しようとする管材の周囲の溶接に正確度が要求され、実用的な加工効率を上げることができない。
更に、特許文献5には、半径方向の一方においては蝶着し、他方においては連結ねじを具備したパィブホルダー2組を鋼材によって構成し、上記それぞれのパイプホルダーにパイプの嵌合孔と同心円をたどるガイド講を設け、そのガイド溝に沿い移動可能なブラケットを嵌置し、両パイプホルダーのブラケットを貫く支杆の中央部にトーチホルダーを構成して、該支杆と前記ブラケットの止ねじを設けてなる突合わせパイプのガス溶接用治具を開示しています。
この技術思想においてもパイプホルダー2組を正確に一直線上に配置された管材に取付け、管材の芯出しがこの溶接結果を左右するから、特許文献4と同様に、溶接しようとする管材の配置に正確性が要求され、実用的な加工効率を上げることができない。
特開2000−141044 特開2000−135562 特開2009−502504 実開昭57−146979 実開昭58−160690
このように、特許文献1は、管状の管母材相互をトーチで突合せ溶接する場合に正確に溶接していないと、次に、添加ワイヤを用いて仕上げ溶接することができなくなり、TIG溶接の技能が問われ、溶接のコストダウンを図ることができない。
また、特許文献2では、シールドカバー内に空気や焼結金属よりも熱伝導率の高いステンレス鋼等からなる耐熱性金属繊維または耐熱性金属ワイヤ片を分散配置し、溶接ビードから伝達された熱をシールドカバーから放散し易くするものであるが、本発明者は放熱性の向上よりも溶接速度を速くすることにより、ステンレス、鉄等の多くの管材においては、溶接直後の溶接ビードの酸化の問題が生じないことが確認された。
そして、特許文献2においては、パイプの溶接線を洗浄してTIG溶接が可能な状態にした後、溶接線に溶接トーチの先端が合うようにシールドカバーを配置し、前記シールドカバーの両側にガイド部材を配置し、係合ピンをガイド溝に係合させ、チェーンをパイプに巻付け、留め具によって両端を連結する。不活性ガスをガス放出管から放出して、整流部材中に不活性ガスを充填し、前側部及び底部のメッシュから不活性ガスをパイプの表面及び溶接トーチに向かって均一に流すと共に、パイプの内部にバックシールドのためのガス放出管から不活性ガスを供給する。そして、溶加材を溜まり部の上方から溶接線付近に近づけ、パイプに対して相対的にシールドカバーをガイド部材に沿って移動させながら、溶接トーチからアークを発生させて溶加材を溶融させ、溶接線に沿って溶接ビードを形成する。1回の溶接の溶接ビードの長さは30mm程度が望ましい。このとき、溶接ビード上を整流部材から流れた不活性ガスによって冷却し、溶接ビードが常温に近づいた状態で、次の溶接ビードの形成作業を続けるという技術を開示している。
即ち、特許文献2の技術には、溶接線を形成する両側のパイプに取付けるチェーンと、当該チェーンに配設した係合ピンと、該係合ピンを収容して案内されるガイド溝を有するシールドカバーと、該シールドカバーに取付けた溶接トーチとを具備するTIG溶接トーチハンド装置が開示されている。しかし、1回の溶接の溶接ビードの長さが30mm程度のものであるから、パイプにチェーンを留め具で取付けてもその移動中に溶接線との平衡が崩れたり、パイプの長さ方向への移動が生じたり、スムーズなシールドカバーの回転が得られないことがある。そのため、作業者はパイプの長さ方向への移動及び周方向への移動、また、溶接線を移動する移動、溶接トーチの揺動によるウィービング等に気を取られて神経を溶接作業に集中できないことがある。
また、特許文献3は、溶接する管材を囲むトラックに移動体を配置し、円形、環状等を描く溶接トーチ及びタングステン電極や溶加ワイヤガイドによって溶接することを説明するものであり、効率的に管路を溶接する技術思想を開示するものがない。そして、特許文献4及び特許文献5においては、溶接を行うまでの前準備に正確性が求められており、効率の良い加工ができなかった。
そこで、本発明は、面倒な前準備を簡略化でき、溶接線に忠実に沿った作業が可能で、溶接トーチと溶接線との距離を一定とし、被溶接管材相互間、被溶接管材とエルボ、チーズ等の付属部品との溶接が可能で、その作業効率を良くした溶接トーチハンド装置の提供を課題とするものである。
請求項1の発明にかかる溶接トーチハンド装置は、溶接トーチが溶接本体部に取付けられ、被溶接管材を掴んでその周方向に回動自在で、かつ、前記被溶接管材の長さ方向の移動を禁止し、前記被溶接管材の溶接線と前記溶接トーチとの間隔を保持するベアリングを有する本体ガイド部を有し、前記被溶接管材の周囲に当接して転動する前記ベアリングの一部を配設し、前記溶接本体部に取付けられた固定側の掴み固定部と、前記被溶接管材の中心軸と並行に、前記溶接本体部に配設された支軸と、前記掴み固定部の前記ベアリングの一部と対向する前記ベアリングの残部とを、前記ベアリングの各々が前記被溶接管材と当接する点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に前記被溶接管材の中心軸が位置するように配設して転動させるべく前記支軸に軸支された掴み可動部と、前記支軸を中心とする前記掴み固定部と前記掴み可動部に対し、前記互いのベアリング対が前記被溶接管材に当接する側に弾性力を付与するスプリングとを有するものである。
ここで、上記緩衝材を介して溶接トーチを保持する溶接本体部は、TIG溶接用、アーク溶接用の溶接トーチを保持するもので、ウィービング等の機能の有無に関係なく、溶接トーチを取付け自在とするものであればよい。また、必要に応じて、溶接本体部には、溶接ワイヤを溶接個所に案内する溶接ワイヤ供給ガイド部を有している。また、緩衝材は合成樹脂、ゴム、皮革等の弾性面からなる弾性体であればよい。
また、溶接トーチを取付ける溶接本体部は、溶接トーチを保持するトーチ保持機構と一体に形成してもよいし、複数部分を後付けしたものでも良い。溶接本体部は溶接トーチを取付ける左右対称形状としてもよいし、溶接トーチを取付ける構造であるから、左右対称性を必須要件とするものでもよい。
そして、上記本体ガイド部は、前記溶接本体部に取付けられ、被溶接管材の端部を掴む機構からなるものであり、被溶接管材を周囲から把持できる機構であればよい。具体的には、掴み固定部、掴み可動部、それらの支軸、掴む力を得るスプリングで構成されている。
更に、上記支軸は、前記掴み固定部に軸支された前記被溶接管材と並行に配設されておればよい。ここで、被溶接管材と並行とは略平行であれば良く、前記被溶接管材の中心線と並行または略平行であればよい。
上記固定側の掴み固定部は、前記被溶接管材の周囲に当接させ、前記被溶接管材との相対運動で前記1個または2個以上のベアリングが転動するものであればよい。この発明で使用するベアリングは、ローラベアリングの使用が好ましいが、ボールベアリングの使用も可能である。
また、上記掴み可動部は、前記支軸を軸に回動し、2個または1個(固定側の掴み固定部のベアリングが2個のとき1個、1個のとき2個)以上のベアリングで前記被溶接管材の反対側の周囲に当接し、固定側の掴み固定部の2個または1個以上のベアリングと共に挟持し、前記被溶接管材との相対運動で前記掴み固定部と前記掴み可動部の少なくとも計3個以上のベアリングが転動するものであればよい。
そして、上記掴み固定部の前記ベアリングの一部と前記ベアリングの残部の各々が前記被溶接管材と当接する点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に前記被溶接管材の中心軸が位置するように配設するとは、前記掴み固定部の前記ベアリングの一部と前記ベアリングの残部とが前記被溶接管材との隣接する当接点を直線で接続したときの面の中に、前記被溶接管材の中心軸が位置すればよいことを意味している。
更に、上記スプリングは、前記支軸を中心とする前記掴み固定部と前記掴み可動部に対し、互いの2個以上のベアリングが当接する側に弾性力を付与するものであれば、スプリングの形態を問うものではない。
請求項2の発明にかかる溶接トーチハンド装置の前記掴み固定部と前記掴み可動部は、前記支軸を中心にスプリング力によって回動する弾性力に抗して、前記掴み可動部が前記支軸を中心に回動させ、前記互いに対向するベアリングの弾性力を弱くする弾性調節機構を配設したものである。
ここで、弾性調節機構とは、前記掴み固定部と前記掴み可動部との間に配設した前記掴み固定部と前記掴み可動部に対し、互いのベアリングが当接する側に弾性力を付与するスプリングの弾性力を変化させることができることを意味し、弾性力のゼロは開放を意味するがその状態も含むものであり、最大の弾性率とそれ以下の弾性が存在するものであればよい。
請求項3の発明にかかる溶接トーチハンド装置の前記互いのベアリングは、前記掴み固定部側と前記掴み可動部側との個数の比率が、1対2、2対2、4対2、4対4の何れかかまたはその逆比率の何れか1つとしたものである。
ここで、前記掴み固定部側が長いベアリング1個、前記掴み可動部側が2個とは、前記掴み固定部と前記掴み可動部側が3点支持で被溶接管材を把持するものである。このとき、被溶接管材が安定して把持されるには、前記掴み固定部と前記掴み可動部が被溶接管材に当接する点を接続して三角形、四角形の中に被溶接管材の中心が位置する必要がある。
また、前記掴み固定部側が長いベアリング2個、前記掴み可動部側が長いベアリング2個とは、4点支持するベアリングにより、被溶接管材の周囲を回動自在となる。このとき、被溶接管材が安定して把持されるには、前記4点で描いた四角形の中に被溶接管材の中心が位置する必要がある。
ベアリングを4個以上使用するのは、そのベアリングの幅が狭くても安定した設置が可能であり、安定したベアリングの転動を得ることができる。
請求項4の発明にかかる溶接トーチハンド装置の前記溶接本体部には、溶接個所から発生される紫外線を遮断する紫外線遮蔽部材を取付けたものである。
ここで、上記紫外線遮蔽部材は、主に紫外線をカットするフィルタでとの使用条件から赤外線の発生もあり、加熱されることを前提とするとガラスの使用が望ましい。
請求項1の溶接トーチハンド装置は、緩衝材を介して溶接トーチを保持する溶接本体部に取付けられ、被溶接管材を掴んでその周方向に回動自在で、かつ、前記被溶接管材の長さ方向の移動を禁止し、前記被溶接管材の溶接線と前記溶接トーチとの間隔を保持するベアリングを有する本体ガイド部は、前記本体ガイド部に取付けられた固定側の掴み固定部によって前記被溶接管材の周囲に当接して転動する前記ベアリングの一部を配設し、また、前記本体ガイド部に配設された前記被溶接管材の中心軸と並行な支軸に対して、前記掴み固定部の前記ベアリングの一部と前記ベアリングの残部の各々が前記被溶接管材と当接する点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に前記被溶接管材の中心軸が位置するように配設して転動させる掴み可動部を軸支したものである。
したがって、溶接用の溶接トーチを保持する本体ガイド部に取付けられ、被溶接管材を掴んで前記被溶接管材の周方向に回動自在で、かつ、前記被溶接管材の長さ方向の移動を禁止し、前記被溶接管材の溶接線と前記溶接トーチとの間隔を保持するベアリングを有する本体ガイド部は、前記掴み固定部の前記ベアリングの一部と前記ベアリングの残部の各々が前記被溶接管材と当接する点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に前記被溶接管材の中心軸が位置するから、前記本体ガイド部は、安定した回動が自在となり、一度掴んだ前記被溶接管材を離すことがなく、前記被溶接管材の全周に対して安定した溶接ができる。
特に、溶接トーチをトーチ保持機構に取付けられた本体ガイド部は、被溶接管材を掴んでその周方向に回動自在で、かつ、その長さ方向の移動を禁止し、前記被溶接管材の溶接線と前記溶接トーチとの間隔を保持するベアリングを有するから前記被溶接管材の溶接線に沿った溶接が容易である。また、溶接の際に母材と同一の材料を供給できるから、直接的な突合せであっても、管材相互間の溶接間隔の広い狭いに関係なく、溶接が可能となる。
例えば、TIG溶接用の溶接トーチの保持は、溶接トーチを保持する溶接本体部の移動方向のみ、即ち、回動方向のみを溶接線に沿って、または溶接線を中心にウィービング等に神経を集中させて使用することができ、溶接において重要な母材と溶接トーチとの間隔も保持されているから、移動のみに神経を集中させればよく、経験者でなくてもより良い溶接が可能となる。
このように、面倒な前準備を簡略化でき、溶接線に忠実に沿った作業が可能で、溶接トーチと溶接線との距離を一定とし、被溶接管材相互間、被溶接管材とエルボ、チーズ等の付属部品との溶接が可能で、作業効率を良くした溶接トーチハンド装置が提供でき、また、装置全体が簡単な構造となり廉価である。
請求項2の溶接トーチハンド装置は、前記掴み固定部に対して前記掴み可動部が支軸を中心にスプリング力によって回動する弾性力に抗して、前記掴み可動部が支軸を中心に回動させ、前記ベアリングが前記被溶接管材と当接する弾性力を弱くする弾性調節機構を配設したものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、前記弾性調節機によって前記ベアリングが前記被溶接管材と当接する弾性力を弱くでき、その開口を大きくすることにより、前記被溶接管材の掴む際に弾性力を全く得ないまま位置決めして、その位置決めした位置で前記被溶接管材を掴むように設定すれば、腕力を必要としないから腕力に自信のない作業者でも、誰もが容易に設定できる。よって、面倒な前準備を簡略化でき、溶接線に忠実に沿った作業が可能で、溶接トーチと溶接線との距離を一定とし、管材相互間、管材とエルボ、チーズ等の付属部品との溶接が可能で、作業効率を良くした溶接トーチハンド装置が提供でき、また、装置全体が簡単な構造となり廉価である。
請求項3の溶接トーチハンド装置の前記ベアリングは、前記掴み固定部側と前記掴み可動部側との個数の比率が1対2、2対2、4対2、4対4の何れか1つか、またはその逆比率の何れか1つであることから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、前記掴み固定部の前記ベアリングの一部と前記ベアリングの残部の各々が前記被溶接管材と当接する点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に前記被溶接管材の中心軸が位置するように配設して転動させるものであるから、設計自由度が高く、かつ、掴んだ時の安定性を選択するか、或いは掴みやすさ、離脱しやすさを選択するかの選択自由度が高くなる。また、前記ベアリングの配設数が少なくて済む。
請求項4の溶接トーチハンド装置の前記溶接本体部には、溶接個所から発生される紫外線を遮断する紫外線遮蔽部材を取付けたものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、溶接個所から発生される紫外線が眼に入るのが遮断され、かつ、溶接用紫外線カット眼鏡等により、放電開始時と放電終了時とで、眼鏡の掛け外しを行う必要がない。
図1は本発明の実施の形態1のTIG溶接に使用する溶接トーチハンド装置の準備状態前の作業者の前方から見て示す斜視図である。 図2は本発明の実施の形態1のTIG溶接の溶接トーチハンド装置の使用状態を作業者側の前方から見て示す斜視図である。 図3は本発明の実施の形態1のTIG溶接の溶接トーチハンド装置の使用状態を作業者から見て示す斜視図である。 図4は本発明の実施の形態1のTIG溶接の溶接トーチハンド装置の溶接本体部の部品展開図である。 図5は本発明の実施の形態1のTIG溶接に使用する溶接トーチハンド装置の本体ガイド部の部品展開図である。 図6は本発明の実施の形態1のTIG溶接に使用する溶接トーチハンド装置の本体ガイド部の側面図で、(a)は被溶接管材を掴まないとき、(b)は被溶接管材を掴んだときの側面図である。 図7は本発明の実施の形態1のTIG溶接に使用する溶接トーチハンド装置の本体ガイド部の側面から内部を見た断面図で、(a)は被溶接管材を掴まないとき、(b)は被溶接管材を掴んだときの側面図である。 図8は本発明の実施の形態1のTIG溶接に使用する溶接トーチハンド装置の4個のローラベアリングからなるガイド部材の保持状態を示す説明図で、(a)は被溶接管材を安定的に掴んだとき、(b)は被溶接管材を不安定状態で掴んだときの側面図である。 図9は本発明の実施の形態1のTIG溶接に使用する溶接トーチハンド装置の3個のローラベアリングからなるガイド部材の保持状態を示す説明図で、(a)は被溶接管材を安定的に掴んだとき、(b)は被溶接管材を不安定状態で掴んだときの側面図である。 図10は本発明の実施の形態1のTIG溶接に使用する溶接トーチハンド装置に紫外線遮蔽部材を取付けた実施の形態2の溶接トーチハンド装置を作業者側から見て示す斜視図である。 図11は本発明の実施の形態3のTIG溶接の溶接トーチハンド装置の溶接本体部の部品展開図である。 図12は本発明の実施の形態3のTIG溶接に使用する溶接トーチハンド装置の準備状態前の作業者の前方から見て示す斜視図である。 図13は本発明の実施の形態4のTIG溶接に使用する溶接トーチハンド装置の要部構成部品を示す説明図で、(a)は弾性力が最大な状態を示す説明図であり、(b)は弾性力が最小な状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、各実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する場合がある。
[実施の形態1]
まず、図1乃至図9を用いて、本発明の実施の形態1の溶接トーチハンド装置についてTIG溶接に使用する溶接トーチハンド装置として説明する。
ここで、TIG溶接とは、電気のアークで溶接するアーク溶接の一種である。例えば、シールドガス(図示せず)の雰囲気中で、融点の非常に高いタングステン棒から被溶接管材1Aと被溶接管材1Bの間の母材にアークを飛ばし、そのアーク熱で母材を溶かす。このとき、溶接ワイヤ2等の溶加材を加える溶接も可能である。一般に、TIG溶接は高圧管材や精密機器の溶接等に使われ、アルミニウムやステンレスの精密な溶接に多用されている。
溶接の際には、アークがプラズマ状態になり、ガス溶接やハンダ付けのような溶込みをするので、基本的な突合せ溶接であれば溶接ワイヤ2を使用することなく、母材を溶かすことで最も簡単に溶接ができ、しかも、溶接作業時に火花が散ることがない。なお、溶接時に母材の溶融金属部分を大気から遮断して保護するために図示しないアルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを吹付けて溶接を行っている。また、溶接の深さを深くするためにも使用される。
次に、TIG溶接用の溶接トーチ3は公知(特開2000−94129号公報等参照)であるから、簡単にその概略の構成について説明する。
被溶接管材1A,1Bを突合わせて溶接等を行う溶接トーチ3は、トーチ枠体4A,4Bの中央部に設けた上下方向の電極挿通孔5a,5b,5cの下部にテーパ部を有する筒状のコレットボディの上端部を螺止し、前記コレットボディ内の所要範囲にスリットを形成し、かつ、下端部をコレットボディのテーパ部の内面と係合するテーパ面としたコレットを挿入配置すると共に、前記コレットにタングステン電極(放電電極3a)を上下方向に挿通保持させている。また、前記溶接トーチ3の電極挿通孔内に位置するコレットの上部に、下端面がコレットの上端面に当接するようにトーチキャップを螺合して、前記トーチキャップを締め込むことによりコレットの下端部をコレットボディのテーパ部の内面に押し付けて放電電極3aを固定させている。
更に、前記コレットボディの下部外周に外胴を一体に設けて、前記外胴の下端開口にガスレンズを取付け、溶接トーチ3の下部にコレットボディ及び外胴を取り囲むように、外胴の外周部への螺入によりシールパッキンを介してガスカップを取付け、溶接トーチ3のガス供給路に供給したシールドガスを、コレットボディ内から外胴内に導き、ガスレンズを通してガスカップの先端から放出し、放電電極3aの先端でアークを発生させ、そのアーク熱により被溶接管材1A,1B同士の突合わせの溶接個所に溶融池を形成し、その溶融池に対して溶接ワイヤ2を供給して溶融する。なお、この逆ト字状の型の溶接トーチ3は、市販品(ダイヘン製、デンヨー製、アサダ製等がある)の使用が可能である。
本実施の形態1の溶接トーチハンド装置の溶接トーチ3は、下に開いた嵌合溝6aを形成したカバー部材6と、上に開いた嵌合溝7aを形成した受部材7が配設されており、溶接トーチ3はその間にあって容易に離脱しないように保持されている。この保持は、2本のボルト8a,8bによって締め付けている。なお、カバー部材6の嵌合溝6aと受部材7の嵌合溝7aとで挟持するグリップ3bは、通常、合成樹脂製であるが、取付けの際の締め付けが強くならないように、カバー部材6の嵌合溝6aと受部材7の嵌合溝7aには緩衝材9b及び緩衝材9bがグリップ3aとの間に介在するような締付け構造になっている。
この緩衝材9b及び緩衝材9bは、合成ゴムまたは軟質合成樹脂からなるシートであり、カバー部材6と受部材7を締め付けても溶接トーチ3が溶接線Gの直角方向(水平方向)に±5度以内の角度変化が生ずる程度の干渉を行うためにも使用される。
なお、グリップ3aには並行して電源装置及び不活性ガスの供給を開始させるリモートコントロール用のスイッチ10が配設されている。レバー10aにより、動作開始及び終了が制御される。
ここで、嵌合溝6aを有するカバー部材6と、嵌合溝7aを有する受部材7で、溶接トーチ3を挟持、保持するトーチ保持機構30を構成している。このトーチ保持機構30は、TIG溶接用の溶接トーチ3を保持する構造を有し、カバー部材6の嵌合溝6aと受部材7の嵌合溝7aで緩衝材9b及び緩衝材9bを介してグリップ3aを、必要に応じて多少振れを許容するように保持する構造になっている。
トーチ保持機構30の受部材7は、その両側に配設したトーチ枠体4A,4Bにボルト4a及びボルト4bによって取付けられている。トーチ枠体4A,4Bには、弧状の長い調整孔12及び短い調整孔13が形成されており、回動角度及び位置変更が可能なようになっている。即ち、弧状の長い調整孔12及び短い調整孔13には、ボルト4aまたはボルト4bが螺入されるが、長い調整孔12及び短い調整孔13を同時に移動させたり、一方のみを移動させたりすることができる。また、長い調整孔12及び短い調整孔13にボルト4aまたはボルト4bが螺入することにより、トーチ枠体4A,4Bに堅固にトーチ保持機構30を取付け、一体化することができる。
弧状の長い調整孔12及び短い調整孔13は両者を同一長さとすることもできる。何れにせよ、被溶接管材1A,1Bとの距離及び被溶接管材1A,1Bと溶接トーチ3との接合角度が変化できればよい。勿論、例えば、弧状の短い調整孔13を円孔とし、それを軸に回動自在としてもよい。また、本実施の形態1では、カバー部材6と受部材7が分離されているが、両者を一体とし、その取付部材によって溶接トーチ3を一体となったカバー部材6と受部材7に取付けてもよい。
本実施の形態1では、溶接トーチ3の方向及び位置を、長い調整孔12及び短い調整孔13にボルト4aまたはボルト4bが螺入することにより決定しているが、本発明を実施する場合には、カバー部材6と受部材7でその角度及び位置を決定してもよい。いずれにせよ、トーチ枠体4A,4Bに対して溶接トーチ3の放電電極3aの方向及び位置が変化できればよい。
そして、一対のトーチ枠体4A,4Bには、そのトーチ枠体4A,4Bに固着され、必要に応じて溶接ワイヤ2を溶接個所に案内する溶接ワイヤ供給ガイド部20が配設されている。溶接ワイヤ供給ガイド部20は、中央に径の異なる貫通する小の供給孔5a、中の供給孔5b、大の供給孔5cが形成されている。一対のトーチ枠体4A,4Bには、弧状の長円孔25が形成されている。この長円孔25のトーチ枠体4A,4Bの内側には、摺動面26が形成されていて、その面を溶接ワイヤ供給ガイド部20の両端下面が摺動自在になっている。溶接ワイヤ供給ガイド部20は摺動面26に載置された状態で、両側からのボルト20aで取付けができるようになっている。勿論、溶接ワイヤ供給ガイド部20は溶接ワイヤ2の自動供給とすることもできる。
したがって、溶接ワイヤ供給ガイド部20をボルト20aで取付けたとき、トーチ枠体4A,4Bのトーチ保持機構30の反対側の自由端が固定されるので、一対のトーチ枠体4A,4Bは堅固に固定されることになる。
この実施の形態の緩衝材9a及び緩衝材9bを介して溶接トーチ3を保持する溶接本体部100は、1対のトーチ枠体4A,4Bとそれに取付けたトーチ保持機構30と、溶接ワイヤ供給ガイド部20によって構成されている。
トーチ枠体4A,4Bには、各々被溶接管材1A,1Bに接触する被溶接管材1A,1Bの径の範囲の略等しい切欠き弧4aが形成されている。トーチ枠体4A,4Bの切欠き弧4aは、特定の外径の被溶接管材1A,1Bの殆どの径において何れかの位置が接触し、トーチ枠体4A,4Bに対して溶接トーチ3の放電電極3bの方向及び位置を定めている。
したがって、被溶接管材1A,1Bの所定の径までがトーチ枠体4A,4Bの切欠き弧4aに入る構造となっている。
図1に示す溶接ワイヤ供給ガイド部20には、貫通する小の供給孔5a、中の供給孔5b、大の供給孔5cの3種類の孔が形成されているが、本発明を実施する場合には、単一の孔であってもよい。例えば、供給孔を溶接ワイヤ2が自重で降下するものであればよい。また、溶接ワイヤ供給ガイド部20に対して垂直に溶接ワイヤ2を供給するように図示しているが、本発明を実施する場合には、斜めに溶接ワイヤ2を供給するようにしてもよい。即ち、図1において、右側から供給したり、左側から供給したりし、溶接トーチ3の放電電極3aの位置に辿る供給ができればよい。特に、被溶接管材1A,1Bとエルボ、チーズ等の付属部品との溶接を行う場合には好適となる。また、溶接ワイヤ供給ガイド部20に供給孔5a,5b,5cの機能をなす管路を外付けしてもよい。
本発明を実施する場合の溶接ワイヤ供給ガイド部20は、溶接ワイヤ2が降下して供給されるものであればよい。
一対のトーチ枠体4A,4Bとトーチ保持機構30、一対のトーチ枠体4A,4Bと溶接ワイヤ供給ガイド部20との関係は、例えば、トーチ保持機構30は一対のトーチ枠体4A,4Bとの関係で、母材である被溶接管材1A,1Bの方向または反対方向への移動が可能であり、また、長い調整孔12及び短い調整孔13により、一対のトーチ枠体4A,4Bには受部材7を止めている2本のボルト4a,4bを中心に回動することができる。この構成は、結果的に、溶接トーチ3と一対のトーチ枠体4A,4Bとの関係で、溶接トーチ3の放電電極3aの位置角度が変更できればよい。しかし、被溶接管材1A,1Bの規格からすると一義的に溶接トーチ3の放電電極3aの位置角度を決定してもよい。
同様に、溶接ワイヤ供給ガイド部20も、一対のトーチ枠体4A,4Bに弧状の長円孔25が形成されており、また、長円孔25のトーチ枠体4A,4Bの内側には、摺動面26が形成されていて、その面を溶接ワイヤ供給ガイド部20の両端下面が弧状に摺動自在になっているから、母材である被溶接管材1A,1Bの方向または反対方向への移動が可能であり、また、曲面となっているから角度の変更も可能である。
この構成は、結果的に、溶接ワイヤ2と一対のトーチ枠体4A,4Bとの関係で、溶接ワイヤ2の先端の位置角度が変更できればよい。しかし、被溶接管材1A,1Bの規格からすると一義的に溶接トーチ3の放電電極3aの位置角度を決定してもよいから、溶接ワイヤ2の位置角度も一義的に決定してもよい。
なお、一対のトーチ枠体4A,4Bの形状は、図示した形状に拘束される理由はない。
トーチ枠体4A,4Bに取付けられ、被溶接管材1A,1Bを掴んでその周方向に回動自在で、かつ、被溶接管材1A,1Bの長さ方向の移動を禁止し、トーチ枠体4A,4Bの溶接線Gと溶接トーチ3との間隔を保持する複数個のローラベアリングを有する本体ガイド部200は、次のように構成されている。
トーチ枠体4A,4Bの一方に対して所定の距離に設定された2本のスペーサ51を介して、固定ガイド板60が取付けネジ52によって堅固に螺止される。ここでスペーサ51として2本使用しているが、1本以上であればよい。本発明を実施する場合には、組付けを容易にするものであるから、固定ガイド板60をトーチ枠体4Aと共用させることもできる。しかし、組み立ての作業性からすれば、独立して固定ガイド板60とトーチ枠体4Aを設けた方がよい。
固定ガイド板60には、V字状の切欠き67を挟んで両端にローラベアリング61A及びローラベアリング61Bを配設した支持ロッド61と、両端にローラベアリング62A及びローラベアリング62Bを配設した支持ロッド62とが捩子61bまたは捩子62bによって固着されている。また、支持ロッド61の反対側は固定ガイド板80に捩子61aによって、支持ロッド62の反対側は固定ガイド板80に捩子62aによって固着されている。
また、支持ロッド61及び支持ロッド62に均一に外力が加わるように、調整ロッド63及び調整ロッド65が捩子63aと捩子63bまたは捩子65aと捩子65bによって固着されている。
なお、調整ロッド65には、両側にコイルスプリング66が2本配設されており、後述する調整ロッド74との間に弾性力を付与している。なお、調整ロッド65のコイルスプリング66は、両側に2本配設したが、本発明を実施する場合には、1本または3本以上とすることもできる。しかし、2本以上であると、調整ロッド65に与えるバランスが均一化される。
このように、固定ガイド板60と固定ガイド板80は、その間に同一長さの支持ロッド61及び支持ロッド62、調整ロッド63、調整ロッド65が配置され、両端から捩子61a,62a,63a,65aにより、また、捩子61b,62b,63b,65bにより、堅固に固着されている。
可動ガイド板70には、V字状の切欠き77を挟んで両端にローラベアリング71A及びローラベアリング71Bを配設した支持ロッド71と、両端にローラベアリング72A及びローラベアリング72Bを配設した支持ロッド72とが捩子71aまたは捩子72aによって固着されている。また、支持ロッド71の反対側は可動ガイド板90に捩子71bによって、支持ロッド72の反対側は可動ガイド板90に捩子72bによって固着されている。
また、支持ロッド71及び支持ロッド72に均一に外力が加わるように、同一長さの調整ロッド73及び調整ロッド75が捩子73aと捩子73bまたは捩子75aと捩子75bによって固着されている。
このように、可動ガイド板70と可動ガイド板90は、その間に支持ロッド71及び支持ロッド72、調整ロッド73、調整ロッド75が配置され、両端から捩子71a,72a,73a,75aにより、また、捩子71b,72b,73b,75bにより、堅固に固着されて一体化されている。
可動ガイド板70と可動ガイド板90は、基準孔78,98と、固定ガイド板60と固定ガイド板80が基準孔68,88に位置し、支軸ロッド64の間隔で可動ガイド板70と可動ガイド板90が位置決めされ、それが固定ガイド板60と固定ガイド板80との間に挿着され、固定ガイド板60の基準孔68、可動ガイド板70の基準孔78、支軸ロッド64、可動ガイド板90の基準孔98、固定ガイド板80の基準孔88が捩子64a及び捩子64bによって軸支される。この支軸ロッド64は支持ロッド71及び支持ロッド72、調整ロッド73、調整ロッド75と同一の長さとなっている。
したがって、固定ガイド板60と固定ガイド板80側に配設した両端にローラベアリング61A及びローラベアリング61Bを配設した支持ロッド61と、両端にローラベアリング62A及びローラベアリング62Bを配設した支持ロッド62を基準位置として、可動ガイド板70と可動ガイド板90が捩子64a及び捩子64bによって軸支される支軸ロッド64を中心に回動し、調整ロッド65の両側にコイルスプリング66が2本配設されており、調整ロッド74との間に弾性力を付与しているから、ローラベアリング61A及びローラベアリング61Bとローラベアリング62A及びローラベアリング62Bは、その開口間隔を少なくするように作用する。
ここで、固定ガイド板60と固定ガイド板80に配設したローラベアリング61A及びローラベアリング61B及びローラベアリング62A及びローラベアリング62Bは、固定ガイド板60と固定ガイド板80に配設したローラベアリング61A及びローラベアリング61B及びローラベアリング62A及びローラベアリング62Bは、互いに支持ロッド61及び支持ロッド62の長さと同一または若干短いローラベアリング2本と置き換えることができる。
同様に、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A及びローラベアリング71B並びにローラベアリング72A及びローラベアリング72Bは、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A及びローラベアリング71B及びローラベアリング72A及びローラベアリング72Bは、互いに支持ロッド71及び支持ロッド72の長さのローラベアリング2本と置き換えることができる。
また、固定ガイド板60と固定ガイド板80と間に配設するローラベアリング61A,61Bは、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A,71Bの一方が複数であれば、他方を単一のローラベアリングとすることができる。
即ち、固定ガイド板60と固定ガイド板80と間に配設するローラベアリング61A,61Bは、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A,71Bの一方が2個以上であれば、固定ガイド板60と固定ガイド板80と間に配設するローラベアリング61A,61Bは、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A,71Bを単一のローラベアリングとすることができる。
なお、ここでは、説明を簡単化するためローラベアリングを使用しているが、機能的にボールベアリングの使用を否定するものではない。
本実施の形態の固定ガイド板60と固定ガイド板80に配設したローラベアリング61A及びローラベアリング61Bと、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A及びローラベアリング71Bは、合計で3個のローラベアリングとすることができるし、4個のローラベアリングとすることもできる。
即ち、固定ガイド板60と固定ガイド板80に配設したローラベアリング61A及びローラベアリング61Bと、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A及びローラベアリング71Bは、ローラベアリング61A及びローラベアリング61Bによってローラベアリング71A及びローラベアリング71Bは、被溶接管材1A,1Bを握るように把持するものである。このとき、被溶接管材1A,1Bの中心軸が隣接するローラベアリング61A及びローラベアリング61Bと、ローラベアリング71A及びローラベアリング71Bを直線で結んだ空間内に被溶接管材1A,1Bの中心が位置すればよい。
固定ガイド板60と固定ガイド板80は掴み固定部を構成し、また、可動ガイド板70と可動ガイド板90は掴み可動部を構成する。また、支軸ロッド64からなる支軸を中心に回動するスプリング66の弾性力により、可動ガイド板70と可動ガイド板90からなる掴み可動部が、支軸ロッド64からなる支軸を中心に回動させ、ローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bとの間が被溶接管材1A,1Bと当接する弾性力を決定する。
なお、固定ガイド板60と及び固定ガイド板80からなる掴み固定部と、可動ガイド板70と可動ガイド板90からなる掴み可動部は、図示された形状に拘束されるものではない。
図8に示すように、固定ガイド板60と固定ガイド板80に配設したローラベアリング61A及びローラベアリング61Bと、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A及びローラベアリング71Bは、その隣接するローラベアリングの接点で囲む範囲内に被溶接管材1A,1Bの中心(中心軸)Sが位置すると、被溶接管材1A,1Bの周囲をローラベアリング61A及びローラベアリング61B、ローラベアリング71A及びローラベアリング71Bが安定して回転することができる。
しかし、固定ガイド板60と固定ガイド板80に配設したローラベアリング61A及びローラベアリング61Bと、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A及びローラベアリング71Bの隣接するローラベアリングの中心軸で囲む範囲内に被溶接管材1A,1Bの中心Sが位置しないときには、その被溶接管材1A,1Bの中心が外れた方向に被溶接管材1A,1Bに図示の場合には右方向の力F1が生じるから、被溶接管材1A,1Bの周囲をローラベアリング61A及びローラベアリング61B、ローラベアリング71A及びローラベアリング71Bが安定して回転できない。
図9に示すように、ローラベアリング61A及びローラベアリング61B、ローラベアリング71A及びローラベアリング71Bが3個になった場合でも(5個になった場合でも同じ)、被溶接管材1A,1Bの中心Sが外れた方向F2に被溶接管材1A,1Bの力が加わるから、固定ガイド板60と固定ガイド板80に配設したローラベアリング61A及びローラベアリング61Bと、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A及びローラベアリング71Bの隣接するローラベアリングの中心軸で囲む範囲内に被溶接管材1A,1Bの中心Sの位置が存在する必要がある。
即ち、ローラベアリング61A,61B、62A,62B、71A,71B、72A,72Bの各々が被溶接管材1A,1Bと当接する点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に被溶接管材1A,1Bの中心Sが位置するように配設して転動させるべく支軸ロッド64に軸支された可動ガイド板70と可動ガイド板90からなる掴み可動部と、支軸ロッド64の支軸を中心とする固定ガイド板60と固定ガイド板80からなる掴み可動部に対し、互いのローラベアリング対が被溶接管材1A,1Bに当接する側に弾性力を付与する2本のコイルスプリング66を有するものである。
したがって、上記条件を満足すれば、固定ガイド板60と固定ガイド板80のローラベアリング61A,61B及びローラベアリング62A,62Bは、互いに支持ロッド61、支持ロッド62の長さまたはそれ以下のローラベアリング2個と置き換えることができる。同様に、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A,71B及びローラベアリング72A,72Bは、互いに支持ロッド71、支持ロッド72の長さまたはそれ以下のローラベアリング2個と置き換えることができる。
更に、上記条件を満足すれば、固定ガイド板60と固定ガイド板80のローラベアリング61A,61B及びローラベアリング62A,62Bは、互いに支持ロッド61または支持ロッド62の長さまたはそれ以下のローラベアリング1個と置き換え、同時に、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A,71B及びローラベアリング72A,72Bは、互いに支持ロッド71、支持ロッド72の長さまたはそれ以下のローラベアリング2個と置き換えることができる。また、この逆とすることもできる。
調整ロッド65には、両側の2本のコイルスプリング66が、また、調整ロッド74には、その2本のコイルスプリング66の他端が取付けられ、支軸ロッド64を軸とする回転方向に弾性力を付与している。この回転方向は、固定ガイド板60と固定ガイド板80のローラベアリング61A,61B及びローラベアリング62A,62Bに対し、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A,71B及びローラベアリング72A,72Bが互いに引き合うように設定されている。
ここで、ローラベアリング61A,61B、62A,62B、71A,71B、72A,72Bは、固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部側と、可動ガイド板70及び可動ガイド板90からなる掴み可動部側に配設されている。掴み固定部側と掴み可動部側のベアリング配設個数の比率は1対2、2対2、4対2、4対4の何れをも選択できる。またはその逆の比率とすることもできる。固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部の一部のローラベアリング61A,61B、62A,62Bと残部のローラベアリング71A,71B、72A,72Bとが被溶接管材1A,1Bと接合する点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に被溶接管材1A,1Bの中心Sが位置するように配設して転動させるものであるから、設計自由度が高く、かつ、掴んだ時の安定性を選択するか、或いは掴みやすさ、離脱しやすさを選択するかの選択自由度が高くなる。また、ローラベアリング61A,61B、62A,62B、71A,71B、72A,72Bの配設数が少なくて済む。
このように構成される本発明の実施の形態1の溶接トーチハンド装置は、次のように使用される。
被溶接管材1A,1Bの相互間を基本的な突合せ溶接する場合について説明する。
この実施の形態1のTIG溶接の溶接トーチハンド装置は、被溶接管材1A,1Bの径によってトーチ枠体4A,4Bの弧状の長円孔4aの径を被溶接管材1A,1BのJIS規格に合わせて幾種類かが用意されているものとする。勿論、トーチ枠体4A,4Bの弧状の長円孔4aの径は、被溶接管材1A,1Bの径よりも10mm程度以下の大きな内径とすることもできるが、理屈は同じであるから、密着する場合についてのみ説明する。
ここで、被溶接管材1A,1Bの周囲に当接して転動するローラベアリング61A,61B、62A,62B、及びローラベアリング71A,71B、72A,72Bのうちの一部のローラベアリング61A,61B、62A,62Bを配設し、溶接本体部100に取付けられた固定側の固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部と、被溶接管材1A,1Bの中心(中心軸)Sと並行に、本体ガイド部200に配設された支軸ロッド64からなる支軸と、固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部のローラベアリング61A,61B、62A,62Bと対向する残部のローラベアリング71A,71B、72A,72Bと被溶接管材1A,1Bの接点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に被溶接管材1A,1Bの中心(中心軸)Sが位置するように配設して転動させるべく支軸ロッド64からなる支軸に軸支された可動ガイド板70と可動ガイド板90からなる掴み可動部と、支軸ロッド64からなる支軸を中心とする固定ガイド板60と固定ガイド板80からなる掴み固定部とその掴み可動部に対し、互いのローラベアリング対のローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bが被溶接管材1A,1Bに当接する側に弾性力を付与するスプリング66とによって、本実施の形態の本体ガイド部200を構成している。
作業に先立って、一対のトーチ枠体4A,4Bには受部材7を2本のボルト4aと2本のボルト4bによって仮止めし、一対のトーチ枠体4A,4Bと受部材7を一体化する。また、一対のトーチ枠体4A,4Bに取付けた受部材7にカバー部材6を2本のボルト8a,8bによってトーチ保持機構30によって溶接トーチ3を締め付けている。
このとき、溶接ワイヤ供給ガイド部20とトーチ枠体4A,4Bとを一体に組み付け、溶接線Gの位置にTIG溶接用の溶接トーチ3の放電電極3bの位置合わせを行い、カバー部材6の嵌合溝6aと受部材7の嵌合溝7aとでグリップ3aを挟持する。また、カバー部材6の嵌合溝6aと受部材7の嵌合溝7aには緩衝材9b及び緩衝材9bがグリップ3bとの間に介在するから、それらの締め付けによって、溶接線Gを中心にウィービング等を行う場合の取付け状態と、一直線上に溶接する場合の決定を行う締め付け具合の調節を行う。
この状態で、一対のトーチ枠体4A,4Bとトーチ保持機構30と溶接ワイヤ供給ガイド部20の堅固な取付けを行う。
トーチ保持機構30によって放電電極3aの位置が決まるので、そこで、一対のトーチ枠体4A,4Bに固着されていた溶接ワイヤ2を溶接個所に案内する溶接ワイヤ供給ガイド部20の位置決めを行い、溶接ワイヤ供給ガイド部20の如何なる供給孔5a,5b,5cを使用するかが決定され、溶接ワイヤ2の先端位置が決定される。
この状態で溶接作業が可能になるが、被溶接管材1A,1Bの周囲を回動しやすく、かつ、被溶接管材1A,1Bの長さ方向に移動し難い程度に本体ガイド部200を取付ける。このときの溶接本体部100と被溶接管材1A,1Bとの接触具合がTIG溶接のし易さを左右することになる。
次に、本体ガイド部200のローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bとの間を、支軸ロッド64を軸に回動させて両者間を開口させ、そこに被溶接管材1A,1Bを挿入する。または配置されている被溶接管材1A,1Bをローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bとの間で握り、特定の被溶接管材1Aに本体ガイド部200を取付ける。これによって、溶接本体部100は被溶接管材1A,1Bの周囲を回動自在に回動するが、被溶接管材1A,1Bの長さ方向の移動は生じない。したがって、本体ガイド部200を被溶接管材1Aに位置決めする場合には、被溶接管材1A,1Bの溶接位置と、溶接トーチ3の放電電極3aの位置によって決定される。
この溶接作業は、リモートコントロール用のスイッチ10のレバー10aの操作により、電源装置及び不活性ガスの供給を開始させる。同時に、母材の被溶接管材1A,1Bと溶接トーチ3の放電電極3a間が点弧され、アーク放電が開始される。このアーク熱によって母材の管材100が部分的に溶融し、そこに溶融池を作る。
同様に、溶接作業の終了は、リモートコントロール用のスイッチ10のレバー10aの操作により行われる。
したがって、リモートコントロール用のスイッチ10のレバー10aの操作により、被溶接管材1A,1Bは溶接本体部100によって溶接される。このとき、溶接本体部100は本体ガイド部200の移動に拘束され、被溶接管材1A,1Bの周囲を回動自在に回動するが、被溶接管材1A,1Bの長さ方向の移動は生じないので所望の溶接が簡単に実施できる。
[実施の形態2]
上記実施の形態1では、溶接本体部100は母材の被溶接管材1A,1Bと溶接トーチ3の放電電極3a間が点弧され、開始されるアーク放電を確認するものであるが、図10のように、実施することもできる。
ここでは、実施の形態1との相違点のみを説明する。
トーチ枠体4A,4B及びトーチ保持機構30に連続した平滑面を形成し、そこに紫外線をカットできる紫外線カットガラスを配設している。この紫外線カットガラスは紫外線カットプラスチック150とすることもできるが、溶接トーチ3の放電電極3a間が点弧されるアーク放電は、高温であるから、紫外線カットプラスチック150は寿命が短くなる。そこで、紫外線カットガラスの使用が望ましい。
勿論、紫外線カットガラスや紫外線カットプラスチック150は、作業者の目線だけでなく、顔等にも紫外線が当たらないように広範囲に溶接点を被うのが望ましい。
本実施の形態では、紫外線カットプラスチック150を用いて、それを受部材7にカバー部材6を固着する2本のボルト8a,8bによってトーチ保持機構30に溶接トーチ3を締め付けると同時に紫外線カットプラスチック150を同時に取付けている。このとき、紫外線カットプラスチック150と受部材7との間には、緩衝材を咬ませなくても、カバー部材6の嵌合溝6aと受部材7の嵌合溝7aに設けた緩衝材9b及び緩衝材9bによって、グリップ3bとの間に介在するから、紫外線カットガラスや紫外線カットプラスチック150を締付けても問題はなかった。勿論、緩衝材を介して取付けてもよい。
このように、紫外線カットプラスチック150を配設することにより、トーチ保持機構30で発生する紫外線をカットでき、眼鏡等を用いる煩わしさから解放される。
なお、本発明を実施する場合には、その取付方法及び形状を拘束する要因はない。
[実施の形態3]
上記実施の形態1では、一対のトーチ枠体4A,4Bを使用するものであるが、図11及び図12のように、トーチ枠体4Aまたはトーチ枠体4Bの何れかのみの実施とすることもできる。ここでは、実施の形態1のトーチ枠体4Bをなくした事例で説明する。特に、本実施の形態では、実施の形態1との相違点のみを説明する。
なお、この実施の形態としては、実施の形態1のトーチ枠体4Bをなくした事例で説明するが、本発明を実施する場合には、一対のトーチ枠体4A,4Bの形状が格別図示したトーチ枠体4A,4Bの形状に拘束されるものでないことを説明するものである。
本実施の形態3の溶接トーチハンド装置は、溶接本体部100のトーチ枠体4A,4Bから片側のトーチ枠体4Bを省略した構造となっている。即ち、溶接本体部100は溶接トーチ3の位置決め及び溶接ワイヤ供給ガイド部20等が一体になっており、何れにせよ本体ガイド部200に対して軌道が決まる構造であればよい。即ち、本実施の形態では、トーチ枠体4A,4Bからトーチ枠体4Bを省略した構造としているが、本発明を実施する場合には、溶接本体部100としてトーチ枠体4A、溶接トーチ3の位置決め及び溶接ワイヤ供給ガイド部20等が一体に鋳込んだ構造のものであってもよい。
[実施の形態4]
上記実施の形態1乃至実施の形態3では、本体ガイド部200のローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bとの間を、支軸ロッド64を軸に回動させて両者間を開口させ、そこに被溶接管材1A,1Bを挿入するものであるから、被溶接管材1A,1Bをローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bとの間で掴んで握り締めるまでは、外力を解放することができない。その操作中に外力を解くとローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bの握り締めが不完全な形態となる。
これを解決した実施の形態4としては、図13のように、実施することもできる。ここでは、実施の形態1との相違点のみを説明する。
この実施の形態4の溶接トーチハンド装置は、固定ガイド板60と固定ガイド板80からなる掴み固定部に対して可動ガイド板70と可動ガイド板90からなる掴み可動部が支軸ロッド64からなる支軸を中心に回動するスプリング66の弾性力に抗して、可動ガイド板70と可動ガイド板90からなる掴み可動部が支軸ロッド64からなる支軸を中心に回動させ、ローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bとの間が被溶接管材1A,1Bと当接する弾性力を弱くする弾性調節機構300を配設したものである。
なお、スプリング66の弾性力が大きいと、ローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bが安定した転動状態となる。そこで、スプリング66の弾性力が大きく設定されるので、ローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bとの開口する操作に大きな外力を必要としている。
そこで、固定ガイド板60及び固定ガイド板80(図13には固定ガイド板80の構造は図示しないが、固定ガイド板60と同一の形状が形成される)に対して長円孔69が形成される。長円孔69は両側にコイルスプリング66を配設した調整ロッド65が上下動自在な幅で、その長さが両側のコイルスプリング66が所定の弾性力を付与するように設定され、最短距離では両側のコイルスプリング66に所定の弾性力を失った状態で下降するものである。したがって、長円孔69の最下点では、可動ガイド板70と可動ガイド板90側の自重で調整ロッド65が最下位置まで下降される。
長円孔69から離れた位置に操作杆160の軸が回動自在に配設されている。操作杆160の軸と同軸にカム161が配設されている。操作杆160の軸とカム161とは一体に溶接されている。操作杆160の軸とカム161は、カム軸162に接続されており、図示しないが固定ガイド板80側にも同様なカム161が配設されており、長円孔69を上下動する調整ロッド65に連結している。
操作杆160は図13(a)のように左方向に回動したとき、カム161が調整ロッド65に当接して上昇させ、弾性を強くする。このとき、カム161は両側のコイルスプリング66に抗して長円孔69の上端まで調整ロッド65が上昇され、図13(a)のようにカム161の上死点となる。
この状態では、両側にコイルスプリング66の弾性力が最大に大きくなっており、このとき、ローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bとの間が被溶接管材1A,1Bと当接する弾性力を最大に大きくしている。したがって、溶接作業はこの状態で行うのが望ましい。
また、図13(b)のように操作杆160を右方向に回動したときには、操作杆160は固定ガイド板60に配設したストッパー163に当接して停止する。このとき、カム161は両側のコイルスプリング66に伸ばす力を加えておらず、フリーになっているから、重力により、長円孔69の下端まで調整ロッド65が下降されカム161の最下点となる。
この状態では、両側にコイルスプリング66の弾性が最小になっており、このとき、ローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bとの間が最大に開口するのを自在としている。
したがって、図13(b)のように操作杆160を最大に右回転すると、ローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bとの間が被溶接管材1A,1Bを捉えるように最大に大きく開口する。また、図13(a)のように操作杆160を最大に左回転すると、ローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bとの間が被溶接管材1A,1Bを挟持するようにその開口を最小とする。この状態では、コイルスプリング66の弾性が最大に大きくなっており、このとき、ローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bとの間が被溶接管材1A,1Bと当接する弾性力を最大に大きくする。なお、ストッパー163は操作杆160のリミッターである。
本実施の形態4では、1本の操作杆160で調整ロッド65を介して2個のカム161を回動させるものであり、調整ロッド65の図示しない両側に配設したコイルスプリング66のバランスを考慮したものである。しかし、本発明を実施する場合には、1本の操作杆160に片側のみのカム161とすることができる。
この操作杆160は、固定ガイド板60及び可動ガイド板70と固定ガイド板80及び可動ガイド板90との間に配設したものであるが、本発明を実施する場合には、固定ガイド板60及び可動ガイド板70の外側または固定ガイド板80及び可動ガイド板90との外側とすることもできる。
特に、TIG溶接用の溶接トーチ3を保持するトーチ保持機構30を固着する溶接本体部100は、溶接本体部100に取付けられた本体ガイド部200によって被溶接管材1A,1Bを保持できるから、溶接トーチ3を保持するトーチ保持機構30の移動方向のみ、即ち、回動方向のみを溶接線Gに沿って、または溶接線Gを中心にウィービング等に神経を集中させて使用することができ、溶接において重要な母材と溶接トーチ3の放電電極3aとの間隔も保持されているから、移動のみに神経を集中させればよく、経験者でなくてもより良い溶接が可能となる。
このように、溶接線Gに忠実に沿った作業が可能で、溶接トーチ3と溶接線Gとの距離を一定とし、必要に応じて溶接ワイヤ2の供給も可能であり、被溶接管材1A,1B相互間、被溶接管材1Aとエルボ、チーズ等の付属部品との溶接が可能となる。
以上のように、本実施の形態の溶接トーチハンド装置は、緩衝材9a,9bを介して溶接トーチ3を保持する溶接本体部100と、溶接本体部100に取付けられ、被溶接管材1A,1Bを掴んでその周方向に回動自在で、かつ、被溶接管材1A,1Bの長さ方向の移動を禁止し、被溶接管材1A,1Bの溶接線Gと溶接トーチ3との間隔を保持するローラベアリング61A,61B、62A,62B、71A,71B、72A,72Bを有する本体ガイド部材200とを具備し、本体ガイド部材200は、被溶接管材1A,1Bの周囲に当接して転動する一部のローラベアリング61A,61B、62A,62Bを配設し、溶接本体部100に取付けられた固定側の固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部と、被溶接管材1A,1Bの中心軸Sと並行に、溶接本体部100に配設された調整ロッド74からなる支軸と、固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部の一部のローラベアリング61A,61B、62A,62Bと対向する残部のローラベアリング71A,71B、72A,72Bの各々が被溶接管材1A,1Bと当接する点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に被溶接管材1A,1Bの中心軸Sが位置するように配設して転動させるべく調整ロッド74からなる支軸に軸支された可動ガイド板70及び可動ガイド板90からなる掴み可動部と、調整ロッド74からなる支軸を中心とする固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部と可動ガイド板70及び可動ガイド板90からなる掴み可動部に対し、互いのローラベアリング61A,61B、62A,62Bと、ローラベアリング71A,71B、72A,72Bとの対が被溶接管材1A,1Bに当接する側に弾性力を付与するスプリング66とを具備するものである。
本実施の形態の溶接トーチハンド装置は、緩衝材9a,9bを介して溶接トーチ3を保持する溶接本体部100に取付けられ、被溶接管材1A,1Bを掴んでその周方向に回動自在で、かつ、被溶接管材1A,1Bの長さ方向の移動を禁止し、被溶接管材1A,1Bの溶接線Gと溶接トーチ3との間隔を保持するローラベアリング61A,61B、62A,62B及びローラベアリング71A,71B、72A,72Bを有する本体ガイド部200は、本体ガイド部200に取付けられた固定側の固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部によって被溶接管材1A,1Bの周囲に当接して転動するローラベアリングの一部を配設し、また、本体ガイド部200に配設された被溶接管材1A,1Bの中心軸と並行な支軸に対して、固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部の一部のローラベアリング61A,61B、62A,62Bと残部のローラベアリング71A,71B、72A,72Bの各々が被溶接管材1A,1Bと当接する点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に被溶接管材1A,1Bの中心軸Sが位置するように配設して転動させる可動ガイド板70及び可動ガイド板90からなる掴み可動部を調整ロッド74で軸支したものである。
したがって、溶接用の溶接トーチ3を保持する本体ガイド部200に取付けられ、被溶接管材1A,1Bを掴んで被溶接管材1A,1Bの周方向に回動自在で、かつ、被溶接管材1A,1Bの長さ方向の移動を禁止し、被溶接管材1A,1Bの溶接線Gと溶接トーチ3との間隔を保持するローラベアリング61A,61B、62A,62B、71A,71B、72A,72Bを有する本体ガイド部200は、固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部の一部のローラベアリング61A,61B、62A,62Bと残部のローラベアリング71A,71B、72A,72Bの各々が被溶接管材1A,1Bと当接する点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に被溶接管材1A,1Bの中心軸が位置するから、本体ガイド部200は、安定した回動が自在となり、一度掴んだ被溶接管材1A,1Bを離すことがなく、被溶接管材1A,1Bの全周に対して安定した溶接ができる。
特に、溶接トーチ3を取付けた溶接本体部100は、被溶接管材1A,1Bを掴んでその周方向に回動自在で、かつ、その長さ方向の移動を禁止し、被溶接管材1A,1Bの溶接線Gと溶接トーチ3との間隔を保持するローラベアリング61A,61B、62A,62B、71A,71B、72A,72Bを有するから被溶接管材1A,1Bの溶接線Gに沿った溶接が容易である。また、溶接の際に母材と同一の材料を供給できるから、直接的な突合せであっても、管材相互間の溶接間隔の広い狭いに関係なく、溶接が可能となる。
例えば、TIG溶接用の溶接トーチ3を保持する溶接本体部100は、溶接トーチ3を保持する溶接本体部100の移動方向のみ、即ち、回動方向のみを溶接線Gに沿って、または溶接線Gを中心にウィービング等に気を付けて使用することができ、溶接において重要な母材と溶接トーチ3との間隔も保持されているから、移動のみに神経を集中させればよく、経験者でなくてもより良い溶接が可能となる。
このように、面倒な前準備としての設置を簡略化でき、溶接線Gに忠実に沿った作業が可能で、溶接トーチ3と溶接線Gとの距離を一定とし、管材相互間、被溶接管材1A,1Bとエルボ、チーズ等の付属部品との溶接が可能で、作業効率を良くした溶接トーチハンド装置が提供でき、また、装置全体が簡単な構造となり廉価である。
固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部に対して可動ガイド板70及び可動ガイド板90からなる掴み可動部が調整ロッド74からなる支軸を中心にスプリング66の弾性力によって回動し、可動ガイド板70及び可動ガイド板90からなる掴み可動部が調整ロッド74からなる支軸を中心に回動させ、ローラベアリング61A,61B、62A,62B、71A,71B、72A,72Bが被溶接管材1A,1Bと当接する弾性力を弱くする弾性調節機構を配設したものである。
本実施の形態の溶接トーチハンド装置は、固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部に対して可動ガイド板70及び可動ガイド板90からなる掴み可動部が支軸ロッド64からなる支軸を中心にスプリング66の回動する弾性力に抗して、可動ガイド板70及び可動ガイド板90からなる掴み可動部が支軸ロッド64からなる支軸を中心に回動させ、ローラベアリング61A,61B、62A,62B、71A,71B、72A,72Bが被溶接管材1A,1Bと当接する弾性力を弱くする弾性調節機構300を配設したものであるから、弾性調節機300によってローラベアリング61A,61B、62A,62B、71A,71B、72A,72Bが被溶接管材1A,1Bと当接する弾性力を弱くでき、その開口を大きくすることにより、被溶接管材1A,1Bの掴む際に弾性力を全く得ないまま位置決めして、その位置決めした位置で被溶接管材1A,1Bを掴むように設定すれば、腕力を必要としないから女子でも、誰もが容易に設定できる。よって、面倒な前準備を簡略化でき、溶接線Gに忠実に沿った作業が可能で、溶接トーチ3と溶接線Gとの距離を一定とし、管材相互間、管材とエルボ、チーズ等の付属部品との溶接が可能で、作業効率を良くした溶接トーチハンド装置が提供でき、また、装置全体が簡単な構造となり廉価である。
本実施の形態4の溶接トーチハンド装置の弾性調節機構300は、ローラベアリング61A,61B、62A,62Bと、ローラベアリング71A,71B、72A,72Bが被溶接管材1A,1Bと当接する弾性力を弱くでき、その開口を大きくすることにより、被溶接管材1A,1Bの掴む際に弾性力を全く得ないまま位置決めして、その位置決めした位置で被溶接管材1A,1Bを掴むように設定すれば、被溶接管材1A,1Bを掴むときに外力が不要となるから、取り扱いが便利になる。
この実施の形態の弾性調節機構300は、他の実施の形態に組み合わせて使用することができる。
本実施の形態の溶接トーチハンド装置のローラベアリング61A,61B、62A,62B、71A,71B、72A,72Bは、固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部側と可動ガイド板70及び可動ガイド板90からなる掴み可動部側との個数の比率が1対2、2対2、4対2、4対4の何れか1つか、またはその逆比率の何れか1つである。
即ち、例えば、ローラベアリング61A,61B、62A,62B、71A,71B、72A,72Bを、長さの短いベアリングを片側に1個、反対側に長さの長いベアリングを片側に2個とすることもできるし、所定の長さの長いベアリングを1個配設と、所定の長さの長いベアリングを片側に2個配設することもできる。
本実施の形態の溶接トーチハンド装置のローラベアリング61A,61B、62A,62B、71A,71B、72A,72Bは、固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部側と可動ガイド板70及び可動ガイド板90からなる掴み可動部側との個数の比率が1対2、2対2、4対2、4対4の何れか1つか、またはその逆比率の何れか1つであることから、固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部の一部のローラベアリング61A,61B、62A,62Bと前記ローラベアリングの残部の各々が被溶接管材1A,1Bと当接する点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に被溶接管材1A,1Bの中心軸Sが位置するように配設して転動させるものであるから、設計自由度が高く、かつ、掴んだ時の安定性を選択するか、或いは掴みやすさ、離脱しやすさを選択するかの選択自由度が高くなる。また、ローラベアリング61A,61B、62A,62B、71A,71B、72A,72Bの配設数が少なくて済む。
本実施の形態の溶接トーチハンド装置の溶接本体部100には、溶接個所から発生される紫外線を遮断する紫外線遮蔽部材150を取付けたものである。
この溶接本体部100には、溶接個所から発生される紫外線を遮断する紫外線遮蔽部材150を取付けたものであるから、溶接個所から発生される紫外線が眼に入るのが遮断され、かつ、溶接用紫外線カット眼鏡等により、放電開始時と放電終了時とで、眼鏡の掛け外しを行う必要がない。
本実施の形態の溶接トーチハンド装置の溶接本体部100と本体ガイド部200は、緩衝材9a,9bを介して溶接トーチ3を保持する溶接本体部100と、溶接本体部100に取付けられ、被溶接管材1A,1Bを掴んでその周方向に回動自在で、かつ、被溶接管材1A,1Bの長さ方向の移動を禁止し、被溶接管材1A,1Bの溶接線Gと溶接トーチ3との間隔を保持するローラベアリング61A,61B、62A,62B、71A,71B、72A,72Bからなるベアリングを有する本体ガイド部200で構成されていればよい。
このように、上記実施の形態の本体ガイド部200は、被溶接管材1A,1Bの周囲に当接して転動するローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bを配設されることが前提であるが、その配置数を特定の数に限定されるものではない。
また、被溶接管材1A,1Bに取付けられた固定側の固定ガイド板60及び固定ガイド板80と、被溶接管材1A,1Bに取付けられた可動側の可動ガイド板70及び可動ガイド板90は、図示する構造に限定されるものではない。
ここで、本体ガイド部200が安定した回動を行うには、ローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bが当接する点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に被溶接管材1A,1Bの中心軸Sが位置するように、ローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bの位置設定を行えばよい。
なお、支軸62ロッド64で軸支した固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部と可動ガイド板70及び可動ガイド板90からなる掴み可動部に対し、前記互いのベアリング対が被溶接管材1A,1Bに当接する側にスプリング66の弾性力を付与するものである。このスプリング66はコイルスプリングに限定されるものではない。
G 溶接線
S 被溶接管材の中心
1A,1B 被溶接管材
3 溶接トーチ
9a,9b 緩衝材
20 溶接ワイヤ供給ガイド部
30 トーチ保持機構
60,80 固定ガイド板(掴み固定部)
64 支軸ロッド(支軸)
61,62 支持ロッド
71,72 支持ロッド
66 スプリング
61A,61B、62A,62B 一部のローラベアリング
70,90 可動ガイド板(掴み可動部)
71A,71B、72A,72B 残部のローラベアリング
100 溶接本体部
200 本体ガイド部
300 弾性調節機構

Claims (4)

  1. 緩衝材を介して溶接トーチを保持する溶接本体部と、
    前記溶接本体部に取付けられ、被溶接管材を掴んでその周方向に回動自在で、かつ、前記被溶接管材の長さ方向の移動を禁止し、前記被溶接管材の溶接線と前記溶接トーチとの間隔を保持するベアリングを有する本体ガイド部とを具備し、
    前記本体ガイド部は、前記被溶接管材の周囲に当接して転動する前記ベアリングの一部を配設し、前記溶接本体部に取付けられた固定側の掴み固定部と、
    前記被溶接管材の中心軸と並行に、前記溶接本体部に配設された支軸と、
    前記掴み固定部の前記ベアリングの一部と対向する前記ベアリングの残部の各々が前記被溶接管材と当接する点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に前記被溶接管材の中心軸が位置するように配設して転動させるべく前記支軸に軸支された掴み可動部と、
    前記支軸を中心とする前記掴み固定部と前記掴み可動部に対し、前記互いのベアリング対が前記被溶接管材に当接する側に弾性力を付与するスプリングと
    を具備することを特徴とする溶接トーチハンド装置。
  2. 前記掴み固定部に対して前記掴み可動部が支軸を中心にスプリング力によって回動する弾性力に抗して、前記掴み可動部が前記支軸を中心に回動し、前記ベアリングが前記被溶接管材と当接する弾性力を変化する弾性調節機構を配設したことを特徴とする請求項1に記載の溶接トーチハンド装置。
  3. 前記ベアリングは、前記掴み固定部側と前記掴み可動部側との個数の比率が1対2、2対2、4対2、4対4の何れか1つか、またはその逆比率の何れか1つであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶接トーチハンド装置。
  4. 前記溶接本体部には、溶接個所から発生される紫外線を遮断する紫外線遮蔽部材を取付けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の溶接トーチハンド装置。
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