JP2015054339A - 溶接トーチハンド装置 - Google Patents
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Abstract
Description
従来のこの種の被溶接管材の溶接は、厚さが5mmの管材であっても、突合せ部分のルートフェースが1〜1.5mm程度の幅広のU型状開先加工を施し、その後、添加ワイヤを供給しながら、複数層の溶接を施し、溶接時間に手間がかかっていた。なお、添加ワイヤを用いない場合には、ルートフェースが短いので割れや、溶け落ちがあり、溶接の制御が困難であると共に、高度な熟練を要し、良好な溶接ができないという問題があった。これに対して、例えば、レーザ溶接等を用いる方法もあるが、ボイラチューブ等の配管の生産量に初期投資のコストが高くなるという問題があった。
即ち、チューブ状の管材相互をトーチで突合せ溶接する溶接方法において、少なくとも5分割の回転ステップで管状の母材またはトーチを回転させ、添加ワイヤ無しで初層のTIG溶接し、次に、添加溶接ワイヤを用いて仕上溶接するもので、具体的には、管母材またはトーチを回転させ、添加溶接ワイヤ無しで初層TIG溶接を行い、次に添加溶接ワイヤを用いて仕上溶接するもので、溶接パス数が2回ですみ、溶接効率が向上し、溶接のコストダウンを図ることができるものである。
また、整流部材の素材は市販のステンレス鋼等の材料を用いることができ、材料・工数とも安価にすることができる。特に、活性金属の溶接に使用する溶接補助装置においては、前記被溶接物がパイプからなって、前記シールドカバーの下面が前記パイプの外周に沿って円弧状に形成されているので、シールドカバーの下面から余分な不活性ガスが流出するのを防ぎ不活性ガスの消費量を少なくすると共に、外部からの空気の巻き込みを防ぎ、安定したアークを発生させることができるという技術である。
しかし、ここには、ガス溶接用治具として当然に有する特徴のない一般的な構成概念を開示するのみであります。
しかし、特許文献4の発明は、溶接用トーチ組立体の中心軸と、溶接しようとする管材との正確な中心軸が一致しなければ機能しない。特に、溶接しようとする管材の周囲の溶接に正確度が要求され、実用的な加工効率を上げることができない。
この技術思想においてもパイプホルダー2組を正確に一直線上に配置された管材に取付け、管材の芯出しがこの溶接結果を左右するから、特許文献4と同様に、溶接しようとする管材の配置に正確性が要求され、実用的な加工効率を上げることができない。
また、特許文献2では、シールドカバー内に空気や焼結金属よりも熱伝導率の高いステンレス鋼等からなる耐熱性金属繊維または耐熱性金属ワイヤ片を分散配置し、溶接ビードから伝達された熱をシールドカバーから放散し易くするものであるが、本発明者は放熱性の向上よりも溶接速度を速くすることにより、ステンレス、鉄等の多くの管材においては、溶接直後の溶接ビードの酸化の問題が生じないことが確認された。
また、溶接トーチを取付ける溶接本体部は、溶接トーチを保持するトーチ保持機構と一体に形成してもよいし、複数部分を後付けしたものでも良い。溶接本体部は溶接トーチを取付ける左右対称形状としてもよいし、溶接トーチを取付ける構造であるから、左右対称性を必須要件とするものでもよい。
そして、上記本体ガイド部は、前記溶接本体部に取付けられ、被溶接管材の端部を掴む機構からなるものであり、被溶接管材を周囲から把持できる機構であればよい。具体的には、掴み固定部、掴み可動部、それらの支軸、掴む力を得るスプリングで構成されている。
更に、上記支軸は、前記掴み固定部に軸支された前記被溶接管材と並行に配設されておればよい。ここで、被溶接管材と並行とは略平行であれば良く、前記被溶接管材の中心線と並行または略平行であればよい。
上記固定側の掴み固定部は、前記被溶接管材の周囲に当接させ、前記被溶接管材との相対運動で前記1個または2個以上のベアリングが転動するものであればよい。この発明で使用するベアリングは、ローラベアリングの使用が好ましいが、ボールベアリングの使用も可能である。
そして、上記掴み固定部の前記ベアリングの一部と前記ベアリングの残部の各々が前記被溶接管材と当接する点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に前記被溶接管材の中心軸が位置するように配設するとは、前記掴み固定部の前記ベアリングの一部と前記ベアリングの残部とが前記被溶接管材との隣接する当接点を直線で接続したときの面の中に、前記被溶接管材の中心軸が位置すればよいことを意味している。
更に、上記スプリングは、前記支軸を中心とする前記掴み固定部と前記掴み可動部に対し、互いの2個以上のベアリングが当接する側に弾性力を付与するものであれば、スプリングの形態を問うものではない。
ここで、弾性調節機構とは、前記掴み固定部と前記掴み可動部との間に配設した前記掴み固定部と前記掴み可動部に対し、互いのベアリングが当接する側に弾性力を付与するスプリングの弾性力を変化させることができることを意味し、弾性力のゼロは開放を意味するがその状態も含むものであり、最大の弾性率とそれ以下の弾性が存在するものであればよい。
ここで、前記掴み固定部側が長いベアリング1個、前記掴み可動部側が2個とは、前記掴み固定部と前記掴み可動部側が3点支持で被溶接管材を把持するものである。このとき、被溶接管材が安定して把持されるには、前記掴み固定部と前記掴み可動部が被溶接管材に当接する点を接続して三角形、四角形の中に被溶接管材の中心が位置する必要がある。
また、前記掴み固定部側が長いベアリング2個、前記掴み可動部側が長いベアリング2個とは、4点支持するベアリングにより、被溶接管材の周囲を回動自在となる。このとき、被溶接管材が安定して把持されるには、前記4点で描いた四角形の中に被溶接管材の中心が位置する必要がある。
ベアリングを4個以上使用するのは、そのベアリングの幅が狭くても安定した設置が可能であり、安定したベアリングの転動を得ることができる。
ここで、上記紫外線遮蔽部材は、主に紫外線をカットするフィルタでとの使用条件から赤外線の発生もあり、加熱されることを前提とするとガラスの使用が望ましい。
このように、面倒な前準備を簡略化でき、溶接線に忠実に沿った作業が可能で、溶接トーチと溶接線との距離を一定とし、被溶接管材相互間、被溶接管材とエルボ、チーズ等の付属部品との溶接が可能で、作業効率を良くした溶接トーチハンド装置が提供でき、また、装置全体が簡単な構造となり廉価である。
なお、各実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する場合がある。
まず、図1乃至図9を用いて、本発明の実施の形態1の溶接トーチハンド装置についてTIG溶接に使用する溶接トーチハンド装置として説明する。
ここで、TIG溶接とは、電気のアークで溶接するアーク溶接の一種である。例えば、シールドガス(図示せず)の雰囲気中で、融点の非常に高いタングステン棒から被溶接管材1Aと被溶接管材1Bの間の母材にアークを飛ばし、そのアーク熱で母材を溶かす。このとき、溶接ワイヤ2等の溶加材を加える溶接も可能である。一般に、TIG溶接は高圧管材や精密機器の溶接等に使われ、アルミニウムやステンレスの精密な溶接に多用されている。
溶接の際には、アークがプラズマ状態になり、ガス溶接やハンダ付けのような溶込みをするので、基本的な突合せ溶接であれば溶接ワイヤ2を使用することなく、母材を溶かすことで最も簡単に溶接ができ、しかも、溶接作業時に火花が散ることがない。なお、溶接時に母材の溶融金属部分を大気から遮断して保護するために図示しないアルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを吹付けて溶接を行っている。また、溶接の深さを深くするためにも使用される。
被溶接管材1A,1Bを突合わせて溶接等を行う溶接トーチ3は、トーチ枠体4A,4Bの中央部に設けた上下方向の電極挿通孔5a,5b,5cの下部にテーパ部を有する筒状のコレットボディの上端部を螺止し、前記コレットボディ内の所要範囲にスリットを形成し、かつ、下端部をコレットボディのテーパ部の内面と係合するテーパ面としたコレットを挿入配置すると共に、前記コレットにタングステン電極(放電電極3a)を上下方向に挿通保持させている。また、前記溶接トーチ3の電極挿通孔内に位置するコレットの上部に、下端面がコレットの上端面に当接するようにトーチキャップを螺合して、前記トーチキャップを締め込むことによりコレットの下端部をコレットボディのテーパ部の内面に押し付けて放電電極3aを固定させている。
なお、グリップ3aには並行して電源装置及び不活性ガスの供給を開始させるリモートコントロール用のスイッチ10が配設されている。レバー10aにより、動作開始及び終了が制御される。
ここで、嵌合溝6aを有するカバー部材6と、嵌合溝7aを有する受部材7で、溶接トーチ3を挟持、保持するトーチ保持機構30を構成している。このトーチ保持機構30は、TIG溶接用の溶接トーチ3を保持する構造を有し、カバー部材6の嵌合溝6aと受部材7の嵌合溝7aで緩衝材9b及び緩衝材9bを介してグリップ3aを、必要に応じて多少振れを許容するように保持する構造になっている。
本実施の形態1では、溶接トーチ3の方向及び位置を、長い調整孔12及び短い調整孔13にボルト4aまたはボルト4bが螺入することにより決定しているが、本発明を実施する場合には、カバー部材6と受部材7でその角度及び位置を決定してもよい。いずれにせよ、トーチ枠体4A,4Bに対して溶接トーチ3の放電電極3aの方向及び位置が変化できればよい。
したがって、溶接ワイヤ供給ガイド部20をボルト20aで取付けたとき、トーチ枠体4A,4Bのトーチ保持機構30の反対側の自由端が固定されるので、一対のトーチ枠体4A,4Bは堅固に固定されることになる。
この実施の形態の緩衝材9a及び緩衝材9bを介して溶接トーチ3を保持する溶接本体部100は、1対のトーチ枠体4A,4Bとそれに取付けたトーチ保持機構30と、溶接ワイヤ供給ガイド部20によって構成されている。
したがって、被溶接管材1A,1Bの所定の径までがトーチ枠体4A,4Bの切欠き弧4aに入る構造となっている。
本発明を実施する場合の溶接ワイヤ供給ガイド部20は、溶接ワイヤ2が降下して供給されるものであればよい。
この構成は、結果的に、溶接ワイヤ2と一対のトーチ枠体4A,4Bとの関係で、溶接ワイヤ2の先端の位置角度が変更できればよい。しかし、被溶接管材1A,1Bの規格からすると一義的に溶接トーチ3の放電電極3aの位置角度を決定してもよいから、溶接ワイヤ2の位置角度も一義的に決定してもよい。
なお、一対のトーチ枠体4A,4Bの形状は、図示した形状に拘束される理由はない。
トーチ枠体4A,4Bの一方に対して所定の距離に設定された2本のスペーサ51を介して、固定ガイド板60が取付けネジ52によって堅固に螺止される。ここでスペーサ51として2本使用しているが、1本以上であればよい。本発明を実施する場合には、組付けを容易にするものであるから、固定ガイド板60をトーチ枠体4Aと共用させることもできる。しかし、組み立ての作業性からすれば、独立して固定ガイド板60とトーチ枠体4Aを設けた方がよい。
また、支持ロッド61及び支持ロッド62に均一に外力が加わるように、調整ロッド63及び調整ロッド65が捩子63aと捩子63bまたは捩子65aと捩子65bによって固着されている。
このように、固定ガイド板60と固定ガイド板80は、その間に同一長さの支持ロッド61及び支持ロッド62、調整ロッド63、調整ロッド65が配置され、両端から捩子61a,62a,63a,65aにより、また、捩子61b,62b,63b,65bにより、堅固に固着されている。
また、支持ロッド71及び支持ロッド72に均一に外力が加わるように、同一長さの調整ロッド73及び調整ロッド75が捩子73aと捩子73bまたは捩子75aと捩子75bによって固着されている。
可動ガイド板70と可動ガイド板90は、基準孔78,98と、固定ガイド板60と固定ガイド板80が基準孔68,88に位置し、支軸ロッド64の間隔で可動ガイド板70と可動ガイド板90が位置決めされ、それが固定ガイド板60と固定ガイド板80との間に挿着され、固定ガイド板60の基準孔68、可動ガイド板70の基準孔78、支軸ロッド64、可動ガイド板90の基準孔98、固定ガイド板80の基準孔88が捩子64a及び捩子64bによって軸支される。この支軸ロッド64は支持ロッド71及び支持ロッド72、調整ロッド73、調整ロッド75と同一の長さとなっている。
同様に、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A及びローラベアリング71B並びにローラベアリング72A及びローラベアリング72Bは、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A及びローラベアリング71B及びローラベアリング72A及びローラベアリング72Bは、互いに支持ロッド71及び支持ロッド72の長さのローラベアリング2本と置き換えることができる。
即ち、固定ガイド板60と固定ガイド板80と間に配設するローラベアリング61A,61Bは、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A,71Bの一方が2個以上であれば、固定ガイド板60と固定ガイド板80と間に配設するローラベアリング61A,61Bは、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A,71Bを単一のローラベアリングとすることができる。
なお、ここでは、説明を簡単化するためローラベアリングを使用しているが、機能的にボールベアリングの使用を否定するものではない。
即ち、固定ガイド板60と固定ガイド板80に配設したローラベアリング61A及びローラベアリング61Bと、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A及びローラベアリング71Bは、ローラベアリング61A及びローラベアリング61Bによってローラベアリング71A及びローラベアリング71Bは、被溶接管材1A,1Bを握るように把持するものである。このとき、被溶接管材1A,1Bの中心軸が隣接するローラベアリング61A及びローラベアリング61Bと、ローラベアリング71A及びローラベアリング71Bを直線で結んだ空間内に被溶接管材1A,1Bの中心が位置すればよい。
なお、固定ガイド板60と及び固定ガイド板80からなる掴み固定部と、可動ガイド板70と可動ガイド板90からなる掴み可動部は、図示された形状に拘束されるものではない。
しかし、固定ガイド板60と固定ガイド板80に配設したローラベアリング61A及びローラベアリング61Bと、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A及びローラベアリング71Bの隣接するローラベアリングの中心軸で囲む範囲内に被溶接管材1A,1Bの中心Sが位置しないときには、その被溶接管材1A,1Bの中心が外れた方向に被溶接管材1A,1Bに図示の場合には右方向の力F1が生じるから、被溶接管材1A,1Bの周囲をローラベアリング61A及びローラベアリング61B、ローラベアリング71A及びローラベアリング71Bが安定して回転できない。
更に、上記条件を満足すれば、固定ガイド板60と固定ガイド板80のローラベアリング61A,61B及びローラベアリング62A,62Bは、互いに支持ロッド61または支持ロッド62の長さまたはそれ以下のローラベアリング1個と置き換え、同時に、可動ガイド板70と可動ガイド板90に配設したローラベアリング71A,71B及びローラベアリング72A,72Bは、互いに支持ロッド71、支持ロッド72の長さまたはそれ以下のローラベアリング2個と置き換えることができる。また、この逆とすることもできる。
被溶接管材1A,1Bの相互間を基本的な突合せ溶接する場合について説明する。
この実施の形態1のTIG溶接の溶接トーチハンド装置は、被溶接管材1A,1Bの径によってトーチ枠体4A,4Bの弧状の長円孔4aの径を被溶接管材1A,1BのJIS規格に合わせて幾種類かが用意されているものとする。勿論、トーチ枠体4A,4Bの弧状の長円孔4aの径は、被溶接管材1A,1Bの径よりも10mm程度以下の大きな内径とすることもできるが、理屈は同じであるから、密着する場合についてのみ説明する。
このとき、溶接ワイヤ供給ガイド部20とトーチ枠体4A,4Bとを一体に組み付け、溶接線Gの位置にTIG溶接用の溶接トーチ3の放電電極3bの位置合わせを行い、カバー部材6の嵌合溝6aと受部材7の嵌合溝7aとでグリップ3aを挟持する。また、カバー部材6の嵌合溝6aと受部材7の嵌合溝7aには緩衝材9b及び緩衝材9bがグリップ3bとの間に介在するから、それらの締め付けによって、溶接線Gを中心にウィービング等を行う場合の取付け状態と、一直線上に溶接する場合の決定を行う締め付け具合の調節を行う。
この状態で、一対のトーチ枠体4A,4Bとトーチ保持機構30と溶接ワイヤ供給ガイド部20の堅固な取付けを行う。
この状態で溶接作業が可能になるが、被溶接管材1A,1Bの周囲を回動しやすく、かつ、被溶接管材1A,1Bの長さ方向に移動し難い程度に本体ガイド部200を取付ける。このときの溶接本体部100と被溶接管材1A,1Bとの接触具合がTIG溶接のし易さを左右することになる。
同様に、溶接作業の終了は、リモートコントロール用のスイッチ10のレバー10aの操作により行われる。
したがって、リモートコントロール用のスイッチ10のレバー10aの操作により、被溶接管材1A,1Bは溶接本体部100によって溶接される。このとき、溶接本体部100は本体ガイド部200の移動に拘束され、被溶接管材1A,1Bの周囲を回動自在に回動するが、被溶接管材1A,1Bの長さ方向の移動は生じないので所望の溶接が簡単に実施できる。
[実施の形態2]
ここでは、実施の形態1との相違点のみを説明する。
トーチ枠体4A,4B及びトーチ保持機構30に連続した平滑面を形成し、そこに紫外線をカットできる紫外線カットガラスを配設している。この紫外線カットガラスは紫外線カットプラスチック150とすることもできるが、溶接トーチ3の放電電極3a間が点弧されるアーク放電は、高温であるから、紫外線カットプラスチック150は寿命が短くなる。そこで、紫外線カットガラスの使用が望ましい。
勿論、紫外線カットガラスや紫外線カットプラスチック150は、作業者の目線だけでなく、顔等にも紫外線が当たらないように広範囲に溶接点を被うのが望ましい。
このように、紫外線カットプラスチック150を配設することにより、トーチ保持機構30で発生する紫外線をカットでき、眼鏡等を用いる煩わしさから解放される。
なお、本発明を実施する場合には、その取付方法及び形状を拘束する要因はない。
[実施の形態3]
なお、この実施の形態としては、実施の形態1のトーチ枠体4Bをなくした事例で説明するが、本発明を実施する場合には、一対のトーチ枠体4A,4Bの形状が格別図示したトーチ枠体4A,4Bの形状に拘束されるものでないことを説明するものである。
[実施の形態4]
これを解決した実施の形態4としては、図13のように、実施することもできる。ここでは、実施の形態1との相違点のみを説明する。
なお、スプリング66の弾性力が大きいと、ローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bが安定した転動状態となる。そこで、スプリング66の弾性力が大きく設定されるので、ローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bとの開口する操作に大きな外力を必要としている。
操作杆160は図13(a)のように左方向に回動したとき、カム161が調整ロッド65に当接して上昇させ、弾性を強くする。このとき、カム161は両側のコイルスプリング66に抗して長円孔69の上端まで調整ロッド65が上昇され、図13(a)のようにカム161の上死点となる。
この状態では、両側にコイルスプリング66の弾性力が最大に大きくなっており、このとき、ローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bとの間が被溶接管材1A,1Bと当接する弾性力を最大に大きくしている。したがって、溶接作業はこの状態で行うのが望ましい。
この状態では、両側にコイルスプリング66の弾性が最小になっており、このとき、ローラベアリング61A,61B、62A,62Bとローラベアリング71A,71B、72A,72Bとの間が最大に開口するのを自在としている。
この操作杆160は、固定ガイド板60及び可動ガイド板70と固定ガイド板80及び可動ガイド板90との間に配設したものであるが、本発明を実施する場合には、固定ガイド板60及び可動ガイド板70の外側または固定ガイド板80及び可動ガイド板90との外側とすることもできる。
このように、溶接線Gに忠実に沿った作業が可能で、溶接トーチ3と溶接線Gとの距離を一定とし、必要に応じて溶接ワイヤ2の供給も可能であり、被溶接管材1A,1B相互間、被溶接管材1Aとエルボ、チーズ等の付属部品との溶接が可能となる。
このように、面倒な前準備としての設置を簡略化でき、溶接線Gに忠実に沿った作業が可能で、溶接トーチ3と溶接線Gとの距離を一定とし、管材相互間、被溶接管材1A,1Bとエルボ、チーズ等の付属部品との溶接が可能で、作業効率を良くした溶接トーチハンド装置が提供でき、また、装置全体が簡単な構造となり廉価である。
この実施の形態の弾性調節機構300は、他の実施の形態に組み合わせて使用することができる。
即ち、例えば、ローラベアリング61A,61B、62A,62B、71A,71B、72A,72Bを、長さの短いベアリングを片側に1個、反対側に長さの長いベアリングを片側に2個とすることもできるし、所定の長さの長いベアリングを1個配設と、所定の長さの長いベアリングを片側に2個配設することもできる。
この溶接本体部100には、溶接個所から発生される紫外線を遮断する紫外線遮蔽部材150を取付けたものであるから、溶接個所から発生される紫外線が眼に入るのが遮断され、かつ、溶接用紫外線カット眼鏡等により、放電開始時と放電終了時とで、眼鏡の掛け外しを行う必要がない。
また、被溶接管材1A,1Bに取付けられた固定側の固定ガイド板60及び固定ガイド板80と、被溶接管材1A,1Bに取付けられた可動側の可動ガイド板70及び可動ガイド板90は、図示する構造に限定されるものではない。
なお、支軸62ロッド64で軸支した固定ガイド板60及び固定ガイド板80からなる掴み固定部と可動ガイド板70及び可動ガイド板90からなる掴み可動部に対し、前記互いのベアリング対が被溶接管材1A,1Bに当接する側にスプリング66の弾性力を付与するものである。このスプリング66はコイルスプリングに限定されるものではない。
S 被溶接管材の中心
1A,1B 被溶接管材
3 溶接トーチ
9a,9b 緩衝材
20 溶接ワイヤ供給ガイド部
30 トーチ保持機構
60,80 固定ガイド板(掴み固定部)
64 支軸ロッド(支軸)
61,62 支持ロッド
71,72 支持ロッド
66 スプリング
61A,61B、62A,62B 一部のローラベアリング
70,90 可動ガイド板(掴み可動部)
71A,71B、72A,72B 残部のローラベアリング
100 溶接本体部
200 本体ガイド部
300 弾性調節機構
Claims (4)
- 緩衝材を介して溶接トーチを保持する溶接本体部と、
前記溶接本体部に取付けられ、被溶接管材を掴んでその周方向に回動自在で、かつ、前記被溶接管材の長さ方向の移動を禁止し、前記被溶接管材の溶接線と前記溶接トーチとの間隔を保持するベアリングを有する本体ガイド部とを具備し、
前記本体ガイド部は、前記被溶接管材の周囲に当接して転動する前記ベアリングの一部を配設し、前記溶接本体部に取付けられた固定側の掴み固定部と、
前記被溶接管材の中心軸と並行に、前記溶接本体部に配設された支軸と、
前記掴み固定部の前記ベアリングの一部と対向する前記ベアリングの残部の各々が前記被溶接管材と当接する点を直線で結ぶとき、その直線で囲まれた範囲内の内部に前記被溶接管材の中心軸が位置するように配設して転動させるべく前記支軸に軸支された掴み可動部と、
前記支軸を中心とする前記掴み固定部と前記掴み可動部に対し、前記互いのベアリング対が前記被溶接管材に当接する側に弾性力を付与するスプリングと
を具備することを特徴とする溶接トーチハンド装置。 - 前記掴み固定部に対して前記掴み可動部が支軸を中心にスプリング力によって回動する弾性力に抗して、前記掴み可動部が前記支軸を中心に回動し、前記ベアリングが前記被溶接管材と当接する弾性力を変化する弾性調節機構を配設したことを特徴とする請求項1に記載の溶接トーチハンド装置。
- 前記ベアリングは、前記掴み固定部側と前記掴み可動部側との個数の比率が1対2、2対2、4対2、4対4の何れか1つか、またはその逆比率の何れか1つであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶接トーチハンド装置。
- 前記溶接本体部には、溶接個所から発生される紫外線を遮断する紫外線遮蔽部材を取付けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の溶接トーチハンド装置。
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