JP2015054268A - Uv硬化型塗工装置及びuv硬化型塗工方法 - Google Patents

Uv硬化型塗工装置及びuv硬化型塗工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】UV照射室出口部近傍の酸素濃度を、入口部近傍の酸素濃度よりも小さくすることにより、不純物ガスの供給量を抑制し、ブロッキングを防止するとともに、膜厚ムラを防止し、効率的に、外観不良を抑制する。
【解決手段】UV硬化型塗工装置は、基材上にUV塗工材料を塗布する塗工部と、前記UV塗工材料が塗工された前記基材100が照射室入り口部7から搬入され照射室出口部8から搬出されるUV照射室200と、UV照射室200の前記照射室入り口部7と前記照射室出口部8の間にUVランプ2と、不活性ガス供給部1とを有し、不活性ガスの供給量を抑制し、UV照射室200内のUV照射室出口部8近傍の酸素濃度を、UV照射室入り口部7近傍の酸素濃度よりも小さくすることにより、ブロッキングを防止するとともに、膜厚ムラを防止し、外観不良を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、UV(紫外線:後はUV表記とする)硬化タイプのUV塗料やUVインクを基板上に塗工するUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法に関するものである。
連続性のある基材上にUV塗料及びUVインクの層を塗工するUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法において、UV塗料及びUVインクをUV硬化する際に、酸素阻害によりUV塗料及びUVインク表面に未硬化状態部位が残る場合があった。それにより後工程の基材巻き取り時に、UV塗料及びUVインクの層が塗膜形成された面と逆の面へ引っ付き、UV塗料及びUVインクの層が剥がれる現象であるブロッキングが起こる場合があった。
このような外観不良を抑制するため、近年、連続性のある基材上にUV塗料及びUVインクの層を塗工するUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法において、UV塗料及びUVインクのUV硬化を不活性ガス雰囲気中で行う場合があった。更に、UV照射室の入り口部、内部、出口部において不活性ガスを供給し、内部の不活性ガスの内圧を高めることで、UV照射室内への外気の侵入を防止するものもあった。
図5を用いて、従来のUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法を説明する。図5は従来のUV硬化型塗工装置の概略構成を示す断面図であり、従来のUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法を用いてUV塗料及びUVインクを硬化させる際の装置構成の断面図である。
図5の構成要素について説明する。100は、図5中に図示されていない塗工部及び印刷部において未硬化状態のUV塗料及びUVインクが塗布された基材であり、一般的な素材としてはポリエステル(PET)フィルムやアクリルフィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム等が挙げられる。200はUV照射室であり、基材100の入り口部であるUV照射室入り口部7があり、そこから未硬化状態のUV塗料及びUVインクが塗布された基材100が挿入される。1はUV照射室200内に充填される不活性ガスを供給する不活性ガス供給部である。2はUVを基材100に照射するUVランプである。3は基材100をUV照射室200内へ導くまたは、UV照射室200から排出する際に基材100を支持するガイドローラーである。4はUV照射室内200へ照射されるUVである。5は基材100へUV4が照射される際に、UVランプ2より発生する熱による基材100の劣化を防止するために、基材100を冷却する水冷されたバックローラーである。201はUVランプ2を格納するためのUVランプ格納室である。202はUV照射室200とUVランプ格納室201との間に設けられ、石英等を用いた熱線カットフィルターである。206はUVランプ格納室201の熱を排出するためにダクトが繋がれた吸引口であり、UVランプ2より発せされる熱線により加熱されるUVランプ格納室201を冷却する。
図5では、基材100上には未硬化状態のUV塗料及びUVインクが塗布されており、この基材100がガイドローラー3に導かれ、UV照射室200のUV照射室入り口部7へ連続的に供給される。UV照射室200内には、不活性ガス供給部1より不活性ガスが供給され、UV照射室200内を任意の酸素濃度になる様に調整している。UV照射室200内でバックローラー5上に基材100が送られた際、UVランプ2より照射されるUV4が基材100に照射され、基材100上に塗布されたUV塗料及びUVインクが硬化する。その際にバックローラー5は水冷されており、バックローラー5上に送られた基材100を冷却し、UVランプ2から発せられる熱による基材100の劣化を防止する。また、熱線カットフィルター202によりUV照射室200とUVランプ格納室201を完全隔離する構成となっており、また、可能な限り、熱線がUV照射室200内へ侵入しない構成となっている。更に、UVランプ格納室201内には排気ダクトが繋がる吸引口206が配置され、UVランプ格納室202内に蓄積されるUVランプ2より発生する熱を外部へ排出する役割を果たす。
UV塗料及びUVインク面へのUV4の照射後、基材100上で硬化されたUV塗料及びUVインクが架橋した膜となり、UV照射室200の外に配置されるガイドローラー3に導かれ、UV照射室出口部8を通り、UV照射室200の外に排出され、図5中に図示されていない基材100の巻き取り部で巻き取られる(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−50408号公報
しかしながら、従来のUV硬化型塗工装置では、UV照射室200内において、基材100上に塗布されている未硬化状態のUV塗料やUVインク等のUV塗工材料の表面に、直接的に不活性ガス供給部1から不活性ガスが供給される。そのため、不活性ガスが塗膜面に当たり易く、塗膜面が未硬化状態のため、不活性ガスの流量の影響で未硬化状態のUV塗工材料の表面が動かされる場合があった。その結果、塗膜面内で膜厚にムラが発生し、塗工面の外観不良等の品質不良が起こるという問題点があった。また、UV照射室200内の不活性ガスの内圧を高めてUV照射室200内の酸素濃度を低減させるために、UV照射室200内の複数個所に不活性ガス供給部1を配置しつつ、且つ多量の不活性ガスをUV照射室200内へ流入させ、UV照射室200内の不活性ガスの内圧を高めていた。その結果、不活性ガスの消費量が多く非効率的になるという問題点があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、効率的に、外観不良を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のUV硬化型塗工装置は、基材上にUV塗工材料を塗布する塗工部と、前記UV塗工材料が塗工された前記基材が照射室入り口部から搬入され照射室出口部から搬出されるUV照射室と、前記UV照射室の前記照射室入り口部と前記照射室出口部の間に配置されて前記UV塗工材料に紫外線を照射するUV照射部と、前記UV照射室に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部とを有し、前記UV照射室内の前記UV照射室出口部近傍の酸素濃度が、前記UV照射室内の前記UV照射室入り口部近傍の酸素濃度よりも小さいことを特徴とする。
また、前記UV照射室内の前記UV照射室入り口部から前記UV照射室出口部に向かうにつれて、前記酸素濃度が徐々に小さくなることが好ましい。
また、前記不活性ガス供給部が、前記UV照射部と前記UV照射室出口部との間に配置されることが好ましい。
また、前記不活性ガスが前記基材の搬送方向と逆向きに供給されることが好ましい。
また、前記UV照射室入り口部及び前記UV照射室出口部に前記UV照射室から突出するツバを設けても良い。
また、前記照射室入り口部と前記UV照射部との間に設けられた第1の間仕切り部を更に有し、前記第1の間仕切り部と前記基材との隙間が、前記UV照射部と前記基材との隙間より狭いことが好ましい。
また、前記照射室入り口部と前記第1の間仕切り部との間に吸引口を備える第1の吸引部を更に有することが好ましい。
また、前記第1の吸引部の気体吸引量は、前記不活性ガス供給部から供給される前記不活性ガスの供給量より小さいことが好ましい。
また、前記UV照射部の周囲に設けられる前記第1の間仕切り部と異なる第2の間仕切り部と、前記第2の間仕切り部と隣接して設けられて吸気口を備える第2の吸引部とを更に有することが好ましい。
また、前記第1及び第2の吸引部を合わせた気体吸引量は、前記不活性ガス供給部から供給される前記不活性ガスの供給量より小さいことが好ましい。
さらに、UV硬化型塗工方法は、基材上にUV塗工材料を塗布する工程と、前記UV塗工材料が塗布された前記基材をUV照射室の照射室入り口部から搬入し前記UV照射室の照射室出口部から搬出する工程と、少なくとも前記基材が前記UV照射室内を搬送されている間に前記UV照射室に不活性ガスを供給する工程と、前記照射室入り口部と前記照射室出口部の間で前記UV塗工材料に紫外線を照射する工程とを有し、前記UV照射室内の前記UV照射室出口部近傍の酸素濃度が、前記UV照射室内の前記UV照射室入り口部近傍の酸素濃度よりも小さいことを特徴とする。
以上のように、UV照射室内のUV照射室出口部近傍の酸素濃度を、UV照射室入り口部近傍の酸素濃度よりも小さくすることにより、不純物ガスの供給量を抑制しながら、ブロッキングを防止するとともに、膜厚ムラを防止することができるため、効率的に、外観不良を抑制することができる。
実施の形態1におけるUV硬化型塗工装置の概略構成を示す断面図 本発明のUV硬化型塗工方法を説明する工程断面図 実施の形態2におけるUV硬化型塗工装置の構成を説明する図 実施の形態3におけるUV硬化型塗工装置の構成を説明する図 従来のUV硬化型塗工装置の概略構成を示す断面図
本発明のUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法は、基材上にUV塗料を塗工したりUVインクを印刷したりするものであり、基材のベースフィルム上にUV塗料やUVインク等のUV塗工材料を塗布後、UV照射によりUV塗工材料を硬化させるものである。
本発明は、UV塗工材料の硬化のためのUV照射が行われるUV照射室において、基材が搬入される入り口部と基材が搬出される出口部との間で酸素濃度の差を設け、入り口部近傍の酸素濃度より出口部近傍の酸素濃度を低い状態とすることを特徴とする。
UV塗工材料のUV硬化プロセスにおいては、基材上に塗布された未硬化状態のUV塗工材料にUVランプ等のUV照射部でUV照射することにより、UV塗工材料中の光重合開始剤にUVが照射され、UV塗工材料のUV硬化反応が開始される。この時、酸素によってUV硬化中のUV塗工材料の反応が阻害されることを防止するためには、基材上に塗布されたUV塗工材料にUV照射がされた後の雰囲気が重要となる。UV照射前よりもUV照射中からUV照射後にかけてUV硬化反応が促進されてUV塗工材料のUV硬化が進むため、UV照射後の雰囲気中の酸素濃度が低い程酸素阻害が起こり難くなり、外観不良の発生を抑制できる。そのために、例えば、不活性ガス供給部をUV照射部とUV照射室の出口の間に配置する構成とすることで、UV照射部の入り口部近傍よりも出口部近傍で不活性ガスの濃度を高くすることができるため、出口部近傍でより酸素濃度が低い状態が作り出される。その結果、酸素によりUV硬化が阻害されることを抑制し、十分にUV塗工材料を硬化させることができるため、ブロッキングを抑制することができる。また、基材上に塗布されたUV照射部に入る前の未硬化状態のUV塗工材料の表面に不活性ガスが直接当たることを防止でき、これにより基材上の未硬化状態のUV塗工材料表面に不活性ガスが流れることにより起こる塗膜面のムラの発生を防止できる。
このように、基材に塗布されたUV塗工材料をUV硬化させる際に、UV照射前よりUV照射後の基材の周囲雰囲気の酸素濃度を低くすることにより、UV硬化中のUV塗工材料周囲の酸素濃度を低減することができるため、酸素によりUV塗工材料の硬化が阻害されることを抑制でき、十分な硬化を行い、ブロッキングの抑制を図ることができる。同時に、必要な領域のみに対して酸素濃度を低減させるため、供給される不活性ガスを低減して、不活性ガスの供給を最適に行うことができる。更に、不活性ガスの照射がUV照射後のある程度UV硬化が進行した状態の基材に対して行われることにより、未硬化状態のUV塗工材料に不活性ガスが直接当たることを抑制することができるため、不活性ガスの流れにより未硬化のUV塗工材料が移動して塗膜面の膜厚が不均一になることが抑制され、塗膜面のムラの発生を抑制することができる。
また、従来の構成では、UV照射室の入り口部及び出口部から外気が進入することにより、UV照射室内の酸素濃度が上昇する場合があった。そのため、UV照射室内の不活性ガスの内圧を高めて、外気の進入を防止するために、UV照射室内に複数個所の不活性ガス供給部を配置しつつ、且つ多量の不活性ガスをUV照射室内へ流入させ、UV照射室内の不活性ガスの内圧を高めて対応する場合があった。その結果、不活性ガスの消費量が多くなっていた。これに対応して、基材の搬送方向においてUV照射部とUV照射室入り口部との間に第1の間仕切り部を設ける。さらに、第1の間仕切り部とUV照射室入り口部の間で第1の吸引部を設けることもできる。これにより、不活性ガスの流出を抑制できるため、実際にUV照射し、UV硬化を行う領域の不活性ガスの内圧を効率的に高めることができ、UV照射室内への外気の侵入を効果的に防止可能な構成となる。この時、第1の間仕切り部の設け方としては、UV照射部と基材の隙間及び第1の吸引部と基材との隙間よりも第1の間仕切り部と基材の隙間が狭い構成にすることが好ましい。この様な構成で第1の間仕切り部を設け、且つ吸引口も設けることで、不活性ガスの装置外への流出も抑えることが可能となり、UV照射室内への外気の進入も防止可能な構成となる。そのため、効率的に不活性ガスの供給を行いながら、UV照射室内部の不活性ガスの内圧を高く保つ構成となる。更に、UV照射室のUV照射室出口部及び基材の幅方向も含めたUV照射部とその外周領域に第2の間仕切り部を設け、且つ第2の間仕切り部に第2の吸引部を設けることで、更にUV照射室内部への外気の進入を防止でき、UV照射室内部の不活性ガスの内圧を効率的に高めることが可能となる。
このように、UV照射室の入り口、更には出口を含む周囲に間仕切り及び吸引部を設けることにより、不活性ガスの流出及び外気の進入を抑制できるため、効率的な不活性ガスの供給を行いながら、UV照射室内部の不活性ガスの内圧を高く保つことができる。
以上により、UV硬化中の、不活性ガスの使用量を抑えながらUV照射部での酸素濃度を効果的に低減可能となる。その結果、UV塗工材料付き基材の硬化プロセスにおいて、塗膜面内での膜厚にムラが発生することが抑制され、高品質、高歩留まりなモノづくりと同時にUV硬化型システム及びプロセスとしてもランニングコストを抑えた低コストでエコロジーな安全性の高いモノづくりを提供可能となる。
以下、上記のような本発明のUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法の具体的な構成例を実施の形態として、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
まず、図1、図2を用いて実施の形態1におけるUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法について説明する。
図1は実施の形態1におけるUV硬化型塗工装置の概略構成を示す断面図、図2は本発明のUV硬化型塗工方法を説明する工程断面図である。図1、図2において図5と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明を省略する。
まず、UV塗料やUVインク等の塗工材料を塗工、印刷するために、連続的に供給される基材100の巻き出し部110と塗工材料が塗布された基材100を巻き取る巻き取り部111とを備え、基材100は連続的に図1中のX1→X2方向へ搬送される仕組みとなっている。基材100としては、一般的にはばポリエステル、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース等の素材からなるプラスチックフィルムやプラスチックシートやアルミ、銅箔等の金属シート等も用いられる。枚葉基材の場合、上記以外に木板、石板、無機ガラス等を用いても良い。基材の平均厚さは目的に応じて適宜選択されるがUV硬化型塗工装置で使用する基材の平均厚さはプラスチック基材の場合、20μm以上250μm以下の範囲であることが好ましい。20μm以下になると基材100が薄く搬送時の張力の制御が難しく、塑性変形してしまい伸びシワが入ることや、基材100へ塗布するUV塗工材料の硬化後の収縮でUV硬化後の基材100が反り易くなり後工程での扱いが難しくなる等がある。また、250μm以上になると、ロール作成時に塗工長さが長くなるとロール巻き取り時のロールの巻き芯径が大きくなり過ぎることで後工程での扱いも難いことや基材100としてのコストも高くなることが挙げられる。しかし上記範囲に限らず、その時のニーズ、用途に応じて、上記範囲以外の平均厚みの基材100を使用しても問題ない。
以下の説明では、基材100としては平均厚み50μmポリエステルフィルムを使用する場合を例に塗工材料の塗工について説明する。基材100へUV塗工材料を塗布するためにグラビアコーターを使用する場合、塗工部はグラビアローラー112と、ドクターブレード113と、液パン114とから構成される。ガイドローラー3の1つは、グラビアローラー112で基材100へUV塗工材料を転写する際に、基材100に張力をかけるために基材100を介してグラビアローラー112と反対側に配置される。グラビアローラー112は、UV塗工材料を基材100へ塗布するために用いられる。グラビアローラー112には図示されていない細線から成る深さ数十μmの溝が螺旋状に形成されており、その溝の中にUV塗工材料が供給される仕組みである。また、液パン114にはUV塗工材料が入っている。グラビアローラー112は図1中に示すように時計回りに回転しており、UV塗工材料を供給するために、溝が形成された面を液パン114内の塗工材料に接触させ、グラビアローラー112の螺旋状の溝部にUV塗工材料が供給される構成である。次に、ドクターブレード113は、任意の液量までグラビアローラー112表面からUV塗工材料をかき取る。塗工材料が供給されたグラビアローラー112は、ドクターブレード113まで回転し、ドクターブレード113によって余分な塗工材料がかき取られ、基材100と接触する前に溝部の中だけに塗工材料が残った状態となる。その後、グラビアローラー112と基材100が接触した際に、グラビアローラー112の溝部のUV塗工材料が基材100へ転写され、基材100上にUV塗工材料のウエット状態の膜が形成される。
本発明のUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法として、グラビアコーター以外にスクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷、ダイコート、カレンダーコート等の他のあらゆる塗工及び印刷を用いてUV塗料やUVインク等の塗工材料の塗膜を基材100上に形成しても良い。
次の工程では、基材100上は、UV塗工材料を硬化させるためのUV照射室200へと搬送される。この際に、UV塗工材料の塗布時の粘度調整用に、UV塗工材料に有機溶剤が含有されている場合は、塗工工程とUV照射工程との間に熱乾燥工程を設け、先にUV塗工材料中の有機溶剤成分を揮発させる工程を設けても良い。この場合の熱乾燥炉としては温風炉もしくは赤外線ヒーター(IR)炉、もしくは熱風とIRを併用した熱乾燥炉等の一般的な熱乾燥工程を設ければ良い。本発明で使用するUVインクは、市販の無溶剤タイプのアクリル樹脂系ものであり、UV硬化反応に使用する波長領域が主に300〜400nmの広範囲のUV4を照射することにより硬化し、光重合開始剤を予め含有したUV硬化型インクを使用することができる。
UV塗料やUVインク等のUV塗工材料であるUV硬化性塗膜に含まれる重合性単量体としては、UV硬化の可能な重合性単量体であり、塗膜成分として適した物であればいかなる物を用いてもよく、単官能性単量体又は多官能性重合性単量体のいずれであっても用いることができる。例えば、特許文献1にも記載のある(メタ)アクリル酸とそのアルキルエステルや、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸等の不飽和多塩基酸及びそれらのアルキルエステル、或いは脂肪酸のビニルエステルや、スチレン類、ビニルアルキルエーテル、ビニルアルキルケトン類等を用いることができる。特に好ましくは(メタ)アクリル酸メチル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、1,1,1−トリス(アクリロイルオキシエトキシエトキシ)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシエトキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニル)メタン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソボルニルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートや、フマル酸ジイソプロピル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、αメチルスチレン、酢酸アリル、ドデシルビニルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン等を用いることができ、重合性単量体の含量は適宜定められるが、UV硬化性塗膜の塗工液全量に対し、およそ5質量%以上100質量%未満であることが望ましい。5質量%より少ないとUV塗工材料の硬化時にUV硬化型塗膜としての十分なUV硬化反応が得られず、機能膜としての十分な機能を発現できなくなる。
また、UV塗工材料を硬化反応させるための硬化剤についても、特許文献1に記載のあるUV硬化性塗膜に含まれる光重合開始剤として、通常使用される光重合開始剤であれば如何なるものでもかまわないが、使用する重合性単量体の種類やUV照射装置の分光波長等により適宜選択することができる。例えば、好ましくはベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン化合物や、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ミヒラーズケトン等のカルボニル化合物、或いはアゾビスイソブチロニトリル、アゾジベンゾベンゾイルなどのアゾ化合物や、アルキルチオキサントン類、α−ジケトンと三級アミンの混合物等を用いることができる。光重合開始剤は混合して用いてもよい。UV硬化性塗膜中の光重合開始剤の含量は、塗工条件に応じて適宜定めてもよいが、好ましくは塗工液中の全固形分量のうち0.01質量%以上20質量%未満の範囲で用いることが好ましい。0.01質量%よりも少ないと、UV塗料及びUVインクの硬化反応に十分寄与することができなくなり、一般的に20質量%以上添加すると、UV硬化塗工材料の硬化時に、UV塗工材料の硬化後の膜表面に光重合開始剤の一部が浮き出てくる現象であるブリードが起こり易く、塗膜面の外観品質不良等の品質面での悪化を招く。しかしブリードが起こり難い光重合開始剤の場合は、上記範囲外の20質量%以上の添加でも問題ない。UV塗工材料への機能性を付与するために、上記材料以外でインク材料用の染料、顔料やハードコート性を付与するためのシリカ等の無機微粒子、光学調整用途では中空シリカ、多孔質シリカ、酸化マグネシウム、氷晶石などの低屈折率材料、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の高屈折率材料、アンチモン、銀、銅、PEDOT等の導電性材料等から成るフィラーの微粒子を含有しても良い。他の機能性付与の観点から上記以外の材料を含有させても問題ない。
以下の説明では、上記UVインクが反応する硬化波長から、UVランプ2として、UV−LEDランプで発生するUV4の波長領域が360〜410nm波長領域で、その中でピーク波長は385nmのものを使用する場合を例に説明する。ランプユニットの加熱を防止するため、UVランプ2及びUVランプ2の付属部品からなるランプユニットは図示されていない外部からの冷却チラーによる冷却水が供給され水冷されている。UVランプ2としてLEDタイプのものを使用することでUVの発生する波長領域が限定され、熱線領域の波長の発生を防止でき、且つUVランプ2自体の発光のON・OFFが簡単にできる。そのため、ランプユニット自体からの熱量を減らすことも可能となり、UVランプ2の影響による基材100の熱劣化を防止することが可能となる。
UVランプ2として一般的な水銀ランプ等を使用する場合は、UVランプ2からの熱により基材100が劣化することを考慮し、特許文献1にも記載があったとおり、UVランプ2のUVランプ格納室201とUV照射室200を分け、UVランプ格納室201とUV照射室200の間に熱線カットフィルター202を設けるによりUVランプ2からの熱をカットする構造としても良い。また、UV格納室201内の熱を逃がすためのダクトに繋がる吸引口を設けて外部に排熱する仕組みを設けても良い。更に、UV照射室200では基材100の下に水冷されたバックローラー5等を設ける等して基材100を冷却する等の構造を取ることもできる(図5参照)。
次に、UV照射室200は、最初に基材100が搬送されてくるUV照射室入り口部7と基材100が出ていくUV照射室出口部8を備える。そのため、UV照射室入り口部7及びUV照射室出口部8から外気が進入することにより、UV照射室200内の酸素濃度が上昇する場合があった。従来は、UV照射室内の不活性ガスの内圧を高めて外気の進入を防止するために、UV照射室内に複数個所の不活性ガス供給部を配置しつつ、且つ多量の不活性ガスをUV照射室内へ流入させ、UV照射室内の不活性ガスの内圧を高めていた。その結果、不活性ガスの消費量が多くなっていた。これに対応して、本発明では、UV照射室入り口部7及びUV照射室出口部8から外気がUV照射室200内に入り難くするために、UV照射室200から突出するツバ6を更に設けることができる。ツバ6は、UV照射室入り口部7及びUV照射室出口部8のみに向けても良いし、UV照射室入り口部7及びUV照射室出口部8を含むUV照射室200の外周全周に設けても良い。この時、ツバ6と基材100の隙間はUVランプ2と基材100の隙間よりも小さく設定することで、UV照射室200内へ外気が進入する際に抵抗となり、外気進入防止効果が高くなる。隙間の設定値は0.5mmより大きく3mm未満で設定することが望ましい。隙間が0.5mm以下になると、搬送時の基材100のバタつきで基材100とツバ6が接触することがあり、また、隙間3mmより大きくなるとUV照射室200内への外気の進入が起こり易く、UV照射室200内の酸素濃度を低下させるために多量の不活性ガスを使用し、不活性ガスへの置換時間も長くなる。しかし、隙間に関しては各種の条件次第で同様の効果を得ることができれば上記範囲外でも問題ない。
UV照射室200は、基材100の幅方向に関して下側まで完全に囲う形で設けても良い。搬送方向のUV照射室200のUV照射室入口部7及びUV照射室出口部8の2箇所のみが開口している形で設けても良い。または基材100の搬送方向、幅方向ともに基材100の上部を囲う形のみ(外周部全周で開口している)でUV照射室200を設けても良い。
また、ここで説明するUV照射室200内には上記で説明したLEDタイプのUVランプ2が配置されている。UVランプ2の後段には不活性ガスを供給するための不活性ガス供給部1が設けられており、不活性ガスを供給することによりUV照射室200内の酸素濃度を下げる。不活性ガスとしては、窒素、アルゴンガス等の一般的なもので良くこれ以外のものでも問題ない。基材100がUV照射室200内のUVランプ2の下を通過後、UV照射室出口部8より基材100がガイドローラー3に導かれながら基材100を巻き取る巻き取り部111へと通ずる。
次に、図2を用いて、本発明のUV硬化型塗工装置によるUV硬化型インクのUV硬化プロセスを説明する。基材100は、ベースフィルム101上に無溶剤タイプの未硬化状態のUVインク層102が塗布される。ここでは、ベースフィルム101上にUVインク層102が塗布される場合を例に説明するが、UVインク層102に限らず、UV塗料等のUV塗工材料を塗布してもよく、この場合も以下の方法と同様に硬化させる。基材100は、そのままガイドローラー3に導かれ、UV照射室200のUV照射室入り口部7のツバ6の下を通り、UV照射室200内に配置されたUVランプ2の下を通過する。この時、UVインク層102はUV照射室200のUVランプ2の下を通過する前までのSTEP1では、例えば、UVインク層102内にアクリルモノマー、オリゴマー103と光重合開始剤104が個々に分散された状態で存在している。その後、UVランプ2の下を通過するSTEP2で、UVインク層102内に分散された光重合開始剤104へUV4が照射されることで光重合開始剤104がUV硬化反応し、UVインク層102内で触媒として作用し始めてUVインク層102内でラジカル重合反応が起こり、アクリルモノマー、オリゴマー103が光重合開始剤104と共に架橋反応を開始する。その後、UVランプ2下部のUV4照射部を通過しながらUVインク層102内でのUV硬化反応が進んでポリマーとなる。その結果、UVインク層102が、アクリル樹脂から成り、UV硬化反応が進んでUV硬化したUVインク硬化層105となる(STEP3)。
この時、可能な限りUV照射室200内の酸素濃度を低く保つことで、UVインク層102のUV硬化反応時に、酸素によるUVインク層102の硬化阻害となる酸素阻害を防止し、未硬化部分の存在に起因するブロッキングを防止できる。図2のSTEP1〜3からもわかる様に、UVインク層102のUV硬化反応プロセスにおいて、UVインク層102のUV硬化反応が加速するのは、UVランプ2の下を通過した後の後半領域である。そのため、この後半領域の酸素濃度をより低く設定することで、UVインク層102のUV硬化反応がより加速され、酸素阻害のない効果的なUV硬化反応を進めることが可能となる。このプロセスから、不活性ガスを供給し酸素濃度を下げる必要のある部位はUV4照射部以降のUVインク層102に限定しても問題ない。すなわち、UV照射室200内のUV照射装置とUV照射室出口部8との間の第1の位置の酸素濃度を、UV照射装置内のUV照射装置と前記UV照射室入り口部7との間の第2の位置の酸素濃度よりも小さくする。そして、UVインク層102の硬化反応が終了する前に、UV4が照射されたUVインク層102を第1の位置に移動させ、酸素濃度の低い雰囲気中で硬化反応が行われるようにする。
このように、酸素濃度を低く保つ必要のあるUV照射室200内の後半領域の酸素濃度を重点的に下げることで、UV塗工材料の未硬化部位が残り難くなり、UV塗工材料を十分にUV硬化することができる。これにより、酸素阻害による未硬化部分を防止してブロッキングを抑制し、基材100の外観不良を防止することができる。更に、酸素濃度を低減する領域を限定することにより、不活性ガスの供給領域及び供給量を最適化することができ、不活性ガスの供給量の低減及び不活性ガスの置換時間の短縮に効果がある。
また、不活性ガス供給部1を図1に示すように、UVランプ2よりも後方に設置することで、UV照射室200のUV照射室入口部7近傍のUVインク層102が固まっていない状態で基材100へ不活性ガス供給部1から不活性ガス直接的に供給されない。そのため、不活性ガスの流量がUVインク層102に影響する箇所は、UV4が照射された後、ある程度UVインク層102のUV硬化反応が進んだ後半領域となるため、未硬化状態のUVインク層102表面の不活性ガスの流速による外観ムラや膜厚ムラの発生を防止可能となる。
また、不活性ガス供給部1から不活性ガスを供給する方向は任意であるが、不活性ガス供給部1から基材100の搬送方向と逆方向である矢印の方向115に不活性ガスを供給することが好ましい。不活性ガス供給部1から基材100の搬送方向と逆方向に不活性ガスを供給することで、基材100のUVインク層102の塗布された面上を基材100の搬送方向と逆向きの方向115に平行に不活性ガスが流れるため、不活性ガスが効率的に供給され、基材100の搬送方向と同じ方向に不活性ガスを供給するよりもUV照射部からUV照射室出口部8にかけての酸素濃度を効果的に下げることができる。これにより、UVインク層102のUV硬化反応を起こり易くし、UVインク層102の表面硬化阻害となる酸素阻害をより効果的に防止可能となる。結果、基材100上に外観品質が高く、且つ未硬化状態部の少ないUVインク硬化層105が形成される。UVインク硬化層105の未硬化状態の部位を限りなく少なくできるため、UV硬化工程の後工程であるフィルム巻き取り時のブロッキングも効果的に防止でき、本発明のUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法により、高品質で歩留まりの高いUV硬化型塗工を行うことができる。上記条件では、UV照射によるUV硬化中の酸素濃度を1%以下になる様に制御することにより、基材100の巻き取り時のブロッキング等がなくなった。そのため、本発明ではUV4を照射する領域以降の酸素濃度を1%以下に保つことで、酸素阻害を抑制し、UV硬化反応促進の効果を得る事ができた。なお、形成されるUVインク層102の膜厚が1μm未満の場合は、酸素による硬化への影響が大きくなるので、UV硬化中の酸素濃度を2000ppm以下にすることが好ましい。特に、膜厚が数100nm以下の場合は酸素の影響が顕著となるので、UV硬化中の酸素濃度を2000ppm以下とすることで酸素阻害を効果的に防止できる。
(実施の形態2)
次に、図3を用いて実施の形態2におけるUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法について説明する。
図3は実施の形態2におけるUV硬化型塗工装置の構成を説明する図であり、図3(a)は断面図、図3(b)は上面図、図3(c)はUV照射室の内部構造を示す概略図である。図3において図1、図2、図5と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明を省略する。基本的には図1で説明した本発明のUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法で問題になることは無いが、図3では、よりUV照射室200内の酸素濃度を下げる構成である。
図3において、本発明のUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法では図1と同様に、基材100は、基材100の巻き出し部110から基材巻き取り部111にかけてX1→X2方向へ連続的に供給される。図3に示されるUV硬化型塗工装置及びこれを用いたUV硬化型塗工方法では、実施の形態1のUV硬化型塗工装置に対して、更に、UV照射室入り口部7とUV照射室200のUVランプ2との間に排気ダクトに繋がる第1の吸引部204が設けられており、第1の吸引部204の天板にはダクトへ繋がる吸引口203が形成される。更に、UV照射室200のUVランプ2と第1の吸引部204の間には、第1の吸引部204とUV照射室200のUVランプ2とを遮る第1の間仕切り部9が設けられている。第1の間仕切り部9と基材100との隙間は、第1の吸引部204と基材100の隙間及びUVランプ2と基材100の隙間の両方よりも小さく設定されることが望ましい。このように、吸引口203を備える第1の吸引部204と、第1の間仕切り部9とを設けることにより、基材100と一緒に搬送方向から流れ込む外気を第1の吸引部204から排出しつつ、第1の間仕切り部9でUV照射室200内に流入することを防止することができる。そして、外気の流入を効果的に遮断可能なため、UV照射室200内では不活性ガス供給部1より供給される不活性ガスの内圧をより高くでき、酸素濃度の低い空間を作り出すことが可能となる。また、図1の構成に比べ、不活性ガスの流れも、第1の吸引部204の吸引の流れの影響で基材100上に対して搬送方向と逆向きで平行な流れができ易く、基材100上での酸素濃度を効果的に低減できる。更に、UV照射室200から不活性ガスが外部へ漏れることも低減できる。この時、第1の吸引部204の吸引量と不活性ガス供給部1からの不活性ガス供給量の関係は吸引量<不活性ガス供給量の関係となる様にすることで、UV照射室200内の酸素濃度を限りなく低い状態で維持でき、且つ第1の吸引部204を設けることで装置外への不活性ガスの漏れ防止から、作業者の酸欠防止にも繋がる安全性の高いUV硬化塗工装置及びUV硬化塗工方法の提供が可能となる。
(実施の形態3)
次に、図4を用いて実施の形態3におけるUV硬化塗工装置及びUV硬化塗工方法について説明する。図4は実施の形態3におけるUV硬化型塗工装置の構成を説明する図であり、図4(a)は断面図、図4(b)は上面図、図4(c)はUV照射室の内部構造を示す概略図である。図4において図1〜3、図5と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明を省略する。
図4に示すように、実施の形態3におけるUV硬化塗工装置は、実施の形態2のUV硬化塗工装置のように、第1の吸引部204及び第1の間仕切り部9を図3のUV照射室200のUV照射室入り口部7側のみに設けるだけでなく、第1の間仕切り部9、第1の吸引部204以外にUV照射室出口部8側に第2の間仕切り部10を設け、且つその外側に吸引口203に繋がる第2の吸引部205を設けても良い。こうすることで、よりUV照射室200内への外気の進入防止効果とUV照射室200から外部への不活性ガスの漏れ防止効果を奏すると共に、作業者の酸欠防止の効果を更に高めることができる。この時、第1の吸引部204及び第2の吸引部205の吸引量と不活性ガス供給部1からの不活性ガス供給量の関係は第1の吸引部204及び第2の吸引部205を合わせた吸引量<不活性ガス供給量の関係となる様にすることで、UV照射室200内の酸素濃度を限りなく低い状態で維持でき、且つ装置外への不活性ガスの漏れを防止し、作業者の酸欠防止にも繋がる安全性の高いUV硬化塗工装置及びUV硬化塗工方法の提供が可能となる。
また、第1の吸引部204と第2の吸引部205の間に、第1の間仕切り部9及び第2の間仕切り部10を設けず、第1の吸引部204と第2の吸引部205とが、UVランプ2の側部で連続する構成で形成しても良い。他にダクトへ繋がる吸引口203も図4(b)に示す2箇所でなく1箇所でも2箇所以上の複数個所に配置しても良い。
また、UV照射室200を基材100の幅方向で完全に下側まで覆う形で設けても良い。また、搬送方向において、UV照射室200のUV照射室入り口部7、UV照射室出口部8の2箇所のみが開口している場合は、UV照射室入口部7には第1の吸引部204と第1の間仕切り部9を設け、UV照射室出口部8に第2の吸引部205と第2の間仕切り部10を設ける形を取っても良い。また、UV照射室200に第1の間仕切り部9、第1の吸引部204、第2の間仕切り部10、第2の吸引部205を設ける際は、部品同士の組み合わせ箇所に隙間ができない様に、外部及び内部からシリコンゴム、シールテープ等で封止することでより機密性を高めることが可能となる。
本発明のUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法を用いることで、基材100上に外観品質が高く、且つ未硬化状態部の少ないUVインク層102が形成される。未硬化状態部位が限りなく少ないUVインク層102であるため、UV照射室200でのUV硬化プロセスの後工程となるフィルム巻き取り時のブロッキングも効果的に防止でき、高品質、高歩留まり且つ酸欠防止の安全性高いUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法の提供が可能となる。
本発明のUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法によれば、高速塗工や印刷が可能なUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法で塗工を行っても、UV塗料やUVインク等のUV塗工材料の外観ムラ及び膜厚ムラ等を少なくでき、且つ硬化後の未硬化状態部位を少なくすることができる。結果、UV塗工材料の未硬化状態部位が少ないため、基材の巻き取り工程でのブロッキングも防止可能となり、高品質、高歩留まりのUV塗工材料付き基材の提供が可能となる。同時に、UV硬化プロセスにおいてUV塗工材料の硬化時の酸素阻害を防止するために使用する不活性ガスの使用量も抑えることができる。
この技術は、一般的なUV硬化型ハードコート付きフィルムやUV塗料やUVインク等を用いて形成する機能性基材、例えばタッチパネル用透明導電フィルムの電極の非視認性を向上させるため電極層の下部に形成する電極パターンの骨見え防止用の光学調整層や、電極材料の保護を目的としたオーバーコート層、UVインク等を使用するインクジェット印刷物にも使用でき、用途としてテレビやオーディオなどのAV機器や携帯電話等の外装品、また自動車の外装部品等の幅広い機能性フィルムや加飾フィルム等に適用できる。
本発明は、効率的に、外観不良を抑制することができ、UV硬化タイプのUV塗工材料を基板上に塗工するUV硬化型塗工装置及びUV硬化型塗工方法等に有用である。
1・・・不活性ガス供給部
2・・・UVランプ
3・・・ガイドローラー
4・・・UV
5・・・バックローラー
6・・・ツバ
7・・・UV照射室入り口部
8・・・UV照射室出口部
9・・・第1の間仕切り部
10・・・第2の間仕切り部
100・・・基材
101・・・ベースフィルム
102・・・UVインク層
103・・・アクリルモノマー、オリゴマー
104・・・光重合開始剤
105・・・UVインク硬化層
110・・・巻き出し部
111・・・巻き取り部
112・・・グラビアローラー
113・・・ドクターブレード
114・・・液パン
115・・・方向
200・・・UV照射室
201・・・UVランプ格納室
202・・・熱線カットフィルター
203・・・吸引口
204・・・第1の吸引部
205・・・第2の吸引部
206・・・吸引口

Claims (11)

  1. 基材上にUV塗工材料を塗布する塗工部と、
    前記UV塗工材料が塗工された前記基材が照射室入り口部から搬入され照射室出口部から搬出されるUV照射室と、
    前記UV照射室の前記照射室入り口部と前記照射室出口部の間に配置されて前記UV塗工材料に紫外線を照射するUV照射部と、
    前記UV照射室に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と
    を有し、前記UV照射室内の前記UV照射室出口部近傍の酸素濃度が、前記UV照射室内の前記UV照射室入り口部近傍の酸素濃度よりも小さいことを特徴とするUV硬化型塗工装置。
  2. 前記UV照射室内の前記UV照射室入り口部から前記UV照射室出口部に向かうにつれて、前記酸素濃度が徐々に小さくなることを特徴とする請求項1記載のUV硬化型塗工装置。
  3. 前記不活性ガス供給部が、前記UV照射部と前記UV照射室出口部との間に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のUV硬化型塗工装置。
  4. 前記不活性ガスが前記基材の搬送方向と逆向きに供給されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のUV硬化型塗工装置。
  5. 前記UV照射室入り口部及び前記UV照射室出口部に前記UV照射室から突出するツバを設けることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のUV硬化型塗工装置。
  6. 前記照射室入り口部と前記UV照射部との間に設けられた第1の間仕切り部を更に有し、
    前記第1の間仕切り部と前記基材との隙間が、前記UV照射部と前記基材との隙間より狭いことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のUV硬化型塗工装置。
  7. 前記照射室入り口部と前記第1の間仕切り部との間に吸引口を備える第1の吸引部を更に有することを特徴とする請求項6記載のUV硬化型塗工装置。
  8. 前記第1の吸引部の気体吸引量は、前記不活性ガス供給部から供給される前記不活性ガスの供給量より小さいことを特徴とする請求項7記載のUV硬化型塗工装置。
  9. 前記UV照射部の周囲に設けられる前記第1の間仕切り部と異なる第2の間仕切り部と、
    前記第2の間仕切り部と隣接して設けられて吸気口を備える第2の吸引部と
    を更に有することを特徴とする請求項7記載のUV硬化型塗工装置。
  10. 前記第1及び第2の吸引部を合わせた気体吸引量は、前記不活性ガス供給部から供給される前記不活性ガスの供給量より小さいことを特徴とする請求項9記載のUV硬化型塗工装置。
  11. 基材上にUV塗工材料を塗布する工程と、
    前記UV塗工材料が塗布された前記基材をUV照射室の照射室入り口部から搬入し前記UV照射室の照射室出口部から搬出する工程と、
    少なくとも前記基材が前記UV照射室内を搬送されている間に前記UV照射室に不活性ガスを供給する工程と、
    前記照射室入り口部と前記照射室出口部の間で前記UV塗工材料に紫外線を照射する工程と
    を有し、前記UV照射室内の前記UV照射室出口部近傍の酸素濃度が、前記UV照射室内の前記UV照射室入り口部近傍の酸素濃度よりも小さいことを特徴とするUV硬化型塗工方法。
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