JP2015053887A - 細胞培養容器用ラベル - Google Patents

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Abstract

【課題】細胞培養容器本体に情報を読み取りやすい状態で貼付でき、かつ貼付後に記入することが可能な細胞培養容器用ラベルを提供することを目的とする。【解決手段】底部と側壁と開口部を有する細胞培養容器の底部外側又は側壁外側に貼付するためのラベルであって、シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備え、剥離基材を粘着層から少なくとも部分的に剥離したときに、粘着層が形成されていない露出面が記入領域を構成し、剥離基材を少なくとも部分的に剥離することにより露出する粘着層露出面を細胞培養容器の底部外側又は側壁外側に貼付したときに、細胞培養容器の開口部側からの上面視において、底部外周より外側に記入領域が存在するよう構成される、ラベルに関する。【選択図】図1

Description

本発明は、細胞培養容器に貼付するためのラベル、細胞培養容器とラベルのキット、及びラベルが貼付された細胞培養容器に関する。
培養系で精子と卵子とを体外受精させて受精卵(接合子)を作製して、さらに受精卵を卵割、桑実胚、胚盤胞の段階を経て、透明帯から孵化した脱出胚盤胞の段階まで培養することが可能となり、この卵割から胚盤胞の段階にある受精卵を子宮に移植して産子を得る補助的生殖技術(ART)が、家畜領域のみならずヒトの不妊医療でも確立されている。
このような不妊医療及び生殖補助医療などの分野においては、精子、卵子、及び受精卵などの検体の取り違えが問題となっている。特にこの種の治療においては検体を容器から容器へと移し替える回数が多いため、誤って他人の検体を使用してしまう事件も発生しやすい。再生医療などの分野においても、患者から採取した組織や細胞を培養して、再び本人の体内へ移植されるため、検体の取違えを防止することは非常に重要となっている。
このような取り違えを防止するため、通常、容器自体に患者名やIDなどを記入すること、患者名を記載したラベルを貼付することが行われている。また、読み取りの自動化のため、バーコードやICチップなどを用いる手法なども提案されている。
例えば、特許文献1に記載されるように、ラベルを容器側面に貼付すると、ラベルに記載された情報を読み取る時に内容物をこぼす等のリスクが高いため、容器の裏面に貼付するか、容器蓋の表面に貼付する必要があった。しかし、容器蓋にラベルを貼付すると、作業時に別の容器の蓋と取違えるといった本質的な問題があり、容器本体にラベルを貼付することが重要である。また、ラベルを容器に貼り付けた後に患者名等の情報を記入したり、容器を保管場所から取り出した際にその記録を追記したりする場合、容器の側面や裏面にラベルを貼りつけると記入が難しく、実質的に再記入が困難であった。
特許第4862704号公報
本発明は、細胞培養容器本体に情報を読み取りやすい状態で貼付でき、かつ貼付後に記入することが可能な細胞培養容器用ラベルを提供することを目的とする。
本発明者らは、シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備えたラベルにおいて、
剥離基材を粘着層から少なくとも部分的に剥離したときに、剥離基材の粘着層から剥離されない部分の露出面、シート状基材の粘着層が形成されていない側の露出面、又はシート状基材の粘着層が形成されている面のうち粘着層が形成されていない露出面が記入領域を構成し、
剥離基材を粘着層から少なくとも部分的に剥離することにより露出する粘着層露出面を細胞培養容器の底部外側又は側壁外側に貼付したときに、細胞培養容器の開口部側からの上面視において、底部外周より外側に記入領域が存在するよう構成することにより、上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)底部と側壁と開口部を有する細胞培養容器の底部外側又は側壁外側に貼付するためのラベルであって、
シート状基材と、前記シート状基材の片面に形成された粘着層と、前記粘着層を介して前記シート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備え、
前記剥離基材を前記粘着層から少なくとも部分的に剥離したときに、前記剥離基材の前記粘着層から剥離されない部分の露出面、前記シート状基材の前記粘着層が形成されていない側の露出面、又は前記シート状基材の前記粘着層が形成されている面のうち前記粘着層が形成されていない露出面が記入領域を構成し、
前記剥離基材を前記粘着層から少なくとも部分的に剥離することにより露出する粘着層露出面を前記細胞培養容器の底部外側又は側壁外側に貼付したときに、前記細胞培養容器の開口部側からの上面視において、底部外周より外側に前記記入領域が存在するよう構成される、
ラベル。
(2)細胞培養容器の底部外側に貼付するためのラベルであって、
前記剥離基材に切込み線が形成されており、前記剥離基材を前記粘着層から部分的に剥離可能に構成されており、
前記剥離基材の前記粘着層から剥離されない部分の露出面が前記記入領域を構成する、
(1)に記載のラベル。
(3)底部が円形の細胞培養容器の底部外側に貼付するためのラベルであり、
前記剥離基材の切込み線が、前記ラベルを前記細胞培養容器の底部外側に貼付したときに、前記細胞培養容器の円形の底部の外周に沿うように円弧状に形成されている、
(2)に記載のラベル。
(4)底部の中央部に透過観察可能な培養領域を有する細胞培養容器の底部外側に貼付するためのラベルであり、
前記ラベルを前記細胞培養容器の底部外側に貼付したときに、前記培養領域に対応する領域にカット部分を有する、
(2)又は(3)に記載のラベル。
(5)前記シート状基材と前記粘着層が透明である、(1)〜(4)のいずれかに記載のラベル。
(6)底部と側壁と開口部を有する細胞培養容器、及び
シート状基材と、前記シート状基材の片面に形成された粘着層と、前記粘着層を介して前記シート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備えるラベルであって、
前記剥離基材を前記粘着層から少なくとも部分的に剥離したときに、前記剥離基材の前記粘着層から剥離されない部分の露出面、前記シート状基材の前記粘着層が形成されていない側の露出面、又は前記シート状基材の前記粘着層が形成されている面のうち前記粘着層が形成されていない露出面が記入領域を構成し、
前記剥離基材を前記粘着層から少なくとも部分的に剥離することにより露出する粘着層露出面を前記細胞培養容器の底部外側又は側壁外側に貼付したときに、前記細胞培養容器の開口部側からの上面視において、底部外周より外側に前記記入領域が存在するよう構成されるラベル、
を含むキット。
(7)前記細胞培養容器が底部の中央部に透過観察可能な培養領域を有する、(6)に記載のキット。
(8)底部と側壁と開口部を有する細胞培養容器であって、その底部外側又は側壁外側にラベルが貼付され、
前記ラベルが、シート状基材と、前記シート状基材の片面に形成された粘着層と、前記粘着層を介して前記シート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備え、
前記剥離基材を前記粘着層から少なくとも部分的に剥離することにより露出する粘着層露出面が前記細胞培養容器の底部外側又は側壁外側に貼付されており、
前記剥離基材の前記粘着層から剥離されない部分の露出面、前記シート状基材の前記粘着層が形成されていない側の露出面、又は前記シート状基材の前記粘着層が形成されている面のうち前記粘着層が形成されていない露出面が記入領域を構成しており、
前記細胞培養容器の開口部側からの上面視において、底部外周より外側に前記ラベルの記入領域が存在する、
前記細胞培養容器。
(9)細胞培養容器が、底部の中央部に透過観察可能な培養領域を有する、(8)に記載の細胞培養容器。
本発明により、細胞培養容器本体に情報を読み取りやすい状態で貼付でき、かつ貼付後に記入することが可能な細胞培養容器用ラベルが提供され、不妊医療、生殖補助医療及び再生医療などの分野において、検体の取違えの問題を回避できる。
本発明のラベルの一実施形態の上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から部分的に剥離したときの、シート状基材と反対側からの上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から部分的に剥離したときの、垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の容器開口部側からの上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルを細胞培養容器の側壁外側に貼付した状態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態の上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から剥離したときの、シート状基材と反対側からの上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から剥離したときの、垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の容器開口部側からの上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルを細胞培養容器の側壁外側に貼付した状態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態の上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の容器開口部側からの上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態の上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の容器開口部側からの上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の垂直断面図を示す概略図である。
以下、本発明について説明する。
一実施形態においてラベルは、底部と側壁と開口部を有する細胞培養容器の底部外側又は側壁外側に貼付するためのものであり、
シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備え、
剥離基材を粘着層から少なくとも部分的に剥離したときに、剥離基材の粘着層から剥離されない部分の露出面、シート状基材の粘着層が形成されていない側の露出面、又はシート状基材の粘着層が形成されている面のうち粘着層が形成されていない露出面が記入領域を構成し、
剥離基材を粘着層から少なくとも部分的に剥離することにより露出する粘着層露出面を細胞培養容器の底部外側又は側壁外側に貼付したときに、細胞培養容器の開口部側からの上面視において、底部外周より外側に記入領域が存在するよう構成される。
一実施形態においてラベルは、当技術分野で通常用いられる底部と側壁と開口部を有する細胞培養容器に貼付可能である。例えば、底部で細胞を培養することが可能な汎用のシャーレに貼付することができる。汎用のシャーレとしては、開口部及び底部が好ましくは円形で、開口幅が、好ましくは30〜60mm、特に35mmのものが挙げられる。一実施形態においてラベルは、細胞培養容器の底部外側又は側壁外側に貼付するように構成されている。底部外側とは、細胞培養容器において細胞を配置して培養する底部の容器内側に対し、その反対側、換言すれば容器の裏側をさす。側壁外側とは、細胞培養容器において細胞や培養液を収容する容器収容部の内側に対し、その反対側、換言すれば容器収容部の外側をさす。以下、細胞培養容器を単に容器と称する場合がある。
一実施形態においてラベルは、好ましくは底部が円形の細胞培養容器の底部外側に貼付するために、好適に用いられる。一実施形態においてラベルはまた、底部の中央部に透過観察可能な培養領域を有する細胞培養容器の底部外側に貼付するために、好適に用いられる。培養領域は、細胞培養容器の底部において細胞を配置して培養する領域である。中央部とは、底部において厳密な中央である必要はなく、底部の端でなければよい。培養領域は、培養時及び観察時の操作性の観点から、慣用の細胞培養容器において中央部に配置される場合が多い。ラベルが透明な場合は問題ないが、ラベルが透明でない場合は、ラベルを底部外側に貼付する際にラベルと培養領域とが重ならないように貼付することが好ましい。したがって、ラベルを底部外側に貼付する際に、わかりやすいように、底部のその他領域と視認可能に区別されていることが好ましい。例えば、培養領域を内壁で囲むことにより区別されていてもよいし、単に線で囲むことにより区別されていてもよい。
培養領域は、細胞培養容器の底部の中央部に位置し、透過観察可能な領域であることが好ましい。透過観察可能な培養領域は、好ましくは透明であり、好ましくは透明材料で構成されており、顕微鏡観察において、光を培養領域に透過させて観察する際に観察しやすいため好ましい。透明には半透明も包含され、透明材料には半透明材料も包含される。ラベルは、好ましくは、当該培養領域の透過観察性を阻害しないように構成され及び/又は貼付される。細胞培養容器の底部の培養領域以外の部分も、透明であってもよく、細胞培養容器の全体が透明の材料で形成されていてもよい。当技術分野で慣用されるシャーレ等の細胞培養容器は、全体が透明であることが多いので、一実施形態においてラベルは、慣用のシャーレに好適に用いることができる。
一実施形態においてラベルは、シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備える。ラベルの形状は特に制限されないが、細胞培養容器に貼付したときに、底部外周より外側に記入領域が存在することから、細長い形状が好ましく、例えばストリップ状である。具体的には、細長い円形(楕円形など)及び多角形(長方形など)が挙げられ、好ましくは長方形である。ラベルの長手方向の長さ(長方形の場合は長辺の長さ)は好ましくは1〜10cmであり、ラベルの幅(長方形の場合は短辺の長さ)は好ましくは0.5〜5cmである。ラベルは、長手方向が、底部外周より外側にはみ出すように貼付されることが好ましい。このような大きさであれば、記入するのに十分なスペースが確保でき、かつ設置時や作業時に邪魔にならない。
剥離基材を粘着層から少なくとも部分的に剥離したときに、剥離基材の粘着層から剥離されない部分の露出面、シート状基材の粘着層が形成されていない側の露出面、又はシート状基材の粘着層が形成されている面のうち粘着層が形成されていない露出面が記入領域を構成する。剥離基材を粘着層から部分的に剥離する態様においては、剥離基材には、好ましくは切込み線(例えば、ハーフカット)が形成されている。切込み線を形成することにより、剥離基材の部分的な剥離を容易に実施できる。切込み線は、ミシン目状でもよい。
剥離基材を少なくとも部分的に剥離することにより露出する粘着層露出面を細胞培養容器の底部外側又は側壁外側に貼付したときに、細胞培養容器の開口部側からの上面視において、底部外周より外側に記入領域が存在するよう構成される。底部外周より外側に記入領域が存在するとは、ラベルの粘着層露出面を細胞培養容器に貼付したときに、記入領域が、底部外周から外側にはみ出していることをさす。記入領域が底部外周から外側にはみ出すようにラベルを貼付可能なことから、ラベルの貼付後に情報を追記することが可能である。また、容器側壁に単に貼付したラベルに追記する場合(すなわち、容器側壁に追記する場合)とは異なり、細胞培養容器を持ち上げることなく置いたままの状態で追記できるため、培養液等が容器からこぼれるリスクや、容器底部で受精卵等の細胞が動いて個々の細胞を特定できなくなるリスクを回避できる。
記入領域は、底部外周より外側一方向に存在することが好ましい。外側一方向とは、底部外周より外側へのはみ出しが一方向のみであり、二方向以上にはみ出していないことをさす。例えば、ストリップ状のラベルを細胞培養容器に貼付したときに、はみ出した一方向と逆側から持つことで、ラベルと干渉することがなく持ちやすい。また、情報を一か所に集約することで、見やすいという効果もある。
記入領域は、必要な情報、例えば、ラベルを貼付する細胞培養容器で培養される検体の情報を記入するための領域である。情報は、記入済みであってもよいし、使用者がラベルを貼付する前に記入してもよい。剥離基材を剥離することにより露出する粘着層露出面を細胞培養容器の底部外側に貼付する場合は、剥離基材の粘着層から剥離されない部分の露出面又はシート状基材の粘着層が形成されている面のうち粘着層が形成されていない露出面が記入領域となる。その場合、ラベルは折り曲げずに、容器の底部外側と粘着層露出面が接触するように貼付する。一方、剥離基材を剥離することにより露出する粘着層露出面を細胞培養容器の側壁外側に貼付する場合は、シート状基材の粘着層が形成されていない側の露出面が記入領域となる。その場合、ラベルを、粘着層露出面が外側となるように、粘着層露出面とその他の部分の境目付近で折り曲げて(好ましくは直角に、シート状基材側から見て谷折り)、粘着層露出面を容器の側壁外側に貼付するとともに、ラベルの貼付部分以外の部分が容器底部外側とほぼ同一の平面上に配置されるようにする。粘着層露出面とその他の部分の境目で厳密に折り曲げる必要はないが、粘着層露出面がすべて容器の側壁外側に貼付されることが、操作性の観点から好ましい。粘着層露出面が余っていると、実験台等に接着してしまったり、汚染物質が接着してしまったりする可能性があるためである。これらの態様のいずれにおいても、ラベルを貼付した状態の細胞培養容器を台などの面上に配置すると、ラベルの記入領域も台の面上で露出した状態で、すなわち容器開口部側からの上面視において露出した状態で配置されるため、ラベルを貼付した状態のまま記入領域へ記入することができる。すなわち、細胞培養容器もラベルも同一の面上に接地されるため、記入領域への記入が容易に実施できる。
記入領域に記入される情報としては、例えば、患者名、患者識別番号(カルテ番号や培養管理番号など)、検体名、日付、処理工程名などが挙げられる。また、バーコードやQRコード、アノトドット等の識別記号が記入/印字されていてもよい。これらの情報は、内容によって記入領域に事前に記入されていてもよいし、使用者が記入してもよいし、事前に記入された情報に使用者が追記してもよい。また、ラベルを容器に貼付した状態で、記入領域が透明な場合(例えば、シート状基材や粘着層が透明な場合)は、容器の底部外側に貼付する場合はシート状基材の粘着層が形成されていない側の露出面に、容器の側壁外側に貼付する場合は剥離基材の粘着層から剥離されない部分の露出面又はシート状基材の粘着層が形成されていない側の露出面に、細胞培養容器側から観察して情報を視認できるように、反転した文字等で印字してもよい。その場合、反転した文字等は、使用者が記入するのは困難なため、予め印字されていることが好ましい。
粘着層露出面は、剥離基材が粘着層から剥離されることにより粘着層が露出した領域であり、粘着層露出面を介してラベルを細胞培養容器の底部外側又は側壁外側に貼付することができる。一実施形態において剥離基材は、好ましくは粘着層から部分的に剥離可能なように切込み線が形成されており、剥離基材が切込み線に沿って部分的に剥離されることにより、粘着層が部分的に露出して粘着層露出面を形成する。その場合、好ましくは、粘着層はシート状基材の片面の全面に形成されており、剥離基材の剥離前において、粘着層の全面に剥離基材が配置されており、その一部が切込み線に沿って剥離される。別の実施形態においては、粘着層がシート状基材の片面に部分的に形成されており、部分的に形成された粘着層の全面に配置された剥離基材がすべて剥離されることにより粘着層が露出した領域が粘着層露出面となる。
粘着層露出面を介してラベルを細胞培養容器の底部又は側壁に貼付したときの、細胞培養容器の開口部側からの上面視において、底部外周より外側に記入領域を存在させる観点から、粘着層露出面は、ラベルの端部に形成される構成とすることが好ましい。好ましくは長方形のラベルにおける、片方の短辺に沿って帯状に粘着層露出面が存在する構成が好ましい。粘着層露出面の面積が大きいほどラベルを安定に容器に貼付することができ、作業中のラベルがはがれてしまうリスクを低減することができる。一方、粘着層露出面の面積が小さいほど、その残りの部分である記入領域の面積が大きくなるので、多くの情報を記入することができる。したがって、記入すべき情報量を考慮しつつ、粘着層露出面の面積を調整することが好ましい。例えば、ラベルの面積に対する粘着層露出面の面積は、好ましくは10〜80%、より好ましくは20〜50%である。また、ラベルを安定に貼付する観点から、粘着層露出面の面積は、好ましくは0.4〜9cmである。
一実施形態においては、シート状基材と粘着層が透明であり、好ましくは透明材料からなり、粘着層露出面が透明であることが好ましい。透明とは透過観察可能な程度に透明であればよく半透明も包含される。透明材料には半透明材料も包含される。粘着層露出面が透明であれば、ラベルを細胞培養容器の底部に貼付する場合に、培養領域と粘着層露出面が重なっても培養領域における検体の観察が阻害されない。したがって、粘着層露出面、すなわち粘着面を広くとることができ、ラベルを安定に貼付することができる。例えば、ラベルを細胞培養容器の底部に貼付したときに、細胞培養容器の底部のほぼ全面が(例えば、70%以上、80%以上、又は90%以上)が粘着層露出面と接触するような構成とすることができる。細胞培養容器の底部外周が円形である場合は、ラベルの粘着層露出面も円形であることが好ましい。
剥離基材に切込み線が形成されており、剥離基材を切込み線に沿って部分的に剥離し、粘着層露出面を細胞培養容器の底部外側に貼付することにより、剥離基材の粘着層から剥離されない部分の露出面を記入領域とする実施形態において、剥離基材の切込み線は、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付したときに、細胞培養容器の底部形状の外周に沿うように形成されていることが好ましい。底部が円形の細胞培養容器の底部外側に貼付する場合は、剥離基材の切込み線が、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付したときに、細胞培養容器の円形の外周に沿うように、例えば半円状などの円弧状に形成されていることが好ましい。それにより、ラベル貼付時に、粘着層と容器底部とが接触する面積を広くとることができ、より安定な貼付が可能になる。粘着層がシート状基材の片面に部分的に形成されている場合は、粘着層露出面と記入領域との境目が、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付したときに、細胞培養容器の円形の外周に沿うように、例えば半円状などの円弧状に形成されていることが好ましい。
また、底部の中央部に透過観察可能な培養領域を有する細胞培養容器の底部外側に貼付するためのラベルは、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付したときに、培養領域に対応する領域、すなわち培養領域と重なる領域にラベルが存在しないようなカット部分を有することが好ましい。カット部分を有するとは、換言すれば、ラベルが凹み又は欠けを有するような形状であることをさす。ラベルは粘着層露出面を介して底部外側に貼付され、培養領域に対応する領域にカット部分が存在することから、カット部分は粘着層露出面に存在することが好ましい。例えば、底部中央に円形の培養領域を有する細胞培養容器に長方形のラベルを貼付する態様においては、貼付時に円形の培養領域と長方形のラベルとが重ならないように、円形の培養領域に対応する形状のカット部分が形成されていることが好ましい。その場合、カット部分の形状は、培養領域全体と対応する円形であってもよいし、培養領域と部分的に対応する円が欠けた形状であってもよい。カット部分が存在することにより、ラベルを容器底部に貼付した状態でも、培養領域とラベルの重なりがないため、培養領域内の検体の観察が阻害されない。
一実施形態においてラベルは、当技術分野で通常用いられる方法で、シート状基材の片面に粘着層を形成し、粘着層を介してシート状基材と剥離可能に剥離基材を配置することにより製造することができる。一実施形態において粘着層は、シート状基材の片面の全面に形成され、剥離基材も剥離前において、粘着層の全面に配置される。別の実施形態において粘着層は、シート状基材の片面の一部、好ましくは端部に形成され、剥離基材は剥離前において、粘着層の全面に配置される。
シート状基材は、特に制限されないが、例えば、紙及びプラスチックフィルムなどを使用することができる。紙としては、上質紙、コート紙、クラフト紙、アート紙、その他各種板紙、加工紙、合成紙などが使用できる。シート状基材は、耐水性を有する材料であることが好ましい。耐水性とすることにより、高湿度な環境でも利用可能であるとともに、作業時に培養液や水が接触しても、損傷を回避できる。シート状基材が記入領域を構成する実施形態においては、シート状基材のうち少なくとも記入領域を構成する領域については、記入可能な材料で形成されていることが好ましい。記入領域を構成する領域の表面のみ、記入可能な材料で形成されていてもよい。記入可能な材料の具体例としては、例えば、日清紡ポスタルケミカル株式会社製レーザーピーチ紙などが挙げられる。耐水性のある記入可能な材料としては、例えば、ユポコーポレーション社製ユポ(登録商標)紙などが挙げられる。
粘着層に用いる粘着剤としては、特に制限されないが、例えば、天然ゴム、ブタジエン−スチレンゴム、アクリルゴムなどの合成ゴムを主成分とするゴム系粘着剤、アクリル酸、アクリル酸ブチルなどを主成分とするアクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、フッ素系粘着剤などの通常使用されている粘着剤が使用される。中でもゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤が一般的に使用される。粘着層は、再貼付可能な弱粘着性の粘着剤で形成されていてもよい。弱粘着性の粘着剤で粘着層を形成することにより、ラベルを容器に一度貼付した後にラベルを容器から剥がして記入し、再度貼付することができる。それにより、貼り付けミスがあった際に、容器を捨てることなく貼り直せること、また、記入ミスがあった際にも、内容物を別の容器に移し替えることなく記載を修正したものを貼り直せることなどの利点がある。
粘着剤を塗布する方法としては、例えば、ロールコーター、リバースロールコーター、ダイコーター、コンマーコーターなどを使用することができる。また粘着剤の粘度によっては、グラビアコーター、ブレードコーターなどが使用できる。
剥離基材は、特に制限されないが、例えば、プラスチックフィルムを使用できる。また、グラシン紙、クラフト紙などにシリコン膜を剥離層として形成したものも好適に使用できる。また紙と剥離層の間に樹脂ラミネート層を有するものも使用できる。またプラスチックフィルムにシリコン膜を剥離層として形成したものも使用できる。剥離基材は、耐水性を有する材料であることが好ましい。耐水性とすることにより、高湿度な環境でも利用可能であるとともに、作業時に培養液や水が接触しても、損傷を回避できる。剥離基材における切込み線を形成する方法として、所望する形状の抜き刃、ハーフカット刃を木型に埋め込んだトムソン抜き型や、金型を用いてプレスすることにより形成することができる。
本発明はまた、底部と側壁と開口部を有する細胞培養容器及び上記ラベルを含むキット、ならびに底部と側壁と開口部を有する細胞培養容器であって、その底部外側又は側壁外側に上記ラベルが貼付され、細胞培養容器の開口部側からの上面視において、底部外周より外側にラベルの記入領域が存在する細胞培養容器に関する。
細胞培養容器の形状等については、上述のとおりであり、その材質は、特に制限されない。具体的には、金属、ガラス、及びシリコン等の無機材料、プラスチック(例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)で代表される有機材料を挙げることができる。細胞培養容器は、当業者に公知の方法で製造することができる。例えば、プラスチック材料からなる培養容器を製造する場合には、慣用の成形法、例えば射出成形により製造することができる。
細胞培養容器は、培養細胞の非特異的接着を防止したり、また培養液のドロップが表面張力によって偏ることを防止したりする観点から、内側にプラズマ処理などの表面親水化処理をすることが好ましい。さらにγ線滅菌などの滅菌処理されていることがより好ましい。ラベルを貼付した細胞培養容器も同様に滅菌処理されていることが好ましい。滅菌前の容器に付着している菌数(バイオバーデン数)は、100cfu/容器以下であることが好ましい。ラベルもまた滅菌処理を施されていることが好ましく、包装袋に包まれた状態で滅菌処理されていることがさらに好ましい。滅菌前のラベルは、付着している菌数(バイオバーデン数)が1000cfu/ラベル以下であることが好ましく、100cfu/ラベル以下であることがさらに好ましい。滅菌前の菌数が少ない方が、照射線量をあまり上げずに滅菌が可能となり、ラベル材料の制約が生じにくいという利点がある。例えば、ガンマ線耐性の低い材料も使うことができる。また、ラベル側の菌数が大きいと、容器単体を滅菌するための最低限のガンマ線照射量よりも過剰に照射することが必要となり、容器材料のガンマ線耐性の観点での制約も生じてしまう。ラベル側も、容器と同じ程度以下の菌数であることで、容器とラベルを同じ包装袋に入れたとしても照射線量に制約が生じない。
細胞培養容器は、受精卵の発育を促進するような表面処理又は表面コートがなされていてもよい。特に、受精卵の発育を促進するために、他の器官の細胞(例えば、子宮内膜細胞や卵管上皮細胞)と共培養をする場合、これらの細胞をあらかじめ培養容器に接着させる必要がある。このような場合に、培養容器の内側表面に細胞接着性の材料をコートすると有利である。
培養対象となる細胞は、特に制限されないが、例えば、受精卵、卵細胞、ES細胞(胚性幹細胞)及びiPS細胞(人工多能性幹細胞)が挙げられる。卵細胞は、未受精の卵細胞をさし、未成熟卵母細胞及び成熟卵母細胞が含まれる。受精卵は、受精後、卵割により2細胞期、4細胞期、8細胞期と細胞数が増えていき、桑実胚を経て、胚盤胞へと発生する。受精卵には、2細胞胚、4細胞胚及び8細胞胚などの初期胚、桑実胚、胚盤胞(初期胚盤胞、拡張胚盤胞及び脱出胚盤胞を含む)が含まれる。胚盤胞は、胎盤を形成する潜在能力がある外部細胞と胚を形成する潜在能力がある内部細胞塊からなる胚を意味する。ES細胞は胚盤胞の内部細胞塊から得られる未分化な多能性又は全能性細胞をさす。iPS細胞は、体細胞(主に線維芽細胞)へ数種類の遺伝子(転写因子)を導入することにより、ES細胞に似た分化万能性を持たせた細胞をさす。すなわち、細胞には、受精卵や胚盤胞のように複数の細胞の集合体も包含される。
細胞培養容器は、好ましくは哺乳動物及び鳥類の細胞、特に哺乳動物の細胞の培養に好適である。哺乳動物は、温血脊椎動物をさし、例えば、ヒト及びサルなどの霊長類、マウス、ラット及びウサギなどの齧歯類、イヌ及びネコなどの愛玩動物、ならびにウシ、ウマ及びブタなどの家畜が挙げられる。
以下、図面を参照することにより、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されない。
本発明のラベルの一実施形態を図1〜図7に示す。図1は、ラベルを剥離基材側から見た上面視である。その垂直断面図を図2に示す。この実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から部分的に剥離したときの、シート状基材と反対側からの上面視を図3に示し、その垂直断面図を図4に示す。また、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の容器開口部側からの上面視を図5に示し、その垂直断面図を図6に示す。
図1及び図2に示すとおり、ラベル1は、長方形のストリップ状であり、シート状基材2と、シート状基材2の片面に形成された粘着層3と、粘着層3を介してシート状基材2と剥離可能に接着される剥離基材4(4a及び4b)とを備える。剥離基材4は、切込み線(ハーフカット)7が形成されており、剥離基材を粘着層から部分的に剥離可能に構成されている。粘着層はシート状基材の片面の全面に形成されており、剥離基材の剥離前において、粘着層の全面に剥離基材が配置されている。そして、図3及び4に示すように、剥離基材4の一部(4a)を粘着層3から剥離したときに、剥離基材の粘着層から剥離されない部分(4b)の露出面が記入領域5を構成する。粘着層露出面6は、ラベルの端部に形成され、長方形のラベルにおける、片方の短辺に沿って帯状に存在する。そして、図5及び6に示すように、剥離基材4の一部(4a)を剥離することにより露出する粘着層露出面6を細胞培養容器8の底部外側9’に貼付したときに、細胞培養容器の開口部11側からの上面視において、底部外周より外側一方向に記入領域5が存在するよう構成される。ラベルは折り曲げずに、容器の底部外側9’と粘着層露出面6が接触するように貼付される。
細胞培養容器8は、底部9と側壁10と開口部11を有し、底部9の外周が円形であり、その中央に円形の培養領域12を有し、培養領域12を囲む内壁13を有する。細胞培養容器は、培養領域を含めて全体が透明な材料で構成されていることが好ましい。本実施形態においては、ラベルを貼付した状態で、ラベルと培養領域は重なっていないので、ラベルのシート状基材及び粘着領域は透明でなくてもよいが、透明であってもよい。
上記ラベルを、細胞培養容器8の側壁10の外側に貼付した場合の垂直断面図を図7に示す。剥離基材を部分的に剥離することにより露出する粘着層露出面6を細胞培養容器8の側壁10外側に貼付する場合は、シート状基材2の粘着層3が形成されていない側の露出面が記入領域5となる。その場合、ラベルを、粘着層露出面6が外側となるように、粘着層露出面6とその他の部分の境目で直角に折り曲げて(シート状基材側から見て谷折り)、粘着層露出面6を容器の側壁10外側に貼付するとともに、ラベルの貼付部分以外の部分、すなわち記入領域5が容器底部外側9’とほぼ同一の平面上に配置されるようにする。
本発明のラベルの別の実施形態を図8〜図14に示す。図8は、ラベルを剥離基材側から見た上面視である。その垂直断面図を図9に示す。この実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から剥離したときの、シート状基材と反対側からの上面視を図10に示し、その垂直断面図を図11に示す。また、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の容器開口部側からの上面視を図12に示し、その垂直断面図を図13に示す。
上記実施形態と同様に、ラベル1は、長方形のストリップ状であり、シート状基材2と、シート状基材2の片面に形成された粘着層3と、粘着層3を介してシート状基材2と剥離可能に接着される剥離基材4とを備える。この実施形態では、粘着層はシート状基材の片面の端部に部分的に形成されており、剥離基材の剥離前において、粘着層の全面に剥離基材が配置されている。そして、図10及び11に示すように、剥離基材4を粘着層3から剥離することにより露出した部分が、粘着層露出面6となる。粘着層3及び粘着層露出面6は、ラベルの端部に形成され、長方形のラベルにおける、片方の短辺に沿って帯状に存在する。また、シート状基材2の粘着層3が形成されている面のうち粘着層3が形成されていない露出面が記入領域5を構成する。そして、図12及び13に示すように、剥離基材4を剥離することにより露出する粘着層露出面6を細胞培養容器8の底部外側9’に貼付したときに、細胞培養容器の開口部11側からの上面視において、底部外周より外側一方向に記入領域5が存在するよう構成される。ラベルは折り曲げずに、容器の底部外側9’と粘着層露出面6が接触するように貼付される。細胞培養容器8は、上記実施形態と同様である。
上記ラベルを、細胞培養容器8の側壁10の外側に貼付した場合の垂直断面図を図14に示す。剥離基材を剥離することにより露出する粘着層露出面6を細胞培養容器8の側壁10外側に貼付する場合は、シート状基材2の粘着層3が形成されていない側の露出面が記入領域5となる。その場合、ラベルを、粘着層露出面6が外側となるように、粘着層露出面6とその他の部分の境目で直角に折り曲げて(シート状基材側から見て谷折り)、粘着層露出面6を容器の側壁10外側に貼付するとともに、ラベルの貼付部分以外の部分、すなわち記入領域5が容器底部外側9’とほぼ同一の平面上に配置されるようにする。本実施形態においても、ラベルを貼付した状態で、ラベルと培養領域は重なっていないので、ラベルのシート状基材及び粘着領域は透明でなくてもよいが、透明であってもよい。
図15、16及び図17に、ラベルのシート状基材2と粘着層3が透明材料からなり、粘着層露出面6が透明であり、ラベル1を細胞培養容器8の底部外側9’に貼付したときに、細胞培養容器8の底部のほぼ全面が粘着層露出面6と接触する場合の実施形態を示す。図15は、剥離基材4(4a及び4b)を剥離する前のラベルを、剥離基材側から見た上面視である。ラベル1は、長方形と円形が接続した形状のストリップ状であり、シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材と剥離可能に接着される剥離基材4(4a及び4b)とを備える。粘着層はシート状基材の片面の全面に形成されており、剥離基材の剥離前において、粘着層の全面に剥離基材が配置されている。剥離基材4には、切込み線(ハーフカット)7が形成されている。剥離基材4の一部4aを剥離して、粘着層露出面6を細胞培養容器の底部外側に貼付したときに、細胞培養容器の円形の外周に沿うように、切込み線7は、半円状に形成されている。図16に、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の容器開口部側からの上面視を示し、図17に、その垂直断面図を示す。この実施形態では、細胞培養容器8の底部外周が円形であり、ラベルの剥離基材の剥離される部分4a及び粘着層露出面6も円形である。細胞培養容器8は、上記実施形態と同様である。ラベルの粘着層露出面と培養領域が重なっているが、シート状基材と粘着層が透明材料からなることから、培養領域における検体の観察を阻害することはない。また、細胞培養容器の底部のほぼ全面が粘着層露出面と接触することから、ラベルの安定な貼付が可能となる。
図18、図19及び図20に、細胞培養容器の底部外側に貼付したときに、培養領域に対応する領域にラベルが存在しないようなカット部分を有するラベルの実施形態を示す。この実施形態において、ラベルが貼付される細胞培養容器は、底部が円形であり中央部に透過観察可能な培養領域を有する。ラベル1は、シート状基材2と、シート状基材2の片面に形成された粘着層3と、粘着層3を介してシート状基材と剥離可能に接着される剥離基材4(4a及び4b)とを備える。粘着層3はシート状基材2の片面の全面に形成されており、剥離基材4の剥離前において、粘着層3の全面に剥離基材4が配置されている。剥離基材4には、切込み線(ハーフカット)7が形成されている。剥離基材4の一部4aを剥離して、粘着層露出面6を細胞培養容器の底部外側に貼付したときに、細胞培養容器の円形の外周に沿うように、切込み線7は、円弧状に形成されている。図18は、剥離基材4(4a及び4b)を剥離する前のラベルを、剥離基材側から見た上面視である。図19に、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の容器開口部側からの上面視を示し、図20に、その垂直断面図を示す。細胞培養容器8は、上記実施形態と同様である。ラベル1は、長方形のストリップ形状において、培養領域と部分的に対応する円が欠けた形状のカット部分14を有する。本実施形態では、カット部分14は、剥離基材の剥離される部分4a及びその剥離後の粘着層露出面6に存在する。ラベルは、培養領域とカット部分が重なるように貼付され、カット部分には、シート状基材も粘着層も剥離基材も存在しないことから、培養領域における検体の観察を阻害することはない。また、細胞培養容器の底部と粘着層露出面との接触面積を広くとれることから、ラベルの安定な貼付が可能となる。
1:ラベル
2:シート状基材
3:粘着層
4:剥離基材
5:記入領域
6:粘着層露出面
7:切込み線
8:細胞培養容器
9:底部
9’:底部外側
10:側壁
11:開口部
12:培養領域
13:内壁
14:カット部分

Claims (9)

  1. 底部と側壁と開口部を有する細胞培養容器の底部外側又は側壁外側に貼付するためのラベルであって、
    シート状基材と、前記シート状基材の片面に形成された粘着層と、前記粘着層を介して前記シート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備え、
    前記剥離基材を前記粘着層から少なくとも部分的に剥離したときに、前記剥離基材の前記粘着層から剥離されない部分の露出面、前記シート状基材の前記粘着層が形成されていない側の露出面、又は前記シート状基材の前記粘着層が形成されている面のうち前記粘着層が形成されていない露出面が記入領域を構成し、
    前記剥離基材を前記粘着層から少なくとも部分的に剥離することにより露出する粘着層露出面を前記細胞培養容器の底部外側又は側壁外側に貼付したときに、前記細胞培養容器の開口部側からの上面視において、底部外周より外側に前記記入領域が存在するよう構成される、
    ラベル。
  2. 細胞培養容器の底部外側に貼付するためのラベルであって、
    前記剥離基材に切込み線が形成されており、前記剥離基材を前記粘着層から部分的に剥離可能に構成されており、
    前記剥離基材の前記粘着層から剥離されない部分の露出面が前記記入領域を構成する、
    請求項1に記載のラベル。
  3. 底部が円形の細胞培養容器の底部外側に貼付するためのラベルであり、
    前記剥離基材の切込み線が、前記ラベルを前記細胞培養容器の底部外側に貼付したときに、前記細胞培養容器の円形の底部の外周に沿うように円弧状に形成されている、
    請求項2に記載のラベル。
  4. 底部の中央部に透過観察可能な培養領域を有する細胞培養容器の底部外側に貼付するためのラベルであり、
    前記ラベルを前記細胞培養容器の底部外側に貼付したときに、前記培養領域に対応する領域にカット部分を有する、
    請求項2又は3に記載のラベル。
  5. 前記シート状基材と前記粘着層が透明である、請求項1〜4のいずれかに記載のラベル。
  6. 底部と側壁と開口部を有する細胞培養容器、及び
    シート状基材と、前記シート状基材の片面に形成された粘着層と、前記粘着層を介して前記シート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備えるラベルであって、
    前記剥離基材を前記粘着層から少なくとも部分的に剥離したときに、前記剥離基材の前記粘着層から剥離されない部分の露出面、前記シート状基材の前記粘着層が形成されていない側の露出面、又は前記シート状基材の前記粘着層が形成されている面のうち前記粘着層が形成されていない露出面が記入領域を構成し、
    前記剥離基材を前記粘着層から少なくとも部分的に剥離することにより露出する粘着層露出面を前記細胞培養容器の底部外側又は側壁外側に貼付したときに、前記細胞培養容器の開口部側からの上面視において、底部外周より外側に前記記入領域が存在するよう構成されるラベル、
    を含むキット。
  7. 前記細胞培養容器が底部の中央部に透過観察可能な培養領域を有する、請求項6に記載のキット。
  8. 底部と側壁と開口部を有する細胞培養容器であって、その底部外側又は側壁外側にラベルが貼付され、
    前記ラベルが、シート状基材と、前記シート状基材の片面に形成された粘着層と、前記粘着層を介して前記シート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備え、
    前記剥離基材を前記粘着層から少なくとも部分的に剥離することにより露出する粘着層露出面が前記細胞培養容器の底部外側又は側壁外側に貼付されており、
    前記剥離基材の前記粘着層から剥離されない部分の露出面、前記シート状基材の前記粘着層が形成されていない側の露出面、又は前記シート状基材の前記粘着層が形成されている面のうち前記粘着層が形成されていない露出面が記入領域を構成しており、
    前記細胞培養容器の開口部側からの上面視において、底部外周より外側に前記ラベルの記入領域が存在する、
    前記細胞培養容器。
  9. 細胞培養容器が、底部の中央部に透過観察可能な培養領域を有する、請求項8に記載の細胞培養容器。
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