JP2015053358A - サーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにサーミスタセンサ - Google Patents

サーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにサーミスタセンサ Download PDF

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Abstract

【課題】 高い抵抗、高いB定数及び高い耐熱性を有して信頼性が高いサーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにサーミスタセンサを提供すること。【解決手段】 サーミスタに用いられる金属窒化物材料であって、一般式:TixAly((N1−wCw)1−vOv)z(0.0<w<0.3、0.0<v<0.35、0.70≰y/(x+y)≰0.98、0.45≰z≰0.55、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相である。このサーミスタ用金属窒化物材料の製造方法は、Ti−Al合金ターゲットを用いて窒素、炭素及び酸素含有雰囲気中でアークイオンプレーティング法により成膜する成膜工程を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、高い抵抗値、かつ、高いB定数をもち、さらに高い耐熱性とを有するサーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにサーミスタセンサに関する。
温度センサ等に使用されるサーミスタ材料は、高精度、高感度のために、高いB定数が求められている。従来、このようなサーミスタ材料には、Mn,Co,Fe等の遷移金属酸化物が一般的である(特許文献1〜3参照)。また、これらのサーミスタ材料では、安定なサーミスタ特性を得るために、550℃以上の焼成等の熱処理が必要である。
また、上記のような金属酸化物からなるサーミスタ材料の他に、例えば特許文献4では、一般式:M(但し、MはTa,Nb,Cr,Ti及びZrの少なくとも1種、AはAl,Si及びBの少なくとも1種を示す。0.1≦x≦0.8、0<y≦0.6、0.1≦z≦0.8、x+y+z=1)で示される窒化物からなるサーミスタ用材料が提案されている。また、この特許文献4では、Ta−Al−N系材料で、0.5≦x≦0.8、0.1≦y≦0.5、0.2≦z≦0.7、x+y+z=1としたものだけが実施例として記載されている。このTa−Al−N系材料では、上記元素を含む材料をターゲットとして用い、窒素ガス含有雰囲気中でスパッタリングを行って作製されている。また、必要に応じて、得られた薄膜を350〜600℃で熱処理を行っている。
また、サーミスタ材料とは異なる例として、例えば特許文献5では、一般式:Cr100−x−y(但し、MはTi、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、O、P、Se、Te、Zn、Cu、Bi、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tl、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alおよび希土類元素から選択される1種または2種以上の元素であり、結晶構造が主としてbcc構造または主としてbcc構造とA15型構造との混合組織である。0.0001≦x≦30、0≦y≦30、0.0001≦x+y≦50)で示される窒化物からなる歪センサ用抵抗膜材料が提案されている。この歪センサ用抵抗膜材料は、窒素量x、副成分元素M量yをともに30原子%以下の組成において、Cr− N基歪抵抗膜のセンサの抵抗変化から、歪や応力の計測ならびに変換に用いられる。また、このCr−N−M系材料では、上記元素を含む材料等のターゲットとして用い、上記副成分ガスを含む成膜雰囲気中で反応性スパッタリングを行って作製されている。また、必要に応じて、得られた薄膜を200〜1000℃で熱処理を行っている。
特開2000−068110号公報 特開2000−348903号公報 特開2006−324520号公報 特開2004−319737号公報 特開平10−270201号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
上記従来のサーミスタ材料では、高いB定数が得られるものもあるが、抵抗値が低いという不都合があった。また、従来のサーミスタ材料は、耐熱性が低く、高温環境では抵抗値が大きく変化してしまい測定精度が低くなってしまうという問題もあった。さらに、従来のスピネル酸化物を用いたサーミスタ材料では、550℃以上の熱処理が必要であり、550℃以上の耐熱性を有する基材上にしか成膜ができないため、これよりも低い温度で成膜可能な材料が要望されている。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、高い抵抗、高いB定数及び高い耐熱性を有して信頼性が高いサーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにサーミスタセンサを提供することを目的とする。
本発明者らは、窒化物材料の中でもAlN系に着目し、鋭意、研究を進めたところ、絶縁体であるAlNは、最適なサーミスタ特性(B定数:1000〜6000K程度)を得ることが難しいが、Alサイトを電気伝導を向上させる特定の金属元素で置換すると共に、特定の結晶構造とすることで、良好なB定数と耐熱性とが得られることを見出した。さらに、窒素欠陥をC(炭素)及びO(酸素)で埋めることで、さらに耐熱性が向上することを見出した。
したがって、本発明は、上記知見から得られたものであり、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
すなわち、第1の発明に係るサーミスタ用金属窒化物材料は、サーミスタに用いられる金属窒化物材料であって、一般式:TiAl((N1−w1−v(0.0<w<0.3、0.0<v<0.35、0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.45≦z≦0.55、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相であることを特徴とする。
このサーミスタ用金属窒化物材料では、サーミスタに用いられる金属窒化物材料であって、一般式:TiAl((N1−w1−v(0.0<w<0.3、0.0<v<0.35、0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.45≦z≦0.55、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相であるので、高い抵抗と良好なB定数とが得られると共に高い耐熱性を有している。特に、炭素(C)及び酸素(O)が含まれることで、結晶内の窒素欠陥を炭素及び酸素が埋める、もしくは、格子間炭素及び格子間酸素が導入される等の効果によって耐熱性が向上する。また、従来のスピネル酸化物のサーミスタ材料よりも低い温度で成膜が可能であり、耐熱性の高い絶縁性フィルム等にも成膜することが可能になる。
なお、上記「y/(x+y)」(すなわち、Al/(Ti+Al))が0.70未満であると、ウルツ鉱型の単相が得られず、NaCl型相との共存相又はNaCl型のみの結晶相となってしまい、十分な高抵抗と高B定数とが得られない。
また、上記「y/(x+y)」(すなわち、Al/(Ti+Al))が0.98を超えると、抵抗率が非常に高く、きわめて高い絶縁性を示すため、サーミスタ材料として適用できない。
また、上記「z」(すなわち、(N+C+O)/(Ti+Al+N+C+O))が0.45未満であると、金属の窒化量が少ないため、ウルツ鉱型の単相が得られず、十分な高抵抗と高B定数とが得られない。
また、上記「z」(すなわち、(N+C+O)/(Ti+Al+N+C+O))が0.55を超えると、ウルツ鉱型の単相を得ることができない。このことは、ウルツ鉱型の単相において窒素サイトにおける欠陥がない場合の化学量論比が、N/(Ti+Al+N)=0.5であることと、窒素サイトにおける欠陥を炭素及び酸素が全て補った場合の化学量論比が、(N+C+O)/(Ti+Al+N+C+O)=0.5であることとに起因する。0.5を超えるz量については、格子間に炭素及び格子間酸素が導入されたことと、XPS分析における軽元素(窒素、炭素、酸素)の定量精度とに起因するものである。
また、上記「w」(すなわち、C/(N+C))が0.3以上であると、ウルツ鉱型単相の結晶性の優れた膜を得ることができない。このことは、v=0、y/(x+y)=0、かつ、w=1では、NaCl型構造をもつTiC相であり、v=0、y/(x+y)=1、かつ、w=1では、ウルツ鉱型(六方晶系、空間群P6mc、No.186)とは異なる、Al構造(六方晶系、空間群R−3m、No.166)をとるAl相であることを考慮すると理解できる。
また、本研究において、上記「v」(すなわち、O/(N+C+O))が0.35を超えたウルツ鉱型の単相を得ることができなかった。このことは、v=1、w=0、かつ、y/(x+y)=0では、ルチル型TiO相であり、v=1、w=0、かつ、y/(x+y)=1ではコランダム型Al相であることを考慮すると理解できる。v値が増え、窒素量に対し炭素量及び酸素量が増えると、ウルツ鉱型単相が得ることが困難であることがわかり、本研究では、O/(N+C+O)=0.35まで、ウルツ鉱型単相が得られることを見出している。
第2の発明に係るサーミスタ用金属窒化物材料は、第1の発明において、膜状に形成され、前記膜の表面に対して垂直方向に延在している柱状結晶であることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ用金属窒化物材料では、膜の表面に対して垂直方向に延在している柱状結晶であるので、膜の結晶性が高く、高い耐熱性が得られる。
第3の発明に係るサーミスタセンサは、絶縁性基材と、該絶縁性基材上に第1又は第2の発明のサーミスタ用金属窒化物材料で形成された薄膜サーミスタ部と、少なくとも前記薄膜サーミスタ部の上又は下に形成された一対のパターン電極とを備えていることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタセンサでは、絶縁性基材上に第1又は第2のいずれかの発明のサーミスタ用金属窒化物材料で薄膜サーミスタ部が形成されているので、高抵抗かつ高B定数で耐熱性の高い薄膜サーミスタ部により、良好なサーミスタ特性を有したサーミスタセンサが得られる。
第4の発明に係るサーミスタ用金属窒化物材料の製造方法は、第1又は第2の発明のサーミスタ用金属窒化物材料を製造する方法であって、Ti−Al合金ターゲットを用いて窒素、炭素及び酸素含有雰囲気中でアークイオンプレーティング法により成膜する成膜工程を有していることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ用金属窒化物材料の製造方法では、Ti−Al合金ターゲットを用いて窒素、炭素及び酸素含有雰囲気中でアークイオンプレーティング(AIP)法により成膜する成膜工程を有しているので、上記TiAlNCOからなる本発明のサーミスタ用金属窒化物材料を成膜することができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るサーミスタ用金属窒化物材料によれば、一般式:TiAl((N1−w1−v(0.0<w<0.3、0.0<v<0.35、0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.45≦z≦0.55、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相であるので、良好なB定数が得られると共に高い抵抗と高い耐熱性とを有している。また、本発明に係るサーミスタ用金属窒化物材料の製造方法によれば、Ti−Al合金スパッタリングターゲットを用いて窒素、炭素及び酸素含有雰囲気中でアークイオンプレーティング法により成膜するので、上記TiAlNCOからなる本発明のサーミスタ用金属窒化物材料を成膜することができる。
本発明に係るサーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにサーミスタセンサの一実施形態において、サーミスタ用金属窒化物材料の組成範囲を示すTi−Al−(N+C+O)系3元系相図である。 本実施形態において、サーミスタセンサを示す斜視図である。 本実施形態において、サーミスタセンサの製造方法を工程順に示す斜視図である。 アークイオンプレーティング(AIP)装置の内部構成を示す簡易的な上面図(a)及び正面図(b)である。 本発明に係るサーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにサーミスタセンサの実施例において、サーミスタ用金属窒化物材料の膜評価用素子を示す正面図及び平面図である。 本発明に係る実施例及び比較例において、25℃抵抗率とB定数との関係を示すグラフである。 本発明に係る実施例及び比較例において、Al/(Ti+Al)比とB定数との関係を示すグラフである。 本発明に係る実施例において、Al/(Ti+Al)=0.83としたa軸配向が強い場合におけるX線回折(XRD)の結果を示すグラフである。 本発明に係る実施例において、(N+C)/(Ti+Al+N+C)比とO/(N+C+O)比との関係を示すグラフである。 本発明に係る実施例の断面SEM写真である。
以下、本発明に係るサーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにサーミスタセンサにおける一実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部を認識可能又は認識容易な大きさとするために必要に応じて縮尺を適宜変更している。
本実施形態のサーミスタ用金属窒化物材料は、サーミスタに用いられる金属窒化物材料であって、一般式:TiAl((N1−w1−v(0.0<w<0.3、0.0<v<0.35、0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.45≦z≦0.55、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型(空間群P6mc(No.186))の単相である。
このサーミスタ用金属窒化物材料は、図1に示すように、Ti−Al−(N+C+O)系3元系相図における点A,B,C,Dで囲まれる領域内の組成を有し、結晶相がウルツ鉱型である金属窒化物である。
なお、上記点A,B,C,Dの各組成比(x,y,z)(atm%)は、A(13.5,31.5,55.0),B(0.9,44.1,55.0),C(1.1,53.9,45.0),D(16.5,38.5,45.0)である。
上述したように、ウルツ鉱型の結晶構造は、六方晶系の空間群P6mc(No.186)であり、TiとAlとは同じ金属原子サイトに属し、いわゆる固溶状態にある(例えば、Ti0.1Al0.90.980.02の場合、同じ原子サイトにTiとAlとが10%,90%の確率で存在している。)。ウルツ鉱型は、(Ti,Al)(N,C)4四面体の頂点連結構造をとり、(Ti、Al)サイトの最近接サイトがN(窒素)又はC(炭素)であり、(Ti、Al)は窒素又は炭素の4配位をとる。
本実施形態のサーミスタ用金属窒化物材料は、膜状に形成され、前記膜の表面に対して垂直方向に延在している柱状結晶である。さらに、本実施形態のサーミスタ用金属窒化物材料には、膜の表面に対して垂直方向にa軸よりc軸が強く配向しているものと、c軸よりa軸が強く配向しているものとがある。
なお、膜の表面に対して垂直方向(膜厚方向)にa軸配向(100)が強いかc軸配向(002)が強いかの判断は、X線回折(XRD)を用いて結晶軸の配向性を調べることで、(100)(a軸配向を示すhkl指数)と(002)(c軸配向を示すhkl指数)とのピーク強度比から、「(100)のピーク強度」/「(002)のピーク強度」が1未満であることで、c軸配向が強いものとする。
次に、本実施形態のサーミスタ用金属窒化物材料を用いたサーミスタセンサについて説明する。このサーミスタセンサ1は、図2に示すように、絶縁性基材2と、該絶縁性基材2上に上記サーミスタ用金属窒化物材料で形成された薄膜サーミスタ部3と、少なくとも薄膜サーミスタ部3上に形成された一対のパターン電極4とを備えている。
上記絶縁性基材2は、例えば表面に熱酸化膜が形成されたSi基板である。なお、高い耐熱性があるフィルム(例えば、300〜400℃の耐熱性フィルム)を絶縁性基材としても構わない。
上記一対のパターン電極4は、例えばCr膜とAu膜との積層金属膜でパターン形成され、薄膜サーミスタ部3上で互いに対向状態に配した櫛形パターンの一対の櫛形電極部4aと、これら櫛形電極部4aに先端部が接続され基端部が絶縁性基材2の端部に配されて延在した一対の直線延在部4bとを有している。
また、一対の直線延在部4bの基端部上には、リード線の引き出し部としてAuめっき等のめっき部4cが形成されている。このめっき部4cには、リード線の一端が半田材等で接合される。さらに、めっき部4cを含む絶縁性基材2の端部を除いて該絶縁性基材2上にポリイミドやエポキシ系の樹脂材料層(カバーレイ)5が印刷で形成されている。
このサーミスタ用金属窒化物材料の製造方法及びこれを用いたサーミスタセンサ1の製造方法について、図3を参照して以下に説明する。
まず、本実施形態のサーミスタ用金属窒化物材料の製造方法は、Ti−Al合金ターゲットを用いて窒素、炭素及び酸素含有雰囲気中でアークイオンプレーティング(AIP)法により成膜する成膜工程を有している。すなわち、この成膜工程は、AIP装置内のアノード電極とTi−Al合金ターゲット(カソード電極)との間で起こさせたアーク放電で生成したプラズマによって、蒸発した金属と装置内に導入された反応ガス(窒素ガス、酸素ガス、メタンガス)とをイオン化し、絶縁性基材2上にサーミスタ用金属窒化物の化合物を析出させる工程である。
より具体的には、例えば図3の(a)に示す絶縁性基材2を、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、図4に示すAIP装置10の回転テーブル11上の中心軸から半径方向に所定距離離れた位置に、ターゲット12と絶縁性基材2とが略平行となるよう装着し、AIP装置10に蒸着源として85at%Al−15at%Ti合金(以下、Ti−Al合金)からなるターゲット(カソード電極)12を配置する。なお、図4の符号において、14はアノード電極、15はアーク電源、16は反応ガス導入口、17は排ガス口である。
(b)さらに、装置内を排気して真空に保持しながら、ヒータ13で絶縁性基材2を所定温度まで加熱した後、
・炉内圧力:2.7Pa
・導入ガス:窒素(N)ガス、メタン(CH)ガス及び酸素(O)ガスの混合気体
・導入ガス中のメタンガス流量比率:3〜8vol%
・導入ガス中の酸素ガス流量比率:2〜18vol%
・導入ガス中の窒素ガス流量比率:(残部)vol%
・炉内温度:370〜450℃
・アーク放電電流:90A
・基板(絶縁性基材)回転条件:ターゲットに対面する状態でテーブルに固定し、テーブルを2周/分の回転速度で回転
という条件のもと、前記Ti−Al合金ターゲット12からAlとTiとの混合プラズマを発生させ、反応ガスである窒素ガス、酸素ガス及びメタンガスと反応させることによって、絶縁性基材2の表面に、所定の組成および目標平均層厚の(Ti,Al)(N,C,O)層からなる炭窒化酸化物層を蒸着形成することにより、サーミスタ用金属窒化物材料で形成された薄膜サーミスタ部3を成膜する。
なお、ここで各ガスの流量比率とは、標準状態気体に換算した場合の体積比率である。
また、メタルマスクを用いて所望のサイズにサーミスタ用金属窒化物材料を成膜して薄膜サーミスタ部3を形成する。
なお、形成された薄膜サーミスタ部3に窒素プラズマを照射することが望ましい。例えば、真空度:6.7Pa、出力:200W及びNガス雰囲気下で、窒素プラズマを薄膜サーミスタ部3に照射させる。
次に、スパッタ法にて、例えばCr膜を20nm形成し、さらにAu膜を200nm形成する。さらに、その上にレジスト液をバーコーターで塗布した後、110℃で1分30秒のプリベークを行い、露光装置で感光後、現像液で不要部分を除去し、150℃で5分のポストベークにてパターニングを行う。その後、不要な電極部分を市販のAuエッチャント及びCrエッチャントによりウェットエッチングを行い、図3の(c)に示すように、レジスト剥離にて所望の櫛形電極部4aを有したパターン電極4を形成する。なお、絶縁性基材2上に先にパターン電極4を形成しておき、その櫛形電極部4a上に薄膜サーミスタ部3を成膜しても構わない。この場合、薄膜サーミスタ部3の下にパターン電極4の櫛形電極部4aが形成されている。
次に、図3の(d)に示すように、例えば、印刷法によりポリイミド樹脂ペースト材料を絶縁性基材2上に印刷、熱処理することで、厚さ10μm程度の樹脂材料層5(カバーレイ)を形成する。さらに、図3の(e)に示すように、直線延在部4bの端部を、例えばAuめっき液によりAu薄膜を2μm形成してめっき部4cを形成する。
なお、複数のサーミスタセンサ1を同時に作製する場合、絶縁性基材2となる大きな面積の絶縁性の基板に複数の薄膜サーミスタ部3及びパターン電極4を上述のように形成した後に、大面積の基板から各サーミスタセンサ1に切断する。
このように本実施形態のサーミスタ用金属窒化物材料では、一般式:TiAl((N1−w1−v(0.0<w<0.3、0.0<v<0.35、0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.45≦z≦0.55、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相であるので、高い抵抗と良好なB定数とが得られると共に高い耐熱性を有している。特に、炭素(C)及び酸素(O)が含まれることで、結晶内の窒素欠陥を炭素及び酸素が埋める、もしくは、格子間炭素及び格子間酸素が導入される等の効果によって耐熱性が向上する。また、従来のスピネル酸化物のサーミスタ材料よりも低い温度で成膜が可能であり、耐熱性の高い絶縁性フィルム等にも成膜することが可能になる。
また、このサーミスタ用金属窒化物材料では、膜の表面に対して垂直方向に延在している柱状結晶であるので、膜の結晶性が高く、高い耐熱性が得られる。
本実施形態のサーミスタ用金属窒化物材料の製造方法では、Ti−Al合金ターゲットを用いて窒素、炭素及び酸素含有雰囲気中でアークイオンプレーティング(AIP)法により成膜する成膜工程を有しているので、上記TiAlNCOからなる本発明のサーミスタ用金属窒化物材料を成膜することができる。
さらに、成膜工程後に、形成された膜に窒素プラズマを照射するので、膜の窒素欠陥が少なくなって耐熱性がさらに向上する。
したがって、本実施形態のサーミスタ用金属窒化物材料を用いたサーミスタセンサ1では、絶縁性基材2上に上記サーミスタ用金属窒化物材料で薄膜サーミスタ部3が形成されているので、高抵抗及び高B定数で耐熱性の高い薄膜サーミスタ部3により、良好なサーミスタ特性を有したサーミスタセンサが得られる。
次に、本発明に係るサーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにサーミスタセンサについて、上記実施形態に基づいて作製した実施例により評価した結果を、図4から図9を参照して具体的に説明する。
<膜評価用素子の作製>
本発明の実施例及び比較例として、図5に示す膜評価用素子121を次のように作製した。なお、以下の本発明の各実施例では、TiAl((N1−w1−vであるサーミスタ用金属窒化物を用いたものを作製した。
まず、上述したAIP法にて、様々な組成比のTi−Al合金ターゲットを用いて、Si基板Sとなる熱酸化膜付きSiウエハ上に、厚さ500nmの表1に示す様々な組成比で形成されたサーミスタ用金属窒化物材料の薄膜サーミスタ部3を形成した。
次に、上記薄膜サーミスタ部3の上に、スパッタ法でCr膜を20nm形成し、さらにAu膜を200nm形成した。さらに、その上にレジスト液をスピンコーターで塗布した後、110℃で1分30秒のプリベークを行い、露光装置で感光後、現像液で不要部分を除去し、150℃で5分のポストベークにてパターニングを行った。その後、不要な電極部分を市販のAuエッチャント及びCrエッチャントによりウェットエッチングを行い、レジスト剥離にて所望の櫛形電極部124aを有するパターン電極124を形成した。そして、これをチップ状にダイシングして、B定数評価及び耐熱性試験用の膜評価用素子121とした。
なお、比較としてTiAl((N1−w1−vの組成比が本発明の範囲外であって結晶系が異なる比較例についても同様に作製して評価を行った。
<膜の評価>
(1)組成分析
反応性スパッタ法にて得られた薄膜サーミスタ部3について、X線光電子分光法(XPS)にて元素分析を行った。このXPSでは、Arスパッタにより、最表面から深さ20nmのスパッタ面において、定量分析を実施した。その結果を表2に示す。なお、以下の表中の組成比は「原子%」で示している。一部のサンプルに対して、最表面から深さ100nmのスパッタ面における定量分析を実施し、深さ20nmのスパッタ面と定量精度の範囲内で同じ組成であることを確認している。
なお、上記X線光電子分光法(XPS)は、X線源をMgKα(350W)とし、パスエネルギー:58.5eV、測定間隔:0.125eV、試料面に対する光電子取り出し角:45deg、分析エリアを約800μmφの条件下で定量分析を実施した。なお、定量精度について、(N+C+O)/(Ti+Al+N+C+O)の定量精度は±2%、Al/(Ti+Al)の定量精度は±1%である。
(2)比抵抗測定
反応性スパッタ法にて得られた薄膜サーミスタ部3について、4端子法にて25℃での比抵抗を測定した。その結果を表2に示す。
(3)B定数測定
膜評価用素子121の25℃及び50℃の抵抗値を恒温槽内で測定し、25℃と50℃との抵抗値よりB定数を算出した。その結果を表2に示す。また、25℃と50℃との抵抗値より負の温度特性をもつサーミスタであることを確認している。
なお、本発明におけるB定数算出方法は、上述したように25℃と50℃とのそれぞれの抵抗値から以下の式によって求めている。
B定数(K)=ln(R25/R50)/(1/T25−1/T50)
R25(Ω):25℃における抵抗値
R50(Ω):50℃における抵抗値
T25(K):298.15K 25℃を絶対温度表示
T50(K):323.15K 50℃を絶対温度表示
これらの結果からわかるように、TiAl((N1−w1−vの組成比が図1に示す3元系の三角図において、点A,B,C,Dで囲まれる領域内、すなわち、「0.0<w<0.3、0.0<v<0.35、0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.45≦z≦0.55、x+y+z=1」となる領域内の実施例全てで、抵抗率:100Ωcm以上、B定数:1500K以上のサーミスタ特性が達成されている。
上記結果から25℃での抵抗率とB定数との関係を示したグラフを、図6に示す。また、Al/(Ti+Al)比とB定数との関係を示したグラフを、図7に示す。これらのグラフから、Al/(Ti+Al)=0.7〜0.98、かつ、(N+C+O)/(Ti+Al+N)=0.4〜0.5の領域で、結晶系が六方晶のウルツ鉱型の単一相であるものは、25℃における比抵抗値が100Ωcm以上、B定数が1500K以上の高抵抗かつ高B定数の領域が実現できている。なお、図7のデータにおいて、同じAl/(Ti+Al)比に対して、B定数がばらついているのは、結晶中の窒素量、炭素量、酸素量が異なる、もしくは窒素欠陥、炭素欠陥、酸素欠陥等の格子欠陥量が異なるためである。
表1に示す比較例2は、Al/(Ti+Al)<0.7の領域であり、結晶系は立方晶のNaCl型となっている。
このように、Al/(Ti+Al)<0.7の領域では、25℃における比抵抗値が100Ωcm未満、B定数が1500K未満であり、低抵抗かつ低B定数の領域であった。
表1に示す比較例1は、(N+C+O)/(Ti+Al+N+C+O)が40%に満たない領域であり、金属が窒化不足の結晶状態になっている。この比較例1は、NaCl型でも、ウルツ鉱型でもない、非常に結晶性の劣る状態であった。また、これら比較例では、B定数及び抵抗値が共に非常に小さく、金属的振舞いに近いことがわかった。
(4)薄膜X線回折(結晶相の同定)
反応性スパッタ法にて得られた薄膜サーミスタ部3を、視斜角入射X線回折(Grazing Incidence X-ray Diffraction)により、結晶相を同定した。この薄膜X線回折は、微小角X線回折実験であり、管球をCuとし、入射角を1度とすると共に2θ=20〜130度の範囲で測定した。一部のサンプルについては、入射角を0度とし、2θ=20〜100度の範囲で測定した。
その結果、Al/(Ti+Al)≧0.7の領域においては、ウルツ鉱型相(六方晶、AlNと同じ相)であり、Al/(Ti+Al)≦0.65の領域においては、NaCl型相(立方晶、TiNと同じ相)であった。また、0.65<Al/(Ti+Al)<0.7においては、ウルツ鉱型相とNaCl型相との共存する結晶相であると考えられる。
このようにTiAlNCO系においては、高抵抗かつ高B定数の領域は、Al/(Ti+Al)≧0.7のウルツ鉱型相に存在している。なお、本発明の実施例では、不純物相は確認されておらず、ウルツ鉱型の単一相である。
なお、表1に示す比較例1は、上述したように結晶相がウルツ鉱型相でもNaCl型相でもなく、本試験においては同定できなかった。また、これらの比較例は、XRDのピーク幅が非常に広いことから、非常に結晶性の劣る材料であった。これは、電気特性により金属的振舞いに近いことから、窒化不足の金属相になっていると考えられる。
次に、本発明の実施例は全てウルツ鉱型相の膜であり、配向性が強いことから、Si基板S上に垂直な方向(膜厚方向)の結晶軸においてa軸配向性が強いか、c軸配向性が強いかについて、XRDを用いて調査した。この際、結晶軸の配向性を調べるために、(100)(a軸配向を示すhkl指数)と(002)(c軸配向を示すhkl指数)とのピーク強度比を測定した。
a軸配向が強い実施例のXRDプロファイルの一例を、図8に示す。この実施例は、Al/(Ti+Al)=0.84(ウルツ鉱型、六方晶)であり、入射角を1度として測定した。この結果からわかるように、この実施例では、(002)よりも(100)の強度が強くなっている。
なお、グラフ中(*)は装置由来および熱酸化膜付きSi基板由来のピークであり、サンプル本体のピーク、もしくは、不純物相のピークではないことを確認している。また、入射角を0度として、対称測定を実施し、そのピークが消失していることを確認し、装置由来および熱酸化膜付きSi基板由来のピークであることを確認した。
次に、ウルツ鉱型材料である本発明の実施例に関して、さらに組成比と電気特性との相関を詳細に比較した。
Al/(Ti+Al)比が近い比率(実施例1〜5)のものに対し、C/(N+C)比の異なる材料がある。これらを比較すると、C/(N+C)比が大きくなるにつれて、25℃抵抗値が上昇する傾向がある。したがって、窒素と炭素との雰囲気をコントロールすることによって、抵抗値の調整が可能となる(C/(N+C)比と抵抗値との関係にばらつきがあるのは、XPS定量精度に起因した組成比ばらつきのためと考えられる。)。
次に、本発明の実施例のウルツ鉱型材料に関して、さらに、(窒素+炭素)量と酸素量との相関を調べた。図9には、(N+C)/(Ti+Al+N+C)比とO/(N+O)比との関係を調べた結果を示す。この結果からわかるように、(N+C)/(Ti+Al+N+C)が少ないサンプルほど、O/(N+O)量が多い。つまり、窒素、炭素サイトにおける原子欠陥量が少ない材料のほうが、酸素量が少なくて済むことを示している。
<結晶形態の評価>
次に、薄膜サーミスタ部3の断面における結晶形態を示す一例として、熱酸化膜付きSi基板S上に500nm程度成膜された実施例(Al/(Ti+Al)=0.83,ウルツ鉱型、六方晶、a軸配向性が強い)の薄膜サーミスタ部3における断面SEM写真を、図10に示す。
この実施例のサンプルは、Si基板Sをへき開破断したものを用いている。また、45°の角度で傾斜観察した写真である。
この写真からわかるように、本発明の実施例は緻密な柱状結晶で形成されている。すなわち、基板面に垂直な方向に柱状の結晶が成長している様子が観測されている。なお、柱状結晶の破断は、Si基板Sをへき開破断した際に生じたものである。なお、熱酸化膜付きSi基板S上に200nm、1000nmの厚さでそれぞれ成膜された場合にも、上記同様、緻密な柱状結晶で形成されていることを確認している。
なお、図中の柱状結晶サイズについて、図10のa軸配向が強い実施例は、20nmφ(±10nmφ)、長さ500nm程度であった。なお、ここでの粒径は、基板面内における柱状結晶の直径であり、長さは、基板面に垂直な方向の柱状結晶の長さ(膜厚)である。
柱状結晶のアスペクト比を(長さ)÷(粒径)として定義すると、本実施例は10以上の大きいアスペクト比をもっている。柱状結晶の粒径が小さいことにより、膜が緻密となっていると考えられる。
<耐熱試験評価>
表1に示す実施例及び比較例の一部において、大気中,125℃,1000hの耐熱試験前後における抵抗値及びB定数を評価した。その結果を表2に示す。なお、比較として従来のTa−Al−N系材料による比較例も同様に評価した。さらに、酸素を含有しない窒素及び炭素雰囲気中でAIP法により成膜した参考例1も同様に評価した。
これらの結果からわかるように、Al濃度及び窒素濃度は異なるものの、Ta−Al−N系である比較例と同程度量のB定数をもつ実施例で比較したとき、Ti−Al−(N+C+O)系の方が抵抗値上昇率、B定数上昇率がともに小さく、耐熱試験前後における電気特性変化でみたときの耐熱性は、Ti−Al−(N+C+O)系の方が優れている。なお、実施例3はa軸配向が強い材料である。
また、参考例1は、Ti−Ai−(N+C)系であり、Ta−Al−N系の比較例に比べて優れた耐熱性を有しているが、本発明の実施例であるTi−Al−(N+C+O)系の方がさらに耐熱性に優れていることがわかる。
なお、Ta−Al−N系材料では、Taのイオン半径がTiやAlに比べて非常に大きいため、高濃度Al領域でウルツ鉱型相を作製することができないと考えられる。TaAlN系がウルツ鉱型相でないがゆえ、ウルツ鉱型のTi−Al−(N+C)系及びTi−Al−(N+C+O)系の方が耐熱性が良好であると考えられる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1…サーミスタセンサ、2…絶縁性基材、3…薄膜サーミスタ部、4,124…パターン電極
<膜の評価>
(1)組成分析
AIP法で得られた薄膜サーミスタ部3について、X線光電子分光法(XPS)にて元素分析を行った。このXPSでは、Arスパッタにより、最表面から深さ20nmのスパッタ面において、定量分析を実施した。その結果を表2に示す。なお、以下の表中の組成比は「原子%」で示している。一部のサンプルに対して、最表面から深さ100nmのスパッタ面における定量分析を実施し、深さ20nmのスパッタ面と定量精度の範囲内で同じ組成であることを確認している。
(2)比抵抗測定
AIP法で得られた薄膜サーミスタ部3について、4端子法にて25℃での比抵抗を測定した。その結果を表2に示す。
(3)B定数測定
膜評価用素子121の25℃及び50℃の抵抗値を恒温槽内で測定し、25℃と50℃との抵抗値よりB定数を算出した。その結果を表2に示す。また、25℃と50℃との抵抗値より負の温度特性をもつサーミスタであることを確認している。
(4)薄膜X線回折(結晶相の同定)
AIP法で得られた薄膜サーミスタ部3を、視斜角入射X線回折(Grazing Incidence X-ray Diffraction)により、結晶相を同定した。この薄膜X線回折は、微小角X線回折実験であり、管球をCuとし、入射角を1度とすると共に2θ=20〜130度の範囲で測定した。一部のサンプルについては、入射角を0度とし、2θ=20〜100度の範囲で測定した。

Claims (4)

  1. サーミスタに用いられる金属窒化物材料であって、
    一般式:TiAl((N1−w1−v(0.0<w<0.3、0.0<v<0.35、0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.45≦z≦0.55、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、
    その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相であることを特徴とするサーミスタ用金属窒化物材料。
  2. 請求項1に記載のサーミスタ用金属窒化物材料において、
    膜状に形成され、
    前記膜の表面に対して垂直方向に延在している柱状結晶であることを特徴とするサーミスタ用金属窒化物材料。
  3. 絶縁性基材と、
    該絶縁性基材上に請求項1又は2に記載のサーミスタ用金属窒化物材料で形成された薄膜サーミスタ部と、
    少なくとも前記薄膜サーミスタ部の上又は下に形成された一対のパターン電極とを備えていることを特徴とするサーミスタセンサ。
  4. 請求項1又は2に記載のサーミスタ用金属窒化物材料を製造する方法であって、
    Ti−Al合金ターゲットを用いて窒素、炭素及び酸素含有雰囲気中でアークイオンプレーティング法により成膜する成膜工程を有していることを特徴とするサーミスタ用金属窒化物材料の製造方法。
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