以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.第1実施形態>
<1−1.システム構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成システム1(1Aとも称する)の構成を示す概略図である。図1に示されるように、画像形成システム1は、画像形成装置10(10Aとも称する)と当該画像形成装置で形成されたスキャナ画像等を格納する複数のファイルサーバ50(詳細には50a,50b)とを備える。
画像形成装置10とファイルサーバ50とは、ネットワークNWを介して互いに接続される。ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)およびインターネットなどによって構成される。また、ネットワークNWに対する接続態様は、有線接続であってもよく、或いは無線接続であってもよい。
<1−2.画像形成装置の構成>
図2は、画像形成装置10の機能ブロックを示す図である。ここでは、画像形成装置10として、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))を例示する。図2においては、MFP10の機能ブロックが示されている。
MFP10は、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能およびボックス格納機能などを備える装置(複合機とも称する)である。具体的には、MFP10は、図2の機能ブロック図に示すように、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、操作部6およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像ないしスキャン画像とも称する)を生成(形成)する処理部である。この画像読取部2は、スキャン部であるとも称される。
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、ネットワーク(通信ネットワーク)NWを介したネットワーク通信を行うことも可能である。このネットワーク通信では、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)およびSMB(Server Message Block)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先(たとえば、ファイルサーバ50)との間で各種のデータを授受することが可能である。通信部4は、各種データを送信する送信部4aと各種データを受信する受信部4bとを有する。
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。格納部5は、アドレス帳ALを格納する。アドレス帳ALには、後述するように、電子ファイルの送信動作で利用される宛先(通信先)に関する各種情報(アドレスおよびログイン情報等等)が登録される。
操作部6は、MFP10に対する操作入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。
MFP10には、操作部6として機能するタッチパネル25(図1参照)(操作パネル部とも称される)が設けられている。タッチパネル25は、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成されており、表示部6bの一部として機能するとともに、操作入力部6aの一部としても機能する。詳細には、タッチパネル25は、液晶表示パネルに各種の情報を表示することが可能であるとともに、液晶表示パネルに対する操作者の手指の操作位置を検知して、各種の入力を受け付けることも可能である。
コントローラ9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)PG1を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラムPG1は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体に記録され、当該記録媒体を介してMFP10にインストールされるようにしてもよい。あるいは当該プログラムPG1は、ネットワークNW等を介してダウンロードされてMFP10にインストールされるようにしてもよい。
具体的には、図2に示すように、コントローラ9は、プログラムPG1の実行により、通信制御部11と入力制御部12と表示制御部13と認証制御部14とアクセス制御部15と登録制御部17とを含む各種の処理部を実現する。
通信制御部11は、他の装置(ファイルサーバ50等)との間の通信動作を制御する処理部である。たとえば、通信制御部11は、通信部4等と協働して、ファイルサーバ50にスキャン画像の画像データを送信する。
表示制御部13は、表示部6bにおける表示動作を制御する処理部である。表示制御部13は、MFP10を操作するための操作画面等を表示部6bに表示させる。
入力制御部12は、操作入力部6aに対する操作入力動作を制御する制御部である。入力制御部12は、操作画面に対する操作入力を受け付ける動作を制御する。入力制御部12は、認証情報受付部12aおよび登録用情報受付部12bを備える。認証情報受付部12aは、MFP10に対するユーザのログイン情報(認証用情報)の入力を受け付ける処理部である。また、登録用情報受付部12bは、ユーザによるアドレス帳ALへの宛先登録に際して、登録対象の宛先に関する登録用情報の入力を受け付ける処理部である。
認証制御部14は、ユーザからのMFP10に対するログイン情報の入力を伴ってMFP10の認証動作を行う処理部である。
アクセス制御部15は、宛先に対するアクセス動作(ログイン動作を含む)を実行する処理部である。
登録制御部17は、アドレス帳ALに対する宛先の登録動作を実行する処理部である。登録制御部17は、ユーザによって入力された登録用情報等に基づいて当該登録動作を実行する。
<1−3.ファイルサーバ>
ファイルサーバ50a,50bは、それぞれ、各種の電子ファイル(文書ファイル等)が格納されるサーバコンピュータである。
図4に示すように、ここでは、ファイルサーバ50aのIPアドレスは、「123.123.123.100」であるものとする。当該IPアドレスを用いることにより、ネットワーク上でファイルサーバ50aを特定することが可能である。ファイルサーバ50aは、「知財部サーバ」の名称を有しているものとする。さらに、ファイルサーバ50aには複数のフォルダが設けられており、フォルダ(「部内共有」、「部員¥A川」、「部員¥B山」等)ごとにアクセス権限が設定されているものとする。具体的には、フォルダ「部内共有」に関しては、知財部員(ユーザUA(「A川」)およびユーザUB(「B山」)を含む)によるアクセス(少なくともログインアクセス)が許容される旨のアクセス権限が設定されている。また、フォルダ「部員¥A川」に関しては、ユーザUA(「A川」)によるアクセス(ログインアクセス等)のみが許容される旨のアクセス権限が設定されている。同様に、また、フォルダ「部員¥B山」に関しては、ユーザUB(「B山」)によるアクセスのみが許容される旨のアクセス権限が設定されている。
また、ファイルサーバ50bのIPアドレスは、ここでは、「111.111.111.100」であるものとする。当該IPアドレスを用いることにより、ネットワーク上でファイルサーバ50bを特定することが可能である。ファイルサーバ50bは、「開発部サーバ」の名称を有しているものとする。さらに、ファイルサーバ50bには複数のフォルダが設けられており、フォルダ(「共有フォルダ」等)ごとにアクセス権限が設定されているものとする。具体的には、フォルダ「共有フォルダ」に関しては、開発部員(ユーザUE等)によるアクセスが許容される旨のアクセス権限が設定されている。また、当該フォルダ「共有フォルダ」に関しては、ゲストIDによるアクセスも許容される旨のアクセス権限が設定されている。
ファイルサーバ50a,50bにおいては、このようなアクセス権限(ログイン情報)が予め登録されているものとする。
ところで、MFP10は、画像読取部2等を用いてスキャン画像等を生成し、各種の通信プロトコル(FTP(File Transfer Protocol)およびSMB(Server Message Block)等)を用いて、当該スキャン画像を指定された宛先(指定ファイルサーバの指定フォルダ)に送信して格納する機能を有している。このような機能は、「スキャンtoFTP」および「スキャンtoSMB」等とも称される。
このようなスキャン画像等を送信する際には、上述のようにアドレス帳AL(複数の人物(ユーザ)で共用されるアドレス帳(共用アドレス帳)等)が利用される。具体的には、アドレス帳ALに予め登録された宛先リストから所望の宛先(たとえば、ファイルサーバ50aのフォルダ「部内共有」)が操作ユーザによって選択され、選択された宛先に対する通信動作が行われる。
また、このようなアドレス帳機能を利用するため、このような送信動作に先立って、アドレス帳ALへの宛先登録動作がユーザによって行われる。
具体的には、これらのファイルサーバ50a,50b等に対してMFP10からアクセスを行うためには、MFP10のアドレス帳ALにファイルサーバ50a,50bのアドレス情報が予め登録される。アドレス帳には、一般的には、当該ファイルサーバ50へのアクセス用のログイン情報も併せて登録される。
このとき、上述のように、第1のユーザ(たとえばユーザUA)によって入力されたログイン情報がそのまま当該宛先のログイン情報としてアドレス帳に固定的に登録(誤登録)されてしまうことがある。そして、その場合には、当該登録ユーザとは別の第2のユーザ(たとえばユーザUB)による当該宛先に対する通信動作が行われる際に、第2のユーザ(UB)が第1のユーザ(UA)として誤って認証されてしまうなどの問題が発生する。
そこで、この実施形態においては、アドレス帳ALへの登録時に第1のユーザ(登録ユーザ)によって入力されたログイン情報が常に当該宛先のログイン情報としてアドレス帳ALに固定的に登録されるのではない技術を提案する。具体的には、所定の条件C1が充足される際には、宛先(ネットワーク通信における通信先)の利用時にログインしているログインユーザ(たとえばユーザUB)のMFP10に対するログイン情報を当該宛先に対するログイン情報として使用する旨を当該宛先のログイン情報としてアドレス帳ALに登録する。ここで、条件C1は、ユーザ(登録ユーザ)UAによるログイン時に入力されたログイン情報LM1と当該ユーザUAによって登録画面を用いて入力された登録用情報に含まれるログイン情報LM2とが同一であること、である。条件C1は、より詳細には、ログイン情報LM1のログインIDとログイン情報LM2のログインIDとが同一であり、且つ、ログイン情報LM1のパスワードとログイン情報LM2のパスワードとが同一であること、である。
一般に、比較的多くのユーザは、画像形成装置のログイン情報と他の通信先装置のログイン情報とを同じ内容に設定している。この実施形態においては、そのような事情をも利用した動作が行われる。
<1−4.アドレス帳への宛先登録動作>
以下では、まず、アドレス帳ALに所望の宛先(通信先)を登録する動作(宛先登録動作)について図3等を参照しながら説明する。なお、アドレス帳機能を利用した送信動作(図12等参照)については後に説明する。
図3は、アドレス帳ALへの宛先登録に関するMFP10の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、図4に示すように、ユーザUAがMFP10を操作して、MFP10内のアドレス帳ALへの宛先登録操作を行うものとする。
まず、図3のステップS11において、MFP10へのユーザUAのログイン動作が行われる。
詳細には、MFP10に対するユーザUAの認証用情報(ログイン情報)がユーザUAによってログイン画面LA1(図5参照)に入力される。より具体的には、ユーザUAは、MFP10のタッチパネル25に表示されたログイン画面LA1において、ユーザUAのユーザIDとパスワードとをそれぞれユーザID入力欄とパスワード入力欄とに入力する。MFP10(認証情報受付部12a等)は、ログイン画面LA1を用いることにより、ユーザUAによる入力情報(ユーザUAのログイン情報(ユーザIDおよびパスワード))を受け付ける。
図5は、ログイン画面LA1を示す図である。図5においては、ログイン画面LA1内のユーザID入力欄LA11にユーザUAのユーザID「Akawa」が入力されるとともに、ログイン画面LA1内のパスワード入力欄LA12にユーザUAのパスワード「123456」が入力された様子が示されている。なお、パスワード入力欄においては、入力された内容が表示されないように、代替文字(伏せ字)「******」が表示されている(以下同様)。
さらに、ログイン画面LA1内のログインボタンBN1が押下されると、ユーザUAのMFP10に対する認証動作が認証制御部14によって行われる。
具体的には、MFP10(認証制御部14)は、ユーザUAの認証情報としてMFP10内に予め登録されている正規のログイン情報とログイン画面LA1に入力されたログイン情報LM1とが一致するか否かを判定することによって、ユーザUAの認証動作を実行する。
詳細には、正規のユーザIDと入力欄LA11に入力されたユーザIDとが一致し且つ正規のパスワードと入力欄LA12に入力されたパスワードとが一致するときには、ユーザUAが正規ユーザとして認証されユーザUAのログインが許可される(認証成功)。一方、入力欄LA11に入力されたユーザIDが正規のユーザIDのいずれとも一致しない場合、あるいは、入力欄LA12に入力されたパスワードが入力欄LA11に入力されたユーザIDの正規のパスワードと一致しない場合には、ユーザUAが正規ユーザではないとして判定されユーザUAのログインは許可されない(認証失敗)。ここでは、ユーザUAの認証が成功しユーザUAのログインが許可されたものとして説明を続ける。
MFP10にログインしたユーザUAは、所定のメニュー画面操作を行うことによって、アドレス帳ALの登録画面RG(図6、図8、図10等参照)をMFP10のタッチパネル25に表示させる(ステップS12)。図6、図8、図10は、それぞれ、アドレス帳ALの登録画面RGを示す図である。なお、各登録画面RGがそれぞれ最初に表示された時点では、各登録画面RGの各入力欄は空欄である。
そして、ステップS13において、ユーザUAは、登録画面RGを用いて、アドレス帳ALへの登録対象の宛先に関する登録用情報を入力する。換言すれば、MFP10(登録用情報受付部12b)は、ステップS11でのログイン情報LM1の入力に応じたユーザUAのログイン中において、アドレス帳ALへの宛先登録に際して登録対象の宛先に関する登録用情報の入力をユーザUAから受け付ける。具体的には、登録対象の宛先に関する各種の情報(具体的には、「登録番号」、「登録名」、「IPアドレス」、「ファイルパス」、「ユーザID」、「パスワード」)がそれぞれ登録画面RG内の各入力欄に対して入力される。なお、「IPアドレス」および「ファイルパス」は、宛先を特定するための情報(宛先特定用情報)とも表現される。
たとえば、図6においては、「開発部サーバ」(ファイルサーバ50b)のフォルダ「共有フォルダ」に関する宛先登録を行う際の登録画面RG(RG1)が示されている。図6においては、登録画面RG1内の各入力欄に対して、それぞれ対応する内容が入力された様子が示されている。具体的には、登録画面RG1内の登録番号欄に「1」、登録名欄に「開発部サーバ」、IPアドレス欄に「111.111.111.100」、ファイルパス欄に「共有フォルダ」、ユーザID欄に「guest」、パスワード欄に「123」がそれぞれ入力された様子が示されている。ここでは、「開発部サーバ」の名称は、ファイルサーバ50bの名称としても用いられるとともに、ファイルサーバ50bのフォルダ「共有フォルダ」に関する宛先の名称としても用いられる。
同様に、図8においては、「知財部サーバ」(ファイルサーバ50a)のフォルダ「部内共有」に関する宛先登録を行う際の登録画面RG(RG2)が示されている。図8においては、登録画面RG2の登録番号欄に「2」、登録名欄に「知財部サーバ」、IPアドレス欄に「123.123.123.100」、ファイルパス欄に「部内共有」、ユーザID欄に「Akawa」、パスワード欄に「123456」がそれぞれ入力された様子が示されている。ここでは、「知財部サーバ」の名称は、ファイルサーバ50aの名称としても用いられるとともに、ファイルサーバ50aのフォルダ「部内共有」に関する宛先の名称としても用いられる。
また、図10においては、「知財部サーバ」(ファイルサーバ50a)のフォルダ「部員¥A川」に関する宛先登録を行う際の登録画面RG(RG3)が示されている。図10においては、登録画面RG3の登録番号欄に「3」、登録名欄に「A川個人用」、IPアドレス欄に「123.123.123.100」、ファイルパス欄に「部員¥A川」、ユーザID欄に「Akawa」、パスワード欄に「123456」がそれぞれ入力された様子が示されている。
その後、登録画面RG内の登録ボタンBN2が押下されると、入力内容が確定され、ステップS15に進む。
ステップS15では、登録画面RGを用いて入力された宛先に対する接続確認動作がアクセス制御部15等によって実行される。この接続確認動作は、ステップS13で入力された登録用情報を用いて行われる。
たとえば、図8の登録画面RG2による登録動作が行われる際には、当該登録画面RG2を用いて入力された登録用情報に基づいて、「知財部サーバ」(ファイルサーバ50a)のフォルダ「部内共有」に対する接続確認動作が実行される。具体的には、MFP10は、IPアドレス「123.123.123.100」およびファイルパス「部内共有」を用いて、ファイルサーバ50aにアクセスするとともに、認証情報として、ユーザID「Akawa」およびパスワード「123456」をファイルサーバ50aに送信する。ファイルサーバ50aは、MFP10から受信したログイン情報とファイルサーバ50a内に予め登録されている正規のログイン情報とを比較して、認証動作を行い、その認証結果をMFP10に返送する。
なお、他の登録画面RG1,RG3等による登録動作が行われる際にも同様の接続確認動作(認証動作)が行われる。
認証動作が失敗した場合には、MFP10は認証結果「NG」をファイルサーバ50aから受信した後、ステップS17〜S22の処理を行うことなく、図3の処理を終了する。認証動作が成功した場合には、MFP10は認証結果「OK」をファイルサーバ50aから受信し、ステップS17に進む。ここでは、認証動作が成功してステップS17に進むものとして、説明を続ける。なお、以後の動作(ステップS17〜S22)は、MFP10の登録制御部17および表示制御部13等によって行われる。
ステップS17においては、ステップS11でログイン画面LAを用いて入力されたログイン情報LM1とステップS13で登録画面RGを用いて入力されたログイン情報(ユーザIDおよびパスワード)LM2とが同一であるか否かが判定される。換言すれば、ログイン画面LAを用いて入力されたログイン情報LM1と登録画面RGによって受け付けられた登録用情報に含まれるログイン情報LM2とが同一であるか否かが判定される。
両ログイン情報LM1,LM2が互いに異なると判定される場合には、ステップS17からステップS18に進む。ステップS18,S19では通常の登録動作が実行される。具体的には、登録内容を確認するための確認画面CNが表示され(ステップS18)、当該内容が確認された後に、当該登録内容がMFP10内のアドレス帳ALに登録される(ステップS19)。
たとえば、図6の登録画面RG1に関する登録操作が行われる場合には、ステップS17において、ログイン情報LM1(ユーザID「Akawa」およびパスワード「123456」)とログイン情報LM2(ユーザID「guest」およびパスワード「123」)とが互いに異なると判定され、ステップS18に進む。そして、図7のような確認画面CN1が表示される。確認画面CN1においては、ログイン情報LM2がそのまま、登録番号「1」の宛先のログイン情報として(固定的に)登録される旨が示されている。ユーザUAが当該内容を確認してOKボタンBN3を押下すると、MFP10は、OKボタンBN3の押下に応答して、登録番号「1」に関する登録動作を実行する。これにより、登録画面RG1を用いて入力された登録内容(ログイン情報LM2を含む登録内容)が当該宛先の宛先情報としてそのままアドレス帳ALに登録される。
一方、両ログイン情報LM1,LM2が同一であると判定される場合には、ステップS17からステップS21に進む。ステップS21,S22では、次述するような登録動作等が実行される。具体的には、まず、登録対象の宛先に関する登録内容を確認するための確認画面CNが表示され(ステップS21)、当該内容が確認された後に、当該登録内容がMFP10内のアドレス帳ALに登録される(ステップS22)。
ここにおいて、当該宛先のログイン情報としては、ログイン情報LM2がそのままアドレス帳ALに登録されるのではない。当該宛先を使用する時点でMFP10にログインしているユーザ(ログインユーザ)のログイン画面LB(図14参照)(後述)で入力されるログイン情報が、当該宛先のログイン情報として使用すべき旨が登録される。
たとえば、図8の登録画面RG2に関する登録操作が行われる場合には、ステップS17において、ログイン情報LM1(ユーザID「Akawa」およびパスワード「123456」)とログイン情報LM2(ユーザID「Akawa」およびパスワード「123456」)とが互いに同一であると判定され、ステップS21に進む。そして、図9のような確認画面CN2が表示される。確認画面CN2においては、登録番号「2」の宛先のログイン情報として、ログイン情報LM2がそのまま登録されるのではなく、当該宛先使用時点でのログインユーザのMFP10へのログイン情報が登録される旨が示されている。具体的には、当該宛先の将来の利用時点での(MFP10への)ログインユーザ(たとえば、登録ユーザUAとは別のユーザUB)の(MFP10へのログイン用の)ユーザIDが「ユーザID」として登録され、当該ログインユーザの(MFP10へのログイン用の)パスワードが「パスワード」として登録される旨が示される。
図8と図9とを比較すると判るように、図9の確認画面CN2のログイン情報LM2(「ユーザID」および「パスワード」)は、図8の登録画面RG2のログイン情報LM1(「ユーザID」および「パスワード」)とは異なっている。
その後、ユーザUAは当該内容を確認してOKボタンBN3を押下する。MFP10は、OKボタンBN3の押下に応答して、登録番号「2」に関する登録動作を実行する。これにより、登録画面RG2を用いて入力された登録内容のうちログイン情報LM2以外の内容は当該宛先の宛先情報としてそのままアドレス帳ALに登録される。一方、登録画面RG2を用いて入力された登録内容のうちのログイン情報LM2は、当該宛先の宛先情報のうちのログイン情報としてそのまま登録されない。当該宛先の宛先情報のうちのログイン情報としては、登録画面RG2を用いて入力されたログイン情報ではなく、当該宛先使用時点でのログインユーザのMFP10へのログイン情報を使用すべき旨が登録される。
同様に、図10の登録画面RG3に関する登録操作が行われる場合には、ステップS17において、ログイン情報LM1(ユーザID「Akawa」およびパスワード「123456」)とログイン情報LM2(ユーザID「Akawa」およびパスワード「123456」)とが互いに同一であると判定され、ステップS21に進む。そして、図11のような確認画面CN3が表示される。確認画面CN3においては、登録番号「3」の宛先のログイン情報として、ログイン情報LM2がそのまま登録されるのではなく、当該宛先使用時点でのログインユーザのMFP10へのログイン情報が登録される旨が示されている。図10と図11とを比較すると判るように、図11の確認画面CN3のログイン情報LM2は、図10の登録画面RG3のログイン情報LM1とは異なっている。
その後、ユーザUAが当該内容を確認してOKボタンBN3を押下すると、MFP10は、OKボタンBN3の押下に応答して、登録番号「3」に関する登録動作を実行する。これにより、登録画面RG3を用いて入力された登録内容のうちログイン情報LM2以外の内容は当該宛先の宛先情報としてそのままアドレス帳ALに(固定的に)登録される。一方、当該宛先の宛先情報のログイン情報としては、登録画面RG3を用いて入力されたログイン情報ではなく、当該宛先使用時点でのログインユーザのMFP10へのログイン情報を使用すべき旨が登録される。より詳細には、「当該宛先の将来の利用時(将来のネットワーク通信(スキャン画像送信等)における通信先としての利用時)にMFP10にログインしているログインユーザ(たとえばユーザUB)のMFP10に対するログイン情報(たとえばLM3(後述))を当該宛先の将来の利用時における当該宛先に対するログインアクセスに使用する」旨が、当該宛先のログイン情報としてアドレス帳ALに登録される。このように、ログインユーザに依拠して柔軟に変更され得る非固定的な内容が、当該宛先のログイン情報としてアドレス帳ALに登録される。
なお、本願においては、(登録画面RG3を用いて入力された固定的なログイン情報をそのまま使用するのではなく、)上述のように将来の宛先利用時点でのログインユーザ(ログイン中ユーザ)のMFP10へのログイン情報(ログインユーザに依拠して柔軟に変更され得る非固定的な内容)を使用すべき旨が登録された宛先を、「非固定的ログイン宛先」あるいは「フレキシブルログイン宛先」とも称するものとする。また、当該宛先の「ユーザID」として登録される内容は、非固定的(フレキシブル)なユーザIDであることから、「非固定的ユーザID」あるいは「フレキシブルユーザID」とも称するものとする。同様に、当該宛先の「パスワード」として登録される内容は、非固定的(フレキシブル)なパスワードであることから、「非固定的パスワード」あるいは「フレキシブルパスワード」とも称するものとする。
<1−5.アドレス帳の登録宛先を利用した送信動作>
次に、アドレス帳機能を利用した送信動作について図12等を参照しながら説明する。図12は、アドレス帳ALの登録宛先を利用した送信動作を示すフローチャートである。ここでは、上述の登録ユーザUAとは別のユーザUB(使用ユーザ等とも称する)が、アドレス帳ALに登録された宛先に対して電子ファイル(スキャン画像ファイル)のネットワーク送信動作を実行する場合を例示する(図13も参照)。
図12のステップS31においては、上述の登録ユーザUAとは異なるユーザUBによるMFP10へのログイン動作が行われる。ステップS31の処理は、ステップS11の処理と同様であるが、操作ユーザがユーザUAではなくユーザUBである点等において相違する。
詳細には、MFP10に対するユーザUBの認証用情報(ログイン情報LM3)がユーザUBによってログイン画面LB1(図14参照)に入力される。より具体的には、ユーザUBは、MFP10のタッチパネル25に表示されたログイン画面LB1において、ユーザUBのユーザIDとパスワードとをそれぞれユーザID入力欄LB11とパスワード入力欄LB12とに入力する。MFP10(認証情報受付部12a)は、ログイン画面LB1を用いることにより、ユーザUBによる入力情報(ユーザUBのログイン情報(ここではユーザIDおよびパスワード))を受け付ける。
図14は、ログイン画面LB1を示す図である。図14においては、ログイン画面LB1内のユーザID入力欄LB11にユーザUBのユーザID「Byama」が入力されるとともに、ログイン画面LB1内のパスワード入力欄LB12にユーザUBのパスワード「1234567890」が入力された様子が示されている。
さらに、ログイン画面LB1内のログインボタンBN4が押下されると、ユーザUBのMFP10に対する認証動作が認証制御部14によって行われる。ここでは、ユーザUBの認証が成功しユーザUBのログインが許可されたものとして説明を続ける。
MFP10にログインしたユーザUBは、メインメニュー画面内の複数のメニュー項目の中からメニュー項目「スキャン送信」を選択する(ステップS32)。この選択操作に応じて、送信先選択画面SD(図15等参照)がMFP10のタッチパネル25に表示される。なお、図15は、送信先選択画面SD(SD1)を示す図である。送信先選択画面SDにおいては、上述の登録処理によって登録された3つの宛先が送信先の選択肢として表示されている。
ユーザUBは、送信先選択画面SDに表示された複数の選択肢の中から所望の選択肢(宛先)を選択する(ステップS33)。これによってスキャン画像の送信先が指定される。
また、ユーザUBは、スキャン処理対象の原稿をADF(オートドキュメントフィーダ:自動原稿送り装置)に或いは原稿載置面に載置した後に、送信ボタンBN5を押下する(ステップS34)。
この押下操作に応じて、MFP10(画像読取部2等)は、ADF等に載置された原稿のスキャン動作を開始し、スキャン画像ファイルを生成する(ステップS35)。
このスキャン画像の送信動作は、指定された宛先に関してアドレス帳ALに登録されている情報(登録済情報とも称する)に基づいて行われる。
そのため、ステップS36においては、MFP10(アクセス制御部15等)は、ステップS33で指定された宛先(指定宛先とも称する)のログイン情報(ユーザIDおよびパスワード)を確認する。具体的には、ステップS33で指定された当該宛先のログイン情報として、(図7に示すように)固定的な内容がアドレス帳ALに登録されているか、あるいは、(図9に示すように)非固定的な内容がアドレス帳ALに登録されているかが判定される。換言すれば、ステップS33で指定された宛先が上述の「フレキシブルログイン宛先」であるか否かが確認される。
指定宛先が通常の宛先(フレキシブルログイン宛先以外の宛先)である場合には、ステップS37からステップS39に進む。ステップS39では、アドレス帳ALに登録された当該指定宛先のログイン情報がそのまま使用されて、当該指定宛先に対するログインアクセス(ログイン動作)が実行される。
一方、指定宛先がフレキシブルログイン宛先である場合には、ステップS37からステップS38に進む。ステップS38においては、当該指定宛先に対する電子ファイル(スキャン画像)のネットワーク送信動作時にMFP10にログインしているログインユーザUBのMFP10に対するログイン情報を使用して、当該指定宛先に対するログインアクセス(ログイン動作)が実行される。
なお、ステップS36〜S39の処理は、MFP10のアクセス制御部15等によって実行される。
その後、ステップS38あるいはステップS39から、ステップS41に進む。指定宛先へのログインが成功した場合には、ステップS42に進み、MFP10(通信制御部11およびアクセス制御部15等)は、スキャン画像を当該指定宛先に送信し、送信結果(送信成功)を示す結果表示画面SRを表示する。一方、指定宛先へのログインが失敗した場合には、ステップS43に進み、MFP10(通信制御部11およびアクセス制御部15等)は、送信結果(送信エラー)を示す結果表示画面SRを表示する。
たとえば、ステップS33において図15に示すように登録番号「1」の宛先「開発部サーバ」が送信対象として選択されて送信ボタンBN5が押下される場合には、当該宛先「1」がフレキシブルログイン宛先ではない旨がステップS37で判定されて、ステップS37からステップS39に進む。そして、アドレス帳ALに登録された当該指定宛先のログイン情報(ユーザID「guest」およびパスワード「123」)がそのまま使用され、当該指定宛先(「開発部サーバ」)に対するログイン動作が実行される(ステップS39)。このログイン動作の際には、当該指定宛先の宛先特定用情報(具体的には、IPアドレス「111.111.111.100」およびファイルパス「共有フォルダ」)も利用される。そして、ログインに成功した後、スキャン画像の送信動作が実行され、図16に示すような結果表示画面SR1が表示される(ステップS42)。図16の結果表示画面SR1においては、スキャン画像の送信動作が正常に終了したことが示されている。また、結果表示画面SR1においては、通信動作に利用された各種の情報(「IPアドレス」、「ファイルパス」、「ユーザID」、「パスワード」)も示されている。
また、ステップS33において図17に示すように登録番号「2」の宛先「知財部サーバ」が送信対象として選択されて送信ボタンBN5が押下される場合には、当該宛先(指定宛先)「2」が「フレキシブルログイン宛先」である旨がステップS37で判定されて、ステップS37からステップS38に進む。そして、当該指定宛先「2」に対するファイル送信動作(ここではスキャン画像送信動作)時にログインしているログインユーザUBのログイン情報(ユーザID「Byama」およびパスワード「1234567890」)を使用して当該指定宛先に対するログイン動作が実行される(ステップS38)。このログイン動作の際には、当該指定宛先の宛先特定用情報(具体的には、IPアドレス「123.123.123.100」およびファイルパス「部内共有」)も利用される。そして、ログインに成功した後、スキャン画像の送信動作が実行され、図18に示すような結果表示画面SR2が表示される(ステップS42)。図18の結果表示画面SR2においては、スキャン画像の送信動作が正常に終了したことが示されているとともに、通信動作に利用された各種の情報(「IPアドレス」、「ファイルパス」、「ユーザID」、「パスワード」)も示されている。
同様に、ステップS33において図19に示すように登録番号「3」の宛先「A川個人用」が送信対象として選択されて送信ボタンBN5が押下される場合には、当該宛先(指定宛先)「3」が「フレキシブルログイン宛先」である旨がステップS37で判定されて、ステップS37からステップS38に進む。そして、当該指定宛先「3」に対するファイル送信動作(ここではスキャン画像送信動作)時にログインしているログインユーザUBのログイン情報(ユーザID「Byama」およびパスワード「1234567890」)を使用して当該指定宛先に対するログイン動作が実行される(ステップS38)。このログイン動作の際には、当該指定宛先の宛先特定用情報(具体的には、IPアドレス「123.123.123.100」およびファイルパス「部員¥A川」)も利用される。ただし、この場合には、ユーザUBは当該宛先に関するログイン権限を有していないため、ログインに失敗する。その後、図20に示すような結果表示画面SR3が表示される(ステップS43)。図20の結果表示画面SR3においては、スキャン画像の送信動作においてエラーが発生したこと(詳細にはログインできなかったこと)が示されているとともに、通信動作に利用された各種の情報(「IPアドレス」、「ファイルパス」、「ユーザID」、「パスワード」)も示されている。
以上のような動作によれば、たとえば、ステップS13(図3)にて登録画面RG2(図8)を用いて入力されたログイン情報LM2と、ログイン中ユーザのログイン情報LM1とが互いに同一であると判定される場合においては、その登録対象の宛先は「フレキシブルログイン宛先」としてアドレス帳ALに登録される。ユーザUAによって入力されたログイン情報LM2がそのまま登録されるのではない。
その後、アドレス帳ALに登録された宛先が通信先として指定されて通信動作が行われる際において、指定された宛先が「フレキシブルログイン宛先」である場合には、当該通信動作時におけるログインユーザUBのログイン情報LM3が用いられる。したがって、ユーザUAにより入力されたログイン情報LM2がアドレス帳ALにそのまま登録される場合に生じ得る諸問題を回避することが可能である。たとえば、ユーザUBがユーザUAとして誤って認証されてしまうなどの問題を回避することができる。
なお、第1実施形態においては、ステップS15における接続確認が成功した場合にのみ、アドレス帳ALへの登録動作が行われる態様が例示されているが、これに限定されない。たとえば、ステップS15における接続確認を行うことなく、アドレス帳ALへの登録動作が行われるようにしてもよい。
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図21は、第2実施形態に係るMFP10(10Bとも称する)の機能ブロックを示す図である。図21に示すように、第2実施形態に係るMFP10(10B)のコントローラ9(9Bとも称する)は、アクセス試行部16をさらに備える。
第2実施形態においては、MFP10Bのアクセス試行部16(図21参照)等によって、アドレス帳ALにおける登録対象の宛先に対するログインアクセス(ログイン動作)が試行される。具体的には、ユーザUAのMFP10に対するログイン情報LM1と、アドレス帳ALの宛先登録に際してユーザUAによって入力された登録用情報に含まれる宛先特定用情報(「IPアドレス」および「ファイルパス」)とを用いて、当該ログインアクセスが試行される。そして、所定の条件C2が充足される場合には、当該宛先が「フレキシブルログイン宛先」としてアドレス帳ALに登録される。ここで、条件C2は、当該ログイン情報LM1等による当該宛先に対するログインアクセスの試行が成功することである。
以下では、図22等を参照しながら、アドレス帳ALに所望の宛先(通信先)を登録する動作(宛先登録動作)について説明する。なお、アドレス帳機能を利用した送信動作は第1実施形態と同様である。
図22は、アドレス帳ALへの宛先登録に関するMFP10(10B)の動作を示すフローチャートである。ここでは、第1実施形態と同様に、ユーザUAがMFP10を操作して、MFP10内のアドレス帳ALへの宛先登録操作を行うものとする。
まず、図22のステップS51において、MFP10BへのユーザUAのログイン動作が行われる。この動作は、図3のステップS11と同様の動作である。たとえば、このログイン動作において、MFP10Bに対するユーザUAの認証用情報(ログイン情報LM1)がユーザUAによってログイン画面LA1(図5参照)に入力される。そして、当該ログイン情報LM1を用いた認証動作が認証制御部14によって行われる。ここでは、ユーザUAの認証が成功しユーザUAのログインが許可されたものとして説明を続ける。
MFP10BにログインしたユーザUAは、所定のメニュー画面操作においてメニュー項目「アドレス帳登録」を選択することによって、アドレス帳ALの登録画面RG(図23、図26等参照)をMFP10Bのタッチパネル25に表示させる(ステップS52)。図23、図26は、それぞれ、アドレス帳ALの登録画面RG(RG11,RG12)を示す図である。
そして、ステップS53において、ユーザUAは、登録画面RGを用いて、アドレス帳ALへの登録対象の宛先に関する登録用情報を入力する。具体的には、登録対象の宛先に関する各種の情報(具体的には、「登録番号」、「登録名」、「IPアドレス」、「ファイルパス」)がそれぞれ登録画面RG内の各入力欄に対して入力される。なお、この登録画面RGでは、「ユーザID」、「パスワード」は入力されない。
たとえば、図23においては、「開発部サーバ」(ファイルサーバ50b)のフォルダ「共有フォルダ」に関する宛先登録を行う際の登録画面RG(RG11)が示されている。図23においては、登録画面RG11内の各入力欄に対して、それぞれ対応する内容が入力された様子が示されている。具体的には、登録画面RG11内の登録番号欄に「1」、登録名欄に「開発部サーバ」、IPアドレス欄に「111.111.111.100」、ファイルパス欄に「共有フォルダ」がそれぞれ入力された様子が示されている。
同様に、図26においては、「知財部サーバ」(ファイルサーバ50a)のフォルダ「部内共有」に関する宛先登録を行う際の登録画面RG(RG12)が示されている。図26においては、登録画面RG12の登録番号欄に「2」、登録名欄に「知財部サーバ」、IPアドレス欄に「123.123.123.100」、ファイルパス欄に「部内共有」がそれぞれ入力された様子が示されている。
さらに、登録画面RG(RG11,RG12等)内の登録ボタンBN21が押下されると、ステップS55に進む。
ステップS55では、登録画面RGを用いて入力された宛先に対する接続確認動作が実行される。この接続確認動作は、ステップS53で入力された登録用情報(宛先特定情報)とステップS51で入力された(ユーザUAのMFP10Bに対する)ログイン情報LM1とを用いて、アクセス試行部16等によって行われる。
ステップS56では、認証結果に応じた分岐処理が実行される。
ステップS55の接続確認動作(認証動作)が失敗した場合には、MFP10Bは、認証結果「NG」をファイルサーバ50aから受信し、ステップS56からステップS57に進む。ステップS57〜S59では、通常の登録動作が、MFP10Bの登録制御部17および表示制御部13等によって行われる。
一方、ステップS55の接続確認動作(認証動作)が成功した場合には、MFP10Bは認証結果「OK」をファイルサーバ50aから受信し、ステップS56からステップS61に進む。そして、登録内容が確認(ステップS61)された後に、フレキシブルログイン宛先として宛先をアドレス帳ALに登録する動作(ステップS62)が、MFP10Bの登録制御部17および表示制御部13等によって行われる。
たとえば、図26の登録画面RG12による登録動作が行われる際には、まず、ステップS55において、「知財部サーバ」(ファイルサーバ50a)のフォルダ「部内共有」に対する接続確認動作が次のようにして実行される。
具体的には、ステップS53で入力された宛先特定情報(IPアドレス「123.123.123.100」およびファイルパス「部内共有」)を用いて、MFP10B(アクセス試行部16)は、ファイルサーバ50aへアクセスする。また、MFP10B(アクセス試行部16)は、認証情報として、ステップS51で入力されたログイン情報LM1(ユーザID「Akawa」およびパスワード「123456」)をファイルサーバ50aに送信する。ファイルサーバ50aは、MFP10Bから受信したログイン情報LM1とファイルサーバ50a内に予め登録されている正規のログイン情報とを比較して認証動作を行い、その認証結果をMFP10Bに返送する。
上述のように、ユーザUAは、この宛先(ファイルサーバ50aのフォルダ「部内共有」)に対するログイン権限を有している。そのため、ファイルサーバ50aにおける当該認証動作は成功し、ファイルサーバ50aは、認証成功を示す認証結果をMFP10Bに送信する。
MFP10Bは、当該認証結果を受信すると、「認証動作が成功した」旨を判定する。そして、処理はステップS61に進む。
ステップS61では、図27のような確認画面CN12が登録制御部17および表示制御部13等によって表示される。確認画面CN12においては、登録番号「2」の宛先のログイン情報(「ユーザID」および「パスワード」)として、当該宛先使用時点でのログインユーザ(たとえばユーザUB)のMFP10Bへのログイン情報が登録される旨が示されている。換言すれば、当該宛先の「ユーザID」として「フレキシブルユーザID」が登録され且つ当該宛先の「パスワード」として「フレキシブルパスワード」が登録される旨が示されている。
その後、ユーザUAが当該内容を確認してOKボタンBN3を押下すると、MFP10B(登録制御部17)は、OKボタンBN3の押下に応答して、登録番号「2」に関する登録動作を実行する(ステップS62)。これにより、登録画面RG12を用いて入力された登録用情報(具体的には、「登録番号」、「登録名」、「IPアドレス」、「ファイルパス」)は当該宛先の宛先情報としてそのままアドレス帳ALに登録される。ただし、当該宛先の宛先情報のログイン情報(「ユーザID」および「パスワード」)としては、当該宛先使用時点でのログインユーザのMFP10Bへのログイン情報を使用すべき旨が登録される。詳細には、当該宛先の「ユーザID」としては「フレキシブルユーザID」が登録され、当該宛先の「パスワード」としては「フレキシブルパスワード」が登録される。
図26の登録画面RG12による登録動作が行われる際には、以上のような動作が行われる。
また、たとえば、図23の登録画面RG11に関する登録操作が行われる場合には、ステップS55において、「開発部サーバ」(ファイルサーバ50b)のフォルダ「共有フォルダ」に対する接続確認動作が次のようにして実行される。具体的には、ステップS53で入力された宛先特定情報(IPアドレス「111.111.111.100」およびファイルパス「共有フォルダ」)を用いて、MFP10B(アクセス試行部16)は、ファイルサーバ50bへアクセスする。また、MFP10B(アクセス試行部16)は、認証情報として、ステップS51で入力されたログイン情報LM1(ユーザID「Akawa」およびパスワード「123456」)をファイルサーバ50bに送信する。ファイルサーバ50bは、MFP10Bから受信したログイン情報LM1とファイルサーバ50b内に予め登録されている正規のログイン情報とを比較して、認証動作を行い、その認証結果をMFP10Bに返送する。
ここにおいて、ユーザUAは、この宛先(ファイルサーバ50bのフォルダ「共有フォルダ」)に対するログイン権限を有していない。そのため、ファイルサーバ50bにおける当該認証動作は失敗し、ファイルサーバ50bは、認証失敗を示す認証結果をMFP10Bに送信する。
MFP10Bは、当該認証結果を受信すると、「認証動作が失敗した」旨を判定する。そして、処理はステップS57に進む。
ステップS57では、MFP10B(表示制御部13および登録用情報受付部12b)は、当該宛先に関する追加登録用情報(宛先のログイン情報)の入力用の入力画面RL11(図24)をタッチパネル25に表示する。ユーザUAは、当該入力画面RL11を用いて当該宛先の登録用のログイン情報を入力する。登録用情報受付部12bは、当該入力画面RL11を用いてユーザUAから入力された当該宛先の登録用のログイン情報を受け付ける。
図24においては、ユーザID欄に「guest」、パスワード欄に「123」がそれぞれ入力された様子が示されている。その後、登録ボタンBN22が押下されると、入力内容が確定され、ステップS58に進む。
ステップS58,S59では通常の登録動作が実行される。具体的には、登録内容を確認するための確認画面CNが表示され(ステップS58)、当該内容が確認された後に、当該登録内容がMFP10B内のアドレス帳ALに登録される(ステップS59)。
より詳細には、ステップS58では、図25のような確認画面CN11が表示される。確認画面CN11においては、登録番号「1」の宛先のログイン情報(「ユーザID」および「パスワード」)として、ステップS57で入力された登録用ログイン情報が登録される旨が示されている。
その後、ユーザUAが当該内容を確認してOKボタンBN3を押下すると、MFP10Bは、OKボタンBN3の押下に応答して、登録番号「1」に関する登録動作を実行する(ステップS59)。これにより、登録用情報を入力するための登録画面RG11,RL11を用いて入力された登録用情報(具体的には、「登録番号」、「登録名」、「IPアドレス」、「ファイルパス」、「ユーザID」および「パスワード」)が当該宛先の宛先情報としてそのままアドレス帳ALに登録される。
図23の登録画面RG11による登録動作が行われる際には、このような動作が行われる。
このような登録動作後においては、第1実施形態と同様に、アドレス帳機能を利用した送信動作が行われる(図12参照)。
以上のような態様によれば、ステップS53(図22)にて登録画面RG12(図26)を用いて入力された宛先特定情報とステップS51で入力されたログイン情報LM1とを用いて、登録対象の宛先に対するログインアクセス(ログイン動作)がMFP10Bのアクセス試行部16(図21参照)によって試行される。そして、登録時にログインしているログインユーザUAのログイン情報LM1による当該宛先に対するログインアクセスが成功する場合には、当該宛先は「フレキシブルログイン宛先」としてアドレス帳ALに登録される。この場合、宛先に関するログイン情報が自動的に登録されるため、ユーザUAは当該宛先のログイン情報を再入力することを要しない。したがって、操作性を向上させることが可能である。
また、その後、アドレス帳ALに登録された宛先が通信先として指定されて通信動作が行われる際において、指定された宛先が「フレキシブルログイン宛先」である場合には、当該通信動作時におけるログインユーザUBのログイン情報LM3が用いられる。したがって、第1実施形態と同様の効果を得ることも可能である。
<3.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
たとえば、上記各実施形態においては、MFP10内のアドレス帳ALに宛先が登録される場合について説明したが、これに限定されず、MFP10の外部装置内のアドレス帳(たとえば、図28の認証サーバ内にて記憶されるアドレス帳)ALに宛先が登録される場合に上記の思想が適用されるようにしてもよい。図28は、このような変形例に係る画像形成システムの構成を示す概略図である。図28に示されるように、当該画像形成システムにおいては、認証サーバ70がさらに設けられており、当該認証サーバ70内にアドレス帳ALが格納されている。
図28の認証サーバ70内にて格納されるアドレス帳ALへの登録動作は、MFP10の登録制御部17および通信部4等によって、ネットワークNWを介して実行されればよい。また、MFP10におけるスキャン画像に関する通信動作(ファイル送信動作)時においては、MFP10(詳細にはアクセス制御部15等)は、図28の認証サーバ内にて記憶されるアドレス帳ALに対してネットワークNWを介してアクセスすればよい。そして、MFP10(アクセス制御部15等)は、当該アドレス帳ALに記憶された当該宛先に関する情報を取得し、当該取得された情報に基づいて当該宛先(ファイルサーバ50a,50b等)にアクセスすればよい。