JP2015051949A - 貼付製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】保存中の貼付製剤の粘着力低下や着色等を抑制すること。
【解決手段】支持体の片面に、薬物(但し、ビソプロロールおよびその塩を除く)と粘着剤とを含有する粘着剤層が積層された貼付製剤であって、粘着剤層中のハロゲン原子の含有量が0.01〜100重量ppmであることを特徴とする貼付製剤。
【選択図】なし
【解決手段】支持体の片面に、薬物(但し、ビソプロロールおよびその塩を除く)と粘着剤とを含有する粘着剤層が積層された貼付製剤であって、粘着剤層中のハロゲン原子の含有量が0.01〜100重量ppmであることを特徴とする貼付製剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、皮膚を通して薬物を生体内へ持続的に吸収させるための貼付製剤に関する。
近年、薬物を、皮膚を通して生体内へ投与するために皮膚貼付型の貼付製剤が種々開発されており、これらの中で特に全身性の薬理作用を発揮する薬物を含有した貼付製剤が注目されている。これらの貼付製剤は、支持体に、アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤などの粘着剤に各種の経皮吸収性薬物を混合した粘着剤層を形成したものであって、皮膚に貼付することにより薬物が皮膚を通して持続的に体内に吸収されるものであり、優れた薬理作用を発揮するものである。
しかし、これらの貼付製剤は、保存中に貼付製剤が着色するものや、粘着力が低下するものがあった。
このような着色を抑制するために、例えば2−メルカプトベンズイミダゾールや没食子酸プロピルなどの分解抑制剤(抗酸化剤、安定化剤)などを粘着剤層に添加する方法(特許文献1)などが提案されている。
本発明の目的は、保存中の貼付製剤の粘着力低下や着色等を抑制することにある。
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、貼付製剤において、粘着剤層中のハロゲン原子の含有量を0.01〜100重量ppmとすることにより、該貼付製剤の粘着力低下や着色等を抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記知見に基づく本発明は以下の通りである。
[1] 支持体の片面に、薬物(但し、ビソプロロールおよびその塩を除く)と粘着剤とを含有する粘着剤層が積層された貼付製剤であって、粘着剤層中のハロゲン原子の含有量が0.01〜100重量ppmであることを特徴とする貼付製剤。
[2] ハロゲン原子の含有量がフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子の合計含有量である前記[1]に記載の貼付製剤。
[3] 薬物がその塩を含む前記[1]または[2]に記載の貼付製剤。
[4] 前記塩が無機酸塩である前記[3]に記載の貼付製剤。
[1] 支持体の片面に、薬物(但し、ビソプロロールおよびその塩を除く)と粘着剤とを含有する粘着剤層が積層された貼付製剤であって、粘着剤層中のハロゲン原子の含有量が0.01〜100重量ppmであることを特徴とする貼付製剤。
[2] ハロゲン原子の含有量がフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子の合計含有量である前記[1]に記載の貼付製剤。
[3] 薬物がその塩を含む前記[1]または[2]に記載の貼付製剤。
[4] 前記塩が無機酸塩である前記[3]に記載の貼付製剤。
本発明によれば、保存中の貼付製剤の粘着力低下や着色等を抑制することができる。
図1は、本発明の貼付製剤(以下「貼付製剤」と略称することがある)の一実施形態を示す模式的な断面図である。図1に示す貼付製剤10は、支持体1と、該支持体1の片面に積層された粘着剤層2と、その表面に積層された剥離ライナー3とを備える。なお剥離ライナー3は無くてもよい。粘着剤層2は、薬物と粘着剤とを含有する。
本発明は、貼付製剤における粘着剤層中のハロゲン原子の含有量を0.01〜100重量ppmに制御することを特徴とする。ハロゲン原子の含有量を制御することによって、保存中の貼付製剤の粘着力低下や着色等を抑えることができる。また粘着剤層中に0.01重量ppm以上のハロゲン原子を含めることによって、粘着剤層が皮膚への貼付時に皮膚表面に対して抗菌作用を与えることが推察される。ハロゲン原子の含有量は、好ましくは0.01〜50重量ppmであり、より好ましくは0.01〜40重量ppmである。
ここでハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を意味する。本発明では、特定のハロゲン原子含有量を有する薬物を選別し、あるいは後述する方法によって精製した薬物を使用することによって、粘着剤層中のハロゲン原子の含有量を0.01〜100重量ppmに制御させている。
粘着剤層中のハロゲン原子の含有量は、公知の方法(例えば、イオンクロマトグラフィー)によって測定することができる。ハロゲン原子の含有量の測定方法の一例としては、例えば、貼付製剤の粘着剤層を約10〜30mg採取したものを試料とし、その重量を測定し、その試料を自動試料燃焼装置にて900〜1000℃の条件で燃焼させ、発生したハロゲンガスまたはハロゲン化水素ガスを吸収液(純水等)に吸収させる。吸収液に吸収されたハロゲン原子をJIS K 0127(イオンクロマトグラフ法(電気伝導度検出器))に従い測定し、ハロゲン原子の含有量を算出する。
本発明で使用する薬物としては、例えば、全身性麻酔薬、催眠・鎮静薬、抗癲癇薬、解熱鎮痛消炎薬、鎮暈薬、精神神経用薬、中枢神経薬、局所麻酔薬、骨格筋弛緩薬、自律神経用薬、鎮痙薬、抗パーキンソン薬、抗ヒスタミン薬、強心薬、不整脈用薬、利尿薬、血圧降下薬、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、動脈硬化用薬、循環器用薬、呼吸促進薬、鎮咳去痰薬、ホルモン薬、化膿性疾患用外用薬、鎮痛・鎮痒・収斂・消炎用薬、寄生性皮膚疾患用薬、止血用薬、痛風治療用薬、糖尿病用薬、抗悪性腫瘍用薬、抗生物質、化学療法薬、麻薬、禁煙補助薬等が挙げられる。薬物は、フリー体(遊離塩基または遊離酸)でもよく、その塩でもよい。薬物の塩としては、無機酸塩(即ち、薬物と無機酸との塩)、有機酸塩、無機塩基との塩、有機塩基との塩のいずれでもよい。薬物は、市販品を使用してもよく、公知の方法に従って製造してもよい。薬物は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。但し、薬物としてビソプロロールおよびその塩は除く。
粘着剤層中の薬物の含有量は、薬物の種類によって適宜設定することができるが、一般に0.5〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%である。一般にこの含有量が0.5重量%以上であれば、治療に有効な量の薬物放出が期待できる。一方、一般にこの含有量が40重量%以下であれば、治療効果を充分に発現できると期待されると共に、経済的に有利であり、30重量%以下であれば、経済的により有利である。
粘着剤層中のハロゲン原子の含有量を制御するために、例えば、薬物に含まれる塩(例えば、薬物の塩酸塩)を一般的な精製方法によって制限した薬物を使用してもよい。一般的な精製方法としては、例えば、溶媒抽出、溶解度差、結晶化、吸着処理、クロマトグラフィー、膜処理などが挙げられる。薬物中の塩の含有量は、好ましくは0.001〜8重量%、より好ましくは0.001〜4重量%である。
本発明に用いられる粘着剤は特に限定されないが、好適には非水溶性粘着剤が挙げられる。非水溶性粘着剤としては、例えば、アクリル系重合体を含むアクリル系粘着剤;スチレン−ジエン−スチレンブロック共重合体(例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等を含むゴム系粘着剤;シリコーンゴム、ジメチルシロキサン、ジフェニルシロキサン等を含むシリコーン系粘着剤;ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等を含むビニルエーテル系粘着剤;酢酸ビニル−エチレン共重合体等を含むビニルエステル系粘着剤;ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレート等のカルボン酸成分とエチレングリコール等との多価アルコール成分からなるポリエステルを含むポリエステル系粘着剤;等が挙げられる。これらの中で、ゴム系粘着剤およびアクリル系粘着剤が好ましく、ゴム系粘着剤がより好ましい。
ゴム系粘着剤を使用する場合、粘着剤層中のその含有量は、好ましくは15〜60重量%、より好ましくは15〜55重量%である。好ましいゴム系粘着剤としては、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ブチルゴム、およびスチレン−ジエン−スチレンブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種を粘着剤中15重量%以上の量で含有するゴム系粘着剤が挙げられる。中でも、薬物安定性が高く、必要な接着力および凝集力が両立できる観点から、ポリイソブチレンが好適に使用される。ゴム系粘着剤は、1種のみのポリイソブチレンを含有してもよく、また分子量の異なる2種以上のポリイソブチレンを含有してもよい。
ゴム系粘着剤として1種のみのポリイソブチレンを使用する場合、粘着剤層中のポリイソブチレンの含有量は、好ましくは15〜60重量%、より好ましくは15〜55重量%である。この含有量が15重量%未満であると、粘着剤層に必要な内部凝集力を付与し難くなるおそれがあり、他方、60重量%を超えると、粘着剤層の皮膚接着性やタックが低下するおそれがある。
ポリイソブチレンの分子量は特に限定されないが、1種のみのポリイソブチレンを使用する場合、その粘度平均分子量は、好ましくは40,000〜5,500,000、より好ましくは45,000〜5,000,000である。粘度平均分子量が40,000未満であると、粘着剤層に必要な内部凝集力を付与し難くなるおそれがあり、他方、5,500,000を超えると、粘着剤層の皮膚接着性やタックが低下するおそれがある。
粘着剤層の適度な凝集力と、適度な柔軟性および皮膚接着性とを容易に両立するためには、分子量の異なる2種以上のポリイソブチレンを含有するゴム系粘着剤を使用することが好ましい。本明細書において「分子量の異なる2種以上のポリイソブチレン」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布のピークを、二つ以上の独立した領域に有するポリイソブチレン(即ち、分子量分布のピークが一つであるポリイソブチレンを2種以上含有する混合物)をいう。なお、通常のポリイソブチレンの分子量分布のピークは概して一つである。この「分子量が異なる2種以上のポリイソブチレン」には、粘度平均分子量が異なる2種以上のポリイソブチレン、例えば、第1のポリイソブチレンと、第1のポリイソブチレンよりも相対的に分子量の低い第2のポリイソブチレンが含まれている。第1のポリイソブチレンは粘着剤層に適度な凝集力を付与し、また第2のポリイソブチレンは粘着剤層に適度な柔軟性および皮膚接着性を付与することができる。
第1のポリイソブチレンと第2のポリイソブチレンとの分子量は特に限定されるものではないが、良好な接着性や薬物の充分な放出性を得るためには、第1のポリイソブチレンの粘度平均分子量は、好ましくは1,800,000〜5,500,000、より好ましくは2,000,000〜5,000,000であり、かつ第2のポリイソブチレンの粘度平均分子量は、好ましくは40,000〜85,000、より好ましくは45,000〜65,000である。第1のポリイソブチレンの粘度平均分子量が1,800,000未満であると、粘着剤層に必要な内部凝集力を付与し難くなるおそれがあり、他方、5,500,000を超えると、粘着剤層の皮膚接着性やタックが低下するおそれがある。また、第2のポリイソブチレンの粘度平均分子量が40,000未満であると、粘着剤層にベトツキ感が発現し、また皮膚を汚染するおそれがあり、他方、85,000を超えると粘着剤層の皮膚接着性やタックが低下するおそれがある。なお、第1および第2のポリイソブチレンは、それぞれの分子量分布の範囲内で2種以上を組み合わせて用いることができる。
本明細書において粘度平均分子量とは、シュタウディンガーインデックス(J0)を20℃にてウベローデ粘度計のキャピラリーのフロータイムから下記式(1)(Schulz-Blaschke式)により算出し、このJ0値を用いて下記式(2)により求められる値をいう。
J0=ηSP/c(1+0.31ηSP)(cm3/g) (Schulz-Blaschke式) (1)
ηSP=t/to−1
t:溶液のフロータイム (Hagenbach-Couette補正式による)
t0:溶媒のフロータイム (Hagenbach-Couette補正式による)
c:溶液の濃度(g/cm3)
J0=3.06×10−2Mv0.65 (2)
Mv:粘度平均分子量
J0=ηSP/c(1+0.31ηSP)(cm3/g) (Schulz-Blaschke式) (1)
ηSP=t/to−1
t:溶液のフロータイム (Hagenbach-Couette補正式による)
t0:溶媒のフロータイム (Hagenbach-Couette補正式による)
c:溶液の濃度(g/cm3)
J0=3.06×10−2Mv0.65 (2)
Mv:粘度平均分子量
ゴム系粘着剤として分子量の異なる2種以上のポリイソブチレンを使用する場合、粘着剤層中のポリイソブチレンの合計含有量は、好ましくは15〜60重量%、より好ましくは15〜55重量%である。ポリイソブチレンの合計含有量が15重量%未満であると、粘着剤層に必要な内部凝集力を付与し難くなるおそれがあり、他方、60重量%を超えると、粘着剤層の皮膚接着性やタックが低下するおそれがある。
ゴム系粘着剤として分子量の異なる2種のポリイソブチレンを使用する場合、第1のポリイソブチレン(a)と、第2のポリイソブチレン(b)との重量比(a:b)は、好ましくは1:0.1〜1:3、より好ましくは1:0.1〜1:2.5、さらに好ましくは1:0.3〜1:2である。これら2種のポリイソブチレンのうち、第2のポリイソブチレン(b)の割合が前記上限を超えると、粘着剤層の内部凝集力の低下が大きくなるおそれがあり、他方、下限未満であると、粘着剤層の皮膚接着力の低下が大きくなるおそれがある。
好ましいアクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体を粘着剤中に好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上の量で含有するアクリル系粘着剤が挙げられる。該重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体または共重合体のいずれでもよい。即ち、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。ここで、(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基の炭素数は、好ましくは4〜12である。該アルキル基は、直鎖でも、分岐鎖でもよい。該アルキル基としては、例えば、ブチル、t−ブチル、ペンチル、へキシル、へプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等が挙げられる。これらの中で2−エチルヘキシルが好ましい。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、これと共重合可能な他の単量体との共重合体でもよい。他の単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシ基を有する単量体;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルスルホン酸等のスルホ基を有する単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシ基を有する単量体;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基を有する単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等の(メタ)アクリル酸アルコキシエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキレングリコールエステル;(メタ)アクリロニトリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン等のビニル系化合物等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび他の単量体はいずれも、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。この共重合体中の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位の量は、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%以上である。
アクリル系粘着剤を使用する場合、十分な皮膚接着性を粘着剤層に付与するために、粘着剤層中のアクリル系粘着剤の含有量は、好ましくは30〜75重量%、より好ましくは35〜70重量%、さらに好ましくは40〜65重量%である。
粘着剤層がゴム系粘着剤を含む場合、該粘着剤層に適度な粘着性を付与するために、例えば、ロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂、キシレン樹脂等の粘着付与剤を使用することが好ましい。粘着付与剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。粘着付与剤としては、石油系樹脂が好ましい。石油系樹脂としては、脂肪族系(C5系)石油樹脂、芳香族系(C9系)石油樹脂、共重合体系(C5−C9系)石油樹脂、および芳香族系(C9系)石油樹脂を部分水素添加または完全水素添加することによって得られる脂環族飽和炭化水素樹脂等が例示される。
粘着付与剤を使用する場合、粘着剤層中のその含有量は、好ましくは10〜55重量%、より好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは10〜45重量%である。粘着付与剤の含有量が10重量%未満であるとタックおよび凝集力が乏しい場合があり、他方55重量%を超えると粘着剤層が固くなり、皮膚接着性が低下する傾向にある。
なお、粘着付与剤の軟化点は、好ましくは90〜150℃、より好ましくは95〜145℃である。軟化点が90℃〜150℃であると、粘着剤層の各含有成分との相溶性が良好で、均一に混合しやすくなる傾向にある。なお、本発明における軟化点は環球法によって測定される値である。
なお、粘着付与剤の軟化点は、好ましくは90〜150℃、より好ましくは95〜145℃である。軟化点が90℃〜150℃であると、粘着剤層の各含有成分との相溶性が良好で、均一に混合しやすくなる傾向にある。なお、本発明における軟化点は環球法によって測定される値である。
皮膚貼付時におけるソフト感を付与するために粘着剤層に、さらに液状またはペースト状の有機成分を加えてもよい。ここで「液状またはペースト状の有機成分」とは、25℃で粘度が0.01mPa・s〜10000Pa・sの範囲のものをいう。上記粘度の測定は、例えば、E型粘度計(東京計器製:EMD型円錐−平板型回転式)を用いて行うことができる。液状またはペースト状の有機成分は、特に限定されないが、経皮吸収促進効果を有するものが好ましい。液状またはペースト状の有機成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類;グリセリン;オリーブ油、ヒマシ油、スクアラン、ラノリン等の油脂類;流動パラフィン等の炭化水素類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤;エトキシ化ステアリルアルコール;オレイン酸モノグリセリド、カプリル酸モノグリセリド、ラウリル酸モノグリセリド等のグリセリンモノエステル類;グリセリンジエステル類;カプリル酸トリグリセリド等のグリセリントリエステル類;ラウリル酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル等の脂肪酸アルキルエステル類;オレイン酸、カプリル酸等の脂肪酸類;1−ドデカノール、1−テトラデカノール、1−ヘキサデカノール等の直鎖脂肪族アルコール;2−ヘキシル−1−デカノール、2−オクチル−1−ドデカノール、2−ヘキシル−1−テトラデカノール等の分岐鎖脂肪族アルコール;N−メチルピロリドン;1,3−ブタンジオール;等が挙げられる。液状またはペースト状の有機成分は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
液状またはペースト状の有機成分を使用する場合、粘着剤層から該有機成分のはみ出しを防止するために、粘着剤層中の該有機成分の含有量は、好ましくは5〜70重量%、より好ましくは10〜65重量%、さらに好ましくは20〜50重量%である。
また、本発明の貼付製剤においては、粘着剤層の凝集力を向上させる上で必要により、粘着剤層に適当な充填剤を含有させることができる。このような充填剤としては特に限定されないが、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉄、水酸化アルミニウム、タルク、カオリン、ベントナイト、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機微粒子、乳糖、カーボンブラック、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、セルロース類、アクリル樹脂等の有機微粒子、更にはポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、セルロース類、アクリル樹脂、ガラス等の繊維が挙げられる。
さらに、所望によりカバーテープなどを本発明の貼付製剤の一部や全面を覆うように貼付して皮膚接着性を補強し、皮膚への密着性を補ってもよい。
粘着剤層は、例えば、薬物、粘着剤、並びに必要に応じて粘着付与剤、液状またはペースト状の有機成分およびその他の成分を適当な溶媒(例えば、トルエン)に溶かし、得られた粘着剤溶液を剥離ライナーまたは支持体上に塗布して、乾燥させることによって形成することができる。乾燥後の粘着剤層の厚さは、好ましくは10〜300μm、より好ましくは10〜250μm、さらに好ましくは15〜250μmである。粘着剤層の厚さが10μm未満の場合、皮膚との粘着力不足により貼付中に貼付製剤が剥がれるおそれがある。一方、粘着剤層の厚さが300μmを超える場合、貼付製剤の周縁部等から粘着剤層を構成する成分がはみ出して糊汚れが生じるおそれがある。
さらに、粘着剤層に、紫外線照射や電子線照射などの放射線照射による物理的架橋、三官能性イソシアネートなどのイソシアネート系化合物や有機過酸化物、有機金属塩、金属アルコラート、金属キレート化合物、多官能性化合物などの各種架橋剤を用いた化学的架橋処理を施してもよい。
支持体は特に限定されないが、プラスチックフィルム、不織布、紙、織布、編布、金属箔、またはこれらの積層体を使用することができる。支持体として、プラスチックフィルムに金属蒸着を施したものを使用してもよい。プラスチックフィルムの材質としては、特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル;エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン等の単量体から構成される共重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィンと他の単量体との共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル;ポリエーテルポリエステル;ポリエーテル−ポリアミドブロック共重合体;が挙げられる。支持体の厚さは、例えば5〜500μm、好ましくは10〜200μmである。
剥離ライナーは、特に限定されないが、例えば、プラスチックフィルム(例えば、PETフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等);プラスチックフィルムに金属を蒸着させた金属蒸着プラスチックフィルム;和紙、洋紙、クラフト紙、グラシン紙、上質紙等の紙類;不織布、布帛等の繊維質材料;金属箔が挙げられる。また、プラスチックフィルムと紙類との積層体、プラスチックフィルムと金属箔との積層体等も剥離ライナーとして使用できる。工業製品としての種類が多く、貼付製剤に用いるのに適切な厚さのものが数多く市販されており、求める品質のものを選択しやすいため、剥離ライナーとして、プラスチックフィルムが好ましく、ポリエステルフィルムがより好ましく、PETフィルムがさらに好ましい。剥離ライナーの厚さは、例えば10〜200μm、好ましくは25〜150μmである。剥離ライナーには、粘着剤層から容易に剥がすために、切れ目が形成されていてもよく、粘着剤層と接する側に離型処理が施された軽剥離層が形成されていてもよい。
1 支持体
2 粘着剤層
3 剥離ライナー
10 貼付製剤
2 粘着剤層
3 剥離ライナー
10 貼付製剤
Claims (4)
- 支持体の片面に、薬物(但し、ビソプロロールおよびその塩を除く)と粘着剤とを含有する粘着剤層が積層された貼付製剤であって、粘着剤層中のハロゲン原子の含有量が0.01〜100重量ppmであることを特徴とする貼付製剤。
- ハロゲン原子の含有量がフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子の合計含有量である請求項1に記載の貼付製剤。
- 薬物がその塩を含む請求項1または2に記載の貼付製剤。
- 前記塩が無機酸塩である請求項3に記載の貼付製剤。
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JP2013185600A Pending JP2015051949A (ja) | 2013-09-06 | 2013-09-06 | 貼付製剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015051949A (ja) |
-
2013
- 2013-09-06 JP JP2013185600A patent/JP2015051949A/ja active Pending
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