JP2015051225A - 移動型ｘ線装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 操作者の所望の方向に応じて、画面の向きを変更して表示させることが可能なタッチパネルを備えた移動型Ｘ線装置を提供する。【解決手段】 操作者がＬＣＤタッチパネル４６を傾けると、加速度センサが重力加速度を検出する。傾き判定部は、加速度センサの検出信号からＬＣＤタッチパネル４６の向きを判定する。表示制御部は、傾き判定部において判定された傾き方向が下になる画像や文字をＬＣＤタッチパネル４６に表示させるために、表示画面の回転方向を決めるとともに、画面の表示方向を変更する。【選択図】 図５

Description

この発明は、移動機構を備えた装置本体と、Ｘ線管と、Ｘ線管から照射され被検者を通過したＸ線を検出するＸ線検出器とを備え、被検者を透視または撮影する医用の移動型Ｘ線装置に関する。

この種の移動型Ｘ線装置としては、例えば、手術室に搬入されて使用される外科用Ｘ線装置と呼称されるものがある。このような移動型Ｘ線装置は、Ｘ線管と、このＸ線管から照射され被検体を通過したＸ線を検出するフラットパネルディテクタ（ＦＰＤ）やイメージインテンシファイア（Ｉ．Ｉ．）等のＸ線検出器を備えたＸ線検出部と、円弧状の形状を有し、Ｘ線管とＸ線検出部とを支持する略Ｃ字状のＣ型アームを備えている。このＣ型アームは、装置本体に対して水平方向を向く軸心を中心に回転可能に支持されており、装置本体は、下部にキャスターを付設して移動可能に構成されている（特許文献１参照）。

また、このような移動型Ｘ線装置においては、Ｘ線透視画像またはＸ線撮影画像は、装置本体とは別に設けられた別置モニタや、装置本体に設けられたＬＣＤタッチパネルに表示される（特許文献２参照）。

特開２００７−２６７７８８号公報 特開平１１−２９９７６６号公報

ところで、上述したような従来の移動型Ｘ線装置において、装置本体に設けられたＬＣＤタッチパネルには、透視画像または撮影画像の他に、Ｘ線の照射条件やＣ型アームの位置決め等の操作を入力する操作スイッチが表示されている。ＬＣＤタッチパネルは、装置本体の所定の位置に嵌め込み式で配置されており、画面表示に関しては、操作スイッチ等の表示が、ある一方向から操作者がＬＣＤタッチパネルを見たときに正立像となる態様に固定されている。

このため、操作者の立ち位置によっては、ＬＣＤタッチパネルに表示される操作スイッチ等の情報表示が倒立像であったり、９０度回転像であったりするため、画面に表示されている情報の判読がしにくいという問題が生じる場合がある。また、ＬＣＤタッチパネルは、床面に対して平行面となる装置本体の上部平坦面に嵌め込まれているため、操作者がＬＣＤタッチパネルの操作スイッチを操作するときには、操作スイッチ等の情報の判読が容易な位置に移動してＬＣＤタッチパネルを覗き込まなければならない。このため、操作性が低下するという問題が生じる場合がある。

この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、操作者の所望の方向に応じて、画面の向きを変更して表示させることが可能なタッチパネルを備えた移動型Ｘ線装置を提供することを目的とする。

請求項１に記載の発明は、移動機構を備えた装置本体と、前記装置本体に支持部材を介して支持されたＸ線管と、前記Ｘ線管から照射され被検者を通過したＸ線を検出するＸ線検出器と、を備えた移動型Ｘ線装置において、前記装置本体に対して傾け自在に配設され、Ｘ線画像を表示するとともにＸ線透視または撮影のために必要とされる操作項目を表示するタッチパネルと、前記タッチパネルの傾きを検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記タッチパネルの傾きに応じて、前記タッチパネルの画面の表示方向を変更する表示制御部と、を備えることを特徴とする。

請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の発明において、前記タッチパネルは、ユニバーサルジョイントにより前記装置本体に対して傾け自在に配設される。

請求項３に記載の発明は、請求項１または請求項２に記載の発明において、前記検出手段は加速度センサである。

請求項１に記載の発明によれば、タッチパネルの傾きに応じて、タッチパネルの画面の表示方向を変更する表示制御部を備えることから、操作者が所望の方向にタッチパネルを傾けたときに、傾けた方向から見て正立像となる文字および画像を、タッチパネルに表示することが可能となる。これにより、操作者はタッチパネルに表示された情報の判読を容易に行うことができる。

請求項２に記載の発明によれば、タッチパネルは、ユニバーサルジョイントにより装置本体に対して傾け自在に配設されることから、操作者は、タッチパネルを所望の方向に容易に向けることが可能となる。

請求項３に記載の発明によれば、検出手段として加速度センサを採用することにより、タッチパネルの傾き方向および角度の情報を容易に得ることが可能となる。

この発明に係る移動型Ｘ線装置の斜視図である。 この発明に係る移動型Ｘ線装置の側面図である。 ＬＣＤタッチパネル４６の概要図である。 移動型Ｘ線装置の制御系を示すブロック図である。 ＬＣＤタッチパネル４６の傾きと表示画面の向きとの関係を説明する模式図である。 この発明の第２実施形態に係る移動型Ｘ線装置の斜視図である。

以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図１は、この発明に係る移動型Ｘ線装置の斜視図であり、図２は、その側面図である。

この移動型Ｘ線装置は、外科手術を行うときにＸ線透視または撮影を実行するために、手術室に移動させて使用される外科用Ｘ線装置である。そして、この移動型Ｘ線装置は、装置本体４０と、Ｘ線管とＸ線管から照射されるＸ線の照射野を規定するコリメータを有するＸ線照射部３１と、Ｘ線管から照射されて手術台上に横たわった被検者を通過したＸ線を検出するＸ線検出器としてのイメージインテンシファイア（Ｉ．Ｉ．）とイメージインテンシファイアにより検出された画像を撮影するカメラから成るＸ線検出部３２と、これらのＸ線照射部３１およびＸ線検出部３２を支持するＣ型アーム３３とを備える。

装置本体４０は、台車状の構造を有し、移動機構を構成する方向変更用の車輪である左右一対の前輪４１と、図示しないモータの駆動により回転する駆動車輪である左右一対の後輪４２と、装置の進行方向を操作するためのハンドル４３とが配設されている。装置本体４０内には、後述するＬＣＤタッチパネル４６からの操作入力を受け付け、指定された条件でＸ線透視または撮影を実行するための装置制御を行う演算装置および記憶装置が内設されている。

Ｃ型アーム３３は、円弧上の形状を有し、Ｘ線照射部３１とＸ線検出部３２とを、Ｘ線照射部３１からＸ線検出部３２に至るＸ線の軸線が、Ｃ型アーム３３の円弧の直径と一致する状態で支持している。このＣ型アーム３３は、支持部３４に対してスライド可能に支持されている。また、支持部３４は、装置本体４０に配設され、支持部３４をＣ型アーム３３等とともに、Ｘ線照射部３１からＸ線検出部３２に至るＸ線の軸線と直交する軸を中心に旋回させる旋回部３５に連結されている。

また、装置本体４０の旋回部３５が配置されている上面部には、ＬＣＤタッチパネル４６が傾け自在に配設されている。ＬＣＤタッチパネル４６には、Ｘ線透視または撮影のために必要とされる操作項目を示す複数の操作スイッチや、Ｘ線透視画像または撮影画像等が表示される。

図３は、ＬＣＤタッチパネル４６周辺の概要図である。

この実施形態では、ＬＣＤタッチパネル４６と装置本体４０内の構造枠との間に、装置本体４０内の構造枠に固定された球受け部材５１と、この球受け部材５１の球状凹部に嵌合する球状部と一体的に構成された軸状体５３とから成る継手（球継手）５４を設けている。ＬＣＤタッチパネル４６は、フレーム５５を介して軸状体５３に固定されている。このため、ＬＣＤタッチパネル４６は、球受け部材５１の球状凹部と軸状体５３の球状部との嵌合により、装置本体４０に対して傾け自在に支持される。なお、ＬＣＤタッチパネル４６と装置本体４０内の構造枠との間の継手構造は、ユニバーサルジョイントであることが好ましいが、この実施形態のユニバーサルジョイントとしての球継手に限定されるものではなく、ＬＣＤタッチパネル４６の表示面を、ハンドル４３側から見て少なくとも前後および左右方向へ傾け可能とする継手であればよい。

また、軸状体５３には、ＬＣＤタッチパネル４６が操作者により傾けられたときの重力加速度を検出する加速度センサ５７が配設される。なお、この実施形態では、加速度センサ５７を、継手を構成する部材に配設しているが、ＬＣＤタッチパネル４６の傾きを検知するのに必要な情報が得られる位置であれば、この位置に限定されない。例えば、ＬＣＤタッチパネル４６の裏面や内側に配設してもよい。

図４は、この発明に係る移動型Ｘ線装置の主要な制御系を説明するブロック図である。

この移動型Ｘ線装置は、この装置全体の動作を制御する制御部６０を備える。制御部６０は、Ｘ線照射部３１、Ｘ線検出部３２、加速度センサ５７、ＬＣＤタッチパネル４６と接続され、装置本体４０に内設された演算装置、記憶装置および周辺回路により、この装置を動作させる各種機能を実現する。制御部６０は、機能的構成として、Ｘ線管に与える電圧等を選択された透視または撮影条件に従って制御する透視・撮影制御部６１と、Ｘ線検出部３２からのＸ線検出信号に基づいてＬＣＤタッチパネル４６に表示する画像を作成するための画像処理部６２と、ＬＣＤタッチパネル４６の傾きを判定する傾き判定部６３と、傾き判定部６３が判定した傾きに応じてＬＣＤタッチパネル４６に表示させる表示画面の向きを変更する表示制御部６４と、透視または撮影画像等を記憶する記憶部６５とを備える。

以上のような構成を有する移動型Ｘ線装置における、ＬＣＤタッチパネル４６の傾きと画面表示との関係について、さらに説明する。図５は、ＬＣＤタッチパネル４６の傾きと表示画面の向きとの関係を説明する模式図である。図５（ａ）は、ＬＣＤタッチパネル４６をＦ方向に傾けたときの表示画面を示す平面図と側断面図である。図５（ｂ）は、ＬＣＤタッチパネル４６をＢ方向に傾けたときの表示画面を示す平面図と側断面図である。図５（ｃ）は、ＬＣＤタッチパネル４６をＬ方向に傾けたときの表示画面を示す平面図と正断面図である。図５（ｄ）は、ＬＣＤタッチパネル４６をＲ方向に傾けたときの表示画面を示す平面図と正断面図である。

操作者がＬＣＤタッチパネル４６の枠体を手で押すなどしてＬＣＤタッチパネル４６を傾けると、加速度センサ５７が重力加速度を検出する。傾き判定部６３は、加速度センサ５７の検出信号からＬＣＤタッチパネル４６が傾いた方向を判定する。表示制御部６４は、傾き判定部６３において判定された傾き方向が下になる画像や文字をＬＣＤタッチパネル４６に表示させるために、表示画面の回転方向を決めるとともに、画面の表示方向を変更する。すなわち、表示制御部６４は、画像の方向がＬＣＤタッチパネル４６の傾き方向と一致するように、より詳細には、画像の下端がＬＣＤタッチパネル４６の傾き方向の下側に配置されるように、画面の表示方向を変更する。

図５（ａ）に示すように、ＬＣＤタッチパネル４６が操作者によりＦ方向に傾けられると、傾けられたＦ方向が表示画面における下になる（紙面において正立となる）ように、画像や文字等がＬＣＤタッチパネル４６に表示される。図５（ｂ）に示すように、ＬＣＤタッチパネル４６が操作者によりＢ方向に傾けられると、傾けられたＢ方向が表示画面における下になる（（ａ）の表示から上下反転となる）ように、画像や文字等がＬＣＤタッチパネル４６に表示される。図５（ｃ）に示すように、ＬＣＤタッチパネル４６が操作者によりＬ方向に傾けられると、傾けられたＬ方向が表示画面における下になる（（ａ）の表示から左９０度回転となる）ように、画像や文字等がＬＣＤタッチパネル４６に表示される。図５（ｄ）に示すように、ＬＣＤタッチパネル４６が操作者によりＲ方向に傾けられると、傾けられたＲ方向が表示画面における下になる（（ａ）の表示から右９０度回転となる）ように、画像や文字等がＬＣＤタッチパネル４６に表示される。

なお、この実施形態では、装置本体４０内の構造枠とＬＣＤタッチパネル４６との接続にユニバーサルジョイントを使用しているため、操作者によるＬＣＤタッチパネル４６の傾け方向は、図５に示すＦ、Ｂ、Ｌ、Ｒ方向に限られない。このため、傾き判定部６３は、Ｆ、Ｂ、Ｌ、Ｒ方向のうち、もっとも傾きが大きい方向を、操作者がＬＣＤタッチパネル４６を傾けた方向（ＬＣＤタッチパネル４６が傾いている方向）と判定するようにしている。

また、この実施形態では、ＬＣＤタッチパネル４６の傾きを検出する検出手段として加速度センサ５７を採用しているが、これに限定されない。例えば、検出手段としてジャイロセンサを採用した場合には、ジャイロセンサの配設位置における初期角度とジャイロセンサにより取得された角速度から、ＬＣＤタッチパネル４６の傾斜角を算出するようにしてもよい。また、ジャイロセンサと加速度センサが一体化されたセンサにより、ＬＣＤタッチパネル４６の傾き方向および角度を得るようにしてもよい。さらに、検出手段としてスイッチなどの接触センサを採用することも可能である。この場合には、ＬＣＤタッチパネル４６の枠体や装置本体４０内におけるＬＣＤタッチパネル４６の可動域の所定の位置（図５におけるＦ、Ｂ、Ｌ、Ｒ方向に対応する位置）に複数の接触センサを配置し、どの位置の接触センサがＬＣＤタッチパネル４６との接触信号を検知したかにより、ＬＣＤタッチパネル４６の傾き方向を判定すればよい。

このような移動型Ｘ線装置を使用して、手術時に透視を行う場合には、操作者は、外科手術を行う術者（医者）の作業を妨げない位置から、ＬＣＤタッチパネル４６の操作スイッチを操作してＣ型アーム３３のスライド動作や回転動作を行う。このときに操作者は、立ち位置から見やすい方向にＬＣＤタッチパネル４６を傾ける。この発明の移動型Ｘ線装置においては、操作者により傾けられた方向に応じてＬＣＤタッチパネル４６の表示画面の方向が変更されることから、操作者による様々な方向からの操作スイッチ等の判読が容易となり、Ｃ型アーム３３をスライドおよび回転させて行うＸ線照射部３１とＸ線検出部３２の位置決めにかかる作業の効率を向上させることができる。

また、操作者が、術者のいる方向にＬＣＤタッチパネル４６を傾けたときには、傾け方向により表示方向が変更された画面がＬＣＤタッチパネル４６に表示されるため、術者側から見て正立像となる透視画像を術者側に提供することが容易に行える。

次に、この発明の他の実施形態について説明する。図６は、この発明の第２実施形態に係る移動型Ｘ線装置の斜視図である。

この移動型Ｘ線装置は、病室を巡回して撮影を行うための回診用Ｘ線装置であり、台車状の装置本体７０に配設された支柱７１と、この支柱７１に対して昇降可能な状態で配設されたアーム７５と、アーム７５の先端に配設されたＸ線管７２と、このＸ線管７２の下方に配設されたコリメータ７３と、Ｘ線管７２およびコリメータ７３を移動させるためのハンドル７４を備える。また、この移動型Ｘ線装置は、被検者の体の下側に配置されてＸ線管７２から照射され被検者を通過したＸ線を検出するためのフラットパネルディテクタ７９と、このフラットパネルディテクタ７９を収納するための収納部７８とを備える。

さらに、この移動型Ｘ線装置は、上述した実施形態におけるＬＣＤタッチパネル４６と同様に機能するＬＣＤタッチパネル７６と、方向変更用の車輪である左右一対の前輪８１と、駆動用の車輪である左右一対の後輪８２と、装置の進行方向を操作するためのハンドル８０とを備える。ＬＣＤタッチパネル７６には、撮影条件等を選択する操作スイッチやＸ線撮影画像等が表示される。

この移動型Ｘ線装置を使用する場合においては、操作者は、被検者の下部にフラットパネルディテクタ７９を配置した上で、被検者をポジショニングし、Ｘ線管７２を被検者と対向する位置に配置する。そして、被検者のポジショニングが完了すれば、操作者は被曝を避けるために被検者が載置されたベッドから距離をおいた位置に移動した後に、ＬＣＤタッチパネル７６に表示される表示画面の内容を確認し、Ｘ線撮影を実行する。このとき操作者は、ＬＣＤタッチパネル７６を、表示内容が見やすい方向（自分の立ち位置に向く方向）に傾ける。ＬＣＤタッチパネル７６に表示される画面の表示方向は、ＬＣＤタッチパネル７６の傾け方向により変更されることから、操作者は被曝を避けるためにベッドから距離を置いた位置および方向から見て、正立像となる操作スイッチの表示および撮影画像を見ることができる。

３１ Ｘ線照射部
３２ Ｘ線検出部
３３ Ｃ型アーム
３４ 支持部
３５ 旋回部
４０ 装置本体
４１ 前輪
４２ 後輪
４３ ハンドル
４６ ＬＣＤタッチパネル
５１ 球受け部材
５３ 軸状体
５４ 継手
５５ フレーム
５７ 加速度センサ
６０ 制御部
６１ 記憶部
６３ 検出条件表示部
６４ 画像取得部
６５ 積算部
６６ デバイス検出部
６７ 拡大表示部
６８ 検出条件変更部
７０ 装置本体
７１ 支柱
７２ Ｘ線管
７３ コリメータ
７４ ハンドル
７６ ＬＣＤタッチパネル
７８ 収納部
７９ フラットパネルディテクタ
８０ ハンドル
８１ 前輪
８２ 後輪

Claims (3)

1. 移動機構を備えた装置本体と、前記装置本体に支持部材を介して支持されたＸ線管と、前記Ｘ線管から照射され被検者を通過したＸ線を検出するＸ線検出器と、を備えた移動型Ｘ線装置において、
   前記装置本体に対して傾け自在に配設され、Ｘ線画像を表示するとともにＸ線透視または撮影のために必要とされる操作項目を表示するタッチパネルと、
   前記タッチパネルの傾きを検出する検出手段と、
   前記検出手段により検出された前記タッチパネルの傾きに応じて、前記タッチパネルの画面の表示方向を変更する表示制御部と、
   を備えることを特徴とする移動型Ｘ線装置。
2. 請求項１に記載の移動型Ｘ線装置において、
   前記タッチパネルは、ユニバーサルジョイントにより前記装置本体に対して傾け自在に配設される移動型Ｘ線装置。
3. 請求項１または請求項２に記載の移動型Ｘ線装置において、
   前記検出手段は加速度センサである移動型Ｘ線装置。

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