JP2015050952A - サフランの栽培方法 - Google Patents

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【課題】短期間に重量の重い子球を形成させることができるサフランの栽培方法を提供する。【解決手段】室温の温度管理が可能な室内での水耕栽培によるサフランの栽培方法であって、室温を17℃程度に維持して球茎から成長したサフランを開花させる開花誘導ステップS2を行った後に、この開花誘導ステップS2のときの室温を維持しつつ球茎に子球を形成させる子球形成ステップS3を実行する。子球形成ステップS3の完了後は室温を日平均温度16℃にして子球肥大ステップS4を行い、子球の収穫を行う。【選択図】 図2

Description

この発明はサフランの栽培方法に関し、より詳細には、水耕栽培によるサフランの栽培方法に関する。
アヤメ科のサフラン(Crocus sativus)は、開花させて得ためしべ(花柱および柱頭)を乾燥させたものが、従来から生薬や食品材料(香辛料など)として利用されている。
このようなサフランの栽培は、降雨量の少ない海外では露地栽培(球茎を土中に定植した状態で、開花から子球形成までを行う栽培方法)によるのが一般的であるが、天候の影響などによって連作障害が発生するおそれがある。
わが国(特に、大分県竹田市)では、室内で開花させた後に球茎を土中に植え付け、葉が枯れた後に、土中で成長した球茎を掘り上げる方式(以下、「竹田方式」と称する)が採用されている。この竹田方式は、天候の影響を受けない室内で開花させることから花の収穫を容易かつ効率的に行えるという利点がある(たとえば、非特許文献1参照)。
しかし、竹田方式は、球茎の植え付けを11月中旬から下旬頃に行い、球茎の掘り上げを翌年の4月下旬頃に行うことから、花の収穫は年に1回となってしまう。
そのため、最近では、通年栽培の方法が模索されており、これに関連して、たとえば、球茎の休眠状態を制御することによって、年間の任意の時期に萌芽可能な球茎を供給する方法などが提案されている(特許文献1参照)。
大分県農業協同組合竹田事業部のホームページ(http://www.ja-oitamidori.jp/sahuran/)
特開平3−27214号公報
しかしながら、このような従来の栽培方法には以下の問題があり、その改善が望まれていた。
すなわち、竹田方式による栽培は、開花を室内で行わせるため、開花期に球茎が土中から十分な栄養補給を受けることができず、子球の増殖率が低下するという問題がある。
また、特許文献1の方法では発芽時期の調節は行えるものの、子球の形成、特に子球を肥大させることまではできない。すなわち、サフランは芽の基部が肥大することで子球が形成されるところ、通年栽培を効率的に行うためには、短期間で十分に肥大した(重量の重い)子球を得ることが求められるが、特許文献1には、子球を肥大させる方法は開示されていなかった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、短期間に重量の重い子球を形成させることができるサフランの栽培方法を提供することにある。
ところで、本願の発明者は、子球を短期間で形成させる方法として、以下の方法を既に発明している。
すなわち、サフランの栽培は、図1ステップS1〜4に示すように、休眠打破、開花誘導、子球形成、子球肥大の各ステップを通じて行われるところ、本願の発明者は、これら一連のステップを室温の温度管理が可能な室内で水耕栽培することとし、開花誘導ステップ時の室温を16℃〜20℃に維持するとともに、開花・収穫後の球茎に子球を形成させる子球形成ステップ時の室温を開花誘導ステップ時よりも低温の4℃〜8℃に維持することによって、子球を短期間で形成させることに成功している。
しかし、この方法は、短期間で子球を形成させることができるものの、子球の肥大(重量のある子球の形成)については改良の余地があった。そのため、本願の発明者は、さらなる研究を行い、以下の方法を発明するに至った。
すなわち、本発明に係るサフランの栽培方法は、室温の温度管理が可能な室内での水耕栽培によるサフランの栽培方法であって、室温を所定の第一温度に維持して球茎から成長したサフランを開花させる開花誘導ステップと、上記開花誘導ステップの後に、室温を上記第一温度に維持しつつ上記球茎に子球を形成させる子球形成ステップと、を含むことを特徴とする。
この方法は、開花誘導ステップに続く子球形成ステップにおける室温を、開花誘導ステップ時の温度と同じ温度に維持することを特徴とする。本願の発明者が行った実験によれば、子球形成ステップの際の室温を開花誘導ステップの際の室温(たとえば、17℃±1℃程度)に維持することによって、室温を下げた場合(たとえば、4℃〜8℃とした場合)に比して、その後の子球肥大ステップで得られる子球の重量が重くなることが判明した。また、この方法によれば、子球形成ステップ開始から約50日程度で球茎のbulbing ratio(球茎の基部近くの茎の径に対する基部の最大直径比)が1.5を超え、短期間で子球形成が行われることも判明した。なお、この方法では、開花誘導ステップは水耕栽培下で行われるので、開花誘導ステップにおいても球茎は養分を吸収するので、開花誘導ステップに伴って球茎が痩せる(しぼむ)おそれもない。
そして、本発明は、その好適な実施態様として、上記子球形成ステップの後に、室温を日平均温度16℃に維持して上記子球を肥大させる子球肥大ステップを含むことを特徴とする。
この方法について、本願の発明者が行った実験では、子球肥大ステップの際の室温を、明期温度を18℃、暗期温度を15.1℃として、日平均温度が16℃となるように維持することにより、子球肥大ステップ終了後に重量の重い(たとえば、20グラム以上の)子球を得ることができた。
また、本発明は、その好適な実施態様として、上記開花誘導ステップは、上記子球肥大ステップにおいて肥大させた上記子球を上記球茎として用いることを特徴とする。
この方法によれば、子球肥大ステップで得られた重量の重い子球を用いて開花誘導ステップが行われるので、開花誘導ステップに伴うサフランの開花、開花後の子球形成および子球肥大を効果的に行うことができる。しかも、子球形成は短期間に行われるので、通年栽培による収穫量の増大を図ることができる。
そして、本発明は、その好適な実施態様として、上記第一温度は17℃であることを特徴とする。
本発明によれば、サフランの栽培にあたり、短期間に重量の重い子球を形成させることができる。また、室内での水耕栽培によるので、年間の任意の時期にサフランの花を収穫することができ、サフランのめしべを1年中供給することができる。
本発明に係るサフランの栽培方法の概略手順を示すフローチャートである。 同サフランの栽培方法における室温制御の一例を示す説明図である。 同サフランの栽培方法を実験方法を示す説明図であり、図3(a)は育成チャンバーにおける試験区の配置を、図3(b)は各試験区におけるサンプルの配置をそれぞれ示している。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明に係るサフランの栽培方法は、室温の温度管理が可能な室内で行われる水耕栽培によるサフランの栽培方法であって、図1に示すように、休眠打破ステップS1、開花誘導ステップS2、子球形成ステップS3、子球肥大ステップS4の手順で栽培が行われる。
ここで、水耕栽培は、周知のとおり、固形培地を用いずに行う養液栽培である。本実施形態では、この水耕栽培に用いる養液として大塚化学株式会社の「大塚A処方1/2倍」を用いるが、大塚A処方以外の養液を選択することも勿論可能である。
また、室温の温度管理が可能な室内とは、サフランの栽培環境を制御可能な室内のことを意味する。具体的には、室内の温度の他、たとえば、室内の湿度、二酸化炭素濃度、明暗周期、光量子束密度などの諸条件を制御可能な室内が好適に用いられる。後述する実験例では、この室内として、株式会社日本医化器械製作所の人工気象器(育成チャンバー)LPH−240/410SPCを用いたが、他の人工気象器は勿論のこと、水耕栽培用に温度等の管理(制御)が可能な室内であれば大型の室内であっても差し支えない。
休眠打破ステップS1は、休眠状態にあるサフランの球茎を発芽可能な覚醒状態に変化させるステップである。本実施形態では、この休眠打破ステップS1として、サフランを栽培する室内の室温を25℃に維持することにより行われる(図2にT1で示す期間を参照)。
そして、球茎が覚醒状態に変化すると、次に、開花誘導ステップS2に移行する。開花誘導ステップS2では、室温をサフランの開花誘導に適した所定の第一温度(たとえば、17℃)に維持することにより、球茎から成長したサフランの開花を誘導する(図2にT2で示す期間を参照)。ここで、室温の制御は、サフランを栽培する人工気象器等の温度制御性能に依存することになるが、本実施形態では、第一温度±1℃程度、つまり、室温は17℃±1℃に制御されている。そして、開花誘導ステップS2によってサフランが開花すると、次に、サフランの花(めしべ)の収穫が行われる。
サフランの花の収穫が完了すると、次に、子球形成ステップS3に移行する。子球形成ステップS3は、室温のを上記第一温度に維持した状態で行われる。つまり、子球形成ステップS3は、開花誘導ステップS2における室温と同じ温度、すなわち、室温を17℃±1℃に制御することによって子球の形成を促進する(図2にT3で示す期間を参照)。
ここで、この子球形成ステップS3は、本願の発明者が過去に行った実験では、開花誘導ステップS2の室温よりも低温(たとえば、4℃〜8℃程度)に設定していたが、新たに行った実験により、子球形成ステップS3の室温を開花誘導ステップS2の室温と同じ温度に設定することで、子球肥大ステップS4で収穫される子球の重量が重くなることが判明した(詳細は後述する)。
そして、子球形成ステップS3により球茎(母球)に子球が形成されると、次に、子球肥大ステップS4に移行する。子球肥大ステップS4では、室温を子球の肥大に適した所定の温度、具体的には、日平均温度を16℃に維持することにより、子球の肥大を促す(図2にT4で示す期間を参照)。なお、本実施形態では、子球肥大ステップS4の室温は、明期間の温度(明期温度)を18℃±1℃、暗期間の温度(暗期温度)を15.1℃±1℃に制御して、日平均温度が16℃±1℃となるようにしている。そして、サフランの葉が枯れた段階で子球の収穫が行われる。
ここで、子球形成ステップS3から子球肥大ステップS4への移行は、球茎(母球)に子球が形成された時点で適宜行われるが、後述する実験例では、子球形成が完了したことを確認するために、球茎(子球)のbulbing ratio(球茎の基部近くの茎の径に対する基部の最大直径比)が1.5を超えた段階で子球形成ステップS3から子球肥大ステップS4に移行することとした。なお、球茎のbulbing ratioが1.5を超えた段階で子球肥大ステップS4に移行することとしたことにより、子球が形成されたか否かの判断は、観測者の目視によって確認することができる。
また、サフランは、芽の数と同数の子球を分球することから、子球形成ステップS3では、所定数を超える芽の芽欠きを行う。ここで、この所定数は適宜設定されるが、後述する実験例では、芽欠き後の芽の数が1または2となるように芽欠きを行った。
そして、収穫された子球は、新たに行われる開花誘導ステップS2において球茎として用いられる。すなわち、収穫した子球を用いて次の開花誘導ステップS2を行ってサフランの花を収穫するとともに、子球形成ステップS3、子球肥大ステップS4を経ることによって新たな子球の収穫を行う。これにより、サフランを水耕栽培環境下で通年栽培することができるようになり、サフランの花を安定的に収穫することができるようになる。
次に、本発明に係るサフランの栽培方法の実験例について説明する。
以下に示す実験は、株式会社日本医化器械製作所の人工気象器LPH−240/410SPCを2台用いて、図3(a)に示すように、1台の人工気象器を4試験区に分類して合計で8試験区(試験区a〜試験区h)を用意するとともに、各試験区a〜hには、図3(b)に示すように、それぞれ8個の球茎1〜8を配置して行った。また、各試験区a〜hに使用する養液は、いずれも大塚化学株式会社の「大塚A処方」の1/2倍区とし、養液は週1回交換を行った。
表1は、栽培に使用した球茎(母球)の各試験区ごとの質量、最大径および最小径の平均値を示している。球茎の重量は開花率に影響を与えるため、表1に示すように、各試験区の球茎重量が同条件となるようにして栽培を開始した。
Figure 2015050952
A:開花誘導ステップ
開花誘導ステップS2では、人工気象器の内部(以下、「室内」と称する)を表2に示す環境とした。すなわち、室内の湿度が85%、室温が17℃、二酸化炭素濃度が400ppm、明暗周期は明期間が8時間、暗期間が16時間、光量子束密度が223〜281μmols-1m-2となるように人工気象器の環境設定を行った。
Figure 2015050952
そして、開花誘導ステップS2において、サフランが開花したときの測定項目として、採花数、柱頭生体重、柱頭乾燥重、シュート長およびクロシン含量を測定した。ここで、シュート長とは、球茎から出芽している芽または葉の基部から葉の先端までの長さを意味し、本実験では、球茎の最大シュート長をその球茎のシュート長とした。
B:子球形成ステップ
子球形成ステップS3は、全試験区a〜hの球茎の開花が完了した時点で子球形成ステップS3に移行させた。子球形成ステップS3への移行にあたり、試験区a,c,e,gの球茎は芽の数が1個となるように芽欠きを行い、試験区b,d,f,hの球茎は芽の数が2個となるように芽欠きを行った。また、子球形成ステップS3では、試験区a〜dを含む人工気象器の室内を表2の状態(「低温処理なし」の状態)、つまり、開花誘導ステップS2の状態に維持する一方で、試験区e〜hを含む人工気象器の室内を表3の状態、つまり、開花誘導ステップS2よりも室温を下げた状態(「低温処理あり」の状態)とした。
Figure 2015050952
ここで、試験区a〜dを含む人工気象器と試験区e〜hを含む人工気象器とで室内の環境を変えたのは、本願の発明者が2011年度に行った実験との対比を行うためである。すなわち、本願の発明者は、2011年度に、子球形成ステップS3の室温を開花誘導ステップS2よりも低温とする栽培方法(「低温処理あり」の栽培方法)の実験を行っており(以下、この実験による栽培方法を「2011年度方式」と称する。)、この2011年度方式によって子球の形成期間を短縮するのに成功している。なお、この2011年度方式では、芽欠き後の芽の数を2または3個としていたが、この2011年度方式では、子球肥大ステップS4後に収穫される子球は20gを超えることがなかった(表9参照)。
C:子球肥大ステップ
子球肥大ステップS4への移行は、子球形成ステップS3において形成された全球茎(子球)のbulbing ratioが1.5を超えた段階で行った。また、子球肥大ステップS4への移行に伴って室内の環境設定を変更する前に、試験区cと試験区gおよび試験区dと試験区hの入れ替えを実施した。そして、室温が子球の肥大に与える影響を検討するために、人工気象器の環境設定を表4に示す設定とした。
Figure 2015050952
すなわち、試験区の入れ替えによって、試験区a,b,g,hを含む人工気象器(左側の育成チャンバー)を、室内の湿度が70%、室温が明期間は18℃、暗期間は15.1℃(日平均温度が16.3℃)、二酸化炭素濃度が400ppm、明暗周期は明期間が10時間、暗期間が14時間、光量子束密度が223〜281μmols-1m-2となるように設定し(以下、この設定を「高温条件」と称する)、試験区c,d,e,fを含む人工気象器(右側の育成チャンバー)を、室内の湿度が70%、室温が明期間は15℃、暗期間は7℃(日平均温度が10.3℃)、二酸化炭素濃度が400ppm、明暗周期は明期間が10時間、暗期間が14時間、光量子束密度が223〜281μmols-1m-2となるように設定した(以下、この設定を「低温条件」と称する)。
そして、この子球肥大ステップS4では、測定項目として、子球のシュート長および子球の最大径を測定した。
D:実験結果
表5〜表9に実験結果を示す。
表5は、各試験区の栽培条件の変遷、栽培期間、比較検討項目および定植(開花誘導ステップS2)から子球収穫までの日数を示している。この表5からは、子球形成ステップS3において低温処理を行わず、かつ、子球肥大ステップS4を高温条件とした場合には、子球を収穫するまでの日数が最短(191日)となることが理解されれる。また、子球形成ステップS3において低温処理を行った場合でも、子球肥大ステップS4を高温条件とすることで、子球を収穫するまでの日数が短くなることも理解される。
Figure 2015050952
表6は、各試験区において収穫されたサフラン柱頭(めしべ)の収量(各試験区の採花数、柱頭乾燥重)を示している。また、表7は、収穫したサフラン柱頭について、日本薬局方に規定の方法に従って行った波長438nmにおける吸光度を示しており、表8は、試験区ごとのクロシンの含量(サンプル試料溶液の波長438nm吸光度の値から標準溶液の波長438nm吸光度の値を引いた値)を示している。表8におけるエラーバーは各試験区における標準偏差を示している。
ここで、サフラン柱頭におけるクロシン含量は、サフラン柱頭を生薬の材料とする場合において有効成分を形成するものであるので、クロシン含量が多い方が生薬材料としての商品価値が高い。本実験の結果、クロシン含量の点では、表7に示すように、子球形成ステップS3において低温処理を行わなかった試験区a〜dのサフラン柱頭のクロシン含量が高いことが判明した、
Figure 2015050952
Figure 2015050952
Figure 2015050952
表9は、全球茎の葉が枯れた段階で収穫した子球の1個あたりの重量の試験区ごとの平均値を示している。なお、表8および表9におけるエラーバーは各試験区における標準偏差を示している。
Figure 2015050952
この表9からは、各試験区a〜hはいずれも2011年方式に比べて重量のある(一般に、開花率が100%を保証される20グラム以上の)子球が形成されることが判明した。
以上のこのことから、少なくとも試験区a,bの栽培方法は、子球収穫までの日数が191日と短いことに加えて、子球形成ステップS3において低温処理を行わず、かつ、子球肥大ステップS4を高温条件としているので、子球形成ステップS3および子球肥大ステップS4における空調コスト(室内温度を下げる冷房コスト)が他の他試験区に比して格段に少なくなる。しかも、収穫された子球の重量は開花100%を保証する重量以上となるので、収穫した子球を母球として次の栽培(開花誘導)を行うことができる。そのため、この試験区a,bの栽培方法を用いることにより、費用対効果に優れたサフランの栽培方法を提供することができる。
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
たとえば、上述した実施形態では、サフランの栽培実験を株式会社日本医化器械製作所の人工気象器LPH−240/410SPCで行った場合を示したが、他の人工気象器や水耕栽培用に温度等の管理(制御)が可能な室内であれば本発明は適用可能である。
また、上述した実験では、子球肥大ステップS4の室温として、明期温度を18℃、暗期温度を15.1℃として日平均温度を16℃としているが、これは人工気象器の性能との関係で設定した値であり、日平均気温が16℃となる設定であれば適宜変更可能である。したがって、たとえば、明期温度を18℃、暗期温度を14℃とする設定であってもよい。
S1,T1 休眠打破ステップ
S2,T2 開花誘導ステップ
S3,T3 子球形成ステップ
S4,T4 子球肥大ステップ

Claims (4)

  1. 室温の温度管理が可能な室内での水耕栽培によるサフランの栽培方法であって、
    室温を所定の第一温度に維持して球茎から成長したサフランを開花させる開花誘導ステップと、
    前記開花誘導ステップの後に、室温を前記第一温度に維持しつつ前記球茎に子球を形成させる子球形成ステップと、
    を含むことを特徴とするサフランの栽培方法。
  2. 前記子球形成ステップの後に、室温を日平均温度16℃に維持して前記子球を肥大させる子球肥大ステップを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のサフランの栽培方法。
  3. 前記開花誘導ステップは、前記子球肥大ステップにおいて肥大させた前記子球を前記球茎として用いることを特徴とする請求項2に記載のサフランの栽培方法。
  4. 前記第一温度は17℃であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のサフランの栽培方法。
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