JP6027776B2 - サフランの栽培方法 - Google Patents

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Description

本発明は、サフランの栽培方法に関する。
サフランはめしべが商品として使用される。サフランのめしべは生薬または食品素材として使用される。通常の露地栽培では、土中に定植したまま開花から子球形成が行われる。このため天候の影響を受けると連作障害が発生する。
日本国内では、大分県竹田市でサフランの栽培が盛んに行われている。竹田市で栽培される竹田産サフランは、生薬としての有効成分クロシンが多く含まれていることが知られている。大分県竹田市では、室内で開花させた後に球茎(一般に球根ともいわれる)を植え付け(10月下旬〜11月上旬)、葉が枯れた後、土中で成長した球茎を掘り上げる(4月下旬〜5月上旬)という方法で栽培される(本明細書において「竹田方式」と称する)。竹田方式では、開花期に土中からの栄養補給が断たれるため子球の増殖率が低下するという短所がある。
図6は、自然環境におけるサフランの個体形成と気温との関係を示す図である。サフランは気温上昇により休眠状態から覚醒状態へ移行し(休眠打破)、その後の気温低下により開花し、その後のさらなる低温において子球形成が行われる。
従来、サフランの生産効率を向上させる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示される技術によれば、年間の任意の時期に萌芽可能な球茎を供給することができ、また、その方法により通年栽培することによりサフランの生産効率を向上させることができる。
特開平3−27214号公報
特許文献1に開示される技術において、サフランの生産効率向上の余地がある。すなわち、特許文献1に開示される技術において、サフランの子球の形成に関する技術についてはなんら言及されていない。サフランの子球の形成を早めることができれば、球茎からサフランの開花、子球の形成、子球の肥大による新たな球茎の生成までの1周期の期間を短縮することができる。その結果、通年栽培により、サフランの生産効率をさらに向上させることができる。
本発明は、サフランの栽培方法において、子球の形成を早める方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一様態に係るサフランの栽培方法は、水耕栽培で栽培環境を16℃〜20℃の第一気温に維持することにより、球茎から成長したサフランを開花させるための開花誘導ステップと、前記開花誘導ステップの後に、水耕栽培で栽培環境を前記第一気温より低い第二気温に少なくとも10日間維持することにより、前記球茎に子球を形成させるための子球形成ステップとを含む。
これによれば、開花誘導ステップにおいてサフランを開花させた後すぐに、子球形成ステップにおいて気温を低下させることにより、子球の形成を早めることができる。開花誘導ステップにおいて球茎が養分を吸収するため、子球形成ステップにおいて球茎(親球)がしぼむことがない。よって、竹田方式より子球の形成を早めることができる。
また、好ましくは、前記サフランの栽培方法は、さらに、前記子球形成ステップの後に、水耕栽培で栽培環境を前記第二気温より高い第三気温に維持することにより、前記子球形成ステップで形成された前記子球を肥大させるための子球肥大ステップを含む。
これによれば、子球形成ステップにおいて子球が形成された後すぐに、子球肥大ステップにおいて当該子球を肥大させることができる。なぜなら、子球肥大ステップにおいて、球茎に対して、水耕栽培により養分が供給されるからである。これに対し、竹田方式における当該子球肥大ステップに対応する工程では球茎が土中にあるので、球茎が養分を吸収するようになるのは発根後である。よって、竹田方式では、当該子球肥大ステップに対応する工程を開始してから球茎が養分を吸収するようになるまでに時間を要する。つまり、本発明の一態様に係るサフランの栽培方法によれば、子球の肥大に要する時間を短縮することができる。よって、形成された子球の肥大を早めることができる。
また、好ましくは、前記開花誘導ステップにおいて、前記子球肥大ステップにおいて肥大した前記子球を前記球茎として用い、当該球茎から成長したサフランを開花させ、前記サフランの栽培方法において、前記開花誘導ステップ、前記子球形成ステップ、及び、前記子球肥大ステップがこの順で繰り返される。
これによれば、水耕栽培により、サフランの球茎から、サフランの開花、めしべの収穫、子球の形成、及び、子球の肥大による新たな球茎の形成といった一連のサフランの栽培を行うことができる。また、子球の形成及び肥大が早まるため、一連の栽培に要する時間を短縮することができ、通年栽培による収穫量を増大させることができる。さらに、水耕栽培であるため、露地栽培において発生する連作障害を回避することができる。
また、好ましくは、前記子球形成ステップにおいて、前記第二気温は6℃である。
また、好ましくは、前記子球肥大ステップにおいて、前記第三気温は20℃である。
これによれば、より好ましい気温条件においてサフランの子球形成及び子球肥大を行うことにより、子球の形成を早めることができる。
本発明により、サフランの栽培方法において、子球の形成を早めることができる。
図1は、本発明の一態様に係るサフランの栽培方法の一例の手順である。 図2は、本発明の一態様に係るサフランの栽培方法の気温制御の一例を示す図である。 図3は、サフランの着花数の一例を示す図である。 図4は、サフランのめしべの収量の一例を示す図である。 図5は、サフランの子球形成に要する日数の一例を示す図である。 図6は、自然環境におけるサフランの個体形成と気温との関係を示す図である。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
(実施の形態)
図1は、本発明の一態様に係るサフランの栽培方法の一例の手順である。本発明の一態様に係るサフランの栽培は、水耕栽培にて行われる。水耕栽培の養液は任意のものであってよい。例えば、水耕栽培の養液は、大塚化学A処方である。
図1に示されるように、本発明の一態様に係るサフランの栽培方法では、まず、サフランの休眠打破を行う(休眠打破ステップ、S101)。休眠打破ステップでは、サフランの栽培環境を25℃に維持することにより、サフランを休眠状態から覚醒状態へ変化させる。ここで、栽培環境とは、サフランが栽培される環境(空気及び養液)を意味し、例えば、気温、湿度、二酸化炭素濃度、または、光量子束密度などの条件で特定される。また、サフランの栽培環境を所定温度に維持することは、サフランの栽培環境が所定温度になるように気温を制御することを意味する。その場合、実際の栽培環境の気温と所定温度との間には2℃程度の温度差が生じうる。
次に、サフランの開花誘導を行う(開花誘導ステップ、S102)。開花誘導ステップでは、サフランの栽培環境を16℃〜20℃に維持することにより、サフランの開花を誘導する。サフランが開花し、めしべの収穫が行われた後、次のステップへ進む。
次に、サフランの子球形成を行う(子球形成ステップ、S103)。子球形成ステップでは、サフランの栽培環境を4℃〜8℃、より好ましくは6℃程度に維持することにより、サフランの球茎(親球)に子球が形成されるのを促す。サフランの子球が形成されたら次のステップへ進む。ここで、子球形成のためにサフランの栽培環境を6℃と低温にすることは従来方式にはなかった点である。
なお、サフランの子球は、観測者の目視により確認されてもよい。また、観測者による顕微鏡での観測により確認されてもよい。目視による確認の場合には、観測者の確認作業に特段の道具を要することがないため、容易な観測が可能である。また、顕微鏡による観測の場合には、より早い段階で子球の形成を確認することができる。なぜなら、子球の形成の初期段階では、子球が小さく、目視による確認では発見できないことがあるためである。
次に、サフランの子球肥大を行う(子球肥大ステップ、S104)。子球肥大ステップでは、サフランの栽培環境を18℃〜22℃、より好ましくは20℃程度に維持することにより、子球を肥大させる。葉が枯れると、子球肥大ステップを終了する。なお、子球肥大ステップの終了時点で、肥大した子球は親球と同等の大きさになる。
なお、子球形成ステップ及び子球肥大ステップにおいて、子球が所定数を超えて形成される場合には、所定数を超える分を芽欠きにより取り除くようにしてもよい。所定数は、例えば、2または3が好ましい。
なお、子球肥大ステップで得られた子球を、新たな開花誘導ステップにおいて球茎として用いることができる。このようにして、開花誘導ステップ、子球形成ステップ、及び、子球肥大ステップをこの順で繰り返し実行することができる。これにより、サフランのめしべを安定的に収穫するとともに、次の世代のサフランの球茎を短期間に多く収穫することができる。
以上が本発明の一態様に係るサフランの栽培方法の一例である。
図2は、本発明の一態様に係るサフランの栽培方法の気温制御の一例を示す図である。
本発明の一態様に係るサフランの栽培方法において、図2に示されるようにサフランの気温が制御される。各段階の気温T、T、T及びTはそれぞれ、図1に示されるS101からS104までの各ステップに対応する。
以降では、本発明の一態様に係るサフランの栽培方法(以降、A方式と称する)の効果について、竹田方式(以降、B方式と称する)と比較して説明する。なお、以降で示される結果の例は、同一条件における5個の球茎での平均値により示される。
まず、サフランの着花数について説明する。
図3は、サフランの着花数の一例を示す図である。図3において、A方式によるサフランの1球茎あたりの着花数と、B方式によるサフランの1球茎あたりの着花数とが、開花誘導ステップを開始してからの日数に対して示される。開花誘導ステップにおける気温及び光量子束密度については、3つの条件(条件A1及びB1:20℃,129μmol・s−1・m−2、条件A2及びB2:19℃,224μmol・s−1・m−2、条件A3及びB3:16℃,226μmol・s−1・m−2)がある。また、湿度を85%、CO濃度を400ppm、明暗周期を明:8時間、暗:16時間とする。なお、このように栽培環境を制御する設備としては、例えば、エスペック株式会社の植物育成チャンバーBAC−130Hがある。
図3に示されるように、A方式(条件A1、A2及びA3)では、B方式(条件B1、B2及びB3)より、平均6日程度、早い段階(少ない経過日数)で着花が始まる。また、着花が始まった後、着花数が増加することが確認される。また、最終的な着花数がA方式の方が多い傾向が確認される。
上記のように、A方式においてサフランの着花が早く、着花数が多くなったのは、開花誘導ステップ(S102)における気温調整と、水耕栽培による養分の供給とによるものであると考えられる。
次に、サフランのめしべの収量について説明する。
図4は、サフランのめしべの収量の一例を示す図である。図4に示されるように、1花あたりの収量には、方式Aと方式Bとの間で有意な差は観測されない。一方、着花数はA方式が多い。その結果、球茎あたりのめしべの収量は、A方式が多い。
この結果から、A方式において、1花あたりの収量が従来と同様であることが確認される。この効果と、サフランの着花数が増加した効果とにより、1球茎あたりのめしべの収量が増加する。
次に、サフランの子球形成の早さについて説明する。
図5は、サフランの子球形成に要する日数の一例を示す図である。図5において、A方式及びB方式のそれぞれにおいて、子球形成ステップ(S103)を開始してから子球が形成されるまでの日数が示される。子球形成ステップ(S103)は、気温を6℃、湿度を60%、CO濃度を400ppm、明暗周期を明:8時間、暗:16時間とする。
図5に示されるように、A方式において子球の形成が確認されるまでの日数は10日である。B方式において子球の形成が確認されるまでの日数は28日である。A方式は、B方式と比較して、子球形成ステップ(S103)を開始してから子球が形成されるまでの期間が18日間短縮される例である。
このようにサフランの子球形成が早められた理由の1つは、開花誘導ステップ(S102)において養分が供給されたことであると考えられる。B方式では、開花誘導ステップ(S102)において養分の供給がないため、開花誘導ステップ(S102)において球茎(親球)がしぼむことがある。しかし、A方式では、開花誘導ステップ(S102)において養分を供給されるため、開花誘導ステップ(S102)において球茎(親球)がしぼむことがない。そのため、子球形成ステップ(S103)の開始時点において、B方式では球茎がしぼんでいるが、A方式では球茎がしぼんでおらず養分がある状態である。その結果、A方式において、子球が形成されるまでの期間が短縮されたと考えられる。
次に、サフランの子球肥大について説明する。
子球形成ステップにおいて、子球が形成されたら子球肥大ステップへ移行する。竹田方式における当該子球肥大ステップに対応する工程では、球茎が土中に植えつけられる。球茎は、土中に植えつけられた後、まず発根し、その後に根によって養分を吸収する。よって、子球肥大ステップが開始してから養分を吸収するまでに時間を要する。これに対し、本発明の一態様に係る子球肥大ステップと、当該子球肥大ステップより前の休眠打破ステップ及び開花誘導ステップとは水耕栽培で行われる。そのため、子球肥大ステップにおける球茎はすでに発根しており、子球肥大ステップの開始と同時に養分の吸収を開始することができる。よって、竹田方式より早く子球の肥大が進むと考えられる。
次に、本発明の一態様に係るサフランの栽培方法により栽培されたサフランの有効成分分析結果の一例を示し、生薬または食品としての利用可能性について説明する。
測定対象はサフランに含まれるクロシンである。以下に、クロシンの含量の測定方法を示す。この測定方法及び基準は、日本薬局方に準拠されており、本基準を満たすサフランは生薬として使用することが可能である。
(1)乾燥状態のサフランを乳鉢で粉末とする。
(2)粉末0.100gを正確に量り、200mlマイヤー(三角フラスコ)に移した後温湯150mlを加える。
(3)200mlマイヤーを恒温水槽で30分間加温する(設定温度65℃)。
(4)冷後、定性濾紙でろ過する。
(5)ろ液を別のビーカーに10回移し変えて攪拌した後、ろ液1mlを電子ピペットで正確に量り、10mlメスフラスコに移した後、駒込ピペットで蒸留水を加えて正確に10mlとする。
(6)(1)から(5)までの手順により生成された溶液を試料溶液とする。
(7)カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム三水和物98mgを正確に量り、100mlメスフラスコに移した後、蒸留水に溶かして駒込ピペットで正確に100mlとする。
(8)溶液5mlを電子ピペットで正確に量り、100mlメスフラスコに移した後、蒸留水を加えて駒込ピペットで正確に100mlとする。
(9)(7)及び(8)の手順により生成された溶液を標準溶液とする。
(10)試料溶液および標準溶液につき、20回転倒攪拌した後、紫外可視分光光度計で蒸留水を対照として波長438nmにおける吸光度を測定する。
(11)(基準)手順(10)において、波長438nmにおける試料溶液の吸光度が標準溶液の吸光度より大きい。
上記の測定を、A方式及びB方式のそれぞれに対して、3つの条件(気温及び光量子束密度)の下で行う。つまり、合計6つの試験区(A1、A2、A3、B1、B2及びB3)において測定を行う。各試験区で収穫された柱頭を1つの乳鉢に集め、粉末にした後0.100gを量ったものをサンプルとする。各試験区から得られたサンプル数は、試験区A2において4サンプル、それ以外の試験区で3サンプルとする。さらに、1つのサンプルにつき、手順(5)において希釈溶液を4つ作成し、それぞれ手順(10)で吸光度を1回ずつ測定する。また、標準溶液は試験区ごとにそれぞれ別のサンプルを作成し測定を行う。手順(10)で吸光度を2回測定し、平均した値を標準溶液の吸光度とする。
波長438nmにおける試料溶液及び標準溶液の吸光度を表1から表6に示す。
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栽培方式の違いがクロシン含量に与える影響を調べるため、各条件(気温及び光量子束密度)において、A方式とB方式との間で試料溶液と標準溶液との吸光度の差(試料溶液の吸光度から標準溶液の平均吸光度を引いた値)を分析する。この分析にはノンパラメトリック法による分散分析を用いる。ウィルコクスン検定により、A方式とB方式との間に有意差(有意水準0.01)が得られ、A方式の方がB方式よりもクロシン含量が大きいことが示される。つまり、統計的検定によって、両方式で栽培されたサフランのクロシン含量の平均値に差が認められ、この判定が誤っている確率は1%であるという結論が得られる。
以上のように、本発明の一態様に係るサフランの栽培方法により栽培されたサフランは、日本薬局方に既定されるクロシン含量の基準を満たすので、生薬として使用することが可能である。一方、サフランを食品として使用するためのクロシン含量の基準は現状ないため、当該栽培方法により栽培されたサフランを食品として使用することももちろん可能である。すなわち、本発明の一態様に係るサフランの栽培方法により栽培されたサフランは、従来方式より子球形成が早く、しかも、生薬として利用可能な高い品質を有することが示される。
以上のように、本発明の実施の形態にかかるサフランの栽培方法によれば、開花誘導ステップにおいてサフランを開花させた後すぐに、子球形成ステップにおいて気温を低下させることにより、子球の形成を早めることができる。開花誘導ステップにおいて球茎が養分を吸収するため、子球形成ステップにおいて球茎(親球)がしぼむことがない。よって、竹田方式より子球の形成を早めることができる。
また、子球形成ステップにおいて子球が形成された後すぐに、子球肥大ステップにおいて当該子球を肥大させることができる。なぜなら、子球肥大ステップにおいて、球茎に対して、水耕栽培により養分が供給されるからである。これに対し、竹田方式における当該子球肥大ステップに対応する工程では球茎が土中にあるので、球茎が養分を吸収するようになるのは発根後である。よって、竹田方式では、当該子球肥大ステップに対応する工程を開始してから球茎が養分を吸収するようになるまでに時間を要する。つまり、本発明の一態様に係るサフランの栽培方法によれば、子球の肥大に要する時間を短縮することができる。よって、形成された子球の肥大を早めることができる。
また、水耕栽培により、サフランの球茎から、サフランの開花、めしべの収穫、子球の形成、及び、子球の肥大による新たな球茎の形成といった一連のサフランの栽培を行うことができる。また、子球の形成及び肥大が早まるため、一連の栽培に要する時間を短縮することができ、通年栽培による収穫量を増大させることができる。さらに、水耕栽培であるため、露地栽培において発生する連作障害を回避することができる。
また、より好ましい気温条件においてサフランの子球形成及び子球肥大を行うことにより、子球の形成を早めることができる。
以上、本発明の部品実装方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
本発明は、サフランの栽培において、栽培に要する時間を短縮することにより、クロシン含量が大きなサフランのめしべの収穫量を増大させることができる。また、水耕栽培であるため、露地栽培において発生する連作障害を回避することができる。
S101 休眠打破ステップ
S102 開花誘導ステップ
S103 子球形成ステップ
S104 子球肥大ステップ

Claims (5)

  1. 水耕栽培で栽培環境を16℃〜20℃の第一気温に維持することにより、球茎から成長したサフランを開花させるための開花誘導ステップと、
    前記開花誘導ステップの後に、水耕栽培で栽培環境を前記第一気温より低い第二気温に少なくとも10日間維持することにより、前記球茎に子球を形成させるための子球形成ステップと
    を含むサフランの栽培方法。
  2. 前記サフランの栽培方法は、さらに、
    前記子球形成ステップの後に、水耕栽培で栽培環境を前記第二気温より高い第三気温に維持することにより、前記子球形成ステップで形成された前記子球を肥大させるための子球肥大ステップを含む
    請求項1に記載のサフランの栽培方法。
  3. 前記開花誘導ステップにおいて、
    前記子球肥大ステップにおいて肥大した前記子球を前記球茎として用い、当該球茎から成長したサフランを開花させ、
    前記サフランの栽培方法において、
    前記開花誘導ステップ、前記子球形成ステップ、及び、前記子球肥大ステップがこの順で繰り返される
    請求項2に記載のサフランの栽培方法。
  4. 前記子球形成ステップにおいて、
    前記第二気温は6℃である
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のサフランの栽培方法。
  5. 前記子球肥大ステップにおいて、
    前記第三気温は20℃である
    請求項2または請求項3に記載のサフランの栽培方法。
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