JP2015050197A - 広角回転機構を有する露光装置 - Google Patents
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Abstract
Description
現状の半導体製造システムは、ウェハの大口径化(12インチ〜)に伴い、装置自体が大型化・高コスト化し、最新の半導体工場(メガファブ生産システム)を立ち上げるには3000〜5000億円もの巨額の投資資金が必要であるとされている。また、大口径のウェハを用いるシステムは大量生産には効率的であるが、その装置を多品種少量生産に向けて稼働すると、稼働率等の課題から、ユーザが必要とする個数の1個あたりの製造コストが非常に高くなってしまう。
これに対し、このミニマルファブ生産システムでは、0.5インチ程度の極めて小径のウェハが処理対象であり、現状の半導体製造システムに比べ1/1000程度の極めて小さな設備投資額で済むと期待されており、また運転コストが低いなどのため多品種少量生産に適した生産システムとなることが期待されている。
この単位処理装置は、半導体製造装置の処理工程における個々の処理(特許文献1では、これを「単一処理」と定義している。)の一つを担うものであり、例えばウェハ洗浄装置であり、レジスト塗布装置であり、ウェハ露光装置であり、現像装置であり、またイオン注入装置であったりする。そして、これらの単位処理装置が半導体製造のレシピ順(処理フロー順)に並べられる。ワークであるウェハは、並べられたそれら単位処理装置間を順に搬送され、各単位処理装置において該当する処理が順に施されるのである。
この単位処理装置の大きさは、幅 0.30m × 奥行0.45m× 高さ 1.44mの外形寸法とされており、それ自体極めて小さいばかりか、半導体製造レシピに従って60個並べたとしても、その占有床面積は既存の12インチの半導体製造装置のそれと比較して極めて小さいものとされている。
したがって、このミニマルファブ生産システムでは、装置をクリーンルーム内に配置する必要がないので、作業員はクリーンルーム内での作業を強いられることなく、通常の作業環境の中で作業することができる。また巨大なクリーンルーム空間を作る必要がないので、省エネルギーともなっている。
このように、ミニマルファブ生産システムは、従来装置を単に小型にしただけの生産システムではなく、革新的な次世代生産システムとして注目されている。
この単位処理装置Mは、外形が、幅(x) 0.30m × 奥行(y)0.45m× 高さ(z )1.44mに全て統一され、正面から見て、縦に細長い方形状とされている。
該単位処理装置Mの上部の後部(奥側)には、露光装置等を収納する処理室Maが設けられ、該処理室Maの前方(手前側)には、該処理室Maへウェハをロード・アンロードするための前室Mcが接続されている。この前室Mcは、全ての単位処理装置Mに共通な形状及び機能とされている。したがって、該前室Mcを単位処理装置Mの規定の位置に取り付けると、ウェハは、処理室Ma内の所定の位置に搬入されることとなる。
単位処理装置Mの下部(Mb)の内部空間は、電源や真空ポンプ等の制御機器、現像液や廃液等のタンクなどを収納するための空間とされている。また、単位処理装置Mの最下部には、作業フロア上の所定の位置に該単位処理装置Mを規則正しく配置するための脚部6が取り付けられている。さらに、前室Mcの上方には、ディスプレイ式の操作パネル1が設けられている。
ターゲットとしてのウェハは、該PLADシステムによって、シャトルに収納されてドッキングポート2上に載置されると、シャトルから取り出されて処理室Ma内のウェハステージ上の所定の位置へ供給され(ロード)、該ウェハステージ上で必要な処理がなされた後、ドッキングポート2上のシャトル内へ再び収納される(アンロード)。
ウェハは、感光体塗布機能を有する単位処理装置から取り出されて、露光光遮光機能を有するシャトルに収納され、露光装置を内蔵する単位処理装置Mに運ばれる。この運搬は、人手で行っても良いし、機械的な搬送機構で行っても良い。
シャトルが前室Mc上面のドッキングポート2に載置されると、ウェハは、前述した搬送機構によりシャトルから取り出されて前室Mc内に取り込まれ、更に処理室Ma内の露光装置のウェハステージ上へ供給される。
したがって、ウェハステージ上に載置されたウェハに対し露光装置との超高精度の位置決めが必要であり、そのためにウェハステージをX、Y、Z、θ軸に沿って微調整させる構成が必要である。
本来、半導体製造システムにおける様々な加工工程のなかで露光装置においては、ウェハの方位を揃える構成が必要である。露光工程では、最初の露光パターンをウェハ結晶方位と揃える必要があり、また、2版目以降の多重焼き付けパターンは、最初の露光パターンと方位を揃える必要があるからである。
そこで、露光装置本体が360°の回転が可能なように構成しようとすると、モーターの配線やウェハチャック用の配管や配線など、回転ステージ上につながっている全てのものも、360°回転しなければならず、機械構造として非常に難易度が高くなる。このため、大口径ウェハ向け装置では、装置の前室を大きくして、その中に、所望の結晶方位や回路パターンの焼き付け方位にウェハを回転させるための、ウェハアライナ−という機構が備えられている。前室のウェハアライナ−であれば、回転だけを司るので、構造は極めてシンプルになるという理屈である。
しかしながら、ミニマルファブ生産システムにおいては、装置のあらゆる機構を小型化することが最重要であるため、究極の小型化を追求していくと、ウェハアライナ−は省略されなければならない。
例えば、θ軸の微調整移動については、回転可能角度を±5度しか確保でき無い状態となってしまう場合が生じる。このような場合が生じると、シャトル内にウェハを収納する際の角度誤差が±5度以上になるとθ軸の補正角度が足りなくなり、ウェハを一度シャトルから取り出して収納角度を修正しなければならない。実際、シャトルへのウェハの収納が手作業によって行われるとすると、収納角度を手作業で修正しなければならなくなる頻度は多く発生するし、また修正するにしてもハーフインチサイズという小径であることから手作業での精確な修正は困難を伴う。
しかし、上記したように、ウェハは小径であって、手作業によりシャトル内にセットされるとすると、収納角度にバラツキが生じてしまうことが避けられない。
しかし、既存の半導体露光装置では、そのような機能を付加する必要がないので、考慮されていない。
前記θ軸移動手段は他の前記移動手段よりも最上位に配置されていると共に、
前記外周ステージは、その上端面に形成されてウェハを載置する第1載置面と、前記第1載置面に開口する第1真空吸着口を有し、前記中心軸は、その上端面に形成されてウェハを載置する第2載置面と、前記第2載置面に開口する第2真空吸着口を有し、
前記第1真空吸着口および前記第2真空吸着口は、前記第1載置面および前記第2載置面の相対的位置に応じて真空吸着機能が切り替わることを特徴とする露光装置、とした。
また、外周ステージの上下動に伴って真空吸着機能が切り替わる構造とすることにより、中心軸と外周ステージとの真空吸着の切替に必要な電磁弁や配管構造を省略することができる。
図2は、本発明の実施の形態例に係る露光装置のステージの斜視図である。
図2では、ステージ上に載置されたウェハWに対し、ステージ上方に位置する描画装置(図示せず)によって描画が行われる。
ステージ全体は基台23上に取り付けられて、処理室Maの規定の位置に固定配置されている。基台23上にはY軸台22とY軸移動手段33が配置され、該Y軸台22は、Y軸移動手段33によってY軸方向に移動調整可能とされている。更に、Y軸台22上には架台21とX軸移動手段32が載置され、該架台21はX軸移動手段32によってX軸移動方向に移動調整可能とされている。したがって、架台21は基台23に対しX,Y軸方向に移動調整可能とされている。このX,Y軸移動は、描画装置に対する副走査方向の移動としても機能することができる。
また、架台21上には、外周ステージ12を保持するための外周ステージ台20が、その四隅をZ軸ガイド14にガイドされてZ軸方向に移動可能に載置されている。該Z軸ガイド14は、図2に示すように架台21上に4本立設されており、いずれにもコイル状のZ軸押圧バネ15が、外周ステージ台20を下方向に押圧するようにその外周面に巻装されている。さらに、架台21には、外周ステージ台20をZ軸方向に移動調整するZ軸移動手段31が載置されている。
したがって、外周ステージ台20は、該Z軸移動手段31によって、Z軸押圧バネ15に抗して架台21に対しZ軸方向に移動調節可能とされている。
なお、外周ステージ台コロ軸受20a、コロ軸受面20b、θ軸用コロ16、該θ軸用コロ16に対向するコロ軸受面17b、および外周ステージ基台17を、一体式のクロスローラーベアリングとして形成することもできる。
また、これらx、y、z、θ軸移動手段30、31、32、33の駆動を制御して、それぞれを所定停止位置に停止制御するなどための中央制御部(図示せず)が設けられている。
このように、本実施の形態例によれば、θ軸移動手段30が他の移動手段よりも最上位に配置されているので、θ軸移動手段30よりも下位の移動手段はθ軸方向の移動の障害にならない。
該第1載置面12dには、図2に示すように、前室Mcから伸びる搬送用アーム(図示せず)が挿入可能なアームスペース18が、中心軸11のスペースを横断して、側面方向の一方向に開放するように切り欠かれている。該搬送アームは、外周ステージ12の第1載置面12dが、中心軸11の第2載置面よりも上方に上昇した位置にある状態で、搬送アームの先端部にウェハWを載置しながらウェハステージ上に図2のG方向から進入する。この際、中心軸11の上端部は搬送アームの進入と干渉しない下方位置にある。ここで、搬送アームは、第1載置面の上方の所定の位置にウェハを搬入したのち、その先端部を下降させると、該搬送アームの先端部はアームスペース18中に沈み込み、ウェハWは外周ステージ12の第1載置面上に載置される。つまり、アームスペース18は、その際に下降してきた該先端部を収納するスペースとして機能する。
また、該第1載置面12dには、載置されるウェハWを真空吸着する第1真空吸着口12aが複数開口している。それら第1真空吸着口12aは、外周ステージ12の軸内に在ってその軸方向に延びる第1連絡通路12c−1によって、中心軸11との摺動面に開口する第1連通口12bと空間的に接続されている。
また、図3、4およびその一部拡大図である図9に示すように、第1載置面12dが第2載置面11dよりも上方にある位置においては、第3連通口11bが第1連通口12bとのみ接続するように、それら連通口の位置が設定されている。このとき、図4に示すように、第3連通口11bの軸方向の開口幅を第1載置面の第2載置面に対する最大上昇幅と同じ幅とすることで、第1載置面12dの第2載置面11dからの上昇位置にかかわらず、第3連通口11bが常に第1連通口12bと空間的に接続するように構成されている。もちろん、これとは逆に、第1連通口12bの方を、軸方向に幅を持たせて形成しても良い。
この実施の形態例では、このように、中心軸11側の連通口を360度の円周方向に亘る溝として形成したが、これとは逆に、外周ステージ12側の連通口を円周方向に亘る溝として形成しても良い。さらに、これら溝を全周に亘って形成したが、全周にすることなく、外周ステージ12の許容されるθ回転角度に合わせるように形成しても良い。
この制御手段によって制御される動作フローを図8に示す。
走査パネル1あるいはウェハ搬送用テーブル5上に設けられたスタートスイッチの操作によって(S1)、ウェハステージはX,Y,Z,θ軸をその初期位置(エクスチェンジ位置)に移動する。
この初期位置では、外周ステージ12に設けられているアームスペース18の開放方向が搬送アームの進入方向と一致し、また第1載置面12dが第2載置面11dよりも上昇した状態とされている。
この状態でPLADが動作すると、そのアーム先端がウェハWを把持しながらウェハステージ上に進入し、次いで、第1載置面12d上にウェハWを載置する(ウェハロード)(S3)。載置されたウェハWは、外周ステージ12の第1載置面12dに開口して機能している第1真空吸着口によって、外周ステージ12に対して保持される(S4)。ここで、ウェハステージ上方に位置しているCCDカメラ等の撮像装置によってウェハW上に設けられたオリフラを検出し、正規の回転位置からのズレ量(補正量)θ’を算出する(S5)。
そこで、本実施の形態例では、ウェハのロード時と同じ向きでウェハをシャトルに戻すか、あるいは正しい向きに補正して戻すかを選択できるように構成されている(S6)。
補正して戻す場合には(S6 NO)、S4の状態から外周ステージ12をθ軸補正させる位置(外周ステージ12の第1載置面12dが中心軸11の第2載置面よりも下方となる位置。θ補正位置。)まで下降させ(外周ステージ12をこのように下降させると、ウェハWは外周ステージ12の下降に伴って、第1載置面12dから第2載置面11dに載り替わり、第2載置面11dの第2真空吸着口11aに吸着される。)(S7)、その位置で外周ステージ12を、ズレ量に対して−θ’の補正回転を行う(S8)。
次に外周ステージ12を、その補正回転角度(―θ’)を保持したまま、中心軸11の第2載置面11dよりも外周ステージ12の第1載置面12dが上になるように上昇させる。このように心軸11の第2載置面11dよりも外周ステージ12の第1載置面12dが上になると、第1載置面12dに開口した第1真空吸着口が機能するので、ウェハWは外周ステージ12上に保持されながら上昇する。
このようにθ回転補正をした状態でZ軸方向でのオートフォーカス動作を行い(S11)、描画装置による描画を実行する(S12)。
描画を実行した後は、外周ステージ12を初期位置(エクスチェンジ位置)に戻し(S13)、ウェハステージの真空吸着を解除し(S14)、ロードしたのとは逆の手順で搬送機構(PLAD)を動作させ、ウェハWをシャトルに適正な回転位置に補正して戻し(アンロード)(S15)、一連の動作が終了する(S16)。
2 ドッキングポート
5 ウェハ搬送用テーブル
11 中心軸
11a 第2真空吸着口
11b 第3連通口
11c 第2連通口
11d 第2載置面
11f 真空ポンプ連絡通路
11g 真空ポンプ接続口
12 外周ステージ
12a 第1真空吸着口
12b 第1連通口
12c−1 第1連絡通路
12c−2 第2連絡通路
12d 第1載置面
12e 外周ステージ溝
14 Z軸ガイド
18 アームスペース
20 外周ステージ台
21 架台
23 基台
30 θ軸移動手段
31 Z軸移動手段
32 X軸移動手段
33 Y軸移動手段
W ウェハ(ターゲット)
M 単位処理装置
Ma 処理室
Mc 前室
G アーム進入方向
Claims (2)
- ハーフインチサイズのウェハを用いるミニマルファブ生産システムに使用される所定の外形を有する単位処理装置に内蔵される露光装置であって、架台に固定された中心軸と、前記架台をそれぞれX軸方向に位置調整するX軸移動手段およびY軸方向に位置調整するY軸移動手段と、前記中心軸に外挿されて前記中心軸に対しθ軸方向に回転可能かつZ軸方向に移動可能な外周ステージと、前記外周ステージをθ軸方向に回転位置調整させるθ軸移動手段およびZ軸方向に移動させるZ軸移動手段とを有し、
前記θ軸移動手段は他の前記移動手段よりも最上位に配置されていると共に、
前記外周ステージは、その上端面に形成されてウェハを載置する第1載置面と、前記第1載置面に開口する第1真空吸着口とを有し、前記中心軸は、その上端面に形成されてウェハを載置する第2載置面と、前記第2載置面に開口する第2真空吸着口とを有し、
前記第1真空吸着口および前記第2真空吸着口は、前記第1載置面および前記第2載置面の相対的位置に応じて真空吸着機能が切り替わることを特徴とする露光装置。 - 請求項1に記載の露光装置において、前記第1載置面が前記第2載置面よりも下方に位置すると前記第2真空吸着口が機能し、前記第1載置面が前記第2載置面よりも上方に位置すると前記第1真空吸着口が機能するとともに、前記第1載置面が前記第2載置面よりも上方および下方に位置するとき前記θ軸移動手段を駆動するように制御する制御手段を有することを特徴とする露光装置。
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