JP2015050091A - リチウムイオン二次電池用セパレータおよびリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セルロース繊維を主体としてなるリチウムイオン二次電池用セパレータであって、内部抵抗の低いリチウムイオン二次電池用セパレータを提供すること、および当該セパレータの製造方法を提供すること。【解決手段】セルロース繊維を主体としてなるリチウムイオン二次電池用セパレータであって、セルロース繊維の表面が水素添加スチレン−ブタジエンゴムで被覆されたことを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータ。セルロース繊維を主体としてなる不織布に、炭化水素を主体とする溶媒に水素添加スチレン−ブタジエンゴムを溶解した処理液を付与した後、溶媒を乾燥除去することを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池用セパレータおよびリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池(以下、「電池」と略記することがある)は、高いエネルギー密度を有することから、携帯機器においては小型でかつ駆動時間が長い機器を製造するため、電気自動車においては航続距離を長くするため、電気貯蔵システムにおいてはより長い駆動時間を得るための好ましい蓄電デバイスとして注目されている。
リチウムイオン二次電池用セパレータ(以下、「セパレータ」と略記することがある)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンからなる多孔質フィルムが広く用いられている。しかし、セパレータとしてこれら多孔質フィルムを用いた電池は内部抵抗が高く、大電流を流した際に発熱するため、電池やそれを格納する電池パックに放熱機構を設ける必要が生じたり、また充放電のサイクルにおけるエネルギーの損失が無視できない水準に達したりという課題を抱えていた。
この課題に対し、電解液で濡れ易いセパレータを用いることで内部抵抗を低減しようとする試みがなされている。具体的には、セルロースを主体としてなる多孔質フィルム或いは不織布をセパレータとして用いる技術(例えば、特許文献1〜2参照)、またセルロースを主体としてなる紙の好ましい態様として、叩解可能な再生セルロース繊維の叩解原料を10重量%以上使用して抄造された紙を用いる技術(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。しかし、これらの技術のセパレータは、強度、特に電解液で濡れた場合の強度が低いという課題を抱えていた。
このような課題に対し、不織布の繊維表面をポリオレフィン樹脂で被覆せしめたセパレータ(例えば、特許文献4参照)、セルロースを含有する多孔性シートにラテックスを含浸させたセパレータ(例えば、特許文献5参照)、ポリエチレンテレフタレートのような熱可塑性合成繊維およびセルロース繊維のような天然繊維からなる不織布に、更にカルボキシメチルセルロース、スチレン−ブタジエンゴムのような合成樹脂系結着剤を含有せしめたセパレータ(例えば、特許文献6〜7参照)、ポリエチレンテレフタレートのような熱可塑性合成繊維およびセルロース繊維のような天然繊維からなる不織布に、更に熱硬化性樹脂を含有せしめたセパレータ(例えば、特許文献8参照)等が提案されている。しかしこれらの技術は、不織布の強度向上や繊維の劣化を防止することによる電池寿命の改善を主眼として発明されたものであり、内部抵抗という観点では未だ改善の余地が残るものであった。
本発明の課題は、内部抵抗の低いリチウムイオン二次電池用セパレータを提供することにある。また、当該リチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意研究し、下記手段を見出した。
(1)セルロース繊維を主体としてなるリチウムイオン二次電池用セパレータであって、セルロース繊維の表面が水素添加スチレン−ブタジエンゴムで被覆されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータ。
(2)セルロース繊維を主体としてなる不織布に、炭化水素を主体とする溶媒に水素添加スチレン−ブタジエンゴムを溶解した処理液を付与した後、溶媒を乾燥除去することを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法。
セルロース繊維を主体としてなるリチウムイオン二次電池用セパレータであって、セルロース繊維の表面が水素添加スチレン−ブタジエンゴムで被覆されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータによって、内部抵抗の低いリチウムイオン二次電池用セパレータを得ることができる。また、セルロース繊維を主体としてなる不織布に、炭化水素を主体とする溶媒に水素添加スチレン−ブタジエンゴムを溶解した処理液を付与した後、溶媒を乾燥除去することを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法によって、内部抵抗の低いリチウムイオン二次電池用セパレータを製造することができる。
本発明のセパレータは、セルロース繊維を主体としてなるリチウムイオン二次電池用セパレータであって、セルロース繊維の表面が水素添加スチレン−ブタジエンゴムで被覆されていることを特徴とする。本発明のセパレータは、従来公知の、セルロース繊維を主体としてなり、セルロース繊維の表面が水素添加スチレン−ブタジエンゴムで被覆されていないセパレータ、セルロース繊維の表面がスチレン−ブタジエンゴム、ポリオレフィン、熱硬化樹脂等の樹脂で被覆されたセパレータ等と比較して、内部抵抗が低いという優れた特徴を有する。以下、このような効果が得られる理由について説明する。
リチウムイオン二次電池の内部抵抗が増大する主たる要因は、電解質の濃度分極にある。電解質の濃度分極とは、セパレータ内に浸透している電解液を通じた正極−負極間のリチウムイオン移動が円滑に行われないために、放電の場合に、正極近傍のリチウムイオン濃度が不足し、かつ負極付近でのリチウムイオン濃度が過剰になる現象や、充電の場合に、正極近傍のリチウムイオン濃度が過剰になり、かつ負極付近でのリチウムイオン濃度が不足する現象である。濃度分極を最小限に抑え、内部抵抗の低い電池を得るためには、正極−負極間のリチウムイオンの移動を阻害する要因を除去する必要がある。
ところで、リチウムイオン二次電池の電解液において、リチウムイオンは、裸のイオンではなく、電解液溶媒の分子で溶媒和された状態で存在している。一般に、液相と固相の親和性が高い場合、液相と固相の間に生じる摩擦力は大きくなる。溶媒和されたリチウムイオンが、セパレータの細孔内に存在している電解液内を円滑に移動できるためには、当該細孔の壁面を構成する素材が、電解液溶媒と親和性の低い材料で構成されている必要がある。
セルロースは、その表面に多数の水酸基を有する極性の高い重合体であり、その表面は一般に強く分極している。一方、電解液に用いられる溶媒としては、リチウム塩を溶解せしめられるだけの十分に高い極性を有し、かつ高い電気化学的な安定性を有するという点で、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等の環状炭酸エステル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル等の鎖状炭酸エステルを主体とする、極性の高い混合溶媒が用いられている。
セルロースと電解液に用いられる溶媒は、いずれも極性の高い物質であるために、それらの間には一般に高い親和性がある。このような場合、当該溶媒の分子で溶媒和されたリチウムイオンと、セパレータの細孔の壁面を構成するセルロース繊維との間の摩擦が大きくなり、リチウムイオンの移動が阻害されてしまう。本発明は、この点に着目し、セルロース繊維を主体としてなるセパレータにおいて、セルロース繊維の表面を、極性が低い、言い換えれば電解液溶媒との親和性が低い水素添加スチレン−ブタジエンゴムで被覆することによって、セパレータの細孔と電解液溶媒分子で溶媒和されたリチウムイオンとの摩擦力を軽減し、ひいては内部抵抗が低いセパレータを得ようとするものである。
水素添加スチレン−ブタジエンゴムとは、溶液重合法によって合成されたスチレン−ブタジエン共重合体を、触媒の存在下で水素を作用させて、ブタジエン単位に存在する二重結合のほぼ全てを飽和結合に変換した重合体である。水素添加スチレン−ブタジエンゴムは、化学構造が異なるのみならず、二重結合に起因する主鎖回転の制約がない点で、化学的特性、物理的特性についても、スチレン−ブタジエンゴムとは大きく異なる重合体である。水素添加スチレン−ブタジエンゴムには、非常に極性が低いために、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素等の非極性溶媒には良く溶解する一方、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル等の極性溶媒には、殆ど溶解しない特性がある。市販されている水素添加スチレン−ブタジエンゴムとして、例えば、JSR株式会社製ダイナロン(登録商標)1320P、1321P、2324Pを挙げることができる。
先行技術文献、例えば特許文献1および2には、電解液との親和性が高いセルロースを主体とするセパレータを用いることによって、内部抵抗を低減できる旨の記載がある。以下、先行技術文献における技術思想と本発明における技術思想の相違について説明する。本発明者らの検討によれば、セルロースを含むセパレータを用いることによって、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンからなる多孔質フィルムと比較して、たしかに低い内部抵抗が得られる場合が多い。
しかし、電池の作製時に極めて長い時間をかけて十分に電解液を浸透させることで、ポリオレフィンからなる多孔質フィルムでも、セルロースを含むセパレータよりもむしろ低い内部抵抗を得ることが可能である。このような事実から、セルロースを主体とするセパレータによって低い内部抵抗が得られるのは、セルロースを主体とするセパレータは、ポリオレフィンからなる多孔質フィルムよりも電解液に濡れ易いため、電解液で満たされていない細孔がセパレータ内に残存しにくいためであると推察される。すなわち、従来公知のセルロースを主体としてなるセパレータによって得られる低い内部抵抗は、細孔の内壁と電解質溶媒で溶媒和されたリチウムイオン間の摩擦力を低減し、内部抵抗を本質的に低くしようとする本発明の前記技術思想とは本質的に異なる作用に基づくものである。
従来公知の技術によって得られるセルロースを主体とするセパレータの場合と同様、本発明のセパレータにおいても、用いるセルロース繊維の特性(例えば、繊維長、繊維径、フィブリル化された部分の割合、フィブリルの繊維径、フィブリルの長さ等の特性)により、内部短絡の防止性能、強度等の特性について大きな差が生じる。しかし、セルロース繊維を被覆しない場合と比較して内部抵抗が低減されるという本発明の効果は、セルロース繊維の特性によらず発現される。また、本発明のセパレータに、更に熱可塑性合成繊維等、セルロース繊維以外の繊維を混抄することで、強度等の特性を向上させることも可能である。本発明では、「セルロース繊維を主体としてなる」とは、セルロース繊維を50質量%以上含むことを言う。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータは、以下の製造方法によって製造することができる。すなわち、セルロース繊維を含む不織布に、炭化水素を主体とする溶媒に水素添加スチレン−ブタジエンゴムを溶解した処理液を付与し、次いで当該処理液の溶媒を乾燥除去する製造方法により、本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータを製造することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法(以下、「製造方法」と略記する場合がある)において、炭化水素を主体とする溶媒に水素添加スチレン−ブタジエンゴムを溶解した処理液(以下、「処理液」と略記する場合がある)の固形分濃度は、0.5〜5質量%であることが好ましい。かかる固形分濃度が低すぎる場合には、セルロース繊維の表面が十分に被覆されず、内部抵抗が低いという本発明の効果を十分に得ることができないことがある。かかる固形分濃度が高すぎる場合には、セパレータの細孔を目詰まりさせてしまい、却って内部抵抗が高くなってしまうことがある。不織布に対する当該処理液の好適な付与量は、不織布に吸収されず表面に残存した過剰な処理液を除去した時の量である。当該好適な付与量は、不織布に含まれる細孔の体積分率等によっても変わり、細孔が多い不織布程、より多くの付与量が好適となる。本発明においては、処理液の濃度を前記のように規定することによって、塗工済基材に吸収されず塗工済基材の表面に残存した過剰な処理液を除去した場合に、水素添加スチレン−ブタジエンゴムの付与量を、自動的に好適な付与量に調整することができる。
本発明の製造方法において、処理液に用いる炭化水素を主体とする溶媒は、炭化水素系溶媒を主体とし、空気中の水分等に起因して混入した水分が処理斑の原因となることを防ぐため等を目的に、必要に応じて少量の極性溶媒を添加した溶媒である。炭化水素系溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素の1種または2種以上が混合して用いられる。トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素を主体とすることにより、水素添加スチレン−ブタジエンゴムに対する溶解力が強くなり、セパレータ内の細孔を目詰まりさせる原因となる未溶解物などを含まない、均一な処理液を調製できることから好ましい。また、極性溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等が例示される。
本発明において、不織布には、セルロース繊維の他に、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、非晶ポリアリレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリアクリロニトリル;6−ナイロン、6,6−ナイロン、アラミド等のポリアミド;各種ポリウレタン;ポリ塩化ビニル等の合成繊維、ガラス繊維、絹、羊毛等の動物性天然繊維等を混抄することも可能である。
本発明の製造方法において、不織布に処理液を付与する方法に特に制限はなく、エアドクターコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、含浸コーター、グラビアコーター、キスロールコーター、ダイコーター、リバースロールコーター、トランスファーロールコーター、スプレーコーター等を用いることができる。また本発明の製造方法において、処理液の溶媒を乾燥除去するのに用いる乾燥方法は、特に限定されず、エアドライヤ、赤外線ドライヤ、マイクロウェーブ乾燥、真空乾燥等、種々の乾燥方法を用いることができる。これらの中でも、エアドライヤによる乾燥は、乾燥速度が速く生産性が高くなることから好ましく用いられる。
以下、本発明の実施例を示す。
実施例1
[セルロース繊維スラリーの調製]
リヨセル繊維(繊度1.7dtex、繊維長4mm、コートルズ社製)をダブルディスクリファイナーで叩解し、下記で定義される変法濾水度が50mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.70mmであるフィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維の水分散スラリーを作製した。
変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した濾水度。
[セルロース繊維スラリーの調製]
リヨセル繊維(繊度1.7dtex、繊維長4mm、コートルズ社製)をダブルディスクリファイナーで叩解し、下記で定義される変法濾水度が50mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.70mmであるフィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維の水分散スラリーを作製した。
変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した濾水度。
[抄造]
前記フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維スラリーを、円網抄紙機を用いて抄き上げ、表面温度180℃のヤンキードライヤーで乾燥し、ソフトカレンダーで処理して、セルロース繊維を主体とする、乾燥坪量18g/m2、厚み30μmの湿式抄造不織布を作製した。
前記フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維スラリーを、円網抄紙機を用いて抄き上げ、表面温度180℃のヤンキードライヤーで乾燥し、ソフトカレンダーで処理して、セルロース繊維を主体とする、乾燥坪量18g/m2、厚み30μmの湿式抄造不織布を作製した。
[処理液の調製]
水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(JSR株式会社製、ダイナロン(登録商標)1320P)5g、メチルエチルケトン25gにトルエンを加え、全量を500gとし、完全に攪拌溶解して、固形分濃度1質量%の処理液を調製した。
水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(JSR株式会社製、ダイナロン(登録商標)1320P)5g、メチルエチルケトン25gにトルエンを加え、全量を500gとし、完全に攪拌溶解して、固形分濃度1質量%の処理液を調製した。
[セパレータの作製]
前記の不織布を、前記の処理液中に通過させて、処理液を付与した。処理液を付与された塗工済基材の表面を、ポリエチレン製のスクレーパで軽く掻き取り、表面に付着した過剰の処理液を除去した後、熱風式乾燥機を用いて溶媒であるトルエンおよびメチルエチルケトンを乾燥除去して、実施例1のセパレータを作製した。
前記の不織布を、前記の処理液中に通過させて、処理液を付与した。処理液を付与された塗工済基材の表面を、ポリエチレン製のスクレーパで軽く掻き取り、表面に付着した過剰の処理液を除去した後、熱風式乾燥機を用いて溶媒であるトルエンおよびメチルエチルケトンを乾燥除去して、実施例1のセパレータを作製した。
実施例2
抄造用スラリーとして、前記のセルロース繊維スラリーと、延伸結晶化ポリエチレンテレフタレートステープル(繊度0.1dtex、カット長3mm)を、繊維の乾燥質量が50:50になるように配合したスラリーを用いた以外には、実施例1と同様に湿式抄造不織布を作製し、この湿式抄造不織布に、実施例1と同様に処理液を付与、溶媒を乾燥除去して、実施例2のセパレータを作製した。
抄造用スラリーとして、前記のセルロース繊維スラリーと、延伸結晶化ポリエチレンテレフタレートステープル(繊度0.1dtex、カット長3mm)を、繊維の乾燥質量が50:50になるように配合したスラリーを用いた以外には、実施例1と同様に湿式抄造不織布を作製し、この湿式抄造不織布に、実施例1と同様に処理液を付与、溶媒を乾燥除去して、実施例2のセパレータを作製した。
実施例3
抄造用スラリーとして、前記で定義される変法濾水度が120mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が1.0mmであるコットンパルプを単独で用いた以外には、実施例1と同様に湿式抄造不織布を作製し、この湿式抄造不織布に、実施例1と同様に処理液を付与、溶媒を乾燥除去して、実施例3のセパレータを作製した。
抄造用スラリーとして、前記で定義される変法濾水度が120mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が1.0mmであるコットンパルプを単独で用いた以外には、実施例1と同様に湿式抄造不織布を作製し、この湿式抄造不織布に、実施例1と同様に処理液を付与、溶媒を乾燥除去して、実施例3のセパレータを作製した。
比較例1
処理液を付与しない実施例1の湿式抄造不織布を、そのまま比較例1のセパレータとして用いた。
処理液を付与しない実施例1の湿式抄造不織布を、そのまま比較例1のセパレータとして用いた。
比較例2
処理液を付与しない実施例2の湿式抄造不織布を、そのまま比較例2のセパレータとして用いた。
処理液を付与しない実施例2の湿式抄造不織布を、そのまま比較例2のセパレータとして用いた。
比較例3
処理液を付与しない実施例3の湿式抄造不織布を、そのまま比較例3のセパレータとして用いた。
処理液を付与しない実施例3の湿式抄造不織布を、そのまま比較例3のセパレータとして用いた。
比較例4
処理液として、水素添加スチレン−ブタジエン共重合体のメチルエチルケトン−トルエン混合溶媒溶液に代え、市販のスチレン−ブタジエンゴムラテックスを水で希釈した水性分散液(固形分濃度1質量%)を用い、熱風式乾燥機に代え、シリンダー乾燥機を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例4のセパレータを作製した。なお、シリンダー乾燥機を用いた理由は、熱風式乾燥機で乾燥した場合には、セパレータにボコツキが生じてしまったためである。
処理液として、水素添加スチレン−ブタジエン共重合体のメチルエチルケトン−トルエン混合溶媒溶液に代え、市販のスチレン−ブタジエンゴムラテックスを水で希釈した水性分散液(固形分濃度1質量%)を用い、熱風式乾燥機に代え、シリンダー乾燥機を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例4のセパレータを作製した。なお、シリンダー乾燥機を用いた理由は、熱風式乾燥機で乾燥した場合には、セパレータにボコツキが生じてしまったためである。
比較例5
処理液として、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の水溶液(固形分濃度1質量%)を用いた以外は、比較例4と同様にして比較例5のセパレータを作製した。
処理液として、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の水溶液(固形分濃度1質量%)を用いた以外は、比較例4と同様にして比較例5のセパレータを作製した。
[評価用電池の作製]
正極活物質がマンガン酸リチウム、負極活物質がメソフェーズカーボンマイクロビーズ、電解液が1Lあたり1molのLiPF6をEC:DEC(30:70 vol%)混合溶媒に溶解した溶液であり、セパレータが各実施例および比較例のセパレータである、設計容量30mAhのパウチ型リチウムイオン二次電池を作製した。
正極活物質がマンガン酸リチウム、負極活物質がメソフェーズカーボンマイクロビーズ、電解液が1Lあたり1molのLiPF6をEC:DEC(30:70 vol%)混合溶媒に溶解した溶液であり、セパレータが各実施例および比較例のセパレータである、設計容量30mAhのパウチ型リチウムイオン二次電池を作製した。
[評価用電池の充電]
評価用電池に対して、30mAで定電流充電を行った。正負極間の電圧が4.2Vに達した後は、この電圧で定電圧充電を行った。充電電流が3mAに低下した時点で充電終了とした。
評価用電池に対して、30mAで定電流充電を行った。正負極間の電圧が4.2Vに達した後は、この電圧で定電圧充電を行った。充電電流が3mAに低下した時点で充電終了とした。
[内部抵抗の測定]
充電した各評価用電池について、30mAの定電流放電を行い、放電開始6分後の電圧E30(V)を記録した。次いで各評価用電池を再度充電した後、60mAで定電流放電を行い、放電開始3分後の電圧E60(V)を記録した。内部抵抗R(Ω)=(E30−E60)/0.03(A)によって算出した。結果を表1に示す。
充電した各評価用電池について、30mAの定電流放電を行い、放電開始6分後の電圧E30(V)を記録した。次いで各評価用電池を再度充電した後、60mAで定電流放電を行い、放電開始3分後の電圧E60(V)を記録した。内部抵抗R(Ω)=(E30−E60)/0.03(A)によって算出した。結果を表1に示す。
表1に示されるように、セルロース繊維を主体とし、セルロース繊維の表面が水素添加スチレン−ブタジエンゴムで被覆されている本発明のセパレータ(実施例1〜3)と、セルロース繊維の表面が被覆されていない本発明外のセパレータ(比較例1〜3)を比較すると、本発明のセパレータは内部抵抗が低い。同一の湿式抄造不織布からなるセパレータを比較すると、セルロース繊維の表面が水素添加スチレン−ブタジエンゴムで被覆されている本発明のセパレータである実施例1のセパレータの内部抵抗が4.2Ωと低いのに対し、セルロース繊維の表面が水素添加スチレン−ブタジエンゴムで被覆されていない本発明外のセパレータである比較例1のセパレータの内部抵抗は4.4Ωと高い。セルロース繊維の表面が水素添加スチレン−ブタジエンゴムで被覆されている本発明のセパレータである実施例2のセパレータの内部抵抗が4.3Ωと低いのに対し、セルロース繊維の表面が水素添加スチレン−ブタジエンゴムで被覆されていない本発明外のセパレータである比較例2のセパレータの内部抵抗は4.6Ωと高い。セルロース繊維の表面が水素添加スチレン−ブタジエンゴムで被覆されている本発明のセパレータである実施例3のセパレータの内部抵抗が4.6Ωと低いのに対し、セルロース繊維の表面が水素添加スチレン−ブタジエンゴムで被覆されていない本発明外のセパレータである比較例3のセパレータの内部抵抗は4.9Ωと高い。
また、同一の湿式抄造不織布からなるセパレータであり、セルロース繊維の表面がスチレン−ブタジエンゴムで被覆されている本発明外のセパレータである比較例4のセパレータの内部抵抗は4.6Ω、セルロース繊維の表面がカルボキシメチルセルロースナトリウム塩で被覆されている本発明外のセパレータである比較例5のセパレータの内部抵抗は4.5Ωと、セルロース繊維の表面が水素添加スチレン−ブタジエンゴムで被覆されている本発明のセパレータである実施例1のセパレータの内部抵抗が4.2Ωのみならず、セルロース繊維の表面が水素添加スチレン−ブタジエンゴムで被覆されていない本発明外のセパレータである比較例1のセパレータの内部抵抗の4.4Ωと比較しても更に高い。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータは、リチウムイオン二次電池用のセパレータとして利用できる。
Claims (2)
- セルロース繊維を主体としてなるリチウムイオン二次電池用セパレータであって、セルロース繊維の表面が水素添加スチレン−ブタジエンゴムで被覆されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータ。
- セルロース繊維を主体としてなる不織布に、炭化水素を主体とする溶媒に水素添加スチレン−ブタジエンゴムを溶解した処理液を付与した後、溶媒を乾燥除去することを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013181850A JP2015050091A (ja) | 2013-09-03 | 2013-09-03 | リチウムイオン二次電池用セパレータおよびリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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EP3761400A4 (en) * | 2018-02-26 | 2021-11-10 | Daicel Corporation | SECONDARY BATTERY SEPARATOR |
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