JP2015048330A - マンゴー種子油を用いた化粧品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】宮崎県産、台湾産マンゴー種子油を、その主原料としたことを特徴とするボディケア化粧品並びに基礎化粧品。
【選択図】 図4
Description
1. 試料について
入手したマンゴーは、平成24年度に収穫された宮崎県産および台湾産である。
2. 試料調製について
入手したそれぞれの種子(宮崎産712.5g,台湾産300.8g)を粉砕した後、ヘキサン(2000ml,700ml)にそれぞれ一週間室温で浸漬した。濾過後、ヘキサン部を留去し、黄色宮崎産マンゴー種子油69.7gと淡黄色台湾産マンゴー種子油12.1gを得た。ついで、それぞれのマンゴー種子油中の色素除去を目的に脱色剤であるガレオンアース処理し、それぞれ白色のマンゴー種子油を得た。
3−1) 脂肪酸組成
それぞれのマンゴー種子油中の脂肪酸定量については、三フッ化ホウ素メタノール法を用いてメチルエステル化を行なった後、GC分析〔(株)島津製作所製GC−2014,分析条件;TC−70(φ0.25mm×60m),Colmn Temp.:190°C(30min hold)Injection Temp. :250°C,Detector Temp.:260°C,Carrier Gas :He〕でそれぞれの油脂成分を分析した。
それぞれの種子油中のグリセロール組成については、後述の「不けん化物の定量」の項と同様なGC分析条件〔(株)島津製作所製GC−2014,分析条件;TC−70(φ0.25mm×60m),Colmn Temp.:190°C(30min hold)Injection Temp. :250°C,Detector Temp.:260°C,Carrier Gas :He〕を用いて行なった。
ノネナールおよびスカトールの消臭に関わる分析は、検出器としてFIDを用いたGC分析〔(株)島津製作所製GC−2014,Packed Column:(φ0.25mm×60mm),Colmn Temp.:120°C,Injection Temp. :200°C,Detector Temp.:200°C,Carrier Gas :N2 (50ml/min)〕により行なった。
次に、宮崎産マンゴー種子油を用いて、下記に示した物性試験を行なった。
前記明細書段落〔0018〕の項でマンゴー種子油から得た油脂1.0gに1N水酸化カリウムを溶解したエタノール混合溶液10mLを加え、1時間加熱還流した。反応終了後、ジエチルエーテル0.4 mLとエタノール2mLの混合溶媒に溶解し、1%フェノールフタレイン指示薬2〜3滴を加えた後、0.1 水酸化カリウム溶液を用いて滴定(A)した。この測定値を用いて、下記の式から混入する脂肪酸を標定した(F=0.1 N水酸化カリウム・エタノール溶液のファクターとする)。
残存脂肪酸(g)=A×F×0.0282
恒量(g)−残存脂肪酸(g)
不けん化物(%)=───────────── ×100
試料採取量(g)
前記明細書段落〔0018〕の項で得たマンゴー種子油から得た油脂0.8 gに、0.5 N水酸化カリウムを溶解したエタノール混合溶液25mLを加えた後、1時間加熱還流した。反応終了後、1%フェノールフタレイン指示薬2〜3滴を加えた後、0.5 N塩酸で滴定(A)した。 また、空実験として、同様の操作(B)を行なった。この測定値を用いて、下記の式からけん化価算出した。(F=0.5 N塩酸のファクターとする)。
28.05×(B−A)×F
けん化価= ─────────────
試料(g)
前記明細書段落〔0018〕の項で得たマンゴー種子油から得た油脂2.0 gを、ジエチルエーテルとエタノール=2:1の混液溶媒20mLに溶解した。ついで、1%フェノールフタレイン指示薬2〜3滴を加えた後、0.1 N水酸化カリウム溶液で滴定(A)した。また、空実験として、同様の操作(B)を行なった。この測定値を用いて、下記の式から酸価を算出した。(F=0.1 N水酸化カリウム溶液のファクターとする)。
F
酸価=5.611×(A−B)× ────
試料(g)
明細書段落〔0023〕で求めた「けん化価」の値と、明細書段落〔0024〕で求めた「酸価」の値の差からエステル化を算出した。
前記明細書段落〔0018〕の項で得たマンゴー種子油から得た油脂0.3 gにシクロヘキサン10mLを加え溶解した。ついで、ウィイス液25mLを加えて、常温で暗所に30分間放置した。その間時々振り混ぜた後、0.mg/mLのヨウ化カリウム溶液20mLと水100 mLを加えた。この混合溶液が微黄色に呈色するまで0.1 Mチオ硫酸ナトリウム標準溶液を加えた。つぎに、デンプン溶液を加え溶液の青色が消失するまで滴定し、終点(A)とした。また、空実験として、同様の操作(B)を行なった。この測定値を用いて、下記の式からヨウ素価を算出した。(F=0.1 mol /Lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクターとする。)
1.269×(B−A)×F
ヨウ素価= ─────────────
試料(g)
前記明細書段落〔0018〕の項で得たマンゴー種子油から得た油脂1.0 gにそれぞれの悪臭化合物を所定量加えて、密封下で反応させた。30分間放置後、残存濃度を GC で想定し、消臭率を算出した。(表2の説明)
消臭された悪臭濃度(ppm)
悪臭率(%)= ───────────── ×100
初期悪臭濃度(ppm)
供試菌株として、古草菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌よび緑膿菌を用いて、菌液50μLを平板塗沫した。それぞれ標準寒天培地(ニッスイ製)、デゾキシコレート寒天培地(ニッスイ製)、マンニット食塩培地(ニッスイ製)、およびNAC寒天培地(ニッスイ製)を使用し菌液は50μLを平板塗沫した。試験方法としては、ペーパーディスク法(φ8mm濾紙)および直接法を用いて実施した。
化粧品への利用として、宮崎県産マンゴー種子油の乳液と石鹸の試作を明細書段落〔0034〕の項および同〔0035〕の項に準じて行なった。比較としてオリーブ油を用いて、乳液と石鹸を同様の操作で試作した。また、乳液は市販品である“ちふれ乳液しっとりタイプ”〔(株)ちふれ化粧品〕、石鹸は、カウブランド青箱〔牛乳石鹸共進社(株)〕を用いて比較した。
宮崎県産マンゴー種子油4.5gに植物性乳化ワックス1.65gを加え、内温60〜70°Cで加温し溶解した。ついで、精製水40nLを数回に分けて加え、20分間攪拌し乳液を試作した。
精製水2.36gに水酸化ナトリウム0.88gを加え溶解らせた後、内温が40°Cになるまで放冷し、同温度に加温した宮崎県産マンゴー種子油6.76gを少量ずつ加えながら攪拌し、全体が白くなり、トレースが出るまで攪拌した後、室温まで放置し固化した。次に、試作した石鹸を蒸留水に溶かし、pHを測定した。また、泡立ち試験として、メスシリンダーにマンゴー種子油石鹸、オリーブ油石鹸および牛乳石鹸をそれぞれ15mg入れて、40°Cの温水2mLを加えた後、400回激しく振りそれぞれの泡の高さを測定した。一方、消泡試験は泡立ち試験を行なった後、時間経過(1〜7時間)の泡の高さを測定した。因みに
1 オリーブ油石鹸 6.5cm
2 マンゴー種子油石鹸 5.2cm
3 市販石鹸 4.4cm
であった。
化粧品の汚れとして口紅を、食品の汚れとしてお好み焼きソースを布に一定量つけ、歯ブラシで同じ回数こすり洗いを行い、それぞれの洗浄効果を評価した。
入手した宮崎県産および台湾産マンゴー種子から抽出した油脂について、グリセロール組成をGC分析したところ、表4のピーク値(1)〜(6)に示すように、宮崎県産および台湾産マンゴー種子ともにトリアシルグリセロールが主成分であることを〔表3〕により確認した。
Claims (4)
- 宮崎県産、台湾産マンゴー種子油を、ボディケア化粧品、並びに基礎化粧品の主原料としたことを特徴とするマンゴー種子油を用いた化粧品。
- 宮崎県産マンゴー種子油4.5gに、植物性乳化ボックス1.65gを加え、内温60〜70°Cで加温し、溶解、精製水40mLを数回に分けて加え、20分間攪拌して構成するボディケア化粧品、並びに基礎化粧品であることを特徴とするマンゴー種子油を用いた化粧品の製造方法。
- 精製水2.36gに水酸化ナトリウム0.88gを加え溶解らせた後、内温が40°Cになるまで放冷し、同温度に加温した宮崎県産マンゴー種子油6.76gを少量ずつ加えながら攪拌し、全体が白くなり、トレースが出るまで攪拌した後、室温まで放置し固化するボディケア化粧品、並びに基礎化粧品からなることを特徴とするマンゴー種子油を用いた化粧品の製造方法。
- ボディケア化粧品並びに基礎化粧品が、シャンプー、化粧石鹸、化粧水から選ばれたものであることを特徴とする請求項2または3記載のマンゴー種子油を用いた化粧品の製造方法。
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