JP2015048038A - 列車制御システム - Google Patents

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誠 八木
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Abstract

【課題】列車同士の高速すれ違いの発生を抑制することのできる列車制御システムを提供する。【解決手段】列車制御システムは、高速列車TAと低速列車TBとのすれ違いが発生するすれ違い区間Pを含む二つの路線R1,R2に適用される。列車制御システムは、高速列車TAの走行状態(走行位置及び走行速度)と、低速列車TBの走行状態(走行位置及び走行速度)とに基づいて、すれ違い区間Pにおける高速列車TAと低速列車TBとのすれ違い開始位置を予測し、予測したすれ違い開始位置に基づいて高速列車TAの走行速度を制御する(減速させる)。【選択図】図1

Description

本発明は、列車の走行速度を制御する列車制御システムに関する。
この種の列車制御システムとして、従来から自動列車制御装置(ATC:Automatic Train Control)が知られている。例えば、特許文献1には、地上側から得られる所定の情報及び自列車(車上)で把握している自列車位置情報に基づいて速度照査パターンを作成し、作成した速度照査パターンを用いて列車の走行速度を制御する自動列車制御装置が記載されている。
特開2005−349945号公報
ところで、列車同士が高速ですれ違うと、風圧によって揺れが発生して列車の走行や乗り心地等に悪影響を与える。このため、高速でのすれ違いを回避するように列車の走行速度を制御することが好ましい。しかし、従来の列車制御システムにおいては、列車同士のすれ違いについては何ら考慮されておらず、この点で改良の余地があった。
そこで、本発明は、列車同士の高速すれ違いの発生を抑制することのできる列車制御システムを提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、第1列車と第2列車とのすれ違いが発生するすれ違い区間を含む二つの路線に適用される列車制御システムは、前記第1列車の走行状態と前記第2列車の走行状態とに基づいて前記第1列車と前記第2列車とのすれ違い開始位置を予測し、予測したすれ違い開始位置に基づいて前記第1列車及び前記第2列車の少なくとの一方の走行速度を制御する。
前記列車制御システムでは、前記第1列車の前記第2列車とのすれ違い開始位置を予測し、予測したすれ違い開始位置に基づいて前記第1列車及び前記第2列車の少なくとも一方の走行速度を制御する。これにより、前記第1列車と前記第2列車とが高速ですれ違うことを回避して、両列車の安全かつ円滑な走行を確保することができる。
本発明の一実施形態による列車制御システムの概略構成を示す図である。 低速列車及び高速列車に設置された車上設備の一例を示す図である。 低速列車の車上装置が実施する処理(低速列車の走行状態の送信)を示すフローチャートである。 高速列車の車上装置が実施する処理(高速列車の走行状態の送信)を示すフローチャートである。 地上装置が実施する処理を示すフローチャートである。 地上装置が実施する処理を示すフローチャートである。 高速列車の車上装置が実施する処理(高速列車の速度制限制御)を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による列車制御システムの概略構成を示している。
まず、本実施形態による列車制御システムが適用される路線について説明する。
図1において、第1路線R1は列車TAが矢印A方向に走行する路線であり、第2路線R2は列車TBが矢印A方向とは反対の矢印B方向に走行する路線である。第1路線R1と第2路線R2は、区間Pにおいて他の区間よりも近接しており、この区間Pでは、第1路線R1を走行する列車TAと第2路線R2を走行する列車TBとのすれ違いが発生し得る。すなわち、第1路線R1及び第2路線R2は、列車同士のすれ違いが発生する区間P(以下、単に「すれ違い区間P」という)を有している。本実施形態による列車制御システムは、このような「すれ違い区間」を有する二つの路線に適用される。
ここで、本実施形態において、列車TAは、列車TBよりも高速走行が可能な列車であるものとする。例えば、列車TAは、第1路線R1としての高速鉄道用路線を走行する高速鉄道用列車(特急列車等)であり、列車TBは、第2路線R2としてのいわゆる在来線を走行する貨物列車又は普通列車である。そのため、以下では、列車TAを「高速列車TA」といい、列車TBを「低速列車TB」という。
本実施形態による列車制御システムは、すれ違い区間P及びその前後区間(区間O,区間Q)からなる区間を制御区間Cとしてすれ違いを考慮した列車制御を実施する。具体的には、本実施形態による列車制御システムは、高速列車TAの走行速度を減速させて、すれ違い区間Pにおいて高速列車TAと低速列車TBとが高速ですれ違うことを回避し、これによって、高速列車TA及び低速列車TB(特に、低速列車TB)の安全かつ円滑な走行を確保する。
ここで、すれ違い区間Pの前後区間(区間O,区間Q)の長さは、任意に設定することができるが、好ましくは、区間Oの長さは、第1路線R1を走行する高速列車TAの最大制動距離よりも長い距離となるように設定され、区間Qの長さは、第2路線R2を走行する低速列車TBの最大制動距離よりも長い距離となるように設定される。
なお、図では省略しているが、第1路線R1及び第2路線R2のそれぞれには、所定の軌道回路が設けられていると共に、所定の間隔で位置検出用の地上子が配置されている。また、第1路線R1の各軌道回路(レール)には、第1路線R1用のATC地上装置によって、所定の列車制御情報を含むATC信号が流されており、同様に、第2路線R2の各軌道回路(レール)には、第2路線R2用のATC地上装置によって、所定の列車制御情報を含むATC信号が流されている。
次に、本実施形態による列車制御システムを構成する各要素について説明する。
前記列車制御システムは、第1路線R1を走行する高速列車TA及び第2路線R2を走行する低速列車TBのそれぞれに設置された車上設備と、地上側に設置された地上設備とで構成される。
図2は、高速列車TA、低速列車TBに設置された車上設備を示している。
本実施形態において、高速列車TAに設置された車上設備と、低速列車TBに設置された車上設備とは共通の構成を有している。そのため、図2においては、高速列車TAに設置される車上設備の構成要素を括弧なしの符号で示し、低速列車TBに設置される車上装置の構成要素を括弧付きの符号で示している。
図2に示すように、高速列車TA(低速列車TB)には、前記車上設備として、ATCアンテナ21A(21B)と、車上子22A(22B)と、速度発電機(TG)23A(23B)と、車上無線機24A(24B)と、車上装置25A(25B)とが設置されている。
ATCアンテナ21A(21B)は、高速列車TA(低速列車TB)の下部に設けられており、第1路線R1(第2路線R2)の各軌道回路に流された前記ATC信号を受信する。ATCアンテナ21A(21B)によって受信されたATC信号は、車上装置25A(25B)へと転送される。
車上子22A(22B)は、高速列車TA(低速列車TB)が前記地上子を通過する際に当該地上子から位置情報を受信する。車上子22A(22B)によって受信された位置情報は、車上装置25A(25B)へと転送される。
速度発電機23A(23B)は、高速列車TA(低速列車TB)の車軸に取り付けられており、当該車軸に回転に応じたパルス信号を発生する。速度発電機23A(23B)の発生したパルス信号は、車上装置25A(25B)へと出力される。
車上無線機24A(24B)は、後述する前記地上設備としての沿線無線機31との間で所定の情報の送受信を行う。車上無線機24A(24B)によって受信された沿線無線機31からの情報は、車上装置25A(25B)へと転送される。
車上装置25A(25B)は、車上子22A(22B)によって受信された前記位置情報及び速度発電機23A(23B)の発生したパルス信号に基づいて、高速列車TA(低速列車TB)の走行状態、すなわち、第1路線R1における高速列車TA(第2路線R2における低速列車TB)の走行位置及び走行速度を常時検出して把握している。そして、車上装置25A(25B)は、高速列車TA(低速列車TB)が制御区間Cに進入すると、把握している高速列車TA(低速列車TB)の走行位置及び走行速度を、高速列車TA(低速列車TB)の識別情報とともに所定周期で車上無線機24A(24B)を介して地上側(沿線無線機31)へと送信する。
また、車上装置25A(25B)は、基本的には、従来の自動列車制御装置と同様、ATCアンテナ21A(21B)によって受信される前記ATC信号に基づいて高速列車TA(低速列車TB)の走行速度を制御する(以下「通常列車制御」という)。但し、高速列車TAの車上装置25Aは、高速列車TAが制御区間Cに進入した場合には、前記通常列車制御ではなく、高速列車TAの走行速度を、すれ違い時に高速列車TAに許容された速度(以下単に「許容速度」という)以下に制限する速度制限制御を実施し、これにより、すれ違い区間Pにおける高速列車TAと低速列車TBとの高速すれ違いを回避する。ここで、前記許容速度としては、例えば、低速列車TBの最高速度(例えば、140km/h)又はこれよりも低い所定速度を採用することができ、また、高速列車TAは、前記許容速度を予め記憶している。
図1に戻って、前記地上設備は、第1路線R1(及び第2路線R2)に沿って所定の間隔で配置された複数の沿線無線機31と、複数の沿線無線機31のそれぞれに接続された地上装置32とを含む。
複数の沿線無線機31は、すれ違い区間Pよりも長い距離にわたって配置されており、これにより、制御区間C(=区間O+すれ違い区間P+区間Q)内の各位置がいずれかの沿線無線機31の通信可能エリアに含まれるようになっている。複数の沿線無線機31の通信可能エリア=制御区間Cとしてもよい。複数の沿線無線機31は、高速列車TA(の車上無線機24A)から高速列車TAの走行状態(走行位置及び走行速度)を受信し、及び/又は、低速列車TB(の車上無線機24B)から低速列車TBの走行状態(走行位置及び走行速度)を受信すると、受信した走行状態を地上装置32へと転送する。
地上装置32は、情報を格納可能なメモリを内蔵している。また、地上装置32は、第1路線データベース321と、第2路線データベース322と、を有している。第1路線データベース321には、第1路線R1に関する情報(制御区間Cにおける第1路線R1の長さ、勾配、カーブなど)及び第1路線R1を走行する高速列車TAに関する情報(走行速度、ブレーキ性能、列車長さなど)が格納され、第2路線データベース322には、第2路線R2に関する情報(制御区間Cにおける第2路線R2の長さ、勾配、カーブなど)及び第2路線R2を走行する低速列車TBに関する情報(走行速度、ブレーキ性能、列車長さなど)が格納されている。
地上装置32は、沿線無線機31を介して高速列車TAの走行状態及び低速列車TBの走行状態を受信すると、受信した高速列車TAの走行状態、受信した低速列車TBの走行状態、第1路線データベース321内の情報、及び第2路線データベース322内の情報に基づいて高速列車TA用の列車制御情報を作成し、作成した列車制御情報を、沿線無線機31を介して高速列車TAの車上無線機24Aへと送信する。
次に、前記列車制御システムにおける各動作を、図3〜図6のフローチャートを参照して具体的に説明する。
図3は、低速列車TBの車上装置25Bが実施する処理(低速列車TBの走行状態の送信)を示すフローチャートである。この処理は、低速列車TBが制御区間C(すなわち、区間Q)に進入すると開始される。
ステップS11では、低速列車TBの走行状態が送信済みである否かを判断する。低速列車TBの走行状態が送信済みである場合にはステップS12に進み、前回の送信から所定時間(送信周期)の経過を待ってステップS13に進む。一方、低速列車TBの走行状態が送信済みでない場合にはステップS13に進む。
ステップS13では、低速列車TBの現在の走行状態(すなわち、第2路線R2における低速列車TBの走行位置及び走行速度)を低速列車TBの識別情報とともに車上無線機24Bを介して地上側(沿線無線機31)へと送信する。
ステップS14では、低速列車TBがすれ違い区間Pから進出したか否かを判断する。低速列車TBがすれ違い区間Pから進出した場合には本フローを終了し、低速列車TBがすれ違い区間Pから進出していない場合にはステップS11に戻る。なお、すれ違い区間Pに代えて制御区間Cとしてもよい。
図4は、高速列車TAの車上装置25Aが実施する処理(高速列車TAの走行状態の送信)を示すフローチャートである。この処理は、高速列車TAが制御区間C(すなわち、区間O)に進入すると開始される。
ステップS21では、高速列車TAの走行状態が送信済みである否かを判断する。高速列車TAの走行状態が送信済みである場合にはステップS22に進み、前回の送信から所定時間(送信周期)の経過を待ってステップS23に進む。一方、高速列車TAの走行状態が送信済みでない場合にはステップS23に進む。
ステップS23では、高速列車TAの現在の走行状態(すなわち、第1路線R1における高速列車TAの走行位置及び走行速度)を高速列車TAの識別情報とともに車上無線機24Aを介して地上側(沿線無線機31)に送信する。
ステップS24では、高速列車TAがすれ違い区間Pから進出したか否かを判断する。高速列車TAがすれ違い区間Pから進出した場合には本フローを終了し、高速列車TAがすれ違い区間Pから進出していない場合にはステップS21に戻る。なお、すれ違い区間Pに代えて制御区間Cとしてもよい。
図5、図6は、地上装置32が実施する処理を示すフローチャートである。
ステップS31では、低速列車TBの走行状態を受信したか否かを判断する。高速列車TBの走行状態を受信していない場合にはステップS32に進み、低速列車TBの走行状態を受信した場合にはステップS35に進む。
ステップS32では、高速列車TAの走行状態を受信したか否かを判断する。高速列車TAの走行状態を受信していない場合にはステップS33に進み、高速列車TAの走行状態を受信した場合にはステップS37に進む。
ステップS33では、低速列車TBの走行状態及び高速列車TAの走行状態を所定期間受信していないか(未受信であるか)否かを判定する。そして、低速列車TBの走行状態及び高速列車TAの走行状態を所定期間以上受信していない場合にはステップS34に進み、前記メモリ内に低速列車TBの走行状態及び高速列車TAの走行状態が記録されていればこれらを消去してステップS31に戻る。一方、前記所定期間内に低速列車TBの走行状態及び高速列車TAの走行状態の少なくとも一方を受信している場合には、そのままステップS31に戻る。
ステップS35では、ステップS31で受信した低速列車TBの走行状態が正常であるか否かを判断する(すなわち、健常性チェックを行う)。かかる判断(健常性チェック)は、ステップS31で受信した低速列車TBの走行状態と、予め記憶してある低速列車TBの基準走行状態又は過去に受信した低速列車TBの走行状態とを比較することによって行う。例えば、今回受信した低速列車TBの走行位置が前回受信した低速列車TBの走行位置よりも後退している場合や、今回受信した低速列車TBの走行状態が前記基準走行状態と明らかに相違する場合に、ステップS31で受信した低速列車TBの走行状態が異常であると判断する。
そして、ステップS31で受信した低速列車TBの走行状態が正常であると判断した場合にはステップ36に進み、ステップS31で受信した低速列車TBの走行状態をその受信時刻とともに前記メモリに記録し、その後、ステップ39に進む。一方、ステップS31で受信した低速列車TBの走行状態が異常であると判断した場合には、前記メモリへの記録を行うことなくステップS31に戻る。
ステップS37では、ステップS32で受信した高速列車TAの走行状態が正常であるか否かを判断する(すなわち、健常性チェックを行う)。かかる判断(健常性チェック)は、ステップS35と同様、ステップS32で受信した高速列車TAの走行状態と、予め記憶してある高速列車TAの基準走行状態又は過去に受信した高速列車TAの走行状態とを比較することによって行う。そして、ステップS32で受信した高速列車TAの走行状態が正常であると判断した場合にはステップ38に進み、ステップS32で受信した高速列車TAの走行状態をその受信時刻とともに前記メモリに記録し、その後、ステップS39に進む。一方、ステップS32で受信した高速列車TBの走行状態が異常であると判断した場合には、前記メモリへの記録を行うことなくステップS31に戻る。
ステップS39では、高速列車TAの走行状態及び低速列車TBの走行状態が前記メモリに記録されているか否かを判断する。高速列車TA及び低速列車TBの走行状態が前記メモリに記録されている場合にはステップS40に進む。一方、高速列車TA及び低速列車TBのいずれかの走行状態しか前記メモリに記録されていない場合にはステップS31に戻る。
ステップS40では、高速列車TAと低速列車TBとのすれ違い発生前であるか否かを判断する。かかる判断は、例えば、前記メモリに記憶されている最新の高速列車TAの走行状態、前記メモリに記憶されている最新の低速列車TBの走行状態、及びこれらの受信時刻差に基づいて行う。そして、高速列車TAと低速列車TBとのすれ違い発生前であればステップS41に進み、高速列車TAと低速列車TBとのすれ違いがすでに発生していればステップS43に進む。
ステップS41では、高速列車TAと低速列車TBとのすれ違い位置(すれ違い開始位置及びすれ違い終了位置)を予測する。具体的には、前記メモリに格納されている最新の高速列車TAの走行状態、前記メモリに格納されている最新の低速列車TBの走行状態、これらの受信時刻差、第1路線データベース321内の情報、及び第2路線データベース322内の情報に基づいて前記すれ違い位置を予測する。なお、このステップS41で予測されるすれ違い位置は、第1路線R1におけるすれ違い位置である。
ステップS42では、ステップS41で予測したすれ違い位置(すれ違い開始位置及びすれ違い終了位置)を含む情報(以下「すれ違い位置情報」という)を作成する。
ステップS43では、高速列車TAと低速列車TBとのすれ違いが完了したか否かを判断する。具体的には、低速列車TBの走行位置が高速列車TAの走行位置を超えた(完全に通過した)場合に高速列車TAと低速列車TBのすれ違いが完了したと判断する。かかる判断は、例えば、前記メモリに記憶されている最新の高速列車TAの走行状態、前記メモリに記憶されている最新の低速列車TBの走行状態、及びこれらの受信時刻差に基づいて行う。そして、高速列車TAと低速列車TBとのすれ違いが完了していればステップS44に進み、高速列車TAと低速列車TBとのすれ違いが完了していなければステップS31に戻る。
ステップS44では、高速列車TAと低速列車TBとのすれ違いが完了したことを示す情報(以下「すれ違い完了情報」という)を作成する。
ここで、ステップS40、ステップS41、及びステップ43において前記受信時刻差を用いるのは、次の理由による。
すなわち、前記最新の列車TAの走行状態と前記最新の列車TBの走行状態とは、同時に受信されたものではなく、どちらかが先に受信されたものである。このため、前記メモリに格納されている走行状態をそのまま使用すると、前記受信時刻差の分、いずれかの列車の走行位置や前記すれ違い位置の予測にずれが生じることになる。そこで、先に受信された列車の走行状態を前記受信時刻差に基づいて補正することで前記列車の走行位置や前記すれ違い位置の予測にずれが生じることを抑制する。例えば、先に受信された列車の走行状態については、前記メモリに格納されている最新の走行速度から当該列車が最大限で加速した場合における前記受信時刻差後の走行速度及び走行位置とすることができる。もちろん、より簡易に、前記メモリに格納されている走行速度で前記受信時刻差だけ走行したものとして走行位置のみを補正してもよい。
ステップS45では、ステップS42で作成した前記すれ違い位置情報又はステップS44で作成した前記すれ違い完了情報を、沿線無線機31を介して高速列車TAに対して送信する。そして、ステップS46で、送信した前記すれ違い位置情報又は前記すれ違い完了情報を消去した後、ステップS31に戻る。
図7は、高速列車TAの車上装置25Aが実施する処理(高速列車TAの速度制限制御)を示すフローチャートである。この処理は、高速列車TAが制御区間C(すなわち、区間O)に進入すると開始される。
図7において、ステップS51では、高速列車TAの走行速度を前記許容速度(例えば、低速列車Bの最高速度又はこれよりも低い所定速度)以下に制限する高速列車TAの速度制限を実施する(第1速度制限制御)。これにより、制御区間Cに進入した高速列車TAの走行速度は、前記許容速度に向かって速やかに減速される。
ステップS52では、高速列車TAが制御区間Cに進入した後、所定期間内に地上装置32から前記すれ違い位置情報を受信したか否かを判断する。所定期間内に前記すれ違い位置情報を受信しない場合には、高速列車TAがすれ違い区間Pから進出するまで前記第1速度制限制御を継続し、高速列車TAがすれ違い区間Pから進出すると、前記第1速度制限制御を解除して本フローを終了する(ステップS53→ステップS54)。前記第1速度制限制御を解除すると、車上装置25Aは前記通常列車制御を実施することになる。
一方、所定期間内に前記すれ違い位置情報を受信した場合にはステップS55に進む。
ステップS55では、受信した前記すれ違い位置情報に基づいて速度照査パターンを作成する。すなわち、前記すれ違い位置情報に含まれる前記すれ違い開始位置を速度制限開始地点とし、現在の高速列車TAの走行位置及び走行速度を基に、この速度制限開始地点における高速列車TAの走行速度が前記許容速度となるような速度照査パターンを作成する。
ステップS56では、前記第1速度制限制御を解除する。
ステップS57では、ステップS55で作成した速度照査パターンに基づいて高速列車TAの速度制御を実施する(第2速度制限制御)。これにより、高速列車TAの走行速度は、前記すれ違い開始位置において前記許容速度以下となるように減速される。
ステップS58では、前記第2速度制限制御の実施後、所定期間内に地上装置32から前記すれ違い位置情報を受信したか否かを判断する。所定期間内に前記すれ違い位置情報を受信した場合にはステップS55に戻り、速度照査パターンを作成(更新)して前記第2速度制限制御を実施する。一方、所定期間内に前記すれ違い位置情報を受信しない場合にはステップS59に進む。
ステップS59では、前記第2速度制限制御の実施後、所定期間内に地上装置32から前記すれ違い完了情報を受信したか否かを判断する。所定期間内に前記すれ違い完了情報を受信した場合にはステップS60に進み、前記第2速度制限制御を解除して本フローを終了する。この場合、車上装置14Aは、高速列車TAがすれ違い区間Pから進出するのを待たずに前記通常列車制御を実施することになる。
一方、所定期間内に前記すれ違い完了情報を受信しない場合にはステップS61に進み、ステップS51と同様、前記第1速度制限制御を実施する。これにより、高速列車TAの走行速度は、前記許容速度に向かって速やかに減速される。そして、高速列車TAがすれ違い区間Pから進出するまで前記第1速度制限制御を継続し、高速列車TAがすれ違い区間Pから進出すると、前記第1速度制限制御を解除して本フローを終了する(ステップS53→ステップS54)。
本実施形態において、車上装置25A,25Bが本発明の状態検出部及び速度制御部としての機能を有し、地上装置32が本発明の位置予測部としての機能を有している。
以上説明したように、本実施形態による列車制御システムは、第1路線R1を走行する高速列車TAの走行状態と第2路線R2を走行する低速列車TBの走行状態とに基づいて両列車TA,TBのすれ違い位置を予測し、予測したすれ違い位置に基づいて高速列車TAの走行速度を制御する。具体的には、高速列車TA及び低速列車TBが制御区間C内に位置する場合に、両列車TA,TBの走行位置及び走行速度に基づいて両列車TA,TBのすれ違い開始位置を予測し、予測したすれ違い開始位置において、すれ違い時に高速列車TAに許容された前記許容速度(例えば、低速列車TBの最高速度又はこれよりも低い所定速度)以下となるように高速列車TAの走行速度を減速させる。これにより、すれ違い区間Pにおいて高速列車TAと低速列車TBとの高速ですれ違うことを回避して両列車TA,TBの安全かつ円滑な走行を確保することができる。特に、低速列車TBにとっては、自身の最高速度を超えて走行している列車とのすれ違いが回避されるので、想定外の風圧等によって安定した走行を阻害されることを抑制できる。
また、本実施形態において、地上装置32は、高速列車TA(の車上装置25A)から受信した高速列車TAの走行状態(走行位置及び走行速度)、低速列車TB(の車上装置25B)から受信した低速列車TBの走行状態(走行位置及び走行速度)、及びこれらの受信時刻差に基づいて前記すれ違い開始位置を予測している。これにより、両列車TA,TBの走行状態の受信周期にずれが生じた場合であっても、前記すれ違い開始位置を精度よく予測することができる。もちろん、地上装置32は、車上装置25A及び車上装置25Bに制御信号を送信して両者の送信周期を同期させるようにしてもよい。
また、本実施形態において、高速列車TAの車上装置25Aは、前記すれ違い開始位置を速度制限開始地点とし、この速度制限開始地点における走行速度が前記許容速度となるような速度照査パターンを作成して高速列車TAの走行速度を減速させている。このため、必要以上に高速列車TAの走行速度を減速させることなく、高速列車TAと低速列車TBとの高速すれ違いを回避できる。
また、本実施形態において、高速列車TAの車上装置25Aは、高速列車TAが制御区間Cに進入すると、直ちに高速列車TAの走行速度を前記許容速度以下に制限している(図7のステップS51参照)。また、前記速度照査パターンを作成した後であっても、地上装置32から列車制御情報(前記すれ違い位置情報、前記すれ違い完了情報)を受信しない場合には、直ちに高速列車TAの走行速度を前記許容速度以下に制限している(図7のステップS61参照)。このため、地上装置32が前記すれ違い位置を予測できない場合や地上装置32が故障した場合であっても、すれ違い区間Pにおける高速列車TAの走行速度は、前記許容速度以下に制限されることとなり、すれ違い区間Pにおいて高速列車TAと低速列車TBとの高速ですれ違うことをより確実に回避することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形や変更が可能である。
例えば、高速列車TA及び低速列車TBに設置される車上設備は、上述の実施形態のものに限るものではなく、同様の機能を有するものであればよい。また、高速列車TAの車上設備と、低速列車TBの車上設備とが異なる構成であってもよい。
また、地上装置32は、高速列車TAと低速列車TBとのすれ違い位置を予測することに加えて、高速列車TAと低速列車TBとのすれ違い発生時刻を予測し、予測したすれ違い位置及びすれ違い発生時刻を含むすれ違い位置情報を作成するようにしてもよい(図7のステップS41、S42)。このようにすると、すれ違い開始位置だけではなく、すれ違い開始時刻も考慮した制御が可能となるので、高速列車TAと低速列車TBとの高速ですれ違うことをより確実に回避することができる。
また、上述の実施形態では、高速列車TAの走行速度を制御しているが、これに加えて又は代えて、低速列車TBの走行速度を制御するようにしてもよい。
例えば、低速列車TBが制御区間C(区間Q)に進入した直後であり、かつ、前記すれ違い位置がすれ違い区間Pの区間Q寄りの位置として予測されるような場合には、高速列車TAがすれ違い区間Pを通過した後に、低速列車TBがすれ違い区間Pに進入するように低速列車TBの走行速度を減速させ又は低速列車TBをすれ違い区間Pの手前(区間Q)で停止させるようにしてもよい。このようにしても、すれ違い区間Pにおいて高速列車TAと低速列車TBとの高速ですれ違うことを回避できる。この場合、高速列車TAを減速させる必要がないという利点がある。
あるいは、すれ違い相対速度が許容範囲(例えば、低速列車TBの最高速度の2倍以下)となるよう、前記すれ違い開始位置までに高速列車TAの走行速度及び低速列車TBの走行速度を減速させるようにしてもよい。この場合、上述の実施形態に比べて、高速列車TAの減速を抑えることができるという利点がある。
さらに、地上装置32は、高速列車TA及び/又は低速列車TBの走行状態を受信した後に、高速列車TA及び低速列車TBの走行状態を所定時間以上受信しない場合には、前記第1速度制限制御の実施指令を高速列車TAに送信するようにしてもよい。この場合、高速列車TAの車上装置24Aは、高速列車TAが制御区間Cに進入し、及び/又は、地上装置32から前記第1速度制限制御の実施指令を受信すると、直ちに高速列車TAの走行速度を前記許容速度以下に制限することになる。
21A,21B…ATCアンテナ
22A,22B…車上子
23A,23B…速度発電機(TG)
24A,24B…車上無線機
25A,25B…車上装置
31…沿線無線機
32…地上装置
C…制御区間
O,P…前後区間
R1…第1路線
R2…第2路線
TA…高速列車
TB…低速列車

Claims (9)

  1. 第1列車と第2列車とのすれ違いが発生するすれ違い区間を含む二つの路線に適用される列車制御システムであって、
    前記第1列車の走行状態と前記第2列車の走行状態とに基づいて前記第1列車と前記第2列車とのすれ違い開始位置を予測し、予測したすれ違い開始位置に基づいて前記第1列車及び前記第2列車の少なくとの一方の走行速度を制御する、列車制御システム。
  2. 前記すれ違い区間とその前後区間とからなる制御区間内に前記第1列車及び前記第2列車が位置する場合に前記すれ違い開始位置を予測する、請求項1に記載の列車制御システム。
  3. 前記第1列車は、前記第2列車よりも前記路線を高速走行する列車であり、
    前記すれ違い開始位置において、すれ違い時に前記第1列車に許容された許容速度以下となるように前記第1列車の走行速度を減速させる、請求項1又は2に記載の列車制御システム。
  4. 前記すれ違い開始位置を速度制限開始地点とする速度照査パターンを作成し、この作成した速度照査パターンを用いて前記第1列車の走行速度を減速させる、請求項3に記載の列車制御システム。
  5. 前記第1列車は、前記第2列車よりも前記路線を高速走行する列車であり、
    前記第1列車が前記すれ違い区間を通過した後に前記第2列車が前記すれ違い区間に進入するように前記第2列車の走行速度を減速させ又は前記第2列車を停止させる、請求項1又は2に記載の列車制御システム。
  6. 前記第1列車から受信した走行位置及び走行速度を含む前記第1列車の走行状態情報、前記第2列車から受信した走行位置及び走行速度を含む前記第2列車の走行状態情報、及び、前記第1列車の走行状態情報と前記第2列車の走行状態情報との受信時刻差に基づいて前記すれ違い開始位置を予測する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の列車制御システム。
  7. 前記第1列車は、前記第2列車よりも前記路線を高速走行する列車であり、
    前記すれ違い開始位置が予測できない場合には、前記すれ違い区間における前記第1列車の走行速度をすれ違い時に前記第1列車に許容された許容速度以下に制限する、請求項6に記載の列車制御システム。
  8. 走行位置及び走行速度を含む前記第1列車の走行状態を検出する第1状態検出部と、
    走行位置及び走行速度を含む前記第2列車の走行状態を検出する第2状態検出部と、
    前記第1状態検出部から受信した前記第1列車の走行状態及び前記第2状態検出部から受信した前記第2列車の走行状態に基づいて前記すれ違い開始位置を予測する位置予測部と、
    予測された前記すれ違い開始位置に基づいて前記第1列車及び前記第2列車の少なくとも一方の走行速度を制御する速度制御部と、
    を有する、請求項1に記載の列車制御システム。
  9. 前記第1列車に設置された第1車上装置及びこれに接続された第1車上無線機と、
    前記第2列車に設置された第2車上装置及びこれに接続された第2車上無線機と、
    前記路線に沿って間隔をあけて配置され、それぞれが前記第1車上無線機及び前記第2車上無線機との間で情報の送受信が可能な複数の沿線無線機と、
    前記複数の沿線無線機に接続された地上装置と、
    を含み、
    前記第1車上装置は、走行位置及び走行速度を含む前記第1列車の走行状態を検出して前記地上装置に送信する一方、前記地上装置から受信した列車制御情報に基づいて前記第1列車の走行速度を制御可能に構成され、
    前記第2車上装置は、走行位置及び走行速度を含む前記第2列車の走行状態を検出して前記地上装置に送信する一方、前記地上装置から受信したれ列車制御情報に基づいて前記2列車の走行速度を制御可能に構成され、
    前記地上装置は、前記第1車上装置から受信した前記第1列車の走行状態と、前記第2車上装置から受信した前記第2列車の走行状態とに基づいて前記すれ違い開始位置を予測し、予測したすれ違い開始位置を前記列車制御情報として前記第1車上装置及び前記第2車上装置の少なくとも一方に送信する、
    請求項1に記載の列車制御システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020083072A (ja) * 2018-11-26 2020-06-04 株式会社東芝 電子装置、方法およびプログラム

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