JP2005280542A - Atc/o装置 - Google Patents

Atc/o装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005280542A
JP2005280542A JP2004099011A JP2004099011A JP2005280542A JP 2005280542 A JP2005280542 A JP 2005280542A JP 2004099011 A JP2004099011 A JP 2004099011A JP 2004099011 A JP2004099011 A JP 2004099011A JP 2005280542 A JP2005280542 A JP 2005280542A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
atc
train
station
time
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004099011A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Nakamura
英夫 中村
Sei Takahashi
聖 高橋
Shinichiro Inagaki
慎一郎 稲垣
Mamoru Arai
衛 新井
Masayuki Hiramoto
正幸 平本
Hidetaka Saegusa
秀隆 三枝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon University
Nippon Signal Co Ltd
Original Assignee
Nihon University
Nippon Signal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon University, Nippon Signal Co Ltd filed Critical Nihon University
Priority to JP2004099011A priority Critical patent/JP2005280542A/ja
Publication of JP2005280542A publication Critical patent/JP2005280542A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Train Traffic Observation, Control, And Security (AREA)

Abstract

【課題】 特に、列車遅延を効率よく回復できる運転パターンを作成できるATC/O装置を提供する。
【解決手段】 当駅から次駅までの列車の走行の運転制御をATC装置から出力される所定のATC現示最高速度以下の所定の許容最高速度を設定して行うATC/O装置であって、前記当駅の出発時刻と前記次駅への到着時刻とから求められる次駅間走行時間及びそれら駅間の距離に基づいて前記所定の許容最高速度を算出する許容最高速度算出手段を有するとともに、列車の途中の走行状態に応じてブレーキポイントを移動させるTASC制御手段を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明はATC装置にATO装置の組込まれているATC/O装置に係り、特に、定時刻運転を容易に実現できるようにしたものに関する。
従来、この種のATC/O装置は、ATC装置により与えられたATC現示速度の範囲内で、出発制御、加速制御、必要に応じて行われる減速制御及び停止制御を自動的に行い、これら制御のうち、停止制御は定位置停止制御(以下、TASC制御という。)が行われるように構成されている(非特許文献1参照)。
図5の運転パターンを用いて従来のATC/O装置についてさらに説明すると、この図5は、図示しない列車がA駅からB駅へ走行するときの運転パターンを示している。そして、これら駅間の途中には、カーブ等により列車速度を所定以下に低下させなければならない速度制限区間が設けられている。したがって、ATC装置(図示せず)から出力される太線で示されるATC現示速度Vaは、その速度制限区間が落込んだ状態を呈している。
上記従来のATO/C装置におけるダイヤ管理は、A駅のATO装置(図示せず)の停止位置を示す地上子P0 上に位置している列車tに出発信号が与えられると、列車tは、B駅に向けて出発するが、この出発に際して、A駅の出発時刻が列車運行ダイヤの定刻どおりであれば、つまり、正常運転であれば、図5に実線で示される通常モードの運転パターンが与えられる。この通常モード時における許容最高速度である目標速度Nは、ATC現示速度Vaよりも所定速度低い、例えば5km/h低い速度に設定されている。したがって、例えばATC現示速度Vaが70km/hであれば、その目標速度Nは65km/hとなる。
図5に鎖線で示される運転パターンは、列車tがA駅から定刻よりも遅れて出発するときの回復モードの運転パターンを示している。この回復モードにおいても列車速度はATC現示速度Vaを越えることはなく、その目標速度Fは、通常、通常モードの速度よりも+2km/h速く設定される。上述のATC現示速度Vaが70km/hの場合は67km/hに目標速度Fが設定される。したがって、この回復モードで列車tがA駅から出発したときは、A駅の出発時刻が定刻よりも遅れていてもB駅の到着時刻を定刻どおりにできたり、あるいはその定刻時刻に近づけることができる。
図5に一点鎖線で示される運転パターンは、遅速モードの運転パターンであり、目標速度Sは、通常モードよりも、通常、−2km/h低い速度に設定されている。上述のATC現示速度Vaが70km/hの場合は63km/hに目標速度Sが設定される。この遅速モードは、B駅への到着時刻を何らかの理由により遅くしたいときに用いられる。
図5中、P0 〜P3 は、TASC制御用の地上子であり、これら地上子P0 〜P3 のうち、地上子P0 は、列車をB駅の所定の目標停止位置に停車させるためのものであり、残りの地上子P1 〜P3 は、車上(列車)に対して絶対位置を知らせるために用いられる。そして、このB駅には、上記地上子P0 を目標停止点とするとともに、その地上子P0 を終着点とするTASCパターン(タスクパターン)が引かれている。なお、通常、地上子P0 〜P1 の距離は、400mである。
また、ここに示されるTASCパターンは、地上子P0 よりも外方の所定位置、例えば地上子P3 位置を停止点とする第1TASCパターンと、その外方の所定位置よりもさらに外方の所定位置、例えば地上子P2 位置を通る垂直線と第1TASCパターンと交わる点から地上子P0 までの第2TASCパターンとから形成されている。ここでは、第2TASCパターンは、地上子P0 から所定位置外方の位置を基準に作成されているが、第1TASCパターンにおける列車速度が所定の列車速度以下、例えば15km/h以下になったときに第2TASCパターンを形成するようにしてもよい。もちろん、TASCパターンは、地上子P0 を停止点とする1本のTASCパターンとしてもよい。後述の図3に示されるTASCパターンもこの図4に示されるTASCパターンと同様に形成されている。
上述のTASCパターンの引かれているB駅に向けて列車tが走行した場合、上記いずれかのモードで走行している場合であっても、全ての運転モードは、TASCパターンを越えることなくそのTASCパターンに沿ってB駅へ導かれるTASC制御が行われる。
1981年11月 日本鉄道サイバネティクス協議会発行 第18回 鉄道におけるサイバネティクス利用国内シンポジウム論文集 P.190〜194
しかしながら、上記従来のATC/O装置において、駅への到着時刻が列車ダイヤ時刻よりも早い場合は、駅への停車時間を延ばして調整していたにすぎず、また、駅への到着時刻が列車ダイヤ時刻よりも遅い場合は、乗客の乗降の安全を確保するために駅の停車時間を必要以上短縮できず、列車ダイヤの回復処理ができないという欠点があった。
さらに、上記従来のATC/O装置においては、運転モードの設定は、出発駅において地上から車上装置に送られて設定されるため、駅間の走行途中においてモード変更ができず、列車ダイヤ時刻の回復処理ができないという欠点があった。例えば、通常モードで発車した場合、途中で何らかの理由により列車遅れが発生した場合、その通常モードを回復モードに変更して列車遅れを回復するということはできなかった。
また、上記従来のATC/O装置における、通常、回復又は遅速の各運転モードは、全てのATC信号現示と相対的に設定・適用されているので、前方列車の影響が発生しない理想的な運転状態のときは予測に従った制御ができるが、列車が前方列車に近付き、ATC信号現示が制限を受けて下位に低下すると、通常のケースでは各信号現示に対する走行速度も運転モードの影響を受けて制御されるため余計な遅延を招くという問題があった。 一方、ATCの最高速度現示に対してのみ運転モードを有効とする方式においては、駅間に固定的に速度制限がかかっているような区間(例えば、新幹線の東京−品川間や東京−大宮間)では全く調整が不能となる問題があった。
さらにまた、上記従来のATC/O装置においては、上述のように駅間走行中に列車ダイヤ時刻の乱れが生じた場合であっても、出発時に設定された運転モードでTASCパターンに移行してしまうため、TASC制御区間での回復処理ができないという欠点があった。
そこで、本発明は、上記欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、列車遅延時の回復処理を容易に行えるようにしたATC/O装置を提供することにある。
本発明に係るATC/O装置は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、当駅から次駅までの列車の走行の運転制御をATC装置から出力される所定のATC現示最高速度以下の所定の許容最高速度を設定して行うATC/O装置であって、前記当駅の出発時刻と前記次駅への到着時刻とから求められる次駅間走行時間及びそれら駅間の距離に基づいて前記所定の許容最高速度を算出する許容最高速度算出手段を有することを特徴としている。
本発明の請求項2に記載のATC/O装置は、所定の許容最高速度の算出は、地上側において行われ、列車の出発前にその列車に与えられるものであることを特徴としている。 本発明の請求項3に記載のATC/O装置は、所定の許容最高速度の算出は、車上側において行われるものであることを特徴としている。
本発明の請求項4に記載のATC/O装置は、次駅間走行時間は、列車運行管理装置において求められるものであることを特徴としている。
本発明の請求項5に記載のATC/O装置は、算出された所定の許容最高速度に基づく運転パターンを延長したときの運転パターンが予め設定されているTASCパターンと交差する交点から外方の所定位置に設定されるブレーキポイントを列車の途中の走行状態に応じて移動させるTASC開始制御手段を有することを特徴としている。
本発明の請求項6に記載のATC/O装置は、当駅の出発時刻及び次駅への到着時刻は、基準となる時計装置から得られるものであることを特徴としている。
本発明の請求項1に記載のATC/O装置は、当駅の出発時刻と次駅への到着時刻とから求められる次駅間走行時間及びそれら駅間の距離に基づいて所定の許容最高速度を算出する許容最高速度算出手段を有するので、当駅からの実際の出発時刻に対応した所定の許容最高速度の運転モードを設定でき、回復処理を効率よく行うことができる。
本発明の請求項2に記載のATC/O装置は、所定の許容最高速度の算出は、地上側において行われ、列車の出発前にその列車に与えられるので、地上側の設備を利用して効率よく所定の許容最高速度を算出して運転モードを作成することができる。
本発明の請求項3に記載のATC/O装置は、所定の許容最高速度の算出は、車上側において行われるので、車上側の設備を利用して効率よく所定の許容最高速度を算出して運転モードを作成することができる。
本発明の請求項4に記載のATC/O装置は、次駅間走行時間は、列車運行管理装置において求められるので、その次駅間走行時間を容易に求めることができる。
本発明の請求項5に記載のATC/O装置は、算出された所定の許容最高速度に基づく運転パターンを延長したときの運転パターンが予め設定されているTASCパターンと交差する交点から外方の所定位置に設定されるブレーキポイントを列車の途中の走行状態に応じて移動させるTASC開始制御手段を有するので、列車の走行途中で発生した遅延または早着に対してもブレーキポイントの調整で対処することができる。
本発明の請求項6に記載のATC/O装置は、当駅の出発時刻及び次駅への到着時刻は、基準となる時計装置から得られるので、各時刻を基準時刻に基づいて正確に統一することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るATC/O装置の概略構成図である。図1中、tは、レール(軌道)rを走行する列車であり、この列車tには、ATC/O車上装置(以下、「車上装置」という。)1が搭載されている。そして、この車上装置1には、列車tの先頭下部に設けられている受電器2a及び車上子2bを介して地上側から後述する所定の信号が入力できるように構成されているとともに、列車tの車軸(図示せず)に接続されている速度発電機Gからの速度信号も入力できるように構成されている。また、列車tには、この車上装置1の他に、車上装置1からの力行ノッチ出力を受けて列車tの駆動モータ(図示せず)を駆動制御するモータ制御回路3aと、その車上装置1からのブレーキノッチ出力を受けて列車tに制動力を付加するブレーキ制御回路3bとが設けられている。
図1中、10は、ATC地上装置であって、周知のATC地上装置と同様に、外部から入力した先行列車位置情報や制限速度区間情報等の所定の情報に基づいてレールrを走行する列車tに対する所定のATC現示速度信号を生成して車上(列車t)に送信できるように構成されている。なお、図1の例では、ATC地上装置10で生成されたATC現示速度信号は、レールr及び受電器2aを経由して車上装置1に取込まれるように構成されているが、レールrの代りにこのレールrに沿って布設されたループ及び受電器2aを経由して車上装置1にATC現示速度信号が取込まれるようにすることも可能である。
図1中、20は、ATO地上装置であり、CPUを中心に構成されていて、後述する列車運行管理装置30からの所定の次駅間走行時間Trを入力して所定の許容最高速度Vmax を算出し、その算出された許容最高速度に基づいて運転パターンを作成して地上子Pを介して車上に与えることができるとともに、TASC制御のためのブレーキポイントBp、すなわち、列車tが所定の停止目標点に停車させるためのブレーキの駆動開始位置を算出し、この算出されたブレーキポイントBpの位置を地上子Pを介して車上(列車t)に送信することができるように構成されている。上述の許容最高速度Vmax は、車両性能による加速時間及び減速時間も考慮して決められる。なお、ブレーキポイントBpについては後述する。
列車運行管理装置30は、周知の列車運行管理装置と同様に、レールrを走行する列車tを含む全列車の運行を管理制御できるように構成されているとともに、予め記憶している列車ダイヤ時刻から当駅の出発時刻Tsと次駅への到着時刻Taとから当駅から次駅の走行時間である次駅間走行時間Trを求め、この求められた次駅間走行時間TrがATO地上装置20に送出されるように構成されている。ATO地上装置20では、入力された次駅間走行時間で両駅間の距離を除して、さらに車両性能による加速時間及び減速時間も考慮に入れて許容最高速度Vmax が算出され、この算出に基づいて運転パターンが作成される。そして、その運転パターンとTASCパターンとの交点を基にして後述のようなブレーキポイントBpが決められる。なお、列車運行管理装置30は、一つの基準となる時計装置40から発生する時刻情報が用いられ、時刻ズレが生じないように工夫されている。
上記地上子Pは、上記図5及び後述する図3中の地上子P0 ,P2 ,P3 に相当している。なお、地上子P0 は、各駅(後述するA駅,B駅)における列車tの目標停止位置であり、地上子P3 は、通常、その地上子P0 の数m(例えば2m)外方(手前)に設けられ、また、地上子P2 は地上子P0 の数十m(例えば20m)外方に設けられる。
図2は、地上側で行われていた上述の許容最高速度Vmax に基づく運転パターンの作成及びブレーキポイントBpの算出を車上で行うようにしたもので、したがって、車上装置1′には、上記図1に示した車上装置1の機能に加えて許容最高速度Vmax に基づく運転パターンの作成及びブレーキポイントBpを算出する機能が付加されている。また、この算出を正確に行うために、図示の例では、地上に設けられている時計装置40と同じ精度の時計装置40′が搭載されていて、ここから車上装置1′に基準となる時刻情報が供給されるように構成されている。このように車上において許容最高速度Vmax 及びブレーキポイントBpが算出されるときは、列車tが各駅に停車したときに地上子P0 を介して次駅間走行時間Trが地上側から車上装置1′に与えられる。なお、上述の時計装置40′が搭載されていなくとも、車上装置1′が時間をカウントすることによりブレーキポイントBpの算出は可能であるが、上述のように別途時計装置を有していると、より正確な算出が可能となる特長がある。
以下、図3の運転パターン図を用いて本発明に係るATC/O装置の制御動作を説明する。以下の説明は、図1に示される地上側で許容最高速度Vmax 及びブレーキプイントBpを算出する方式(以下、地上方式とする。)を先に行い、必要に応じて図2に示される車上側で許容最高速度Vmax 及びブレーキポイントBpを算出する方式(以下、車上方式とする。)を追加する形で説明する。
今、列車tがA駅(当駅)からB駅(次駅)にかけて走行しようとしているものとする。この列車tがA駅から出発する時刻Ts及びB駅に到着する時刻Taは、列車運行管理装置30により管理されていて既知であるから、この列車運行管理装置30において次駅間走行時間Tr(Ta−Ts)は時計装置40の時刻情報を用いて簡単に求めることが可能である。なお、この走行時間Trは、ATC装置10から出力されるATC現示速度Va(図3の太い実線速度参照)を越えない所定の速度、例えば、そのATC現示速度Vaより−5km/hの速度で両駅間を走行するに必要な時間に決められている。
したがって、A駅に停車している列車tがまだ所定の出発時刻前であれば、上述の走行時間Trは(Ta−Ts)の基本的な正常時の値となる。そして、A駅に設置されているATO地上装置20においてこの次駅間走行時間Trで両駅間の距離(この距離は既知であり、列車運行管理装置30に記憶されている。)を除せば、ATC現示速度Va以下の所定の正常時の許容最高速度Vmax1が算出される。この算出された許容最高速度Vmax1に基づいた正常時パターン(図3にVmax1(正常時)として示されている実線のパターン参照)が作成され、その作成された正常時パターンは、A駅に設置されている地上子P0 を介して車上装置1に取込まれる。
上述の正常時パターンの作成は、図2に示される車上方式でも同様に作成される。すなわち、車上装置1′においては、地上(列車運行管理装置30)から得られたA駅及びB駅間の次駅間走行時間Trに基づいて両駅間の距離から許容最高速度Vmax1が求められて正常時パターンが作成される。
そして、列車tの出発時刻Tsが到来すると、その作成された正常時パターンに沿って列車tの走行が開始される。列車tの走行開始直後は、所定の許容最高速度Vmax1まで加速制御され、列車速度が許容最高速度Vmax1に達すると、その許容最高速度Vmax1を維持する定速制御が行われる。また、図3の例では、途中にATC現示速度が低下する速度制限区間が含まれているが、ATC信号内に含まれる速度制限情報により列車tは減速制御され、その速度制限区間を過ぎると再度加速制御後、定速制御となる。その後、後述するTASC制御とされる。なお。図3においては、図面を簡略化するために定速制御区間が短く示されているが、実際は、他の制御区間と比べて長く形成されている。
上述のようにして作成された最高許容速度Vmax1に基づく正常時モードでA駅からB駅に向けて列車tの走行が行われると、列車tは、徐々にB駅に近付き、TASC制御が開始される。このTASC制御は、列車tに設けられている速度発電機Gから得られた自列車位置がB駅の所定の目標停止位置である地上子P0 の所定手前の位置(外方位置)、すなわち、TASC制御のブレーキ開始点であるブレーキポイントBp1 に達したときに開始される。つまり、列車tの車上装置1には、A駅の地上子P0 を介して図3に実線で示される正常時パターンの情報の他にこのブレーキポイントBp1 の位置も入力されているので、列車tがそのブレーキポイントBp1 の位置に達したときにTASC制御が開始される。
このブレーキポイントBp1 について図4を用いてさらに説明すると、この図4は、上記図3の中の実線で示される正常時パターンのB駅近辺を抜き出したものである。ここに示されるブレーキポイントBp1 は、列車tがA駅から出発するときに地上側(地上装置20)から与えられた許容最高速度Vmax1、第1TASCパターン及び第2TASCパターンからなるTASCパターン(このTASCパターンについては背景技術の項で説明している。)に基づいて決められている。すなわち、このブレーキポイントBp1 は、正常時パターンが減速することなく交差した地点(図4のイ印参照)から所定の時間分の外方の距離Tbの地点に設定される。この距離Tbは、列車tの車両性能を考慮してブレーキを付加したときにTASCパターンに沿って、B駅の所定の目標停止位置(地上子P0 の位置)に停車できるように決められている。
先ず最初に、A駅から出発した列車tが途中、向い風や追い風、あるいは予期しない列車遅延等が発生することなく列車tが初期の設定どおりに走行した場合は、速度発電機Gから得られた走行距離の地点がブレーキポイントBp1 を通過する時刻と一致し、このときは、図4の実線で示されるパターンに沿って、すなわち、上記ブレーキポイントBp1 の位置から所定距離内方の位置(図4のロ参照。以下、このロの位置を「正常位置」として説明する。)から減速が開始されてB駅に停車することとなる。
ところで、列車tがA駅を定刻に出発したにも関わらず、向い風等のために途中で列車遅延が発生することがある。図4の鎖線で示されるパターンは、この遅延を回復させるためのものである。すなわち、途中で列車tに遅延が発生すると、本来のブレーキポイントBp1 に達する前にA駅からの本来のブレーキポイントBp1 に達する走行時刻が到来してしまう。この場合、列車tがA駅からの走行時間のみに注目してブレーキポイントに達したとみなしてブレーキを付加すると、列車tはますます遅延してしまう。そこで、このような遅延が発生した場合は、列車tは、速度発電機Gを基に本来のブレーキポイントBp1 に達した時刻が到来しているにも関わらず、列車tの走行距離がその本来のブレーキポイントBp1 に達していなければ、車上装置1は、列車tに遅延が発生したと判定し、上記正常位置ロの位置よりもさらに内方へブレーキ開始位置を移動させる。したがって、列車tは、正常位置ロの位置から内方へ移動した分、減速の開始時刻が遅れるので遅延回復に資することができる。もちろん、このブレーキ開始位置を内方への移動させる場合においても、TASCパターンを越えることはない。すなわち、図4のイ点を越えることはない。
また、列車tがA駅を定刻に出発したにも関わらず、追い風等のために予定よりも速くB駅に到着してしまうことがある。図4の一点鎖線で示されるパターンは、このような早着を調整するためのものである。すなわち、列車tがブレーキポイントBp1 に達したときに、A駅からの本来の走行時刻が到来していないときは、早着すると判定し、ブレーキポイントBp1 に達した時点でブレーキが付加されて減速が開始される。したがって、列車tは、上記正常位置ロから外方へブレーキ開始位置が移動した分、減速の開始が早まるので列車tを定刻どおりにB駅へ到着させることができる。この説明から明らかなように、ブレーキポイントBp1 の位置は、早着を調整できる位置を基に決めることができる。
上述のブレーキポイントBp1 の調整は、図2に示される車上方式のATO/C装置でも同様に行われるとともに、図3の鎖線で示される後述する走行時間小モード及び一点鎖線で示される走行時間大モード時にも同様に行われる。
さて、列車tがブレーキ開始位置(上述のロ,イ又はBp1 の位置)に達すると、車上装置1から所定のブレーキノッチ出力がブレーキ制御回路3bに出力されて列車tに制動力が付与され、列車tの速度は徐々に低下される。そして、列車tが地上子P2 及び地上子P3 をそれぞれ通過する際、列車tは、これら地上子P2 ,P3 から絶対位置情報を入手して位置補正を行い、必要に応じてブレーキノッチ出力補正が行われ、列車tは、B駅の目標停止位置である地上子P0 上に車上子2bを対向させる状態で停車させることができる。
次に、列車tがA駅から列車運行管理装置30で決められている出発時刻よりも遅く、つまり送れて出発するときの運転制御について説明する。この場合は、上述の正常時よりもA駅及びB駅間の走行時間(所要時間)Trは短くなり、したがって、この場合の許容最高速度Vmax2は、図3に鎖線で示されるように、実線で示される正常時モードよりも高い走行時間小モードとなる。しかし、この走行時間小モードにおいてもATC現示速度Vaを越えることはなく、例えばそのATC現示速度Vaよりも−3km/hとされる。このように、上述の正常時モードよりも許容最高速度が高いので列車遅延を回復することができ、特に、A駅及びB駅間の距離が長ければその回復効果が大きくなる。また、この走行時間小モードにおいては、ブレーキポイントBp2 の位置は、上述の正常時モードよりもB駅側近くに設定されるので、この点からも列車遅延回復に寄与することができる。なお、この走行時間小モードの制御においても、図2に示される車上方式でも同様に実施される。
次に、何らかの理由により列車tがA駅から所定の発車時刻よりも早く出発しなければならないとき、あるいは、B駅に所定の時間よりも遅く到着しなければならないときの運転制御について説明する。この場合は、上述の正常時よりもA駅及びB駅間の走行時間(所要時間)Trは長くなり、したがって、この場合の許容最高速度Vmax3は、図3に鎖線で示されるように、実線で示される正常時モードよりも低い走行時間大モードとなる。このように、上述の正常時モードよりも許容最高速度が低いのでB駅への到着時刻を調整することができる。
また、この走行時間大モードにおいては、ブレーキポイントBp3 の位置は、上述の正常時モードよりもB駅から離れるように設定されるので、この点からもB駅への到着時刻の調整に寄与することができる。さらに、この走行時間大モードにおいては、制動開始はブレーキノッチ数を小さくすることができるので、より乗心地の優れたものとすることができる。なお、この走行時間大モードの制御においても、図2に示される車上方式でも同様に実施される。
なお、上述の例では、次駅間走行時間Trは列車運行管理装置30で算出したが、ATO地上装置20,20′又は車上装置1′に演算処理上余裕があれば列車運行管理装置30から列車の出発時刻Ts及び到着時刻Taを入力して、これら装置20,20′,1′で算出するようにしてもよい。
本発明の一実施の形態に係るATC/O装置の概略構成図である。 本発明の他の実施の形態に係るATC/O装置の概略構成図である。 本発明の制御動作を示す運転パターン図である。 本発明の制御動作を示す運転パターン図及びTASCパターン図である。 従来のATC/O装置の制御動作を示す運転パターン図である。
符号の説明
1,1′ ATC/O車上装置(車上装置)
2a 受電器
2b 車上子
3a モータ制御回路
3b ブレーキ制御回路
10 ATC地上装置
20,20′ ATO地上装置
40 時計装置
r レール(軌道)
P,P0 ,P2 ,P3 地上子
t 列車
G 速度発電機

Claims (6)

  1. 当駅から次駅までの列車の走行の運転制御をATC装置から出力される所定のATC現示最高速度以下の所定の許容最高速度を設定して行うATC/O装置であって、
    前記当駅の出発時刻と前記次駅への到着時刻とから求められる次駅間走行時間及びそれら駅間の距離に基づいて前記所定の許容最高速度を算出する許容最高速度算出手段を有することを特徴とするATC/O装置。
  2. 請求項1に記載のATC/O装置において、所定の許容最高速度の算出は、地上側において行われ、列車の出発前にその列車に与えられるものであることを特徴とするATC/O装置。
  3. 請求項1に記載のATC/O装置において、所定の許容最高速度の算出は、車上側において行われるものであることを特徴とするATC/O装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のATC/O装置において、次駅間走行時間は、列車運行管理装置において求められるものであることを特徴とするATC/O装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のATC/O装置において、算出された所定の許容最高速度に基づく運転パターンを延長したときの運転パターンが予め設定されているTASCパターンと交差する交点から外方の所定位置に設定されるブレーキポイントを列車の途中の走行状態に応じて移動させるTASC開始制御手段を有することを特徴とするATC/O装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のATC/O装置において、当駅の出発時刻及び次駅への到着時刻は、基準となる時計装置から得られるものであることを特徴とするATC/O装置。
JP2004099011A 2004-03-30 2004-03-30 Atc/o装置 Pending JP2005280542A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004099011A JP2005280542A (ja) 2004-03-30 2004-03-30 Atc/o装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004099011A JP2005280542A (ja) 2004-03-30 2004-03-30 Atc/o装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005280542A true JP2005280542A (ja) 2005-10-13

Family

ID=35179389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004099011A Pending JP2005280542A (ja) 2004-03-30 2004-03-30 Atc/o装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005280542A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007202219A (ja) * 2006-01-23 2007-08-09 Hitachi Ltd 自動列車制御装置
JP2008247219A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Daido Signal Co Ltd 列車速度制御装置
JP2011217564A (ja) * 2010-04-01 2011-10-27 Toshiba Corp 目標速度算出機能を備えた列車制御装置
JP2013165643A (ja) * 2013-05-31 2013-08-22 Mitsubishi Electric Corp 自動列車運転装置および自動列車運転方法
JP2017093014A (ja) * 2015-11-02 2017-05-25 三菱電機株式会社 自動列車運転装置
JP2017144907A (ja) * 2016-02-18 2017-08-24 株式会社日立製作所 運行管理装置
JP2022046993A (ja) * 2020-09-11 2022-03-24 株式会社日立製作所 列車定時到着支援装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007202219A (ja) * 2006-01-23 2007-08-09 Hitachi Ltd 自動列車制御装置
JP4612551B2 (ja) * 2006-01-23 2011-01-12 株式会社日立製作所 自動列車制御装置
JP2008247219A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Daido Signal Co Ltd 列車速度制御装置
JP2011217564A (ja) * 2010-04-01 2011-10-27 Toshiba Corp 目標速度算出機能を備えた列車制御装置
CN102834293A (zh) * 2010-04-01 2012-12-19 株式会社东芝 具备目标速度计算功能的列车控制装置
JP2013165643A (ja) * 2013-05-31 2013-08-22 Mitsubishi Electric Corp 自動列車運転装置および自動列車運転方法
JP2017093014A (ja) * 2015-11-02 2017-05-25 三菱電機株式会社 自動列車運転装置
JP2017144907A (ja) * 2016-02-18 2017-08-24 株式会社日立製作所 運行管理装置
JP2022046993A (ja) * 2020-09-11 2022-03-24 株式会社日立製作所 列車定時到着支援装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5944229B2 (ja) 列車制御装置
AU2019216591B2 (en) System and method for controlling a vehicle system to achieve different objectives during a trip
WO2011125822A1 (ja) 目標速度算出機能を備えた列車制御装置
JP5171712B2 (ja) 踏切制御装置
KR20180131595A (ko) 열차 제어 장치, 방법 및 프로그램
KR101866610B1 (ko) 철도 차량에서의 제한속도 초과 경고 장치
JP6619985B2 (ja) 自動列車運転装置および列車運転支援装置
JP2005280542A (ja) Atc/o装置
JP5512193B2 (ja) 列車制御方法、列車制御装置、および車両
JP2006006030A (ja) 運転パターン作成装置、車両速度制御装置および車両運転支援装置。
EP3219560A1 (en) Method of providing brake selection recommendations to a driver of a train and train driver advisory system
JP2018034610A (ja) 走行制御システム、及び走行制御装置
JP2019089449A (ja) 列車走行制御装置、方法及びプログラム
WO2018225344A1 (ja) 車上制御装置及び列車制御システム
JP2008187761A (ja) 列車制御装置
JP7045287B2 (ja) 列車制御システムおよび列車制御方法
JP2012111399A (ja) 列車の定速走行制御方法及び装置
JP2015048038A (ja) 列車制御システム
JP6896356B1 (ja) 列車制御システム
KR101370413B1 (ko) Atc 모드에서의 열차 과주 방지 시스템 및 방법
JP5453466B2 (ja) 列車制御装置、及び車両
JP2005176568A (ja) 運転計画作成装置
JP2005104417A (ja) 速度表示制御装置
JP4805853B2 (ja) 列車制御装置
CN116547188A (zh) 铁路系统、运行管理装置、运行管理方法及运行管理程序

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20061004

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20080226

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080421

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20081204

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20081204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090326

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20090929

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100302