JP2020010457A - 列車自動運転システムおよび自動運転装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献1には、ATC制御をモニタしながら自動運転を実行するとともに、ダイヤ情報を参照して省エネ運転をするようにした自動運転システムに関する発明が開示されている。
また、特許文献2には、閉塞区間ごとに制限速度を指示して自動運転を行う制御装置において、地上アンテナからの先行列車の位置及び速度情報を後続列車に伝達し、自列車の目標速度を演算して、前方区間へ進入した際に減速制御を受けないようにした発明が開示されている。さらに、特許文献3には、駅手前での過剰な加減速を避け、円滑な運転を実現することのできる自動運転装置に関する発明が開示されている。
また、特許文献1に記載されている自動運転システムは、臨時速度制限区間が設定されている場合に、省エネ運転をすることができるものの、先行列車の在線位置情報を受けていないため、先行列車の運転状況を考慮した運転制御を行うことができない。
特許文献3に記載されている発明は、駅出発時点で最適運転パターンの演算処理を実行する仕組みを提供するものであり、演算条件としてATC情報や他の専用端末の情報を使い先行列車の運行パターンを予測する必要があり、処理が複雑である。また、設備更新毎に複数の走行パターンをシミュレーションし、車載の記憶装置に格納するATOパターンのデータベースを構築しなければならないという課題がある。
本発明の他の目的は、先行列車が次駅に長時間停車していたとしても、後続列車は前駅を出発することができ、それによってダイヤの遅れを最小限にすることができる列車自動運転システムおよび自動運転装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、先行列車の運行パターンを予測する必要がないとともに、設備を更新しても車載の記憶装置に格納するATOパターンのデータベースを再構築する必要のない列車自動運転システムおよび自動運転装置を提供することにある。
走行駆動装置およびブレーキ装置を制御することで走行パターンに従って列車を走行させる機能を有する車上装置と、
軌道上を走行している列車の在線位置を把握するとともに、把握した列車の在線位置情報を後続の列車へ送信する地上装置と、を備えた列車自動運転システムであって、
前記車上装置は、
走行区間毎に基準となる走行パターンを記憶する走行パターン記憶手段と、
前記地上装置からの情報を受信可能な情報受信手段と、
自列車の位置を把握する位置把握手段と、
所定の位置を停止点として設定し当該停止点を終点とする走行パターンを生成する走行パターン生成手段と、
前記地上装置から受信したATC情報に基づいて生成された速度照査パターンに従って走行速度を制御する制御手段と、
を備え、前記情報受信手段により受信した先行列車の在線位置情報に基づいて先行列車の同一ブロックの滞在時間を計時し、前記位置把握手段により把握した在線位置情報に基づいて自列車位置が前記停止点よりも所定の距離だけ手前の位置に到達したと判断すると、前記滞在時間が標準滞在時間と異なる場合に前記滞在時間に応じて、前記速度照査パターンを越えない範囲内で前記基準となる走行パターンの速度と異なる速度の走行パターンを生成し、当該走行パターンに従った速度となるように走行駆動装置およびブレーキ装置を制御するように構成したものである。
かかる構成によれば、先行列車が次駅に停車していても駅を発車することができため、先行列車の運行パターンを予測する必要がないとともに、列車がダイヤ時刻から遅れるのを回避したり遅れ時間を回復する走行制御を行うことができる。
前記走行パターン生成手段は、前記パラメータ読込み手段により読み込まれた情報に応じた走行パターンを生成可能に構成する。
かかる構成によれば、設定したパラメータに応じた走行パターンを生成することができるため、設備を更新しても車載の記憶装置に格納するATOパターンのデータベースを再構築する必要がない。
前記走行パターン生成手段は、前記走行パターン記憶手段に記憶されている前記複数の走行パターンのうち前記滞在時間に応じた走行パターンを読み出して前記基準となる走行パターンと差し替え、前記車上装置は、差し替えられた走行パターンに従って走行速度を制御するように構成する。
かかる構成によれば、予め走行パターン記憶手段に記憶されている複数の走行パターンの中から滞在時間に応じた走行パターンを読み出して基準となる走行パターンと差し替えて走行する構成であるため、走行パターンを生成するのに要する時間を短縮することができる。
走行駆動装置およびブレーキ装置を制御することで走行パターンに従って走行速度を制御して走行する機能を有する鉄道車両の自動運転装置において、
走行区間毎に基準となる走行パターンを記憶する走行パターン記憶手段と、
前記地上装置からの情報を受信可能な情報受信手段と、
自列車の位置を把握する位置把握手段と、
所定の位置を停止点として設定し当該停止点を終点とする走行パターンを生成する走行パターン生成手段と、
を備え、前記情報受信手段により受信した先行列車の在線位置情報に基づいて先行列車の同一ブロックでの滞在時間を計時し、前記位置把握手段により把握した在線位置情報に基づいて自列車位置が前記停止点よりも所定の距離だけ手前の位置に到達したと判断すると、前記滞在時間が標準滞在時間よりも長い場合に前記滞在時間に応じて前記基準となる走行パターンよりも速度を抑制した走行パターンを生成し、当該走行パターンに従った速度となるように走行駆動装置およびブレーキ装置を制御するように構成したものである。
上記のように構成された自動運転装置によれば、先行列車の長時間停車で走行途中にATC制御で停止してしまうのを回避して乗り心地の改善やエネルギ効率の向上を図ることができる。
また、本発明によれば、先行列車が次駅に長時間停車していたとしても、後続列車は複雑な処理をすることなく前駅を出発することができ、それによってダイヤの遅れを最小限にすることができる。さらに、本発明によれば、設備を更新しても車載の記憶装置に格納するATOパターンのデータベースを再構築する必要がないという効果がある。
ATC制御装置24によるATC制御では、列車の車上装置20は、ATC受信装置23により列車が停止すべき軌道回路の情報を受けるとATCパターンと呼ばれる速度照査パターンを生成して、自己の速度と該パターンとを比較しながらブレーキ装置22を作動させて車両速度を落とし停止する制御が実行される。
図2において、符号10が付されているのは鉄道車両が走行する軌道、符号11は軌道10上を走行する列車、符号12は駅のプラットホームであり、軌道10に沿って所定の間隔をおいて付されている符号R1〜R9,R11〜R14は軌道回路(ブロック)である。なお、図2において、軌道回路R6上の列車は先行列車、軌道回路R2上の列車は後続列車(自列車)を示すものとして、説明する。
次に、本実施形態の列車自動運転システムにおける駅間の自動運転制御の具体的な手順について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図4に示すフローチャートに従った処理は、車上装置20の自動運転制御装置27によって実行される。
また、運転モードスイッチの状態としては、例えば次駅の停車または通過の設定情報、ダイヤ遅れが生じている場合の回復運転または平常運転の実施に関する設定情報、天候などがある。次停車駅もしくは地点に関する情報は、駅停止位置にATOトランスポンダが設けられている場合にはトランスポンダから受信しても良いし、無線通信装置が搭載されている場合には無線通信により受信しても良い。
ここで、次停車駅より所定距離(Lm)の手前の位置X以内でない(No)と判定するとステップS9へ移行して、ステップS2で読み込んだ基準走行パターンを駅間走行パターンとして自動運転プログラムに移し、基準走行パターンに従った速度制御(力行/ブレーキ・ノッチ制御)を実行して自動運転走行を実施する(ステップS10)。
一方、最適パターン生成処理と並行して、先行列車の次駅ホームトラック滞在時間カウント処理(ステップS11〜S15)が実行されており、最適パターン生成処理(S6〜S8)においては、滞在時間カウント処理により得られた滞在時間情報を用いて走行パターンの生成、差し替えが実行される。
滞在時間カウント処理においては、先ず外部のパラメータ設定端末30により設定されたカウント処理に必要なパラメータを読み込む(ステップS11)。ここで、「パラメータ」には、駅ごとの在線カウント開始ブロック(軌道回路)と在線カウント停止ブロック、駅ごとの標準停車時間、タイムアウト時間(滞在時間情報の演算上の最大値)、演算補正係数などが含まれる。ステップS11では、これらのパラメータのうち、在線カウント開始ブロック(軌道回路)と在線カウント停止ブロックとタイムアウト時間が読み込まれる。
次に、ステップS6で読み込まれた標準停車時間T0と滞在時間カウント処理のステップS15で生成された先行列車の次駅滞在時間との差分を算出する(ステップS7)。なお、この差分は、自列車の次駅までの走行時間の増加分ΔTとみなすことができる。そこで、次のステップS8では、先行列車の駅停車中におけるATCパターン(図3のPc1〜Pc4)を基準にして、残距離Lmの基準走行パターンに走行時間の増加分を反映して走行速度を下げる方向に調整した走行パターン(図3のPc1〜Pc4)を生成する。
なお、図4の実施例の最適パターン生成処理(S6〜S8)では最適走行パターンを演算により生成しているが、予め生成した複数の最適走行パターンをパラメータ設定端末30により設定して、それらの中から条件に合ったものを選択するように構成しても良い。
また、上記実施形態では、先行列車が遅延して次駅の滞在時間が長くなった場合の運転制御を例にとって説明したが、本発明は、自列車が遅延し先行列車が次駅を出発し滞在していない場合に、ATC制御の速度照査パターンを越えない範囲内で基準となる走行パターンの速度よりも速い速度で走行して遅延を回復する回復運転制御を行う場合にも利用することができる。
加えて、上記実施形態では、軌道回路を使ったデジタルATCのシステム構成を例として示したが、無線式ATCのシステム構成であっても、地上装置が在線情報を収集するまでの仕組みと通信手段が異なるのみで、車上装置における先行車の在線位置情報とATC制御に大きな違いはない。このため、本課題解決の手段は、無線式ATCを対象として構築した場合にも利用することができる。
11 列車(車両)
12 駅プラットホーム
13 ATCトランスポンダ(ATC地上子)
20 車上装置
21 速度発電機
22 ブレーキ装置
23 ATC受信装置
24 ATC制御装置
25 ATCトランスポンダ車上子
26 走行駆動装置
27 自動運転制御装置
Claims (5)
- 走行駆動装置およびブレーキ装置を制御することで走行パターンに従って列車を走行させる機能を有する車上装置と、
軌道上を走行している列車の在線位置を把握するとともに、把握した列車の在線位置情報を後続の列車へ送信する地上装置と、を備えた列車自動運転システムであって、
前記車上装置は、
走行区間毎に基準となる走行パターンを記憶する走行パターン記憶手段と、
前記地上装置からの情報を受信可能な情報受信手段と、
自列車の位置を把握する位置把握手段と、
所定の位置を停止点として設定し当該停止点を終点とする走行パターンを生成する走行パターン生成手段と、
前記地上装置から受信したATC情報に基づいて生成された速度照査パターンに従って走行速度を制御する制御手段と、
を備え、前記情報受信手段により受信した先行列車の在線位置情報に基づいて先行列車の同一ブロックの滞在時間を計時し、前記位置把握手段により把握した在線位置情報に基づいて自列車位置が前記停止点よりも所定の距離だけ手前の位置に到達したと判断すると、前記滞在時間が標準滞在時間と異なる場合に前記滞在時間に応じて、前記速度照査パターンを越えない範囲内で前記基準となる走行パターンの速度と異なる速度の走行パターンを生成し、当該走行パターンに従った速度となるように走行駆動装置およびブレーキ装置を制御するように構成されていることを特徴とする列車自動運転システム。 - 前記車上装置は、走行を開始する前に前記位置把握手段により把握した在線位置情報に基づいて前記走行パターン記憶手段より基準となる走行パターンを読み出し、当該走行パターンに従って走行速度を制御して走行を開始することを特徴とする請求項1に記載の列車自動運転システム。
- 前記車上装置は、外部の装置から供給される走行パターンの生成に関するパラメータを読込み可能なパラメータ読込み手段を備え、
前記走行パターン生成手段は、前記パラメータ読込み手段により読み込まれた情報に応じた走行パターンを生成可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の列車自動運転システム。 - 前記走行パターン記憶手段には、前記滞在時間に応じた複数の走行パターンが記憶されており、
前記走行パターン生成手段は、前記走行パターン記憶手段に記憶されている前記複数の走行パターンのうち前記滞在時間に応じた走行パターンを読み出して前記基準となる走行パターンと差し替え、前記車上装置は、差し替えられた走行パターンに従って走行速度を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の列車自動運転システム。 - 走行駆動装置およびブレーキ装置を制御することで走行パターンに従って走行速度を制御して走行する機能を有する鉄道車両の自動運転装置であって、
走行区間毎に基準となる走行パターンを記憶する走行パターン記憶手段と、
前記地上装置からの情報を受信可能な情報受信手段と、
自列車の位置を把握する位置把握手段と、
所定の位置を停止点として設定し当該停止点を終点とする走行パターンを生成する走行パターン生成手段と、
を備え、前記情報受信手段により受信した先行列車の在線位置情報に基づいて先行列車の同一ブロックでの滞在時間を計時し、前記位置把握手段により把握した在線位置情報に基づいて自列車位置が前記停止点よりも所定の距離だけ手前の位置に到達したと判断すると、前記滞在時間が標準滞在時間よりも長い場合に前記滞在時間に応じて前記基準となる走行パターンよりも速度を抑制した走行パターンを生成し、当該走行パターンに従った速度となるように走行駆動装置およびブレーキ装置を制御するように構成されていることを特徴とする鉄道車両の自動運転装置。
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