JP2015047764A - インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの駆動方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動電圧値の変化に伴う大小液滴間の速度差を維持もしくは抑えることができるインクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの駆動方法の提供。
【解決手段】
インクが充填された圧力室28の壁27を圧電素子で変形させてノズル23からインクを吐出する際に、第1膨張パルス要素と第1収縮パルス要素と第2膨張パルス要素と第2収縮パルス要素とを含み、第1収縮パルス要素のパルス幅は0.46〜0.63ALであり、第2膨張パルス要素のパルス幅は0.75〜1ALである大液滴駆動パルスと、第1膨張パルス要素と第1収縮パルス要素と第2膨張パルス要素とを含み、第1収縮パルス要素のパルス幅は0.35〜0.54ALであり、第2膨張パルス要素のパルス幅は0.2〜0.6ALである小液滴駆動パルスを選択的に圧電素子に入力するインクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの駆動方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェット記録装置の圧電素子に、選択された駆動パルスを入力し、当該駆動パルスに基づくインク液滴をインクジェットヘッドから吐出するインクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの駆動方法に関する。
一般に、インクジェット記録装置を用いて、ノズルから吐出する容量(サイズ)の異なる液滴を吐出しようとすると、サイズにより液滴速度に差が生じる。
液滴速度の差による着弾位置ずれを防止するために、特許文献1は、吐出する液滴の大小に応じて、吐出タイミングをずらすことを開示している。
特開2002−321360号公報
しかし、特許文献1の技術では、印刷媒体とヘッドの距離が変わるごとにタイミングに関するパラメータ変更が必要であり、また吐出タイミングを遅らせる分、駆動周期が長くなり、特に高速印字を行う上で限界がある。
これに対して、駆動電圧値を変えて液滴速度を調節する方法も考えられるが、大小液滴の各駆動パルスに対して、異なる電圧値の波形要素が必要であり、制御面で複雑化し易いため限界がある。
そこで、本発明者は、大液滴と小液滴とで、それぞれの駆動パルスの駆動電圧は同一としつつ、パルス幅の設定により液滴速度を調整する方法について検討した。
しかしながら、このような液滴速度の調整方法でも、所定の駆動電圧下では大液滴、小液滴各々の駆動パルスのパルス幅をそれぞれ設定することにより大小液滴間の液滴速度を揃えることは出来ても、他の駆動電圧値では設定したパルス幅を同じ様に適用することは難しく、再度液滴速度を揃えるための調整が必要であることが分かった。
このことは、各々の液滴量を変更したい場合などに駆動電圧値を変更する場合、その都度、パルス幅を設定し直して液滴速度を揃えるために調整することが必要となり手間がかかると、という問題が生じる。
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動電圧値の変化に伴う大小液滴間の速度差、つまり駆動電圧に対する液滴速度の感度に着目し、駆動電圧が変更される場合であってもその変化量に応じて変化する大小液滴の液滴速度差を一定に維持もしくは極力抑える事(速度差を無くす事)ができ、結果として液滴量が変更された場合でも安定して良好な画質を得ることのできるインクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの駆動方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明における第1の態様は、インクが充填された圧力室の壁を圧電素子で変形させ、該圧力室の容積を変化させることでノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドのノズルから大液滴を吐出するための大液滴駆動パルスと、前記インクジェットヘッドのノズルから小液滴を吐出するための小液滴駆動パルスとを発生させる駆動パルス発生手段とを有し、1駆動周期内で、前記大液滴駆動パルス、前記小液滴駆動パルスのいずれか又は両方を選択的に前記圧電素子に入力可能なインクジェット記録装置であって、前記大液滴駆動パルスは、時系列順に、前記圧力室の容積を膨張させる第1膨張パルス要素L1と、前記圧力室の容積を収縮させる第1収縮パルス要素L2と、前記圧力室の容積を再び膨張させる第2膨張パルス要素L3と、前記圧力室の容積を再び収縮させる第2収縮パルス要素L4と、を含んで構成されたパルスであり、前記第1収縮パルス要素L2のパルス幅TL2は、0.46AL以上、0.63AL以下の範囲であり、前記第2膨張パルス要素L3のパルス幅TL3は、0.75AL以上、1AL以下の範囲であって、前記小液滴駆動パルスは、時系列順に、前記圧力室の容積を膨張させる第1膨張パルス要素S1と、前記圧力室の容積を収縮させる第1収縮パルス要素S2と、前記圧力室の容積を再び膨張させる第2膨張パルス要素S3と、を含んで構成されたパルスであり、前記第1収縮パルス要素S2のパルス幅TS2は、0.35AL以上、0.54AL以下の範囲であり、前記第2膨張パルス要素S3のパルス幅TS3は、0.2AL以上、0.6AL以下の範囲であることを特徴とするインクジェット記録装置である。
上記課題を解決するため、本発明におけるその他の態様は、インクが充填された圧力室の壁を圧電素子で変形させ、該圧力室の容積を変化させることでノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドを備え、1駆動周期内で、前記インクジェットヘッドのノズルから大液滴を吐出するための大液滴駆動パルス、前記インクジェットヘッドのノズルから小液滴を吐出するための小液滴駆動パルスのいずれか又は両方を選択的に前記圧電素子に入力して、前記ノズルから、大液滴、小液滴のいずれか又は両方を吐出するインクジェットヘッドの駆動方法であって、前記大液滴駆動パルスは、時系列順に、前記圧力室の容積を膨張させる第1膨張パルス要素L1と、前記圧力室の容積を収縮させる第1収縮パルス要素L2と、前記圧力室の容積を再び膨張させる第2膨張パルス要素L3と、前記圧力室の容積を再び収縮させる第2収縮パルス要素L4と、を含んで構成されたパルスであり、前記第1収縮パルス要素L2のパルス幅TL2は、0.46AL以上、0.63AL以下の範囲であり、前記第2膨張パルス要素L3のパルス幅TL3は、0.75AL以上、1AL以下の範囲であって、前記小液滴駆動パルスは、時系列順に、前記圧力室の容積を膨張させる第1膨張パルス要素S1と、前記圧力室の容積を収縮させる第1収縮パルス要素S2と、前記圧力室の容積を再び膨張させる第2膨張パルス要素S3と、を含んで構成されたパルスであり、前記第1収縮パルス要素S2のパルス幅TS2は、0.35AL以上、0.54AL以下の範囲であり、前記第2膨張パルス要素S3のパルス幅TS3は、0.2AL以上、0.6AL以下の範囲であることを特徴とするインクジェットヘッドの駆動方法である。
本発明によれば、駆動電圧値の変化に伴う大小液滴間の速度差を一定に維持もしくは極力抑制(速度差を少なくする)し、大液滴、小液滴の液滴量を調整した場合でも、手間のかかる液滴パルス毎の調整を必要とせず、安定して高品質の記録画像を維持することが可能なインクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの駆動方法を提供することができる。
ライン型のインクジェット記録装置の構成を示す模式図 インクジェットヘッドユニットのインクジェットヘッドの配置例を示す図 インクジェットヘッドの外形、吐出幅及び千鳥配置の関係を示す図 シアモード型のインクジェットヘッドの一例を示す図 圧力室の容積変化の一例を説明する図 駆動パルス生成の一例を説明するブロック図 本発明に係る大液滴駆動パルス及び小液滴駆動パルスを用いた際の液滴速度の駆動電圧値依存性の一例を説明するグラフ 本発明に係る大液滴駆動パルス及び小液滴駆動パルスを用いた際の液滴速度の駆動電圧値依存性の他の例を説明するグラフ 本発明に係る大液滴駆動パルスの一例を説明するグラフ 本発明に係る小液滴駆動パルスの一例を説明するグラフ 小液滴の液滴量の収縮パルス幅TS2依存性を示す図 小液滴の安定射出速度上限の収縮パルス幅TS2及び第2膨張パルス幅TS3依存性を示す図 小液滴の安定射出速度上限の第1膨張パルス幅TS1依存性を示す図 小液滴の「感度」の収縮パルス幅TS2依存性を示す図 大液滴の「感度」の第1収縮パルス幅TL2及び第2膨張パルス幅TL3依存性を示す図 大液滴の安定射出速度上限の第1膨張パルス幅TL1依存性を示す図 大液滴の安定射出速度上限の第2収縮パルス幅TL4依存性を示す図 駆動パルスセット1における液滴速度の駆動電圧値依存性を示す図 駆動パルスセット2における液滴速度の駆動電圧値依存性を示す図 駆動パルスセット3における液滴速度の駆動電圧値依存性を示す図 駆動パルスセット4における液滴速度の駆動電圧値依存性を示す図 駆動パルスセット5における液滴速度の駆動電圧値依存性を示す図 駆動パルスセット6における液滴速度の駆動電圧値依存性を示す図 駆動パルスセット7における液滴速度の駆動電圧値依存性を示す図
以下に、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、インクが充填された圧力室の壁を圧電素子で変形させ、圧力室の容積を変化させることでノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置に好適に適用される。
圧力室の壁を圧電素子で変形させる際には、駆動パルスを圧電素子に入力するが、本発明では、駆動パルスとして、ノズルから大液滴を吐出するための特定の大液滴駆動パルスと、ノズルから小液滴を吐出するための特定の小液滴駆動パルスとを用いる。
以下に、インクジェット記録装置が、ライン型のインクジェット記録装置である場合を例に、本発明を詳しく説明する。
図1は、ライン型のインクジェット記録装置1の構成を示す模式図である。
ロール状に巻かれた長尺状の記録媒体10は、図示しない駆動手段により巻き出しロール10Aから矢印X方向に繰り出され搬送される。
長尺状の記録媒体10はバックロール20に巻回され支持されながら搬送される。インクジェットヘッドユニット30よりインクが記録媒体10に向けて吐出され、画像データに基づいた画像形成が行われる。インクジェットヘッドユニット30は、記録媒体幅方向に吐出幅に対応した複数のインクジェットヘッド(記録ヘッド)31を有する。
図2は、インクジェットヘッドユニット30のインクジェットヘッド31の配置例である。また、全てのインクジェットヘッド31が、インクを一時的に貯留する中間タンク40に対して同じ高さに配置されている例である。前述のように、1つのインクジェットヘッドで吐出できる吐出幅はインクジェットヘッドの外形寸法よりも狭いことから、隙間なく吐出するために複数のインクジェットヘッドを記録媒体搬送方向に対して千鳥配置している。図2に示す例では、記録媒体10の幅方向に吐出幅に対応した複数のインクジェットヘッド31を2列の千鳥配置としている。
図3に、インクジェットヘッド31の外形、吐出幅及び千鳥配置の関係を示す。インクジェットヘッド31の数及び千鳥配置の列数は、インクジェットヘッド31の吐出幅等により適宜設定されるものであり、図2の例に限定されるものではない。
図1において、インクは、インクジェットヘッド31のインクの背圧を調整する中間タンク40から複数のインクチューブ43を介してインクジェットヘッド31毎に供給される。なお、本説明において、図中のインクチューブ43は、複数のインクチューブである。
中間タンク40へのインク供給は、インクを貯留する貯留タンク50から供給管51の途中に配設された送液ポンプPで行われる。
画像が形成された記録媒体10は、乾燥部1000で乾燥が行われ、巻き取りロール10Bに巻き取られる。
インクジェットヘッド31は静止した状態で、記録媒体10を搬送方向に搬送させながら画像記録する。記録媒体10の搬送中、一駆動周期ごとに画像データに基づき駆動信号が選択され、インクの吐出状態が変化する。
各インクジェットヘッド31は、ノズル面側が記録媒体10の記録面と対向するように配置されており、フレキシブルケーブル(ここでは不図示)を介して、駆動パルスを生成するための回路が設けられる駆動パルス発生手段(ここでは不図示)に電気的に接続されている。
図4は、インクジェット記録装置1が備えるシアモード(Shear mode)型のインクジェットヘッド31の一例を示す図であり、図4(a)は外観を断面で示す斜視図、図4(b)は側面から見た断面図である。
図中、310はヘッドチップ、22はヘッドチップ310の前面に接合されたノズル形成部材である。
なお、本明細書においては、ヘッドチップからインクが吐出される側の面を「前面」といい、その反対側の面を「後面」という。また、ヘッドチップにおいて並設されるチャネルを挟んで図示上下に位置する外側面をそれぞれ「上面」及び「下面」という。
ヘッドチップ310は、隔壁27で仕切られた複数のチャネル28が並設されたチャネル列を有している。ここではチャネル列は512個のチャネル28を有するが、チャネル列のチャネル数は何ら限定されない。
各隔壁27は、電気・機械変換手段であるPZT等の圧電素子を備えている。本実施形態では、各隔壁27は、分極方向が異なる2枚の圧電材料27a、27bによって構成されているが、圧電材料は隔壁27の少なくとも一部にあればよい。本発明においては、各隔壁27を変形できるように圧電素子があればよいからである。
圧電材料27a、27bに使用される圧電材料としては、電圧を加えることにより変形を生じるものであれば特に限定されず、公知のものが用いられ、有機材料からなる基板であっても良いが、圧電性非金属材料からなる基板が好ましく、この圧電性非金属材料からなる基板として、例えば成形、焼成等の工程を経て形成されるセラミックス基板、又は塗布や積層の工程を経て形成される基板等がある。有機材料としては、有機ポリマー、有機ポリマーと無機物とのハイブリッド材料が挙げられる。
セラミックス基板としては、PZT(PbZrO−PbTiO)、第三成分添加PZTがあり、第三成分としてはPb(Mg1/3Nb2/3)O、Pb(Mn1/3Sb2/3)O、Pb(Co1/3Nb2/3)O等があり、さらにBaTiO、ZnO、LiNbO、LiTaO等を用いて形成することができる。
本実施形態では、2枚の圧電材料を分極方向が反対になるように接着して使用しており、これにより、1枚の圧電材料の場合よりせん断変形量が倍になるので、同じ変形量を得るには、駆動電圧が1/2以下ですむという利点がある。
ヘッドチップ310の前面及び後面には、それぞれ各インクチャネル28の前面側の開口部と後面側の開口部とが対向している。各インクチャネル28は、その後面側の開口部から前面側の開口部に亘る長さ方向で大きさと形状がほぼ変わらないストレートタイプである。
インクチャネル28の一端は、ノズル形成部材22に形成されたノズル23につながり、他端は、共通インク室77、インク供給口25を経て、インクチューブ43に接続されている。
各チャネル28の内面全面には、金属膜からなる電極29が密着形成されている。すなわち、各チャネル内で対向する隔壁面の電極29同士が電気的に接続されている。インクチャネル内の電極29は接続電極300及び異方性導電フィルム78とフレキシブルケーブル6を介して、駆動パルス発生手段(ここでは不図示)に電気的に接続されている。
隔壁27を挟んだ電極29間に、駆動パルス発生手段からの駆動パルスを印加すると、圧電素子からなる隔壁27は、上壁部27aと下壁部27bとの接合面を境にして屈曲変形する。この隔壁27の屈曲変形によってチャネル28内に圧力波が発生し、該チャネル28内のインクにノズル23から吐出するための圧力が付与される。
図5は、図4(b)におけるv−v線断面図であり、チャネル(圧力室)の容積変化の一例を説明する図である。
図5(a)に示すように、互いに隣り合うチャネル28A、28B、28C内の電極29A、29B、29Cのいずれにも駆動パルスが印加されない状態(定常状態)においては、隔壁27A、27B、27C、27Dのいずれも変形しない。
チャネル(例としてチャネル28B)内の容積を膨張させる際には、駆動パルスとして膨張パルスが用いられる。後に詳述する大液滴駆動パルスにおける第1膨張パルス要素L1、第2膨張パルス要素L3や、小液滴駆動パルスにおける第1膨張パルス要素S1、第2膨張パルス要素S3がこれに該当し得る。
駆動電極29A及び29Cを接地すると共に、駆動電極29Bに駆動パルス発生手段からの膨張パルスを印加すると、各隔壁27B、27C共に、それぞれ上壁部27a、下壁部27bの接合面にズリ変形を生じる。その結果、図5(b)に示すように隔壁27B、27Cは互いに外側に向けて屈曲変形し、チャネル28Bの容積を膨張する。この屈曲変形により、チャネル28B内に負の圧力波を発生させ、共通流路からのインクを該チャネル28B内に流れ込ませることができる。
一方、チャネル(例としてチャネル28B)内の容積を収縮させる際には、駆動パルスとして収縮パルスが用いられる。後に詳述する大液滴駆動パルスにおける第1収縮パルス要素L2、第2収縮パルス要素L4や、小液滴駆動パルスにおける収縮パルス要素S2がこれに該当し得る。
駆動電極29A及び29Cを接地すると共に、駆動電極29Bに駆動パルス発生手段からの収縮パルスを印加すると、各隔壁27B、27C共に、それぞれ上壁部27a、下壁部27bの接合面に、上述した膨張時とは反対方向にズリ変形を生じる。その結果、図5(c)に示すように隔壁27B、27Cは互いに内側に向けて屈曲変形し、チャネル28Bの容積を収縮する。この屈曲変形により、チャネル28B内に正の圧力波を発生させ、対応するノズル23からインクを吐出させることができる。
図6は、駆動パルス生成の一例を説明するブロック図である。
図6において、501は、制御部であり、502は、駆動パルスデータが格納されたメモリであり、503は、駆動パルスデータを切り替える切替部であり、504は、駆動パルス発生部(駆動パルス発生手段)であり、505は、インクジェットヘッドである。
メモリ502には、ノズルから大液滴を吐出するための大液滴駆動パルスの波形データ(大液滴駆動パルスデータ)と、ノズルから小液滴を吐出するための小液滴駆動パルスの波形データ(小液滴駆動パルスデータ)とが少なくとも格納されている。
制御部501は、インクジェットヘッド505が有する複数のノズルの各々に対して、1駆動周期内において適用される駆動パルスを個別に選択可能に構成されている。即ち、各ノズルに対して、1駆動周期内において適用される駆動パルスとして、大液滴駆動パルス、小液滴駆動パルスの何れかを個別に選択することができる。また、複数のノズル全体で見れば、1駆動周期内において、一部のノズルに対しては大液滴駆動パルスを選択し、他の一部のノズルに対しては小液滴駆動パルスを選択することができる。つまり、1駆動周期内において、複数のノズルに対して、大液滴駆動パルス、小液滴駆動パルスの両方を選択することもできる。
制御部501は、1駆動周期内で各ノズルに適用される駆動パルスを選択する選択信号を、切替部503に入力する。
切替部503は、制御部501から入力された信号に基づいて、メモリ502に格納された駆動パルスデータの中から、1駆動周期内で各ノズルに適用される駆動パルスデータとして、大液滴駆動パルスデータ、小液滴駆動パルスデータの何れか又は両方を切り替えて、これを、1駆動周期内で各ノズルに対して選択された駆動パルスデータとして、駆動パルス発生部504に出力する。
駆動パルス発生部504は、切替部503から入力された大液滴駆動パルスデータ、小液滴駆動パルスデータの何れか又は両方と、制御部501からの駆動電圧値の設定のための信号とに基づいて、それぞれ所定の駆動電圧値に設定された大液滴駆動パルス、小液滴駆動パルスの何れか又は両方を発生し、1駆動周期内で、インクジェットヘッド505の複数のノズル毎に設けられた圧電素子に、それぞれ出力する。例えば、上述した例を用いて説明すれば、駆動パルス発生部504から、フレキシブルケーブル6、接続電極300、インクチャネル内の電極29を経て、隔壁27が有する圧電素子の各々に、1画素周期内で、選択された駆動パルスがそれぞれ出力される。
このようにして、インクジェットヘッド505に対して、1駆動周期内において発生した各液滴駆動パルスが、ノズルごとに設けられた各圧電素子に選択的に入力されるように構成することができ、ノズルごとに大液滴と小液滴とが打ち分け可能になる。
また、複数の駆動周期内において、インクジェットヘッド505が備える同一のノズルを用いて、大液滴と小液滴とを打ち分けることも可能である。例えば、制御部501は、第1の駆動周期内において、当該ノズルに対して大液滴駆動パルスを選択し、第2の駆動周期内において、当該ノズルに対して小液滴駆動パルスを選択することも可能である。
大液滴駆動パルス、小液滴駆動パルスの選択は、例えば、制御部501が、印刷される画像データに基づいて行い、これにより、印刷画像における濃淡の差などを、大液滴、小液滴の容量(サイズ)の差に由来するドット径や色素濃度などの差によって表現すること等を可能にする。
本発明では、大液滴を吐出させるための大液滴駆動パルスと、小液滴を吐出させるための小液滴駆動パルスとを用いることは上述した。
これまで、大液滴と小液滴とでは、液滴量(質量)が異なるため、駆動電圧値を変化させれば、液滴速度は、大液滴と小液滴とで個別に変化してしまい、必然的に、大小液滴間で速度差を生じると考えられてきた。
これに対して、本発明者は、大液滴と小液滴とについて、種々の駆動パルスについて研究を重ねた結果、各駆動パルスのパルス要素のパルス幅を所定時間に調整することにより、大液滴と小液滴とで液滴量が異なるにもかかわらず、吐出時の駆動電圧値を変化させたときに、液滴速度が、大液滴と小液滴とで同様に変化することを見出した。
これにより、駆動電圧値の変化に伴う大小液滴間の速度差の発生を防止することが可能になる。例えば、大液滴と小液滴とで、液滴速度が等しくなる駆動電圧値を一点でも決定すれば、その後は、大液滴と小液滴とで、駆動電圧値を同じ値だけ変更することで、速度差を一定に維持もしくは極力防止(速度差を無くす)し、液滴量を容易に調整することが可能になる。複雑な条件を見つける手間なく駆動電圧値を変更することで、例えば液滴量などの調整が可能となり、更に、液滴速度が同程度となる大液滴と小液滴とを同一のノズルから打ち分けることが可能となる。
図7は、本発明に係る大液滴駆動パルス及び小液滴駆動パルス(以下、駆動パルスセットという場合がある)を用いた際の液滴速度の駆動電圧値依存性の一例を説明するグラフである。
なお、以下の説明において、液滴速度変化量の駆動電圧値変化量依存性について、「感度」としている。「感度」は、駆動電圧値と液滴速度の関係を示すグラフの傾きで表せ、液滴速度変化量を駆動電圧値変化量で除した値(単位として「m/s/V」で表すことができる。)で示すことができる。
図7に示すように、本発明によれば、大液滴駆動パルスにおける駆動電圧値の変化に伴う大液滴の液滴速度の変化(図7中符号L)と、小液滴駆動パルスにおける駆動電圧値の変化に伴う小液滴の液滴速度の変化(図7中符号S)とにおいて、これら変化の傾きをほぼ一致させることができる。つまり「感度」を一致させることができる。
大液滴と小液滴とで、感度が一致することにより、駆動電圧値を同じ値だけ変化させた場合、液滴速度も実質的に同じ値だけ変化する。
図7の例では、大液滴駆動パルスにおける駆動電圧値の変化に伴う大液滴の液滴速度の変化(図7中符号L)と、小液滴駆動パルスにおける駆動電圧値の変化に伴う小液滴の液滴速度の変化(図7中符号S)とがほぼ平行状態にある場合を示したが、更に、図8に示すように、これら変化を、ほぼ重ね合わせることも好ましいことである。
このように重ね合わせた状態では、大液滴と小液滴とで、同じ駆動電圧値を用いて、同じ液滴速度を実現することができる。駆動電圧値を変化させる際には、大液滴と小液滴とに対して同じ駆動電圧値で設定を行うことができ、個別の値を設定する必要がなくなるため、液滴量の調整が更に容易となる。つまり、単に感度を一致させただけの状態(上述した平行状態)では、大液滴と小液滴とに対して異なる駆動電圧値を設定し、これらの駆動電圧値を同じ値だけ変化させることで、液滴速度を実質的に同じ値だけ変化させることができたが、重ね合わせた状態では、大液滴と小液滴とに対して同じ駆動電圧値で設定を行うことができ、液滴量の調整が更に容易となる。
本発明によれば、後に詳述する大小液滴駆動パルスを構成する各パルスのパルス幅、例えば、大液滴駆動パルスの第1収縮パルス要素L2、第2膨張パルス要素L3、あるいは小液滴駆動パルスの収縮パルス要素S2等の1又は2以上のパルス幅を、本発明の範囲内で適宜調整することにより、大液滴と小液滴とで、上述した変化を、容易に重ね合わせることができる。
なお、本発明において、大小液滴で「感度が一致する」とは、必ずしも、あらゆる駆動電圧値に亘って感度が一致することを意味するものではなく、少なくともある程度の範囲(実際使用するであろう液滴速度を基準として±1〜2m/sの速度範囲に対応する駆動電圧範囲であれば、後に基準となる液滴速度から速度を調整するとなった場合に充分に対応可能である)の駆動電圧値に亘って感度が一致するものであればよい。ある局面においては、本発明の効果について、感度が一致する駆動電圧値の範囲を拡張すること(広く保持すること)が可能である、と表現することもできる。
図9は、本発明に係る大液滴駆動パルスの一例を説明するグラフであり、グラフ中、縦軸は電圧、横軸は時間である。
図9に示すように、本実施態様において、大液滴駆動パルスは、1駆動周期内に、第1膨張パルス要素L1、第1収縮パルス要素L2、第2膨張パルス要素L3及び第2収縮パルス要素L4を時系列順に、休止期間を置かずに含む。なお、本明細書において、「休止期間を置かずに含む」とは、第1膨張パルス要素L1、第1収縮パルス要素L2、第2膨張パルス要素L3及び第2収縮パルス要素L4のそれぞれが、互いに時間的間隔を置かずに、時系列順に連続して設けられることを意味する。
GNDは、定常状態(パルスが存在しない状態)における電位(基準電圧ともいう)である。
第1膨張パルス要素L1は、圧力室の容積を、定常状態における容積から膨張させるパルス要素であり、基準電圧VGNDから波高値電圧VLonまで電圧を変化させ、波高値電圧VLonを所定時間保持した後、再び基準電圧VGNDまで電圧を変化させる。
第1収縮パルス要素L2は、圧力室の容積を、定常状態における容積から収縮させるパルス要素であり、基準電圧VGNDから波高値電圧VLoffまで電圧を変化させ、波高値電圧VLoffを所定時間保持した後、再び基準電圧VGNDまで電圧を変化させる。
第2膨張パルス要素L3は、再度、圧力室の容積を、定常状態における容積から膨張させるパルス要素であり、基準電圧VGNDから波高値電圧VLonまで電圧を変化させ、波高値電圧VLonを所定時間保持した後、再び基準電圧VGNDまで電圧を変化させる。
第2収縮パルス要素L4は、再度、圧力室の容積を、定常状態における容積から収縮されるパルス要素であり、基準電圧VGNDから波高値電圧VLoffまで電圧を変化させ、波高値電圧VLoffを所定時間保持した後、再び基準電圧VGNDまで電圧を変化させる。
本発明において、大液滴駆動パルスの第1収縮パルス要素L2のパルス幅TL2(以下、単に第1収縮パルス幅TL2という場合がある。)は、0.46AL以上、0.63AL以下の範囲であり、第2膨張パルス要素L3のパルス幅TL3(以下、単に第2膨張パルス幅TL3という場合がある。)は、0.75AL以上、1AL以下の範囲である。
図10は、本発明に係る小液滴駆動パルスの一例を説明するグラフであり、グラフ中、縦軸は電圧、横軸は時間である。
図10に示すように、本実施態様において、小液滴駆動パルスは、1駆動周期内に、第1膨張パルス要素S1、収縮パルス要素S2及び第2膨張パルス要素S3を時系列順に、休止期間を置かずに含む。
GNDは、定常状態(パルスが存在しない状態)における電位(基準電圧ともいう)である。
第1膨張パルス要素S1は、圧力室の容積を、定常状態における容積から膨張させるパルス要素であり、基準電圧VGNDから波高値電圧VSonまで電圧を変化させ、波高値電圧VSonを所定時間保持した後、再び基準電圧VGNDまで電圧を変化させる。
収縮パルス要素S2は、圧力室の容積を、定常状態における容積から収縮させるパルス要素であり、基準電圧VGNDから波高値電圧VSoffまで電圧を変化させ、波高値電圧VSoffを所定時間保持した後、再び基準電圧VGNDまで電圧を変化させる。
第2膨張パルス要素S3は、再度、圧力室の容積を、定常状態における容積から膨張させるパルス要素であり、基準電圧VGNDから波高値電圧VSonまで電圧を変化させ、波高値電圧VSonを所定時間保持した後、再び基準電圧VGNDまで電圧を変化させる。
本発明において、小液滴駆動パルスの収縮パルス要素S2のパルス幅TS2(以下、単に収縮パルス幅TS2という場合がある。)は、0.35AL以上、0.54AL以下の範囲であり、第2膨張パルス要素S3のパルス幅TS3(以下、単に第2膨張パルス幅TS3という場合がある。)は、0.2AL以上、0.6AL以下の範囲である。
なお、AL(Acoustic Length)は、電気・機械変換手段である隔壁に矩形波の電圧パルスを印加して吐出する液滴の速度を測定し、矩形波の電圧値を一定にして矩形波のパルス幅を変化させたときに、液滴の飛翔速度が最大になるパルス幅として求められる。
パルス幅とは、パルスが矩形波(尚、ここで矩形波とは、電圧の10%と90%との間の立ち上がり時間、立ち下がり時間のいずれもがALの1/2以内、好ましくは1/4以内であるような波形を指す。)である場合、例えば基準電圧が0Vの場合、0Vからの電圧の立ち上がり始め又は立ち下がり始めの10%から、波高値電圧からの立ち下がり始め又は立ち上がり始めの10%までの時間として定義することができる。一方、台形波の場合のパルス幅は、例えば基準電圧が0Vの場合、0Vからの電圧の立ち上がり始め又は立ち下がり始めから、波高値電圧からの立ち下がり始め又は立ち上がり始めまでの時間として定義することができる。
更に、本明細書において、1駆動周期とは、インクが付与される記録媒体上に、ひとつの画素(インクドット)を形成する周期である。なお、上述したインクドットとは、吐出された主液滴に付随して発生するサテライトによるドットを含まず、本発明においては主液滴によって一つの画素を形成する周期とする。
本発明において、大液滴駆動パルスの第1膨張パルス要素L1のパルス幅TL1(以下、単に第1膨張パルス幅TL1という場合がある。)は、図16に示すように安定した射出速度の上限に基づいて定まる。安定した射出速度の上限は、想定している好ましい液滴速度が6〜7m/sであるため、係る液滴速度を安定に射出できる速度としての充分なマージンがとれるという観点で10m/s以上が望ましい。そのため係る速度条件を維持できる0.9AL以上1.1AL以下が好ましいパルス幅TL1の範囲となる。これにより、射出安定性を更に向上する効果が得られる。
また、本発明において、大液滴駆動パルスの第2収縮パルス要素L4のパルス幅TL4(以下、単に第2収縮パルス幅TL4という場合がある。)も、図17に示すように安定した射出速度の上限に基づいて定まり、安定した射出速度の上限は、想定している好ましい液滴速度が6〜7m/sであるため、係る液滴速度を安定に射出出来る速度としての十分なマージンがとれるという観点で10m/s以上が望ましい、そのため係る速度条件を維持できる1.8AL以上2.2AL以下が好ましいパルス幅TL4の範囲となる。これにより、射出安定性を更に向上する効果が得られる。
本発明において、小液滴駆動パルスの第1膨張パルス要素S1のパルス幅TS1(以下、単に第1膨張パルス幅TS1という場合がある。)も、図13に示すように安定した射出速度の上限に基づいて定まり、安定した射出速度の上限は、想定している好ましい液滴速度が6〜7m/sであるため、係る液滴速度を安定に射出出来る速度としての十分なマージンがとれるという観点で10m/s以上が望ましい、そのため係る速度条件を維持できる0.9AL以上1.1AL以下が好ましいパルス幅TS1の範囲となる。これにより、射出安定性を更に向上する効果が得られる。
大液滴駆動パルス、小液滴駆動パルスを用いるに際して、駆動電圧値を変化させる方法としては、格別限定されないが、上述した波高値電圧Von(VLon及びVSon)、又は、Voff(VLoff及びVSoff)の何れか又は両方を変化させる方法を好ましく用いることができる。
例えば、上述したように、駆動パルス発生部504によって、大液滴駆動パルス、小液滴駆動パルスの駆動電圧値を、所定の値に変化させることができる。
本発明において、駆動パルス発生部504は、駆動電圧値の調整に際して、大液滴駆動パルスの駆動電圧値と、小液滴駆動パルスの駆動電圧値を、同じ電圧だけ変化させるように構成されることが好ましい。これにより、大小液滴間の液滴速度差の発生を容易に防止できる。例えば大液滴及び小液滴の液滴量の調整などに際して、液滴速度差の発生を好適に防止することができる。
本発明に係るインクジェットヘッドの駆動方法は、インクが充填された圧力室の壁を圧電素子で変形させ、該圧力室の容積を変化させることでノズルからインクを吐出する際に、1駆動周期内で、上述した大液滴駆動パルス、小液滴駆動パルスのいずれか又は両方を選択的に前記圧電素子に入力して、前記ノズルから、大液滴、小液滴のいずれか又は両方を吐出する。
これにより、駆動電圧値の変化に伴う大小液滴間の速度差を抑制し、大液滴、小液滴の液滴量を調整した場合でも、手間のかかる液滴パルス毎の調整を必要とせず、安定して高品質の記録画像を維持することが可能になる。
例えば大液滴、小液滴の液滴量の調整など目的で、大液滴駆動パルス、小液滴駆動パルスの駆動電圧値の調整を行う際に、大液滴駆動パルスの駆動電圧値と、小液滴駆動パルスの駆動電圧値を、同じ電圧だけ変化させることによって、容易に、大小液滴間の速度差を抑制できる。
以上の説明では、インクジェット記録装置が、ライン型である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、インクジェットヘッドが、記録媒体の搬送方向と直交した方向に往復移動運動(シャトル運動)しながら記録するシリアル型(シャトル型ともいう)のインクジェット記録装置にも好ましく適用できる。
また、以上の説明では、インクジェット記録装置が備えるインクジェットヘッドが、シアモード(Shear mode)型である場合について説明したが、本発明において、インクジェットヘッドにおける圧電素子の歪み形態は格別限定されず、シアモードの他に、例えば、撓みモード(Bend mode)、縦モード(Push mode、あるいはDirect modeともいう)等を好ましく適用でき、特に、シアモードが好適である。
本発明は、AL(Acoustic Length)を基準に駆動パルスを規定するため、原理的に、インクが充填された圧力室の壁を圧電素子で変形させ、圧力室の容積を変化させることでノズルからインクを吐出するインクジェット記録装置であれば、圧電素子の歪み形態や、圧力室の容積・形状などによらず、種々のインクジェット記録装置に適用可能である。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。
<インクジェット記録装置>
以下の試験で用いたインクジェット記録装置は、インクが充填された圧力室の壁を圧電素子で変形させ、該圧力室の容積を変化させることでノズルからインクを吐出するように構成されたシアモード型のインクジェット記録装置である。
かかるインクジェット記録装置の圧電素子に印加される電圧を特徴づける駆動パルスセットとして、下記大液滴駆動パルス及び小液滴駆動パルスを用いた。
・大液滴駆動パルス
大液滴駆動パルスとして、一画素周期内に、時系列順に、第1膨張パルス要素L1、第1収縮パルス要素L2、第2膨張パルス要素L3、及び、第2収縮パルス要素L4からなる波形を用いた。
・小液滴駆動パルス
小液滴駆動パルスとして、一画素周期内に、時系列順に、第1膨張パルス要素S1、収縮パルス要素S2、第2膨張パルス要素S3からなる波形を用いた。
<駆動電圧値を変化させる方法>
以下の実施例において、駆動電圧値は、波高値電圧Von(VLon又はVSon)を変化させることによって変化させた。
1.小液滴駆動パルスの検証
1−1.小液滴の液滴量の収縮パルス幅TS2依存性
小液滴駆動パルスによりノズルから吐出される小液滴の液滴量の収縮パルス幅TS2依存性を図11に示す。
<小液滴駆動パルス条件>
第2膨張パルス幅TS2:0.43AL
液滴速度:6m/s
<評価>
図11より、収縮パルス幅TS2が、0.54ALより大きい場合、液滴量が急増することがわかる。このことから、小液滴駆動パルスにおける収縮パルス幅TS2は、0.54AL以下であることが好ましいことがわかる。
1−2.小液滴の安定性
小液滴駆動パルスの第2膨張パルス幅TS3、第1膨張パルス幅TS1について、小液滴の安定性への影響を検証した。
1−2−1.第2膨張パルス幅TS3依存性
小液滴駆動パルスの収縮パルス幅TS2を0.1AL、0.2AL又は0.3ALとした各場合について、第2膨張パルス幅TS3を0.2AL〜0.7ALの範囲で変化させたときの安定射出速度上限の変化を図12に示す。
なお、安定射出速度上限とは、液滴飛翔速度の上限値であり、射出不安定(泡の巻き込み、液滴曲がり、及び液滴飛翔速度が安定しないなど)とならず安定に吐出できる速度の上限値ということもできる。この値が大きい場合、安定射出範囲が広くなり、射出が安定化する。
<小液滴駆動パルス条件>
第1膨張パルス幅TS1:1.0AL
収縮パルス幅TS2:0.1AL、0.2AL又は0.3AL
<評価>
図12より、第2膨張パルス幅TS3が0.2AL〜0.6ALの範囲であれば、例えば0.7ALの場合に比べて安定射出速度上限が高くなることがわかる。特に、第2膨張パルス幅TS3が、好ましくは0.2AL〜0.5ALの範囲、より好ましくは0.2AL〜0.4ALの範囲であることにより、安定射出速度上限が更に高くなることがわかる。
1−2−2.第1膨張パルス幅TS1依存性
小液滴駆動パルスの第1膨張パルス幅TS1を、0.9AL、1.0AL又は1.1ALと変化させたときの安定射出速度上限の変化を図13に示す。
<小液滴駆動パルス条件>
収縮パルス幅TS2:0.4AL
第2膨張パルス幅TS3:0.45AL
<評価>
図13より、第1膨張パルス幅TS1を1.0ALとしたときに、安定射出速度上限が最も高いため、前述のとおり液滴の曲がりや飛翔速度の不安定化がなく、安定に射出することが可能である。
1−3.小液滴の「感度」(液滴速度変化量の駆動電圧値変化量依存性)
小液滴駆動パルスの第1膨張パルス幅TS1、収縮パルス幅TS2及び第2膨張パルス幅TS3について、感度への影響を検証した。
1−3−1.第2膨張パルス幅TS3依存性
小液滴駆動パルスの第2膨張パルス幅TS3を変化させたときの「感度」の変化を表1に示す。
<小液滴駆動パルス条件>
第1膨張パルス幅TS1:1.0AL
収縮パルス幅TS2:0.54AL
Figure 2015047764
<評価>
表1より、小液滴駆動パルスの第2膨張パルス幅TS3は、実質的に「感度」に影響しないことがわかる。小液滴駆動パルスの第2膨張パルス幅TS3は、圧力室を膨張させて液滴吐出させた後に電圧値をGNDに戻すまでの時間であることから、感度に対して相関がないためと考えられる。
1−3−2.収縮パルス幅TS2依存性
小液滴駆動パルスの収縮パルス幅TS2を変化させたときの「感度」の変化を図14に示す。
<小液滴駆動パルス条件>
第1膨張パルス幅TS1:1.0AL
第2膨張パルス幅TS3:0.43AL
<評価>
図14より、収縮パルス幅TS2を大きくすると、小液滴駆動パルスの「感度」は線形に増加し、0.54ALで最大となり、以降、減少する。よって、大小液滴吐出用の波形の「感度」の最大値は、1.65m/s/Vとなる。
2.大液滴駆動パルスの検証
2−1.大液滴の「感度」(液滴速度変化量の駆動電圧値変化量依存性)
2−1−1.第1収縮パルス幅TL2及び第2膨張パルス幅TL3依存性
大液滴駆動パルスの第1収縮パルス幅TL2を0.37AL、0.46AL、0.54AL又は0.63ALとした各場合において、第2膨張パルス幅TL3を変化させたときの「感度」の変化を図15に示す。
<大液滴駆動パルス条件>
第1膨張パルス幅TL1:1.0AL
第2収縮パルス幅TL4:2.0AL
<評価>
図15より、第2膨張パルス幅TL3に対する感度の傾きは、第1収縮パルス幅TL2が短くなるほど減少する。特に、第1収縮パルス幅TL2が0.37ALの場合では、0.46AL以上の場合よりも格段に傾きが小さくなる。よって、「感度」を調整するという観点からは、第1収縮パルス幅TL2は、0.46AL以上であることが好ましいことがわかる。
2−1−2.射出安定性の考慮
一方、第1収縮パルス幅TL2を小さくすると、第1の膨張、収縮によって吐出される液滴と、その後の第2の膨張、収縮によって吐出される液滴とが分離してしまい、画質に悪影響を及ぼす場合がある。
そこで、第1収縮パルス幅TL2及び第2収縮パルス幅TL4について、液滴の分離が起こる条件について検証した結果を表2に示した。
表2において、「×」のついた条件では液滴の分離が起き、「○」のついた条件では液滴の分離がなく、安定に射出している(「−」は未実施)。
Figure 2015047764
<評価>
表2および図15より、第2膨張パルス幅TL3が短い場合、つまり「感度」が低い場合に、液滴の分離が発生し易くなることがわかる。よって、大液滴の射出安定性の観点からは、「感度」の下限値は、およそ1.5m/s/Vとなる。「感度」が、この下限値以上となるためには、第2膨張パルス幅TL3は、0.75AL以上であればよいことがわかる。
2−2.大液滴の安定性
2−2−1.第1膨張パルス幅TL1依存性
大液滴駆動パルスの第1膨張パルス幅TL1を0.9AL、1.0AL又は1.1ALとし、駆動電圧値を上げながら、射出不安定(泡の巻き込みや液滴曲がりなど)とならない速度の上限(安定射出速度上限)を測定した結果を図16に示す。
<大液滴駆動パルス条件>
第1収縮パルス幅TL2:0.46AL
第2膨張パルス幅TL3:1.0AL
第2収縮パルス幅TL4:2.0AL
<評価>
図16より、大液滴駆動パルスの第1膨張パルス幅TL1を1ALとしたときに、安定射出速度上限が高く、射出安定性が高いことがわかる。よって、大液滴駆動パルスの第1膨張パルス幅TL1は、1ALであることが好ましいことがわかる。
2−2−2.第2収縮パルス幅TL4依存性
大液滴駆動パルスの第2収縮パルス幅TL4を1.8AL、2.0AL又は2.2ALとし、駆動電圧値を上げながら、射出不安定(泡の巻き込みや液滴曲がりなど)とならない速度の上限(安定射出速度上限)を測定した結果を図17に示す。
<大液滴駆動パルス条件>
第1膨張パルス幅TL1:1.0AL
第1収縮パルス幅TL2:0.46AL
第2膨張パルス幅TL3:1.0AL
<評価>
図17より、大液滴駆動パルスの第2収縮パルス幅TL4を2ALとしたときに、安定射出速度上限が高く、射出安定性が高いことがわかる。よって、大液滴駆動パルスの第2収縮パルス幅TL4は、2ALであることが望ましいことがわかる。
3.大液滴と小液滴の「感度」の対応
図14、15より、小液滴駆動パルスの「感度」を、大液滴駆動パルスの「感度」の下限値より大きくする(ここでは、およそ1.5m/s/V以上とする)ためには、前述した通り、収縮パルス幅TS2は0.54ALで感度が最大となり、以降、減少するため、0.35AL以上0.54AL以下とすればよいことが分かる。また、大液滴の「感度」を、小液滴駆動パルスの「感度」の最大値(ここでは、1.65m/s/V)以下とするためには、大液滴駆動パルスの第1収縮パルス幅TL2を0.63AL以下、第2膨張パルス幅TL3を1AL以下とすればよいことが分かる。
よって、小液滴駆動パルスの収縮パルス幅TS2は、0.35AL以上であることが好ましく、大液滴駆動パルスの第1収縮パルス幅TL2は、0.63AL以下、第2膨張パルス幅TL3は、1AL以下であることが好ましいことがわかる。
4.駆動パルスセット例
駆動パルスセット例として、大液滴駆動パルス及び小液滴駆動パルスの成分となる各パルスを表3に記載の設定とした駆動パルスセット1〜7を用いた。
Figure 2015047764
<試験方法>
駆動パルスセット1〜7の大液滴駆動パルス及び小液滴駆動パルスの各々を用いて大液滴及び小液滴を射出する際に、駆動電圧値を変化させて、液滴速度及び液滴量を測定した。また、射出安定性についても観察した。
<試験結果>
(駆動パルスセット1)
駆動パルスセット1における液滴速度、液滴量及び液滴量比の駆動電圧値依存性を表4に示す。また、液滴速度の駆動電圧値依存性(プロット)を図18に示す。
Figure 2015047764
大液滴の「感度」と、小液滴の「感度」は、何れもほぼ1.65(m/s/V)であり、一致し、液滴速度差も殆ど発生していない。
従って、大液滴と小液滴との間で同じ駆動電圧値とする条件(即ち、小液滴駆動電圧値=大液滴駆動電圧値の関係を保持する条件)で、駆動電圧値を変化させても、大液滴と小液滴との間に液滴速度差は生じず、両者の液滴速度は一致した。また、射出安定性は、良好であった。
(駆動パルスセット2)
駆動パルスセット2における液滴速度、液滴量及び液滴量比の駆動電圧値依存性を表5に示す。また、液滴速度の駆動電圧値依存性(プロット)を図19に示す。
Figure 2015047764
大液滴の感度と、小液滴の感度は、何れも1.60(m/s/V)であり、一致した。
また、大液滴と小液滴との間で同じ駆動電圧値とする条件では、大液滴と小液滴との間に液滴速度差が生じたが、小液滴駆動電圧値=大液滴駆動電圧値+0.8Vの条件では、駆動電圧値を変化させても、大液滴と小液滴との間に液滴速度差は生じず、両者の液滴速度は一致した。また、射出安定性は、良好であった。
(駆動パルスセット3)
駆動パルスセット3における液滴速度、液滴量及び液滴量比の駆動電圧値依存性を表6に示す。また、液滴速度の駆動電圧値依存性(プロット)を図20に示す。
Figure 2015047764
大液滴の感度と、小液滴の感度は、何れも1.50(m/s/V)であり、一致した。
また、大液滴と小液滴との間で同じ駆動電圧値とする条件では、大液滴と小液滴との間に液滴速度差が生じたが、小液滴駆動電圧値=大液滴駆動電圧値+0.6Vの条件では、駆動電圧値を変化させても、大液滴と小液滴との間に液滴速度差は生じず、両者の液滴速度は一致した。また、射出安定性は、良好であった。
(駆動パルスセット4)
駆動パルスセット4における液滴速度、液滴量及び液滴量比の駆動電圧値依存性を表7に示す。また、液滴速度の駆動電圧値依存性(プロット)を図21に示す。
Figure 2015047764
大液滴の感度と、小液滴の感度は、何れも1.65(m/s/V)であり、一致した。
また、大液滴と小液滴との間で同じ駆動電圧値とする条件では、大液滴と小液滴との間に液滴速度差が生じたが、小液滴駆動電圧値=大液滴駆動電圧値−0.3Vの条件では、駆動電圧値を変化させても、大液滴と小液滴との間に液滴速度差は生じず、両者の液滴速度は一致した。また、射出安定性は、実用上問題ないものであった。
(駆動パルスセット5)
駆動パルスセット5における液滴速度、液滴量及び液滴量比の駆動電圧値依存性を表8に示す。また、液滴速度の駆動電圧値依存性(プロット)を図22に示す。
Figure 2015047764
大液滴の感度と、小液滴の感度は、何れも1.65(m/s/V)であり、一致した。
また、大液滴と小液滴との間で同じ駆動電圧値とする条件では、大液滴と小液滴との間に液滴速度差が生じたが、小液滴駆動電圧値=大液滴駆動電圧値−0.8Vの条件では、駆動電圧値を変化させても、大液滴と小液滴との間に液滴速度差は生じず、両者の液滴速度は一致した。また、射出安定性は、実用上問題ないものであった。
(駆動パルスセット6)
駆動パルスセット6における液滴速度の駆動電圧値依存性を表9に示す。また、液滴速度の駆動電圧値依存性(プロット)を図23に示す。
Figure 2015047764
大液滴の感度は、1.30(m/s/V)であり、小液滴の感度は、1.50(m/s/V)であり、不一致であった。
大液滴と小液滴との間で同じ駆動電圧値とする条件では、大液滴と小液滴との間に液滴速度差が生じた。
更に、例えば、大小液滴が両方とも液滴速度5m/sとなるように駆動電圧値を設定しても、感度が異なるため、駆動電圧値を変化させると、液滴速度差が生じ、両者の液滴速度は不一致となった。そのため、駆動パルスセット6については、液滴量の測定は省略した。なお、射出安定性は、良好であった。
(駆動パルスセット7)
駆動パルスセット7における液滴速度の駆動電圧値依存性を表10に示す。また、液滴速度の駆動電圧値依存性(プロット)を図24に示す。
Figure 2015047764
大液滴の感度は、1.75(m/s/V)であり、小液滴の感度は、1.65(m/s/V)であり、不一致であった。
大液滴と小液滴との間で同じ駆動電圧値とする条件では、大液滴と小液滴との間に液滴速度差が生じた。
更に、例えば、大小液滴が両方とも液滴速度5.1m/sとなるように駆動電圧値を設定しても、感度が異なるため、駆動電圧値を変化させると、液滴速度差が生じ、両者の液滴速度は不一致となった。そのため、駆動パルスセット7については、液滴量の測定は省略した。なお、射出安定性は、良好であった。
以上の結果を、表11に整理した。
Figure 2015047764
表11において、「感度」及び「同じ駆動電圧値での液滴速度」の一致/不一致は、有効数字3桁で判断した。
<評価>
本発明の条件を満たす駆動パルスセット1〜5は、感度(液滴速度変化量の駆動電圧値変化量依存性)が一致することがわかる。一方、本発明の条件を満たさない駆動パルスセット6、7(比較例)では、感度が一致しなかった。
更に、本発明によれば、駆動パルスセット1(図18)のように、同じ駆動電圧値での液滴速度を一致させることも可能であることがわかる。
なお、同じ駆動電圧値における液滴速度が不一致である場合であっても、本発明によれば、感度が一致していることにより、駆動パルスセット2〜5について検証(表5〜10)したように、駆動電圧値の変化に伴う大小液滴間の速度差の発生を防止することが可能になる。例えば、大液滴と小液滴とで、液滴速度が等しくなる駆動電圧値を一点でも決定すれば、その後は、大液滴と小液滴とで、駆動電圧値を同じ値だけ変更することで、速度差の発生を防止して、液滴量を容易に調整することが可能になる。
また、射出安定性を考慮した場合、大液滴駆動パルスの第1膨張パルス幅TL1及び/又は小液滴駆動パルスの第1膨張パルス幅TS1を1ALとすることが好ましいことがわかる。
1:インクジェット記録装置
22:ノズル形成部材
23:ノズル
27:隔壁
28:チャネル
29:電極
31:インクジェットヘッド(記録ヘッド)
300:接続電極
310:ヘッドチップ
6:フレキシブルケーブル
501:制御部
502:メモリ
503:切替部
504:駆動パルス発生部(駆動パルス発生手段)
505:インクジェットヘッド
L1:(大液滴駆動パルスの)第1膨張パルス要素
L2:(大液滴駆動パルスの)第1収縮パルス要素
L3:(大液滴駆動パルスの)第2膨張パルス要素
L4:(大液滴駆動パルスの)第2収縮パルス要素
S1:(小液滴駆動パルスの)第1膨張パルス要素
S2:(小液滴駆動パルスの)収縮パルス要素
S3:(小液滴駆動パルスの)第2膨張パルス要素

Claims (6)

  1. インクが充填された圧力室の壁を圧電素子で変形させ、該圧力室の容積を変化させることでノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドのノズルから大液滴を吐出するための大液滴駆動パルスと、前記インクジェットヘッドのノズルから小液滴を吐出するための小液滴駆動パルスとを発生させる駆動パルス発生手段とを有し、
    1駆動周期内で、前記大液滴駆動パルス、前記小液滴駆動パルスのいずれか又は両方を選択的に前記圧電素子に入力可能なインクジェット記録装置であって、
    前記大液滴駆動パルスは、時系列順に、前記圧力室の容積を膨張させる第1膨張パルス要素L1と、前記圧力室の容積を収縮させる第1収縮パルス要素L2と、前記圧力室の容積を再び膨張させる第2膨張パルス要素L3と、前記圧力室の容積を再び収縮させる第2収縮パルス要素L4と、を含んで構成されたパルスであり、前記第1収縮パルス要素L2のパルス幅TL2は、0.46AL以上、0.63AL以下の範囲であり、前記第2膨張パルス要素L3のパルス幅TL3は、0.75AL以上、1AL以下の範囲であって、
    前記小液滴駆動パルスは、時系列順に、前記圧力室の容積を膨張させる第1膨張パルス要素S1と、前記圧力室の容積を収縮させる第1収縮パルス要素S2と、前記圧力室の容積を再び膨張させる第2膨張パルス要素S3と、を含んで構成されたパルスであり、前記第1収縮パルス要素S2のパルス幅TS2は、0.35AL以上、0.54AL以下の範囲であり、前記第2膨張パルス要素S3のパルス幅TS3は、0.2AL以上、0.6AL以下の範囲であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記大液滴駆動パルスは、前記第1膨張パルス要素L1のパルス幅TL1が0.9AL以上1.1AL以下であり、前記第2収縮パルス要素L4のパルス幅TL4が1.8AL以上2.2AL以下であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記小液滴駆動パルスは、前記第1膨張パルス要素パルスS1のパルス幅TS1が0.9AL以上1.1AL以下であることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載のインクジェット記録装置。
  4. インクが充填された圧力室の壁を圧電素子で変形させ、該圧力室の容積を変化させることでノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドを備え、1駆動周期内で、前記インクジェットヘッドのノズルから大液滴を吐出するための大液滴駆動パルス、前記インクジェットヘッドのノズルから小液滴を吐出するための小液滴駆動パルスのいずれか又は両方を選択的に前記圧電素子に入力して、前記ノズルから、大液滴、小液滴のいずれか又は両方を吐出するインクジェットヘッドの駆動方法であって、
    前記大液滴駆動パルスは、時系列順に、前記圧力室の容積を膨張させる第1膨張パルス要素L1と、前記圧力室の容積を収縮させる第1収縮パルス要素L2と、前記圧力室の容積を再び膨張させる第2膨張パルス要素L3と、前記圧力室の容積を再び収縮させる第2収縮パルス要素L4と、を含んで構成されたパルスであり、前記第1収縮パルス要素L2のパルス幅TL2は、0.46AL以上、0.63AL以下の範囲であり、前記第2膨張パルス要素L3のパルス幅TL3は、0.75AL以上、1AL以下の範囲であって、
    前記小液滴駆動パルスは、時系列順に、前記圧力室の容積を膨張させる第1膨張パルス要素S1と、前記圧力室の容積を収縮させる第1収縮パルス要素S2と、前記圧力室の容積を再び膨張させる第2膨張パルス要素S3と、を含んで構成されたパルスであり、前記第1収縮パルス要素S2のパルス幅TS2は、0.35AL以上、0.54AL以下の範囲であり、前記第2膨張パルス要素S3のパルス幅TS3は、0.2AL以上、0.6AL以下の範囲であることを特徴とするインクジェットヘッドの駆動方法。
  5. 前記大液滴駆動パルスは、前記第1膨張パルス要素L1のパルス幅TL1が0.9AL以上1.1AL以下であり、前記第2収縮パルス要素L4のパルス幅TL4が1.8AL以上2.2AL以下であることを特徴とする請求項4記載のインクジェットヘッドの駆動方法。
  6. 前記小液滴駆動パルスは、前記第1膨張パルス要素パルスS1のパルス幅TS1が0.9AL以上1.1AL以下であることを特徴とする請求項4又は5の何れかに記載のインクジェットヘッドの駆動方法。
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