JP2015047622A - 鍛造用スイングプレス - Google Patents
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Abstract
Description
往復運動に変換されたスライドの下面には上金型が取り付けられ、ベッド上に固定された下金型に接近して、下金型の上に置かれた素材を上下金型で加圧することで成形している。
また、近年はサーボモータで駆動するプレスが開発されているが、熱間鍛造用プレスでは高速成形が要求されることから、大きなモータトルクが必要となり、このような電源容量の大型化に伴って非常に高価な設備となっている。
その構造は、クランク軸の偏心部に連結されたコンロッドと、並列配設された複数のプランジャガイドに摺動自在に嵌装された各プランジャ型スライドとをリンクで連結させ、コンロッドの下端部をクランク軸の回転に伴って下端部中心の上下移動を許容しかつその下端部中心を回転中心として回動可能に案内する対応形状軸受部材に嵌装したものである。
したがって、金型の全面で加圧する点では従来の伝統的な機械プレスと同じであり、プレス負荷が大きいという問題を解消できるものではない。
第3発明の鍛造用スイングプレスは、第1または第2発明において、前記コンロッドの前記他端部側に前記第二の金型が前記第一の金型に相対するように取付けられており、該第二の金型のパーティングラインが前記コンロッドの前記他端部側の回転中心に一致していることを特徴とする
第4発明の鍛造用スイングプレスは、第1、第2または第3発明において、前記偏心軸の駆動源が、サーボモータであることを特徴とする。
第5発明の鍛造用スイングプレスは、第4発明において、前記駆動源を制御する制御装置を備えており、該制御装置が、前のサイクルでの成形が完了後に遅くとも前記第二の金型が上死点を越えた位置で入制御し、前記第二の金型が下死点を越えて成形が完了するまでは前記入制御を保持し、ついで切制御を行う入切制御部を有することを特徴とする。
第6発明の鍛造用スイングプレスは、第4発明において、前記偏心軸の駆動源を制御する制御装置を備えており、該制御装置が前記偏心軸の下死点近傍以外の前記コンロッドの角速度の大きい領域において前記偏心軸の回転を低速で回転させる回転角制御部を備えることを特徴とする。
第7発明の鍛造用スイングプレスは、第4発明において、シャットハイトを調整するシャットハイト調整機構と、前記偏心軸の駆動源を制御する制御装置を備えており、該制御装置が、前記偏心軸の正転・停止・逆転を制御する正逆転制御部であることを特徴とする。
第8発明の鍛造用スイングプレスは、第1発明において、前記第一の金型を前記固定部上で所定方向と直交する平面内で回転させる回転機構を備えることを特徴とする。
このような上・下金型による型成形を一気に行わないで、徐々に進行させる第1発明のコンセプトは革新的なものであり、かつそれによって得られるプレスの小形化と低コスト化も顕著なものである。
第3発明によれば、上金型のパーティングラインが被ガイド体の回転中心と一致しているので、上金型の運動は上下運動とガイド体の回転中心にも対する揺動運動となり、相対する下金型の上面の成形位置に対して前後方向の位置ずれをほぼ無くすことができる。
前記第1発明によれば成形負荷が小さくなるので、大出力をもたないサーボモータを駆動源として使用することが可能である。それゆえ第4発明のようにサーボモータを使うことによって高い制御性を発揮でき、動力源の入切り点を可変にし、低高速の切り換えを可能とし、正逆運転の繰返しを可能とすることができる。このため、制御性に優れた鍛造用機械プレスが得られる。
第5発明によれば、上金型の下死点前から下死点直下までの加圧はもとより、下死点直下からその後も駆動力を加えて加圧することができるので、下金型上の素材に対して前半の加圧工程も後半の加圧工程も加圧力を加えられるので、加工効率が向上し成形精度も高くなる。
第6発明によれば、コンロッドの加速の大きい領域ではコンロッドが高角速度で揺動するので潤滑油を大きく飛散させやすいが、この領域での回転を低速にすれば衝突時の速度を抑制して潤滑油の飛散を防止しやすい。
第7発明によれば、偏心軸を正転させ、下金型上の素材を上金型の一端部から他端部に向けて順に接触させて加圧し、いったん偏心軸を停止させた状態でシャットハイトを小さくし、次いで偏心軸を逆転させて下金型上の素材を上金型の他端部から一端部に向けて順に接触させて加圧する一連の成形動作を繰り返すことができる。このような繰り返し成形を行うことによって、負荷を小さくしながら素材を望む型に鍛造することができる。
第8発明によれば、下金型の素材を一度加圧し、ついで回転機構によって下金型を水平面内で回転させると、当初加圧できなかった部分も加圧できる。このため、上下金型より幅の大きい素材であっても型鍛造することができる。
図1および図2に基づき、まず鍛造用スイングプレスPの鍛造プレスとしての基本構造を説明する。
1はプレスフレームで、下方のベッド2と上方の上部フレーム3とこれらを互いに連結する4本のコラム4を備えている。
各コラム4にはタイロッド5が通されており、これによりベッド2とクラウン3が強固に締結されている。そして、左側の前後のコラム4,4の間にはサイドフレーム6が固定され、右側の前後のコラム4,4の間にもサイドフレーム6が取付けられている。
そこでまず、コンロッド11自体の構造を図4および図5に基づき説明する。
左右の縦ブロック12,12の上部には前記偏心軸8の偏心部8aを通す孔14,14が形成されている。
左右の縦ブロック12,12の下部、具体的には横ブロック13の下面には、金型ホルダー15を介して上金型16(特許請求の範囲にいう第二の金型に相当する)が取付けられるようになっている。
揺動ガイドはコンロッド11側の被ガイド体20とプレスフレーム側のガイド溝25(図1〜3参照)とからなる。
そして、左右の縦ブロック12,12の下端部には外方に突出する支軸23が形成されており、この支軸23に前記被ガイド体20の軸受22が回転自在に嵌められている。
図1の状態は上金型16が下死点位置に降りてきた状態である。この状態で上金型16の下面と下金型36の上面は最接近して加圧している状態であり、この状態における上金型16の下面は上下金型を分けるパーティングラインL16となっている。
このパーティングラインL16は被ガイド体20の軸心と一致させられている。ただし、完全一致でなくても良く、多少ずれてもよい。なお、その利点は後述する。
図6(A)は偏心軸8の偏心部8bが真下を向いているのでコンロッド11は最下降した状態である。つまり、上金型16は下死点位置となる。
図6(B)は偏心軸8の偏心部8bが上死点位置から270°反時計方向に回転した状態を示している。このとき、コンロッド11の上部は左側に移動するが、下部の被ガイド体20はプレスフレーム(サイドフレーム6)のガイド溝が25内に嵌合しているので、横移動はしない。このため、コンロッド11は全体として左向きに傾斜する。
上記のごとき動きは、コンロッド11の下面がシーソーのように揺動することを意味している。このような動作の間、ガイドブロック21はガイド溝25内で昇降し、また軸受22はコンロッド11の傾斜運動(揺動動作)を許容する。
偏心軸8が反時計回りに回るとき、コンロッド11は左傾斜から直立へ、さらに右傾斜の順で姿勢変更する。このとき、上金型16の下面は、I位置で図中左下りの傾斜姿勢、II位置で傾斜角が減少、III位置で水平、IV位置で図中右下りの小傾斜が生じ、V位置で右下りの傾斜姿勢をとる。つまり、コンロッド11の昇降と傾斜に伴い、上金型16は前記IからVに示す揺動動作を行う。また、上金型16の下面の移動軌跡は上向きに凸の曲面となる。
なお、このように揺動しても被ガイド体20の昇降経路はガイド溝25で案内されているので、上金型16は下金型36に対しズレを生ずることはない。
このような金型形状を得るには、a)上金型の下面を下向きに凸の曲面とし下金型の上面をフラットとするものと、b)上金型の下面をフラットとし、下金型の上面を上向きに凸の曲面とするものとの二つの方法がある。
上金型16の下面16fは、上金型両端を結ぶフラットな線L16と比較するとよく分かるように、下向きに凸の曲面を有しており、曲面は揺動方向に沿って上金型16の図中左端(一端)から中央を越えて図中右端(他端)に向けて変化している。この曲面は、上金型16の下面が下死点近傍で描く軌跡(図7参照)の反転形状である。
下金型36の上面36fは湾曲してないフラットな平面に仕上げられている。なお、上下金型とも上金型の揺動中に上下金型の成形位置が正確に対応するように形状付与した金型でなければならない。
このような入切制御を行うと、上金型16の下死点前から下死点直下までの加圧はもとより、下死点直下からその後も駆動力を加えて加圧することができるので、下金型36上の素材に対して前半の加圧工程も後半の加圧工程も加圧力を加えることができ、加工効率が向上し成形精度も高くなる。
このような回転角制御を行うと、コンロッド11の角速度の大きい領域ではコンロッド11が高角速度で揺動するため潤滑油を大きく飛散させやすいが、この領域(偏心軸8の90°、270°近傍)での回転を低速にすれば衝突時の速度を抑制して潤滑油の飛散を防止しやすくなる。
前記シャットハイト調整と正逆転制御を組合わせると、偏心軸8を正転させ、下金型36上の素材を上金型16の一端部から他端部を順に接触させて加圧し、加圧後にシャットハイトを小さくして、次いで偏心軸8を逆転させて下金型36上の素材を上金型16の他端部から一端部を順に接触させて加圧する一連の成形動作が可能となる。このような振り子モーションを繰り返すことによる追い込み鍛造も可能となり、このような追い込み鍛造を行うことによって、より負荷を小さくしながら素材を望む型に鍛造することができる。
前記実施形態では、金型形状を上金型16の下面が下向きに凸の曲面に仕上げられたものであったが、本実施形態では金型形状を前記b)のタイプとしたものである。すなわち、図10に示すように、下金型36の上面36fは、上向きに凸の曲面に仕上げられたものであり、上金型16の揺動動作の方向に沿って変化している。つまり、この曲面は、下金型両端を結ぶフラットな線L36と比較するとよく分かるように、上金型16の下面が下死点近傍で描く軌跡(図7参照)と同形状である。
また、図9は上金型16の傾斜角θが30〜0°の範囲で変化するときの上金型下面の位置を示している。
このような実施形態でも、前記実施形態と同様に、成形は上・下金型の一端部から他端部に向けて順々に進行するので、加圧力は小さくてすみ、駆動源が小形のもので足りる。また、鍛造音も減少させることができる。
つまり、下金型ホルダー35か、あるいは適当な回転台座37に下金型36を固定し、ギヤ駆動等の手段で下金型ホルダー35か回転台座37を水平面内で回転可能とされている。
たとえば、歯車のような円形の鍛造品を仕上げる場合、上金型16の幅W16が鍛造品の幅より狭くても、一度加工した後、回転台座37を回転させれば未加工領域を加工できる。このような作業を何度か繰り返すことで、幅広の鍛造品を小型の金型を用いて加工することができる。
2 ベッド
3 クラウン
6 サイドフレーム
8 偏心軸
9 サーボモータ
10 制御装置
11 コンロッド
16 上金型
20 被ガイド体
25 ガイド溝
36 下金型
Claims (8)
- プレスフレームに回転自在に取付けられた偏心軸と、一端側が該偏心軸に連結されて該偏心軸の回転により所定方向へ往復動作するコンロッドと、第一の金型を固定する固定部を備えるプレスであって、
前記コンロッドの往復動作に揺動動作を加える揺動ガイドを備えており、
前記コンロッドの他端側に第二の金型が取付けられており、
前記第二の金型の表面または前記第一の金型の表面が、相対する金型へ向かって凸となる曲面をなしており、かつ該曲面が前記揺動動作の方向に沿って変化している
ことを特徴とする鍛造用スイングプレス。 - 前記揺動ガイドが、
前記コンロッドの前記他端部側を回転可能に支持し、前記コンロッドの往復動作に伴い前記所定方向へ往復動作可能な被ガイド体と、
前記プレスフレームに設けられた前記所定方向に延びたガイド部とからなり、
該ガイド部は前記被ガイド体の前記所定方向へ往復動作を案内するものである
ことを特徴とする請求項1記載の鍛造用スイングプレス。 - 前記コンロッドの前記他端部側に前記第二の金型が前記第一の金型に相対するように取付けられており、
該第二の金型のパーティングラインが前記コンロッドの前記他端部側の回転中心に一致している
ことを特徴とする請求項1または2記載の鍛造用スイングプレス。 - 前記偏心軸の駆動源が、サーボモータである
ことを特徴とする請求項1,2または3記載の鍛造用スイングプレス。 - 前記駆動源を制御する制御装置を備えており、
該制御装置が、前のサイクルでの成形が完了後に遅くとも前記第二の金型が上死点を越えた位置で入制御し、前記第二の金型が下死点を越えて成形が完了するまでは前記入制御を保持し、ついで切制御を行う入切制御部を有する
ことを特徴とする請求項4記載の鍛造用スイングプレス。 - 前記偏心軸の駆動源を制御する制御装置を備えており、
該制御装置が、前記偏心軸の下死点近傍以外の前記コンロッドの角速度の大きい領域において前記偏心軸の回転を低速で回転させる回転角制御部を備える
ことを特徴とする請求項4記載の鍛造用スイングプレス。 - シャットハイトを調整するシャットハイト調整機構と、前記偏心軸の駆動源を制御する制御装置を備えており、
該制御装置が、前記偏心軸の正転・停止・逆転を制御する正逆転制御部である
ことを特徴とする請求項4記載の鍛造用スイングプレス。 - 前記第一の金型を前記固定部上で所定方向と直交する平面内で回転させる回転機構を備える
ことを特徴とする請求項1記載の鍛造用スイングプレス。
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