以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3と、から構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域のほぼ中央位置には、変動表示装置4が設けられている。
変動表示装置4は、例えばTFT(Thin Film Transistor)によるアクティブマトリクス型LCDや、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electro Luminescence)、またはCRT(Cathode Ray Tube)などを用いて構成される。普通可変入賞球装置6に遊技球が入賞することが実行条件となる変動表示ゲームにおいて、変動表示装置4は、数字、文字、絵柄等から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する表示図柄を、複数の表示領域にて変動表示可能に表示する。変動表示装置4により行われる変動表示ゲームでは、表示図柄の変動表示を開始した後、一定時間が経過すると、各表示領域における表示図柄の変動表示結果を所定の順序で導出表示し、確定図柄(最終停止図柄)を停止表示する。そして、確定図柄の組合せ(停止図柄態様)が所定の特定表示結果(大当り)となったときに、このパチンコ遊技機1は、特定遊技状態(大当り遊技状態)となる。この大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の開閉板が所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまでの期間において開成され、開成されている間は遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に閉成する。そして、この開成サイクルを所定の上限回数(例えば、16回)まで繰り返すことができる。
この実施の形態では、変動表示装置4における表示領域として、左、中、右の3つの表示領域が設けられ、各表示領域において、それぞれ8種類の表示図柄「1」〜「9」が表示図柄として変動表示可能に表示されるものとする。例えば、左、中、右の各表示領域では、変動表示ゲーム中に表示図柄の変動が開始されると、図柄が示す番号の小さいものから大きいものへと更新表示やスクロール表示が行われ、表示図柄「9」が表示されると、次に表示図柄「1」が表示される。
変動表示装置4による変動表示ゲームにおいて、表示図柄の変動表示を開始した後、左、中、右の各表示領域にて同一の表示図柄が表示結果として導出表示されて確定したときには、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態となる。ここで、この実施の形態では、奇数を示す表示図柄「1」、「3」、「5」、「7」を確変大当り図柄とし、変動表示ゲームにおける変動表示結果として左、中、右の各表示領域にて同一の確変大当り図柄が揃って導出表示されて確定したときは、所定の特別表示結果としての確変大当りとなる。確変大当りとなったときには、その確変大当りに基づく大当り遊技状態が終了した後、特別遊技状態の一例として、確率変動制御(確変制御)が行われる高確率状態となる。確変制御が行われる高確率状態において、変動表示ゲームにおける変動表示結果が大当りとなって大当り遊技状態に制御される確率は、通常遊技状態よりも向上する。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態や高確率状態以外の遊技状態のことであり、変動表示ゲームにおける変動表示結果が大当りとなる確率は、電源投入直後などの初期設定状態と同一に制御されている。ここで、大当り遊技状態が終了した後に高確率状態などの特別遊技状態に制御されてもよいし、変動表示ゲームで確変大当りとなったことに基づいて直ちに特別遊技状態に制御されてもよい。
また、この実施の形態では、偶数を示す表示図柄「2」、「4」、「6」、「8」を通常大当り図柄とし、変動表示ゲームにおける変動表示結果として左、中、右の各表示領域にて同一の通常大当り図柄が揃って導出表示され確定したときには通常大当りとなる。この通常大当りとなったときには、大当り遊技状態が終了した後に確変制御が行われないため、変動表示ゲームにおける変動表示結果が大当りとなって大当り遊技状態に制御される確率は向上しない。
この実施の形態では、変動表示ゲームにおける変動表示結果が確変大当りとなったときには、その確変大当りに基づく大当り遊技状態が終了した後、次の大当りが通常大当りとなるまで、継続して確変制御が行われる高確率状態となるものとする。なお、高確率状態にて実行される変動表示ゲームで大当りとなるときには一旦高確率状態が終了し、その大当りが確変大当りであるときには、再び高確率状態に制御されるものであってもよい。
変動表示装置4の下側には、普通可変入賞球装置(始動入賞口)6が配置されている。普通可変入賞球装置6の下側には、特別可変入賞球装置(大入賞口)7が配置されている。特別可変入賞球装置7は、普通可変入賞球装置6への入賞タイミングに基づいて変動表示ゲームが行われた結果、大当りとなった場合に前面に設けられた開閉板の開成動作を行う。また、遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。
パチンコ遊技機1には、図2に示すような主基板11と、表示制御基板12と、が搭載されている。主基板11と表示制御基板12は、パチンコ遊技機1の背面の適所に配置され、両基板の間は信号線により接続されている。なお、パチンコ遊技機1の背面には、電源基板や音声制御基板、ランプ制御基板、払出制御基板、情報端子基板などといった、各種の制御基板も配置されている。
主基板11には、普通可変入賞球装置6や特別可変入賞球装置7、その他の入賞口への遊技球の入賞等を検出するための各入賞口スイッチ70からの配線も接続されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、変動表示ゲームにおいて用いる乱数の生成機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、表示制御基板12や音声制御基板、ランプ制御基板、払出制御基板などからなるサブ側の制御基板に制御コマンドを出力・送信する機能などを備えている。
主基板11は、表示制御基板12に対して、表示制御コマンドを送出し、その表示を制御する。この表示制御コマンドとしては、例えば、変動開始コマンド、表示図柄指定コマンド、表示図柄確定コマンドなどが、予め用意されている。
変動開始コマンドは、変動表示装置4における表示図柄の変動表示を開始する旨を指示するためのコマンドであり、表示制御基板12は、変動開始コマンドに対応して、表示図柄の総変動時間や、変動表示結果が大当りとなるか否かの判定結果、リーチとするか否かの判定結果などを特定する。表示図柄指定コマンドは、変動表示装置4に設けられた左、中、右の各表示領域にて、変動表示ゲームの実行中に停止表示される確定図柄等の表示図柄を指定するためのコマンドである。表示図柄確定コマンドは、表示図柄の変動表示の終了を指示するコマンドである。
主基板11は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ(マイコン)100及びスイッチ回路107などを備える。遊技制御用マイコン100は、例えば1チップマイコンであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)101、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)102、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103、乱数回路104、及びI/O(Input/Output)ポート105を含んでいる。スイッチ回路107は、各入賞口スイッチ70からの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイコン100に伝送する。
乱数回路104は、CPU103の制御下に、遊技の進行を制御するために各種の乱数をカウントする。具体的な一例として、乱数回路104は、CPU103の設定・制御に従って、大当り判定用乱数や確変判定用乱数、リーチ判定用乱数、確定図柄決定用乱数、及び変動パターン決定用乱数などとして用いられる数値データをカウント可能に制御する。大当り判定用乱数は、大当りを発生させてパチンコ遊技機1を大当り遊技状態とするか否かを決定するために用いられる判定用の乱数である。確変判定用乱数は、大当りとなる確率を向上させる高確率状態とするか否かを決定するために用いられる乱数である。確定図柄決定用乱数は、変動表示ゲームにおける表示図柄の確定図柄を決定するために用いられる表示用の乱数である。変動パターン決定用乱数は、表示図柄の変動パターンを決定するために用いられる表示用の乱数である。
リーチ判定用乱数は、変動表示ゲームにおける変動表示結果をハズレとするときに表示図柄の変動表示態様をリーチ表示態様とするか否かを決定するために用いられる表示用の乱数である。ここで、リーチ表示態様とは、導出表示した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ導出表示していない図柄(リーチ変動図柄という)については変動表示が行われている表示態様、あるいは、全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様のことである。具体的には、予め定められた複数の表示領域に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行われている表示態様(例えば、左、中、右の表示領域のうち左、中の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で右の表示領域は未だ変動表示が行われている表示態様)、あるいは、有効ライン上の表示領域の全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様(例えば、左、中、右の表示領域の全てで変動表示が行われてどの状態が表示されても同一の図柄が揃っている態様で変動表示が行われている表示態様)である。
ROM101は、図3(a)に示すように、遊技制御プログラム111、変動表示装置4による変動表示ゲームの変動表示結果を大当りとするか否かを判定するための大当り判定テーブル112,変動表示ゲームの識別情報の変動表示をリーチ変動とするか否かを判定するためのリーチ判定テーブル113、及び変動表示ゲームの変動パターンを判定するための変動パターン判定テーブル114等を含む。
変動パターン判定テーブル114は、変動表示ゲームにおける表示図柄の複数の変動パターンを特定する情報を格納する。
変動パターン判定テーブル114に登録されている変動パターンには、例えば、図1に示す変動表示装置4に表示する左・中・右の表示図柄(図1では、「7」)を変動表示させ、リーチ演出を行わずに、最終図柄を導出する変動パターン、リーチ演出(例えば、左図柄と右図柄が同一)を行って最終図柄(当り又はハズレ)を導出するリーチ変動パターン等が含まれている。
RAM102は、図3(b)に示すように、保留メモリ121、遊技制御プロセスフラグ122、確変フラグ123、時短フラグ124、大当りフラグ125、及び変動時間タイマ126等を格納する。
保留メモリ121は、現在実行中の変動表示ゲームに関する情報と、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞して変動表示ゲームを実行するための条件である実行条件(変動実行条件)が成立したが、従前の変動表示ゲームを実行中である等の理由のために変動を実際に開始するための開始条件(変動開始条件)が成立していない変動表示ゲームの保留情報を記憶するためのメモリである。
具体的には、保留メモリ121は、第1〜第4の4個のエントリを備え、保留状態にある変動表示ゲームの情報を記憶する。第1〜第4の各エントリには、普通可変入賞球装置6への入賞による変動実行条件の成立順に、その入賞により抽出された乱数値が格納される。
変動表示ゲームが1回終了すると、第2〜第4エントリに登録されている保留情報が1エントリずつ繰り上がり、新たに第1エントリに登録された保留情報について変動開始条件が成立する。また、遊技球が普通可変入賞球装置6に新たに入賞した場合には、その入賞による乱数値が最上位の空エントリに登録される。
遊技制御プロセスフラグ122は、図12を参照して後述する遊技制御プロセス処理(変動表示ゲームを制御する処理)において、どの処理を選択・実行すべきかを示すフラグである。
確変フラグ123は、パチンコ遊技機1の遊技状態が、確変状態(確率変動状態)に制御されているときに設定されるフラグである。確変状態は、変動表示ゲームにおいて大当りとなる確率が通常よりも高く設定されている状態である。時短フラグ124は、パチンコ遊技機1の遊技状態が、時短状態に制御されているときに設定されるフラグである。時短状態は、変動表示ゲームにおける表示図柄の変動時間が通常よりも短く設定されている状態である。確変状態及び時短状態は、通常の遊技状態よりも、遊技者に有利な遊技状態であり、変動時間の短い変動パターンが選択される。
大当りフラグ125は、パチンコ遊技機1の遊技状態が、大当り状態、即ち、特定遊技状態に制御されているときに設定されるフラグである。特定遊技状態は、変動表示ゲームにおいて確定された表示図柄の組み合せが所定の大当り組合せ(例えば、同一図柄のゾロ目)となったときに設定される。特定遊技状態においては、特別可変入賞球装置7が所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞玉が発生するまで開放され、開放している間、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止める。そして、受け止めた遊技球が、特別可変入賞球装置7内に設けられた特定領域(図示しない)を通過すること(V入賞)を条件として、閉鎖後、再び開放し、この開放サイクルを最高16回繰り返すことができる。
変動時間タイマ126は、変動表示ゲーム(変動表示装置4上での表示図柄の変動)を開始してからの経過時間をカウントするためのカウンタである。
図2に示す表示制御基板12は、主基板11とは独立して変動表示ゲームにおける表示制御をコンピュータプログラムに従って行うものであり、主基板11から送信される制御コマンドに基づいて、変動表示装置4の表示を制御する。
図4に示すように、表示制御基板12は、発振回路131と、リセット回路132と、CPU133と、制御ROM134と、RAM135と、ビデオディスプレイプロセッサ(以下、VDP:Video Display Processor)136と、画像ROM137と、VRAM(Video RAM)138と、LCD駆動回路139とを備えている。
発振回路131は、CPU133及びVDP136に基準クロック信号を出力するものである。CPU133は、この基準クロック信号のパルス数をカウントすること等により、経過時間などを測定する。リセット回路132は、CPU133及びVDP136をリセットするためのリセット信号を出力するものである。
CPU133は、制御ROM134に格納されている動作プログラムを実行し、遊技制御用マイコン100から表示制御コマンドを受信するとRAM135を作業領域として用いながら制御ROM134から表示制御を行うための表示制御データを読み出す。CPU133は、読み出した表示制御データに基づいてVDP136に描画命令を送る。
制御ROM134は、CPU133によって利用される各種制御プログラム及び制御データ等を格納する半導体メモリであり、例えば、CPU133が後述する表示制御動作を実行するための制御プログラムを格納する。
RAM135は、CPU133によって作業領域として利用される半導体メモリである。
VDP136は、CPU133からの描画命令に従って動作し、静止画および動画の変形(拡大縮小、トリミング)や合成などの処理を行う機能を有する。また、VDP136は、圧縮されている動画データについては、伸長する機能を有する。
画像ROM137は、様々な映像を変動表示装置4に表示するための画像データを格納するものであり、具体的には、図5に示すように、各表示図柄の種類に応じた表示図柄画像の画像データが、表示図柄ごとに記憶されている。この実施の形態において、表示図柄画像は、320ドット×320ドットのサイズを有し、RGB色形式(Red Green Blue color model)で表現される。RGB色形式は、コンピュータで色を表現する際に用いられる表記法の一つで、色を赤(R)・緑(G)・青(B)の3つの色の組み合わせとして表現する。この3色は光の三原色と呼ばれ、この組み合わせですべての色を表現できる。この実施の形態において、表示図柄画像は、24ビットのRGB色形式で表現される。表示図柄画像の画像データでは、赤色チャンネル、緑色チャンネル、青色チャンネル各々に8ビットが割り当てられている。
また、画像ROM137は、表示図柄画像と合成される複数種類のアニメーション画像(背景画像)の画像データを格納する。アニメーション画像は、80ドット×80ドットのサイズを有し、24ビットのRGBA色形式(Red Green Blue Alpha color model)で表現される。RGBA色形式は、コンピュータで色を表現する際に用いられる表記法の一つで、色を赤(R)・緑(G)・青(B)の三原色と、透明度(A)と、の組み合わせとして表現する。RGBA色形式は、RGB色形式に透明度を加えたもので、半透明の画像を表現することができる。透明度のデータはアルファ値(α値)と呼ばれ、アルファ値を保存するデータ領域はアルファチャンネル(αチャンネル)と呼ばれる。
この実施の形態において、アニメーション画像の画像データでは、赤色チャンネル、緑色チャンネル、及び青色チャンネルに加え、赤(R)・緑(G)・青(B)のそれぞれに対応して、3つのアルファチャンネルAR、AG、及びABが設けられ、計6つのチャンネルには、各々4ビットが割り当てられている。すなわち、アニメーション画像の画像データは、赤(R)・緑(G)・青(B)の各色のビット数(4ビット)が、表示図柄画像の画像データの各色のビット数(8ビット)よりも少なくなっているので、画像ROM137に格納される画像データの容量を少なくすることができる。
この実施の形態では、画像ROM137に、R値、G値、及びB値が同一で、3つのアルファチャンネルAR、AG、及びABの各々に保存されている3つのアルファ値が異なる3つのアニメーション画像の画像データ#1〜#3が格納されている。すなわち、複数種類のアニメーション画像は、アニメーション画像の画像データ#1〜#3において共通のものとなっている。そして、3つのアニメーション画像の画像データ#1〜#3は、R値、G値、及びB値の組合せによって表現される複数種類のアニメーション画像を連続的に切り換えて表示することにより、図6(A)、図7(A)、及び図8(A)に示すような、共通のアニメーション表示を行うことができる。
アニメーション画像の画像データ#1のアルファチャンネルARには、表示図柄「1」に対応する表示図柄画像と略同一形状の透過部分(くり抜き部分)が形成されるようにアルファ値が設定された、図6(B)に示すマスク画像(マスクデータ)が保存されている。マスク画像は、縮小後表示図柄画像を重ね合わせる部分以外をマスクし、縮小後表示図柄画像のうちマスクされていない部分を消去するものである。また、マスク画像では、縮小後表示図柄画像を重ね合わせる部分の縁にぼかし処理が施されている。アニメーション画像の画像データ#1のアルファチャンネルAGには、表示図柄「2」に対応する表示図柄画像と略同一形状の透過部分が形成されるようにアルファ値が設定された、図7(B)に示すマスク画像が保存されている。アニメーション画像の画像データ#1のアルファチャンネルABには、表示図柄「3」に対応する表示図柄画像と略同一形状の透過部分が形成されるようにアルファ値が設定された、図8(B)に示すマスク画像が保存されている。
アニメーション画像の画像データ#2のアルファチャンネルARには、表示図柄「4」に対応する表示図柄画像と略同一形状の透過部分が形成されるようにアルファ値が設定されたマスク画像が保存されている。アニメーション画像の画像データ#2のアルファチャンネルAGには、表示図柄「5」に対応する表示図柄画像と略同一形状の透過部分が形成されるようにアルファ値が設定されたマスク画像が保存されている。アニメーション画像の画像データ#2のアルファチャンネルABには、表示図柄「6」に対応する表示図柄画像と略同一形状の透過部分が形成されるようにアルファ値が設定されたマスク画像が保存されている。
アニメーション画像の画像データ#3のアルファチャンネルARには、表示図柄「7」に対応する表示図柄画像と略同一形状の透過部分が形成されるようにアルファ値が設定されたマスク画像が保存されている。アニメーション画像の画像データ#3のアルファチャンネルAGには、表示図柄「8」に対応する表示図柄画像と略同一形状の透過部分が形成されるようにアルファ値が設定されたマスク画像が保存されている。アニメーション画像の画像データ#3のアルファチャンネルABには、表示図柄「9」に対応する表示図柄画像と略同一形状の透過部分が形成されるようにアルファ値が設定されたマスク画像が保存されている。
このように、アニメーション画像の画像データ#1は、各々複数種類の表示図柄「1」〜「3」を示す表示図柄画像に対応したマスク画像を含んで構成され、アニメーション画像の画像データ#2は、各々複数種類の表示図柄「4」〜「6」を示す表示図柄画像に対応したマスク画像を含んで構成され、アニメーション画像の画像データ#3は、各々複数種類の表示図柄「7」〜「9」を示す表示図柄画像に対応したマスク画像を含んで構成されている。このようにすれば、少ないアニメーション画像の画像データで、複数種類の表示図柄の全てを表現することが可能となるため、画像データの容量を少なくすることができる。
アニメーション画像の画像データ#1において、図6(A)に示すR値、G値、及びB値によって表現されるアニメーション画像に、図6(B)に示すアルファチャンネルARに保存されているマスク画像を選択して重ね合わせた場合には、図6(C)に示すような、表示図柄「1」に対応する表示図柄画像と略相似形にくり抜かれたマスク後アニメーション画像となる。
アニメーション画像の画像データ#1において、図7(A)に示すR値、G値、及びB値によって表現されるアニメーション画像に、図7(B)に示すアルファチャンネルAGに保存されているマスク画像を選択して重ね合わせた場合には、図7(C)に示すような、表示図柄「2」に対応する表示図柄画像と略相似形にくり抜かれたマスク後アニメーション画像となる。
アニメーション画像の画像データ#1において、図8(A)に示すR値、G値、及びB値によって表現されるアニメーション画像に、図8(B)に示すアルファチャンネルABに保存されているマスク画像を選択して重ね合わせた場合には、図8(C)に示すような、表示図柄「3」に対応する表示図柄画像と略相似形にくり抜かれたマスク後アニメーション画像となる。
上述したように、表示図柄画像は、320ドット×320ドットのサイズを有するのに対し、アニメーション画像は、80ドット×80ドットのサイズを有している。そこで、本実施の形態では、図9(A)に示す表示図柄画像のサイズを320ドット×320ドットから80ドット×80ドットに調整(縮小)して、図9(B)に示す縮小後表示図柄画像を生成する。そして、縮小後表示図柄画像を、この縮小後表示図柄画像と略相似形にくり抜かれたマスク後アニメーション画像に順次合成していくことにより、合成表示図柄画像を生成する。例えば、図10(A)に示す表示図柄「1」に対応する縮小後表示図柄画像と略相似形にくり抜かれたマスク後アニメーション画像に、図10(B)に示す表示図柄「1」に対応する縮小後表示図柄画像を順次合成していくことにより、図10(C)に示す表示図柄「1」に対応する合成表示図柄画像を生成する。
このように、アニメーション画像において、表示図柄画像を重ね合わせる部分以外をマスクするとともに、縮小後表示図柄画像を重ね合わせる部分の縁にぼかし処理が施されたマスク画像を用いてマスク処理を行うとともに、アニメーション画像のうちマスク処理によりマスクされていない部分を消去した後、該消去された部分に縮小後表示図柄画像を重ね合わせることにより、合成表示図柄画像を順次生成していく。これにより、アニメーション画像と縮小後表示図柄画像とが重なり合う部分の縁に、ぼかし処理が施されたマスク画像を用いてマスク処理を行うことにより、アニメーション画像と縮小後表示図柄画像との境目の好適な表示を実現することができる。
また、表示図柄画像のサイズを調整してからマスク後アニメーション画像に合成することで、マスク後アニメーション画像と表示図柄画像との境目を、より好適に表示を行うことができる。
そして、このようにして生成された合成表示図柄画像を用いて、変動表示状態での画像処理動作を実行する。まず、理解を容易にするため、合成表示図柄の配列と図柄の変動順とに基づいて各画像を図11に示すようにマトリクス状に配置して考える。
まず、現在、変動表示装置4に表示している合成表示図柄が図11の符号E1で示すように合成表示図柄の「6」〜「8」であるとする。このような場合を、表示領域(E1)の位置が表示図柄の「6」〜「8」を含む位置にあるとして考える。合成表示図柄の変動表示は、図11に示すように、大まかに、E1(「6」,「7」,「8」)、E2(「5」,「6」,「7」)、E3(「4」,「5」,「6」),…と順次変化する。
ただし、E1、E2、E3、…に段階的に変化するのではなく、表示はスムーズ(連続的)に変化する。以下、具体的な変動表示処理について説明する。まず、表示領域(E1)の大きさでは抽出すべき表示図柄の数(抽出図柄数)は4である。従って、抽出する表示図柄の種類は、「5」〜「8」となる。次に、アニメーション変動インデックスデータを読み出す(アニメーション変動インデックスデータはCPU133の内蔵タイマ(計時手段)が30msを計時するたびに1加算するインデックスデータであり「1」〜「5」の範囲で更新され、各表示図柄についてどの表示態様(模様)の合成表示図柄画像を選択するかを指定する。次に、表示対象の合成表示図柄画像の画像データの記憶位置のアドレスを判別し、表示図柄の「5」〜「8」に対応する合成表示図柄画像の画像データを生成し、縦方向に並べてVRAM138に展開する。
この例では、アニメーション変動インデックスデータをある表示図柄が選択されてからの経過時間を指定するためのデータとしても使用し、まず、「1」とする。そして、アニメ変動インデックスデータ「1」に基づいて、表示領域を例えば基準位置(0,150)に位置する。なお、アニメ変動インデックスデータが1増加するに従って、x値150が、表示領域のx座標の値に加算される。従って、この例では、アニメ変動インデックスデータが2であれば、位置は(150,150)となる。なお、表示領域の大きさは(150、460)であり、この領域のサイズで領域E1の範囲でクリッビングし、フレームバッフを介して画像表示装置4に出力する。
次に、インデックスデータを「2」に更新し、表示領域を上方向へ移動し、1フレーム時間毎に表示領域でクリッピングした画像をフレームバッファを介して順次、画像表示装置4に出力する。データテーブルをさらに順次読み出して同様の処理を繰り返して、表示領域が150ドット上方向へ移動すると、図11のE2の表示位置となり、表示領域の座標が(0,0)に到達する。
すると、インデックスデータを1にリセットし、同様の処理により、表示図柄「4」〜「7」に対応する合成表示図柄の画像データを再度生成して展開するとともに、表示領域の位置を領域E2で示す基準位置である(0,150)に設定する。続いて、上記の処理を練り返し、表示領域をE3の状態に移る。以後、同様の動作を繰り返す。
左・中・右の各表示図柄について、これらの動作を繰り返し、さらに、左・中・右の縮小後表示図柄画像をマスク後アニメーション画像に合成する制御を、表示図柄のスクロール表示の画像制御として実行する。これにより、表示制御基板12のCPU133は、常時指定された画像データを生成し表示領域の範囲でクリッビングするといった定型処理を実行することにより制御負担を軽減することができる。
このように、アニメーション表示に用いられる複数種類のアニメーション画像に、表示図柄画像を順次合成していくことにより、アニメーション表示を行う表示図柄の可変表示を実現することができるため、遊技興趣を向上させることができる。
図4に示すVRAM138は、VDP136によって生成(合成)された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。
LCD駆動回路139は、VDP136から入力された画像データを、色信号と同期信号とからなるビデオ信号に変換し、変動表示装置4に出力する。
表示制御基板12は、以上の構成により、遊技制御用マイコン100から、最終停止図柄と選択された変動パターンを指定する情報等を含む変動開始コマンドを受信すると、指定された変動パターンに従って表示図柄を変動させ、左図柄、右図柄、中図柄の順で、指定された最終停止図柄で図柄の変動を停止して最終停止図柄を確定する。
次に、本実施の形態のパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。まず、本実施の形態のパチンコ遊技機1における遊技の流れの概略について説明する。
パチンコ遊技機1の右下位置に設けられたハンドルを操作することにより、遊技領域中に遊技球が発射される。主基板11の遊技制御用マイコン100は、スイッチ回路107の出力から、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞したことを検出すると、乱数回路104により乱数値を発生し、得られた乱数値を図3(b)に示す保留メモリ121の空きエントリの先頭に保留情報として記憶する。
遊技制御用マイコン100は、保留メモリ121の第1エントリに記憶されている保留情報を読み出して、読み出した保留情報に対応する変動表示ゲームを実行する。即ち、保留メモリ121の第1エントリに設定されている乱数値から、大当りとするかハズレとするかを決定する。さらに、大当りとするかハズレとするかの別に応じて、表示図柄の表示結果(最終停止図柄)の組み合わせを決定する。
遊技制御用マイコン100は、変動パターン判定テーブル114に格納されている複数の変動パターンのうちから状況に応じたものを選択し、その制御コードを取得する。遊技制御用マイコン100は表示制御基板12へ、変動表示ゲームを開始することと最終停止図柄と変動パターンとを指定する制御コードとを指示する変動開始コマンドを送信する。遊技制御用マイコン100は変動開始コマンド送信後の経過時間を計測し、総変動時間が経過すると、表示確定コマンドを送信する。
表示制御基板12は、遊技制御用マイコン100から供給される変動開始コマンドに応じて、表示制御データを読み出し、この表示制御データに従って、画像データを読み出して、変動表示装置4に表示することにより、表示図柄の変動(可変)表示を制御して表示結果を導出する。
表示制御基板12は、遊技制御用マイコン100より確定コマンドを受信すると、最終的な図柄を確定する。最終停止図柄が、大当り図柄(3つの表示図柄の図柄が揃った状態)であれば、パチンコ遊技機1は大当り状態(特定遊技状態)となり、特別可変入賞球装置7の開閉板が一定時間又は一定数の遊技球が入賞するまで開成し、V入賞を条件に開閉を一定サイクル繰り返す。一方、最終停止図柄が、ハズレ図柄であれば、特別可変入賞球装置7の開閉板の開成等は行わない。
遊技者は、このようにして変動表示ゲームを行って特別可変入賞球装置7に遊技球を入賞させ、払出制御部により払い出される賞球を獲得する。
以下、遊技制御用マイコン100が実行する変動表示ゲームの処理を図12〜図22を参照して説明する。
遊技制御用マイコン100は、例えば、2m秒毎のタイマ割り込み等で、図12のフローチャートに示す遊技制御プロセス処理を開始する。
遊技制御用マイコン100は、まず、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞したか否かを、入賞玉検出器の出力をチェックすることにより検出する(ステップS111)。遊技球が入賞した場合(ステップS111;Yes)、入賞処理を実行し(ステップS112)、遊技球が入賞していない場合(ステップS111;No)、入賞処理(ステップS112)をスキップする。
ステップS112の入賞処理においては、図13に示すように、保留メモリ121の保留数が上限値の4以上であるか否かを判別する(ステップS201)。保留数が4以上であれば(ステップS201;Yes)、今回の入賞による変動表示ゲームの始動は無効として特に何も行わず、一方、保留数が上限値の4未満である場合には(ステップS201;No)、乱数回路104を起動して乱数値を抽出する(ステップS202)。次に、抽出した乱数値を保留メモリ121の空エントリの先頭にセットする(ステップS203)。
次に、遊技制御用マイコン100は、遊技制御プロセスフラグ122の値に基づいて、図12に示すステップS100〜107の8つの処理のうちのいずれかを選択する。
ステップS100の表示図柄通常処理は、遊技制御プロセスフラグ122が初期値「0」のときに実行される処理である。この処理において、遊技制御用マイコン100は、保留メモリ121に保留情報が格納されているか否かを判別し、格納されているときに、第2〜第4エントリの各保留情報を1エントリずつ上位にシフトし、新たに第1エントリに格納された乱数値を読み出し、遊技制御プロセスフラグ122の値を「1」に更新する。
ステップS101の停止図柄設定処理は、遊技制御プロセスフラグ122の値が「1」の場合に実行され、変動表示ゲームの表示結果を事前決定する処理である。この処理において、遊技制御用マイコン100は、保留メモリ121の第1エントリに保持されている乱数値を用いて、表示結果を決定(事前決定)する。具体的には、図14に示すように、その時点での遊技状態(確変フラグ123,時短フラグ124の内容で特定される確変状態、時短状態等)に応じた大当り判定テーブル112を選択し(図14;ステップS301)、ステップS100で保留メモリ121の第1エントリから読み出した乱数値を選択した抽選テーブルに適用して、大当りか否かを事前(変動表示ゲームが開始する前に)判定する(ステップS302)。
大当りの場合には(ステップS303;Yes)、さらに、乱数回路104を起動して乱数値を抽出して、大当りの表示結果(最終停止図柄の組み合わせ)を決定する(ステップS304)。一方、ハズレの場合には(ステップS303;No)、各図柄について乱数値を抽出する等して、各図柄の表示結果を決定する(ステップS305)。その後、遊技制御プロセスフラグ122の値を「2」に更新する(ステップS306)。
ステップS102の変動パターン設定処理は、遊技制御プロセスフラグ122が「2」の場合に実行される処理である。この処理において、遊技制御用マイコン100は、変動表示ゲームを行う際に使用する変動パターンを、変動パターン判定テーブル114に格納されている変動パターンのうちから選択する。
この変動パターン設定処理において、図15に示すように、遊技制御用マイコン100は、確変フラグ123又は時短フラグ124が設定されているか否か、即ち、変動表示ゲームにおける変動時間を通常よりも短くする時短制御処理が有効状態にされているか否かを判別する(ステップS401)。確変フラグ123又は時短フラグ124がオン(ステップS401;Yes)の場合には、時短用の変動パターンで、且つ、ステップS101で設定した当りかハズレを導出可能なもののうちから1つを、例えば乱数を発生させる等して選択する(ステップS402)。
一方、確変フラグ123と時短フラグ124とが共にオフの状態にあるときには(ステップS401;No)、通常の変動パターンのうちで、且つ、ステップS101で設定した最終停止図柄を導出可能なもののうちか1つを、例えば乱数を発生させる等して選択する(ステップS403)。
続いて、変動時間タイマ126に、選択した変動パターンに割り当てられている総変動時間に相当するカウント値を設定する(ステップS404)。
続いて、変動表示ゲームの開始と最終停止図柄と変動パターンとを指定する制御コードとを指示する変動開始コマンドとを、表示制御基板12に送信する(ステップS405)。続いて、遊技制御プロセスフラグ122の値を「3」に更新する(ステップS406)。
ステップS405で送信した変動開始コマンドは、表示制御基板12に受信される。表示制御基板12は、変動開始コマンドに含まれている情報から、変動表示に使用する表示制御データを特定し、この表示制御データが規定するタイムスケジュールに沿って、変動表示装置4に表示図柄が変動してから停止するまでの画像を表示する処理を行う。
表示制御基板12のCPU133は、変動開始コマンドに応答して、制御ROM134に格納されている表示制御データのうちから、受信した変動開始コマンドが指定する変動パターンに対応するものを読み出す。この制御データは、左・中・右の各表示図柄の表示を制御するデータである。そして、変動時間タイマをリセットして、変動開始からの経過時間を開始する。また、アニメション表示用のアニメーション変動インデックス(左、中、右図柄用)をそれぞれリセットする(但し、その時点での値をそのまま引き継いでもよい)。また、アニメ画像切り替え用のタイマをリセットする。
CPU133は、発振回路131の基準クロックをカウントして、一定期間を計測する度に、図16に示す描画指示成処理を実行する。
まず、CPU133は、アニメーション変動インデックスを更新する(ステップS501)。即ち、前回のアニメーション変動インデックスの更新から所定時間が経過したか否かを判別し、所定時間が経過していれば、アニメーション変動インデックスが更新される。これにより、所定時間が経過する度に、合成表示図柄画像が切り替えられ、パラパラ動画のようなアニメーション表示が可能となる。なお、所定時間は、描画指示処理の実行間隔でも、それより大きくてもよい。所定期間が短ければ、アニメーション表示の動きが速く、長ければアニメーション表示の動きが遅くなる。なお、この実施の形態では、所定時間=描画指示処理の実行間隔である。
次に、CPU133は、抽出図柄数(例えば「4」)と現在の変動表示の状態から、抽出する表示図柄画像(例えば表示図柄「5」〜「8」に対応する表示図柄画像)を特定する(ステップS502)。続いて、特定された表示図柄画像を、予め指定されている配列で仮想的に配置する(ステップS503)。なお、この段階で、画像データを実際に配列する必要はない。さらに、仮想的に配置した画像上の表示領域の位置を、直前の位置から特定する(ステップS504)。続いて、仮想的に配置した画像上の表示領域内部の位置(表示する範囲)を、表示領域の位置に基づいて特定する(ステップS505)。
さらに、CPU133は、ステップS503で特定した表示図柄画像とアニメーション変動インデックスデータから、表示図柄画像及びアニメーション画像の画像データとが格納されているアドレスを求める(ステップS506)。そして、展開すべき画像データのアドレス、配置、縮小率、透過率(予め設定されている)、及びクリッピング範囲などを特定する、即ち、表示対象の表示図柄画像やアニメーション画像等を特定する描画コマンド又は/及びアトリビュートデータを生成し、VDP136に送信する。例えば、表示図柄「5」〜「8」に対応する表示図柄画像の画像データ、並びにアニメーション画像の画像データ#2及び#3のアドレス等を特定する描画コマンド又は/及びアトリビュートデータがVDP136に送信される。
VDP136は、図17に示すように、指示された描画コマンド又はアトリビュートで特定される表示図柄画像及びアニメーション画像の画像データ(指定されたアドレスに格納されている画像データ)を画像映像ROM137に格納されている画像データの中から抽出する(ステップS511)。例えば、ステップS511では、画像映像ROM137から表示図柄「5」〜「8」に対応する表示図柄画像の画像データ、並びにアニメーション画像の画像データ#2及び#3が抽出される。
次に、VDP136は、マスク画像を用いてマスク処理を行い、ステップS511で抽出したアニメーション画像の画像データから、表示対象の表示図柄に対応するマスク後アニメーション画像を生成する(ステップS512)。例えば、ステップS512では、アニメーション画像の画像データ#2において、アルファチャンネルAGに保存されているマスク画像を選択して重ね合わせることにより、表示図柄「5」に対応するマスク後アニメーション画像が生成される。また、アニメーション画像の画像データ#2において、アルファチャンネルABに保存されているマスク画像を選択して重ね合わせることにより、表示図柄「6」に対応するマスク後アニメーション画像が生成される。さらに、アニメーション画像の画像データ#3において、アルファチャンネルARに保存されているマスク画像を選択して重ね合わせることにより、表示図柄「7」に対応するマスク後アニメーション画像が生成される。また、アニメーション画像の画像データ#3において、アルファチャンネルAGに保存されているマスク画像を選択して重ね合わせることにより、表示図柄「8」に対応するマスク後アニメーション画像が生成される。
続いて、VDP133は、ステップS511で抽出した表示図柄画像の画像データから、縮小後表示図柄画像を生成する(ステップS513)。例えば、ステップS513では、表示対象となる表示図柄「5」〜「8」に対応する表示図柄画像のサイズを、320ドット×320ドットから80ドット×80ドットに調整(縮小)することにより、縮小後表示図柄画像を生成する。
続いて、VDP133、ステップS512で生成したマスク後アニメーション画像に、ステップS513で生成した縮小後表示図柄画像を合成することにより、合成表示図柄画像を生成する(ステップS514)。例えば、ステップS514では、表示図柄「5」に対応するマスク後アニメーション画像に、表示図柄「5」に対応する表示図柄画像を重ね合わせることにより、表示図柄「5」に対応する合成表示図柄を生成する。また、表示図柄「6」に対応するマスク後アニメーション画像に、表示図柄「6」に対応する表示図柄画像を重ね合わせることにより、表示図柄「6」に対応する合成表示図柄を生成する。さらに、表示図柄「7」に対応するマスク後アニメーション画像に、表示図柄「7」に対応する表示図柄画像を重ね合わせることにより、表示図柄「7」に対応する合成表示図柄を生成する。また、表示図柄「8」に対応するマスク後アニメーション画像に、表示図柄「8」に対応する表示図柄画像を重ね合わせることにより、表示図柄「8」に対応する合成表示図柄を生成する。
さらに、VDP133は、ステップS514で生成した合成表示図柄画像の画像データを配置し直して、ワークメモリ上に展開する(ステップS515)。そして、配置した画像データから、通知されたクリッピング範囲でクリッピングして、VRAM138に格納する(ステップS516)。
CPU133とVDP136とは、上述の処理を、左図柄、中図柄、右図柄のそれぞれについて実行し、最終的に1画面分の画像を合成する。
一方で、VDP136は、図18に示すように、VRAM138上の画像データ(この例では合成表示図柄の画像データ)を所定の周期的タイミング(例えば、30ms)で読み出し、LCD駆動回路139に供給する。LCD駆動回路139は、供給された画像データに従って、LCD駆動信号等の制御信号を生成し、これを変動表示装置4に供給することにより、変動表示装置4の画面にアニメーション表示を行う合成表示図柄を表示させる。
このような動作を繰り返すことにより、例えば、変動表示ゲームが開始してから、遊技機1による遊技の状況(変動表示ゲームの状況等)に応じた表示が行われる。これにより、表示領域のサイズに応じた表示図柄の変動及び静止表示と、各表示図柄のアニメーション表示とを同時に行うことができる。
表示制御基板12が、変動表示とアニメーション表示処理を行っている間、遊技制御用マイコン100は、図12のステップS103の表示図柄変動処理を繰り返して実行する。なお、この処理は、遊技制御プロセスフラグ122の値が「3」の場合に実行される処理である。この処理では、図19に示すように、遊技制御用マイコン100は、変動時間タイマ126のカウント値を1だけ減算する(ステップS601)。続いて、変動時間タイマ126の値が0であるか否か、すなわち、表示図柄を設定された変動時間だけ変動させたか否かが判別される(ステップS602)。
変動時間タイマ126=0と判別された場合(ステップS602;Yes)には、1回の変動表示ゲームが丁度終了したタイミングであり、遊技制御用マイコン100は、遊技制御プロセスフラグ122を「4」とする(ステップS603)。
一方、ステップS602で変動時間タイマ126=0ではないと判断されたとき(ステップS602;No)には、今回の割り込み処理を終了する。
図12のステップS104の表示図柄停止設定処理は、遊技制御プロセスフラグ122の値が「4」の場合に実行される処理である。この処理において、遊技制御用マイコン100は、表示制御基板12に、確定コマンドを送信する。また、変動表示ゲームの終了に同期して、動作する必要のある各部に変動表示ゲームの終了を通知する。さらに、遊技制御用マイコン100は、最終停止図柄が当りに相当する場合には、大当りフラグ125を設定し、遊技制御プロセスフラグ122を「5」に更新し、ハズレに相当する場合には、遊技制御プロセスフラグ122を「0」に更新する。
表示制御基板12のCPU133は、ステップS104の表示図柄停止設定処理において送出された確定コマンドを受信すると、表示図柄の確定表示(表示図柄の変動を停止する表示)を実行する。このとき、表示図柄の模様が変化するように、アニメーション処理を継続してもよい。
図12のステップS105の大入賞口開放前処理は、遊技制御プロセスフラグ122の値が「5」の場合に実行される処理である。この処理において、遊技制御用マイコン100は、大入賞口7を開放する前の演出を行うための処理、例えば、第1回目の開放前や開放処理間のインターバル演出等の処理を行う。大入賞口7を開放するタイミングになると、遊技制御プロセスフラグ122の値を「6」に更新する。
ステップS106の大入賞口開放中処理は、遊技制御プロセスフラグ122の値が「6」の場合に実行される処理である。この処理では、遊技制御用マイコン100は、開放された大入賞口7への遊技球の入賞処理、開放時間の計測処理、表示制御基板12を介した表示制御等を行う。遊技制御用マイコン100は、入賞球数が所定数に達するか開放時間が所定時間に達すると、遊技制御プロセスフラグ122の値を更新する。遊技制御用マイコン100は、1回の大当りについて、大入賞口7の開放回数をカウントしており、遊技制御プロセスフラグ122を更新する際に、開放回数が16回に達していれば、大当り状態を終了する条件が成立したとして遊技制御プロセスフラグ122の値を「7」とし、開放回数が16回に達していなければ、大入賞口7を一旦閉成した後、特定領域への遊技球の通過があったか否か(V入賞の有無)を判別し、通過があったなら、遊技制御プロセスフラグ122を「5」に、無しなら「7」とする。これにより、大当り状態にあっては、大入賞口7の開閉が最大16回繰り返されることになる。
図12のステップS107の大当り終了処理は、遊技制御プロセスフラグ122の値が「7」の場合に実行される処理であり、遊技制御用マイコン100は、大当り状態を終了させる処理を行い、遊技制御プロセスフラグ122の値を「0」とする。
なお、遊技制御用マイコン100はスイッチ回路107から入力されるスイッチ信号及びハンドル操作信号などの有無を判別しており、このパチンコ遊技機1が遊技状態に無い時には、表示制御基板12にデモ画面表示コマンドを送信して変動表示部4にデモンストレーション画像を表示させる。
(1)以上説明したように、この実施の形態によれば、アニメーション画像において、表示図柄画像を重ね合わせる部分以外をマスクするとともに、縮小後表示図柄画像を重ね合わせる部分の縁にぼかし処理が施されたマスク画像を用いてマスク処理を行うとともに、アニメーション画像のうちマスク処理によりマスクされていない部分を消去した後、該消去された部分に縮小後表示図柄画像を重ね合わせることにより、合成表示図柄画像を順次生成していく。これにより、アニメーション画像と縮小後表示図柄画像とが重なり合う部分の縁に、ぼかし処理が施されたマスク画像を用いてマスク処理を行うことにより、アニメーション画像と縮小後表示図柄画像との境目の好適な表示を実現することができる。
(2)また、アニメーション画像の画像データ#1は、各々複数種類の表示図柄「1」〜「3」を示す表示図柄画像に対応したマスク画像を含んで構成され、アニメーション画像の画像データ#2は、各々複数種類の表示図柄「4」〜「6」を示す表示図柄画像に対応したマスク画像を含んで構成され、アニメーション画像の画像データ#3は、各々複数種類の表示図柄「7」〜「9」を示す表示図柄画像に対応したマスク画像を含んで構成されている。このようにすれば、少ないアニメーション画像の画像データで、複数種類の表示図柄の全てを表現することが可能となるため、画像データの容量を少なくすることができる。
(3)さらに、アニメーション画像の画像データでは、赤色チャンネル、緑色チャンネル、及び青色チャンネルに加え、赤(R)・緑(G)・青(B)のそれぞれに対応して、3つのアルファチャンネルAR、AG、及びABが設けられ、計6つのチャンネルには、各々4ビットが割り当てられている。すなわち、アニメーション画像の画像データは、赤(R)・緑(G)・青(B)の各色のビット数(4ビット)が、表示図柄画像の画像データの各色のビット数(8ビット)よりも少なくなっているので、画像ROM137に格納される画像データの容量を少なくすることができる。
(4)加えて、アニメーション表示に用いられる複数種類のアニメーション画像に、表示図柄画像を順次合成していくことにより、アニメーション表示を行う表示図柄の可変表示を実現することができるため、遊技興趣を向上させることができる。
(5)そして、表示図柄画像のサイズを調整してからマスク後アニメーション画像に合成することで、マスク後アニメーション画像と表示図柄画像との境目を、より好適に表示を行うことができる。
なお、この発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
上記実施の形態では、表示図柄画像と略同一形状の透過部分(くり抜き部分)が形成されるようにアルファ値が設定されたマスク画像を用いてマスク処理を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、縮小後表示図柄画像を重ね合わせる部分を消去可能なマスク画像であれば任意に変更可能である。一例として、表示図柄画像と略同一形状の有色部分(例えば白色や黒色など)や半透明部分が形成されたマスク画像を用いてマスク処理を行うことにより、縮小後表示図柄画像を重ね合わせる部分以外をマスクし、縮小後表示図柄画像のうちマスクされていない部分を消去するようにしてもよい。また、マスク画像は、縮小後表示図柄画像を重ね合わせる部分をマスクしてそれ以外の部分を透過させるものであってもよい。そして、アニメーション画像において、かかるマスク画像を用いてマスク処理を行うことにより、アニメーション画像のうちマスクされた部分を消去した後、該消去された部分に縮小後表示図柄画像を重ね合わせることにより、合成表示図柄画像を順次生成していけばよい。
上記実施の形態では、表示図柄画像に、複数種類のアニメーション画像が連続的に切り換えられて合成されることにより、アニメーション表示を伴う表示図柄の可変表示が行われるものとして説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、表示図柄画像に、同一の背景画像を合成し、アニメーション表示を伴わない表示図柄の可変表示が行われるものであってもよい。
上記実施の形態では、表示図柄画像のサイズが320ドット×320ドットで、アニメーション画像のサイズが80ドット×80ドットであるものとして説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、表示図柄画像のサイズ及びアニメーション画像のサイズは同一であってもよいし、又アニメーション画像のサイズが表示図柄画像のサイズより大きくてもよい。表示図柄画像とアニメーション画像とのサイズが同一である場合には、表示図柄画像をそのままマスク後アニメーション画像に合成すればよく、アニメーション画像のサイズが表示図柄画像のサイズより大きい場合には、表示図柄画像のサイズを拡大してからマスク後アニメーション画像に合成すればよい。
上記実施の形態では、表示図柄画像のサイズを調整してマスク後アニメーション画像に合成するものとして説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、マスク後アニメーション画像を調整して表示図柄画像に合成するものであってもよい。
上記実施の形態では、アニメーション画像の画像データは、各色のビット数が4ビットで、表示図柄画像の画像データの各色のビット数が8ビットであるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、アニメーション画像及び表示図柄画像の画像データの各色のビット数は任意であり、同数であってもよいし、表示図柄画像の画像データの各色のビット数が、アニメーション画像の画像データの各色のビット数よりも少なくてもよい。
上記実施の形態では、CPU133が、表示制御データを処理し、VDP136にコマンドを出力したが、例えば、VDP136が表示制御データを内部ROMなどに記憶しておき、CPU133は演出表示を特定するだけで、演出画像の再生・透明度の設定、合成などの処理までをVDP136が実行するようにしてもよい。
上記実施の形態で示した数値は一例であり、任意に変更可能である。例えば、上述の例では、保留メモリ121の保留数の上限値を4としたが、保留数の上限値は任意である。また、変動表示ゲームにおいて変動中の図柄を停止する順番も任意である。
変動表示ゲームの実行条件を成立させる方法も上記実施の形態に限定されない。例えば、特定の入賞口への遊技球の入賞を普通図ゲームの実行条件としたり、特定のゲートの遊技球の通過や特定の非可変型の入賞口への遊技球の入賞を変動表示ゲームの実行条件としてもよい。
上記実施の形態では、変動時間及びリーチ演出の有無等の変動態様を示す変動パターンを表示制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを表示制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、表示制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については表示制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
なお、図1に示した装置構成、図2〜図4に示すブロック構成や、図12〜図19に示すフローチャートは、例示であり、任意に変更及び修正が可能である。
また、上述した実施の形態では、パチンコ遊技機を用いてこの発明を説明したが、パチンコ遊技機に限られず、可変表示装置と画像表示装置とを別個に備えたスロット機、家庭用ゲーム機、アーケード用ゲーム機、携帯ゲーム機、パソコンによるゲーム等の他の遊技機においても、本発明を適用することができる。
例えば、図20に示すように、表示図柄の変動表示を行う表示装置1001とその他の演出用の表示を行う表示装置1002とを備えるスロットマシン1000などにおいては、いずれの表示装置に本願発明にかかるアニメーション表示を行う表示図柄の可変表示をを実行させるようにしてもよい。
さらに、パチンコ遊技機1やスロットマシン1000の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。また、表示図柄(識別情報)の変動開始条件が成立する契機としては、例えば、スロットマシン1000におけるスロットレバーの押下、2種や3種のパチンコ遊技機における図柄変動の開始条件の成立などを広く含むものである。また、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等にいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。