JP2015046505A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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孝宏 冨松
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Abstract

【課題】撮像素子を構成する画素において、読み出しノイズの発生を防ぐことで、半導体装置の性能を向上させる。【解決手段】画素を構成する増幅用トランジスタAMI、選択用トランジスタおよびリセット用トランジスタのそれぞれのゲート絶縁膜G1を、絶縁膜ONと、Laを含むキャッピング膜LAとにより構成する。これにより、ゲート絶縁膜G1にLaを導入することで、上記の各トランジスタのしきい値電圧を低減し、信号の増幅動作などにおける1/fノイズの発生を防ぐ。【選択図】図4

Description

本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、撮像素子を含む半導体装置およびその製造方法に適用して有効な技術に関するものである。
デジタルカメラなどに用いられる撮像素子(画像素子)は、例えば、光を検出して電荷を発生させるフォトダイオードを含む画素を、マトリクス状に複数並べた構成を有している。1個の画素の構成としては、上記フォトダイオードと、上記電荷を周辺素子に出力する転送用トランジスタと、信号の増幅などを行う当該周辺素子とを含む構成が知られている。周辺素子とは、例えば増幅用トランジスタ、リセット用トランジスタおよび選択用トランジスタを指し、これらのトランジスタは、転送用トランジスタから送られた信号を選択し、増幅して出力するために用いられる。
特許文献1(特開2003−338616号公報)には、撮像画素を配置した画素とその周辺回路部とを同一チップに混載する構成において、周辺回路部のトランジスタのゲート絶縁膜に誘電率の高いSiON、SiNまたはHigh−k膜を用い、メタル汚染または界面準位などによる欠陥が多い絶縁膜を、光電変換手段などに一度も接触させることなく形成することが記載されている。
特許文献2(特開2012−015383号公報)には、電界効果トランジスタのゲート絶縁膜の一部を高誘電率材料により構成し、また、ゲート絶縁膜にLa(ランタン)、Y(イットリウム)、または、Mg(マグネシウム)などの高誘電率材料を添加することが記載されている。
特許文献3(特開2011−082418号公報)には、閾値電圧制御用金属が高誘電率ゲート絶縁膜に添加されたトランジスタにおいて、トランジスタ特性の変動を抑制することが記載されている。
特許文献4(特開2010−123841号公報)には、素子分離領域中の負の固定電荷によりホール蓄積層を発生させることで、素子分離領域と半導体基板との界面の欠陥に起因して生じる1/fノイズを低減することが記載されている。
特開2003−338616号公報 特開2012−015383号公報 特開2011−082418号公報 特開2010−123841号公報
撮像素子を用いて光を受光して画像を得る場合に画像に生じるノイズの一つに、受光部から信号を読み出す際に信号に混入する読み出しノイズがある。読み出しノイズは、画素を構成する周辺トランジスタのしきい値電圧が高いことなどに起因して生じる1/fノイズを主成分とするものである。
これに対し、周辺トランジスタのしきい値電圧を小さくし、1/fノイズを低減する方法には、以下の方法がある。一つの方法は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である周辺トランジスタのゲート絶縁膜下のチャネル領域の不純物の導入量を低減する方法である。また、他の一つの方法は、当該ゲート絶縁膜の下の半導体基板の上面に対し、As(ヒ素)カウンター注入を行う方法である。
後者のAsカウンター注入を行う方法は、前者のチャネル不純物を低減する方法に比べ、半導体基板上面にダメージが生じやすく、これにより界面準位が増加し、チャネル不純物を低減する方法に比べて1/fノイズが増大する問題がある。
その他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態である半導体装置は、画素を構成する増幅用トランジスタなどの周辺トランジスタのゲート絶縁膜にLaを導入するものである。
また、一実施の形態である半導体装置の製造方法は、画素を構成する増幅用トランジスタなどの周辺トランジスタの形成工程において、Laを含むゲート絶縁膜を形成するものである。
本願において開示される一実施の形態によれば、半導体装置の性能を向上させることができる。特に、画素におけるノイズの発生を防ぐことができる。
本発明の実施の形態1である半導体装置を示す模式的な回路図である。 本発明の実施の形態1である半導体装置を示す平面レイアウトである。 本発明の実施の形態1である半導体装置を示す等価回路図である。 本発明の実施の形態1である半導体装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態1である半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図5に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図6に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図7に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図8に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図9に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図10に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の実施の形態1の変形例である半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図12に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の実施の形態2である半導体装置を示す平面レイアウトである。 本発明の実施の形態2である半導体装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態2である半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図16に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図17に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図18に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図19に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図20に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図21に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図22に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図23に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図24に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図25に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図26に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図27に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 MOSFETのゲート電極の幅としきい値電圧との関係を示すグラフである。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
なお、本願では撮像素子を構成する複数の受光部のうちの一つの単位を画素と呼ぶ。また、画素は転送用トランジスタ、増幅用トランジスタ、リセット用トランジスタ、選択用トランジスタ、および受光素子であるフォトダイオードを含むものとして説明する。また、画素を構成する増幅用トランジスタ、リセット用トランジスタおよび選択用トランジスタを、画素の周辺トランジスタと呼ぶ。
また、本願の特徴は主に、画素を構成するトランジスタの構造および製造方法にあるため、以下の実施の形態では、画素を構成するフォトダイオードの構造および製造工程の詳細な説明は省略する。
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするために部分的にハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態の半導体装置およびその製造方法は、特にMOS型の電界効果トランジスタのゲート電極の構造およびその製造工程に特徴を有するものであり、例えば撮像素子におけるノイズの発生の低減を実現するものである。
以下に、図1〜図4を用いて本実施の形態の半導体装置を説明する。図1は本実施の形態の半導体装置の撮像素子の模式的な回路図であり、図2は本実施の形態の半導体装置の画素の平面レイアウトであり、図3は本実施の形態の半導体装置の画素の等価回路図であり、図4は本実施の形態の半導体装置の断面図である。
図1に示すように、本実施の形態の撮像素子ISは、矩形の形状を有している。図1では画素PEを一つのみ示し、他の画素PEの図示を省略しているが、撮像素子ISはマトリクス状に並べられた複数の画素PEにより構成されている。撮像素子ISを構成する各画素PEは、列選択回路CCおよび行選択回路RCに接続されている。1個の画素PEから読み出された信号は、読み出し回路である列選択回路CCから外部に出力される。
列選択回路CCおよび行選択回路RCは、撮像素子ISを構成する複数の画素PEの外部に形成されている。また、列選択回路CCおよび行選択回路RCは撮像素子ISと同一の半導体基板上に形成されている。
図2には、図1に示す1個の画素PEを拡大した平面レイアウトを示している。なお、図2では、平面視において各素子を囲む素子分離領域の図示を省略している。また、図3には図2に示す画素PEの等価回路図を示している。図2に示すように、画素PEは受光素子であるフォトダイオードPDを含んでいる。フォトダイオードPDは半導体基板(図示しない)の主面に形成された半導体素子であり、平面視において矩形の形状を有している。フォトダイオードPDは、入射光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換素子である。
フォトダイオードPDの周辺には、画素PEの周辺トランジスタである3種類のトランジスタ、つまり、増幅用トランジスタAMI、リセット用トランジスタRSTおよび選択用トランジスタSELが形成されている。また、上記周辺トランジスタの他に、フォトダイオードPDと一部分を互いに共有する転送用トランジスタTXが形成されている。転送用トランジスタTX、増幅用トランジスタAMI、リセット用トランジスタRSTおよび選択用トランジスタSELは、いずれもnチャネル型のMOSFETである。画素PEは、フォトダイオードPD、転送用トランジスタTX、増幅用トランジスタAMI、リセット用トランジスタRSTおよび選択用トランジスタSELにより構成されている。
画素PEが形成された半導体基板(図示しない)上には複数のゲート電極GEが形成されている。転送用トランジスタTXを構成するゲート電極GEは、矩形のフォトダイオードPDの1辺に沿って延在しており、平面視においてフォトダイオードPDから突出する半導体領域とフォトダイオードPDとの境界上に跨るように形成されている。転送用トランジスタTXは、フォトダイオードPDの一部と上記半導体領域の突出部分とをソース・ドレイン領域として有するMOSFETである。
また、リセット用トランジスタRST、増幅用トランジスタAMIおよび選択用トランジスタSELは、一方向に並んで順に配置されている。リセット用トランジスタRST、増幅用トランジスタAMIおよび選択用トランジスタSELのそれぞれを構成する各ゲート電極GEは、いずれも一つの半導体領域を跨ぐように、当該半導体領域上に配置されている。
リセット用トランジスタRST、増幅用トランジスタAMIおよび選択用トランジスタSELは、それぞれ上記半導体領域内に形成された一対のソース・ドレイン領域を有している。隣り合うリセット用トランジスタRSTおよび増幅用トランジスタAMIは、互いのソース・ドレイン領域のうち一方を共有しており、隣り合う増幅用トランジスタAMIおよび選択用トランジスタSELは、互いのソース・ドレイン領域のうち一方を共有している。
画素PEは半導体基板の上面に形成された半導体領域であって、グランド電位を供給する接地部GNDを有しており、接地部GNDおよび各ゲート電極GEのそれぞれの上面にはコンタクトプラグCPが接続されている。また、転送用トランジスタTXのソース・ドレイン領域を構成する上記突出部分の半導体領域、リセット用トランジスタRSTの一対のソース・ドレイン領域、および、選択用トランジスタSELを構成するソース・ドレイン領域の一方の、それぞれの上面にはコンタクトプラグCPが接続されている。なお、選択用トランジスタSELおよび増幅用トランジスタAMIが共有するソース・ドレイン領域の上面には、コンタクトプラグCPが接続されていない。
図2において破線で示すように、画素PE上にはゲート電極GEおよびコンタクトプラグCPよりも上層に形成された配線M1が形成されている。配線M1は、増幅用トランジスタAMIのゲート電極GEと、リセット用トランジスタRSTのソース・ドレイン領域のうち、増幅用トランジスタAMIと共有していない方のソース・ドレイン領域と、上記突出部に形成された、転送用トランジスタTXのソース・ドレイン領域とを互いに接続している。なお、その他の配線M1の図示は省略している。
次に、図3を用いて、本実施の形態の画素PEを構成するフォトダイオードPDおよびその他の電界効果トランジスタの接続態様、並びに画素PEの動作について説明する。
図3に示すように、フォトダイオードPDのアノードはグランド電位に接続されている。転送用トランジスタTX、リセット用トランジスタRSTおよび選択用トランジスタSELのそれぞれのゲート電極は行選択回路RC(図1参照)に接続されている。増幅用トランジスタAMIおよびリセット用トランジスタRSTのそれぞれのドレイン領域は行選択回路RCに接続されている。
フォトダイオードPDのカソードは転送用トランジスタTXのソース領域に接続されている。転送用トランジスタTXのドレイン領域は、配線M1(図2参照)を介してリセット用トランジスタRSTのソース領域および増幅用トランジスタAMIのゲート電極に接続されている。増幅用トランジスタAMIのソース領域および選択用トランジスタSELのドレイン領域は互いに接続されており、選択用トランジスタSELのソース領域は列選択回路CC(図1参照)に接続されている。
画素PEの周辺トランジスタは、フォトダイオードPDにより得られた電荷、つまり信号を増幅して出力するソースフォロア回路を構成している。フォトダイオードPDは、半導体基板の上面に形成されたp型の拡散層およびその下のn型の拡散層とを有しており、フォトダイオードPDの上面に対して光が入射すると、光電変換により電荷が生じる。これにより生じた電荷を当該n型の拡散層に蓄積する。
上記電荷は、転送用トランジスタTXがオン状態となることで、転送用トランジスタTXのドレイン領域、つまりフローティング拡散領域に転送され、蓄積される。これにより、当該電荷は、該転送用トランジスタTXのドレイン領域と接続された増幅用トランジスタAMIのゲート電極に転送される。このように、転送用トランジスタTXは、フォトダイオードPDにおいて生成された信号電荷を読み出して、電荷検出部に転送する電界効果トランジスタである。電荷検出部とは、図2に示す配線M1により接続された、転送用トランジスタTXのドレイン領域、増幅用トランジスタAMIのゲート電極、および、リセット用トランジスタRSTのソース領域を指す。
増幅用トランジスタAMIは、そのゲート電極の電圧に応じた電気信号を出力する電界効果トランジスタである。したがって、増幅用トランジスタAMIは、フォトダイオードPDで生成・蓄積された電荷の量に応じた電気信号、つまり画素信号を選択用トランジスタSELに対し出力する。すなわち、増幅用トランジスタAMIは、電荷検出部の電位変動に対応する電気信号を出力する電界効果トランジスタである。
ここで、選択用トランジスタSELがオン状態にされることで、増幅用トランジスタAMIの出力信号を読み出し回路である列選択回路CC(図1参照)に出力する。すなわち、増幅用トランジスタAMIおよび選択用トランジスタSELによって、ソースフォロアによる読み出しが可能となっている。また、リセット用トランジスタRSTは、オン状態にされることで、フローティング拡散部である転送用トランジスタTXのドレイン領域に蓄積されている電荷をリセットする役割を有する。つまり、リセット用トランジスタRSTは、上記電荷検出部の電位を所定の初期値にリセットする電界効果トランジスタである。
次に、図4を用いて本実施の形態の半導体装置の構造について説明する。図4には、三つの領域のそれぞれに形成されたMOSFETの断面を横に並べて示している。図4では当該三つの領域を分離して示しているが、これらの領域はいずれも同一の半導体基板SB上の領域である。つまり、当該三つの領域は、いずれも一つの撮像素子内に含まれる領域である。図4には、左側から順に、画素周辺領域1A、転送用トランジスタ領域1B、およびロジック回路領域1Cを示している。なお、ここでは各素子を覆う層間絶縁膜、並びに、各素子に接続されたコンタクトプラグCPおよび配線M1(図11参照)の図示を省略している。
画素周辺領域1Aは、上述した画素の周辺トランジスタである増幅用トランジスタAMI、選択用トランジスタSELおよびリセット用トランジスタRST(図2参照)が設けられた領域である。図4では、増幅用トランジスタAMI、選択用トランジスタSELおよびリセット用トランジスタRST(図2参照)のうち、例として増幅用トランジスタAMIを示している。つまり、選択用トランジスタSELおよびリセット用トランジスタRSTは、そのゲート幅とゲート長以外は、以下に説明する増幅用トランジスタAMIと同様の構造を有している。
転送用トランジスタ領域1Bは、転送用トランジスタTXが設けられた領域である。転送用トランジスタTXのソース領域側には、フォトダイオードPDが形成されている。
ロジック回路領域1Cは、例えばスイッチングなどに用いられる素子であって、高速動作が求められる低耐圧なトランジスタQ1が設けられた領域である。トランジスタQ1は、例えば行選択回路RCまたは列選択回路CC(図1参照)などの走査回路を構成する素子である。トランジスタQ1はnチャネル型のMOSFETである。つまり、トランジスタQ1は画素の外部に形成される素子である。
図4に示すように、増幅用トランジスタAMIは、半導体基板SB上にゲート絶縁膜G1を介して形成されたゲート電極GEを有している。転送用トランジスタTXは、半導体基板SB上にゲート絶縁膜G2を介して形成されたゲート電極GEを有している。トランジスタQ1は、半導体基板SB上にゲート絶縁膜G3を介して形成されたゲート電極GEを有している。これらの3個の素子を構成するゲート電極GEは、例えばポリシリコン膜からなる。また、ゲート絶縁膜G1、G2およびG3のそれぞれは、SiON膜である絶縁膜ONを含んでいる。
ただし、ゲート絶縁膜G2およびG3のそれぞれは絶縁膜ONのみからなるのに対し、ゲート絶縁膜G1は、絶縁膜ONおよび絶縁膜ON上に形成されたキャッピング膜LAを有している。つまり、ゲート絶縁膜G1、G2およびG3のそれぞれを構成する絶縁膜ONの底面は、半導体基板SBに接している。また、ゲート絶縁膜G2およびG3を構成する絶縁膜ONのそれぞれの上面は、ゲート電極GEに接している。また、ゲート絶縁膜G1を構成する絶縁膜ONの上面は、ゲート絶縁膜G1を構成するキャッピング膜LAの底面に接しており、キャッピング膜LAの上面はゲート電極GEに接している。キャッピング膜LAの膜厚は0.6nm以下である。ここでは、キャッピング膜LAの膜厚は例えば0.3〜0.6nmである。
このように、転送用トランジスタ領域1Bおよびロジック回路領域1Cのゲート絶縁膜G2、G3は単層構造であるのに対し、画素周辺領域1Aのゲート絶縁膜G1は2層の積層構造を有している。図2では、キャッピング膜LA(図4参照)を形成する領域にハッチングを付している。図2に示すように、画素PEの周辺トランジスタである増幅用トランジスタAMI、選択用トランジスタSELおよびリセット用トランジスタRSTのそれぞれのゲート電極GEの直下にはキャッピング膜LAを形成している。ただし、転送用トランジスタTXのゲート電極GEの直下のゲート絶縁膜は、キャッピング膜LAを含んでいない。
図4に示すキャッピング膜LAはLaO(酸化ランタン)膜である。具体的には、キャッピング膜LAはLaを主に含んでいる。つまり、ゲート絶縁膜G1は、ゲート絶縁膜G2およびG3よりも、La(ランタン)の濃度が高い。また、画素周辺領域1Aの絶縁膜ON内には、絶縁膜ONの上面に接するキャッピング膜LA内から拡散したLa(ランタン)が含まれている。したがって、ゲート絶縁膜G1を構成する絶縁膜ONは、ゲート絶縁膜G2およびG3を構成する絶縁膜ONよりも、La(ランタン)の濃度が高い。
画素周辺領域1A、転送用トランジスタ領域1Bおよびロジック回路領域1Cのそれぞれのゲート電極GEの両側の側壁は、サイドウォールSWにより覆われている。各ゲート電極GEの両側の側壁に接して形成されたサイドウォールSWは、例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜、または、酸化シリコン膜および窒化シリコン膜の積層膜からなる絶縁膜などにより構成されている。
画素周辺領域1A、転送用トランジスタ領域1Bおよびロジック回路領域1Cのそれぞれにおいて、ゲート電極GEの横の半導体基板SBの上面には、n型の不純物(例えばP(リン)またはヒ素(As))が導入された一対のソース・ドレイン領域が形成されている。ただし、画素周辺領域1Aおよびロジック回路領域1Cのソース・ドレイン領域はゲート電極GEの直下のチャネル領域を挟んで左右対称に形成されているが、転送用トランジスタ領域1Bのソース・ドレイン領域は左右対称に形成されていない。これは、転送用トランジスタTXのソース領域が、フォトダイオードPDの一部からなるためである。
画素周辺領域1A、転送用トランジスタ領域1Bおよびロジック回路領域1Cのそれぞれのゲート電極GEの直下のチャネル領域を含む半導体基板SBの上面には、p型ウエルPWが形成されている。p型ウエルPWは、半導体基板SBの上面に、比較的低濃度のp型不純物(例えばB(ホウ素))を導入することで形成されている。p型ウエルPWの形成深さは、後述する拡散層D1よりも深い。また、フォトダイオードPDと隣接する転送用トランジスタTXの直下のp型ウエルPWの形成深さは、後述する拡散層N1よりも深い。
画素周辺領域1Aおよびロジック回路領域1Cのそれぞれに形成された一対のソース・ドレイン領域は、n型半導体領域であるエクステンション領域E1と、n型半導体領域である拡散層D1とを有している。エクステンション領域E1は拡散層D1よりも、ゲート電極の直下の半導体基板SB内のチャネル領域に近い領域に形成されている。この構造は、転送用トランジスタ領域1Bに形成された一対のソース・ドレイン領域のうちの一方の領域も同様である。
拡散層D1は、隣接するエクステンション領域E1よりもn型の不純物(例えばP(リン)またはヒ素(As))の濃度が高い半導体領域である。このように、各ソース・ドレイン領域は、不純物濃度が比較的低いエクステンション領域E1と、不純物濃度が比較的高い拡散層D1とを含むLDD(Lightly Doped Drain)構造を有している。
また、転送用トランジスタTXを構成する一対のソース・ドレイン領域のうち、一方の領域は、フォトダイオードPDを構成するn型半導体領域である拡散層N1からなる。フォトダイオードPDは、半導体基板SBの上面から比較的深い位置に亘ってn型の不純物(例えばP(リン)またはヒ素(As))が導入された拡散層N1と、半導体基板SBの上面から比較的浅い位置に亘ってp型の不純物(例えばB(ホウ素))が導入されて形成された拡散層P1とにより構成されている。拡散層P1は、拡散層N1よりも浅い深さで形成されている。
以上に述べたように、画素周辺領域1Aにおいて、増幅用トランジスタAMIは、ゲート絶縁膜G1上のゲート電極GEと、ゲート電極GEの横の半導体基板SB内のエクステンション領域E1および拡散層D1を含むソース・ドレイン領域とを有している。また、ロジック回路領域1Cにおいて、ゲート絶縁膜G3上のゲート電極GEと、ゲート電極GEの横の半導体基板SB内のエクステンション領域E1および拡散層D1を含むソース・ドレイン領域とを有している。
また、転送用トランジスタ領域1Bの転送用トランジスタTXは、ゲート絶縁膜G2上のゲート電極GEと、ゲート電極GEの横の一方の半導体基板SB内に形成された、エクステンション領域E1および拡散層D1を含むドレイン領域と、ゲート電極GEの横の一方の半導体基板SB内に形成された、拡散層N1を含むソース領域とを有している。
以下に、本実施の形態の半導体装置の効果について説明する。
撮像素子を用いて画像を得た場合に、画像にノイズが生じ、正確で綺麗な画像を得ることができない問題がある。当該ノイズに含まれるノイズの一つとして、受光部から信号を読み出す際に信号に混入する読み出しノイズがある。読み出しノイズは、画素を構成する周辺トランジスタのしきい値電圧が高いことなどに起因して生じる1/fノイズを主成分として含むものである。
1/fノイズを低減する方法としては、トランジスタのしきい値電圧を低減する方法がある。トランジスタのしきい値電圧を低減する方法には、以下の2通りの方法がある。一つの方法は、周辺トランジスタのゲート絶縁膜下のチャネル領域の不純物の導入量を低減する方法である。また、他の一つの方法は、当該ゲート絶縁膜の下の半導体基板の上面に対し、As(ヒ素)カウンター注入を行う方法である。
後者のAsカウンター注入を行う方法は、前者のチャネル不純物を低減する方法に比べ、効果的にしきい値電圧を小さくできることができる。Asカウンター注入を行う対象としては、画素の周辺トランジスタであるリセット用トランジスタ、増幅用トランジスタおよび選択用トランジスタが挙げられる。これは、信号の増幅などに用いられる周辺トランジスタにおいて生じるノイズが、特に画素の1/fノイズの増大に影響を与えるためである。周辺トランジスタの中でも、特に増幅用トランジスタは1/fノイズの増大に大きな影響を与える。したがって、画素の周辺トランジスタにおけるノイズの発生を防ぐことで、画素における読み出しノイズの発生を効果的に防ぐことができる。
ゲート電極に電圧を印加してオン状態にした周辺トランジスタのゲート電極の近傍には、大きい垂直電界が発生している。このような大きな垂直電界がゲート電極の直下の半導体基板の主面、つまりチャネル領域またはその近傍にまで達している場合、当該チャネル領域を通る電子は垂直電界によりエネルギーを得て、ゲート絶縁膜内に捕獲されやすくなる。この傾向は、ゲート電極に印加する電圧が大きいほど顕著となる。ゲート絶縁膜内に電子が捕獲されるとノイズの発生が顕著になるため、電子がゲート絶縁膜に捕獲されることを防ぐ必要がある。
カウンター注入とは、ウエル、つまり半導体基板内のドーパントが注入された領域とは逆の導電型のドーパントを、半導体基板の表面付近に注入する手法である。カウンター注入を行えばしきい値電圧が下げられるという利点があるが、チャネル領域上部の表面濃度が下がるため、パンチスルーしやすくなり、短チャネル効果が悪化する問題がある。
Asカウンター注入は、チャネル領域となる半導体基板の上面にAs(ヒ素)を比較的高い濃度でイオン注入することにより、半導体基板の上面を含む浅い領域にAs(ヒ素)を導入した領域を形成し、当該領域の下を電子の通過経路とするものである。つまり、Asカウンター注入は、周辺トランジスタを構成するソース領域およびドレイン領域間における電子の通過経路を、半導体基板の主面からより深い位置にすることにより、電子と上記垂直電界とを離すことを目的として行われるものである。これにより、電子が垂直電界からエネルギーを得にくくなるため、電子がゲート絶縁膜に捕獲されることを防ぐことができる。
しかし、As(ヒ素)は、周辺トランジスタのチャネル領域に打ち込まれているB(ホウ素)などに比べて質量が大きい。このため、半導体基板に対してイオン注入法によりAsカウンター注入を行うと、半導体基板の上面がAs(ヒ素)により大きなダメージを受ける。半導体基板の上面にダメージが生じると、半導体基板の上面とゲート絶縁膜との界面に多量の界面準位が生成されることで、電子の捕獲・放出の発生確率が増大するため、動作時に生じる1/fノイズが大きくなる。このため、Asカウンター注入を行う方法では、画素のトランジスタにおいて生じる1/fノイズを効果的に低減することができない。
また、半導体基板の上面に導入されたAs(ヒ素)は、その上のゲート絶縁膜内に拡散してゲート絶縁膜にもダメージを与えるため、このことに起因してMOSFETにおいて生じる1/fノイズはより大きくなる。なお、ゲート絶縁膜に生じる当該ダメージよりも、Asカウンター注入により半導体基板の上面に生じるダメージの方が、ノイズの増大に大きく影響する。
上記の理由により、Asカウンター注入を行う方法では、半導体基板上面にダメージが生じて界面準位が増加するため、上述したチャネル不純物を低減する方法に比べて、1/fノイズが増大する問題がある。
しきい値電圧が高いMOSFETをオン状態にするためにはゲート電極に高い電圧を印加する必要があるため、MOSFETの動作時のゲート電極近傍の垂直電界は大きくなる。このため、電子がゲート絶縁膜などに捕獲されて1/fノイズの発生が顕著となる。ゲート電極の幅または長さ、すなわち、ゲート電極の活性幅またはゲート長が大きい場合、MOSFETのしきい値電圧はより大きくなるため、1/fノイズも大きくなる問題がある。
そこで、本実施の形態の半導体装置では、図4に示す画素周辺領域1Aのトランジスタのゲート絶縁膜G1内にキャッピング膜LAを形成している。本願でいうキャッピングとは、ゲート絶縁膜に所定の物質を含ませることを目的として、当該物質を含む膜をゲート絶縁膜の一部として形成すること、または、ゲート絶縁膜上に当該物質を含む膜を形成し、当該物質をゲート絶縁膜内に拡散させることを指す。本実施の形態ではキャッピング膜LAを形成しているため、画素周辺領域1Aのゲート絶縁膜G1はLa(ランタン)を含んでいる。
これに対して、転送用トランジスタTXのゲート絶縁膜G2内およびトランジスタQ1のゲート絶縁膜G3内にLa(ランタン)は導入されていない。また、転送用トランジスタTXのゲート絶縁膜G2内およびトランジスタQ1のゲート絶縁膜G3内にLa(ランタン)が存在したとしても、ゲート絶縁膜G2内およびゲート絶縁膜G3内のLa(ランタン)の濃度は、ゲート絶縁膜G1内のLa濃度より低い。
ここでは、nチャネル型のMOSFETでは、ゲート絶縁膜にLa(ランタン)を導入することで、ゲート絶縁膜にLa(ランタン)が含まれていないMOSFETに比べてしきい値電圧を効果的に低減することを可能としている。本実施の形態では、LaO膜であるキャッピング膜LAを周辺トランジスタのゲート絶縁膜G1を構成する絶縁膜ON上に形成している。これにより、周辺トランジスタである増幅用トランジスタAMI、選択用トランジスタSELおよびリセット用トランジスタRST(図2参照)のしきい値電圧を下げることができる。
キャッピング膜LAを形成することで周辺トランジスタのしきい値電圧を下げる場合、Asカウンター注入を行う場合のように、質量の大きいAs(ヒ素)を半導体基板SBに打ち込む必要がない。したがって、半導体基板SBの上面にAs(ヒ素)を打ち込むことにより生じるダメージに起因する界面準位の生成を防ぐことができる。このため、周辺トランジスタのしきい値電圧を低減し、かつ、1/fノイズの発生を防ぐことができる。
また、本実施の形態では半導体基板SBの主面にAsを打ち込むAsカウンター注入を行わないため、半導体基板SB内におけるチャネル上部のAs濃度は高くならない。よって、Asカウンター注入を行う場合と比較して、短チャネル特性の劣化を防ぐことができるため、しきい値電圧を効果的に低下させることができる。
このようにしてしきい値電圧を低下させることで、周辺トランジスタのゲート電極GEをONさせるためにゲート電極GEに印加する電圧、つまりゲートオーバードライブ電圧を小さくすることができる。したがって、ゲート電極GEの近傍に生じる垂直電界を小さくすることができるため、半導体基板SBとゲート絶縁膜G1との界面において、電子がゲート絶縁膜G1内に捕獲される確率を低減することが可能である。これにより、1/fノイズを低減することができる。
上記の理由により、本実施の形態の半導体装置では、撮像素子の読み出しノイズを低減することができる。したがって、半導体装置の性能を向上させることができる。
ここで、転送用トランジスタTXにキャッピング膜LAを形成していない。これは、ゲート絶縁膜がHf(ハフニウム)などを含むhigh−k膜ではなく、SiON(酸窒化シリコン)などからなる場合、転送用トランジスタTXがノイズの発生に与える影響は、増幅用トランジスタAMIなどの周辺トランジスタに比べて極めて小さいためである。
また、ここではキャッピング膜の材料としてLa(ランタン)を含む膜、つまりLa膜を例示したが、MOSFETのしきい値電圧を低下させるために用いるキャッピング材料はLa(ランタン)に限らず、他の材料を用いてもよい。例えば、キャッピング膜の材料は、Y(イットリウム)またはMg(マグネシウム)であってもよい。つまり、キャッピング膜を構成する具体的な材料としては、Laの他にYまたはMgOなどを用いてもよい。
また、キャッピング膜LAの膜厚が過度に大きい場合、半導体基板SBとゲート絶縁膜G1との界面の界面準位が増加し、1/fノイズが増大する。本発明者は実験により、キャッピング膜LAの膜厚が0.6nmより大きい場合に界面準位が顕著に増加することを見出した。したがって、本実施の形態では、キャッピング膜LAの膜厚を0.6nm以下としている。これにより、1/fノイズが大きくなることを防ぎ、かつ、しきい値電圧を低減することができる。
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について、図5〜図11を用いて説明する。図5〜図11は図4に対応する箇所の断面図であって、本実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。したがって、各図では左側から順に画素周辺領域1A、転送用トランジスタ領域1Bおよびロジック回路領域1Cの断面を並べて示している。なお、本実施の形態の半導体装置の製造方法の特徴は、主にゲート絶縁膜の製造工程にあるため、各MOSFETのソース・ドレイン領域、フォトダイオードなどの具体的な製造工程の説明は省略する。
図5〜図11に示す画素周辺領域1Aは、画素の周辺トランジスタである増幅用トランジスタAMI、図2に示す選択用トランジスタSELおよびリセット用トランジスタRSTを設ける領域である。図5〜図11では、図2に示す増幅用トランジスタAMI、選択用トランジスタSELおよびリセット用トランジスタRSTのうち、例として増幅用トランジスタAMIの形成工程について説明する。転送用トランジスタ領域1Bは、転送用トランジスタTXを設ける領域である。ロジック回路領域1Cは、ロジック回路を構成する低耐圧なトランジスタQ1を設ける領域である。
本実施の形態の半導体装置の製造工程では、まず図5に示すように、半導体基板SBを用意する。半導体基板SBは例えば単結晶シリコンなどからなる。その後、図示していない領域において半導体基板SBの上面の一部を除去して溝を形成し、当該溝内に酸化シリコン膜などからなる絶縁膜を埋め込むことで、素子分離領域を形成する。素子分離領域は、画素周辺領域1A、転送用トランジスタ領域1Bおよびロジック回路領域1Cをそれぞれ電気的に分離する絶縁層である。素子分離領域を形成することで、活性領域のレイアウトが規定される。
その後、イオン注入法により、半導体基板SBの主面にp型の不純物(例えばB(ホウ素))を低い濃度で打ち込むことで、画素周辺領域1A、転送用トランジスタ領域1Bおよびロジック回路領域1Cの半導体基板SBの上面にp型ウエルPWを形成する。ここでは、フォトリソグラフィ技術を用いて、転送用トランジスタ領域1Bのp型ウエルPWを、他の領域のp型ウエルPWよりも深く形成している。
次に、図6に示すように、半導体基板SB上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて絶縁膜ONを形成し、絶縁膜ONにより半導体基板SBの上面を覆う。絶縁膜ONは例えばSiON膜からなる。その後、例えばスパッタ法を用いて、絶縁膜ON上にキャッピング膜LAを形成する。キャッピング膜LAはLaO膜からなる。具体的には、キャッピング膜LAは例えばLaを主に含む。これにより、画素周辺領域1A、転送用トランジスタ領域1Bおよびロジック回路領域1Cのそれぞれの絶縁膜ONの上面はキャッピング膜LAにより覆われる。
キャッピング膜LAは0.6nm以下の膜厚で形成する。ここでは、キャッピング膜LAの膜厚は例えば0.3〜0.6nmである。
その後、フォトリソグラフィ技術を用いて、画素周辺領域1Aのキャッピング膜LA上にフォトレジスト膜であるレジストパターンRP1を形成する。レジストパターンRP1は転送用トランジスタ領域1Bおよびロジック回路領域1Cのキャッピング膜LAを露出し、画素周辺領域1Aのキャッピング膜LAを覆うパターンである。
次に、図7に示すように、レジストパターンRP1をマスクとしてウェットエッチングを行うことで、レジストパターンRP1から露出している転送用トランジスタ領域1Bおよびロジック回路領域1Cのキャッピング膜LAを除去し、絶縁膜ONを露出させる。その後、レジストパターンRP1を除去する。これにより、キャッピング膜LAは画素周辺領域1Aのみに残る。
次に、図8に示すように、半導体基板SB上に、例えばCVD法を用いてポリシリコン膜PSを形成する。これにより、画素周辺領域1Aのキャッピング膜LAの上面と、転送用トランジスタ領域1Bおよびロジック回路領域1Cの絶縁膜ONの上面とをポリシリコン膜PSにより覆う。
次に、図9に示すように、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、ポリシリコン膜PS、キャッピング膜LAおよび絶縁膜ONをパターニングする。これにより、ポリシリコン膜PSからなるゲート電極GEを形成する。また、上記パターニングにより、画素周辺領域1Aにおいて絶縁膜ONおよびキャッピング膜LAの積層膜からなるゲート絶縁膜G1を形成する。また、上記パターニングにより、転送用トランジスタ領域1Bの絶縁膜ONからなるゲート絶縁膜G2を形成し、また、ロジック回路領域1Cの絶縁膜ONからなるゲート絶縁膜G3を形成する。
その後、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を用いてn型の不純物(例えばP(リン)またはヒ素(As))を、フォトダイオードの形成領域の半導体基板SBの上面に打ち込む。これにより、転送用トランジスタ領域1Bのゲート電極GEの横の両側の領域の半導体基板SBのうち、一方の領域にn型の拡散層N1を形成する。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を用いてp型の不純物(例えばB(ホウ素))を高い濃度でフォトダイオードの形成領域の半導体基板SBの上面に打ち込む。これにより、拡散層N1が形成された領域の半導体基板SBの上面に、p型の拡散層P1を形成することで、拡散層P1および拡散層N1とのPN接合を有するフォトダイオードPDを形成する。フォトダイオードPDを構成する拡散層P1および拡散層N1は画素周辺領域1Aおよびロジック回路領域1Cには形成されない。
また、拡散層P1および拡散層N1は、転送用トランジスタ領域1Bのゲート電極GEのゲート長方向において、ゲート電極GEの横の一方の半導体基板SB内に形成されており、ゲート電極GEの横のもう一方の半導体基板SB内には形成されていない。フォトダイオードPDを構成する拡散層N1は、転送用トランジスタ領域1Bに形成する転送用トランジスタのソース領域として機能する半導体領域である。
なお、フォトダイオードPDを構成する拡散層P1および拡散層N1の形成は、ゲート電極GEの形成前に行ってもよい。
その後、フォトダイオードPDを形成した領域をレジストパターン(図示しない)により覆った状態で、当該レジストパターンおよび各ゲート電極GEをマスクとして、半導体基板SBの上面にn型の不純物(例えばP(リン)またはヒ素(As))を比較的低い濃度でイオン注入する。これにより、画素周辺領域1Aおよびロジック回路領域1Cのそれぞれのゲート電極GEの横の半導体基板SBの上面に、一対のエクステンション領域E1を形成する。また、転送用トランジスタ領域1Bのゲート電極GEの横の、フォトダイオードPDが形成されていない方の半導体基板SBの上面にも、エクステンション領域E1を形成する。
なお、画素周辺領域1Aおよび転送用トランジスタ領域1Bのエクステンション領域E1と、ロジック回路領域1Cのエクステンション領域E1とを別々に形成し、各々の濃度を異なるように形成してもよい。
各エクステンション領域E1は低濃度のn型不純物が導入された半導体領域であり、エクステンション領域E1の接合深さは拡散層N1の接合深さよりも浅い。なお、フォトダイオードPDが形成された領域にはエクステンション領域E1は形成されない。
次に、図10に示すように、上記レジストパターン(図示しない)を除去した後、CVD法などにより半導体基板SB上に絶縁膜を形成する。当該絶縁膜は酸化シリコン膜を含み、例えば酸化シリコン膜と、その上に形成した窒化シリコン膜とを含む積層構造を有している。その後、異方性のドライエッチングを行うことで半導体基板SBの上面およびゲート電極GEの上面を露出させ、上記絶縁膜からなるサイドウォールSWを、ゲート電極GEの側壁に接するように形成する。
サイドウォールSWは上記ドライエッチングにより自己整合的に形成され、画素周辺領域1A、転送用トランジスタ領域1Bおよびロジック回路領域1Cのそれぞれのゲート電極GEの両側の側壁を覆っている。続いて、フォトダイオードPDを形成した領域をレジストパターン(図示しない)により覆った状態で、当該レジストパターン、各ゲート電極GEおよびサイドウォールSWをマスクとして、半導体基板SBの上面にn型の不純物(例えばP(リン)またはヒ素(As))を比較的高い濃度でイオン注入する。これにより、半導体基板SBの上面に、エクステンション領域E1よりも高い濃度でn型不純物を含む拡散層D1を形成する。その後、エクステンション領域E1および拡散層D1などの内部の不純物を拡散させるための熱処理を行う。
拡散層D1は、エクステンション領域E1よりも接合深さが深い。また、拡散層D1はサイドウォールSWをマスクとしたイオン注入により形成されているため、エクステンション領域E1よりもゲート電極GEから離れた位置の半導体基板SBの上面に形成されている。エクステンション領域E1および拡散層D1は、MOSFETのソース・ドレイン領域を構成している。
以上の工程により、画素周辺領域1Aには増幅用トランジスタAMIが形成され、転送用トランジスタ領域1Bには転送用トランジスタTXが形成され、ロジック回路領域1CにはトランジスタQ1が形成される。
増幅用トランジスタAMIは、キャッピング膜LAを含むゲート絶縁膜G1の上に形成されたゲート電極GEと、ゲート電極GEの横の一対のソース・ドレイン領域とからなる。当該一対のソース・ドレイン領域は、いずれもエクステンション領域E1および拡散層D1からなる。なお、図示はしていないが、リセット用トランジスタおよび選択用トランジスタも、増幅用トランジスタAMIと同様の工程で形成されている。
転送用トランジスタTXは、キャッピング膜LAを含まないゲート絶縁膜G2の上に形成されたゲート電極GEと、ゲート電極GEの横の一対のソース・ドレイン領域とからなる。当該一対のソース・ドレイン領域のうち、ドレイン領域はエクステンション領域E1および拡散層D1からなり、ソース領域は拡散層N1からなる。
トランジスタQ1は、キャッピング膜LAを含まないゲート絶縁膜G3の上に形成されたゲート電極GEと、ゲート電極GEの横の一対のソース・ドレイン領域とからなる。当該一対のソース・ドレイン領域は、いずれもエクステンション領域E1および拡散層D1からなる。
ここでは、画素周辺領域1A、転送用トランジスタ領域1Bおよびロジック回路領域1Cの三つの領域の各エクステンション領域E1を同一の工程で形成し、当該三つの領域の各拡散層D1を同一の工程で形成することを説明した。これに対し、当該三つの領域の各エクステンション領域E1および各拡散層D1はそれぞれ別工程で形成してもよい。また、エクステンション領域E1の接合深さは、エクステンション領域E1に隣接する拡散層D1が形成された深さより深くてもよい。
次に、図11に示すように、周知のサリサイド技術を用いて、サイドウォールSWなどの絶縁膜から露出する拡散層D1の上面およびゲート電極GEの上面にシリサイド層(図示しない)を形成する。シリサイド層は例えばCoSi(コバルトシリコン)からなる。その後、半導体基板SB上に、例えばCVD法などにより、窒化シリコン膜からなる絶縁膜(図示しない)と、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜CLとを順に積層する。なお、シリサイド層の形成工程は、フォトダイオードPDの上面を保護膜(図示しない)により覆った状態で行う。したがって、フォトダイオードPDの上面にシリサイド層は形成されない。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて層間絶縁膜と上記絶縁膜(図示しない)とを貫通するコンタクトホールを形成した後、当該コンタクトホール内にコンタクトプラグCPを形成する。コンタクトプラグCPは、W(タングステン)からなる主導体膜を有し、また、当該主導体膜とコンタクトホールの内側の側壁および底面との間に形成された、Ti(チタン)を含むバリア導体膜を有している。なお、図では、コンタクトプラグCPを構成する主導体膜とバリア導体膜とを区別して示していない。
コンタクトプラグCPの形成工程では、まず、コンタクトホールが開口された層間絶縁膜CL上に、スパッタ法により上記バリア導体膜および上記主導体膜を順に形成する。これにより、バリア導体膜および主導体膜からなる積層膜によりコンタクトホールを完全に埋め込む。その後、層間絶縁膜CL上の余分な当該積層膜をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法などにより除去することで、コンタクトホール内にコンタクトプラグCPを形成する。コンタクトプラグCPは、図2に示すように、ゲート電極GEの上面およびソース・ドレイン領域などの一部の半導体層の上面上に、シリサイド層を介して接続される。なお、フォトダイオードPDの上面にはコンタクトプラグCPを接続しない。
続いて、層間絶縁膜CL上に、例えばSiOC膜からなる層間絶縁膜IL1を、例えばCVD法などにより形成する。その後、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて層間絶縁膜IL1を開口して配線溝を形成することで、コンタクトプラグCPの上面を露出させる。続いて、配線溝を埋め込む配線M1を形成することで、本実施の形態の半導体装置が完成する。
配線M1は、Cu(銅)からなる主導体膜を含み、主導体膜と配線溝の内側の側壁および底面との間に形成された、Ta(タンタル)を含むバリア導体膜を含んでいる。なお、図では、配線M1を構成する主導体膜とバリア導体膜とを区別して示していない。配線M1は、いわゆるシングルダマシン法により形成する。つまり、配線M1の形成工程では、まず、配線溝が開口された層間絶縁膜IL1上に、スパッタ法により上記バリア導体膜および上記主導体膜を順に積層し、これにより形成された積層膜により配線溝を完全に埋め込む。その後、層間絶縁膜IL1上の余分な当該積層膜をCMP法などにより除去することで、配線溝内に配線M1を形成する。
以上の工程により、増幅用トランジスタAMIなどの周辺トランジスタ、転送用トランジスタTXおよびフォトダイオードPDを含む画素PE(図2参照)が形成され、トランジスタQ1などを含む行選択回路RCまたは列選択回路CC(図1参照)が形成される。なお、撮像素子を完成させる工程では、図13に示す配線M1上にさらに多数の配線層を形成し、また、フォトダイオードPDの直上または直下に、フォトダイオードPDに光を送るためのレンズを形成する。
なお、フォトダイオードPDを構成する拡散層N1、P1は、上述したタイミングに限られず、別の時点で形成してもよい。例えば、拡散層N1、P1は、図6を用いて説明した絶縁膜ONの形成工程前に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を用いて半導体基板SBの上面に形成しても構わない。
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法の効果について説明する。撮像素子においては、図4を用いて上述したように、読み出しノイズの主成分である1/fノイズの発生を防ぐことが重要となる。
ここで、比較例として、Asカウンター注入を行う場合の工程について説明する。1/fノイズの発生を防ぐためにAsカウンター注入を行う場合には、例えば図6を用いて説明した絶縁膜ONの形成工程の前に、半導体基板SBの主面に対してAsをイオン注入する。つまり、図5に示すように、半導体基板SBの上面にB(ホウ素)などを打ち込んでp型ウエルPWを形成した後、半導体基板SBの上面にAs(ヒ素)を打ち込む。
この場合、B(ホウ素)などよりも質量が大きいAs(ヒ素)を半導体基板SBに打ち込むことで、半導体基板SBの上面にダメージが生じる。上面にこのようなダメージを受けた半導体基板SB上にMOSFETを形成すると、当該MOSFETのゲート絶縁膜と半導体基板SBとの境界に界面準位が多く発生し、MOSFETのチャネル領域を通る電子が当該界面準位に捕獲され、MOSFETにおいて1/fノイズが増大する。また、半導体基板SBの上面に打ち込んだAs(ヒ素)が、絶縁膜ON(図6参照)内に拡散することで、ゲート絶縁膜内にもダメージが生じ、電子がゲート絶縁膜内に捕獲されやすくなる結果、1/fノイズが増大する。
したがって、上記のAsカウンター注入を行う方法では、MOSFETのしきい値電圧を下げることができたとしても、1/fノイズを効果的に低減することはできない。
また、図4を用いて説明したように、Asカウンター注入を行う方法ではMOSFETのしきい値電圧を効果的に下げることができないため、MOSFETのゲート電極をオン状態とするためにゲート電極に高い電圧を印加する必要がある。この場合、ゲート電極近傍の垂直電界が大きいため、チャネル領域を通る電子はゲート絶縁膜内に捕獲されやすい。したがって、1/fノイズが増大する問題が生じる。
そこで、本実施の形態の半導体装置の製造方法では、キャッピング膜LA(図6参照)を形成し、キャッピング膜LAを周辺トランジスタのゲート絶縁膜G1(図9参照)の構成要素として残すことで、図10に示す増幅用トランジスタAMIなどの周辺トランジスタのしきい値電圧を低減させることを可能としている。したがって、周辺トランジスタのゲート電極GEをオン状態とするためにゲート電極GEに印加する電圧を低減することができるため、ゲート電極GE近傍に生じる垂直電界を小さくすることが可能である。
本実施の形態の上記方法を用いれば、ゲート電極からゲート絶縁膜にかかる垂直電界を小さくできるため、チャネル領域を通る電子は、ゲート絶縁膜G1内に捕獲される程度のエネルギーを垂直電界から得にくくなる。よって、電子がゲート絶縁膜G1内に捕獲される確率を低減することができるため、周辺トランジスタにおける1/fノイズの発生を防ぐことができる。
また、本実施の形態では、上述したようなAsカウンター注入を行っていないため、ゲート絶縁膜G1の底面に接する半導体基板SBの上面にダメージが生じることを防ぐことができる。これにより、ゲート絶縁膜G1と半導体基板SBとの境界の界面準位が増大することに起因して、1/fノイズが増大することを防ぐことができる。
以上に述べたように、本実施の形態の半導体装置の製造方法では、周辺トランジスタにおいて1/fノイズが生じることを防ぐことで、撮像素子において生じる読み出しノイズを低減することができるため、半導体装置の性能を向上させることができる。
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法の変形例について、図12を用いて説明する。図12は、本実施の形態の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。この変形例は、図5〜図7を用いて説明した工程の後であって、図8を用いて説明した工程を行う前に熱処理工程を行うものである。
つまり、当該変形例の半導体装置の製造工程では、まず、図5〜図7を用いて説明した工程を行うことで、画素周辺領域1Aの絶縁膜ONの直上のみにキャッピング膜LAを形成する。その後、図12に示すように、熱処理を行うことで、画素周辺領域1Aの絶縁膜ON内に、キャッピング膜LA内のLa(ランタン)を拡散させる。このとき、キャッピング膜LAの側壁および上面は露出しているため、キャッピング膜LA内のLa(ランタン)は下方向にのみ拡散する。
図12では、上記熱処理により、絶縁膜ON内にLa(ランタン)が導入された領域に絶縁膜OLを示している。絶縁膜OLは画素周辺領域1Aのキャッピング膜LAの直下にのみ形成され、転送用トランジスタ領域1Bおよびロジック回路領域1Cには形成されていない。
その後、図8〜図11を用いて説明した工程を行うことで、図13に示す半導体装置が完成する。図13に示す装置の構成は図11に示す装置とほぼ同様であるが、画素周辺領域1Aに形成されたゲート絶縁膜G1を構成する膜のLa濃度、および画素周辺領域1Aに形成されたゲート電極GEのLa濃度が異なる。
図5〜図11を用いて説明した製造方法であっても、キャッピング膜LAの形成後に、エクステンション領域E1内および拡散層D1内の不純物を拡散させるための熱処理などを行うため、当該熱処理により、キャッピング膜LA内のLa(ランタン)はその直下の絶縁膜ON内に拡散する。ここで、キャッピング膜LAの上面が、ポリシリコン膜であるゲート電極GEに覆われた状態で熱処理による拡散が起こるため、キャッピング膜LA内のLa(ランタン)は下方向だけでなく上方向にも拡散する。つまり、ポリシリコン膜PS(図8参照)の形成前に熱処理を行わず、ポリシリコン膜PSの形成後に熱処理によりキャッピング膜LA内のLa(ランタン)が拡散した場合、La(ランタン)は絶縁膜ONのみでなく、ポリシリコン膜PS内にも拡散する。
この場合、上記変形例のように、キャッピング膜LA内のLa(ランタン)を下方向のみに拡散させる場合に比べて、キャッピング膜LAの下面に接する絶縁膜ON内に拡散するLa(ランタン)の量は少なくなる。このため、上記のように、図5〜図11を用いて説明した製造方法により形成した装置と、上記変形例の装置とでは、画素周辺領域1Aに形成されたゲート絶縁膜G1を構成する膜のLa濃度、および画素周辺領域1Aに形成されたゲート電極GEのLa濃度が異なる。
つまり、図13に示す絶縁膜OLは、図11に示す画素周辺領域1Aの絶縁膜ONよりLa濃度が高い。当該変形例では、絶縁膜OL内において、絶縁膜OLの下面と半導体基板SBの上面の境界近傍に導入されるLa(ランタン)の量が多いため、増幅用トランジスタAMIのしきい値電圧を、図5〜図11を用いて説明した工程により形成した装置に比べ、より効果的に低減することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、画素を構成するトランジスタのゲート絶縁膜にhigh−k膜を用いる場合について説明する。ここでは、画素の周辺トランジスタのみならず、フォトダイオードと隣接する転送用トランジスタのゲート絶縁膜内にもキャッピング材料を導入する。
まず、図14に本実施の形態の半導体装置である画素の平面レイアウトを示す。また、図15に、本実施の形態の半導体装置の断面図を示す。図14には、複数のMOSFETを示しており、それらのMOSFETを構成する各ゲート絶縁膜のうち、キャッピング材料が導入されている箇所にハッチングを付している。後述するように、周辺トランジスタを構成するゲート絶縁膜内のキャッピング材料の濃度に比べ、転送用トランジスタTXを構成するゲート絶縁膜内のキャッピング材料の濃度は低い。なお、図14に示す各MOSFETは、ゲート電極GMを有している。
図15では、図4と同様に、三つの領域の断面を並べて示している。また、ここでは図を分かりやすくするため、各MOSFETの一部を覆うシリサイド層、各MOSFETを覆う層間絶縁膜、各MOSFETに接続されたコンタクトプラグおよび各MOSFETに接続された配線の図示を省略している。図15における左側の図は、図4と同様に、増幅用トランジスタ、リセット用トランジスタおよび選択用トランジスタを含む周辺トランジスタの形成領域である画素周辺領域1Aを示している。
また、図15の中央に示す転送用トランジスタ領域1Dは、転送用トランジスタの形成領域を示すものであるが、当該領域に形成されたゲート絶縁膜およびゲート電極の構造は、ロジック回路などの周辺回路に含まれるnチャネル型のMOSFETにも用いることができる。ただし、図15には、フォトダイオードと互いの一部を共有している転送用トランジスタを示しているが、ロジック回路のnチャネル型のMOSFETのソース・ドレイン領域の構造は、当該転送用トランジスタと異なる。
また、図15の右側には、ロジック回路などの周辺回路に含まれるpチャネル型のMOSFETの形成領域であるロジック回路領域1Eを示している。図4のロジック回路領域1Cではnチャネル型のMOSFETの構造を示したが、図15ではpチャネル型のMOSFETの構造を示している。ロジック回路領域1Eの半導体基板SBの上面には、n型の不純物(例えばP(リン)またはAs(ヒ素))が低い濃度で導入されることで、n型ウエルNWが形成されている。
図14に示すように、本実施の形態の半導体装置の画素PEは、前記実施の形態1において図2を用いて説明した画素PEと同様のレイアウトを有している。ただし、図14においてハッチングを付して示しているように、図2に示す構造と異なり、本実施の形態では転送用トランジスタTXのゲート絶縁膜内にもキャッピング材料を導入している。
図15に示すように、画素周辺領域1Aには、半導体基板SB上に形成された増幅用トランジスタAMIを示している。ここで示す増幅用トランジスタAMIは、図4に示した増幅用トランジスタAMIと比べ、ゲート絶縁膜の構造およびゲート電極の構造が異なっている。図15に示す増幅用トランジスタAMIは、金属電極MGと、金属電極MG上に形成されたポリシリコン膜PSとを含むゲート電極GMを有している。金属電極MGは、例えばTiN(窒化チタン)膜からなる導電膜である。
また、ゲート電極GMと、その直下の半導体基板SBとの間には、ゲート絶縁膜G4が形成されている。ゲート絶縁膜G4は、半導体基板SB上に形成された絶縁膜IA2と、絶縁膜IA2上に形成されたhigh−k膜HLとを含む積層膜である。絶縁膜IA2はSiOからなり、その内部にはキャッピング材料であるLa(ランタン)が比較的高い濃度で導入されている。high−k膜HLは、誘電率がSiO(酸化シリコン)およびSiON(酸窒化シリコン)に比べて高い高誘電率膜であり、例えばHf(ハフニウム)を含有している。high−k膜HLは、例えばHfSiON膜からなる。high−k膜HL内には、La(ランタン)が比較的低い濃度で導入されている。
増幅用トランジスタAMIのゲート電極GMの両側にサイドウォールSWが形成され、また、ゲート電極GMの横の半導体基板SB内に一対のソース・ドレイン領域が形成されている点は、前記実施の形態1と同様である。画素周辺領域1Aの半導体基板SBの上面には、p型の不純物(例えばB(ホウ素))が低い濃度で導入されることで、p型ウエルPWが形成されている。なお、図14に示すリセット用トランジスタRSTおよび選択用トランジスタSELは、図15に示す増幅用トランジスタAMIと同様の構造を有している。
また、転送用トランジスタ領域1Dには、半導体基板SB上に形成された転送用トランジスタTXが形成されている。転送用トランジスタTXのゲート電極GMの構造は前述の増幅用トランジスタAMIと同様である。転送用トランジスタTXのゲート電極GMと、ゲート電極GMの直下の半導体基板SBとの間には、ゲート絶縁膜G5が形成されている。ゲート絶縁膜G5は、半導体基板SB上に形成された絶縁膜IBと、絶縁膜IB上に形成されたhigh−k膜HLとを含む積層膜である。
絶縁膜IBはSiOからなり、その内部にはキャッピング材料であるLa(ランタン)は導入されていない。絶縁膜IBの上面に接するhigh−k膜HLは、例えばHfSiON膜からなる高誘電率膜である。転送用トランジスタ領域1Dのhigh−k膜HL内には、La(ランタン)が比較的低い濃度で導入されている。
転送用トランジスタTXのゲート電極GMの両側にサイドウォールSWが形成され、また、ゲート電極GMの横の半導体基板SB内に一対のソース・ドレイン領域が形成されている点は、前記実施の形態1と同様である。つまり、転送用トランジスタTXのソース領域は、フォトダイオードPDの一部である拡散層N1により構成されている。転送用トランジスタ領域1Dの半導体基板SBの上面には、p型の不純物(例えばB(ホウ素))が低い濃度で導入されることで、p型ウエルPWが形成されている。
ここで、図1に示す行選択回路RCまたは列選択回路CCなどに含まれるロジック回路を構成するnチャネル型のMOSFETのゲート電極およびゲート絶縁膜にも、図15に示す転送用トランジスタTXのゲート電極GMおよびゲート絶縁膜G5と同様の構造が適用されている。ただし、当該nチャネル型のMOSFETは転送用トランジスタTXと異なりフォトダイオードPDに隣接しておらず、当該nチャネル型のMOSFETのソース・ドレイン領域は、増幅用トランジスタAMIと同様に、左右対称なn型の拡散層からなる。
上述のように、画素周辺領域1Aおよび転送用トランジスタ領域1Dには、nチャネル型のMOSFETが形成されている。これに対し、ロジック回路領域1Eには、図1に示す行選択回路RCまたは列選択回路CCなどに含まれるロジック回路を構成するpチャネル型のトランジスタQ2が形成されている。つまり、トランジスタQ2は画素の外部に形成される素子である。
トランジスタQ2のゲート電極GMの構造は、増幅用トランジスタAMIおよび転送用トランジスタTXと同様である。トランジスタQ2のゲート電極GMと、ゲート電極GMの直下の半導体基板SBとの間には、ゲート絶縁膜G6が形成されている。ゲート絶縁膜G6は、半導体基板SB上に形成された絶縁膜ILと、絶縁膜IL上に形成されたhigh−k膜HKと、high−k膜HK上に形成されたキャッピング膜ALとを含む積層膜である。
絶縁膜ILはSiOからなる。絶縁膜IA2と異なり、絶縁膜IBと同様に絶縁膜ILにはLa(ランタン)は導入されていない。high−k膜HKは、例えばHfSiON膜からなる高誘電率膜である。high−k膜HLと異なり、high−k膜HKにはLa(ランタン)は導入されていない。キャッピング膜ALは、例えばAlO(酸化アルミニウム)からなる。具体的には、キャッピング膜ALはAl(アルミナ)を主に含んでいる。
トランジスタQ2のゲート電極GMの両側にサイドウォールSWが形成されており、また、ゲート電極GMの横の半導体基板SB内には、一対のソース・ドレイン領域が形成されている。トランジスタQ2はpチャネル型の電界効果トランジスタであるため、ソース・ドレイン領域を構成するエクステンション領域E2および拡散層D2はいずれもp型の半導体領域である。エクステンション領域E2および拡散層D2にはp型の不純物(例えばB(ホウ素))が導入されており、エクステンション領域E2よりも拡散層D2の方が、p型の不純物濃度が高い。
図15に示す絶縁膜IA2、IB、ILのそれぞれの膜厚は、0〜1.5nmである。また、high−k膜HLの膜厚は0.5〜1.5nmである。
上記のように、ゲート電極GMは、Si(シリコン)からなるポリシリコン膜PSと、金属膜である金属電極MGとにより構成されている。このように、互いに異なる仕事関数を有する材料を使用してゲート電極を形成する、いわゆるデュアルゲート構造を採用することで、各MOSFETのしきい値電圧を低くすることを可能としている。
また、ゲート絶縁膜G4の一部およびゲート絶縁膜G5の一部にhigh−k膜HLを用い、ゲート絶縁膜G6の一部にhigh−k膜HKを用いることで、ゲート絶縁膜G4、G5およびG6の誘電率を高めている。これにより、ゲート絶縁膜G4、G5およびG6の物理膜厚を増加することができるため、MOSFETのサイズを縮小する場合に、ゲート電極GMと半導体基板SBとの間におけるリーク電流、つまり直接トンネル電流の発生を防ぐことができる。また、ゲート絶縁膜G4およびG5の誘電率を高めることで、MOSFETのしきい値電圧の低減を可能としている。したがって、MOSFETを微細化することが可能である。
また、ここでは、nチャネル型のMOSFETに対し、キャッピング材料としてLa(ランタン)を用いている。これにより、nチャネル型のMOSFETである増幅用トランジスタAMIおよび転送用トランジスタTXのしきい値電圧を低減することができる。また、ここでは、pチャネル型のMOSFETに対し、キャッピング材料としてAL(アルミニウム)を用いている。これにより、pチャネル型のトランジスタQ2のしきい値電圧を低減することができる。増幅用トランジスタAMIおよび転送用トランジスタTXとトランジスタQ2とでキャッピング材料が異なるのは、MOSFETの導電型によって、しきい値電圧の調整に有用なキャッピング材料の種類が異なるためである。
また、ここでは、画素PE(図14参照)を構成する複数のMOSFETのゲート絶縁膜にhigh−k膜を用いている。このため、high−k膜をゲート絶縁膜に用いたMOSFETのしきい値電圧の調整を行う目的で、周辺トランジスタのみならず、図15に示す転送用トランジスタTXのゲート絶縁膜G5にも、キャッピング材料であるLa(ランタン)を導入している。これにより、転送用トランジスタTXのゲート電極GMの有効仕事関数を制御し、転送用トランジスタTXのしきい値電圧を効果的に低減することが可能である。
このように、転送用トランジスタTXのゲート絶縁膜G5にキャッピング材料を導入している理由は、high−k膜を含むゲート絶縁膜を用いた場合に、界面準位が発生しやすいことにある。つまり、フォトダイオードPDの近傍に設ける転送用トランジスタTXのゲート絶縁膜にhigh−k膜を用いる場合には、上記のようにキャッピング材料を当該ゲート絶縁膜に導入して、界面準位を低減することで、当該ゲート絶縁膜に電子が捕獲されることを防ぐことができる。
ただし、転送用トランジスタTXは、増幅用トランジスタAMIなどの周辺トランジスタに比べて、1/fノイズの発生に与える影響は小さい。したがって、転送用トランジスタTXのしきい値電圧を過度に低減する必要はないため、転送用トランジスタTXのゲート絶縁膜G5に導入するLa(ランタン)の量は比較的少なくてよい。これに対し、周辺トランジスタにおいて生じる1/fノイズを低減するためには、周辺トランジスタのゲート絶縁膜G4に比較的多量のLa(ランタン)を導入し、周辺トランジスタのしきい値電圧を大きく低減する必要がある。
ここでは、絶縁膜IA2および絶縁膜IBの両方にLa(ランタン)を導入しているが、上記の理由により、転送用トランジスタTXよりも周辺トランジスタのしきい値電圧を下げることを目的として、絶縁膜IA2に絶縁膜IBよりも多くLa(ランタン)を導入している。したがって、ゲート絶縁膜G5のLa濃度は、ゲート絶縁膜G4のLa濃度よりも小さい。
以下に、本実施の形態の半導体装置の効果について説明する。
画素を構成するMOSFETのゲート電極に金属電極を用い、ゲート絶縁膜にhigh−k膜を用いた場合、high−k膜内の酸素欠損、および、ゲート絶縁膜内の膜数の増加に起因して、当該MOSFETのしきい値電圧が大きくなる。
ここで、図29に、MOSFETのゲート電極の幅(W)を横軸とし、当該MOSFETのしきい値電圧(Vth)を縦軸としたグラフを示す。図29では、以下の2本のグラフを示している。一方のグラフは、前記実施の形態1のように、ゲート絶縁膜にSiON膜を用い、high−k膜を用いていない場合のグラフであり、白い丸のプロットを繋げて示している。もう一方のグラフは、ゲート絶縁膜にhigh−k膜を用いた場合のグラフであり、黒い四角のプロットを繋げて示している。
図29に示すように、high−k膜を含むMOSFETのしきい値電圧は、ゲート電極の幅が1μm以下の場合に急激に上昇する特性があり、ゲート絶縁膜がSiON膜からなるMOSFETに比べて、しきい値電圧の増大が顕著である。つまり、画素を構成する素子として、金属電極およびhigh−k膜を含むMOSFETを形成した場合、素子の微細化が進む程しきい値電圧が大きくなり、1/fノイズが顕著に増大する。
このような高いしきい値電圧をAsカウンター注入により低下させようとすると、多量のAs(ヒ素)を注入する必要があるため、半導体基板の上面に生じるダメージが大きくなる。この場合、半導体基板とゲート絶縁膜との界面の界面準位の増加により、1/fノイズの増大が顕著となる問題が生じる。
つまり、ゲート絶縁膜がSiONなどからなるMOSFETに比べ、金属電極およびhigh−k膜を用いたMOSFETはしきい値電圧が大きい。このため、半導体基板に生じるダメージを低減する観点から、Asカウンター注入を行う方法は、しきい値電圧を低下させる方法として不向きである。
本実施の形態の半導体装置では、ゲート絶縁膜にhigh−k膜を含む周辺トランジスタに対し、前記実施の形態1と同様に、周辺トランジスタのゲート絶縁膜にキャッピング材料を導入することで、周辺トランジスタのしきい値電圧を低減することを可能としている。ここでは、Asカウンター注入を行わずにしきい値電圧を低減しているため、図15に示す半導体基板SBとゲート絶縁膜G4との界面に注入ダメージが生じることを防ぐことができる。したがって、当該界面に界面準位が生じることを防ぐことできるため、1/fノイズの増大を防ぐことができる。
図29を用いて説明したように、ゲート絶縁膜がSiONなどからなるMOSFETに比べ、金属電極およびhigh−k膜を用いたMOSFETのしきい値電圧は大きいため、Asカウンター注入を行わないことで得られる効果、つまり、半導体基板SBにダメージが生じることを防ぐことにより得られる効果が大きい。すなわち、high−k膜を用いたMOSFETでは、ゲート絶縁膜に対してキャッピング材料を導入した構造を用いることで、特に効果的に1/fノイズを低減することができる。
また、図29に示すように、high−k膜を用いたMOSFETのしきい値電圧は、ゲート電極の幅を小さくし、半導体装置を微細化する場合に特に大きくなるため、本実施の形態の構造を用いることで、半導体基板SBにダメージが生じることを効果的に防ぎ、かつ、半導体装置の微細化を可能とすることができる。
また、周辺トランジスタのゲート電極GMをオン状態とするための電圧を小さくすることができるため、当該ゲート電極GMの垂直電界を小さくすることができる。このため、周辺トランジスタの短チャネル特性を改善することができる。よって、チャネル領域を通過する電子がゲート絶縁膜G4内に捕獲されることを防ぐことができるため、画素における1/fノイズの増大を防ぐことができる。
図14に示す増幅用トランジスタAMI、選択用トランジスタSELおよびリセット用トランジスタRSTは特に1/fノイズの増大に影響を及ぼず素子である。このため、ロジック回路などを構成するMOSFETまたは転送用トランジスタTXよりもゲート絶縁膜のキャッピング材料の濃度を高めることで、効果的に1/fノイズの発生を防ぐことができる。つまり、ゲート絶縁膜G4内のLa濃度は、転送用トランジスタTXのゲート絶縁膜G5のLa濃度よりも高い。また、ゲート絶縁膜G4内のLa濃度は、転送用トランジスタTXと同様のゲート構造を有する、ロジック回路のnチャネル型MOSFETのゲート絶縁膜のLa濃度よりも高い。また、ゲート絶縁膜G4内のLa濃度は、トランジスタQ2のゲート絶縁膜G6のAl濃度よりも高い。
また、図15に示す転送用トランジスタTXにおいては、high−k膜HLを含むゲート絶縁膜G5にLa(ランタン)を導入することで、転送用トランジスタTXのしきい値電圧を低減し、また、界面準位を低減させることができる。転送用トランジスタTXは増幅用トランジスタAMIなどの周辺トランジスタに比べて1/fノイズの増大に与える影響が小さいため、ゲート絶縁膜G5に導入しているLa(ランタン)の量は、ゲート絶縁膜G4に導入しているLa(ランタン)の量よりも少ない。これにより、オン・オフの制御が可能な範囲で、転送用トランジスタTXのしきい値電圧を低減することができる。
また、p型のトランジスタQ2においては、キャッピング膜ALとして、例えばAl(アルミニウム)を含む膜を用いることで、しきい値電圧を低減することができる。このように、pチャネル型のトランジスタQ2のしきい値電圧を効果的に調整するためには、La(ランタン)とは異なるキャッピング材料を用いる必要がある。
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について、図16〜図28を用いて説明する。図16〜図28は図15に対応する箇所の断面図であって、本実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。したがって、各図では左側から順に画素周辺領域1A、転送用トランジスタ領域1Dおよびロジック回路領域1Eの断面を並べて示している。
まず、図16に示すように、半導体基板SBを用意した後、半導体基板SBの主面に形成された溝に埋め込まれた素子分離領域(図示しない)を形成する。続いて、画素周辺領域1Aおよび転送用トランジスタ領域1Dの半導体基板SBの上面に、p型の不純物(例えばB(ホウ素))をイオン注入することにより、形成深さが比較的深いp型ウエルPWを形成する。また、ロジック回路領域1Eの半導体基板SBの上面に、n型の不純物(例えばP(リン)またはAs(ヒ素))をイオン注入することにより、形成深さが比較的深いn型ウエルNWを形成する。
その後、例えばCVD法を用いて、半導体基板SB上に絶縁膜ILを形成した後、例えばスパッタリング法を用いて、絶縁膜IL上に金属膜T1を形成する。絶縁膜ILは酸化シリコン膜であり、金属膜T1はTiN(窒化チタン)膜である。絶縁膜ILの膜厚は0〜1.5nmである。
次に、図17に示すように、フォトリソグラフィ技術およびウェットエッチング法を用いて、画素周辺領域1Aの金属膜T1を除去し、絶縁膜ILの上面を露出させる。続いて、例えばスパッタリング法を用いて、半導体基板SBの全面上に第1キャッピング膜LA1を形成する。第1キャッピング膜LA1の膜厚は0.3〜0.5nmである。このとき、画素周辺領域1Aにおいて、第1キャッピング膜LA1と絶縁膜ILとは接しているが、他の領域では、第1キャッピング膜LA1と絶縁膜ILとの間に金属膜T1が介在している。
次に、図18に示すように、半導体基板SBに対して熱処理を行うことで、第1キャッピング膜LA1内のLa(ランタン)を、画素周辺領域1Aの絶縁膜IL内に拡散させることで、画素周辺領域1Aに絶縁膜IA1を形成する。転送用トランジスタ領域1Dおよびロジック回路領域1Eの絶縁膜ILのそれぞれの上面は金属膜T1により覆われているため、当該絶縁膜IL内にLa(ランタン)は拡散しない。絶縁膜IA1は、絶縁膜ILにLa(ランタン)を導入することで形成された膜である。
次に、図19に示すように、絶縁膜IA1上および金属膜T1上の第1キャッピング膜LA1を除去した後、金属膜T1を除去することで、絶縁膜IA1およびILを露出させる。
次に、図20に示すように、例えばスパッタリング法により、半導体基板SBの全面上にhigh−k膜HKを形成する。これにより、絶縁膜IA1およびILのそれぞれの上面はhigh−k膜HKにより覆われる。high−k膜HKの膜厚は、0.5〜1.5nmである。続いて、pチャネル型のMOSFET用のキャッピング材料であるAl(アルミニウム)を含むキャッピング膜ALを、例えばスパッタリング法を用いて半導体基板SBの全面上に形成する。これにより、ロジック回路領域1Eでは、半導体基板SB上に、絶縁膜IL、high−k膜HKおよびキャッピング膜ALが順に積層される。high−k膜HKは例えばHfSiON膜からなる高誘電率膜である。キャッピング膜ALは、例えばAl(アルミナ)膜からなる。
次に、図21に示すように、例えばスパッタリング法により、半導体基板SBの全面上に金属膜T2を形成する。金属膜T2は、TiN(窒化チタン)膜からなる導電膜である。続いて、フォトリソグラフィ技術を用いて、ロジック回路領域1Eの金属膜T2の上面を覆うレジストパターンRP2を形成する。ここで、画素周辺領域1Aおよび転送用トランジスタ領域1Dの金属膜T2の上面は、レジストパターンRP2から露出している。
次に、図22に示すように、レジストパターンRP2をマスクとして金属膜T2を除去した後、レジストパターンRP2を除去する。これにより、ロジック回路領域1Eに、ハードマスクである金属膜T2のパターンを残す。続いて、金属膜T2をマスクとして、キャッピング膜ALを除去する。これにより、画素周辺領域1Aおよび転送用トランジスタ領域1Dのhigh−k膜HKの上面が露出する。これに対し、ロジック回路領域1Eでは、金属膜T2に覆われたキャッピング膜ALが残っている。
次に、図23に示すように、プラズマ窒化法により、絶縁膜IA1、ILおよびhigh−k膜HKを窒化処理する。
その後、例えばスパッタリング法を用いて、半導体基板SBの全面上に第2キャッピング膜LA2を形成する。第2キャッピング膜LA2の膜厚は0.3nm以上、1.0nm以下である。このとき、画素周辺領域1Aおよび転送用トランジスタ領域1Dにおいて、第2キャッピング膜LA2とhigh−k膜HKとは接しているが、ロジック回路領域1Eでは、第2キャッピング膜LA2とhigh−k膜HKとの間にキャッピング膜ALおよび金属膜T2が介在している。
次に、図24に示すように、半導体基板SBに対して熱処理を行うことで、第2キャッピング膜LA2内のLa(ランタン)を、high−k膜HKの一部、絶縁膜IA1、および絶縁膜ILの一部のそれぞれの内部に拡散させる。
これにより、画素周辺領域1Aのhigh−k膜HK内にLa(ランタン)を拡散させて、high−k膜HLを形成する。また、画素周辺領域1Aの絶縁膜IA1内にLa(ランタン)を拡散させて、絶縁膜IA2を形成する。また、転送用トランジスタ領域1Dのhigh−k膜HK内にLa(ランタン)を拡散させて、high−k膜HLを形成する。また、転送用トランジスタ領域1Dの絶縁膜IL内にLa(ランタン)を拡散させて、絶縁膜IBを形成する。
この工程で、絶縁膜IB内には初めてLa(ランタン)が拡散する。これに対し、図18を用いて説明した工程において、絶縁膜IA1内にはLa(ランタン)が拡散しているため、図24を用いて説明した拡散工程により、絶縁膜IA2内にはキャッピング膜LA2から再びLa(ランタン)が拡散する。すなわち、絶縁膜IA2は、絶縁膜IL(図16参照)に対してLa(ランタン)の拡散を2回行って形成された膜であるため、絶縁膜IBよりもLa(ランタン)の濃度が高い。
ここでは、画素周辺領域1Aの絶縁膜IA1(図23参照)および転送用トランジスタ領域1Dの絶縁膜IL(図23参照)に、第2キャッピング膜LA2からLa(ランタン)を拡散させる必要があるが、絶縁膜IA1および絶縁膜ILと第2キャッピング膜LA2との間にはhigh−k膜HK(図23参照)が介在している。このため、第2キャッピング膜LA2は、拡散対象の絶縁膜に直接接するキャッピング膜を形成する場合に比べて膜厚を大きくしている。第2キャッピング膜LA2の膜厚を大きくすることで、熱処理工程において、high−k膜HKを介して、La(ランタン)を絶縁膜IA2および絶縁膜IBに拡散させることができる。
このため、図17に示す第1キャッピング膜LA1の膜厚よりも、図24に示す第2キャッピング膜LA2の膜厚は大きい。なお、第1キャッピング膜LA1の膜厚を0.3〜0.5nmとし、第2キャッピング膜LA2の膜厚を0.3nm以上、1.0nm以下としたが、本実施の形態の半導体装置の製造工程では、常に第2キャッピング膜LA2の膜厚を第1キャッピング膜LA1の膜厚より大きくする。
なお、図24を用いて説明した拡散工程により絶縁膜IA2内に拡散させるLa(ランタン)の量に応じて、図18を用いて説明した拡散工程により絶縁膜IA1内に拡散させるLa(ランタン)の量を調整する。また、図24に示す第2キャッピング膜LA2の膜厚は、high−k膜HK(図20参照)の膜厚などに応じて調整する。拡散させるLa(ランタン)の量は、例えば第1キャッピング膜LA1、第2キャッピング膜LA2の膜厚により調整する。
次に、図25に示すように、第2キャッピング膜LA2および金属膜T2を除去する。これにより、high−k膜HLおよびキャッピング膜ALを露出させる。
次に、図26に示すように、例えばスパッタリング法を用いて、半導体基板SBの全面上に金属膜T3を形成する。金属膜T3は、TiN(窒化チタン)膜からなる導電膜である。その後、金属膜T3上に、例えばCVD法を用いて、ポリシリコン膜PSを形成する。続いて、半導体基板SBを熱処理することで、high−k膜HL、HKを緻密化させる。これにより、high−k膜HL、HKの信頼性を向上させる。
次に、図27に示すように、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、ポリシリコン膜PS、金属膜T3、キャッピング膜AL、high−k膜HL、HK、絶縁膜IA2、IBおよびILをパターニングする。これにより、金属膜T3からなる金属電極MGを形成する。金属電極MGおよびポリシリコン膜PSからなる積層膜は、ゲート電極GMを構成している。
また、上記パターニングにより、画素周辺領域1Aにおいて、絶縁膜IA2およびhigh−k膜HLの積層膜からなるゲート絶縁膜G4を形成する。また、上記パターニングにより、転送用トランジスタ領域1Dにおいて、絶縁膜IBおよびhigh−k膜HLからなるゲート絶縁膜G5を形成する。また、ロジック回路領域1Eにおいて、絶縁膜IL、high−k膜HKおよびキャッピング膜ALからなるゲート絶縁膜G6を形成する。
その後、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を用いてn型の不純物(例えばP(リン)またはヒ素(As))を、フォトダイオードの形成領域の半導体基板SBの上面に打ち込む。これにより、転送用トランジスタ領域1Dのゲート電極GMの横の両側の領域の半導体基板SBのうち、一方の領域にn型の拡散層N1を形成する。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を用いて、p型の不純物(例えばB(ホウ素))を高い濃度でフォトダイオードの形成領域の半導体基板SBの上面に打ち込む。これにより、拡散層N1が形成された領域の半導体基板SBの上面に、p型の拡散層P1を形成することで、拡散層P1および拡散層N1とのPN接合を有するフォトダイオードPDを形成する。
なお、フォトダイオードPDを構成する拡散層P1および拡散層N1の形成は、ゲート電極GEの形成前に行ってもよい。
その後、フォトダイオードPDを形成した領域およびロジック回路領域1Eをレジストパターン(図示しない)により覆った状態で、当該レジストパターンおよび各ゲート電極GMをマスクとして、半導体基板SBの上面にn型の不純物(例えばP(リン)またはヒ素(As))を比較的低い濃度でイオン注入する。これにより、画素周辺領域1Aのゲート電極GMの横の半導体基板SBの上面に、一対のエクステンション領域E1を形成する。また、転送用トランジスタ領域1Dのゲート電極GMの横の、フォトダイオードPDが形成されていない方の半導体基板SBの上面にも、エクステンション領域E1を形成する。
その後、上記レジストパターンを除去した後、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を用いて、p型の不純物(例えばB(ホウ素))を比較的低い濃度でロジック回路領域1Eの半導体基板SBの上面に打ち込む。これにより、レジストパターンから露出するロジック回路領域1Eの半導体基板SBの上面に、一対のエクステンション領域E2を形成する。
この後の工程は、図9〜図11を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、図28に示す本実施の形態の半導体装置が完成する。ただし、ロジック回路領域1Eに形成するトランジスタQ2はpチャネル型の電界効果トランジスタであるため、半導体基板SBの上面に形成する一対の拡散層D2はp型の半導体領域とする。つまり、ロジック回路領域1Eにおいて、p型の拡散層D2と、拡散層D2よりもp型不純物の濃度が低いp型のエクステンション領域E2とは、トランジスタQ2のソース・ドレイン領域を構成している。
上記工程により、画素周辺領域1Aには、ゲート絶縁膜G4上に形成されたゲート電極GMを有する増幅用トランジスタAMIが形成される。また、転送用トランジスタ領域1Dには、ゲート絶縁膜G5上に形成されたゲート電極GMを有する転送用トランジスタTXが形成される。また、ロジック回路領域1Eには、ゲート絶縁膜G6上に形成されたゲート電極GMを有するトランジスタQ2が形成される。
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法の効果について説明する。
本実施の形態の半導体装置の製造方法を用いることで、図14、図15および図29を用いて説明した効果と同様の効果を得ることができる。つまり、図29を用いて説明したように、high−k膜をゲート絶縁膜に含むMOSFETは、ゲート絶縁膜が例えばSiONのみからなるMOSFETに比べてしきい値電圧が高いため、Asカウンター注入により当該しきい値電圧を低減しようとすると、半導体基板の上面に生じる注入ダメージが非常に大きくなる。
これに対し、本実施の形態の半導体装置の製造方法では、Asカウンター注入を行わず、キャッピング材料をゲート絶縁膜に導入することで、MOSFETのしきい値電圧を低減することができるため、半導体基板およびゲート絶縁膜間の界面のダメージに起因する1/fノイズの発生を防ぐことができる。したがって、画素において生じる読み出しノイズを低減することができるため、半導体装置の性能を向上させることができる。
また、図28に示す画素周辺領域1Aの周辺トランジスタのゲート絶縁膜G4に、キャッピング材料であるLa(ランタン)を導入することにより、周辺トランジスタのしきい値電圧を低減することができる。このため、当該周辺トランジスタのゲート電極GMをオン状態とするために当該ゲート電極GMに印加する電圧を、下げることができる。これにより、ゲート電極GMの垂直電界を小さくすることができるため、電子がゲート絶縁膜G4に捕獲されることを防ぐことが可能である。よって、周辺トランジスタにおける1/fノイズの発生を防ぐことができる。
また、ここでは、high−k膜HLを含むゲート絶縁膜G5を有する転送用トランジスタTXのしきい値電圧の調整を行う目的で、ゲート絶縁膜G5にもLa(ランタン)を導入している。これにより、転送用トランジスタTXのゲート電極GMの有効仕事関数を制御し、転送用トランジスタTXのしきい値電圧を効果的に低減することが可能である。
ただし、転送用トランジスタTXは増幅用トランジスタAMIなどの周辺トランジスタに比べて、1/fノイズの発生に与える影響は小さい。また、転送用トランジスタTXのオン・オフの制御が可能な範囲で、転送用トランジスタTXのしきい値電圧を低減する必要がある。よって、ここでは、ゲート絶縁膜G5に導入するLa(ランタン)の量は、周辺トランジスタのゲート絶縁膜G4に導入するLa(ランタン)より少なくしている。
このようにキャッピング材料の導入量の調整をするため、本実施の形態の半導体装置の製造工程では、周辺トランジスタの絶縁膜IA2に対するLa(ランタン)の拡散工程を2回行い(図18および図24参照)、転送用トランジスタTXの絶縁膜IBに対するLa(ランタン)の拡散工程を1回だけ行っている(図24参照)。これにより、ゲート絶縁膜G5のLa濃度を、ゲート絶縁膜G4のLa濃度より低くすることができる。
また、本実施の形態の半導体装置の製造方法では、図23に示す第2キャッピング膜LA2を、図17に示す第1キャッピング膜LA1よりも厚い膜厚で形成することで、図24に示すhigh−k膜HLを介して、絶縁膜IA2、IBのそれぞれに所望の量のLa(ランタン)を精度よく導入することができる。
なお、フォトダイオードPDを構成する拡散層N1およびP1は、例えば図16に示す半導体基板SBを用意した後であって、絶縁膜ILの形成前に形成してもよい。
また、前記実施の形態1において述べたように、nチャネル型のMOSFETである周辺トランジスタおよび転送用トランジスタTXなどのゲート絶縁膜に導入するキャッピング材料には、La(ランタン)に限らず、Y(イットリウム)またはMg(マグネシウム)を用いてもよい。
また、転送用トランジスタ領域1Dのゲート電極GMおよびゲート絶縁膜G5の形成工程は、ロジック回路のnチャネル型のMOSFETのゲート電極およびゲート絶縁膜の形成工程にも適用できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1A 画素周辺領域
1B、1D 転送用トランジスタ領域
1C、1E ロジック回路領域
AL キャッピング膜
AMI 増幅用トランジスタ
CC 列選択回路
CL 層間絶縁膜
CP コンタクトプラグ
D1、D2 拡散層
E1、E2 エクステンション領域
G1〜G6 ゲート絶縁膜
GE、GM ゲート電極
GND 接地部
HK、HL high−k膜
IA1、IA2、IB、IL 絶縁膜
IL1 層間絶縁膜
IS 撮像素子
LA キャッピング膜
LA1 第1キャッピング膜
LA2 第2キャッピング膜
M1 配線
MG 金属電極
N1 拡散層
NW n型ウエル
ON、OL 絶縁膜
P1 拡散層
PD フォトダイオード
PE 画素
PS ポリシリコン膜
PW p型ウエル
Q1、Q2 トランジスタ
RC 行選択回路
RP1、RP2 レジストパターン
RST リセット用トランジスタ
SB 半導体基板
SEL 選択用トランジスタ
SW サイドウォール
T1〜T3 金属膜
TX 転送用トランジスタ

Claims (16)

  1. 入射光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換素子と、
    前記信号電荷を電荷検出部に転送する転送用トランジスタと、
    前記電荷検出部の電位変動に対応する電気信号を出力する増幅用トランジスタと、
    前記電荷検出部の電位を所定の値にリセットするリセット用トランジスタと、
    前記増幅用トランジスタが出力する前記電気信号を外部に出力する選択用トランジスタと、
    を有する画素を備えた半導体装置において、
    半導体基板上に形成され、前記増幅用トランジスタを構成するゲート絶縁膜は、Laを含む、半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記リセット用トランジスタおよび前記選択用トランジスタのそれぞれのゲート絶縁膜は、Laを含む、半導体装置。
  3. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記転送用トランジスタのゲート絶縁膜は、SiON膜を含み、
    前記転送用トランジスタのゲート絶縁膜のLa濃度は、前記増幅用トランジスタのゲート絶縁膜のLa濃度より低い、半導体装置。
  4. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記転送用トランジスタのゲート絶縁膜は、Laを含む、半導体装置。
  5. 請求項4記載の半導体装置において、
    前記リセット用トランジスタおよび前記選択用トランジスタのそれぞれのゲート絶縁膜は、Laを含み、
    前記増幅用トランジスタ、前記リセット用トランジスタおよび前記選択用トランジスタのそれぞれのゲート絶縁膜のLa濃度は、前記転送用トランジスタのゲート絶縁膜のLa濃度より大きい、半導体装置。
  6. 請求項4記載の半導体装置において、
    前記転送用トランジスタのゲート絶縁膜の誘電率は、SiONより大きく、
    前記転送用トランジスタのゲート電極は、金属電極を含む、半導体装置。
  7. 請求項5記載の半導体装置において、
    前記画素の外部における、前記半導体基板上のn型の電界効果トランジスタを構成するゲート絶縁膜は、Laを含み、
    前記画素の外部における、前記半導体基板上のp型の電界効果トランジスタを構成するゲート絶縁膜は、Alを含み、
    前記増幅用トランジスタ、前記リセット用トランジスタおよび前記選択用トランジスタのそれぞれのゲート絶縁膜のLa濃度は、前記n型の電界効果トランジスタのゲート絶縁膜のLa濃度より大きい、半導体装置。
  8. 主面に第1領域、第2領域、第3領域および第4領域を有する半導体基板と、
    入射光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換素子と、
    前記信号電荷を電荷検出部に転送する、前記第4領域の転送用トランジスタと、
    第1ゲート絶縁膜、第1ゲート電極および第1ソース・ドレイン領域を含み、前記電荷検出部の電位変動に対応する電気信号を出力する、前記第1領域の増幅用トランジスタと、
    前記電荷検出部の電位を所定の値にリセットする、前記第2領域のリセット用トランジスタと、
    前記増幅用トランジスタが出力する前記電気信号を外部に出力する、前記第3領域の選択用トランジスタと、
    を有する画素を備えた半導体装置の製造方法であって、
    (a)前記半導体基板を用意する工程、
    (b)前記第1領域の前記半導体基板上に、Laを含む第1絶縁膜を形成する工程、
    (c)前記第1絶縁膜上に、前記第1ゲート電極を形成する工程、
    (d)前記第1絶縁膜を加工して、前記第1ゲート絶縁膜を形成する工程、
    (e)前記半導体基板の上面に、一対の前記第1ソース・ドレイン領域を形成する工程、
    (f)前記半導体基板の上面に、前記光電変換素子を形成する工程、
    を有する、半導体装置の製造方法。
  9. 請求項8記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(b)工程では、前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域の前記半導体基板上に、前記第1絶縁膜を形成し、
    前記(c)工程では、前記第1領域の前記第1絶縁膜上に前記第1ゲート電極を形成し、前記第2領域の前記第1絶縁膜上に第2ゲート電極を形成し、前記第3領域の前記第1絶縁膜上に第3ゲート電極を形成し、
    前記(d)工程では、前記第1領域の前記第1絶縁膜を加工して前記第1ゲート絶縁膜を形成し、前記第2領域の前記第1絶縁膜を加工して第2ゲート絶縁膜を形成し、前記第3領域の前記第1絶縁膜を加工して第3ゲート絶縁膜を形成し、
    前記(e)工程では、前記第1領域の前記半導体基板の上面に、一対の前記第1ソース・ドレイン領域を形成し、前記第2領域の前記半導体基板の上面に、一対の第2ソース・ドレイン領域を形成し、前記第3領域の前記半導体基板の上面に、一対の第3ソース・ドレイン領域を形成し、
    前記リセット用トランジスタは、前記第2ゲート絶縁膜、前記第2ゲート電極および前記第2ソース・ドレイン領域を有し、
    前記選択用トランジスタは、前記第3ゲート絶縁膜、前記第3ゲート電極および前記第3ソース・ドレイン領域を有する、半導体装置の製造方法。
  10. 請求項8記載の半導体装置の製造方法において、
    前記転送用トランジスタを構成する第4ゲート絶縁膜は、SiON膜を含み、
    前記第4ゲート絶縁膜のLa濃度は、前記第1ゲート絶縁膜のLa濃度より低い、半導体装置の製造方法。
  11. 請求項8記載の半導体装置の製造方法において、
    前記転送用トランジスタを構成する第4ゲート絶縁膜は、Laを含む、半導体装置の製造方法。
  12. 請求項11記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1絶縁膜のLa濃度は、前記第4ゲート絶縁膜のLa濃度より大きい、半導体装置の製造方法。
  13. 請求項11記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第4ゲート絶縁膜の誘電率は、SiONより大きく、
    前記転送用トランジスタを構成する第4ゲート電極は、金属電極を含む、半導体装置の製造方法。
  14. 請求項12記載の半導体装置の製造方法において、
    前記画素の外部における、前記半導体基板上のn型の電界効果トランジスタを構成する第5ゲート絶縁膜は、Laを含み、
    前記画素の外部における、前記半導体基板上のp型の電界効果トランジスタを構成する第6ゲート絶縁膜は、Alを含み、
    前記第1絶縁膜のLa濃度は、前記第5ゲート絶縁膜のLa濃度より大きい、半導体装置の製造方法。
  15. 請求項8記載の半導体装置の製造方法において、
    前記半導体基板の主面に対するAsカウンター注入を行わない、半導体装置の製造方法。
  16. 請求項8記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1絶縁膜は、第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上に形成されたLa含有膜とを含み、
    (g)前記(b)工程の後であって、前記(c)工程の前に、熱処理を行い、前記La含有膜内のLaを前記第2絶縁膜内に拡散させる工程をさらに有する、半導体装置の製造方法。
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