JP2015046307A - 二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】水系の電解液を用いて過充電や過放電の状態となっても、可燃性の水素ガスの発生を抑制できる二次電池を提供する。【解決手段】正極1と、負極3と、水系の電解液とを備え、正極1と負極3との間でアルカリ金属イオンをやり取りすることにより充放電を行う二次電池において、正極1の最大充電容量をA、最大放電容量をDとし、負極3の最大充電容量をB、最大放電容量をCとしたとき、BをAよりも大きく(A<B)、かつDをCよりも大きく(C<D)なるように構成する。これにより、過充電や過放電の状態となっても水素ガスの発生を抑制できる。前記Aに対する前記Bの比(B/A)が、1.1以上であり、前記Cに対する前記Dの比(D/C)が、1.1以上である二次電池。【選択図】図3
Description
本発明は、二次電池に関するものである。
近年、二次電池の用途は、携帯用電子機器などの小型用途だけでなく、電気自動車用バッテリー、家庭用蓄電池、および風力発電や太陽光発電の電圧安定化用などの大型用途にも広がっている。
通常、リチウムイオン二次電池では、高いエネルギー密度を実現するために電解質として有機電解液を利用している。しかし、上述のような大型用途に用いる場合、可燃性の有機電解液を使用すると安全性に対する懸念が大きいことから、有機電解液に代えて安全性の高い水系の電解液を使用することが検討されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
しかしながら、水系の電解液を用いた二次電池では電解液の電位窓が狭いことから、過充電或いは過放電により水が分解してガスが発生しやすいという問題がある。具体的には、過充電状態では正極から酸素ガスが、負極から水素ガスが発生し、過放電状態では正極から水素ガスが、負極から酸素ガスが発生する。特に水素ガスが多量に発生・滞留した場合には、爆発・火災を引き起こす懸念がある。
正極の容量と負極の容量に差を設けることにより、容量が大きい側の電極からのガス発生を抑制できるが、完全な対策とはいえない。たとえば、負極の容量を正極よりも大きくした場合、充電時に負極が過充電状態になりにくいため過充電による水素ガスの発生を防ぐことはできるが、放電時に正極が過放電状態となって水素ガスが発生する可能性がある。
本発明は上記の課題に鑑みなされたもので、水系の電解液を用いて過充電や過放電の状態となっても、ガス、特に水素ガスの発生を抑制できる二次電池を提供することを目的とする。
本発明の二次電池は、正極と、負極と、水系の電解液とを備え、前記正極と前記負極との間でアルカリ金属イオンをやり取りすることにより充放電を行う二次電池であって、
前記正極の最大充電容量をA、最大放電容量をDとし、前記負極の最大充電容量をB、最大放電容量をCとしたとき、前記Bが前記Aよりも大きく、かつ前記Dが前記Cよりも大きいことを特徴とする。
前記正極の最大充電容量をA、最大放電容量をDとし、前記負極の最大充電容量をB、最大放電容量をCとしたとき、前記Bが前記Aよりも大きく、かつ前記Dが前記Cよりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、水系の電解液を用いて過充電や過放電の状態となっても、可燃性の水素ガスの発生を抑制できる二次電池を提供できる。
本発明の一実施形態である二次電池について、図1および図2を用いて説明する。本実施形態の二次電池は、正極1と負極3との間に水系の電解液を含有する電解質層2を有し、これらは発電要素4を構成している。また、正極1および負極3の電解質層2に面する側とは反対側の面には、それぞれ正極側集電層5Pおよび負極側集電層5Nが設けられている。図1に示した発電要素4を、図2に示すような電池ケースに収納することにより二次電池が形成される。電池ケースの形態はラミネートタイプや円筒型、箱型、コイン型など多種多様であるが、いずれの形態であっても良い。図2に示す6Pおよび6Nは、それぞれ外部回路と正極1および負極3とを電気的に接続する正極端子および負極端子であり、7は自動車用鉛蓄電池などに使用される箱型タイプのケースである。8は過充電時や過放電時に電気分解にて発生するガスを放出するための安全弁である。
正極1と負極3とは、電解質層2に含まれる水系の電解液を介してアルカリ金属イオンをやり取りすることにより充放電を行う。
本実施形態においては、正極1の最大充電容量をA、最大放電容量をDとし、負極3の最大充電容量をB、最大放電容量をCとしたとき、BがAよりも大きく、かつDがCよりも大きい。すなわち、A、B、CおよびDが下記の関係式:
A<B、かつC<D
を満足することが重要である。ここで、図3に示すように、正極1または負極3(以下、単に電極という場合もある)の最大充電容量(A、B)とは、正極1単体または負極3単体として充電可能な最大容量を意味し、これらを組み合わせた二次電池としての充電容量とは異なる。同様に、正極1または負極3の最大放電容量(D、C)とは、正極1単体または負極3単体として放電可能な最大容量を意味する。
A<B、かつC<D
を満足することが重要である。ここで、図3に示すように、正極1または負極3(以下、単に電極という場合もある)の最大充電容量(A、B)とは、正極1単体または負極3単体として充電可能な最大容量を意味し、これらを組み合わせた二次電池としての充電容量とは異なる。同様に、正極1または負極3の最大放電容量(D、C)とは、正極1単体または負極3単体として放電可能な最大容量を意味する。
このような構成とすることにより、二次電池が過充電状態および過放電状態のいずれになった場合でも、一方の電極から水素ガスが発生する前に他方の電極から酸素ガスが発生する。水素ガスが発生する前に既に酸素ガスが発生していることから、発生した水素ガスは既に存在する酸素ガスと直ちに再結合して水になる。したがって、過充電状態および過放電状態のいずれにおいても、多量の水素ガスの発生を抑制することができる。
なお、正極1のAおよびD、負極3のBおよびCは、正極1および負極3にそれぞれ含まれる活物質の含有量と、その活物質の比容量(充放電により活物質の結晶構造が変化する場合はその変化も考慮した比容量)から算出することができる。
また、Aに対するBの比(B/A)またはCに対するDの比(D/C)を1.1以上とすることにより、過充電や過放電による多量の水素ガスの発生をより確実に抑制することができる。すなわち、負極3の最大充電容量Bを正極1の最大充電容量Aの1.1倍以上とするか、正極1の最大放電容量Dを負極3の最大放電容量Cの1.1倍以上とすることにより、たとえ過充電状態または過放電状態がある時間範囲で継続的に発生した場合でも、水素ガスの発生量に対して酸素ガスの発生量が充分多いため、発生した水素ガスは直ちに酸素ガスと再結合して水となり、多量の水素ガスの発生を抑制することができる。特にB/AおよびD/Cをいずれも1.1以上とした場合には、過充電状態および過放電状態
のいずれの場合においても、多量の水素ガスの発生を抑制できる。
のいずれの場合においても、多量の水素ガスの発生を抑制できる。
A、B、CおよびDの間にこのような関係式を成立させるためには、たとえば、正極1として最大放電容量Dが最大充電容量Aより大きいものを用い、負極3として最大充電容量Bおよび最大放電容量CがいずれもAとDの中間の容量となるようなものを用いて二次電池の電極を構成すればよい。
通常は、二次電池の初期状態とは、電極が充電されておらず、過放電もしていない安定な状態であることを意味する。一般的に、初期状態において正極1はアルカリ金属イオンの脱離反応のみが可能であり、負極3はアルカリ金属イオンの挿入反応のみが可能である場合が多い。
正極1に使用される活物質の中には、初期状態において、電気化学的にアルカリ金属イオンの挿入および脱離の両方向に反応することが可能な化合物が存在する。このような活物質を含む正極1においては、正極1の最大充電容量Aは、初期状態からアルカリ金属イオンが脱離した状態の容量であるのに対し、正極1の最大放電容量Dは、最大充電容量Aに、初期状態に対してさらにアルカリ金属イオンが挿入された状態に相当する容量を加えた容量となる(図3を参照)。このような正極1に対し、負極3の最大充電容量Bおよび最大放電容量CをいずれもAとDとの中間の容量に設定することにより、A<B、かつC<Dの関係式を満足する二次電池を実現できる。
また、正極1や負極3に挿入脱離されるアルカリ金属イオンとしては、大きな容量密度が得られるという点から、LiイオンおよびNaイオンのうち少なくともいずれか一方を用いることが好ましい。
正極1に使用される活物質のうちこのような挙動を取り得る化合物としては、アルカリ金属イオンがLiイオンの場合であれば、例えばLiMn2O4が挙げられ、アルカリ金属イオンがNaイオンの場合には、例えばNaxMnO2(但し、x=0.44〜0.66)が挙げられる。
LiMn2O4は、充電すなわちLiイオンの脱離により以下のような反応を示す。
LiMn2O4→2MnO2+Li++e-
その一方で、LiMn2O4にさらにLiイオンを挿入することも可能で、その場合以下のような反応を示す。
LiMn2O4+Li++e-→Li2Mn2O4
LiMn2O4→2MnO2+Li++e-
その一方で、LiMn2O4にさらにLiイオンを挿入することも可能で、その場合以下のような反応を示す。
LiMn2O4+Li++e-→Li2Mn2O4
また、NaxMnO2(但し、x=0.44〜0.66)は、充電の場合、Na0.22MnO2の組成となるまでNaイオンの脱離が可能である。また、放電の場合は、Na0.8MnO2の組成となるまでNaイオンの挿入が可能である。
このような活物質を正極1に用いた場合、負極3に用いる活物質としては、例えば、活性炭、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料、およびその他のLiやNaを挿入脱離可能な合金や化合物などが挙げられる。
なお、図3に示したA、B、CおよびDの関係図は一例として挙げたものであり、負極3が初期状態においてアルカリ金属イオンの挿入および脱離のいずれも可能な場合や不可逆容量を有する場合などにおいては若干異なる様相を呈するが、いずれの場合においても、A<B、かつC<Dを満足することにより、過充電状態および過放電状態における多量の水素ガスの発生を抑制することができる。
本実施形態の正極1および負極3は、それぞれ正極用および負極用の活物質を用いて以下のようにして作製すればよい。たとえば、活物質を80質量%、導電助剤としてアセチレンブラックを10質量%およびバインダーとしてポリフッ化ビニリデンを10質量%に、さらに溶媒として、活物質、導電助剤およびバインダーの合量に対して15質量%のNMP(N−メチルピロリドン)を添加してスラリーを作製する。作製したスラリーを、ドクターブレード法などの周知のシート成形法により、たとえばステンレス、Ni、Ti等の金属箔上に塗布し溶剤を乾燥することで、活物質と導電助剤と結着剤とを含む電極を作製できる。
また、導電性を付与した活物質の粉末を用いて、押し出し成形やロールコンパクション法などの成形法によって圧粉体を作製し、電極を形成してもよい。
バインダーは、ポリフッ化ビニリデン以外にも、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリイミド樹脂(PI)、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂など、用途によって適したものを選んで使用できる。また、導電助剤も、アセチレンブラックの代わりにケッチェンブラックやカーボンナノチューブ、黒鉛、ハードカーボン、金属(Ni、金、白金など)の粉末、無機導電性酸化物(酸化インジウムスズ(ITO)ガラス、酸化スズなど)など、使用電圧範囲において化学的に安定で導電性を示すものであればその材料はいずれでも良い。
電極中における活物質の粒子の平均粒径は、これを用いる二次電池の電圧範囲や温度などの使用条件に応じて、適正な範囲を選んで調整すればよいが、たとえば、0.5〜10μmであることが好ましい。活物質粒子の平均粒径が小さすぎると、高出力に対応できるが、電解液との接触面積が大きくなるため、使用条件によっては劣化が早く起こりやすい場合がある。また、テープ成形自体も困難になる。一方、大きすぎると、テープ成形において突起物ができたり、電池の出力応答が低下する懸念がある。電極中における活物質の粒子の平均粒径は、たとえば電極の断面において、走査型電子顕微鏡(SEM)と波長分散型X線分析(WDS)により活物質の粒子を判別し、撮影した写真を画像解析して算出するなどして求めることができる。
電解質層2としては、セパレータに水系の電解液を含浸させたものを用いる。電解液を含浸させるセパレータには、イオンを通し、かつ正負極のショートを防止することが求められる。具体的には、ポリオレフィン繊維性の不織布やポリオレフィン製の微多孔膜、ガラスフィルター、セラミックの多孔質材料などを用いることができる。ここで、ポリオレフィンとしてはポリエチレン、ポリプロピレンを挙げることができ、一般的にリチウムイオン電池などの二次電池に用いられるセパレータが適用可能である。
水系の電解液は、リチウムイオンまたはナトリウムイオンの伝導率が高い水溶液であれば特に限定する必要はない。例えば、1〜2mol/LのLi2SO4水溶液やLiOH水溶液、LiNO3水溶液、Na2SO4水溶液、NaNO3水溶液、NaCl水溶液などが使用できる。これらは、pHの調整により水の電気分解電位を変化させることができるため、充電電位を変えることも可能である。
正極側集電層5Pには、正極1の電位において溶解や酸素の発生がない、耐食性を有する材料を用いればよい。このような材料としては、たとえば、ニッケル、チタン、ステンレス、金、白金、グラファイトシートなどが挙げられる。その中でもチタン、ニッケルは容易に入手でき、コスト的にも比較的入手しやすい価格であることから好ましい。特にチタンとニッケルは貴な電位においても耐食性に優れる点から好ましい。
負極側集電層5Nには、負極3の電位において、LiやNaとの合金化などの副反応が
発生しない材料を用いればよい。このような材料としては、たとえば、ニッケル、チタン、ステンレス等を含む金属材料や合金、黒鉛、ハードカーボン、ガラス状炭素等の炭素質材料などが挙げられる。特に、電子伝導性が高く比較的安価な点から、チタンまたはニッケルを用いることが好ましい。
発生しない材料を用いればよい。このような材料としては、たとえば、ニッケル、チタン、ステンレス等を含む金属材料や合金、黒鉛、ハードカーボン、ガラス状炭素等の炭素質材料などが挙げられる。特に、電子伝導性が高く比較的安価な点から、チタンまたはニッケルを用いることが好ましい。
正極側集電層5Pおよび負極側集電層5Nは、これらの金属材料からなる金属箔やメッシュを用いてもよいし、金属材料、炭素質材料またはITOガラスや酸化すずなどの無機導電性酸化物材料などをフィラーとした導電性インクなどを、あらかじめ成形した電極表面に塗布し、乾燥させたものを用いてもよい。
なお、金属箔またはメッシュを用いる場合、その厚みは5〜40μmとすることが好ましい。また、金属箔を使用する場合は、電極との接着力向上のために、金属箔の表面を粗面化処理したものを用いてもよい。この場合、金属箔の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)にして0.5〜2μmであることが好ましい。金属箔の表面粗さは、触針式、光干渉式等の表面粗さ計や、レーザー顕微鏡、原子間力顕微鏡(AFM)等を用いて測定する。一般的に使用される触針式表面粗さ計を用いる場合は、JIS B0601に基づいて、たとえば、触針先端径を2μm、測定長を4.8mm、カットオフ値を0.8mmという条件で測定すればよい。
以下、本発明の二次電池について、実施例に基づき詳細に説明する。
(活物質)
正極の活物質としては、LiMn2O4(戸田工業製)およびNa0.66MnO2を用いた。負極の活物質としては、活性炭(クラレ製)、LiTi2(PO4)3およびNaTi2(PO4)3を用いた。なお、Na0.66MnO2、LiTi2(PO4)3およびNaTi2(PO4)3については、合成した粉体にカーボンコートを施して用いた。また、これらの活物質は、すべて回転ミルを用いて、平均粒径が0.5〜1.0μmとなるように粉砕した。
正極の活物質としては、LiMn2O4(戸田工業製)およびNa0.66MnO2を用いた。負極の活物質としては、活性炭(クラレ製)、LiTi2(PO4)3およびNaTi2(PO4)3を用いた。なお、Na0.66MnO2、LiTi2(PO4)3およびNaTi2(PO4)3については、合成した粉体にカーボンコートを施して用いた。また、これらの活物質は、すべて回転ミルを用いて、平均粒径が0.5〜1.0μmとなるように粉砕した。
(電極作製)
これらの活物質の粉末を80質量%、導電助剤としてアセチレンブラックを10質量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを10質量%に、さらに溶媒としてNMP(N−メチルピロリドン)を、活物質、導電助剤およびバインダーの合量に対して15質量%混合してスラリーを作製した。このスラリーを、集電層となるニッケル金属箔の上にドクターブレード法により塗布し、溶媒を乾燥して電極を作製した。このとき、活性炭を活物質として含有する電極の厚さは100μm、その他の電極の厚さは30μmとした。
これらの活物質の粉末を80質量%、導電助剤としてアセチレンブラックを10質量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを10質量%に、さらに溶媒としてNMP(N−メチルピロリドン)を、活物質、導電助剤およびバインダーの合量に対して15質量%混合してスラリーを作製した。このスラリーを、集電層となるニッケル金属箔の上にドクターブレード法により塗布し、溶媒を乾燥して電極を作製した。このとき、活性炭を活物質として含有する電極の厚さは100μm、その他の電極の厚さは30μmとした。
得られた電極を、Li金属またはNa金属を対極とし、プロピレンカーボネート溶液にLiCF3SO3またはNaN(CF3SO2)2を溶解した有機系電解液を用いて、充電電位と容量の関係を測定し、水系電解液における電極単体の容量を算出した。
(セル作製)
得られた正極および負極を用いて、表1に示す組合せのセルを作製した。まず、正極および負極の面積を負極の最大充電容量Bと正極の最大充電容量Aの比B/Aが表1に示し
た値になるように調整し、集電層である金属箔と共に切り出した。さらに、集電層である金属箔の電極が形成されていない側の面の端部に、ニッケル金属箔を正極端子または負極端子として、スポット溶接で取り付けた。
得られた正極および負極を用いて、表1に示す組合せのセルを作製した。まず、正極および負極の面積を負極の最大充電容量Bと正極の最大充電容量Aの比B/Aが表1に示し
た値になるように調整し、集電層である金属箔と共に切り出した。さらに、集電層である金属箔の電極が形成されていない側の面の端部に、ニッケル金属箔を正極端子または負極端子として、スポット溶接で取り付けた。
作製した正極と負極との間に、電解液を含んだポリプロピレン/ポリエチレン製のセパ
レータを配置し、外装体である袋状のアルミニウムラミネートフィルムに収納し、電解液を注入した。電解液には、H2OにLi2SO4あるいはNa2SO4を2mol/L溶解した水系電解液を用いた。
レータを配置し、外装体である袋状のアルミニウムラミネートフィルムに収納し、電解液を注入した。電解液には、H2OにLi2SO4あるいはNa2SO4を2mol/L溶解した水系電解液を用いた。
電解液を注入した後、逆止構造を有する排気チューブを配置し、正極端子および負極端子の端部と排気チューブの端部が外装体の開口部から露出した状態で、外装体の開口部を熱溶着により密閉し、二次電池とした。
作製した二次電池は、以下のような条件で過充電、過放電試験をおこなった。
充放電電圧範囲:上限4.2V、下限1.8V
充放電電流値 :1mA/cm2(定電流充放電)
測定温度 :30℃
充放電電圧範囲:上限4.2V、下限1.8V
充放電電流値 :1mA/cm2(定電流充放電)
測定温度 :30℃
過充電状態、過放電状態における水素ガス発生の有無は、排気チューブから出てくるガスをAr―20%O2の標準ガスを満たした容器に導入し、酸素センサーにより酸素濃度の変化を検知することにより判断した。すなわち、酸素濃度が増加または変化しなかった場合は酸素を消費する水素ガスが発生していないものとして○を、酸素濃度が減少した場合は発生した水素ガスにより酸素が消費されたものとして×を表1に記載した。
表1より、試料No.1〜6は、いずれも正極の最大充電容量Aよりも負極の最大充電容量Bが大きく、かつ負極の最大放電容量Cよりも正極の最大放電容量Dが大きいという要件を満足し、過充電状態、過放電状態のいずれにおいても水素ガスの発生が認められなかった。一方、負極の最大放電容量Cよりも正極の最大放電容量Dが小さい試料No.7では、過放電状態において水素ガスの発生が認められた。
1・・・・正極
2・・・・電解質層
3・・・・負極
4・・・・発電要素
5N・・・負極側集電層
5P・・・正極側集電層
6N・・・負極端子
6P・・・正極端子
7・・・・ケース
8・・・・安全弁
2・・・・電解質層
3・・・・負極
4・・・・発電要素
5N・・・負極側集電層
5P・・・正極側集電層
6N・・・負極端子
6P・・・正極端子
7・・・・ケース
8・・・・安全弁
Claims (6)
- 正極と、負極と、水系の電解液を備え、前記正極と前記負極との間でアルカリ金属イオンをやり取りすることにより充放電を行う二次電池であって、
前記正極の最大充電容量をA、最大放電容量をDとし、前記負極の最大充電容量をB、最大放電容量をCとしたとき、
前記Bが前記Aよりも大きく、かつ前記Dが前記Cよりも大きいことを特徴とする二次電池。 - 前記Aに対する前記Bの比(B/A)が、1.1以上であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
- 前記Cに対する前記Dの比(D/C)が、1.1以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
- 前記正極が、初期状態において、前記アルカリ金属イオンの挿入および脱離のいずれも可能な化合物を活物質として含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の二次電池。
- 前記アルカリ金属イオンが、LiイオンおよびNaイオンのうち少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の二次電池。
- 前記正極が、活物質としてLiMn2O4およびNaxMnO2(ただし、0.44≦x≦0.66)のうち少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の二次電池。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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