JP2015045648A - 放射性物質除去用フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】一般施設でも利用できる放射性物質除去用フィルタを提供する。
【解決手段】トリエチレンジアミン(TEDA)を添着してなる活性炭素繊維からなり、0.3μm未満の放射性物質である粒子状物質あるいはガス状物質を物理吸着あるいは化学吸着して捕集・除去する。
【選択図】図2

Description

この発明は、0.3μm未満の放射性物質である粒子状物質あるいはガス状物質を捕集・除去することが可能なトリエチレンジアミン(TEDA)を添着してなる活性炭素繊維の放射性物質除去用フィルタに関する。
従来より、原子力施設やRI(放射性同位元素)を使用する研究実験施設あるいは放射性物質を取り扱う医療施設のような施設では、放射性ヨウ素などの放射性物質を取扱い、排出されているため、法律に規定された基準値以下にその濃度を低下させ、安全性を確保した上で施設外に排出させることが義務付けられている。以下、このような施設を「放射線施設」という。
このような放射線施設では、放射性物質の除去に関して様々な対応がとられており、また、空気浄化の面においても同様であり、その安全面からも十分に検討された施設維持管理費が確保されている。例えば、特許文献1には、原子力施設の換気空調系として、放射性ヨウ素の大気への放出量の抑制を図るために、単体ヨウ素やヨウ化メチルを吸着するヨウ素吸着材であるヨウ素フィルタを設け、空気中に含まれる放射性ヨウ素を除去するようにしたものが提案されている。特に、活性炭にトリエチレンジアミン(TEDA;Triethylene Diamine)を添着した添着炭が、放射性ヨウ素(特に、CHI)の吸着性能に優れているので、放射性ヨウ素を吸着させる添着物質として用いることなどが開示されている(段落[0014]など参照)。
また、特許文献2には、半導体産業など精密電子工業や医療品製造業などのクリーンルームにおいて、製品の高品質化や歩留まりを高めて空気清浄を行うべく活性炭または活性炭素繊維を用いたケミカルフィルタが提案されている(段落[0001]など参照)。
また、特許文献3には、医療施設や原子力施設などで発生した放射性気体成分を捕集除去すべく、空調施設の気体処理経路中に活性化されたシート状のチャコールフィルタである吸着用フィルタを用い、放射性気体成分の捕集除去を行ない装置の軽量化を図ると共に、既存の空気浄化装置に対しても放射性気体成分の捕集除去を行なう装置を後付けで容易に取り付け処理することが提案されている(段落[0001]など参照)。
一方、近年では、放射線施設ではないオフィスビルやホテルあるいは病院などの一般ビル施設や一般住宅における空調設備や、一般家庭用などに使用されるエアコンなどの空調設備においても、その施設内の空気状態をクリーンな状態に保つと共に、脱臭性や抗菌性などを確保し、好適な環境を保つことができる空気清浄装置が普及してきている。以下、このような施設を放射線施設ではない「一般施設」という。
例えば、特許文献4には、これらの施設において空気中の塵・ほこり等の浮遊物や細菌類・真菌類等の各種の浮遊微生物を簡便に迅速、且つ、確実にエアフィルタ上に捕集し、加えてエアフィルタ上に捕集された微生物に対して優れた抗菌作用をもたらして微生物を殺菌させる機能を有する抗菌性エアフィルタが提案されている。このエアフィルタは、クロロメチルスチレンのグラフト重合物を4級アンモニウム化したイオン交換繊維と、4−ビニルピリジンのグラフト重合物を4級アンモニウム化したイオン交換繊維とを有する抗菌性エアフィルタとしたものなどとして提案されている(段落[0010]など参照)。
特許文献5には、これらの施設に適用される卓上型空気清浄機として、色調の異なる領域すなわち暗色領域と明色領域を有するフィルタと電動ファンとを備えた小サイズの卓上型空気清浄機が提案されている(段落[0001]など参照)。
発生した気体成分を捕集除去した後に施設外に排出するためには、エアフィルタによる空気ろ過法の他、静電的沈降(電気集塵)法、薬剤殺菌法、紫外線照射法などが利用されているが、空気中の微生物の捕集に優れていると共に、装置の構成や操作性が簡便であることなどの理由から、上記エアフィルタによる空気ろ過法が主流とされている。
なお、本願出願人は、特許文献6に示すように東洋紡績(株)並びに国立大学法人東京大学と共同で出願をした「放射性物質除去フィルタ及びそれを用いるフィルタユニット」の発明について特許を取得している。これは、「活性炭素繊維の全酸性基量が0.2meq/g以下であること、活性炭素繊維に少なくとも1種類の化学物質が添着されていること、及び活性炭素繊維の相対湿度45%における平衡水分吸着率が10重量%以下であること」を主要な特徴とするものである。
また、この活性炭素繊維としては、少なくとも1種類の化学物質を添着するものであり、添着させる化学物質としては、シクロオクタン(トリエチレンジアミン)、N,N’−ビス−(3−アミノプロピル)−ピペラジン、N,N−ジメチル−アミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、1,5−ジアザビシクロウンデセン、ポリ−3級−ブチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン、1,5−ジアザピシクロ〔4,3,0〕ノン−5−エン、1,5−ジアザピシクロ〔5,4,0〕ウンデ7−5−エン、2−メチル−1,4−ジアザピシクロ〔2,2,2〕オクタン、フェニルヒドラジン、2−シアノピリジン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、ヘキサメチレンテトラミン、メチルポリエチレンイミン、ポリアルキルポリアミン等のアミン類の他、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化錫といった金属ヨウ化物を挙げている。
特開2012−2606号公報 特開平10−230118号公報 特開2003−66191号公報 特開平07−323206号公報 特開2004−69290号公報 国際公開WO2006/109595(特許第4549388号公報)
上記した放射線施設では、従来から放射性物質の除去に関して様々な対応がとられている。また、放射線施設ではない一般施設でも、エアコンなどの空調設備においてそれぞれ様々な空調への対応がとられてきている。しかしながら、放射線施設でない一般施設においては、放射性物質を除去すると同時に、その施設内の空気状態をクリーンな状態に保つような空調を行うものは皆無であった。すなわち、これは一般施設においては、放射性物質を除去する必要性が本来なかったためである。
しかしながら、福島原発事故に見る原子力発電所の過酷事故発生により、射線施設以外の一般施設であっても放射性ヨウ素の他放射性セシウムなどの放射性物質による汚染と被ばくが懸念されるようになってきている。しかも、これはオフィスビル、ホテル、一般ビルや一般住宅などのように大人の利用する施設のみならず、幼稚園・小学校・体育館のような子供の利用する施設まで広く放射性物質の影響が懸念され、その汚染除去の対応が早急に要望されてきている。
このような状況により、本願出願人は、上記要請に応えるべく鋭意研究を行い空気浄化装置を提案すると共に、本願発明に記載された実測データに基づいて新たな知見を得た。この知見に基づき新たに本願発明に基づく用途発明を提案するものである。
この発明は、0.3μm未満の放射性物質である粒子状物質あるいはガス状物質を捕集・除去することが可能なトリエチレンジアミン(TEDA)を添着してなる活性炭素繊維の用途発明として放射性物質除去用フィルタの提供を目的とする。
この発明は、上記のような目的を達成するために、放射性物質除去用フィルタとして、請求項1記載のように、活性炭素繊維にトリエチレンジアミン(TEDA)を添着し、0.3μm未満の放射性物質である粒子状物質あるいはガス状物質を捕集・除去可能用とすることを特徴とする.
また、請求項2記載のように、0.3μm未満の放射性物質としては、放射性有機ヨウ素ガスやセシウムあるいは人工元素類からなる有機または無機の放射性物質であることを特徴とする。
また、請求項3記載のように、0.3μm未満の放射性物質は、1nm以下の細孔口径(ミクロポア:Micro pore)に物理吸着されて捕集されまたは添着されているトリエチレンジアミン(TEDA)と化学吸着されて捕集されることを特徴とする。
この発明によれば、放射性物質が飛来した場合には、特に放射性物質の0.3μm未満の粒子状物質やガス状物質、及び、人工元素であるセシウムなどの有機あるいは無機の放射性物質の化学吸着あるいは物理吸着することができる。
この発明に係る空気清浄装置の外観図である。 この発明に係る内部構造の概略を示す分解図である。 この発明に係る模式図である。 この発明に係る空気清浄装置を示す組立分解図である。 この発明に係る空気清浄装置のろ過用説明図である。
以下、この発明に係る用途発明を空気浄化装置の代表例に基づいて実側データと共に説明する。
図1及び図2からもわかるように、この空気浄化装置(空気浄化システム)は、原子力施設やRI研究実験施設あるいは放射性物質を取り扱う医療施設のような、所謂放射線施設に適用されるものではなく、通常は、放射性物質が飛散されることがなく放射性物質の飛散とは無縁な、所謂一般施設に適用されるものである。例えば、オフィスビル、ホテルなどの一般ビルや一般住宅あるいは幼稚園・小学校・体育館のような子供の利用する施設などであり、これらの一般施設において、放射性物質を含む空気を物理吸着と化学吸着によって清浄な空気状態とするものである。
従来、一般施設において放射性物質からの防御という意識は皆無に等しかった。福島原発事故の発生による事故に由来する放射性ヨウ素や放射性セシウム等の放射性物質による汚染や被ばくが問題視されはじめ、一般施設においは本来は考慮する必要はなかったようなヨウ素−131(I−131)、セシウム−134(Cs−134)、セシウム−137(Cs−137)などの放射性物質を捕集し除去する必要が生じた。
この空気清浄装置は、図1及び図2に示すように、装置本体1(システム本体)として前カバー2と後カバー3と左右側板4、5によって囲繞されて構成される。前カバー2と後カバー3との間には、前カバー2側から後カバー3側の空間部S内にプレフィルタ7、HEPAフィルタ8、放射性物質の捕集・除去を可能とする添着剤が添着された活性炭素繊維製フィルタ9、ファン10及びモーター11が配置されている。
また、左右側板4、5は、それぞれ左右の吸込口4a、5aを有しており、この左右の吸込口4a、5aを介して装置本体1(システム本体)内に放射性物質を含む気体(以下、単に空気または大気ともいう)が吸い込まれる。そして、内側に各フィルタに捕集された放射性物質から放出される放射線を遮蔽する放射線遮蔽板6を有する前カバー2と、プレフィルタ7とによって第1の空間部S1が形成されている(図3参照)。
放射性物質の混合気体である空気は、この第1の空間部S1からプレフィルタ7、HEPAフィルタ8及び活性炭素繊維製フィルタ9を通過する。そして、プレフィルタ7とHEPAフィルタ8と活性炭素繊維製フィルタ9とを順次通過することにより放射性物質が除去され、放射性物質を含まない清浄な空気とされ、上記活性炭素繊維製フィルタ9と後カバー3よりなる第2の空間部S2に至る。
第2の空間部S2では、放射性物質が除去された清浄な空気が後カバー3の内側に取り付けられているファン10及び駆動用モーター11によって巻き上げられ、後カバー3の上部の排出口3aから一般施設内に排出される。
図4は、装置本体1(システム本体)の分解図である。20は上部に取り付けられる固定板、30は上部に取り付けられる基板部とそれにはめ込まれるリモコン基板、40はコンデンサ、50は中枠である。なお、12はアクティブイオン発生器である。各部材がそれぞれ組み込まれることにより、プレフィルタ7、HEPAフィルタ8、上記活性炭素繊維製フィルタ9、ファン10及びモータ11を内蔵し、前カバー2と後カバー3と左右側板4、5によって囲続された装置本体1(システム本体)とされる。
前カバー2に内張りされる放射線遮蔽板6は、この実施例ではステンレス製の遮蔽板を用いたが、他に鉛材など放射線を遮蔽するものであればよく、その他放射線を遮蔽するものであれば特に限定されない。また、その他の構成も種々設計変更が可能である。
図5は、この発明に係る空気清浄装置のろ過用説明図である。プレフィルタ7は、空気中のゴミやホコリなどや花粉(10μm〜100μm程度)など、ダニの死がいやその糞・カビの胞子・細かな砂ホコリ・ハウスダスト(2μm以上)などのように、いわゆる室内にあるアレル物質や目に見えない微細なホコリなどを、定格風量で80%以上集塵捕集することができる粗大塵埃を除去するプレフィルタとされる。
また、このプレフィルタ7は、1.0μm以上の粗大塵埃を合成樹脂製の網目の孔によって捕捉するのであるが、放射性物質の混合気体である空気中には、微細な汚れ(タバコの煙、煤、砂塵など)もあり、それらも集塵するために網を帯電させ電気的に捕捉するなどの方法も適宜選択される。
また、このプレフィルタ7は、種々の機能を付加することができる。例えば、ダストフィルタとしては、フィルタに粘着剤を塗布して集塵能力を高める、フィルタをマイナスに帯電させプラスに帯電したダストの集塵能力を高めるようにする。また、除湿フィルタとしては、蒸着によりフィルタにシリカゲルを被着させたり、多孔質珪藻土の吸湿性を利用する。また、対アレルゲンフィルタとしては、フィルタに粘着剤を塗布してアレルゲンを吸着する、多孔質なポリウレタン樹脂(連続気泡多孔性樹脂)の活用によりアレルゲンを吸着する。
次に、HEPAフィルタ8は、放射性物質の混合気体である空気中の0.3μm(0.0003mm)までの微粒子を捕集する。所謂HEPAフィルタは、JIS Z 8122によって、「定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタ」と規定されているもので、このHEPAフィルタ8は、放射性物質の混合気体である空気を通過させることにより、0.3μmまでの物質あるいは放射性物質の粒子を捕集・除去する。なお、0.3μm以上の物質とは、例えば、詳細には後述するが放射性物質であるベリリウムや塵埃に付着したガス状のヨウ素などの粒状物をいう。
このように、HEPAフィルタ8の次段の活性炭素繊維製フィルタ9は、0.3μm未満の放射性物質の混合気体である空気を通過させるもので、▲1▼放射性物質を物理吸着する細孔口径(1nm以下)が均一なミクロポア(Micro pore)を多量に有する活性炭素繊維製フィルタにより捕集、除去する。また、▲2▼ガス状無機ヨウ素である放射性物質を物理的に捕集する。
放射性ヨウ素は、元来ガス状であるのでHEPAフィルタ8を通過して後段の活性炭素繊維製フィルタ9で吸着することになるが、無機か有機かでその吸着される度合いは大きく異なる。無機のヨウ素ガスは、上記したようにミクロポアによる物理吸着でほぼ活性炭素繊維に吸着することができるが、有機ヨウ素ガスはほとんど吸着されないので、非放射性ヨウ素を含んだ化学物質を活性炭素繊維に添着し、細孔を触媒とする化学反応により放射性ヨウ素ガスを捕集する化学吸着によって捕集する。
化学吸着の例を次に示す。
(1)添着剤にKI又はI を使用した場合
Figure 2015045648
体交換反応を起こして、活性炭内に留まる。
Figure 2015045648
(2)添着剤にトリエチレンジアミン(TEDA)を使用した場合
Figure 2015045648
化学反応を起こして、第4級アンモニウム塩(固体)となり活性炭に保持される。
Figure 2015045648
なお、活性炭は、空気中の水分やSO及びNO等(吸着妨害物質)を吸着することによる吸着面積の減少に伴い次第に劣化していく。
なお、日本には放射性物質除去用活性炭の性能規格は現在ないので、出願人が行なった「ASTM D‐3803の趣旨に沿った試験『原子カグレード活性炭の試験方法』:米国NUCON社に依頼」(ただし、初期効率のみ)によれば、TEDA添着の活性炭素繊維性能試験によると、放射性ヨウ化メチルの捕集効率は99.43%以上という高性能が実証された。
ヨウ素の除去特性を向上させるために活性炭素繊維に1種類以上の薬品を添着してもよい。かかる薬品としては、シクロオクタン(トリエチレンジアミン)、N,N’−ビス−(3−アミノプロピル)−ピペラジン、N,N−ジメチル−アミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、1,5−ジアザビシクロウンデセン、ポリ−3級−ブチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン、1,5−ジアザピシクロ〔4,3,0〕ノン−5−エン、1,5−ジアザピシクロ〔5,4,0〕ウンデ7−5−エン、2−メチルー1,4−ジアザピシクロ〔2,2,2〕オクタン、フエニルヒドラジン、2−シアノピリジン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、ヘキサメチレンテトラミン、メチルポリエチレンイミン、ポリアルキルポリアミン等のアミン類の他、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化錫などの金属ヨウ化物が好適に用いられる。
なお、HEPAフィルタ8と活性炭素繊維製フィルタ9とは、同図に示したように、一体化するのが好適である。HEPAフィルタ8と活性炭素繊維製フィルタ9が互いの裏と表面で一体化されている場合には、第2段以降のフィルタは、0.3μm未満の放射性物質の混合気体である空気を通過させるものであるため、放射性物質の混合気体の捕集・除去を効率よく、より一層省スペース化を図ることができる。
活性炭素繊維製フィルタ9の次段には、後カバー3が配置されるが、この後カバー3の活性炭素繊維製フィルタ9近傍にはファン10が設けられており、このファン10の回転により活性炭素繊維製フィルター9を通過した空気は、後カバー13の上部の排出口3aから放射性物質の混合気体を殆ど含まない清浄な空気が排出されるものである。
次に、実測データについて説明する。
すなわち、放射性ヨウ素などの放射性物質を除去するために「平成24年4月19日付けの実測データ」に示す様な実地測定を行った。
同データーの収集には、(株)ワカイダ・エンジニアリング製:商品名「WAC」(活性炭素繊維)の姉妹品として提案された同社製:商品名「WACジュニア」を用いた。
実測データの提供者は、東京大学アイソトープ総合センター野川憲夫氏である。
1. 試料採取
採取場所:福島県福島市岡部寺前付近
採取位置:一般住宅の玄関上り框
採取期間:平成24年3月16日17:00〜4月6日17:30(21日間0時間30分=30,270分間)
採取空気体積:1.0m/min×30,270min=30,270m=3.027×1010cm
2.試験機器
採取機器:空気清浄装置
機器の型番:WAC−131(WACジュニア)
清浄器の処理空気量:(1.0m/min=0.0167m/sec)
HEPAフィルタの通気面積:(1.80m
HEPAフィルタの通気面速:(0.22m/sec=22cm/sec)
WACフィルタの厚さ:(200g/m
WACフィルタの通気面積:(0.08m
WACフィルタの通気面速:(0.21m/sec=21cm/sec)
3.放射能測定
測定器:Ge半導体検出器
測定時間:2時間(7,200sec)
測定結果:
Figure 2015045648
なお、WACジュニアを家の中に設置し、窓を閉めて換気を止めて2〜3時間運転すれば、室内空気中の放射性物質は殆ど除去出来る。ただし、WACジュニアを使用しても、屋根や壁を透過して来る、屋外に堆積した放射性物質から出される放射線による放射線量は低くならない。
4.結果の評価
(1)空気中の放射性物質濃度の算出
イ.Cs−134の空気中濃度
Cs−134の全採取放射能は9.8Bqであった。HEPAとWACフィルタの捕集効率を共に100%とすると、9.8Bq/3.027×1010cm=3.24×10−10Bq/cm になる。
ロ.Cs−137の空気中濃度
Cs−137の全採取放射能は12.3Bqであった。HEPA及び活性炭素繊維製フィルタの捕集効率を共に100%とすると12.3Bq/3.027×1010cm=4.06×10−10Bq/cmになる。
ハ.Be−7の空気中濃度
Be−7の全採取放射能は48.9Bqである。HEPAフィルタの捕集効率を100%とすると、48.9Bq/3.027×1010cm=1.62×10−9Bq/cm になる。
Be−7は天然の放射性物質で、この数値は自然界の濃度と同等である。
(2)捕集実験の評価
試料採取に21日以上という長時間を費やして試料をフィルターに濃縮させた結果、測定器の検出感度を超える測定値が得られた。
WACジュニアで使用しているHEPA&活性炭素繊維製フィルタのHEPA部で、Be−7のような超低濃度の天然放射性物質まで捕集することが確認できた。
Be−7は活性炭素繊維製フィルタには吸着されていなかった。
Cs−134とCs−137がHEPAフィルタと活性炭素繊維製フィルタの両方に捕集されていた。
これにより、活性炭素繊維製フィルタは、HEPAフィルタを透過したより小さな粒子を捕集したものと考えられる。
この結果より、次のように考察することができる
1)Be−7が活性炭素繊維製フィルタには捕集されておらず、Be−7の粒子は全てHEPAフィルタに捕集された、と考えられる。
2)Cs−134とCs−137はHEPAフィルタと活性炭素繊維製フィルタの両方に捕集される。
3)HEPAフィルタを透過したCs−134とCs−137の粒子は活性炭素繊維製フィルタに捕集される。
Be−7のような超低濃度の天然放射性物質まで捕集することが実側され、また、Cs−134とCs−137(134Cs、137Cs:セシウム)などの人工元素類の放射性物質を捕集することが実側された。
これらにより、放射性物質の捕集・除去に関し新たな用途を開くことを意味する。
以上のように、この活性炭素繊維製フィルタ(WACフィルタ)、及び、それを用いてなる空気清浄装置は、室内空気中の放射性物質を特殊なフィルタで濾過し、99.9%以上(ほぼ100%)除去する。
これにより、原発事故などでの内部被ばくの恐怖は安心へと変わることを期待することができる。
▲1▼プレフィルタ:家庭用エアコンに使われているフィルタと同じグレードで、空気中の粗い塵埃を除去します。後段のHEPAフィルタの目詰まりを緩和し、長持ちさせる。
▲2▼HEPAフィルタ:空気中の0.3μmの塵埃を99.97%以上除去する。(0.3μmを超える塵埃は100%)
但し、放射性ヨウ素ガス等、ガス状の物質は透過してしまい、効果はない。
▲3▼WACフィルタ:活性炭素繊維で出来たフィルタで、HEPAフィルタを透過した放射性ヨウ素ガスを99.496%以上吸着濾過する。また、HEPAを通過した微細な塵埃(セシウム等)も除去する。
このように、この発明に係る空気浄化装置を使用すれば、原子力施設やRI研究実験施設あるいは放射性物質を取り扱う医療施設のように、専門的に放射性物質を取り扱うような「放射線施設」以外で、通常は放射性物質が飛散していることのない放射性物質の飛散とは無縁な一般施設においても、放射性物質が飛散した場合には、放射性物質の混合気体を処理することができる。
また、大気中に放出された放射性物質を含む空気は、始めに上流側に設けたプレフィルタ3を通過することにより、1.0μm以上の粗大塵埃が捕集・除去され、2段目のHEPAフィルタ4を通過することにより、放射性物質を含む空気中の0.3μm(0.0003mm)以上の微粒子を捕集し、更に、3段目の活性炭素繊維製フィルタ5を通過することにより、放射性物質を含む空気中のガス状の放射性物質を捕集することができる。
したがって、ヨウ素‐131(I−131)、セシウム‐134(Cs−134)、セシウム‐137(Cs−137)などの放射性粒子及び放射性ガスの両者を捕集し除去することができると共に、施設内の大気状態を好適なものとすることができる。
産業の利用可能性
本願発明は、空気浄化装置のみならず、放射性セシウムなど自然界に存在しない人為的に存在する放射性物質の捕集・除去のその他の用途に応用するトリエチレンジアミン(TEDA)を添着してなる活性炭素繊維製フィルタとして提供することができる。
1 装置本体(システム本体)
2 前カバー
3 後カバー
3a 排出口
4 左側板
4a 左吸込口
5 右側板
5a 右吸込ロ
6 放射線遮蔽板
7 プレフィルタ
8 HEPAフィルタ
9 活性炭素繊維製フィルタ
10 ファン及び駆動用モーター
S 空間部
この発明に係る空気清浄装置の外観図である。 この発明に係る内部構造の概略を示す分解図である。 この発明に係る模式図である。 この発明に係る空気清浄装置を示す組立分解図である。

Claims (3)

  1. 活性炭素繊維にトリエチレンジアミン(TEDA)を添着し、0.3μm未満の放射性物質である粒子状物質あるいはガス状物質を捕集・除去することを特徴とした放射性物質除去用フィルタ。
  2. 0.3μm未満の放射性物質としては、放射性有機ヨウ素ガスやセシウムあるいは人工元素類からなる有機または無機の放射性物質であることを特徴とする請求項1記載の放射性物質除去用フィルタ。
  3. 0.3μm未満の放射性物質は、1nm以下の細孔口径(ミクロポア:Micro pore)に物理吸着されて捕集されまたは添着されているトリエチレンジアミン(TEDA)と化学吸着されて捕集されることを特徴とする請求項1または2記載の放射性物質除去用フィルタ。
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