JP2015045519A - 電流センサおよび電流センサの製造方法 - Google Patents

電流センサおよび電流センサの製造方法 Download PDF

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塚本 学
Manabu Tsukamoto
学 塚本
泰助 古川
Taisuke Furukawa
泰助 古川
吉田 幸久
Yukihisa Yoshida
幸久 吉田
宗樹 中田
Muneki Nakada
宗樹 中田
小林 浩
Hiroshi Kobayashi
浩 小林
昌樹 田屋
Masaki Taya
昌樹 田屋
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Abstract

【課題】集磁コアと磁気検出処理部との位置関係を保持して、正確に電流を検出することができる電流センサおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】電流センサは、バスバー1と、集磁コア2と、磁気検出処理部4と、保持部材5とを備えている。バスバー1は電流を流すためのものである。集磁コア2はバスバー1の周囲を取り囲むように配置された囲繞部2aと、囲繞部2aの一部を分断するように設けられた切り欠き2bとを有し、かつバスバー1を流れる電流によってバスバー1の周囲に発生する磁気を集磁するためのものである。磁気検出処理部4は囲繞部2aから離れて切り欠き2bに配置されており、かつ集磁コア2により集磁された磁気を検出するためのものである。保持部材5は切り欠き2b内において集磁コア2および磁気検出処理部4に挟まれた領域に位置し、かつ集磁コア2および磁気検出処理部4の両方に接触する。
【選択図】図1

Description

本発明は電流センサおよび電流センサの製造方法に関し、特に、バスバーに流れる電流によってバスバーの周囲に発生する磁気を集磁するための集磁コアおよび集磁コアにより集磁された磁気を検出するための磁気検出処理部を備えた電流センサおよび電流センサの製造方法に関するものである。
従来、電流センサは、被検出導体を流れる電流の大きさ等の検出に用いられている。このような電流センサは、たとえば特開2002−303642号公報(特許文献1)に開示されている。この公報に開示された電流センサでは、筒状のコアの内部を貫通する筒体が設けられ、この筒体に電流が流れる電流バーが挿入されている。また、筒状のコアのギャップにホール素子が挿入されている。電流バーに流れる電流の大きさに応じて発生する磁界をコアが集磁し、ギャップに発生した磁束密度に応じた電圧をホール素子が出力することによって電流バーに流れる電流が検出される。
特開2002−303642号公報
上記公報に開示されたような電流センサでは、組み立て時に磁気検出処理部が集磁コアのギャップの間に配置され、この状態で校正がかけられることにより、正確な電流の検出が実現される。しかしながら、機器の振動および経時変化などにより、集磁コアと磁気検出処理部との位置関係が変化すると、校正時と同じ大きさの電流がバスバーに流れても、検出する磁界の大きさが異なるため、正確に電流を検出できないという問題がある。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、集磁コアと磁気検出処理部との位置関係を保持して、正確に電流を検出することができる電流センサおよびその製造方法を提供することである。
本発明の電流センサは、バスバーと、集磁コアと、磁気検出処理部と、保持部材とを備えている。バスバーは電流を流すためのものである。集磁コアはバスバーの周囲を取り囲むように配置された囲繞部と、囲繞部の一部を分断するように設けられた切り欠きとを有し、かつバスバーを流れる電流によってバスバーの周囲に発生する磁気を集磁するためのものである。磁気検出処理部は囲繞部から離れて切り欠きに配置されており、かつ集磁コアにより集磁された磁気を検出するためのものである。保持部材は切り欠き内において集磁コアおよび磁気検出処理部に挟まれた領域に位置し、かつ集磁コアおよび磁気検出処理部の両方に接触する。
本発明の電流センサによれば、保持部材は、切り欠き内において集磁コアおよび磁気検出処理部に挟まれた領域に位置し、集磁コアおよび磁気検出処理部の両方に接触する。このため、保持部材によって集磁コアと磁気検出処理部との位置関係を保持することができる。したがって、校正時の集磁コアと磁気検出処理部との位置関係を保持することができるため、校正時と同じ大きさの電流がバスバーに流れた場合、検出する磁界の大きさを校正時と等しくすることができる。これにより、正確に電流を検出することができる。
本発明の実施の形態1における電流センサの構成を概略的に示す斜視図である。 図1の電流センサの保持部材の構成を概略的に示す拡大斜視図である。 図1の電流センサの保持部材と集磁コアと磁気検出処理部の位置関係を概略的に示す拡大正面図である。 本発明の実施の形態1における電流センサの変形例1の保持部材の構成を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における電流センサの変形例2の保持部材の構成を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における電流センサの構成を概略的に示す平面図である。 本発明の実施の形態1における電流センサの構成を概略的に示す正面図である。 本発明の実施の形態1における電流センサの変形例3の構成を概略的に示す平面図である。 本発明の実施の形態1における電流センサの変形例3の構成を概略的に示す正面図である。 本発明の実施の形態1における電流センサの製造方法の一工程を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における電流センサの製造方法の他工程を概略的に示す斜視図である。 比較例の電流センサの構成を概略的に示す斜視図である。 比較例の電流センサにおける校正時の集磁コアと磁気検出処理部との位置関係を概略的に示す正面図である。 比較例の電流センサにおいて、集磁コアに対して磁気検出処理部が移動した状態を概略的に示す正面図である。 比較例の電流センサにおいて、集磁コアに対して磁気検出処理部が傾いた状態を概略的に示す正面図である。 本発明の実施の形態2における電流センサの構成を概略的に示す斜視図である。 図16の電流センサの保持部材の構成を概略的に示す斜視図である。 図16の電流センサの保持部材と集磁コアと磁気検出処理部の位置関係を概略的に示す拡大断面図である。 本発明の実施の形態2における電流センサの変形例1の保持部材が磁気検出処理部に取り付けられた状態を概略的に示す断面図である。 図19のXX−XX線に沿う断面図である。 本発明の実施の形態2における電流センサの変形例2の保持部材が磁気検出処理部に取り付けられた状態を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2における電流センサの製造方法の一工程を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態2における保持部材が集磁コアに取り付けられる様子を概略的に示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
最初に本発明の実施の形態1における電流センサの構成について説明する。
図1を参照して、本実施の形態の電流センサは、たとえばIPM(Intelligent Power Module)に用いられ、被検出導体を流れる電流の大きさの検出に用いられるものである。本実施の形態の電流センサは、バスバー1と、集磁コア2と、磁気検出処理部4と、保持部材5と、筺体6と、制御部7とを主に有している。
バスバー1は電流を流すためのものであり、被検出電流が流れるように構成されている。バスバー1は集磁コア2を貫通するように配置されている。集磁コア2はバスバー1を流れる電流によってバスバー1の周囲に発生する磁気を集磁するためのものである。集磁コア2は、バスバー1の周囲を取り囲むように配置された囲繞部2aと、囲繞部2aの一部を分断するように設けられた切り欠き(ギャップ)2bとを有している。
磁気検出処理部4は、集磁コア2により集磁された磁気を検出するためのものである。磁気検出処理部4は、ギャップ内に配置されており、より具体的には囲繞部2aから離れて切り欠き2bに配置されている。磁気検出処理部4は、ホール素子などの磁気検出素子41を搭載し、検出した磁界に応じた電圧を出力するように構成されている。磁気検出処理部4は、接続端子42で制御部7に取り付けられており、制御部7に電気的に接続されている。
保持部材5は、切り欠き2b内において集磁コア2および磁気検出処理部4に挟まれた領域に位置している。また、保持部材5は集磁コア2および磁気検出処理部4の両方に接触するように構成されている。保持部材5は樹脂などによって形成されている。筺体6は、バスバー1、集磁コア2、制御部7を所定の間隔で保持するように構成されている。
続いて、図2および図3を参照して、保持部材5の構成について詳しく説明する。
保持部材は、基体50と、第1のくさび形状部51と、第2のくさび形状部52とを主に有している。基体50は略直方体形状を有しており、第1のくさび形状部51と第2のくさび形状部52とは基体50から集磁コア2と対向する方向に向かって突出するように形成されている。
第1のくさび形状部51は、先端に向かって断面積が小さくなるように第1の面5aおよび第2の面5bから形成されている。第1の面5aは集磁コア2に接触しており、第2の面5bは磁気検出処理部4に接触している。第2のくさび形状部52は、先端に向かって断面積が小さくなるように第3の面5cおよび第4の面5dから形成されている。第3の面5cは集磁コア2に接触しており、第4の面5dは磁気検出処理部4に接触している。
つまり、第1の面5aは磁気検出処理部4を挟んだ囲繞部2aの一方端21に接触しており、第3の面5cは磁気検出処理部4を挟んだ囲繞部2aの他方端22に接触している。また、第2の面5bと第4の面5dとは磁気検出処理部4を挟んで配置されており、第2の面5bは囲繞部2aの一方端側に配置された磁気検出処理部4の一方端4aに接触しており、第4の面5dは囲繞部2aの他方端側に配置された磁気検出処理部4の他方端4bに接触している。
基体50から第1のくさび形状部51および第2のくさび形状部52が突出する方向(本実施の形態では鉛直方向)に対して、第1の面5a〜第4の面5dはそれぞれ傾いている。そのため、鉛直方向から保持部材5が集磁コア2の切り欠き2bに装着されると、第1の面5aが囲繞部2aの一方端21に斜めに接し、第2の面5bが磁気検出処理部4の一方端4aに斜めに接し、第3の面5cが囲繞部2aの他方端22に斜めに接し、第4の面5dが磁気検出処理部4の他方端4bに斜め接したところで、集磁コア2および磁気検出処理部4に対する保持部材5の位置関係が固定される。これにより、保持部材5によって集磁コア2と磁気検出処理部4との位置関係を固定することができる。
集磁コア2および磁気検出処理部4に対して、第1の面5a〜第4の面5dがそれぞれ斜めに接しているので、集磁コア2および磁気検出処理部4に形状のばらつきがあっても、第1の面5a〜第4の面5dは集磁コア2および磁気検出処理部4に確実に接することができる。このため、保持部材5は集磁コア2と磁気検出処理部4との位置関係を固定することができる。保持部材5は、集磁コア2および磁気検出処理部4のそれぞれの角部(エッジ)と少なくとも1ヶ所で斜めに接する部分があれば、集磁コア2と磁気検出処理部4との位置関係を確実に保持することができる。
また、保持部材5の形状は上記に限定されない。図4を参照して、本実施の形態の変形例1の保持部材5について説明する。この変形例1の保持部材5では、第2の面5bおよび第3の面5cが鉛直方向に延びるように形成されている。この変形例1の保持部材5でも、鉛直方向から保持部材5が集磁コア2の切り欠き2bに装着されると、第1の面5aが囲繞部2aの一方端21に斜めに接し、第4の面5dが磁気検出処理部4の他方端4bに斜め接したところで、集磁コア2および磁気検出処理部4に対する保持部材5の位置関係が固定される。
続いて、図5を参照して、本実施の形態の変形例2の保持部材5について説明する。この変形例2の保持部材5では、第2のくさび形状部52の代わりに直方体部53が設けられている。この変形例2の保持部材5では、直方体部53の一方面5eおよび他方面5fが鉛直方向に延びるように形成されている。この変形例2の保持部材5でも、鉛直方向から保持部材5が集磁コア2の切り欠き2bに装着されると、第1の面5aが囲繞部2aの一方端21に斜めに接し、第2の面5bが磁気検出処理部4の一方端4aに斜め接したところで、集磁コア2および磁気検出処理部4に対する保持部材5の位置関係が固定される。
図6および図7を参照して、保持部材5は、蓋8に固定されていてもよい。蓋8は孔81と、固定部82〜85を有している。孔8はバスバー1を貫通するように構成されている。固定部82〜85は集磁コア2に接して蓋8を保持するように構成されている。
また、蓋8の形状は上記に限定されない。図8および図9を参照して、本実施の形態の変形例3の蓋8について説明する。蓋8は集磁コア2に対向する面に窪み87を有している。この窪み87に保持部材5の一部が挿入された状態で蓋8に保持部材5が固定されている。
次に、再び図1を参照して、本実施の形態の電流センサの動作について説明する。バスバー1に電流が流れると、右ネジの法則によりバスバー1周辺に磁界が生じる。この磁界が集磁コア2によって収束されることにより、集磁コア2の切り欠き2bに被検出電流量に応じた大きさ(強度)の磁界が生じる。この切り欠き2bに配置された磁気検出素子41を搭載した磁気検出処理部4が磁界強度を検出し、磁界強度に応じた電圧値を出力する。この電圧値に基づいて電流の大きさが検出される。このようにして、バスバー1に流れた電流に応じた電圧値を出力する電流センサが実現される。
次に、図10および図11を参照して、本実施の形態の電流センサの製造方法について説明する。
まず、磁気検出処理部4の接続端子42が制御部7に半田付けなどにより固定される。次に、制御部7が筺体6にネジなどにより取り付けられる。次に、バスバー1の周囲を囲繞部2aで取り囲むように集磁コア2が配置される。続いて、切り欠き2bに囲繞部2aから離れて磁気検出処理部4が配置される。そして、バスバー1と集磁コア2との間隙を保ちながらバスバー1が集磁コア2を貫通した状態で集磁コア2が筺体6に載置される。このとき、集磁コア2は筺体6にまだ固定されない。
次に、保持部材5が鉛直方向から集磁コア2の切り欠き2bに装着されて、集磁コア2と磁気検出処理部4との位置関係が固定される。すなわち、集磁コア2および磁気検出処理部4の互いの位置を保持するように、切り欠き2b内おいて集磁コア2および磁気検出処理部4に挟まれた領域で集磁コア2および磁気検出処理部4の両方に接触するように保持部材5が配置される。
さらに再び図3を参照して、集磁コア2と磁気検出処理部4との位置関係が固定される様子を詳しく説明する。保持部材5が磁気検出処理部4の鉛直方向から装着されると、保持部材5の第2の面5bおよび第4の面5dと磁気検出処理部4の一方端4aおよび他方端4bがそれぞれ接するところで、磁気検出処理部4に対する保持部材5の位置関係が確定する。また、保持部材5の第1の面5aおよび第3の面5cのいずれか一方が集磁コア2の一方端21および他方端22のいずれか一方に接した状態で保持部材5がさらに押し下げられると、集磁コア2が筺体6に固定されていないため、保持部材5の第1の面5aおよび第3の面5cのうち集磁コア2に接した面に沿って集磁コア2は滑るように水平方向に移動する。そして、保持部材5の第1の面5aおよび第3の面5cの両方が集磁コア2の一方端21および他方端22の両方とそれぞれ接するところで、集磁コア2に対する保持部材5の位置関係が確定する。
次に、このように、保持部材5によって集磁コア2および磁気検出処理部4の互いの位置が保持された後に、集磁コア2が筺体6に固定される。集磁コア2は筺体6に接着剤などで固定される。このようにして、保持部材5によって集磁コア2と磁気検出処理部4との位置関係が固定される。
次に、本実施の形態の作用効果について、比較例と対比して説明する。
図12を参照して、比較例の電流センサは、保持部材を有していない点で本実施の形態の電流センサと異なっている。
図13を参照して、比較例の電流センサでは、組み立て時に磁気検出処理部4の磁気検出素子41が切り欠き2b内において、たとえば切り欠き2bの中央CLに配置される。そして、この状態で校正がかけられることにより、正確な電流検出を実現する。
しかしながら、図14を参照して、機器の振動および経時変化により、磁気検出素子41が中央CLからずれて配置されると正確に電流値を検出できない。つまり、切り欠き2bの領域では、図13に示すように切り欠き2bの中央CLに磁気検出素子41が配置された場合と、図14に示すように中央CLから外れて集磁コア2の一方端面に近づいて磁気検出素子41が配置された場合とでは、組立時と同じ大きさの電流がバスバー1に流れても、検出される磁界の大きさが組立時と異なるため、正確に電流を検出ができない。
また、図15を参照して、磁気検出素子41が傾いて配置されても正確に電流値を検出できない。つまり、磁気検出素子41は所定の方向(たとえば磁気検出処理部4の表面に対して垂直方向)の成分の磁界の大きさを検出するので、図15に示すように、磁気検出素子41が角度θ傾くと、検出する磁界はcosθ倍となる。このため、組立時と同じ大きさの電流がバスバー1に流れても、検出される磁界の大きさが組立時と異なるため、正確に電流を検出ができない。
これに対して、本実施の形態の電流センサによれば、保持部材5は、切り欠き内2bにおいて集磁コア2および磁気検出処理部4に挟まれた領域に位置し、集磁コア2および磁気検出処理部4の両方に接触する。このため、保持部材5によって集磁コア2と磁気検出処理部4との初期状態の位置関係を保持することができる。したがって、校正時の集磁コア2と磁気検出処理部4との位置関係を保持することができるため、校正時と同じ大きさの電流がバスバーに流れた場合、検出する磁界の大きさを校正時と等しくすることができる。これにより、正確に電流を検出することができる。
また、本実施の形態の電流センサでは、第1のくさび形状部51の第1の面5aが集磁コア2の囲繞部2aの一方端21に斜めに接触しており、第2の面5bが磁気検出処理部4の一方端4aに斜めに接触しているため、集磁コア2および磁気検出処理部4に形状のばらつきがあっても、第1の面5aおよび第2の面5bは集磁コア2および磁気検出処理部4に確実に接することができる。このため、保持部材5は、集磁コア2と磁気検出処理部4との位置関係を固定することができる。
また、本実施の形態の電流センサでは、第1の面5aが囲繞部2aの一方端21に斜め接触しており、第3の面5cが囲繞部2aの他方端22に斜めに接触しており、第2の面5bが磁気検出処理部4の一方端4aに斜めに接触しており、第4の面が磁気検出処理部の他方端4bに斜めに接触している。
このため、集磁コア2および磁気検出処理部4に形状のばらつきがあっても、第1の面5a〜第4の面5dは集磁コア2および磁気検出処理部4に確実に接することができる。さらに第1のくさび形状部51および第2のくさび形状部52で磁気検出処理部4を挟んで集磁コア2と磁気検出処理部4との位置関係を固定することができる。これにより、保持部材5によって集磁コア2と磁気検出処理部4との位置関係をさらに確実に固定することができる。
本実施の形態の電流センサの製造方法によれば、切り欠き2b内おいて集磁コア2および磁気検出処理部4に挟まれた領域で集磁コア2および磁気検出処理部4の両方に接触するように保持部材5が配置される。このため、保持部材5によって集磁コア2と磁気検出処理部4との位置関係を保持することができる。これにより、正確に電流を検出することができる。また、保持部材5によって集磁コア2および磁気検出処理部4の互いの位置が保持された後に、集磁コア2が筺体6に固定される。これにより、保持部材5にあわせて集磁コア2を移動させることができる。このため、集磁コア2に対する保持部材5の位置関係を確定させた状態で集磁コア2を筺体6に固定することができる。したがって、集磁コア2の形状にばらつきがあっても、集磁コア2と磁気検出処理部4との位置関係を固定しつつ集磁コア2を筺体6に固定することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、実施の形態1と比較して、保持部材の形状が主に異なっている。なお、実施の形態1と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
図16〜図18を参照して、実施の形態2では、保持部材5は、キャップ部54と、突出部55とを主に有している。キャップ部54は、一方面5gと、一方面5gに対向する他方面5hと、凹部5jとを有している。凹部5jは、一方面5gから他方面5hに向かって延在し、磁気検出処理部4の先端部を収容可能に構成されている。凹部5jは、凹部5jの内部空間ISを規定する側壁5kを有している。磁気検出処理部4の先端部は磁気検出素子41で構成されている。磁気検出素子(先端部)41が凹部5jに収容された状態で、保持部材5は切り欠き2bに取り付けられている。
突出部55は、キャップ部54の側面5iから外方に突出するように設けられている。突出部55が集磁コア2の外面2cに接触した状態で保持部材5が切り欠き2bに取り付けられている。側面5iは、他方面5hに向かって保持部材5の断面積が小さくなるように傾斜している。
また、保持部材5の形状は上記に限定されない。図19および図20を参照して、本実施の形態の変形例1の保持部材5について説明する。この変形例1の保持部材5では、側壁5kは他方面5hに向かって内部空間ISの面積が小さくなるように傾斜している。また、保持部材5は、第1の突起部5lを有している。第1の突起部5lは側壁5kから内部空間ISの内方に向かって突出するように設けられている。第1の突起部5lが磁気検出処理部4の磁気検出素子(先端部)41の側面41aに接触した状態で磁気検出処理部4が凹部5jに収容されている。第1の突起部5lは複数個設けられていてもよく、この変形例1では4つの第1の突起部5lが磁気検出素子(先端部)41を挟むように配置されている。また、第1の突起部5lは線状に形成されていてもよく、また点状に形成されていてもよい。
続いて、図21を参照して、本実施の形態の変形例2の保持部材5について説明する。保持部材5は、第2の突起部5mを有している。第2の突起部5mは、側壁5kから内部空間ISの内方に向かって突出するように設けられている。第2の突起部5mが磁気検出処理部4の磁気検出素子(先端部)41の後端面41bに接触した状態で磁気検出処理部4が凹部5jに収容されている。第2の突起部5mは複数個設けられていてもよく、この変形例2では2つの第2の突起部5mが互いに対向するように設けられている。
図22および図23を参照して、本実施の形態の電流センサの製造方法では、磁気検出処理部4の磁気検出素子(先端部)41を収容するように保持部材5が鉛直方向に装着される。そして、磁気検出素子(先端部)41が収容された保持部材5が切り欠き2bに挿入される。このようにして、保持部材5によって集磁コア2と磁気検出処理部4との位置関係が固定される。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態の電流センサによれば、磁気検出素子(先端部)41が凹部5jに収容された状態で、保持部材5は切り欠き2に取り付けられているため、保持部材5によって集磁コア2と磁気検出処理部4との初期状態の位置関係を保持することができる。これにより、正確に電流を検出することができる。
また、本実施の形態の電流センサによれば、突出部55が集磁コア2の外面2cに接触した状態で保持部材5が切り欠きに取り付けられているため、突出部55によって集磁コア2を保持することができる。
また、本実施の形態の電流センサによれば、側面5iが他方面5hに向かって保持部材5の断面積が小さくなるように傾斜しているため、保持部材5の樹脂などの材料の弾性によって集磁コア2に保持部材5を圧着して切り欠き2bに保持部材5を固定することができる。これにより、保持部材5の切り欠き2bからの脱落を抑制することができる。
また、本実施の形態の電流センサによれば、凹部5jの側壁5kは、他方面5hに向かって内部空間ISの面積が小さくなるように傾斜しているため、保持部材5の樹脂などの材料の弾性によって磁気検出処理部4に保持部材5を圧着して凹部5jに磁気検出処理部4を固定することができる。これにより、磁気検出処理部4の保持部材5からの脱落を抑制することができる。
また、本実施の形態の電流センサによれば、第1の突起部5lが磁気検出処理部4の磁気検出意素子(先端部)41の側面41aに接触した状態で磁気検出処理部4が凹部5jに収容されているため、第1の突起部5lの樹脂などの材料の弾性によって磁気検出処理部4に第1の突起部5lを圧着して凹部5jに磁気検出処理部4を固定することができる。これにより、磁気検出処理部4の保持部材5からの脱落を抑制することができる。
また、本実施の形態の電流センサによれば、第2の突起部5mが磁気検出処理部4の磁気検出素子(先端部)41の後端面41bに接触した状態で磁気検出処理部4が凹部5jに収容されているため、第2の突起部5mによって磁気検出処理部4を保持することができる。
なお、上記では保持部材5は鉛直方向に磁気検出処理部4に取り付けられた場合について説明したが、これに限定されず、保持部材5は磁気検出処理部4に取り付けられればよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
1 バスバー、2 集磁コア、2a 囲繞部、2b 切り欠き、2c 外面、4 磁気検出処理部、5 保持部材、5a 第1の面、5b 第2の面、5c 第3の面、5d 第4の面、5g 一方面、5h 他方面、5j 凹部、5k 側壁、5l 第1の突起部、5m 第2の突起部、6 筺体、7 制御部、8 蓋、41 磁気検出素子、42 接続端子、50 基体、51 第1のくさび形状部、52 第2のくさび形状部、54 キャップ部、55 突出部。

Claims (10)

  1. 電流を流すためのバスバーと、
    前記バスバーの周囲を取り囲むように配置された囲繞部と、前記囲繞部の一部を分断するように設けられた切り欠きとを有し、かつ前記バスバーを流れる電流によって前記バスバーの周囲に発生する磁気を集磁するための集磁コアと、
    前記囲繞部から離れて前記切り欠きに配置されており、かつ前記集磁コアにより集磁された磁気を検出するための磁気検出処理部と、
    前記切り欠き内において前記集磁コアおよび前記磁気検出処理部に挟まれた領域に位置し、かつ前記集磁コアおよび前記磁気検出処理部の両方に接触する保持部材とを備えた、電流センサ。
  2. 前記保持部材は、先端に向かって断面積が小さくなるように第1および第2の面から形成された第1のくさび形状部を含み、
    前記第1の面は前記集磁コアに接触しており、
    前記第2の面は前記磁気検出処理部に接触している、請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記保持部材は、先端に向かって断面積が小さくなるように第3および第4の面から形成された第2のくさび形状部を含み、
    前記第1の面は前記磁気検出処理部を挟んだ前記囲繞部の一方端に接触しており、
    前記第3の面は前記磁気検出処理部を挟んだ前記囲繞部の他方端に接触しており、
    前記第2の面と第4の面とは前記磁気検出処理部を挟んで配置されており、
    前記第2の面は前記囲繞部の一方端側に配置された前記磁気検出処理部の一方端に接触しており、
    前記第4の面は前記囲繞部の他方端側に配置された前記磁気検出処理部の他方端に接触している、請求項2に記載の電流センサ。
  4. 前記保持部材は、一方面と前記一方面に対向する他方面とを有し、かつ前記一方面から前記他方面に向かって延在し、前記磁気検出処理部の先端部を収容可能な凹部を有するキャップ部を含み、
    前記先端部が前記凹部に収容された状態で、前記保持部材は前記切り欠きに取り付けられている、請求項1に記載の電流センサ。
  5. 前記保持部材は、前記キャップ部の側面から外方に突出するように設けられた突出部を含み、
    前記突出部が前記集磁コアの外面に接触した状態で前記保持部材が前記切り欠きに取り付けられている、請求項4に記載の電流センサ。
  6. 前記側面は、前記他方面に向かって前記保持部材の断面積が小さくなるように傾斜している、請求項4または5に記載の電流センサ。
  7. 前記凹部は、前記凹部の内部空間を規定する側壁を含み、
    前記側壁は、前記他方面に向かって前記内部空間の面積が小さくなるように傾斜している、請求項4〜6のいずれか1項に記載の電流センサ。
  8. 前記保持部材は、前記側壁から前記内部空間の内方に向かって突出するように設けられた第1の突起部を含み、
    前記第1の突起部が前記磁気検出処理部の前記先端部の側面に接触した状態で前記磁気検出処理部が前記凹部に収容されている、請求項4〜7のいずれか1項に記載の電流センサ。
  9. 前記保持部材は、前記側壁から前記内部空間の内方に向かって突出するように設けられた第2の突起部を含み、
    前記第2の突起部が前記磁気検出処理部の前記先端部の後端面に接触した状態で前記磁気検出処理部が前記凹部に収容されている、請求項4〜7のいずれか1項に記載の電流センサ。
  10. バスバーを流れる電流によって前記バスバーの周囲に発生する磁気を集磁するために、バスバーの周囲を囲繞部で取り囲むように集磁コアを配置する工程と、
    前記集磁コアにより集磁された磁気を検出するために、前記囲繞部の一部を分断するように設けられた切り欠きに前記囲繞部から離れて磁気検出処理部を配置する工程と、
    前記集磁コアおよび前記磁気検出処理部の互いの位置を保持するように、前記切り欠き内おいて前記集磁コアおよび前記磁気検出処理部に挟まれた領域で前記集磁コアおよび前記磁気検出処理部の両方に接触するように保持部材を配置する工程と、
    前記保持部材によって前記集磁コアおよび前記磁気検出処理部の互いの位置が保持された後に、前記集磁コアを筺体に固定する工程とを備えた、電流センサの製造方法。
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