JP2015045491A - ピンフィン型ウイック構造体及びその製造方法 - Google Patents

ピンフィン型ウイック構造体及びその製造方法 Download PDF

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宮原 英行
Hideyuki Miyahara
英行 宮原
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Abstract

【課題】 均一な毛細管力と透過率を得られ、しかも、簡易な方法で製造することができるピンフィン型ウイック構造体及びその製造方法を提供する。【解決手段】 ピンフィン型ウイック構造体1は、金属板2の一方面に、切削工具5によって金属板2を堀り起こして起立形成された板状フィン4を、切削工具5によって切削することにより、多数の細線状ピンフィン3が縦横に整列して一体に起立形成され、各々のピンフィン3の間隔が毛細管力を有するウイック構造の間隔に形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、平面型ヒートパイプまたはベーパーチャンバーに用いられ、作動液を流通させるウイック構造体に関し、詳しくは、多数の細線状のピンフィンにより形成されるピンフィン型ウイック構造体及びその製造方法に関する。
CPU、素子等の発熱量、発熱密度の増大によって、放熱効率に優れた高性能の冷却技術が求められ、このため、熱の輸送量が大きいヒートパイプを組み合わせたヒートシンクが広く使用されている。ヒートパイプの内部には作動流体の流路となる空間が設けられ、その空間に収容された作動流体が、蒸発、凝縮等の相変化や移動をすることによって、熱の移動が行われる。即ち、ヒートパイプの吸熱側において、ヒートパイプを構成する容器の材質中を熱伝導して伝わってきた被冷却部品が発する熱により、作動流体が蒸発し、その蒸気がヒートパイプの放熱側に移動する。放熱側においては、作動流体の蒸気は冷却され再び液相状態に戻る。このように液相状態に戻った作動流体は再び吸熱側に移動(還流)する。このような作動流体の相変態や移動によって熱の移動が行われる。
ヒートパイプには、コンテナ内に封入される作動液を、凝縮部から蒸発部へと還流するための、グルーブ、メッシュ、焼結金属体などのウイック構造体が備えられている。一般に、ウイック構造体には、備わっている細孔部の細孔半径が小さいほど毛細管力が強いという一方で、蒸気が流れる場合の流路抵抗が高いというジレンマがある。逆に、細孔半径が大きいほど流路抵抗は低いが、毛細管力が弱くなる。相反する2つの要素、強い毛細管力および低い流路抵抗を備えたウイック構造体の実現が求められている。
従来から、種々のウイック構造体が提案されている。例えば、特開2003−148886号公報(特許文献1)、特開2003−214779号公報(特許文献2)、及び、特開2007−056302号公報(特許文献3)に開示されたウイック構造体は、密閉状態の中空部を有するヒートパイプ内に、多孔質金属体層を備え、気孔率の高い部分と気孔率の低い部分とによって、強い毛細管力と高い透過率とを実現しようとしている。
しかし、特許文献1乃至3に開示されたウイック構造体は、多孔質金属体層自体を形成する際に所定の気孔率を得なければならないことから、気孔率に大きなバラツキが生じるために、毛細管力と透過率が均一にならない問題がある。また、所定の気孔率を形成するためには、金属粒子の粒径、焼結温度や圧力等の製造工程における厳密な管理が重要となり、必然的にコスト高になる問題がある。
そこで、本出願人は、特開2007−3164号公報(特許文献4)に示すように、ヒートパイプまたはベーパーチャンバーのコンテナの内面に、金属材自体を掘り起こすことによって起立させた板状のフィンを所定の間隔で形成すると共に、各々のフィンの間に毛細管力を有する所定の幅の溝部を形成した、一種のウイック構造体を提案した。そして、ウイック構造体に形成した溝部内に作動流体を入れて、溝部によって繋げられた蒸発部と凝縮部との間で作動流体を相変態や移動させて熱の移動を行うようにしている。
特開2003−148886号公報 特開2003−214779号公報 特開2007−056302号公報
特許文献4に示すウイック構造体は、金属材自体を掘り起こすことによって所定の間隔で板状のフィンを起立させ、各々のフィンの間に毛細管力を有する所定の幅の溝部を形成しているので、溝部の幅が一定となり、安定した毛細管力を得ることができる。しかしながら、作動流体は各板状のフィンの溝部内をフィンに沿って流通するために方向性が生じることから、強い毛細管力および低い流路抵抗を備えたウイック構造体を得ることができない問題があった。
本発明の課題は、均一な毛細管力と透過率を得られ、しかも、簡易な方法で製造することができるピンフィン型ウイック構造体及びその製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明にかかるピンフィン型ウイック構造体は、金属板の一方面に、切削工具によって前記金属板を堀り起こして起立形成された板状フィンを、切削工具によって切削することにより、多数の細線状ピンフィンが縦横に整列して一体に起立形成され、各々の前記ピンフィンの間隔が毛細管力を有するウイック構造の間隔に形成されていることを要旨としている。
また、各々の細線状ピンフィンの先端側が屈曲され、多数の細線状ピンフィンの先端によって形成される仮想面を、金属板の一方面と平行な平面状に形成しても良い。
本発明にかかるピンフィン型ウイック構造体の製造方法は、金属板の一方面に多数の細線状ピンフィンを一体に起立形成したピンフィン型ウイック構造体を製造する方法であって、切削加工が可能な所定の厚さの金属板と、先端側に刃部が形成された切削工具と、前記切削工具を前記金属板の表面と所定角度傾斜させた堀り起こし方向に移動させて前記刃部により前記金属板の表面から堀り起こすことにより肉厚を薄くした板状フィンを起立形成する工程を順次繰り返して前記金属板の一方面に毛細管力を有する所定の間隔で複数の前記板状フィンを起立形成する板状フィン形成工程と、前記切削工具を前記金属板の表面と所定角度傾斜させた状態で、前記刃部を移動させて複数の前記板状フィンを切削することにより、細線状のピンフィンを毛細管力を有する所定の間隔で起立形成する工程を順次繰り返し、前記金属板の一方面に細線状の前記ピンフィンを縦横に整列して起立形成するピンフィン形成工程により、金属板と一体に多数の細線状ピンフィンを縦横に整列して起立形成し、各々の細線状ピンフィンの前後左右における間隔が毛細管力を有する間隔のウイック構造とすることを要旨としている。
さらに、この製造方法において、切削工具により複数の板状フィンを起立形成するときに、この板状フィンを湾曲させ、その後、切削工具により複数のピンフィンを起立形成するときに、このピンフィンを湾曲させるようにしても良い。
また、この製造方法において、金属板と一体に多数の細線状ピンフィンを縦横に整列して起立形成した後、多数の細線状ピンフィンの上方から平板状の押圧工具により押圧し、各々の細線状ピンフィンの先端側を屈曲して、多数の細線状ピンフィンの先端によって形成される仮想面を、前記金属板の一方面と平行な平面状に形成するようにしても良い。
本発明にかかるピンフィン型ウイック構造体によれば、金属板の一方面に縦横に整列して一体に起立形成される多数の細線状ピンフィンが、金属板を切削工具による堀り起こしと切削によって形成されているので、各細線状ピンフィンの間隔が一定になるので、均一な毛細管力と透過率を得ることができる。また、多数の細線状ピンフィンが縦横に整列して一体に起立形成されているので、作動流体が縦横に流通させることができ、強い毛細管力および低い流路抵抗を備えたピンフィン型ウイック構造体を提供することができる。
また、各々の細線状ピンフィンの先端側を屈曲して、多数の細線状ピンフィンの先端によって形成される仮想面を、金属板の一方面と平行な平面状に形成すると、ヒートパイプまたはベーパーチャンバーのコンテナ内に収納することができ、しかも、屈曲した細線状ピンフィンの先端側が適度に接触するなどして、一層強い毛細管力を得ることができる。さらに、金属板の一方面側の細線状ピンフィンの基端側は、一定間隔とした作動流体の流路が形成されているので、均一な毛細管力と透過率を得ることができる。
本発明にかかるピンフィン型ウイック構造体の製造方法によれば、板状フィン形成工程において、切削工具により、金属板に複数の肉薄な板状フィンを起立形成し、その後、ピンフィン形成工程において、複数の板状フィンを切削工具により切削することにより、容易に細線状のピンフィンを起立形成したウイック構造体を製造することができる。また、板状フィン及びピンフィンを起立形成するときの間隔を予め設定することにより、所望の毛細管力と透過率が得られる任意の間隔に細線状のピンフィンを起立形成することができる。さらに、金属板に任意の間隔に細線状のピンフィンを縦横に整列して一体に起立形成するので、一定間隔とした作動流体の流路が縦横に形成されるので、均一な毛細管力と透過率が得られるウイック構造体を製造することができる。
また、起立形成した複数の肉薄な板状フィンを湾曲させ、その後、切削工具により複数の細線状のピンフィンを起立形成すると、ピンフィンを湾曲させることができる。このように、細線状のピンフィンを湾曲させることにより、ピンフィン間を流通する作動流体に乱流を発生させることができ、この乱流によってウイック構造体の性能を向上させることが可能となる。
さらに、多数の細線状ピンフィンの上方から平板状の押圧工具により押圧することにより、各々の細線状ピンフィンの先端側を屈曲して、多数の細線状ピンフィンの先端によって形成される仮想面を、金属板の一方面と平行な平面状に形成することができる。
本発明によるピンフィン型ウイック構造体を示す斜視図である。 板状フィンの形成状態を示す斜視図である。 (A)(B)は、板状フィン形成工程を示す説明図である。 複数の板状フィンを起立形成した状態を示す斜視図である。 細線状のピンフィン形成工程の状態を示す斜視図である。 (A)乃至(D)は、細線状のピンフィン形成工程を示す説明図である。 細線状のピンフィンの形成状態を示す斜視図である。 細線状ピンフィンを押圧工具により押圧する状態を示す側面図である。
ピンフィン型ウイック構造体は、金属板の一方面に、切削工具によって前記金属板を堀り起こして起立形成された板状フィンを、切削工具によって切削することにより、多数の細線状ピンフィンが縦横に整列して一体に起立形成され、各々の前記ピンフィンの間隔が毛細管力を有するウイック構造の間隔に形成されている。
また、ピンフィン型ウイック構造体の製造方法は、金属板の一方面に多数の細線状ピンフィンを一体に起立形成したピンフィン型ウイック構造体を製造する方法であって、切削加工が可能な所定の厚さの金属板と、先端側に刃部が形成された切削工具と、前記切削工具を前記金属板の表面と所定角度傾斜させた堀り起こし方向に移動させて前記刃部により前記金属板の表面から堀り起こすことにより肉厚を薄くした板状フィンを起立形成する工程を順次繰り返して前記金属板の一方面に毛細管力を有する所定の間隔で複数の前記板状フィンを起立形成する板状フィン形成工程と、前記切削工具を前記金属板の表面と所定角度傾斜させた状態で、前記刃部が複数の前記板状フィンの板面と直行する方向に移動させて複数の前記板状フィンを切削することにより、細線状のピンフィンを毛細管力を有する所定の間隔で起立形成する工程を順次繰り返し、前記金属板の一方面に細線状の前記ピンフィンを縦横に整列して起立形成するピンフィン形成工程により、金属板と一体に多数の細線状ピンフィンを縦横に整列して起立形成し、各々の細線状ピンフィンの前後左右における間隔が毛細管力を有する間隔のウイック構造とする。
次に、図面を参照して、本発明にかかるピンフィン型ウイック構造体について詳細に説明する。図1は、本発明によるピンフィン型ウイック構造体を示している。ウイック構造体1に使用する金属材2は、熱伝導率が良好なアルミニウムやアルミニウム合金、銅からなる板材が使用される。金属板2の一方面には、後述する製造方法により、多数の細線状のピンフィン3が一体に起立形成されている。これら細線状のピンフィン3は、同一間隔に形成され、起立角度、高さは同一に形成されている。また、多数のピンフィン3を起立形成する間隔pは、ウイック構造体1として求められる毛細管力を備えるために、概ね0.01mm乃至0.5mm程度が望ましい。さらに、各ピンフィン3の線径tは、概ね0.01mm乃至0.5mm程度が望ましい。
多数の細線状のピンフィン3は、金属板2の一方面に縦横に整列して一体に起立形成されて、これにより、金属板2の一方面には、整列された各ピンフィン3によって仕切られた碁盤の目のような流路が形成される。この流路には、作動流体が流通する。
また、多数の細線状のピンフィン3は、図1に示すように、各々の細線状のピンフィン3の先端側が屈曲され、これら多数の細線状のピンフィン3の先端によって形成される仮想面が、金属板2の一方面と平行な平面状に形成されている。このように、先端側が屈曲されたピンフィン3を形成するには、後述する製造方法に示すように、細線状のピンフィン3を起立形成するときに、湾曲させながら形成する方法と、多数の細線状ピンフィン3の上方から平板状の押圧工具により押圧することによって屈曲する方法のいずれかが採用される。なお、図1に示す多数の細線状のピンフィン3は、先端側が同方向に屈曲させているが、上述したように、各ピンフィン3の線径tを0.01mm乃至0.3mm程度と極細線にした場合は、製造工程において自然に屈曲することにより屈曲方向が不安定になるため、多数の細線状ピンフィン3の先端側が恰も糸が絡み合った状態に形成される。
このような構成からなるウイック構造体1は、図示しない周知のヒートパイプまたはベーパーチャンバーのコンテナ内に収納され、ウイック構造体1の内部に作動流体が流通する。ウイック構造体1は、多数の細線状のピンフィン3は、金属板2の一方面から立ち上がった基端側は剛体に形成され、碁盤の目のような流路が縦横に形成されているので、基端側の流路は均一な毛細管力と透過率を有していることから、所定量の作動流体が流通する。また、多数の細線状のピンフィン3の先端側を図1に示すように屈曲した場合には、流路が比較的小さく形成されるので、基端側よりも毛細管力が大きくなる一方で透過率は小さくなる。これにより、先端側には蒸気となった作動流体を流通させ、基端側には液体状の作動流体を流通させることができ、必要なウイック構造体1の機能を兼ね備えることができる。
また、多数の細線状のピンフィン3は、金属板2の一方面から起立させることにより一体に形成されているので、発熱素子から発生する熱がピンフィン3に直接伝達するので、熱伝達効率を高められる。しかも、金属板2の表面から堀り起こすことにより複数のピンフィン3を形成するので、発熱素子を当接させる金属板2の他方面と、各ピンフィン3の基部との間の板厚が薄くなるので、各ピンフィン3への熱伝達距離が小さくなり、発熱素子から出た熱を速やかにピンフィン3に伝達するので、さらに熱伝達効率を高められる。
次に、ウイック構造体1の製造方法について説明する。前述した金属板2は、ウイック構造体1を形成するために必要な板厚及び幅を有している。そして、金属板2を所定の装置に位置決め固定した後、まず、図2及び図3に示す板状フィン形成工程により、金属板2を切削工具5により板状フィン4を起立形成する。
切削工具5は、図3に示すように、底面側の先端に移動方向と直角な刃部5aが形成されている。このように構成された切削工具5は、金属板2に対して後端側が高くなるように所定の角度θで傾斜させて図示しない駆動装置に取り付けられる。切削工具5の傾斜角度θは、放熱フィン3の高さ、板厚、或いは、金属板2の材質等によって適宜に設定されるが、概ね5度から20度に設定される。
図3(A)に示すように、切削工具5を金属板2の一方面に当接させた後、切削工具5を上記駆動装置により所定の角度で金属板2の他方面に移動させる。このように切削工具5を移動すると、図3(B)に示すように、切削工具5の先端の刃部5aによって金属板2が徐々に深く掘り起こされ、板状フィン4が所定の高さに伸長して所定の高さと板厚の板状フィン4が起立形成される。このとき、板状フィン4の板厚は、細線状のピンフィン3の線径tとほぼ同じ、概ね0.01mm乃至0.5mm程度とする。また、板状フィン4は、図示のように湾曲し、金属板2の一方面に連結した基部から先端に至るに従って徐々に肉厚が薄く形成される。その後、切削工具5を後退させて、図3(A)に示す待機位置まで移動させると、金属板2の一方面には、板状フィン4を掘り起すことによって形成される被加工面2aが形成される。
板状フィン4が起立形成された後に、次の板状フィン4を形成するとき、金属板2が図3の右方の下流側に送られて位置決めされる。その後、切削工具5を図3(A)に示すように、切削工具5を金属板2の一方面に当接させた後、前述した図3(B)に示す工程を行い、被加工面2aを所定寸法の削り代をもって掘り起こすことにより、先に起立形成した板状フィン4と所定の間隔で次の板状フィン4が起立形成され、両板状フィン4の間には凹所2bが形成される。このとき、凹所2bの幅、すなわち両板状フィン4の間隔は、概ね0.01mm乃至0.5mm程度としている。その後、金属板2を下流側に送るとともに位置決めした後、切削工具5により被加工面2aを所定寸法の削り代をもって掘り起こす工程を繰り返すことにより、図4に示すように、金属板2の一方面には、複数の板状フィン4が0.01mm乃至0.5mm程度の間隔で整列した状態となって連続して形成される。
このように、金属板2の一方面に複数の板状フィン4を起立形成した後、次に、ピンフィン形成工程に移行する。図5及び図6に示すピンフィン形成工程において使用する切削工具5は、前述した板状フィン形成工程において使用した工具と同じでも良いが、肉薄な板状フィン4を切削するために、底面側の先端に形成される刃部5aの切れ味を良好にした工具に変更しても良い。
図6に示すように、切削工具5は、複数の板状フィン4に対して後端側が高くなるように所定の角度θで傾斜させて図示しない駆動装置に取り付けられる。切削工具5の傾斜角度θは、板状フィン4の板厚や材質等によって適宜に設定されるが、前述した板状フィン形成工程と同様に、概ね5度から20度に設定することが望ましい。
そして、図6(A)に示すように、切削工具5の先端の刃部5aが複数の板状フィン4の板面と直行する方向に移動させて、まず、複数の板状フィン4の端部を切削して切り落とす。これにより、複数の板状フィン4には、被加工面4aが形成される。その後、切削工具5の刃部5aを図6(A)に示すように被加工面4aよりも後退させた位置に当接させた後、切削工具5を上記駆動装置により所定の角度で板状フィン4の基部方向に移動させる。このように切削工具5を移動すると、図6(B)に示すように、切削工具5の先端の刃部5aによって複数の板状フィン4が同時に徐々に掘り起こされ、図6(C)に示すように細線状のピンフィン3が一列に整列して起立形成される。このとき、板状フィン4を掘り起こすときの厚さは、細線状のピンフィン3の線径tとほぼ同じ、概ね0.01mm乃至0.5mmとしている。このように形成される各ピンフィン3の高さは、板状フィン4の高さに対して1.5倍乃至3倍程度に伸長され、また、ピンフィン3は、図5に示すように湾曲している。
一列に整列した細線状のピンフィン3が起立形成された後に、次のピンフィン3を形成するとき、切削工具5の刃部5aを、図6(A)と同様に、被加工面4aよりも後退させた位置に当接させた後、切削工具5を上記駆動装置により所定の角度で板状フィン4の基部方向に移動させる。これにより、図6(D)に示すように、次のピンフィン3が所定の間隔をあけて起立形成される。このとき、各ピンフィン3の間隔pは、概ね0.01mm乃至0.5mmになるように形成される。その後、図6(A)乃至(D)の工程を繰り返すことにより、図5に示すように、金属板2の一方面には、複数の細線状のピンフィン3が所定の間隔で連続して形成される。このピンフィン形成工程によって、金属板2の一方面には多数の細線状のピンフィン3が整列した状態で起立形成され、図7に示すようなウイック構造体1が製造される。
なお、上述したピンフィン形成工程において、切削工具5の先端の刃部5aの移動方向は、複数の板状フィン4の板面に対して45度、60度などの角度から移動させて細線状のピンフィン3を起立形成させても良い。このように、板状フィン4の板面に対して傾斜してピンフィン3を起立形成すると、ピンフィン3に捩れが生じて、先端側が複雑に交差することから、先端側の毛細管力が大きくなり、ウイック構造体1としての性能が向上する。
上述した細線状のピンフィン3は、切削工具5により前述した板状フィン4を起立形成するときと同じ間隔で起立形成すると、ピンフィン3の断面形状は、ほぼ四角形に形成される。一方、板状フィン形成工程において切削工具5により板状フィン4を起立形成するときの間隔と、ピンフィン形成工程において切削工具5によりピンフィン3を起立形成するときの間隔を異ならせることにより、ピンフィン3の断面形状を長方形に形成することができる。この断面形状は、作動流体の流れによる乱流の発生状況に応じて適宜に設定することが望ましい。さらに、細線状のピンフィン3の断面積は、板状フィン4を形成するときの厚さ、或いはピンフィン3を形成するときの厚さを適宜に設定することにより、任意に変更可能である。
また、図1及び図7に示した多数の細線状のピンフィン3は、同一間隔で立設したが、この間隔は、板状フィン形成工程とピンフィン形成工程において、切削工具5による板状フィン4の形成間隔、或いは、ピンフィン3の形成間隔を適宜に設定することにより、毛細管力が得られる範囲で任意の間隔で細線状のピンフィン3を形成しても良い。さらに、板状フィン形成工程において板状フィン4を適宜の高さに起立形成するとともに、ピンフィン形成工程においてピンフィン3を起立形成するときの高さを適宜に設定することにより、任意の高さの細線状のピンフィン3を起立形成することが可能である。
図8は、多数の細線状ピンフィン3の先端側を平面状に形成する状態を示している。上述したピンフィン形成工程を施した多数の細線状ピンフィン3の先端側は、図7に示すようにやや緩やかに湾曲している。多数の細線状のピンフィン3の金属板2の一方面から立ち上がった基端側よりも先端側の毛細管力を大きくする場合には、先端側における細線状のピンフィン3の密度を高めることによって達成できる。このため、図8に示すように、ピンフィン形成工程を施した多数の細線状ピンフィン3の先端側の上方から、平板状の押圧工具6により押圧することにより、各々の細線状ピンフィン3の先端側を屈曲させて、多数の細線状ピンフィン3の先端によって形成される仮想面を、金属板2の一方面と平行な平面状に形成する。これにより、細線状ピンフィン3の先端側の密度を高めることができる。また、平面状に形成することによって、多数の細線状ピンフィン3の先端の高さが揃えられ、このウイック構造体1をヒートパイプまたはベーパーチャンバーのコンテナ内の寸法に合致させることが可能となる。
以上、本発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変更可能であることは言うまでもない。上述した実施例において、ピンフィン形成工程において使用する切削工具の先端の刃部を、複数の板状フィンに一致させて半円形や三角形等の凹所を形成することにより、ピンフィンの断面形状を四角形以外の形状に変化させることが可能となる。
1 ウイック構造体
2 金属板
3 細線状ピンフィン
4 板状フィン
5 切削工具
5a 刃部
6 押圧工具

Claims (5)

  1. 金属板の一方面に、切削工具によって前記金属板を堀り起こして起立形成された板状フィンを、切削工具によって切削することにより、多数の細線状ピンフィンが縦横に整列して一体に起立形成され、
    各々の前記ピンフィンの間隔が毛細管力を有するウイック構造の間隔に形成されていることを特徴とするピンフィン型ウイック構造体。
  2. 各々の細線状ピンフィンの先端側が屈曲され、金属板の一方面と平行な平面状に形成されている請求項1に記載のピンフィン型ウイック構造体。
  3. 金属板の一方面に多数の細線状ピンフィンを一体に起立形成したピンフィン型ウイック構造体を製造する方法であって、
    切削加工が可能な所定の厚さの金属板と、
    先端側に刃部が形成された切削工具と、
    前記切削工具を前記金属板の表面と所定角度傾斜させた堀り起こし方向に移動させて前記刃部により前記金属板の表面から堀り起こすことにより肉厚を薄くした板状フィンを起立形成する工程を順次繰り返して前記金属板の一方面に毛細管力を有する所定の間隔で複数の前記板状フィンを起立形成する板状フィン形成工程と、
    前記切削工具を前記金属板の表面と所定角度傾斜させた状態で、前記刃部を移動させて複数の前記板状フィンを切削することにより、細線状のピンフィンを毛細管力を有する所定の間隔で起立形成する工程を順次繰り返し、前記金属板の一方面に細線状の前記ピンフィンを縦横に整列して起立形成するピンフィン形成工程により、
    金属板と一体に多数の細線状ピンフィンを縦横に整列して起立形成し、各々の細線状ピンフィンの前後左右における間隔が毛細管力を有する間隔のウイック構造としたことを特徴とするピンフィン型ウイック構造体の製造方法。
  4. 板状フィン形成工程において、切削工具により複数の板状フィンを起立形成するとき、この板状フィンを湾曲させ、その後、ピンフィン形成工程において、切削工具により複数のピンフィンを起立形成するとき、このピンフィンを湾曲させた請求項1に記載の放熱器の製造方法。
  5. 金属板と一体に多数の細線状ピンフィンを縦横に整列して起立形成した後、多数の細線状ピンフィンの上方から平板状の押圧工具により押圧して、各々の細線状ピンフィンの先端側を屈曲して、前記金属板の一方面と平行な平面状に形成する請求項3に記載のピンフィン型ウイック構造体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019022214A1 (ja) * 2017-07-28 2019-01-31 古河電気工業株式会社 ウィック構造体及びウィック構造体を収容したヒートパイプ

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