JP2015044477A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】後進走行する際の駆動力抜けを抑制する。【解決手段】シフトポジションがRレンジであるときにエンジンを自立運転しているとき(ステップS100)、後進時自立運転回転数Nidlrを自立運転回転数Nrefより高い下限回転数Neminに変更し(ステップS160)、エンジンが後進時自立運転回転数Nidlrで自立運転するようエンジンや2つのモータを制御する。これにより、エンジンが自立運転から負荷運転へ移行する際のエンジンの回転数の上昇量を小さくすることができ、エンジンから出力したトルクのうち駆動軸に前進方向へ作用するトルクが一時的に大きくなることを抑制することができ、後進走行する際の駆動力抜けを抑制することができる。【選択図】図2
Description
本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関し、詳しくは、エンジンと、エンジンのクランクシャフトにキャリアが接続されると共に駆動輪に連結された駆動軸にリングギヤが接続されたプラネタリギヤと、回転子がプラネタリギヤのサンギヤに接続された第1モータと、回転子が駆動軸に接続された第2モータと、第1モータおよび第2モータと電力をやりとりするバッテリとを備えるハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来、この種のハイブリッド車両の制御装置としては、エンジンと、エンジンのクランクシャフトにキャリアが接続されると共に駆動輪に連結された駆動軸にリングギヤが接続されたプラネタリギヤと、回転子がプラネタリギヤのサンギヤに接続された第1モータと、回転子が駆動軸に接続された第2モータと、第1モータおよび第2モータと電力をやりとりするバッテリとを備えるハイブリッド車両において、エンジンを負荷運転する際には要求パワーに応じた回転数およびトルクでエンジンを運転するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、シフトポジションが後進走行用のRレンジのときには、シフトポジションが前進走行用のDレンジのときより高回転低トルクでエンジンを運転することにより、エンジンから出力したトルクのうちプラネタリギヤを介して駆動軸に前進方向へ作用するトルクを小さくして、後進走行する際に駆動トルクが低下することを抑制している。
上述のハイブリッド車両の制御装置では、シフトポジションが後進走行用のレンジにあるときには、エンジンを自立運転して第2モータからの動力で走行し、バッテリの蓄電量が低下したときにエンジンの負荷運転を開始して第1モータの発電電力でバッテリを充電する制御を行なうものがある。エンジンを負荷運転する際には要求パワーに応じた回転数およびトルクでエンジンの負荷運転するが、自立運転から負荷運転へ移行する際に要求パワーの上昇に対してエンジンの回転数の上昇が追従できないときには、要求パワーを出力するためにエンジンからの出力されるトルク、すなわち、プラネタリギヤを介して駆動軸に前進方向へ作用するトルクが一時的に大きくなってしまい、後進走行用の駆動力が不足するいわゆる駆動力抜けが生じる場合がある。
本発明のハイブリッド車両の制御装置では、後進走行する際の駆動力抜けを抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド車両の制御装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド車両の制御装置は、
エンジンと、前記エンジンのクランクシャフトにキャリアが接続されると共に駆動輪に連結された駆動軸にリングギヤが接続されたプラネタリギヤと、回転子が前記プラネタリギヤのサンギヤに接続された第1モータと、回転子が前記駆動軸に接続された第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力をやりとりするバッテリとを備えるハイブリッド車両の制御装置であって、
シフトポジションが後進走行用レンジのときに前記エンジンを自立運転させる際、前記バッテリの残容量が所定残容量以下であるときには、前記残容量が前記所定残容量を超えているときの前記エンジンの自立回転数より高い下限回転数以上の回転数で前記エンジンが自立運転するよう前記エンジンを制御する
ことを特徴とする。
エンジンと、前記エンジンのクランクシャフトにキャリアが接続されると共に駆動輪に連結された駆動軸にリングギヤが接続されたプラネタリギヤと、回転子が前記プラネタリギヤのサンギヤに接続された第1モータと、回転子が前記駆動軸に接続された第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力をやりとりするバッテリとを備えるハイブリッド車両の制御装置であって、
シフトポジションが後進走行用レンジのときに前記エンジンを自立運転させる際、前記バッテリの残容量が所定残容量以下であるときには、前記残容量が前記所定残容量を超えているときの前記エンジンの自立回転数より高い下限回転数以上の回転数で前記エンジンが自立運転するよう前記エンジンを制御する
ことを特徴とする。
この本発明のハイブリッド車両の制御装置では、シフトポジションが後進走行用レンジのときにエンジンを自立運転させる際、バッテリの残容量が所定残容量以下であるときには、残容量が所定残容量を超えているときのエンジンの自立回転数より高い下限回転数以上の回転数でエンジンが自立運転するようエンジンを制御する。これにより、自立運転から負荷運転へ移行するときのエンジンの回転数の上昇量が小さくなるから、エンジンから出力したトルクのうちプラネタリギヤを介して駆動軸に前進方向へ作用するトルクが一時的に大きくなることを抑制することができ、後進走行する際の駆動力抜けを抑制することができる。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪34a,34bにデファレンシャルギヤ32を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸36に接続されたモータMG2と、図示しない複数のスイッチング素子のスイッチングによってモータMG1,MG2を駆動するインバータ41,42と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、車両全体を制御するHVECU70と、を備える。
HVECU70は、図示しないCPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、図示しないが、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポートおよび通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフト位置センサ82からのシフト位置SP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号などエンジン22の運転制御に必要な信号,モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する図示しない回転位置検出センサからの信号などモータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号,バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧などバッテリ50を管理するのに必要な信号などが入力ポートを介して入力されている。また、HVECU70からは、エンジン22の運転制御をするための運転制御信号やインバータ41,42へのスイッチング制御信号などが出力されている。さらに、HVECU70は、バッテリ50の残容量SOC(バッテリ50に充電可能な蓄電量の最大値に対するバッテリ50の蓄電量の割合)を演算している。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、シフトレバー81のシフト位置SPとして、駐車時に用いる駐車レンジ(Pレンジ)、後進走行用のリバースレンジ(Rレンジ)、中立のニュートラルレンジ(Nレンジ)、前進走行用の通常のドライブレンジ(Dレンジ)の他に、アクセルオン時の駆動力の設定等はDレンジと同一であるが走行中のアクセルオフ時に車両に作用させる制動力がDレンジより大きく設定されるブレーキレンジ(Bレンジ)、アップシフト指示レンジおよびダウンシフト指示レンジを有するシーケンシャルシフトレンジ(Sレンジ)が用意されている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の運転を伴って走行するハイブリッド走行モード(HV走行モード)や、エンジン22の運転を停止して走行する電動走行モード(EV走行モード)で走行する。
HV走行モードでの走行時には、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される要求トルクTr*(前進方向に走行するときは正の値)を設定し、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算し、計算した走行用パワーPdrv*からバッテリ50の蓄電割合SOCに基づくバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときは正の値)を減じて車両に要求される要求パワーPe*を設定する。そして、要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共に要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定し、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン22が運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行ない、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。このHV走行モードでの走行時には、要求パワーPe*が停止用閾値Pstop未満に至ったときなどエンジン22の停止条件が成立したときに、エンジン22の運転を停止してEV走行モードでの走行に移行する。
EV走行モードでの走行時には、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共に要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。このEV走行モードでの走行時には、HV走行モードによる走行時と同様に計算した要求パワーPe*が始動用閾値Pstart以上に至ったときなどエンジン22の始動条件が成立したときに、エンジン22を始動してHV走行モードでの走行に移行する。
実施例のハイブリッド自動車20では、シフトポジションSPがRレンジのときには、基本的には、エンジン22の運転を停止して上述したEV走行モードでの走行を行なうが、暖機要求や暖房要求などがなされると、エンジン22を後述する後進時自立運転回転数Nidlrで自立運転しながら(エンジン22から出力される動力を値0としながら)走行するようエンジン22やモータMG1,MG2を制御する。エンジン22を自立運転するときには、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定し、エンジン22の回転数が自立運転回転数NidlrになるようモータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、エンジン22が後進時自立運転回転数Nidlrで自立運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行ない、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
そして、シフトポジションSPがRレンジのときにバッテリ50の残容量SOCが充電判定閾値SOCc(例えば、40%など)以下であるときには、上述したHV走行モードでの走行を開始し、エンジン22を負荷運転してエンジン22からの動力を用いてモータMG1でバッテリ50を充電しながら走行する。なお、実施例では、要求トルクTr*や要求パワーPe*の条件では、エンジン22の負荷運転を開始しないものとした。
後進時自立運転回転数Nidlrは、基本的は、エンジン22を自立運転できる程度の値として予め定めれた自立運転回転数Nref(例えば、1000rpmなど)を用いるものとしたが、後述する後進時自立運転回転数変更処理により変更される場合がある。
ここで、後進時自立運転回転数変更処理について説明する。図2は、実施例のHVECU70により実行される後進時自立運転回転数変更処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、シフトポジションSPがRレンジであるときに、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
後進時自立運転回転数設定ルーチンが実行されると、HVECU70は、エンジン22が自立運転しているか否かを調べる(ステップS100)。エンジン22が自立運転していないとき、すなわち、エンジン22が負荷運転しているときやエンジン22が運転を停止しているときには、後進時自立運転回転数Nidlrを変更せずに、本ルーチンを終了する。
エンジン22が自立運転しているときには(ステップS100)、バッテリ50の残容量SOCが判定用残容量SOCth以下であるか否かや(ステップS110)、要求パワーPe*が判定用パワーPeth以上であるか否か(ステップS120)、要求トルクTr*が判定用トルクTrth以上であるか否かを調べる(ステップS130)。
ここで、判定用残容量SOCthは、バッテリ50の残容量の低下に伴うエンジン22の負荷運転に備えるか否かを判定するための閾値であり、充電判定閾値SOCcより若干高い値(例えば、50%など)を用いるものとした。
また、判定用パワーPethは、バッテリ50の残容量SOCの低下により、エンジン22を自立運転から負荷運転へ移行させたときにエンジンの回転数Neが追従できなくなり、要求パワーを出力するためにエンジンからの出力されるトルク、すなわち、プラネタリギヤ30を介して駆動軸36に前進方向へ作用するトルクが一時的に大きくなるか否かを判定するための閾値であり、車速Vに基づいて定められるものとした。図3は、車速Vと判定用パワーPethとの関係を示す説明図である。判定用パワーPethは、図示するように、車速Vが高くなるほど大きくなる傾向であるものとした。
さらに、判定用トルクTrthは、エンジン22を自立運転から負荷運転へ移行させたときに、エンジン22から出力されるトルクのうちプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用する前進方向のトルクが一時的に大きくなることにより駆動軸36に要求トルクTr*を出力できなくなる駆動力抜けが生じるか可能性があるか否かを判定するための閾値であり、車速Vに基づいて定められものとした。図4は、車速Vと判定用トルクTrthとの関係を示す説明図である。判定用トルクTrthは、図示するように、車速Vが高くなるほど小さくなる傾向であるものとした。
バッテリ50の残容量SOCが判定用残容量SOCthを超えているときや(ステップS110)、要求パワーPe*が判定用パワーPeth未満であるときや(ステップS120)、要求トルクTr*が判定用トルクTrth以上であるときには(ステップS130)、バッテリ50を充電するための負荷運転に備える必要はなかったり、プラネタリギヤ30を介して駆動軸36に前進方向へ作用するトルクがさほど大きくならなかったり、駆動力抜けが生じないと判断して、後進時自立運転回転数Nidlrを変更せずに、本ルーチンを終了する。
バッテリ50の残容量SOCが判定用残容量SOCth以下であり(ステップS110)、且つ、要求パワーPe*が判定用パワーPeth以上であり(ステップS120)、且つ、要求トルクTr*が判定用トルクTrth以上であるときには(ステップS130)、バッテリ50を充電するためのエンジン22の負荷運転に備える必要があり、プラネタリギヤ30を介して駆動軸36に前進方向へ作用するトルクが一時的に大きくなる可能性があり、一時的に大きくなった前進方向へ作用するトルクにより駆動力抜けが生じる可能性があると判断して、要求トルクTr*と走行用パワーPdrv*と下限回転数設定用マップとに基づいてエンジン22の下限回転数Neminを設定する(ステップS140)。図5は、下限回転数設定用マップの一例を示す説明図である。下限回転数Neminは、自立運転回転数Nrefより高い回転数であって、要求トルクTr*が高くなるほど高くなり走行用パワーPdrv*が高くなるほど高くなる傾向に設定されるものとした。
こうして下限回転数Neminを設定したら、エンジン22の回転数Neが下限回転数Nemin未満であるか否かを判定し(ステップS150)、エンジン22の回転数Neが下限回転数Nemin未満であるときには、後進時自立運転回転数Nidlrを下限回転数Neminに変更し(ステップS160)、エンジン22の回転数Neが下限回転数Nemin以上であるとき、すなわち、後進時自立運転回転数Nidlrが下限回転数Neminに変更されているときには、本ルーチンを終了する。こうした処理により、エンジン22を自立運転回転数Nrefより高い下限回転数Neminで自立運転することができる。
図6は、エンジン22の回転数Neの時間変化の一例を示す説明図である。図示するように、エンジン22の回転数Neが下限回転数Nemin未満であるときには(時間t10)、エンジン22の回転数Neが下限回転数Neminになるようエンジン22が制御される。これにより、エンジン22が自立運転から負荷運転に移行するとき(時間t11)におけるエンジン22の回転数の上昇量が小さくなる。
図7は、エンジン22の回転数とトルクとの関係の時間変化の一例を示す説明図であり、図8は、要求パワーPe*,エンジン22の回転数Ne,エンジン22から出力されているエンジントルク、駆動軸36に出力される駆動軸トルクの時間変化の一例を示す説明図である。図7,図8において、実線は、実施例のハイブリッド自動車20におけるエンジン22の回転数とトルクとの関係の時間変化の一例を示しており、破線は、エンジンを自立運転回転数Nrefで自立運転させる従来例のエンジンの回転数とトルクとの関係の時間変化の一例を示している。なお、図7において、一点鎖線は、等パワー曲線を示している。実施例では、図示するよう、自立運転時にエンジン22の回転数Neを下限回転数Neminまで持ち上げるから、その後、自立運転から負荷運転から移行したときに(図8の時間t20)、エンジン22の回転数の上昇量が小さくなる。これにより、エンジン22から出力したトルクのうちプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に前進方向へ作用するトルクが一時的に大きくなることを抑制することができ、後進走行する際の駆動力抜けを抑制することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、シフトポジションSPがRレンジであるときにエンジン22を自立運転している際に、エンジン22を自立運転回転数Nrefより高い下限回転数Neminで自立運転するから、その後、自立運転から負荷運転へ移行するときの駆動力抜けを抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、ステップS160の処理で、自立運転回転数Nidlrに下限回転数Neminを設定するものとしたが、自立運転回転数Nidlrに下限回転数Nemin以上の回転数を設定すればよいから、下限回転数Neminより若干高い回転数を設定するものとしもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、ステップS120で要求パワーPe*と判定用パワーPethとを比較したり、ステップS130で要求トルクTr*と判定用トルクTrthとを比較するものとしたが、ステップS120,S130の一方または双方の比較を行なわないものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、判定用パワーPethや判定用トルクTrthを車速Vに基づいて定められるものとしたり、下限回転数Neminを要求トルクTr*に基づいて定められるものとしたが、判定用パワーPethや判定用トルクTrth,下限回転数Neminは車速Vや要求トルクTr*に拘わらず一定の値を用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、暖機要求や暖房要求などがなされると、エンジン22が後進時自立運転回転数Nidlrで自立運転されるようエンジン22やモータMG1,MG2を制御するものとしたが、走行パワーPdrv*が所定パワー以上のときに後進時自立運転回転数Nidlrで自立運転されるようエンジン22やモータMG1,MG2を制御するものとしてもよい。図9は、走行パワーPdrv*が所定パワー以上のときに後進時自立運転回転数Nidlrでエンジン22を自立運転させる場合におけるエンジン22の回転数Neの時間変化の一例を示す説明図である。エンジン22の回転数Neは、走行パワーPdrv*が所定パワー以上となったときに(時間t30)自立運転回転数Nrefとなり、その後、図2に例示した後進走行時自立運転回転数変更処理ルーチンのステップS100〜S150の処理が実行されたときに(時間t31)に下限回転数Neminとなる。この場合においても、負荷運転へ移行するときに(時間t32)後進走行する際の駆動力抜けを抑制することができる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、プラネタリギヤ30が「プラネタリギヤ」に相当し、モータMG1が「第1モータ」に相当し、モータMG2が「第2モータ」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、HVECU70が「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド車両の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、32 デファレンシャルギヤ、34a,34b 駆動輪、35a,35b 車輪、36 駆動軸、41,42 インバータ、50 バッテリ、70 HVECU、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフト位置センサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルレンジセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ。
Claims (1)
- エンジンと、前記エンジンのクランクシャフトにキャリアが接続されると共に駆動輪に連結された駆動軸にリングギヤが接続されたプラネタリギヤと、回転子が前記プラネタリギヤのサンギヤに接続された第1モータと、回転子が前記駆動軸に接続された第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力をやりとりするバッテリとを備えるハイブリッド車両の制御装置であって、
シフトポジションが後進走行用レンジのときに前記エンジンを自立運転させる際、前記バッテリの残容量が所定残容量以下であるときには、前記残容量が前記所定残容量を超えているときの前記エンジンの自立回転数より高い下限回転数以上の回転数で前記エンジンが自立運転するよう前記エンジンを制御する
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013176627A JP2015044477A (ja) | 2013-08-28 | 2013-08-28 | ハイブリッド車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013176627A JP2015044477A (ja) | 2013-08-28 | 2013-08-28 | ハイブリッド車両の制御装置 |
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JP2015044477A true JP2015044477A (ja) | 2015-03-12 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JP2015044477A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10065625B2 (en) | 2015-07-06 | 2018-09-04 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control apparatus and control method for hybrid vehicle |
-
2013
- 2013-08-28 JP JP2013176627A patent/JP2015044477A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10065625B2 (en) | 2015-07-06 | 2018-09-04 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control apparatus and control method for hybrid vehicle |
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