以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(第1の実施の形態)
図2を参照して、本発明の第1実施の形態に係る画像読取装置90を装備した画像形成装置100は、原稿を読取って生成された画像データに応じて、記録紙に画像を形成する。画像形成装置100は、本体装置110と、自動原稿送り装置120とにより構成されている。本体装置110は、画像読取装置90、光走査装置1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、及び排紙トレイ91を備えて構成されている。
画像読取装置90は、本体装置110の上部に配置されている。画像読取装置90の上部には、原稿が載置される透明ガラス(プラテンガラス)からなる原稿載置台92が設けられている。原稿載置台92の上側には自動原稿送り装置120が取り付けられている。自動原稿送り装置120は、原稿載置台92の上に自動的に原稿を搬送する。自動原稿送り装置120は、その奥側の一辺がヒンジ(図示せず)により画像読取装置90に装着されている。自動原稿送り装置120の手前部分を上げると、原稿載置台92が開放され、その上に原稿を載置することができる。
本画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の各色を用いたカラー画像データ、即ち、これら4色の成分に分解された画像データである。したがって、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、及びクリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するように、4組設けられている。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための装置である。光走査装置1は、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニットである。光走査装置1は、帯電された感光体ドラム3を、入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム3の表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する。現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化する。クリーナユニット4は、現像及び画像転写後に感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去及び回収する。
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64を備えている。中間転写ローラ64は、YMCKの各色に対応して4本設けられている。
上述のように各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61上で積層される。積層された画像情報(トナーの濃淡分布)は、中間転写ベルト61が回転されて、記録紙と中間転写ベルト61との接触位置に配置される転写ローラ10によって記録紙上に転写される。
給紙カセット81は、画像形成に使用する記録紙を蓄積しておくためのトレイである。手差し給紙カセット82にも画像形成に使用する記録紙を置くことができる。排紙トレイ91は、印刷済みの記録紙をフェイスダウンで、即ち印刷面を下にして集積するためのトレイである。
本体装置110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82の記録紙を、転写ローラ10及び定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るために、略鉛直方向に記録紙搬送路Sが形成されている。給紙カセット81又は手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの記録紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d、レジストローラ13、転写ローラ10、及び定着ユニット7等が配置されている。
ピックアップローラ11aは、給紙カセット81から記録紙を1枚ずつピックアップして記録紙搬送路Sに供給する。ピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82から記録紙を1枚ずつピックアップして記録紙搬送路Sに供給する。搬送ローラ12a〜12dは、記録紙の搬送を促進及び補助するためのローラである。レジストローラ13は、記録紙搬送路Sを搬送される記録紙を一旦保持し、感光体ドラム3上のトナー像の先端と記録紙の先端とが一致するタイミングで記録紙を転写ローラ10に搬送する。
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えている。ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、記録紙を挟んで回転する。ヒートローラ71は、温度検出器(図示せず)からの信号に基づいて、制御部によって所定の定着温度に設定されており、加圧ローラ72とともにトナーを記録紙に熱圧着することにより、記録紙に転写された多色トナー像を記録紙に熱定着させる。
画像読取装置90及び自動原稿送り装置120について説明する。画像読取装置90は、原稿載置台92、第1走査ユニット45、第2走査ユニット46、結像レンズ47、及び、ラインセンサであるCCD48を備えている。
第1走査ユニット45は、光源を備えている。光源は、例えば一列に配列された複数のLEDにより構成される。LEDの配列方向は、主走査方向(図2の紙面に垂直な方向)に平行である。第1走査ユニット45は、副走査方向(図2の左右方向)へと原稿サイズに応じた距離だけ一定速度で移動しながら、原稿載置台92上の原稿を光源からの放射光によって露光し、その反射光を反射ミラーにより反射して第2走査ユニット46へと導く。これにより原稿表面の画像を副走査方向に走査する。第2走査ユニット46は、複数の反射ミラーを備えている。第2走査ユニット46は、原稿からの反射光を複数の反射ミラーにより反射して結像レンズ47へと導く。結像レンズ47は、原稿からの反射光をCCD48に集光して、原稿表面の画像をCCD48上に結像させる。CCD48は、原稿の画像を繰返し主走査方向に走査し、1回走査する度に、1主走査ラインのアナログ画像信号(1ライン分の画素信号)を出力する。
第1走査ユニット45及び第2走査ユニット46には、プーリー(図示せず)が設けられている。プーリーにワイヤー(図示せず)が架け渡され、ワイヤーがステッピングモータにより駆動されることによって、第1走査ユニット45及び第2走査ユニット46が移動する。
画像読取装置90は、原稿載置台92上の静止原稿だけでなく、自動原稿送り装置120により搬送される原稿表面の画像を読取ることができる。その場合には、第1走査ユニット45及び第2走査ユニット46を原稿読取ガラス84下方の読取領域に移動させる(図2の状態)。この状態で、自動原稿送り装置120による原稿の搬送を開始する。
自動原稿送り装置120では、ピックアップローラ55により原稿トレイ56上の原稿を引き込み、搬送ローラにより搬送し、原稿の先端をレジストローラ85に突き当てて原稿の先端を揃える。そして、原稿を原稿読取ガラス84と読取ガイド板との間を通過させ、原稿を排紙ローラ58から排紙トレイ49へと排出する。
原稿が原稿読取ガラス84と読取ガイド板との間を通過する間に、第1走査ユニット45の光源により、原稿読取ガラス84を介して原稿表面が照明され、原稿表面からの反射光は、第1走査ユニット45及び第2走査ユニット46の各反射ミラーにより結像レンズ47へと導かれる。原稿表面からの反射光は、結像レンズ47によりCCD48に集光され、原稿表面の画像がCCD48上に結像される。これにより原稿表面を画像として読取る。
このようにして、CCD48により読取られた原稿は、CCD48からアナログ画像信号として出力され、アナログ画像信号がA/D変換されてデジタル画像信号が生成される。デジタル画像信号は、種々の画像処理を施されてから画像形成装置100の光走査装置(レーザ露光装置)1へと入力され、上記したように、記録紙に画像が形成されて排出される。
図3を参照して、画像形成装置100は、画像形成装置100全体を制御する制御部(以下、CPUという)130と、プログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)132と、揮発性の記憶装置であるRAM(Random Access Memory)134と、通電が遮断された場合にもデータを保持する不揮発性記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)136と、バス140とを備えている。ROM132には、画像形成装置100の動作を制御するのに必要なプログラム及びデータが記憶されている。
CPU130、ROM132、RAM134、HDD136はバス140に接続されている。各部間のデータ(制御情報を含む)交換は、バス140を介して行なわれる。CPU130は、バス140を介してROM132からプログラムをRAM134上に読出して、RAM134の一部を作業領域としてプログラムを実行する。即ち、CPU130は、ROM132に格納されているプログラムにしたがって画像形成装置100を構成する各部の制御を行ない、画像形成装置100の各機能を実現する。
画像形成装置100はさらに、自動原稿送り装置120、画像読取装置90、画像形成部150、画像処理部152、画像メモリ154、給紙部156、及び操作部160を備えている。これらも、バス140に接続されている。
操作部160は、ユーザによる画像形成装置100に対する指示等の入力を受付ける。操作部160は、操作パネル及び操作キー部(何れも図示せず)を備えている。操作パネルは、液晶パネル等で構成された表示パネルと、表示パネルの上に配置され、タッチされた位置を検出するタッチパネルとを含む。画像形成装置100を操作するために、表示パネルにはソフトキーが表示され、操作キー部にはハードキーが配置される。CPU130は、これらのキーに対するユーザの操作を監視する。ユーザはこれらのキーを押下又はタッチして、画像形成装置100に対して、原稿の複写を指示し、原稿読取条件及び画像形成条件を入力することができる。表示パネルに表示されたキーの選択は、表示パネルに重ねられたタッチパネル上の該当部分にタッチすることによって行なわれる。
ユーザによって操作部160が操作され、原稿の複写が指示された場合、画像読取装置90によって、上記したように原稿が読取られて画像データが生成され、生成された画像データは画像メモリ154に一時的に記憶される。画像処理部152は、画像メモリ154に記憶された画像データに対して、種々の画像処理を実行する。画像データは、必要に応じてHDD136に記憶される。
給紙部156は、上記の給紙カセット81,82を含み、画像形成用の記録紙を保持する。画像形成部150は、上記した感光体ドラム3、帯電器5、光走査装置1、現像器2、転写ローラ10、定着ユニット7等を含み、画像メモリ154又はHDD136から読出された画像データを、上記したように給紙部156から搬送される記録紙上に形成する。
画像読取装置90における光源の制御に関して説明する。図4を参照して、画像読取装置90は、センサ部200(CCD48を含む)、センサ駆動部202、点灯制御部204、光源駆動部206、及び光源208を備えている。これらは、同じクロック信号にしたがって動作する。
センサ駆動部202は、CPU130の制御を受けて、主走査方向の走査を繰返しながら副走査方向に走査して原稿の画像データを取得するために、各部を同期させるための基準信号である同期信号SHを生成する。主走査方向に沿った1ラインの画素データを取得するための期間(周期)を「ライン周期」ともいう。センサ駆動部202は、生成した同期信号SHに基づいて、センサ部200を制御するための制御信号を生成してセンサ部200に出力する。センサ部200の出力信号は、上記したようにA/D変換された後、バス140を介してRAM134に記憶される。また、センサ駆動部202は、同期信号SHを点灯制御部204に出力する。
点灯制御部204は、入力される同期信号SHの開始点(例えば、信号の立上り)を検出し、検出された開始点が、奇数番目又は偶数番目のライン同期の何れに対応するかを判定し、判定結果に応じた制御信号S1を生成して、光源駆動部206に出力する。ここでは、点灯制御部204は、マイコン(メモリ等を含む)を含んで構成されているとする。なお、同期信号の順番は、各原稿を読取るときに、最初の1ラインの画素データを取得するために光源208が点灯されるライン周期から数える。
光源駆動部206は、入力される制御信号S1に応じて光源208のスイッチング素子をオン/オフ制御し、光源208の点灯/消灯を制御する。光源駆動部206は、制御信号S1がハイレベルであれば、光源208を点灯させ、制御信号S1がローイレベルであれば、光源208を消灯させる。
以下、図5を参照して、より詳細に説明する。図5に示した光源の点灯を制御するプログラムは、点灯制御部204のマイコンにより実行される。ここでは、原稿の読取時の主走査方向の走査の総数(ライン周期の総数)は偶数であるとする。
画像形成装置100の電源がオンされると、ステップ300において、点灯制御部204は、初期設定を実行する。具体的には、点灯制御部204は、後述するカウンタに関するパラメータC1及びC2をHDD136から読出して、内部メモリに記憶する。
ステップ302において、点灯制御部204は、CPU130からスキャン開始の指示を取得したか否かを判定する。ユーザが画像形成装置100に原稿をセットし、操作部160に表示された、複写の実行を指示するスタートキーを押すと、CPU130は、スキャン開始の指示を、点灯制御部204、センサ駆動部202等の原稿のスキャンに関係する各部に伝送する。CPU130は、スキャンする範囲(原稿の種類(A4又はB5等)、又は、領域の縦横の寸法)、及び解像度(dpi単位)等が指定されていれば、それらの情報も、点灯制御部204に伝送する。
ステップ304において、点灯制御部204は、繰返し処理のカウンタIを“0”にセットする。点灯制御部204は、マイコンに装備されたメモリの所定領域をカウンタIの記憶領域として利用する。
ステップ306において、点灯制御部204は、入力される同期信号SHの立上りを検出したか否かを判定する。入力される同期信号SHは、図6に示すように、一定の周期で、信号レベルがローレベルとハイレベルとの間で変化するパルス信号である。立上りを検出したと判定された場合、制御はステップ308に移行する。そうでなければ、ステップ306が繰返される。
ステップ308において、点灯制御部204は、カウンタIに“1”を加算する。即ち、スキャンの開始時に“0”にセットされたカウンタIは、同期信号の立上りが検出される度に“1”増大する。したがって、カウンタIは、原稿スキャン中の同期信号の番号でもある。
ステップ310において、点灯制御部204は、内部のクロックカウンタCを初期値(例えば“0”)にリセットする。クロックカウンタは、入力される一定周期のクロック信号の数をカウントする(例えば、クロックの立上り毎にクロックカウンタは“1”増大する)。したがって、原稿のスキャンが指示された後、最初に同期信号の立上りが検出された時点で、クロックカウンタの値は初期値にリセットされる。
ステップ312において、点灯制御部204は、カウンタIが奇数であるか否かを判定する。奇数であると判定された場合、制御はステップ314に移行し、そうでなければ(偶数である場合)、制御はステップ318に移行する。
ステップ314において、点灯制御部204は、クロックカウンタCの値が所定の値C1よりも小さいか否かを判定する。C<C1であると判定された場合、ステップ314が繰返される。そうでなければ(C≧C1)、制御はステップ316に移行する。
ステップ316において、点灯制御部204は、光源208を点灯させる。具体的には、点灯制御部204は、光源駆動部206に入力する制御信号S1をローレベルからハイレベルに変化させる。これによって、光源駆動部206は、光源208のスイッチング素子がオンするレベルの信号を出力し、光源208が点灯する。
カウンタIが偶数である場合、ステップ318において、点灯制御部204は、クロックカウンタCの値が所定の値C2よりも小さいか否かを判定する。C<C2であると判定された場合、ステップ318が繰返される。そうでなければ(C≧C2)、制御はステップ320に移行する。
ステップ320において、点灯制御部204は、光源208を消灯させる。具体的には、点灯制御部204は、光源駆動部206に入力する制御信号S1をハイレベルからローレベルに変化させる。これによって、光源駆動部206は、光源208のスイッチング素子がオフするレベルの信号を出力し、光源208が消灯する。
ステップ322において、点灯制御部204は、次のラインを走査するか否か、即ちスキャンの対象領域を全て走査したか否かを判定する。具体的には、点灯制御部204は、カウンタIが最大値Imax(最後の走査に対応するI)であるか否かによって判定することができる。点灯制御部204は、ステップ302でCPU130から取得したスキャン範囲及び解像度の情報から、カウンタIの最大値Imaxを決定することができる。
次のライン走査があると判定された場合、制御はステップ306に戻る。そうでなければ、制御はステップ324に移行する。
ステップ324において、点灯制御部204は、終了の指示を受けたか否かを判定する。終了の指示は、例えば、画像形成装置100の電源がオフされた場合、CPU130から伝送される。終了の指示を受けた場合、本プログラムは終了する。そうでなければ、制御はステップ302に戻る。
以上によって、図6に示す信号S1が生成される。図6において、奇数周期は、カウンタIが奇数である期間であり、偶数周期は、カウンタIが偶数である期間である。奇数周期においては、クロックカウンタCの値がC1になるまでの期間(t1)、制御信号S1はローレベルであり、クロックカウンタCの値がC1になった後、制御信号S1はハイレベルになり、これによって光源208が点灯する(ステップ312→ステップ314→ステップ316)。
偶数周期は、その前の奇数周期において光源208が点灯された状態から開始する。偶数周期においては、クロックカウンタCの値がC2になるまでの期間(t2)、制御信号S1はハイレベルであり、クロックカウンタCの値がC2になった後、制御信号S1はローレベルになり、これによって光源208が消灯する(ステップ312→ステップ318→ステップ320)。
図6に示された光源の消費電力Pにおける、光源のスイッチング素子のオン及びオフに伴うスイッチング損失(電力消費)(図6の破線の楕円部分)の回数は、2周期で2回である。これは、従来(図1参照)の1/2であり、その結果、光源の点灯及び消灯に伴うスイッチング損失を低減することができる。また、光源をオンしている期間は従来と同じであり、スイッチング回数を低減することによって、スイッチングに伴う発熱量を低減することができ、光源の温度上昇を抑制することができる。
ここで、奇数周期及び偶数期間における光源の点灯時間(信号S1がハイの期間)は、等しく設定される(t3=t2)ことが好ましい。なお、ライセンサの制御信号S2のオフ期間Δtが無視できない場合には、t3=t2−Δtとなるように設定することが好ましい。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、原稿スキャンの全期間中、奇数周期において光源を点灯させるタイミングを遅延させるが、これに限定されない。第2の実施の形態に係る画像読取装置は、スキャンの初期は従来と同じタイミングで光源を点灯し、スキャンの途中から、奇数周期において光源を点灯させるタイミングを遅延させる。
第2の実施の形態に係る画像読取装置は、図4と同様に構成され、点灯制御部204が実行するプログラムが異なるだけである。
図7に示す、第2の実施の形態に係る画像読取装置の点灯制御部が実行するプログラムが、図5のプログラムと異なる点は、ステップ500〜ステップ508が追加されている点だけである。
ステップ500において、点灯制御部204は、カウンタIが所定の偶数値I0以上であるか否かを判定する。I≧I0であると判定された場合、制御はステップ312に移行する。そうでなければ(I<I0)、制御はステップ502に移行する。したがって、1≦I<I0の間は、ステップ502が実行され、I0≦I≦Imaxの間は、ステップ312が実行される。ステップ312が実行される場合の処理は、第1の実施の形態と同じである。
ステップ502において、点灯制御部204は、クロックカウンタCが所定の値C0よりも小さいか否かを判定する。C<C0であると判定された場合、ステップ502が繰返される。そうでなければ(C≧C0)、制御はステップ504に移行する。これは、同期信号の立上りが検出された後、センサ部200が駆動されるまでの期間(電荷の蓄積を開始するまでの期間t0)、光源208を消灯しておくための処理である。
ステップ504において、点灯制御部204は、光源208を点灯させる。具体的には、点灯制御部204は、光源駆動部206に入力する制御信号S1をローレベルからハイレベルに変化させる。これによって、光源駆動部206は、制御信号S1がハイレベルの間、光源208を点灯させる。
ステップ506において、点灯制御部204は、クロックカウンタCが所定の値C2よりも小さいか否かを判定する。C<C2であると判定された場合、ステップ506が繰返される。そうでなければ(C≧C2)、制御はステップ508に移行する。
ステップ508において、点灯制御部204は、光源208を消灯させる。具体的には、点灯制御部204は、光源駆動部206に入力する制御信号S1をハイレベルからローレベルに変化させる。これによって、光源駆動部206は、制御信号S1がローレベルの間、光源208を消灯させる。
以上の処理によって、図8に示す信号S1が生成される。図8において、スキャンの開始から所定の期間(1≦I<I0の期間)は、従来と同様に、各ライン周期内において光源208が点灯及び消灯される。I≧I0の期間は、第1の実施の形態と同様の処理が実行される。I=I0+1、即ちカウンタIが奇数になれば、ステップ314及びステップ316が実行され、光源208が点灯する。そして、次の偶数周期において、光源208が消灯する。その後は、奇数周期において光源208が点灯し、偶数周期において光源208が消灯する。
したがって、図8において、1≦I<I0の期間では、光源208のスイッチング素子のオン及びオフの回数は、従来と同じであるが、I0≦I≦Imaxの期間では、光源208のスイッチング素子のオン/オフ回数は、従来の1/2になる。例えば、I0=Imax/2に設定されていれば、スイッチング素子のオン及びオフに伴う電力消費は、従来の3/4に低減することができる。また、スイッチングに伴う発熱量を低減することができ、光源208の温度上昇を抑制することができる。
上記では、原稿のスキャンの初期は従来と同じタイミングで光源を点灯し、スキャンの途中から奇数周期において光源を点灯させるタイミングを遅延させるが、スキャンの初期に、奇数周期において光源を点灯させるタイミングを遅延させ、所定時間が経過した後は従来と同じタイミングで光源を点灯させてもよい。例えば、図9に示すプログラムであってもよい。図9のプログラムが、図7のプログラムと異なる点は、ステップ500がステップ520で置換えられている点だけである。
ステップ520において、点灯制御部204は、カウンタIが所定の偶数値I0以下であるか否かを判定する。I≦I0であると判定された場合、制御はステップ312に移行する。そうでなければ(I>I0)、制御はステップ502に移行する。したがって、1≦I≦I0の間は、ステップ312が実行され、I0<I≦Imaxの間は、ステップ502が実行される。
以上の処理によって、図10に示す信号S1が生成される。図10において、スキャンの開始から所定の期間(1≦I≦I0の期間)は、第1の実施の形態と同様に、奇数周期において光源が点灯され、偶数周期において光源が消灯される。I>I0の期間は、各ライン周期において光源が点灯及び消灯される。
したがって、図10において、1≦I≦I0の期間では、光源のスイッチング素子のオン及びオフの回数は、従来の1/2になり、I0<I≦Imaxの期間では、光源のスイッチング素子のオン及びオフの回数は、従来と同じである。例えば、I0=Imax/2に設定されていれば、スイッチング素子のオン及びオフに伴う電力消費は、従来の3/4に低減することができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、原稿のスキャン中の任意の期間、光源を点灯させるタイミングを遅延させる。第3の実施の形態に係る画像読取装置は、図4と同様に構成され、点灯制御部204が実行するプログラムが異なるだけである。
図11に示す、第3の実施の形態に係る画像読取装置の点灯制御部が実行するプログラムが、図7のプログラムと異なる点は、ステップ500がステップ530で置換えられている点だけである。
ここでは、光源を点灯させるタイミングを遅延させるライン周期は予め指定され、HDD136に記憶されており、ステップ302でスキャン開始が指示された場合、CPU130がHDD136から読出して、点灯制御部204に伝送する。光源を点灯させるタイミングを遅延させるライン周期は、周期番号(カウンタ)Iによって直接指定されてもよい。また、例えば、I=4n+1(nは0以上の整数)のように周期番号Iを算出する条件を指定されてもよい。光源を点灯させるタイミングを遅延させるライン周期は、スキャンする範囲及び解像度等に応じて、指定されもよい。
ステップ530において、点灯制御部204は、CPU130から、光源208の点灯を遅延させる周期であるか否かを判定する。具体的には、点灯制御部204は、カウンタIが、ステップ302で取得した周期番号に該当するか否かを判定する。光源208の点灯を遅延させる周期であると判定された場合、制御はステップ312に移行する。そうでなければ、制御はステップ502に移行する。
これによって、図12に示す信号S1が生成される。図12において、指示された期間だけ、第1の実施の形態と同様に、奇数周期において光源が点灯され、偶数周期において光源が消灯される。指示されなかった期間では、各ライン周期において光源が点灯及び消灯される。したがって、指示された期間では、光源のスイッチング素子のオン及びオフの回数は、従来の1/2になり、原稿読取時におけるスイッチング素子のオン及びオフによる電力消費を低減することができる。
上記した第1〜第3の実施の形態では、クロック数を計数することによって時間経過を検出する場合を説明したが、これに限定されない。タイマ等により、経過時間を計測してもよい。
第2の実施の形態では、一旦、奇数周期において光源の点灯を遅延させる処理を実行するようになった後、同じ処理が繰返される場合を説明したが、これに限定されない。奇数周期において光源の点灯を遅延させる処理を実行するようになってから、所定の期間が経過した後、再度、従来と同様に光源を遅延させずに点灯させてもよい。
また、第1〜第3の実施の形態では、光源の点灯を遅延させるタイミングが予め設定されていたが、これに限定されない。光源を点灯するタイミングは、例えばCPU130によって設定されてもよい。例えば、図5等のステップ302において、点灯制御部204は、CPU130から、スキャン開始の指示、スキャンする範囲、及び解像度の情報に加えて、光源を点灯及び消灯するタイミングのパラメータC1及びC2を取得する。
また、原稿のスキャンを実行中に、CPU130から、光源の点灯を遅延させるか否かを、点灯制御部204に指示してもよい。例えば、図11のステップ530において、点灯を遅延させるか否かを、CPU130から、光源の点灯を遅延させる指示を受けたか否かによって判定してもよい。
また、原稿のスキャンを実行中に、CPU130によって、光源の点灯を遅延させるか否かを指定する処理は、図13に示すような処理であってもよい。図13が、図11と異なる点は、ステップ312、ステップ318及びステップ320が削除され、ステップ532〜ステップ540が追加されている点だけである。
ステップ530において、点灯制御部204は、CPU130から光源208の点灯を遅延させる指示を受けていないと判定した場合、従来と同様の処理であるステップ502〜ステップ508が実行される。ステップ530において、点灯制御部204は、CPU130から、光源208の点灯を遅延させる指示を受けたと判定した場合、ステップ314及びステップ316を実行する。
ステップ532において、点灯制御部204は、最後のライン走査(最後の1周期)であるか否かを判定する。最後のライン走査であると判定された場合、ステップ502〜ステップ508が実行される。
そうでなければ、即ち、実行されるべき複数のライン走査が残っている場合、ステップ314及びステップ316が実行される。その後、ステップ534において、点灯制御部204は、入力される同期信号SHの立上りを検出したか否かを判定する。立上りを検出したと判定された場合、制御はステップ536に移行する。そうでなければ、ステップ534が繰返される。
ステップ536において、点灯制御部204は、カウンタIに“1”を加算する。
ステップ538において、点灯制御部204は、クロックカウンタCの値が所定の値C2よりも小さいか否かを判定する。C<C2であると判定された場合、ステップ536が繰返される。そうでなければ(C≧C2)、制御はステップ540に移行する。
ステップ540において、点灯制御部204は、光源208を消灯させる。その後、ステップ322の判定によって、次のライン走査がないと判定されるまで、ステップ306以降の処理が繰返される。
これによって、CPU130から、光源の点灯を遅延させる指示があれば、連続する2周期のうち、前の1周期において光源208が点灯され、後の1周期において光源208が消灯される。したがって、CPU130は、必ずしも奇数周期のタイミングで、光源の点灯を遅延させる指示を出力する必要はなく、任意のタイミングで、光源の点灯を遅延させる指示を出力することができる。
なお、上記した図5、図7、図9及び図11のプログラムにおいては、走査の総数(ライン周期の総数)が偶数であるとしたが、走査の総数が奇数であってもよい。その場合には、図13に示したステップ532の判定処理、及び、ステップ532において最後の走査であると判定された場合に、従来の光源制御を行なうステップ502〜ステップ508が含まれるように、プログラムを変更すればよい。
以上、実施の形態を説明することにより本発明を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々変更して実施することができる。