JP2015041250A - 静電容量型タッチパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】新たな工程を追加することなく、光学干渉縞の発生を防止することができる静電容量型タッチパネルを提供する。
【解決手段】本発明が適用された静電容量型タッチパネル1は、透明粘着材12を介して表示装置11と装着される。この静電容量タッチパネル1は、トッププレート2と、トッププレート2の一方の面の外縁部に形成された加飾印刷層3と、トッププレート2の一方の面及び加飾印刷層3にわたって覆うように形成された段差平坦化層4と、段差平坦化層4の表面及び段差平坦化層4の表面に形成された透明電極層5にわたって覆うように形成された透明保護層7を備える。そして、透明保護層7に対向するように表示装置11が装着され、表示装置11に対向する透明保護層7の表面は、粗面化されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明が適用された静電容量型タッチパネル1は、透明粘着材12を介して表示装置11と装着される。この静電容量タッチパネル1は、トッププレート2と、トッププレート2の一方の面の外縁部に形成された加飾印刷層3と、トッププレート2の一方の面及び加飾印刷層3にわたって覆うように形成された段差平坦化層4と、段差平坦化層4の表面及び段差平坦化層4の表面に形成された透明電極層5にわたって覆うように形成された透明保護層7を備える。そして、透明保護層7に対向するように表示装置11が装着され、表示装置11に対向する透明保護層7の表面は、粗面化されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、静電容量型タッチパネルに関し、特に、透明樹脂基材を用いたトッププレートを有する静電容量型タッチパネルに関する。
タッチパネルで容易に操作できるスマートフォンや、タブレットPCが広く普及するようになり、タッチパネルの薄型化、軽量化、及び低コスト化が喫緊の課題となっている。
タッチパネルの検出方式には、さまざまな方式があり、たとえば、2枚の抵抗膜を重ねて指示位置を特定する抵抗膜方式や、パネル表面に超音波や表面弾性波発生させ、指示位置検出を行う表面弾性波方式等が挙げられる。上述したスマートフォンやタブレットPCに用いられるタッチパネルでは、パネル上を指でタップしたり、ドラッグしたり、あるいは画像を拡大するのに画面上で2本の指を広げるようなピンチアウト動作をしたり、2本の指をせばめるように動かすピンチイン操作といった複雑で自由度のある操作に対応する必要がある。そのため、現状では、透明電極を用いてxyマトリクスを形成し、複数の指示位置の検出を同時に行える投影型静電容量式のタッチパネルが主流となっている。
ところで、タッチパネルの薄型化、軽量化及び低コスト化をはかるために、さまざまな検討がなされており、透明電極が形成された静電容量シートを保護するために表面を覆うように配置されるトッププレートをガラス製から樹脂性素材のものに変更することが試みられている。また、透明電極をフィルムの両面に形成するなどして静電容量シートの数を2枚から1枚に削減し、薄型化と低コスト化の両立をはかる試みが精力的に行われている。
タッチパネルは、液晶ディスプレイ(LCD)パネルや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(OELD)パネル等の表示装置の視認側表面に透明光学粘着材を用いて装着される。透明光学粘着材は、LCDパネル等の表示装置の外縁部に貼着され、表示装置にタッチパネルを対向させて、透明光学粘着材に圧着するようにして表示装置に装着する。このため、外縁部から中央部に向かって、表示装置とタッチパネルとの対向する間に空隙が生ずることになる。
表示装置とタッチパネルとを圧着する装着工程や、タッチパネル付き表示装置が搭載された装置の使用時において、表示装置とタッチパネルとの間に生じる空隙のためにタッチパネルのトッププレートがたわむことによって、光学干渉縞(ニュートンリング)が発生しユーザの視認性に影響を与える。特に、トッププレートとして樹脂製のものを用いる場合には、樹脂製トッププレートは、可撓性に富んでいるので、ニュートンリングがより発生しやすくなるとの問題がある。さらに、タッチパネルの薄型化を進めることによって、よりたわみが発生しやすくなるので、ニュートンリング発生が顕在化する傾向にある。
特許文献1には、ニュートンリングの発生原因となる表示装置とタッチパネルとの空隙に、タッチパネルがたわまないようにタッチパネルと表示装置とを支持する複数のスペーサを形成する技術が記載されている。しかしながら、このようなスペーサを別途形成することは、フォトリソグラフィや印刷技術を行う工程を追加する必要があり、結果としてタッチパネルの製造工程が煩雑となり、コストアップ要因になるとの問題がある。
そこで、本発明では、新たな工程を追加することなく、光学干渉縞の発生を防止することができる静電容量型タッチパネルを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための手段として、粘着材を介して表示装置と装着される、本発明の一実施の形態に係る静電容量型タッチパネルは、透明樹脂基材と、透明樹脂基材の一方の面の外縁部に形成された加飾印刷層と、透明樹脂基材の一方の面及び加飾印刷層にわたって覆うように形成された段差平坦化層と、段差平坦化層上に形成された透明電極層を覆うように形成され、透明電極を保護する透明保護層を備える。そして、透明保護層に対向するように表示装置が装着され、表示装置に対向する透明保護層の表面は、粗面化されている。
好ましくは、透明保護層は、樹脂フィラを含有することにより粗面化され、又は、表面に凹凸形状を有する粗面形成部材の表面形状を転写することによって粗面化される。
本発明では、表示装置に対向する透明保護層の表面が粗面化されているので、表示装置と静電容量型タッチパネルとの間に形成される空隙を支持し、樹脂フィラが不規則性をもって透明保護層中に分散するので、タッチパネルの透過光を散乱させて、光学干渉縞の発生を低減する。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることはもちろんである。なお、図面における各部の寸法は、概略を示すものであって、特に断面図の場合には、構造を明りょうに示すために厚さ方向に強調した寸法とし、透明保護層の樹脂フィラや転写された凹凸形状については、タッチパネルの他の構造物に比べて微細寸法であるため、より一層強調した寸法にして示している。
[静電容量型タッチパネルの構成例]
図1(A)及び図1(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る静電容量型タッチパネル1は、表示装置が表示する内容を表示し、指等の接触位置を特定するための透明電極を外部環境から保護する、透明樹脂で形成されたトッププレート2と、トッププレートの視認面とは反対側の面の外縁部に形成された加飾印刷層3と、トッププレート2の加飾印刷層3が形成された面及び加飾印刷層3にわたって覆うように形成される段差平坦化層4と、段差平坦化層4の視認面とは反対側の表面に形成された透明電極層5と、透明電極層5において、透明電極同士を絶縁し、他の透明電極層同士を接続する絶縁層を有するジャンパ配線層6と、透明電極及びジャンパ配線の酸化防止のために段差平坦化層4、透明電極層5及び絶縁層を有するジャンパ配線層6にわたって覆うように形成される透明保護層7とを備える。また、静電容量型タッチパネル1では、透明電極層5に形成された透明電極から引き出された配線(図示せず)は、フレキシブルプリント基板(FPC)8を介して外部回路に接続される。
図1(A)及び図1(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る静電容量型タッチパネル1は、表示装置が表示する内容を表示し、指等の接触位置を特定するための透明電極を外部環境から保護する、透明樹脂で形成されたトッププレート2と、トッププレートの視認面とは反対側の面の外縁部に形成された加飾印刷層3と、トッププレート2の加飾印刷層3が形成された面及び加飾印刷層3にわたって覆うように形成される段差平坦化層4と、段差平坦化層4の視認面とは反対側の表面に形成された透明電極層5と、透明電極層5において、透明電極同士を絶縁し、他の透明電極層同士を接続する絶縁層を有するジャンパ配線層6と、透明電極及びジャンパ配線の酸化防止のために段差平坦化層4、透明電極層5及び絶縁層を有するジャンパ配線層6にわたって覆うように形成される透明保護層7とを備える。また、静電容量型タッチパネル1では、透明電極層5に形成された透明電極から引き出された配線(図示せず)は、フレキシブルプリント基板(FPC)8を介して外部回路に接続される。
トッププレート2は、耐熱性の高い樹脂材料であるポリカーボネート樹脂(polycarbonate、以下、PC樹脂という。)によって形成されることが好ましい。PC樹脂は硬度が低いため、PC樹脂に、より硬度の高い硬質樹脂材料であるポリメタクリル酸メチル樹脂(Poly(methyl methacrylate)、以下、PMMA樹脂という。)が積層形成された2層樹脂基材を用いてもよい。さらにPMMA樹脂層の表面に保護層としてトップコーティング層を形成するようにしてもよい。
加飾印刷層3は、スマートフォンやタブレット端末等を構成する液晶画面の外縁部に形成され、タッチパネルを機能させる上で必要な電極や配線等が形成される領域を額縁領域として外部から視認できないように覆う目的で形成される層である。加飾印刷層3は、シルクスクリーン印刷によって、有色インクを多層に重ね塗りして形成される。額縁領域に形成されている電極や配線等が透過しないように所定の厚さを塗布するためには、1回の塗布で厚塗りするのはムラになりやすいため、1回当たりの塗布層を薄くして複数回に分けて多層の印刷層を形成する必要がある。たとえば、光が透過しにくい濃色のインクの場合には、2回の塗布により印刷層を形成し、光が透過しやすい淡色(白色等)のインクの場合には、4回程度の重ね塗りを行う必要がある。1回当たりの塗布厚が8μm程度となる場合には、淡色インクの層は、32μm程度の厚さを有する。
段差平坦化層4は、トッププレート2の裏面及び加飾印刷層3にわたって全面を覆うように形成される。段差平坦化層4に用いる材料には特に制限はなく、紫外線硬化型インクや熱硬化型インクに用いられる透明のアクリル系樹脂塗料あるいはウレタン系樹脂塗料等を用いることができる。より具体的には、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、ポリカーボネートウレタン(メタ)アクリレート等を材質とする塗料を用いることができる。段差平坦化層4に用いる材料は、タッチパネルの光学特性に影響を及ぼさないように、拡散透過光の全光線透過光に対する割合であるヘイズが1%を超えないものがより好ましい。粘度が低い透明のアクリル系又はウレタン系樹脂塗料等を塗布するように用いることによって、加飾印刷層3とトッププレート2の間に生ずる段差をほぼ平坦化して、透明電極層5を形成した場合に、この段差による配線切れを防止する。上述したように、淡色インクで加飾印刷を行う場合には、加飾印刷層3は、32μm程度の厚さとなるので、たとえば35μm程度の厚さとなるように、トッププレート2の裏面及び加飾印刷層3にわたってアクリル系塗料を塗布して段差平坦化層4を形成する。段差平坦化層4を形成するアクリル系塗料を塗布するには、シルクスクリーン印刷のほか、ダイコータを用いて直接塗布してもよい。段差平坦化層4の形成には、周知の塗布技術を用いることができるので、特殊な設備導入の必要がなく、加飾印刷層3の印刷工程に用いる設備と同じものを用いることができ、製造コストの低減を可能にする。
段差平坦化層4上には、透明電極層5が形成される。透明電極層5は、周知の材料を用いて形成され、Ag又はCuナノワイヤ等を含む材料が好適に用いられる。透明電極層5は、直交するxy軸方向にそれぞれ伸びる複数の透明電極から構成され、x軸方向に延びるX透明電極とx軸に直交するy軸方向に延びるY透明電極との交差位置に絶縁物を介して形成され、交差位置に静電容量が形成される。段差平坦化層4の表面上に透明電極層5を直接形成することによって、透明電極層5を形成した透明フィルムを貼着する工程を削減し、また、透明フィルムの厚さ分だけ薄型化が可能になる。また、X透明電極及びY透明電極を段差平坦化層4上の同一面内に形成することができるので、X透明電極とY透明電極とを別のフィルム上に形成する場合に比べても製造工程を削減することが可能となり、より一層の薄型化を実現することができる。
透明電極層5表面及び透明電極層5が形成された段差平坦化層4の表面にわたってこれらを覆うように、透明保護層7が形成される。透明保護層7は、透明電極を構成するAg又はCu等の金属ナノワイヤを含む材料の酸化防止のために形成される。また、透明保護層7は、透明電極の酸化防止の目的以外にも、タッチパネルの製造工程内において適用される薬液等にさらされることによる透明電極の腐食や、搬送時の傷つきを防止する目的でも形成される。
透明保護層7に用いることができる材料は、透明電極を腐食させる成分を含まないこと以外には特に制限されるものではない。一般的な紫外線硬化型インクや熱硬化型インクに用いられる透明のアクリル系樹脂塗料あるいはウレタン系樹脂塗料等を用いることができる。より具体的には、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、ポリカーボネートウレタン(メタ)アクリレート等を材料とする塗料を好適に用いることができる。
ここで、図2(A)に強調して示すように、透明保護層7の表面は、樹脂フィラ10によって粗面化されている。透明保護層7を形成する透明塗料等の材料中に、所定の粒径の樹脂フィラ10を所定の混合比で配合することによって、透明保護層7を硬化させた後に透明保護層7の表面を粗面化することができる。配合される樹脂フィラ10は、さまざまな粒径を有しており、また、図に示したような単一粒子として存在するばかりでなく、複数の粒子が集合してクラスタを形成する場合もある。これらの樹脂フィラ10が透明保護層7中に分散して存在するので、樹脂フィラ10によって、タッチパネルがたわもうとする場合であっても、LCDパネルとタッチパネルとの間に生ずる空隙を支持してタッチパネルのたわみを軽減して光学干渉縞の発生を低減する。また、樹脂フィラが透明保護層7中に不規則に分散しているので、タッチパネルの透過光は、ある程度散乱されて、ニュートンリングの発生が抑制される。
樹脂フィラ10を配合した透明材料を塗布して透明保護層7を形成するには、シルクスクリーン印刷のほか、ダイコータを用いて直接塗布するようにしてもよい。透明保護層7を形成するには、加飾印刷層3や段差平坦化層4の場合と同様に、周知の塗布技術を用いることができるので、特殊な設備導入の必要がなく、製造コストの低減を可能にする。
また、透明保護層7の形成工程は、通常の静電容量型タッチパネルの製造工程において必要な工程であり、新たな粗面化層を形成する工程を追加する必要がない。したがって、従来工程の透明保護層形成工程に用いる透明材料に樹脂フィラを配合したものを採用するだけで、表示パネルとタッチパネルとの間に生ずる空隙を支持し、透過光を散乱させて光学干渉縞を低減することができる。
表示装置とタッチパネルとの間にできる空隙による光学干渉縞を低減させるための構成は、上述の樹脂フィラを混合した透明保護層7を用いる場合に限らない。本発明が適用された実施の形態の変形例として、透明電極層5上に形成された透明保護層の表面を直接粗面化することによっても、適切な粗面を形成することによって、空隙を支持し、透過光の散乱によって光学干渉縞を低減させることができる。
具体的には、図2(B)に強調して示すように、透明電極層5上に塗布された透明材料の表面に凹凸形状を有するフィルム、たとえば光拡散フィルム等を貼着し、透明材料を硬化させた後に光拡散フィルムを引きはがすことによって光拡散フィルムの凹凸形状を透明材料に転写して、表面が粗面化された透明保護層27を形成することができる。このように、透明保護層27を直接粗面化することによっても、空隙15の支持及び透過光散乱を実現して、光学干渉縞を低減させることが可能である。
上述したいずれの実施の形態においても、既存の透明保護層7,27をそのまま用いて粗面化することができるので、特別な工程の追加をすることなく、空隙15を支持し、透過光を散乱させて光学干渉縞を抑制することができる。
[表示装置との装着例]
本発明が適用された静電容量型タッチパネル1は、図3(A)に示すように、表示装置11の外縁に形成された透明粘着材12を介して表示装置11と装着される。静電容量型タッチパネル1の構成は、上述した構成と同様に、トッププレート2と、加飾印刷層3と、段差平坦化層4と、透明電極層5と、絶縁層を有するジャンパ配線層6と、透明保護層7と、FPC8とを備える。表示装置11は、LCDパネル等の表示パネル本体14と、表示パネル本体14の両面に配設された偏光板13a,13bとを備える。なお、表示装置11として、LCDパネルに限らず、OLEDパネル等その他の表示パネルであってもよいのはいうまでもない。
本発明が適用された静電容量型タッチパネル1は、図3(A)に示すように、表示装置11の外縁に形成された透明粘着材12を介して表示装置11と装着される。静電容量型タッチパネル1の構成は、上述した構成と同様に、トッププレート2と、加飾印刷層3と、段差平坦化層4と、透明電極層5と、絶縁層を有するジャンパ配線層6と、透明保護層7と、FPC8とを備える。表示装置11は、LCDパネル等の表示パネル本体14と、表示パネル本体14の両面に配設された偏光板13a,13bとを備える。なお、表示装置11として、LCDパネルに限らず、OLEDパネル等その他の表示パネルであってもよいのはいうまでもない。
図3(B)に示すように、外縁部に透明粘着材12が塗布された表示装置11に、静電容量型タッチパネル1の外縁部を透明粘着材12に押し付けて、タッチパネル付き表示装置20が構成される。透明粘着材12の厚さに起因して、静電容量型タッチパネル1と表示装置11との間には、空隙15が形成される。空隙15は、一般的には、透明粘着材12の厚さに依存し、20μm〜40μm程度である。適切な平均粒径及び混合量の樹脂フィラ10を含有することによって粗面化された透明保護層7、又は凹凸形状の転写によって粗面化された透明保護層27によって、この空隙15を実質的に小さくすることができる。空隙15を小さくすることによって、タッチパネルのたわみが小さくなり、光学干渉縞の発生が抑制される。また、上述したように、不規則な樹脂フィラ10の分布や凹凸面形状により、透過光が散乱され、光学干渉縞の発生が低減される。
[評価内容]
実験では、複数の平均粒径を有する樹脂フィラ10を透明樹脂塗料に対する混合量を変えて混合して塗布、形成したものを透明保護層7とし、干渉縞発生の有無とともに、透明保護層7の表面粗さ、ヘーズ及びクロスカット密着性を評価した。
実験では、複数の平均粒径を有する樹脂フィラ10を透明樹脂塗料に対する混合量を変えて混合して塗布、形成したものを透明保護層7とし、干渉縞発生の有無とともに、透明保護層7の表面粗さ、ヘーズ及びクロスカット密着性を評価した。
表面粗さの評価には、形成された透明保護層7の表面粗さ曲線における凹凸起伏の1周期の長さを要素平均長さRSmとし、算術平均高さRa及び最大高さRzを合わせて評価した。要素平均長さRSmの詳細な定義は、「JIS B0601−2001」による。
また、樹脂フィラ10の配合量によってタッチパネル自体の透明度が変化することが考えられるので、ヘーズメータを用いて作成サンプルのヘーズを評価した。
さらに、樹脂フィラ10を混合することにより、透明樹脂塗料比率が低減し、透明保護膜7自体の密着性に影響することが考えられるので、「JIS K5600」に類似する方法を用いてクロスカット密着性を評価した。具体的には、透明保護層7の任意の箇所の10mm×10mmの領域を1mm間隔で切れ目を入れて100分割し、市販の粘着テープを分割した透明保護層7の表面に貼着した後、粘着テープの一端を90°上方に引きはがす。透明保護層7の一部が付着しているか否かを顕微鏡で観察した。
[実施例及び比較例]
評価に用いた静電容量型タッチパネル1のトッププレート2には、2種類の形成樹脂を用いて2層構造とした2種2層基材を用いた。この2種2層基材は、PC樹脂を基材とし、PC樹脂層の表面にPMMA樹脂層を有するものである(MRS58W、297mm×210mm×0.8mm、三菱ガス化学製)。各層の厚さは、PC樹脂層が約0.75mm、PMMA樹脂層が約0.05mmである。
評価に用いた静電容量型タッチパネル1のトッププレート2には、2種類の形成樹脂を用いて2層構造とした2種2層基材を用いた。この2種2層基材は、PC樹脂を基材とし、PC樹脂層の表面にPMMA樹脂層を有するものである(MRS58W、297mm×210mm×0.8mm、三菱ガス化学製)。各層の厚さは、PC樹脂層が約0.75mm、PMMA樹脂層が約0.05mmである。
加飾印刷層3には、黒色インク(MRX−HF919、帝国インキ製造製)を用いてシルクスクリーン印刷(メッシュ#200)を行い、80℃、1時間乾燥、硬化させた(厚さ8μm)。
上記PC樹脂層の裏面側(PMMA樹脂層が形成されていない側)の面をコロナ処理後、段差平坦化層4としてアクリル系樹脂塗料(RL−9262、サンユレック製)をシルクスクリーン印刷(メッシュ#300)を用いて塗布した。このアクリル系樹脂塗料は、紫外線硬化型の透明樹脂塗料であり、塗布工程後、高圧水銀ランプを用いて紫外線硬化させた。
段差平坦化層4上に、Agナノワイヤを含む塗料をバーコータで塗布した後、その上にフォトレジストを塗布し、マスク露光工程、現像工程、エッチング工程を経て透明電極を形成した。
透明保護層7には、実施例と比較例のために3種類に水準を振ったサンプルを作成した。透明保護層7の形成に用いる透明樹脂塗料は、熱硬化性の透明インク材料を用いた(FR−1T−NSD9、アサヒ化学研究所製)。そして、3種類の平均粒径を有する透明樹脂フィラ(ケミスノーMR−20G(平均粒径20μm)、ケミスノーMR−10G(平均粒径9μm)、ケミスノーMR−3GSN(平均粒径3μm)、いずれも綜研化学製)を上記の透明インクに混合した。混合割合は、以下のとおりである。
実施例1として、透明樹脂塗料100重量部に対して、平均粒径20μmの樹脂フィラを10重量部混合した。
実施例2として、透明樹脂材料100重量部に対して、平均粒径9μmの樹脂フィラを1重量部混合した。
比較例として、透明樹脂材料100重量部に対して、平均粒径3μmの樹脂フィラを0.2重量部混合した。
上述の樹脂フィラを混合した透明樹脂塗料を、それぞれスクリーン印刷(メッシュ#200)で印刷し、110℃で30分乾燥させて、3水準のタッチパネルサンプルを作成した。
上述3水準のサンプルを用いて表面粗さ、ヘーズ、及びクロスカット密着性の評価を行った。
なお、参考例2として、13インチのLCDパネルを構成する偏光板13aの表面粗さを測定した。
また、上述で作成した3水準の透明樹脂塗料が塗布された静電容量型タッチパネル1に13インチのLCDパネルを、構成する偏光板13aが透明保護層7と対向するように配置、図3に示したように幅3mmの光学粘着材(CC85A5、厚み50μm、デクセリアルズ製)を用いて外周のみが接着するように装着した。そして、タッチパネル表面を上にして静置し、タッチパネルの表面を目視によって光学干渉縞の発生有無を確認した。
[結果]
表1に測定結果を示す。
表1に測定結果を示す。
実施例1では、樹脂フィラ10の平均粒径が大きく、かつ含有量が多いため、算術平均高さRa及び最大高さRzが大きく、かつ、凹凸の1周期の平均長さが400μm程度と小さな値となっている。このため、静電容量型タッチパネル1と表示装置11との空隙15を効果的に支持しているために、光学干渉縞を効果的に抑制することができた。一方で、平均粒径の大きさと含有量に起因して、ヘーズが増加し、視覚による主観評価では全体に白みがかって見えた。また、密着性の低下(記号△で表示)も見られた。
実施例2でも、光学干渉縞を効果的に抑制することができた。また、実施例2では凹凸の1周期の平均長さが実施例1のほぼ2倍であり、平均粒径が小さい分だけ、ヘーズも向上し、塗膜の密着性(記号○で表示)も問題がなかった。
比較例では、平均粒径が小さく、含有量も少ないため、凹凸の1周期の平均長さも長くなり、結果として光学干渉縞が発生した。なお、ヘーズ及び密着性(記号○で表示)は問題なかった。
参考例の測定結果からもわかるように、偏光板自体の凹凸は十分に小さく、上述の実施例及び比較例の凹凸に影響を与えるものではなかった。
1,1a 静電容量型タッチパネル、2 トッププレート、3 加飾印刷層、4 段差平坦化層,5 透明電極層,6 絶縁層を有するジャンパ層、7,27 透明保護層,8 フレキシブルプリント基板、10 樹脂フィラ、11 表示装置、12 透明粘着材、13a,13b 偏光板、14 表示パネル本体、15 空隙
Claims (5)
- 粘着材を介して表示装置と装着される静電容量型タッチパネルにおいて、
透明樹脂基材と、
上記透明樹脂基材の一方の面の外縁部に形成された加飾印刷層と、
上記透明樹脂基材の一方の面及び上記加飾印刷層にわたって覆うように形成された段差平坦化層と、
上記段差平坦化層上に形成された透明電極層を覆うように形成され、該透明電極層を保護する透明保護層を備え、
上記透明保護層に対向するように上記表示装置が装着され、該表示装置に対向する透明保護層の表面は、粗面化されていることを特徴とする静電容量型タッチパネル。 - 上記透明保護層は、樹脂フィラを含有していることによって粗面化されることを特徴とする請求項1記載の静電容量型タッチパネル。
- 上記透明保護層は、樹脂フィラが含有されている透明樹脂塗料であることを特徴とする請求項2記載の静電容量型タッチパネル。
- 上記透明保護層は、表面に凹凸形状を有する粗面形成部材の表面形状を転写することによって粗面化されることを特徴とする請求項1記載の静電容量型タッチパネル。
- 上記透明保護層は、紫外線硬化型透明樹脂塗料であり、上記粗面形成部材の表面形状を転写後に紫外線を照射して硬化させることを特徴とする請求項4記載の静電容量型タッチパネル。
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Cited By (1)
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JP6143909B1 (ja) * | 2016-03-29 | 2017-06-07 | 株式会社フジクラ | 配線体、配線基板、タッチセンサ、及び配線体の製造方法 |
-
2013
- 2013-08-22 JP JP2013171954A patent/JP2015041250A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6143909B1 (ja) * | 2016-03-29 | 2017-06-07 | 株式会社フジクラ | 配線体、配線基板、タッチセンサ、及び配線体の製造方法 |
JP2017182288A (ja) * | 2016-03-29 | 2017-10-05 | 株式会社フジクラ | 配線体、配線基板、タッチセンサ、及び配線体の製造方法 |
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