JP2015040888A - 像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過昇温保護素子の発熱部材に対する傾きの許容範囲を拡大でき、生産性の向上を図れるようにする。【解決手段】基板2aと、前記基板の長手方向に沿って形成された発熱抵抗体2bと、を有する発熱部材2と、前記発熱抵抗体への通電を遮断して前記発熱部材の過昇温を抑止する過昇温保護素子6と、を有し、記録材Pが担持する画像Tを前記発熱部材の熱により加熱する像加熱装置において、前記発熱部材と前記過昇温保護素子との間に前記基板よりも熱伝導率の高い材料で形成された熱伝導部材10を有し、前記熱伝導部材は、前記基板の長手方向において、前記発熱部材と接触する接触面部10aと、少なくとも一つの曲げ形状部10b,10cと、を有し、前記少なくとも一つの曲げ形状部と前記過昇温保護素子との間に少なくとも1点の接触点CP1,CP2を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真複写機や電子写真プリンタ等の画像形成装置に搭載される定着装置(定着器)として用いれば好適な像加熱装置に関する。
電子写真式の複写機やプリンタに搭載される定着装置(定着器)として、フィルム加熱方式のものが知られている。このフィルム加熱方式の定着装置は、セラミックス製の基板上に通電発熱抵抗体を有するヒータと、ヒータと接触しつつ回転する筒状のフィルムと、ヒータと共にフィルムを挟んでニップ部を形成する加圧ローラなどを有する。未定着トナー画像を担持する記録材はニップ部で挟持搬送され、これにより記録材上のトナー画像は記録材に加熱定着される。
上記定着器では、ヒータへの通電制御不能時におけるヒータの異常発熱対策として、例えば温度ヒューズやサーモスイッチ等の過昇温保護素子をヒータに直列に接続している(特許文献1)。過昇温保護素子は、ヒータの異常発熱状態に応じて動作し、ヒータが所定の異常温度に達した時点でヒータへの通電を機械的に遮断する。これによりヒータは過昇温が抑制され、基板に加わる熱応力によるヒータの破損が抑止される。
特開2003−5572号公報
ヒータの異常発熱に対して温度ヒューズが適切に感熱・通電を遮断するためには、ヒータに対して温度ヒューズの適切な接触を必要とする。温度ヒューズを取り付ける際に、温度ヒューズの長手方向の傾きが大きいと、温度ヒューズの長手方向片側のみがヒータと接触した片当り状態となる。この片当り状態では、ヒータの正常動作時における温度ヒューズの不要な溶断、又はヒータの異常発熱時における温度ヒューズの溶断遅れが発生してしまう。
上記温度ヒューズの片当りによる不要な溶断、又は溶断遅れが発生しないようにするため、温度ヒューズを加圧バネでヒータに対し加圧して、温度ヒューズのヒータに対する傾きを解消するようにしている。
しかしながら、加圧バネの加圧力は温度ヒューズにメカ的ストレスを与えない程度の加圧力に制限されているため、次の様な課題があった。定着器の組立工程においては、温度ヒューズと、加圧バネを備えた温度ヒューズ用支持部材を、ヒータ用支持部材に取り付けてこれらの部材をユニットとして構成した後に、温度ヒューズの傾きを厳格に管理している。かかる組立工程において、その温度ヒューズの傾きが加圧バネによる補正が可能な範囲を超えている場合、そのユニットは使用できない物となる。そのため、温度ヒューズ用支持部材と、ヒータ用支持部材とを固着するような構成の場合、そのユニットは廃棄処分となり、生産性が低下してしまう。
本発明の目的は、過昇温保護素子の発熱部材に対する傾きの許容範囲を拡大でき、生産性の向上を図れるようにした像加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る像加熱装置の構成は、基板と、前記基板の長手方向に沿って形成された発熱抵抗体と、を有する発熱部材と、前記発熱抵抗体への通電を遮断して前記発熱部材の過昇温を抑止する過昇温保護素子と、を有し、記録材が担持する画像を前記発熱部材の熱により加熱する像加熱装置において、前記発熱部材と前記過昇温保護素子との間に前記基板よりも熱伝導率の高い材料で形成された熱伝導部材を有し、前記熱伝導部材は、前記基板の長手方向において、前記発熱部材と接触する接触面部と、少なくとも一つの曲げ形状部と、を有し、前記少なくとも一つの曲げ形状部と前記過昇温保護素子との間に少なくとも1点の接触点を有することを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明に係る像加熱装置の他の構成は、基板と、前記基板の長手方向に沿って形成された発熱抵抗体と、を有する発熱部材と、前記発熱抵抗体への通電を遮断して前記発熱部材の過昇温を抑止する過昇温保護素子と、を有し、記録材が担持する画像を前記発熱部材の熱により加熱する像加熱装置において、前記発熱部材と前記過昇温保護素子との間に前記基板よりも熱伝導率の高い材料で形成された熱伝導部材を有し、前記熱伝導部材は、前記基板の長手方向において、前記発熱部材と接触する接触面部と、一つの曲げ形状部と、を有し、前記一つの曲げ形状部と前記過昇温保護素子との間に少なくとも1点の接触点を有することを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明に係る像加熱装置の他の構成は、基板と、前記基板の長手方向に沿って形成された発熱抵抗体と、を有する発熱部材と、前記発熱抵抗体への通電を遮断して前記発熱部材の過昇温を抑止する過昇温保護素子と、を有し、記録材が担持する画像を前記発熱部材の熱により加熱する像加熱装置において、前記発熱部材と前記過昇温保護素子との間に前記基板よりも熱伝導率の高い材料で形成された熱伝導部材を有し、前記熱伝導部材は、前記基板の長手方向において、前記発熱部材と接触する接触面部と、少なくとも一つの曲げ形状部と、を有し、前記少なくとも一つの曲げ形状部と前記過昇温保護素子との間に少なくとも1点の接触点を有し、前記接触面部の前記基板の長手方向端部は、前記少なくとも一つの曲げ形状部よりも外側に位置することを特徴とする像加熱装置。
本発明によれば、過昇温保護素子の発熱部材に対する傾きの許容範囲を拡大でき、生産性の向上を図れるようにした像加熱装置の提供を実現できる。
実施例1に係る定着装置の要部を表す断面図 実施例1に係る定着装置の記録材通過領域における縦断面図 実施例1に係る定着装置の記録材搬送方向上流側からの正面図と、ヒータのフィルム摺動面側の構成を表す図 ヒータの給電制御回路のブロック図 温度ヒューズの導通状態の横断面図と、温度ヒューズの遮断状態の横断面図 温度ヒューズに対する熱伝導部材の形状を表す図 温度ヒューズを支持させたガイドに熱伝導部材を位置決めして取り付けた状態を表す図 実施例1の定着装置において温度ヒューズが傾いて熱伝導部材と接触している状態を表す図(その1) 実施例1の定着装置において温度ヒューズが傾いて熱伝導部材と接触している状態を表す図(その2) 比較例に係る定着装置においてホルダに温度ヒューズが傾くことなく支持された状態を表す図 比較例に係る定着装置において温度ヒューズがヒータと接触している状態を表す図(その1)、及び温度ヒューズが傾いてヒータと接触している状態を表す図(その2) 実施例2に係る定着装置の要部を表す断面図 実施例2に係る定着装置に用いられる熱伝導部材の形状を表す図 実施例2の定着装置において温度ヒューズが傾いて熱伝導部材と接触している状態を表す図(その1) 実施例2の定着装置において温度ヒューズが傾いて熱伝導部材と接触している状態を表す図(その2) 実施例3に係る定着装置の要部を表す断面図 実施例3に係る定着装置に用いられる熱伝導部材の形状を表す図 実施例3の定着装置において温度ヒューズが傾いて熱伝導部材と接触している状態を表す図(その1) 実施例3の定着装置において温度ヒューズが傾いて熱伝導部材と接触している状態を表す図(その2)
[実施例1]
以下、本発明を図面に基づいて詳しく説明する。本発明の好適な実施形態は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明は以下の実施例により限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において種々の構成を他の公知の構成に置き換えることは可能である。
本実施例では、本発明に係る像加熱装置として、電子写真記録技術を用いたプリンタや複写機などの画像形成装置に搭載されるフィルム加熱方式の定着装置(定着器)を説明する。
(1)定着装置Aの構成
図1(a)は本実施例に係る定着装置Aの要部を表す横断面図、図1(b)は同定着装置Aの要部を表す縦断面図である。図2は定着装置Aの記録材通過領域Lpにおける縦断面図である。図3(a)は定着装置Aの記録材搬送方向上流側からの正面図、図3(b)はヒータ2のフィルム摺動面側の構成を表す図である。図4はヒータ2の給電制御回路のブロック図である。
図1(a)、図2に示されるように、定着装置Aは、板状のヒータ(発熱部材)2と、ヒータを支持すると共にヒータとは反対側で断面略逆U字形状のスティ9を支持するホルダ(支持部材)4を有する。ホルダ4の外周には筒状のフィルム(回転体)1がルーズに外嵌され、フィルムをヒータ2と加圧ローラ(バックアップ部材)3とで挟むことによりフィルムの外周面(表面)と加圧ローラの外周面(表面)とでニップ部Nを形成している。
耐熱樹脂製のホルダ4の加圧ローラ3側の平坦面には記録材搬送方向と直交する方向(以下、長手方向と記す)に沿って溝4aが形成してある。ホルダ4は溝4aでヒータ2を支持するようになっている。
ヒータ2は細長い基板2aを有する(図3(b)参照)。基板2aはアルミナ製で熱伝導率が約20W/(m/K)のセラミック基材からなる。基板2aのフィルム1側の表面(以下、フィルム摺動面と記す)には、基板の長手方向に沿って2つの通電発熱抵抗体2bがスクリーン印刷等により形成してある。更にフィルム摺動面には、各通電発熱抵抗体2bに電気的に接続された2つ導電パターン2cと、各導電パターンに電気的に接続された2つの電極2dと、電極の反対側で2つの通電発熱抵抗体を繋ぐ導電パターン2eがスクリーン印刷等により形成してある。導電パターン2eと2つの通電発熱抵抗体2bはオーバーコート層2fによって覆われ保護されている。
基板2aのフィルム摺動面とは反対側の裏面(以下、フィルム非摺動面と記す)には、ホルダ4に支持されているサーミスタ(温度検知素子)101が接触している。
ホルダ4の記録材搬送方向と平行な方向(以下、短手方向と記す)の中央には開口部4bが形成してあり、この開口部はホルダの厚み方向において溝4aと連通している。開口部4bは温度ヒューズ6のヒータ2に対する位置を規定するためのものであって、ホルダ4の長手方向略中央に位置している。
開口部4bの内側においてヒータ2の基板2aのフィルム非摺動面上には熱伝導部材10を接触させて配置している。そしてこの熱伝導部材10上にはヒータ2の過昇温を抑止するための温度ヒューズ(過昇温保護素子)6を接触させて配置している。つまり、ヒータ2と温度ヒューズ6との間に熱伝導部材10を配置するようにしている。ヒータ2と熱伝導部材10の間、及び熱伝導部材10と温度ヒューズ6の間には、熱伝導率が約1W/(m・K)の熱伝導グリス(不図示)が塗布されている。温度ヒューズ6と熱伝導部材10については追って詳しく説明する。
金属製のスティ9の内側にはホルダ4の長手方向に沿って第2のホルダ(第2の支持部材)5が配設してある。耐熱樹脂製の第2のホルダ5は、ホルダ4の長手方向において開口部4bの両側に形成された支持部4cに支持され、開口部内側に配置された温度ヒューズ6とホルダの厚み方向で対向している。第2のホルダ5の温度ヒューズ6側の内面には板バネ(加圧部材)7を支持させ、板バネで温度ヒューズ6の外周面の一部を加圧して熱伝導部材10に圧接させている。
第2のホルダ5の温度ヒューズ6側とは反対側の表面には温度ヒューズ6の後述する第2のリード6kと電気的に接続された電線8aを支持させている。図2において8bは温度ヒューズ6の後述する第1のリード6cと電気的に接続された電線である。
加圧ローラ3は、金属製の芯金3aと、芯金の長手方向両端部の軸部3a1,3a2(図3(a)参照)間の外周面上に耐熱ゴムにより形成した弾性層3bと、弾性層の外周面上にPFA等により形成した離型層3cを有する。
図3(a)に示されるように、ホルダ4の長手方向両端部とスティ9の長手方向両端部はそれぞれ定着装置AのフレームFa,Fbに支持され、加圧ローラ3の芯金3aの軸部3a1,3a2はそれぞれ対応するフレームに回転可能に支持されている。
スティ9の長手方向両端部はコイルバネ(加圧部材)11a,11bでフィルム1の母線方向と直交する垂直方向へ加圧されている。スティ9はコイルバネ11a,11bからの加圧力をホルダ4の長手方向に渡って均一に伝達し、これによりホルダはヒータ2をフィルム1を介して加圧ローラ3の外周面(表面)に加圧する。加圧ローラ3はヒータ2がフィルム1を介して加圧されることにより弾性層3bが潰れて弾性変形し、加圧ローラ表面とフィルム1表面とで所定幅のニップ部N(図1(a)参照)を形成する。
(2)定着装置Aの加熱定着処理動作
図1(a)、図3(a)、図4を参照して、定着装置Aの加熱定着処理動作を説明する。
モータMの駆動力が加圧ローラ3の芯金3aの軸部3a1に設けられたギアGに伝達され、これにより加圧ローラは矢印方向へ回転する。フィルム1は、フィルムの内周面(内面)がヒータ2のオーバーコート層2fと摺動しながら加圧ローラの回転に追従して矢印方向へ回転する。
CPUとRAMやROMなどのメモリとからなる制御部100がトライアック102とスイッチ103をオンすると、ヒータ2の通電発熱抵抗体2bに商用電源104より温度ヒューズ6を介して通電され、これにより通電発熱抵抗体が発熱してヒータは昇温する。基板2aのフィルム非摺動面の温度をモニタするサーミスタ101の検知温度が所定の定着温度(目標温度)を維持するように、トライアック102は制御部100によって制御される。
未定着トナー画像Tを担持する記録材Pはニップ部Nに導入される。ニップ部Nでは記録材Pを挟持搬送しつつヒータ2の熱とニップ部の圧力をトナー画像Tに印加し、これによりトナー画像は記録材上に加熱定着される。そしてこの記録材Pはニップ部から排出される。
(3)温度ヒューズ6
図5を参照して、温度ヒューズ6の構成と動作を説明する。図5(a)は温度ヒューズ6の導通状態の横断面図、(b)は遮断状態の横断面図である。
図5(a)に示されるように、温度ヒューズ6は、長手方向に長い円筒状の外装金属ケース(以下、外装ケースと記す)6aを有する。外装ケース6aの内部は長手方向中央に配置された可動接点6fにより2つに分割されている。可動接点6fは温度ヒューズ6の中心線6lに沿って移動可能である。
外装ケース6aの長手方向一端部側の内部には、第1のリード6cと、第1のリードに固着された絶縁部材6dと、絶縁部材と可動接点6fとの間に配設された第1のバネ6eが収納されている。6bは外装ケース6aの長手方向一端部に固着された円錐台状の封止材であって、第1のリード6cを保持すると共に外装ケースの長手方向一端部側の開口を閉塞している。
一方、外装ケース6aの長手方向他端部側の内部には、第1の円板6gと、第2の円板6iと、第1の円板と第2の円板との間に配設された第2のバネ6hが収納されている。更に長手方向他端部側の内部には、外装ケース6aと電気的に接続された第2のリード6kと、第2のリードと第2の円板6hとの間に配設された感応ペレット6jが収納されている。
上記温度ヒューズ6は、第1のバネ6eの付勢力に抗して第2のバネ6hで第1の円板6gを押圧し可動接点6fを第1のリード6cと接触するまで移動させることにより、第1のリード6cと外装金属ケース6aとの間の電気的導通を確保している。
上記温度ヒューズ6において、温度ヒューズが所定の動作温度に達しない場合、感応ペレット6jは溶融しないため、第1のリード6cと可動接点6fとの接触が保持され(図5(a)参照)、第1のリードと外装ケース6aとの電気的接続が維持される。温度ヒューズ6が所定の動作温度に達した場合、感応ペレット6jは溶融するため、第1のリード6cと可動接点6fとが離間し(図5(b)参照)、第1のリードと外装ケース6aとの電気的接続が遮断される。つまり、ヒータ2が異常発熱した際に、ヒータの発熱によって温度ヒューズ6を加熱し感応ペレット6jを溶融させることで、ヒータへの通電が遮断される。
(4)ホルダ4に温度ヒューズ6が傾いて支持されている場合の弊害
図10は比較例に係る定着装置においてホルダ4に温度ヒューズ6が傾くことなく支持された状態を表す図である。図11(a)は比較例に係る定着装置においてホルダ4に温度ヒューズ6が傾いて支持され外装ケース6aの絶縁部材6d側がヒータ2と接触している状態(絶縁部材側片当り)を表す図である。図11(b)は比較例に係る定着装置においてホルダ4に温度ヒューズ6が傾いて支持され外装ケース6aの感応ペレット6j側がヒータ2と接触している状態(感応ペレット側片当り)を表す図である。
図5(a)に示されるように、温度ヒューズ6は外装ケース6aの絶縁部材側端部と感応ペレット側端部が曲げ加工されている。そのため、図10のC部拡大図に示されるように、外装ケース6aの絶縁部材側端部と感応ペレット側端部の曲げ加工したエッジ部に曲げコブ6a1,6a2が発生する。
ホルダ4に温度ヒューズ6が傾くことなく支持されている場合、温度ヒューズのヒータ2と接触する部分は上記2つの曲げコブ6a1,6a2となる(図10参照)。ところが、ホルダ4に温度ヒューズ6が傾いて支持されている場合、2つの曲げコブ6a1,6a2のうち1つの曲げコブがヒータ2と接触するが、他の1つの曲げコブはヒータ2と非接触となる可能性がある。
例えば外装ケース6aの絶縁部材側端部の曲げコブ6a1のみがヒータ2に接触している場合(図11(a)参照)、感応ペレット6jへ熱が伝わり難くなり、ヒータ異常発熱発生時の感応ペレットの溶融時間が遅くなる。その結果、温度ヒューズ6によるヒータ2への通電の遮断時間が遅くなり(温度ヒューズの溶断遅れ)、この遮断時間の遅延に伴いヒータに過度な熱応力によるストレスが発生してしまう。
逆に外装ケース6aの感応ペレット側端部の曲げコブ6a2のみがヒータ2に接触している場合(図11(b)参照)、その接触箇所が集熱点となり、ヒータの正常発熱時における発熱が感応ペレットに集中してしまう。その結果、ヒータ2の正常動作時において感応ペレット6jの溶融が過度に進み(温度ヒューズの不要な溶断)、温度ヒューズ6によるヒータ2への通電の遮断時間が速くなってしまう。
ヒータ2の正常動作時における温度ヒューズ6の不要な溶断、又はヒータの異常発熱時における温度ヒューズの溶断遅れの弊害を解消するため、本実施例ではヒータと温度ヒューズとの間に熱伝導部材10を配置している。
(5)熱伝導部材10
図6を参照して、熱伝導部材10の形状を説明する。図6(a)は温度ヒューズ6に対する熱伝導部材10の形状をガイド4の短手方向側から表した図である。図6(b)は温度ヒューズ6に対する熱伝導部材10の形状をヒータ2側から表した図である。
熱伝導部材10は熱伝導率が約236W/(m・K)のアルミニウムを用いて長手方向に長い略長方形の薄い板に形成してある。熱伝導部材10の熱伝導率はヒータ2の基板2aに対して約10倍、熱伝導グリスに対して約200倍であることから、熱伝導部材はヒータ2からの熱伝導による集熱効果が得られることがわかる。
本実施例に示す熱伝導部材10は、基板2aのフィルム非摺動面と面接触するように略長方形に形成された接触面部10aを有する。接触面部10aの長手方向一端部には、温度ヒューズ6の中心線6lと交差するように斜め上方に折り曲げた略正方形の接触部10b(曲げ形状部)が形成してある。接触面部10aの長手方向他端部には、温度ヒューズ6の中心線6lと交差するように接触部10bとは反対側の斜め上方に折り曲げた略正方形の接触部10c(曲げ形状部)が形成してある。
接触面部10aの短手方向両端部の長手方向中央には、ホルダ4との位置関係を規定するための凸部(位置決め部)10d,10eが接触面部の短手方向外側に突出して形成してある。接触面部10aの短手方向両端部には、熱伝導部材10を板バネ7でヒータ2に加圧した際に接触面部の変形を防止するためのリブ10f,10gが温度ヒューズ6の外装ケース6a側に突出するように形成してある。
上記熱伝導部材10では、接触部10bと接触面部10aとの間、及び接触部10cと接触面部10aとの間にそれぞれ曲げ部10h,10iを形成して、接触部10b及び接触部10cを温度ヒューズ6の中心線6lと交差する方向に折り曲げている。つまり、接触部10b,10cの曲げ方向は温度ヒューズ6側となるように設定してある。そして温度ヒューズ6の外装ケース6aの長さL1に対し、熱伝導部材10の長さL2を長く、接触面部10aの長さ(接触部10bと接触部10cの間隔ともいう)L3を短く設定している。これにより接触部10bと接触部10cはそれぞれ外装ケース6aの対応する曲げコブ6a1と曲げコブ6a2に確実に接触する構成が得られる。
図7を参照して、熱伝導部材10に対するガイド4の位置決め構造を説明する。図7(a)は温度ヒューズ6を支持させたガイド4に熱伝導部材10を位置決めして取り付けた状態をガイドの短手方向側から表した図、図7(b)はその状態を図7(a)に示す熱伝導部材10の取り付け方向から表した図である。
図7(b)に示されるように、ガイド4の溝4aの底面4a1には長手方向に長い長方形の開口部4bが形成してある。更に底面4a1の開口部4b周囲において開口部の長辺の長手方向略中央には熱伝導部材10をガイド4に位置決めするための凹部4a2,4a3が形成してある。
定着装置Aの組立工程において熱伝導部材10をガイド4に取り付ける場合、温度ヒューズ6を加圧している板バネ7とは反対側即ちガイドの厚み方向における溝4aの開口側からホルダの凹部4a2,4a3に熱伝導部材10の凸部10d,10eを嵌め込む。これにより熱伝導部材10はガイド4に位置決めされ温度ヒューズ6aと接触した状態に取り付けられる(図7(a)参照)。ガイド4の溝4aに開口側からヒータ2を嵌め込み支持させることによって熱伝導部材10は図1(a)、(b)に示されるように温度ヒューズ6とヒータ2との間に配設される。
(6)熱伝導部材10の作用
先ず、定着装置Aの組立工程において温度ヒューズ6が傾くことなくガイド4に支持されている場合の熱伝導部材10の作用を説明する。この場合、図1(b)に示されるように、熱伝導部材10の接触部10b,10cはそれぞれ外装ケース6aの対応する曲げコブ6a1,6a2と接触して接触点CP1,CP2を形成する。
次に、定着装置Aの組立工程において温度ヒューズ6をガイド4に取り付ける際、温度ヒューズが外装ケース6aの絶縁部材側端部をヒータ2から遠ざかる傾き状態でホルダ4に支持された場合の熱伝導部材10の作用を説明する。
熱伝導部材10がヒータ2上に設置されていない場合(図11(b)参照)、外装ケース6aの絶縁部材側端部の曲げコブ6a1がヒータに対して離間し、ヒータと曲げコブとの間に、主に熱伝導グリスの熱伝導率の逆数によって決定される熱抵抗が発生する。その為、ヒータ2と曲げコブ6a1との間の距離が大きくなる程ヒータからの熱が温度ヒューズ6に伝わり難くなり、ヒータと接触している外装ケース6aの感応ペレット6j側に熱集中が発生し、感応ペレットに不要な溶融が生じてしまう。
図8に、本実施例の定着装置Aにおいて温度ヒューズ6が外装ケース6aの絶縁部材側端部をヒータ2から遠ざかる傾き状態でホルダ4に支持された場合の温度ヒューズと熱伝導部材10との接触状態を示す。
熱伝導部材10がヒータ2上に設置されている場合、図8のG部拡大図に示すように、熱伝導部材10の接触部10bは外装ケース6aの曲げコブ6a1と接触して接触点CP3を形成する為、上記熱抵抗は発生しない。その為、同図で矢印にて示すように、熱伝導部材10のヒータ2と接触する接触面部10aと、外装ケース6aの曲げコブ6a1,6a2と接触する接触部10b,10cとで、ヒータの熱を外装ケースへと伝熱させる伝熱経路が形成される。その為、ヒータ2の正常動作時において温度ヒューズ6の不要な溶断は発生しない。
次いで、定着装置Aの組立工程において温度ヒューズ6をガイド4に取り付ける際、温度ヒューズが外装ケース6aの感応ペレット側端部をヒータ2から遠ざかる傾き状態でホルダ4に支持された場合の熱伝導部材10の作用を説明する。
熱伝導部材10がヒータ2上に設置されていない場合(図11(a)参照)、外装ケース6aの感応ペレット側端部の曲げコブ6a2がヒータに対して離間し、ヒータと曲げコブとの間に、主に熱伝導グリスの熱伝導率の逆数によって決定される熱抵抗が発生する。その為、ヒータ2と曲げコブ6a2との間の距離が大きくなる程ヒータからの熱が温度ヒューズ6に伝わり難くなり、ヒータと接触している外装ケース6aの絶縁部材6d側に熱集中が発生し、温度ヒューズに溶断遅れが生じてしまう。
図9に、本実施例の定着装置Aにおいて温度ヒューズ6が外装ケース6aの感応ペレット側端部をヒータ2から遠ざかる傾き状態でホルダ4に支持された場合の温度ヒューズと熱伝導部材10との接触状態を示す。
熱伝導部材10がヒータ2上に設置されている場合、図9のF部拡大図に示すように、熱伝導部材10の接触部10cは外装ケース6aの絶縁部材側端部の曲げコブ6a2と接触して接触点CP4を形成する為、上記熱抵抗は発生しない。その為、同図で矢印にて示すように、熱伝導部材10のヒータ2と接触する接触面部10aと、外装ケース6aの曲げコブ6a1,6a2と接触する接触部10b,10cとで、ヒータの熱を外装ケースへと伝熱させる伝熱経路が形成される。その為、ヒータ2の異常発熱発生時において温度ヒューズ6に溶断遅れが発生せず、ヒータに過度な熱応力によるストレスが加わらない。
本実施例の定着装置Aは、接触面部10aの長手方向の両側に温度ヒューズ6側に曲げ方向が設定された接触部10b,10cを有する熱伝導部材10を備えるものである。そしてこの熱伝導部材10は、温度ヒューズ6が絶縁部材側端部又は感応ペレット側端部をヒータ2から遠ざかる傾き状態でホルダ4に支持されても、二つの接触部10b,10cの何れか一方が温度ヒューズ6と接触して接触点CP3(又はCP4)を形成する。その為、温度ヒューズ6の長手方向許容傾きが大きくなることがわかる。
従って、本実施例の定着装置Aは、ヒータ異常発熱発生時における温度ヒューズ6の溶断遅れ、及びヒータ正常動作時における温度ヒューズの不要な溶断が発生しない温度ヒューズの傾きの許容範囲を拡大でき、生産性が向上するという効果を奏し得る。
[実施例2]
定着装置Aの他の実施例を説明する。本実施例に示す定着装置Aは、熱伝導部材10の形状が実施例1と異なる点を除いて、実施例1の定着装置Aと同じ構成としてある。
本実施例に示す熱伝導部材10は、定着装置Aの組立工程において温度ヒューズ6をガイド4に取り付ける際、温度ヒューズの傾きが温度ヒューズの長手方向に対して片側のみに集中する場合に用いて好適なものである。或いは定着装置Aの使用温度上温度ヒューズ6の感応ペレット6jに不要な溶断が懸念されない場合に用いて好適なものである。熱伝導部材10の材料は、実施例1と同様、熱伝導率が約236W/(m・K)のアルミニウムである。
図13を参照して、熱伝導部材10の形状を説明する。図13(a)は温度ヒューズ6に対する熱伝導部材10の形状をガイド4の短手方向側から表した図である。図13(b)は温度ヒューズ6に対する熱伝導部材10の形状をヒータ2側から表した図である。
本実施例の熱伝導部材10は、接触面部10aの長手方向両端部のうち一方の長手方向端部に接触部10j(曲げ形状部)を形成した点を除いて、実施例1の熱伝導部材と同じ構成としてある。この熱伝導部材10では、温度ヒューズ6の外装ケース6aに対し、接触部10jの曲げ部10kを外装ケースの長手方向の内側に設定することにより、接触部を外装ケースの感応ペレット側端部又は絶縁部材側端部に確実に接触させる構成が得られる。
図12は本実施例に示す定着装置Aの要部を表す縦断面図である。図12に示されるように、温度ヒューズ6が傾くことなくガイド4に支持されている場合、熱伝導部材10の接触面部10aは温度ヒューズ6の外装ケース6aの曲げコブ6a1と接触して接触点CP5を形成する。一方、接触部10hは外装ケース6aの曲げコブ6a2と接触して接触点CP6を形成する。
図14に、温度ヒューズ6が外装ケース6aの感応ペレット側端部をヒータ2から遠ざかる傾き状態でホルダ4に支持された場合の温度ヒューズと熱伝導部材10との接触状態を示す。図14では、熱伝導部材10を熱伝導部材の接触部10jが温度ヒューズ6の外装ケース6aの感応ペレット側端部と向かい合うようにヒータ2上に配置している。
図14のH部拡大図に示すように、熱伝導部材10の接触部10jは外装ケース6aの絶縁部材側端部の曲げコブ6a1と接触して接触点CP7を形成する。その為、同図で矢印にて示すように、熱伝導部材10のヒータ2及び外装ケース6aの曲げコブ6a1と接触する接触面部10aと、外装ケースの曲げコブ6a2と接触する接触部10jとで、ヒータの熱を外装ケースへと伝熱させる伝熱経路が形成される。その為、ヒータ2の異常発熱発生時において温度ヒューズ6に溶断遅れが発生せず、ヒータに過度な熱応力によるストレスが加わらない。
図15に、温度ヒューズ6が外装ケース6aの絶縁部材側端部をヒータ2から遠ざかる傾き状態でホルダ4に支持された場合の温度ヒューズと熱伝導部材10との接触状態を示す。図15では、熱伝導部材10を熱伝導部材の接触部10jが温度ヒューズ6の外装ケース6aの絶縁部材側端部と向かい合うようにヒータ2上に配置している。
図15のI部拡大図に示すように、熱伝導部材10の接触部10jは外装ケース6aの曲げコブ6a1と接触して接触点CP8を形成する。その為、同図で矢印にて示すように、熱伝導部材10のヒータ2及び外装ケース6aの曲げコブ6a2と接触する接触面部10aと、外装ケース6aの曲げコブ6a1と接触する接触部10jとで、ヒータの熱を外装ケースへと伝熱させる伝熱経路が形成される。その為、ヒータ2の正常動作時において温度ヒューズ6の不要な溶断は発生しない。
実施例1の熱伝導部材10は接触部10b,10cを二つ有する構成であるのに対し、本実施例の熱伝導部材10は接触部10jを一つ有する構成である。本実施例の熱伝導部材10は、実施例1の熱伝導部材10に比べ接触部を形成する工程が一つ少なくなり安価に作製できるというメリットがある。
本実施例の定着装置Aは、接触面部10aの長手方向の片側に温度ヒューズ6側を曲げ方向が設定された接触部10jを有する熱伝導部材10を備えるものである。そしてこの熱伝導部材10は、温度ヒューズ6が絶縁部材側端部又は感応ペレット側端部をヒータ2から遠ざかる傾き状態でホルダ4に支持された場合であっても、熱伝導部材の接触部10jが温度ヒューズと接触して接触点CP7(又はCP8)を形成する。その為、温度ヒューズ6の長手方向許容傾きが大きくなることがわかる。
従って、本実施例の定着装置Aにおいても実施例1の定着装置Aと同様の作用効果を得られる。
[実施例3]
定着装置Aの他の実施例を説明する。本実施例に示す定着装置Aは、熱伝導部材10の形状が実施例1と異なる点を除いて、実施例1の定着装置Aと同じ構成としてある。
本実施例に示す熱伝導部材10は、定着装置Aの組立工程においてガイド4に容易に位置決めでき、ヒータ2から温度ヒューズ6への伝熱量を増大できるようにしたものである。熱伝導部材10の材料は、実施例1と同様、熱伝導率が約236W/(m・K)のアルミニウムである。
図17を参照して、熱伝導部材10の形状を説明する。図17(a)は温度ヒューズ6に対する熱伝導部材10の形状をガイド4の短手方向側から表した図である。図17(b)は温度ヒューズ6に対する熱伝導部材10の形状をヒータ2側から表した図である。
本実施例の熱伝導部材10は、接触面部10aの長さを実施例1の熱伝導部材の接触面部よりも長くなるように形成している。更に各接触面部の長手方向両端部の先端に、実施例1の熱伝導部材の凸部10d,10eに代えて、ガイド4と係止する係止部(位置決め部)10a1,10a2を形成している。この二点を除いて、実施例1の熱伝導部材と同じ構成としてある。
本実施例の熱伝導部材10では、接触面部10aを長手方向に延長した形状とすることにより、接触面部10aの長さを実施例1の熱伝導部材の接触面部よりも長くしている。また本実施例の熱伝導部材10では、接触面部10aの接触部10b側の先端に接触面部と同じ幅の係止部10a1が形成し、接触部10c側の先端に接触面部と同じ幅で温度ヒューズ6側に直角に折り曲げた係止部10a2を形成している。
ガイド4の溝4aの底面4a1の開口部4b周囲において開口部の短辺側には熱伝導部材10をガイド4に位置決めするための凹部4a4と孔部4a5が形成してある(図16参照)。
定着装置Aの組立工程において熱伝導部材10をガイド4に取り付ける場合、温度ヒューズ6を加圧している板バネ7とは反対側即ちガイドの厚み方向における溝4aの開口側からホルダの凹部4a4と孔部4a5に対応する係止部10a1,10a2を嵌め込む。これにより熱伝導部材10はガイド4に位置決めされ温度ヒューズ6aと接触した状態に取り付けられる(図16参照)。ガイド4の溝4aに開口側からヒータ2を嵌め込み支持させることによって熱伝導部材10は図16に示されるように温度ヒューズ6とヒータ2との間に配設される。
図16は本実施例に示す定着装置Aの要部を表す縦断面図である。図16に示されるように、温度ヒューズ6が傾くことなくガイド4に支持されている場合、熱伝導部材10の接触部10bは温度ヒューズ6の外装ケース6aの曲げコブ6a1と接触して接触点CP7を形成する。一方、接触部10cは外装ケース6aの曲げコブ6a2と接触して接触点CP8を形成する。
図18に、温度ヒューズ6が外装ケース6aの感応ペレット側端部をヒータ2から遠ざかる傾き状態でホルダ4に支持された場合の温度ヒューズと熱伝導部材10との接触状態を示す。図18では、熱伝導部材10を熱伝導部材の接触部10cが温度ヒューズ6の外装ケース6aの感応ペレット側端部と向かい合うようにヒータ2上に配置している。
図18のJ部拡大図に示すように、熱伝導部材10の接触部10cは外装ケース6aの絶縁部材側端部の曲げコブ6a1と接触して接触点CP9を形成する。その為、同図で矢印にて示すように、熱伝導部材10の外装ケース6aの曲げコブ6a1と接触する接触部10bと、外装ケースの曲げコブ6a2と接触する接触部10cとで、ヒータの熱を外装ケースへと伝熱させる伝熱経路が形成される。その為、ヒータ2の異常発熱発生時において温度ヒューズ6に溶断遅れが発生せず、ヒータに過度な熱応力によるストレスが加わらない。
図19に、温度ヒューズ6が外装ケース6aの絶縁部材側端部をヒータ2から遠ざかる傾き状態でホルダ4に支持された場合の温度ヒューズと熱伝導部材10との接触状態を示す。図19では、熱伝導部材10を熱伝導部材の接触部10bが温度ヒューズ6の外装ケース6aの絶縁部材側端部と向かい合うようにヒータ2上に配置している。
図19のK部拡大図に示すように、熱伝導部材10の接触部10bは外装ケース6aの曲げコブ6a1と接触して接触点CP10を形成する。その為、同図で矢印にて示すように、熱伝導部材10の外装ケース6aの曲げコブ6a2と接触する接触部10cと、外装ケース6aの曲げコブ6a1と接触する接触部10bとで、ヒータの熱を外装ケースへと伝熱させる伝熱経路が形成される。その為、ヒータ2の正常動作時において温度ヒューズ6の不要な溶断は発生しない。
本実施例の定着装置Aは、接触面部10aの長手方向の両側に温度ヒューズ6側に曲げ方向が設定された接触部10b,10cを有する熱伝導部材10を備えるものである。そしてこの熱伝導部材10は、温度ヒューズ6が絶縁部材側端部又は感応ペレット側端部をヒータ2から遠ざかる傾き状態でホルダ4に支持されても、二つの接触部10b,10cの何れか一方が温度ヒューズ6と接触して接触点CP9(又はCP10)を形成する。その為、温度ヒューズ6の長手方向許容傾きが大きくなることがわかる。
従って、本実施例の定着装置Aにおいても実施例1の定着装置Aと同様の作用効果を得られる。
更に本実施例の定着装置Aは、熱伝導部材10の接触面部10aの長さを実施例1の熱伝導部材の接触面部よりも長くしている為、実施例1の定着装置Aに比べ熱伝導部材10の温度ヒューズ6に対する伝熱効果に優れるという効果を奏する。
[他の実施例]
実施例1乃至実施例3の各実施例において、ヒータ2と温度ヒューズ6と熱伝導部材10の各部材の間に熱伝導グリスを塗布しているが、塗布されていなくても本実施例記載の熱伝導率の関係が維持される限り、熱伝導部材の効果は得られる。ここで本実施例記載の熱伝導率の関係とは、段落0045に記載されているように、熱伝導部材10の熱伝導率がヒータ2の基板2aの熱伝導率よりも大きいという関係のことである。
また各実施例において、熱伝導部材10の接触面部10aにリブ10f,10gを形成しているが、リブは必ずしも必要ではない。例えばヒータ2の取り付けに伴う接触面部の変形が接触面部自体の弾性領域内となる材質を用いて熱伝導部材を作製する場合、又は接触面部自体の変形そのものが熱伝導部材の熱伝導に影響を与えない範囲である場合は、リブ10f,10gは不要である。
また各実施例において、熱伝導部材10の各接触部10b,10c,10jは温度ヒューズ6と1点の接触点CP1,CP2で接触しているが、接触点は1点に限られない。例えば各接触部10b,10c,10jに凸部を二つ以上形成し、これらの凸部と温度ヒューズ6を接触させて接触点を2点以上形成するようにしてもよい。
2:ヒータ、2a:基板、2b:通電発熱抵抗体、6:温度ヒューズ、6a:外装金属ケース、6l:温度ヒューズの中心線、10:熱伝導部材、10a:接触面部、10b,10c:接触部、10h,10i,10k:曲げ部、CP1,CP2,CP7,CP8,CP9,CP10:接触点、L1:外装金属ケースの長さ、L2:熱伝導部材の長さ、L3:接触面部の長さ(接触部10bと接触部10cの間隔)、P:記録材、T:未定着トナー画像

Claims (9)

  1. 基板と、前記基板の長手方向に沿って形成された発熱抵抗体と、を有する発熱部材と、前記発熱抵抗体への通電を遮断して前記発熱部材の過昇温を抑止する過昇温保護素子と、を有し、記録材が担持する画像を前記発熱部材の熱により加熱する像加熱装置において、
    前記発熱部材と前記過昇温保護素子との間に前記基板よりも熱伝導率の高い材料で形成された熱伝導部材を有し、前記熱伝導部材は、前記基板の長手方向において、前記発熱部材と接触する接触面部と、少なくとも一つの曲げ形状部と、を有し、前記少なくとも一つの曲げ形状部と前記過昇温保護素子との間に少なくとも1点の接触点を有することを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記過昇温保護素子は外装金属ケースを有する温度ヒューズであり、前記熱伝導部材は前記接触面部の前記基板の長手方向の両側に前記少なくとも一つの曲げ形状部を二つ有し、前記二つの曲げ形状部の曲げ方向は前記温度ヒューズの中心線と交差する方向に設定され、前記二つの曲げ形状部の間隔は前記外装金属ケースの長さよりも短く、前記熱伝導部材の長さは前記外装金属ケースの長さよりも長いことを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記二つの曲げ形状部の曲げ部はそれぞれ前記基板の長手方向において前記外装金属ケースの内側に位置することを特徴とする請求項2に記載の像加熱装置。
  4. 基板と、前記基板の長手方向に沿って形成された発熱抵抗体と、を有する発熱部材と、前記発熱抵抗体への通電を遮断して前記発熱部材の過昇温を抑止する過昇温保護素子と、を有し、記録材が担持する画像を前記発熱部材の熱により加熱する像加熱装置において、
    前記発熱部材と前記過昇温保護素子との間に前記基板よりも熱伝導率の高い材料で形成された熱伝導部材を有し、前記熱伝導部材は、前記基板の長手方向において、前記発熱部材と接触する接触面部と、一つの曲げ形状部と、を有し、前記一つの曲げ形状部と前記過昇温保護素子との間に少なくとも1点の接触点を有することを特徴とする像加熱装置。
  5. 前記過昇温保護素子は外装金属ケースを有する温度ヒューズであり、前記熱伝導部材は前記基板の長手方向において前記接触面部の片側に前記一つの曲げ形状部を有し、前記一つの曲げ形状部の曲げ方向は前記温度ヒューズの中心線と交差する方向に設定され、前記一つの曲げ形状部の曲げ部は前記基板の長手方向において前記外装金属ケースの内側に位置することを特徴とする請求項4に記載の像加熱装置。
  6. 前記接触面部の長さは前記外装金属ケースの長さよりも短く、前記熱伝導部材の長さは前記外装金属ケースの長さよりも長いことを特徴とする請求項5に記載の像加熱装置。
  7. 基板と、前記基板の長手方向に沿って形成された発熱抵抗体と、を有する発熱部材と、前記発熱抵抗体への通電を遮断して前記発熱部材の過昇温を抑止する過昇温保護素子と、を有し、記録材が担持する画像を前記発熱部材の熱により加熱する像加熱装置において、
    前記発熱部材と前記過昇温保護素子との間に前記基板よりも熱伝導率の高い材料で形成された熱伝導部材を有し、前記熱伝導部材は、前記基板の長手方向において、前記発熱部材と接触する接触面部と、少なくとも一つの曲げ形状部と、を有し、前記少なくとも一つの曲げ形状部と前記過昇温保護素子との間に少なくとも1点の接触点を有し、前記接触面部の前記基板の長手方向端部は、前記少なくとも一つの曲げ形状部よりも外側に位置することを特徴とする像加熱装置。
  8. 前記過昇温保護素子は外装金属ケースを有する温度ヒューズであり、前記熱伝導部材は前記接触面部の前記基板の長手方向の両側に前記少なくとも一つの曲げ形状部を二つ有し、前記二つの曲げ形状部の曲げ方向は前記温度ヒューズの中心線と交差する方向に設定され、前記二つの曲げ形状部の間隔は前記外装金属ケースの長さよりも短く、前記熱伝導部材の長さは前記外装金属ケースの長さよりも長いことを特徴とする請求項7に記載の像加熱装置。
  9. 前記二つの曲げ形状部の曲げ部はそれぞれ前記基板の長手方向において前記外装金属ケースの内側に位置することを特徴とする請求項8に記載の像加熱装置。
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