JP2019012640A - 発熱ユニット、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
ヒータの短手温度分布を均一化し、割れの発生を抑制可能なヒータの提供。
【解決手段】
発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に電力を供給する給電部と、前記給電部と前記発熱抵抗体とを接続する導電部と、を有し、前記発熱抵抗体は、第1の領域の前記給電部からの給電に対する発熱量が前記第1の領域より前記発熱抵抗体の短手方向における前記導電部からの距離が遠い第2の領域の前記給電部からの給電に対する発熱量より小さくなるように構成されていることを特徴とする発熱ユニット。
【選択図】図3
ヒータの短手温度分布を均一化し、割れの発生を抑制可能なヒータの提供。
【解決手段】
発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に電力を供給する給電部と、前記給電部と前記発熱抵抗体とを接続する導電部と、を有し、前記発熱抵抗体は、第1の領域の前記給電部からの給電に対する発熱量が前記第1の領域より前記発熱抵抗体の短手方向における前記導電部からの距離が遠い第2の領域の前記給電部からの給電に対する発熱量より小さくなるように構成されていることを特徴とする発熱ユニット。
【選択図】図3
Description
本発明は、発熱部材、トナーで形成された画像を記録材に定着させる定着装置、及びこれを具備する画像形成装置に関するものである。
プリンタ等に搭載する定着装置として、セラミックス製の基板上に発熱抵抗体を有するヒータと、このヒータに接触しつつ移動する可撓性部材と、可撓性部材を介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、を有するものがある。
未定着画像を担持する記録媒体は定着装置のニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材上の画像が加熱定着される。このタイプの定着装置は、ヒータへの通電を開始後、定着可能温度まで昇温するのに要する時間が短いというメリットを有する。また、このタイプの定着装置は、プリント指令を待つ待機中の消費電力が少ないというメリットもある。
このような定着装置において、小サイズ記録媒体を連続通紙したときに、小サイズ通紙域は記録媒体に熱を奪われるため温度は下がるが、小サイズ記録媒体が通紙されない非通紙部は熱を奪われないために昇温してしまう(非通紙部昇温)。この現象が発生すると加圧ローラ等の部品の損傷や高温オフセットといった画像不良が発生する。
そこで対策として、小サイズ連続通紙を行うときにプリント間隔を広げる制御を行うことで、非通紙部の昇温を抑えている。しかし、このような制御を行うと小サイズの生産性が大サイズ連続通紙時の生産性に比べると大幅にダウンしてしまう。
また、最近ではこれらの問題を解決するために特許文献1に掲載されているような非通紙の昇温を抑制するヒータが提案されている。
図13は、この従来のヒータの構成の一例を示す図である。
同図に示すように、ヒータは、細長い基板と、この基板の長手方向に沿って発熱抵抗体を有している。さらに、発熱抵抗体の短手方向における一端側と他端側にそれぞれ発熱抵抗体の長手方向に沿って電極が設けられている。この電極の基板の長手方向における一方の端部には給電部が設けられている。
この発熱抵抗体は温度が上昇すると抵抗値が上昇する正の抵抗温度特性を有している。なお、給電部から電極を介して発熱抵抗体に通電を行うことで発熱抵抗体は発熱する。
このヒータに小サイズ記録媒体が連続通紙されたときに小サイズ記録媒体の通紙域は記録媒体に熱を奪われるため、温度は下がる。しかし、小サイズ記録媒体の非通紙域は記録媒体に熱を奪われないために温度は上昇する。このときに、ヒータの発熱抵抗体は温度が上がるほど、抵抗値が上昇する特性を持つために発熱が抑制されて非通紙部の昇温を抑制するように構成されている。
しかしながら、特許文献1に記載された図13のようなヒータでは、発熱体と接している電極部aに入力するまでの導電部も僅かながら発熱してしまう。
この導電部の発熱により、短手方向の温度分布が図14のように導電部側が顕著に高くなってしまう不均一な温度分布となる。なお、図14は図13のヒータ図のZ−Z’の断面を短手方向で見たときの温度分布になっている。
この不均一な温度分布によって、ヒータ内に温度差による応力が発生し、ヒータ割れに至ってしまう恐れがある。一般的には、ヒータの温度を制御している制御部が故障してしまい、ヒータに交流電圧がかかり続けて、温度が500℃近くまで上昇するヒータの暴走が起きて、ヒータ割れに至る場合がある。
実使用製品では、このようなヒータの暴走が起きた場合には、ヒータ割れが発生する前に安全装置が働くようにして、ヒータへの通電を遮断する必要がある。しかし、現状の図14のような温度分布であると、Z’側と、Z側で温度差が大きいために、Z’側のヒータ基板内の応力と、Z側のヒータ基板内の応力に大きな差が生まれて、ヒータ基板に紙搬送方向のひずみが発生し、ヒータ割れに至る可能性がある。
さらに、近年では電子写真式の複写機も高速化対応が望まれており、定着装置も温調温度の高温化が進んでいる。そのため、通常動作時に安全装置が誤作動しないような、高温で作動する安全装置が主流化している。この高温でしか作動しない安全装置でも、安全装置の作動前にヒータが割れないような、より安全性の高いヒータが求められている。
このようなヒータの安全性を高める手段の1つとして、特許文献2に示されたようにヒータの発熱体面とは反対側のヒータ裏面に銀のような高熱伝導部材を設置することで、短手温度分布を均一化し、割れ発生までの時間を長くして、安全性を高める技術がある。
しかし、一般的にはヒータ裏面側にはサーミスタといった温度検知部材を設けている。 図15は、ヒータ裏面側に高熱伝導部材を設けた場合と、設けていない場合の、温度検知部材とニップ内の位置関係の図を示す。図15(a)は、高熱伝導部材を設けた場合を示し、図15(b)は、高熱伝導部材を設けていない場合を示している。
図15に示すように、ヒータと温度検知部材の間に他の部材を設けてしまうと、温度検知部材とヒータ間の距離が大きくなってしまう。このように距離が広がると、ニップ内の温度を温度検知部材が検知するまでの時間が大きくなり、温度検知精度が悪化してしまう。温度検知精度が悪い状態で、厚紙等の用紙を定着器に通紙した場合には、ニップ内の温度が低下したことを、温度検知部材が検知するまでに時間がかかってしまう。このため、ニップ内の温度が定着可能温度よりも下がってしまい、定着不良等の画像不良が発生してしまう可能性がある(図16参照)。
そこで、本発明ではヒータ裏面に高熱伝導部材のような新たな部材を追加することなく、ヒータの短手方向の温度分布を均一化することを目的とする。
この目的を達成するため、本発明の発熱ユニットは、発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に電力を供給する給電部と、前記給電部と前記発熱抵抗体とを接続する導電部と、を有し、前記発熱抵抗体は、第1の領域の前記給電部からの給電に対する発熱量が前記第1の領域より前記発熱抵抗体の短手方向における前記導電部からの距離が遠い第2の領域の前記給電部からの給電に対する発熱量より小さくなるように構成されていることを特徴とする。
本発明導電部導電部によれば、ヒータ裏面に部材を追加することなく、ヒータの温度分布を均一化することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
(画像形成装置の全体構成)
図1は、本発明の実施形態である画像形成装置100の全体構成を示す図である。画像形成装置100は転写式電子写真プロセス利用のレーザープリンタである。
(画像形成装置の全体構成)
図1は、本発明の実施形態である画像形成装置100の全体構成を示す図である。画像形成装置100は転写式電子写真プロセス利用のレーザープリンタである。
感光体ドラム1は、像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体であり、周方向に所定の速度で回転する。感光体ドラム1はOPC,アモルファスシリコンドラム等の感光材料をアルミニウムやニッケル等のシリンダ状の基板上に形成して構成される。
回転中の感光体ドラム1は、帯電ローラ2と接触しつつ、回転することによって感光体ドラム1の表面上が均一に帯電される。表面が一様に帯電された感光体ドラム1に対して、画像露光手段としてのレーザビームスキャナ3から出力された画像情報に対応して変調されたレーザ光Lによる走査露光がなされる。これにより感光体ドラム1の表面に画像情報に対応した静電潜像画像が形成される。この静電潜像画像に現像装置4によりトナー(現像剤)によってトナー像として現像される。
一方、記録媒体Pは給送カセット5から給送ローラ6によって1枚ずつ分離給送され、レジストローラ7に送られる。レジストローラ7によって記録媒体Pは感光体ドラム1の表面に形成されたトナー画像と同期を取り、シートパス8aを通じて感光体ドラム1と転写ローラ9とで形成された転写ニップ部Tに導入される。感光体ドラム1上のトナー画像の先端と記録媒体Pの先端が転写ニップ部Tに入るタイミングが同じになるように、レジストローラ7により制御されている。
転写ニップ部Tに導入された記録媒体Pは転写ニップ部Tで挟持搬送されて、その間に転写ローラ9には不図示の転写バイアス印加電源からトナーと逆極性の転写バイアスが転写ローラ上に印加される。これにより、感光体ドラム1上のトナー画像が記録媒体P上に転写される。
転写ニップ部Tにおいてトナー像の転写を受けた記録媒体Pは感光体ドラム1の表面から分離されてシートパス8bを通って定着装置11へ搬送される。そして、定着装置11によって、記録媒体P上のトナー像は加熱、加圧され、記録媒体P上に永久定着される。定着装置11を出た記録媒体Pはシートパス8c側に進路案内されて排出口13から排出トレイ14上に排出される。
トナー像の転写後、感光体ドラム1の表面上のトナー、紙粉はクリーニング装置10によって除去され、繰り返して作像に使用される。
(定着装置)
図2は、定着装置11の縦断面図である。以下の説明において、定着装置11又はその定着装置11を構成している部材に関して、長手方向とは記録媒体Pの搬送方向に関して直交する方向であり、短手方向とは記録媒体Pの搬送方向Aと同一の方向である。
図2は、定着装置11の縦断面図である。以下の説明において、定着装置11又はその定着装置11を構成している部材に関して、長手方向とは記録媒体Pの搬送方向に関して直交する方向であり、短手方向とは記録媒体Pの搬送方向Aと同一の方向である。
定着装置11は発熱部材としてのセラミック製のヒータ23と、可撓性部材としての定着フィルム22とガイド部材としてのステー21と、加圧部材としての加圧ローラ24と、を有する。ステー21、定着フィルム22、ヒータ23、及び加圧ローラ24はいずれも長手方向に細長い部材である。
ステー21は耐熱性及び剛性を有する材料を用いて縦断面桶型形状で形成されており、ステー21上にヒータ23が保持されている。定着フィルム22は耐熱性を持ち、エンドレス(円筒状)に形成してある。定着フィルム22はステー21に外嵌されている。定着フィルム22の内周長は、ステー21の外周長よりも、例えば3mm程度大きくなるように構成されている。従って、定着フィルム22は周長に余裕を持ってステー21に外嵌されている。定着フィルム22の内周面とステー21の外周面との間には潤滑剤(不図示)を介在させてある。これにより、ステー21と定着フィルム22の内周面とが接触回転するときの摺動抵抗を低下させている。
定着装置11内の各部材について詳しく説明する。
(定着フィルム)
定着フィルム22において、熱容量を小さくして立ち上げ時間を早めるために、フィルム膜厚は100μm以下であることが好ましい。定着フィルム22の材料として、耐熱性のあるPTFE、PFA、FEP等の単層フィルム、或いはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムが用いられる。本実施形態では膜厚75μmのポリイミドフィルムの外周面にPFA、PTFAをコーティングしたものを定着フィルム22として用いた。定着フィルム22の外径は24.0mmとした。
定着フィルム22において、熱容量を小さくして立ち上げ時間を早めるために、フィルム膜厚は100μm以下であることが好ましい。定着フィルム22の材料として、耐熱性のあるPTFE、PFA、FEP等の単層フィルム、或いはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムが用いられる。本実施形態では膜厚75μmのポリイミドフィルムの外周面にPFA、PTFAをコーティングしたものを定着フィルム22として用いた。定着フィルム22の外径は24.0mmとした。
(ステー)
ステー21は例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PPS、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂とセラミック、金属、ガラス等との複合材料等により構成される。本実施形態では液晶ポリマーにより、縦断面桶型形状に形成されたステー21とした。ステー21は長手方向の両端部が定着装置11の不図示の側板対に保持されている。ステー21の加圧ローラ24側の面には、長手方向に沿って凹字形状の溝が設けられており、その溝にヒータ23が保持されている。
ステー21は例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PPS、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂とセラミック、金属、ガラス等との複合材料等により構成される。本実施形態では液晶ポリマーにより、縦断面桶型形状に形成されたステー21とした。ステー21は長手方向の両端部が定着装置11の不図示の側板対に保持されている。ステー21の加圧ローラ24側の面には、長手方向に沿って凹字形状の溝が設けられており、その溝にヒータ23が保持されている。
(加圧ローラ)
加圧ローラ24は芯金24aと、芯金24aの周囲に設けられた弾性体層24bと、弾性体層24bの周囲に設けられた最外層の離型層24cと、を有する。芯金24aの長手方向の両端部が定着装置11の側板対により保持されて加圧ローラ24は回転自在となっている。本実施形態では、芯金24aはアルミニウムを、弾性体層24bはマイクロバルーンを配合したシリコンゴムを、離型層24cにはPFAチューブを、それぞれ、用いた。加圧ローラ24の外径は20mm、離型層の厚みは30μmとした。そして、定着フィルム22の下方において定着フィルム22と並列に配置された加圧ローラ24は、芯金24aの両端部が加圧バネ等の加圧手段(不図示)によってステー21側に加圧されている。これにより、加圧ローラ24の表面とヒータ23との間に定着フィルム22が挟まれて、記録媒体P上の未定着トナー画像の加熱定着に必要な幅のニップ部Nを形成している。なお、図1のシートパス8bと加圧ローラ24は搬送手段を構成する。
加圧ローラ24は芯金24aと、芯金24aの周囲に設けられた弾性体層24bと、弾性体層24bの周囲に設けられた最外層の離型層24cと、を有する。芯金24aの長手方向の両端部が定着装置11の側板対により保持されて加圧ローラ24は回転自在となっている。本実施形態では、芯金24aはアルミニウムを、弾性体層24bはマイクロバルーンを配合したシリコンゴムを、離型層24cにはPFAチューブを、それぞれ、用いた。加圧ローラ24の外径は20mm、離型層の厚みは30μmとした。そして、定着フィルム22の下方において定着フィルム22と並列に配置された加圧ローラ24は、芯金24aの両端部が加圧バネ等の加圧手段(不図示)によってステー21側に加圧されている。これにより、加圧ローラ24の表面とヒータ23との間に定着フィルム22が挟まれて、記録媒体P上の未定着トナー画像の加熱定着に必要な幅のニップ部Nを形成している。なお、図1のシートパス8bと加圧ローラ24は搬送手段を構成する。
(ヒータの構成)
図3は本発明の実施形態の特徴部分である発熱部材としてのヒータ23の構成を示す図である。図3(a)はヒータ23の表面図、図3(b)は、ヒータ23の裏面図、図3(c)、は図3(a)のヒータ23のK−K’断面と、そのヒータ23に用いられる通電制御回路の一例を表す図である。本実施形態のヒータ23における総抵抗値は20(Ω)とした。
図3は本発明の実施形態の特徴部分である発熱部材としてのヒータ23の構成を示す図である。図3(a)はヒータ23の表面図、図3(b)は、ヒータ23の裏面図、図3(c)、は図3(a)のヒータ23のK−K’断面と、そのヒータ23に用いられる通電制御回路の一例を表す図である。本実施形態のヒータ23における総抵抗値は20(Ω)とした。
これらの図に示すように、ヒータ23は、長尺形状であり、長手方向に細長い耐熱性・絶縁性・良熱伝導性の基板27の一面(ニップ部N側の面)に発熱抵抗体26を有している。また、発熱抵抗体26の短手方向の両端部(端部)の全域に接触するように、発熱抵抗体26の長手方向に沿って電極29c(第1の電極)、電極30c(第2の電極)が設けられている。電極29c及び電極30cの中心部29d、30d(中央部)から導電部29b(第1の導電部)、導電部30b(第2の導電部)を介して電極29c及び電極30cに電力を供給するための給電部29a(第1の給電部)、給電部30a(第2の給電部)に接続されている。導電部29bは、電極29cに平行な(沿った)部分を有しており、電極29cが設けられている側の基板27上に設けられている。導電部30bは、電極30cに平行な(沿った)部分を有しており、電極30cが設けられている側の基板27上に設けられている。
また、発熱抵抗体26、電極29c、電極30c、導電部29b、30b、給電部29a、30aは、耐熱性のオーバーコート層28によってコートされている。
発熱抵抗体26は、電極29c、30c間に正の抵抗温度特性を持っている。
基板27は、例えば、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミック材料が用いられる。本実施例ではアルミナ基板としている。短手方向における幅7mm,長手方向における長さ270mm、厚さ1mmの基板を使用している。電極29c、30c、導電部29b、30b、及び給電部29a、30aは、銀のスクリーンパターンを用いた。オーバーコート層28は、発熱抵抗体26及び電極の電気的な絶縁性とヒータ23の表面と定着フィルム22の内周面と間の摺動性とを確保することが主な目的である。
ヒータ23はステー21の溝内に基板27が基板表面をニップ部Nに向けて固定される。これによりヒータ23のオーバーコート層28を定着フィルム22の内周面に接触させている。オーバーコート層28は、発熱抵抗体26と、電極29c、30c、導電部29b、30b、及び給電部29a、30aとを覆うようにして基板27の表面に設けられている。本実施形態ではオーバーコート層28として厚さ60μmの耐熱性ガラス層を用いた。図3(a)においては電極29c、30c、導電部29b、30b、給電部29a、30a、及び発熱抵抗体26の関係を容易に理解できるようにするためにオーバーコート層28は省略してある。なお、本発明は上記のような材料を用いたもののみに限定されるものでない。
発熱抵抗体26は分割されており、基板27の短手方向において導電部29b、30bが設けられていない側の発熱抵抗体26の部分の抵抗温度特性が、導電部29b、30bが設けられている側の発熱抵抗体26の部分の抵抗温度特性よりも大きくなるように構成されている。
本実施形態では、導電部29b、30bは、長手方向の中心軸から一端部(図3(a)において左)側と他端部(図3(a)において右)側で、短手方向の一端部(図3(a)において上)側の導電部29bと他端部(図3(a)において下)側の導電部30bのそれぞれに設けられている。発熱抵抗体26は、発熱抵抗体部分26a(第1の領域)、発熱抵抗体部分26a´(第2の領域)、発熱抵抗体部分26b(第4の領域)、発熱抵抗体部分26b´(第3の領域)の4つに分割されている。発熱抵抗体部分26a、と発熱抵抗体部分26a´とは、第1の発熱抵抗体部分を構成し、発熱抵抗体部分26bと発熱抵抗体部分26b´とは、第2の発熱抵抗体部分を構成する。
発熱抵抗体部分26aは、長手方向の中央部から一端部側の範囲の導電部29bに近い部分に位置する。発熱抵抗体部分26a´は、長手方向の中央部から他端部側の範囲の導電部30bに近い部分に位置する。発熱抵抗体部分26bは、長手方向の中央部から他端部側の範囲の導電部30bから遠い部分に位置する。発熱抵抗体部分26b´は、長手方向の中央部から一端部側の範囲の導電部29bから遠い部分に位置する。
そして、導電部29b、30bが設けられていない側の発熱抵抗体部分26b、26b´の抵抗温度特性を2500ppm/℃とし、導電部29b、30bが設けられている側の発熱抵抗体部分26a、26a´の抵抗温度特性を1500ppm/℃としている。ここで、抵抗温度特性とは、温度変化に応じての抵抗変化量を示す値(温度変化に対する抵抗値の増加率)である。
例えば、18Ωで抵抗温度特性が1000ppm/℃の抵抗体であると、抵抗体の温度が50℃変化すると、抵抗値は18[Ω]×50[℃]×(1000×10−6)[/℃]=0.9[Ω]となり、0.9Ω変化する。
なお、本実施形態では発熱抵抗体26の長手方向全域の長さを220mmとし、短手方向における幅を3.5mmとしている。そして、発熱抵抗体部分26a、26a´、26b、26b´は、それぞれ長手方向の長さを110mmとし、短手方向における幅を1.75mmとしていて、全て同じ寸法としている。
また、導電部29b、30bから電極29c、30cへの入力接点は発熱抵抗体26の長手方向における電極29c、30cの中心部29d、30dに設けられている。中心部29d、30dは、記録媒体Pが必ず通過する最小サイズ通紙域内に位置している。また、基板27の長手方向における一端側と他端のそれぞれに電極29c、30cに給電するための給電部29a、30aが設けられている。
本実施形態では上述したように、導電部29b、30bが設けられていない側の発熱抵抗体部分26b、26b´の抵抗温度特性を2500ppm/℃とし、導電部29b、30bの設けられている側の発熱抵抗体部分26a、26a´の抵抗温度特性を1500ppm/℃としている。すなわち、短手方向において、導電部29b、30bが設けられてない側の発熱抵抗体による発熱量を、導電部29b、30bが設けられている側の発熱抵抗体による発熱量よりも大きくすることで、短手方向の温度分布の均一化を図っている。
このとき、発熱抵抗体部分26aの抵抗温度特性1500ppm/℃と、発熱抵抗体部分26b´の抵抗温度特性2500ppm/℃の平均値は(1500+2500)/2=2000ppm/℃である。一方、発熱抵抗体部分26a´の抵抗温度特性1500ppm/℃と、発熱抵抗体部分26bの領域の抵抗温度特性2500ppm/℃の平均値も(1500+2500)/2=2000ppm/℃である。すなわち、ヒータ23の長手方向の中心より一端側と中心より他端側の抵抗温度特性の平均値を同等としている。このようにすることで長手方向における発熱量を一端側と他端側で同等にし、長手温度分布を均一にしている。なお、本実施形態では抵抗温度特性の値を1500ppm/℃と2500ppm/℃にしているが、この値に限定されるものではない。
(本実施形態のヒータと従来のヒータとの比較)
発熱抵抗体の抵抗温度特性が2000ppm/℃であり、図13に示す従来の構成のヒータと本実施得形態のヒータ23とを温度分布について比較する。
発熱抵抗体の抵抗温度特性が2000ppm/℃であり、図13に示す従来の構成のヒータと本実施得形態のヒータ23とを温度分布について比較する。
実験条件として、本実施形態(図3)、従来例(図13)のそれぞれのヒータの給電部に電力600Wを印加して、5秒後の短手方向の温度分布の比較をした。
図4は、この比較実験の結果を示す図である。
図4に示すように、ヒータ基板面側に温度検知部材を当接し、ヒータ温度が200℃になるように温調制御している。
従来構成では短手方向において導電部が設けられている側は導電部の発熱によって温度が高くなる。導電部が設けられていない側は基板しか無いため、発熱部が存在せず温度が降下する。そのため、短手方向において、導電部がある側の端部の温度は195℃であるが、導電部が無い側の端部の温度は175℃となり、短手方向において20℃の温度差が生まれている。
一方、本実施形態の構成では、導電部が設けられていない側の発熱抵抗体部分26b,26b´の抵抗温度特性を2500ppm/℃としている。このため、導電部が設けられていない側の発熱量が大きくなり、短手方向における導電部が無い側の発熱抵抗体部分26b、26b´の温度を上昇させている。この温度上昇によって、ヒータ23の短手方向の導電部が無い側の温度を発熱抵抗体部分26b、26b´から熱を伝えることで短手方向の温度分布の温度差を軽減している。このため、図4に示すように短手方向の導電部が無い側端部と導電部がある側端部の温度差は0℃まで軽減させることができた。
図5は、このときの本実施形態におけるヒータ内の電力分布を示す図である。図6は、従来構成におけるヒータ内の電力分布を示す図である。
まず、図6の従来構成においては発熱抵抗体の上流側の電力値と下流側の電力値が長手方向全域で1区分ごとに37Wである。しかし、導電部も僅かな抵抗値を持っているので、電力が消費される。導電部では1区分で4Wに相当する熱が発生する。すなわち、上流側において、長手方向の1区分で、導電部がある側の電力量は発熱抵抗体による発熱と導電部による発熱によって37W+4W=41Wであり、導電部が無い側の電力量は発熱抵抗体による発熱のみで37Wとなっている。一方、下流側において、長手方向の1区分での導電部がある側の電力量は発熱抵抗体による発熱と導電部による発熱によって37W+4W=41Wであり、導電部が無い側の電力量は発熱抵抗体による発熱のみで37Wとなっている。このため、上流側と下流側で1区分の電力量が37Wと41Wの差が生まれ、図4の従来構成のグラフに示したような導電部の温度が高くなるような温度分布となる。
一方、図5の本実施形態における構成では、短手方向における導電部が設けられていない側の発熱抵抗体の発熱抵抗体部分の抵抗温度特性を大きくしてある。このため、ヒータ23に通電が行われてヒータ23の温度が上がったときの抵抗値を大きくすることで電力値を大きくし、導電部が設けられている側の発熱抵抗体の部分よりも発熱量を大きくしている。導電部が設けられていない側の発熱抵抗体の1区分の電力量は35Wである。 そして、導電部が設けられている側の発熱抵抗体の1区分の電力量は39Wである。そして、従来構成と同様に導電部では1区分で4Wの発熱が発生する。すなわち、上流側において、長手方向の1区分での、導電部がある側の電力量は、発熱抵抗体26による発熱と導電部による発熱によって35W+4W=39Wであり、導電部が無い側の電力量は発熱抵抗体による発熱のみで39Wとなっている。また、下流側において、長手方向の1区分で、導電部がある側の電力量は発熱抵抗体26による発熱と導電部による発熱によって35W+4W=39Wであり、導電部が無い側の電力量は発熱抵抗体26による発熱のみで39Wとなっている。そのため、上流側と下流側で1区分の電力量が39Wと39Wで同等の発熱量を得ることができて、図4の本実施形態のグラフに示すような導電部がある側と導電部が無い側の温度が同等である温度分布となる。つまり、本実施形態によってヒータ23の短手方向の温度分布を均一化することができて、高熱伝導部材を設けることなく、安全性の高いヒータの提供が可能となる。
さらに、安全性を確認するための比較実験として、本実施形態におけるヒータ23(図3)と従来構成のヒータ(図13)を図2に示す定着装置に設置した。この状態で1000Wの電力を印加して、ヒータが割れるまでの時間と安全装置のサーモスイッチが作動するまでの時間を測定した。このとき、ヒータの発熱抵抗体の面とは反対面の図3で示す位置に安全装置としてのサーモスイッチ31を設けている。サーモスイッチ31は、図示を省略するが、内部にバイメタルが設けられ、このバイメタルはアルミニウムのキャップ部材によって覆われている。そして、ヒータの基板の裏面にキャップ部材が接触することで、ヒータ温度をキャップ部材を介してバイメタルまで伝えている。この構成により、ヒータが異常昇温したときにヒータ温度がバイメタルまで伝わり、臨界温度に達するとバイメタルが変形し、ヒータへの通電を遮断する構成になっている。本比較実験では臨界温度270℃のサーモスイッチ31を使用している。また、図2ではヒータ基板に温度検知部材25が当接しているが、本比較実験ではソフト制御の故障によるヒータの暴走を加味した実験であるから、温度検知部材25による温調制御は実施していない。
図7は、ヒータ割れ時間の比較実験の結果を示す図である。
同図に示すように、従来構成では1000Wの電力を印加して5s後にヒータ割れが発生してしまった。そして、サーモスイッチ31が作動した時間は8sであった。サーモスイッチ31は、ヒータ実温度が270℃に到達したら、すぐに作動するわけではなく、ヒータの温度がサーモスイッチ内のバイメタルに伝わるまでの時間もかかってしまうので、作動までの時間には時間差が生じてしまう。この結果からも、従来構成のヒータであると安全装置で通電遮断をする前にヒータ割れが発生してしまうために安全面の上で不十分である。
一方、本実施形態ではヒータ23内の短手方向の温度分布を均一にすることで、1000Wの電力を印加してもヒータ割れは発生しなかった。これは、ヒータ割れが発生する前に、安全装置のサーモスイッチ31を作動させることができ、ヒータ割れに至るまでの温度にヒータが到達する前に、ヒータへの通電の遮断が可能となるからである。
図8は、本実施形態の構成のヒータと従来構成のヒータの発熱抵抗体面の拡大図である。図8(a)は、本実施形態のヒータ23を示し、図8(b)は、従来構成のヒータを示している。なお、図8(b)において、図8(a)と同様の部分には、同一の符号を付してある。また、図8(a)に示す部分において、本実施形態のヒータ23の発熱抵抗体26は、ヒータ23の短手方向に抵抗温度特性が異なる2つの発熱抵抗体部分26a、26bを有している。しかし、図8(b)に示す従来構成のヒータでは、同一の発熱抵抗体260によって構成されている。
図9は、さらに、ヒータに電力が印加されて、ヒータ割れ時間の比較実験のときの、温度上昇をしているヒータにかかる応力を表した図である。図9(a)は、本実施形態の場合を示し、図9(b)は、従来構成の場合を示している。なお、図中の矢印は、1000Wの電力が印加されてから4.9s後のヒータにかかる応力を示している。
同図において、ヒータの基板は温度上昇に伴って熱膨張する。しかし、ヒータは定着装置に設置されており、ステーにより固定されているため、膨張しようとしても、ステーに抑えられてしまう。つまり、ステーによる圧縮方向の外力を受けることで、ヒータは図9の矢印で示されているような引っ張る方向の応力が発生する。さらに、ヒータ基板上の中でも、発熱抵抗体面上、導電部上、基板上で発生するそれぞれの応力は、発熱の度合いによって熱膨張量が異なってくるため、大きさが異なってくる。
従来構成では導電部上の応力を応力305、発熱体上の応力を応力306、基板上の応力を応力307としている。
図10は、図9に示す応力の大きさの関係を示す図である。図10(a)は、本実施形態の場合を示し、図10(b)は、従来の構成の場合を示している。
図9に示す実験の場合、絶対温度は違うが、図21に示す従来構成では、図4に示すように、短手方向の導電部がある側の温度が20℃高いような短手温度分布となるので、各応力の大小関係は図10(b)の式に示すような関係になっている。このように、ヒータの短手方向における上流側端部の応力305と、下流側端部の応力307の大小関係が応力305>応力307の関係となる。このため、下流側から上流側への方向の力が発生し、図9に示す亀裂90が発生し、1000W印加の5s後に割れに至る。
一方、本実施形態の構成では導電部上の応力を応力301、発熱抵抗体上の上流側の発熱抵抗体上の応力を応力302、下流側の発熱抵抗体上の応力を応力303、基板上の応力を応力304としている。このとき、絶対温度は違うが、図21に示す従来構成では、図4に示すように、短手方向の導電部がある側と導電部が無い側の温度差は0℃と均一な短手温度分布となる。このため、各応力の大小関係は図10(a)に示す式の関係になっている。
このように、ヒータの短手方向における上流側端部の応力301と、下流側端部の応力304の大小関係は応力301=応力304の関係となるため、下流側から上流側への方向の大きな力は発生しない。そのため、1000W印加してヒータ温度が上昇しても、安全装置が作動するまでの間は、ヒータ割れに至るような応力は発生せずに、ヒータ割れの防止が可能となる。
図11は、本実施形態の構成においてヒータ割れ時間比較実験と基本的に同じ実験系で、安全装置のサーモスイッチのみ取り除いた場合と従来構成の場合とで、ヒータへ1000Wの印加を行ったときのヒータ割れ時間の比較実験の結果を示す図である。
図11の表に示すように、本実施形態においては、サーモスイッチのみ取り除いた場合、印加後10sでヒータ割れが発生する。これは、本実施形態の構成において発熱抵抗体上の上流側の発熱抵抗体上の応力302、下流側の発熱抵抗体上の応力303には応力303>応力302の関係があるからである。このため、上流側から下流側への方向の力が発生し、図9に示す亀裂91が発生する可能性がある。
しかし、上流側の発熱抵抗体部分26a上と、下流側の発熱抵抗体部分26b上の温度差は、図4をみると約6℃程度である。すなわち、短手方向の6℃の温度差による短手方向の上流側から下流側への方向の力は、従来構成における短手方向の20℃の温度差による下流側から上流側への方向の力よりも小さい応力となる。この応力差により、図11に示したように割れ発生までの時間は、従来構成の5sと本実施形態の10sと5sの割れ発生までの時間差が生まれている。安全装置を取り外すと、本実施形態では10s後に割れ発生まで至るが、安全装置を設置すると、ヒータ割れを防止することができるので、安全面では十分な構成である。
また、安全装置動作とヒータ割れ発生時間までに2sの猶予があるので、少し応答性の悪い安価な安全装置の採用によるコストダウン対応も可能となる。さらに、安全装置動作温度が高い安全装置の採用により、温調温度の高温設定に対応でき、定着装置の高速化対応も可能となる。
(温度検知素子/安全装置)
ヒータ23は基板27の裏面(ニップ部Nと反対側の面)にヒータ23の温度を検知する温度検知部材25を有する。本実施形態では温度検知部材25としてヒータ23の裏側に接触当接されたサーミスタを用いている。このサーミスタは、例えば支持体(不図示)上に断熱層を設け、その断熱層の上にチップサーミスタの素子を固定させて、その素子を基板27の裏面に所定の加圧力により加圧して支持体を基板27の裏面に当接させるような構成をとる。
ヒータ23は基板27の裏面(ニップ部Nと反対側の面)にヒータ23の温度を検知する温度検知部材25を有する。本実施形態では温度検知部材25としてヒータ23の裏側に接触当接されたサーミスタを用いている。このサーミスタは、例えば支持体(不図示)上に断熱層を設け、その断熱層の上にチップサーミスタの素子を固定させて、その素子を基板27の裏面に所定の加圧力により加圧して支持体を基板27の裏面に当接させるような構成をとる。
本実施形態ではサーミスタは発熱抵抗体26の長手方向に2ヶ所設置されており、そのうちの片方のサーミスタ25aは発熱抵抗体26の長手方向における記録媒体Pが必ず通過する最小サイズ通紙域内に設けられている。もう片方のサーミスタ25bは発熱抵抗体26の長手方向におけるB5サイズ記録媒体をR方向で通紙したときに非通紙域にあたる部分に設置している。この配置形式により、通紙域の温度をサーミスタ25aにより制御して、小サイズ通紙時の非通紙域の温度をサーミスタ25bにより制御する。つまり、通紙域の温度制御をサーミスタ25aにより行い、小サイズ連続通紙時の非通紙域の異常昇温が発生しないようにサーミスタ25bによりスループット制御を行っている。
本実施形態におけるヒータ23においては非通紙域の昇温を抑制できる構成となっているので、スループット制御に入る可能性はきわめて低いが、はがき等の極端な小サイズの連続通紙においては端部昇温が発生してしまう可能性もあるので、このようなスループット制御を搭載している。
また、ヒータ23は基板27の裏面(ニップ部Nと反対側の面)に安全装置を有しており、ヒータの異常昇温発生時に通電を遮断させるために設けられたものである。本実施形態では安全装置としてサーモスイッチ31を使用している。サーモスイッチ31は、内部にバイメタルが設けられ、このバイメタルをアルミニウムのキャップ部材が覆っている構成である。そして、ヒータ23の基板27の裏面にキャップ部材が接触することで、ヒータ温度をキャップ部材を介してバイメタルまで伝えている。
この構成により、ヒータ23が異常昇温したときにヒータ23の温度がバイメタルまで伝わり、臨界温度に達するとバイメタルが変形し、ヒータ23への通電を遮断する構成になっている。本実施形態では安全装置としてサーモスイッチ31を用いているが、温度ヒューズ等の安全装置でも構わない。
なお、このサーモスイッチ31の配置はサーミスタ25aとヒータ23の発熱抵抗体26の長手長さにおける中央を軸に対称となる位置に設置している。これにより、ヒータ23の長手方向における電圧降下を考慮したとしても、サーモスイッチ31が検知する温度はサーミスタ25aが制御している温度と同等の値になる。このため、ヒータ23の温度を正確に検知することが可能となり、ヒータの異常昇温をより正確に検知ができる。
図12は、サーモスイッチ31の配置位置の他の例を示す図である。図12(a)は、ヒータ23の表面図、図12(b)はヒータ23の裏面図である。
これらの図に示すように、サーモスイッチ31を発熱抵抗体26における長手長さの中央部にサーモスイッチ31の中心位置がくるように設置している。この構成により、ヒータ23の長手方向における最大温度箇所と同等の位置へのサーモスイッチ31の当接が可能になる。すなわち、安全性の面では図12のようなサーモスイッチ31をヒータ23の長手方向における中心に設置する構成が最適な構成である。
(定着装置の加熱定着動作)
図4に示す定着装置11の加圧ローラ24の芯金24aの端部に設けられた駆動ギア(不図示)が定着モータ(不図示)によって矢印方向に回転駆動されることにより、加圧ローラ24が矢印方向に回転する。この加圧ローラ24の回転により、ニップ部Nにおいて加圧ローラ24の表面と定着フィルム22の表面との摩擦力により定着フィルム22に回転力が作用し、定着フィルム22が従動回転する。このとき、定着フィルム22の内側においてヒータ23の表面に密着して摺動しながらステー21の外回りを矢印方向に加圧ローラ24の回転速度と同じ速度で従動回転することでヒータ23の熱を定着フィルム22を介してニップ部N内の記録媒体にPに伝える。
図4に示す定着装置11の加圧ローラ24の芯金24aの端部に設けられた駆動ギア(不図示)が定着モータ(不図示)によって矢印方向に回転駆動されることにより、加圧ローラ24が矢印方向に回転する。この加圧ローラ24の回転により、ニップ部Nにおいて加圧ローラ24の表面と定着フィルム22の表面との摩擦力により定着フィルム22に回転力が作用し、定着フィルム22が従動回転する。このとき、定着フィルム22の内側においてヒータ23の表面に密着して摺動しながらステー21の外回りを矢印方向に加圧ローラ24の回転速度と同じ速度で従動回転することでヒータ23の熱を定着フィルム22を介してニップ部N内の記録媒体にPに伝える。
図3(c)に示すように、ヒータ23の通電制御経路を示す。印字動作の信号を受けるとヒータ23への通電が開始されて、制御手段としての制御部41は通電制御手段としてのトライアック42をオンにする。これにより、交流電源43から温度検知型安全装置としてのサーモスイッチ31を介してヒータ23の給電部29a、30aに通電される。ヒータ23は給電部29a、30aから導電部29b、30bを介して電極29c、30cに通電されることで発熱抵抗体26の全域が発熱し、昇温する。この昇温に応じて加熱される基板27の温度をサーミスタ25aが検知し、目標温度に基板27の温度が到達するまで通電を続け、その間、制御部41はサーミスタ25aの出力(検知温度)をA/D変換して取り込む。目標温度に到達すると、サーミスタ25aからの出力信号に基づいて、トライアック42によりヒータ23に通電する電力を位相制御あるいは波数制御等により制御して、ヒータ23の温度制御を行う。
すなわち、制御部41はサーミスタ25aの検知温度が所定の設定温度より低い場合にはヒータ23を昇温させて、設定温度よりも高い場合にはヒータ23を降温させるようにトライアック42を制御することで、ヒータ23を設定温度に保っている。
ヒータ23の温度が設定温度に立ち上がり、かつ加圧ローラ24の回転による定着フィルム22の回転周速度が定常化した状態において、ニップ部Nに記録媒体Pが導入される。そして、記録媒体Pが定着フィルム22と一緒にニップ部Nでヒータ23の基板27の長手方向と直交する短手方向に挟持搬送される。これにより、ヒータ23の熱が定着フィルム22を介して記録媒体Pに付与されて、記録媒体P上の未定着トナー画像tが記録媒体Pに加熱定着される。ニップ部Nを出た記録媒体Pは定着フィルム22表面から分離されて搬送される。これらの印字動作が終了すると、トライアック42はオフにされてヒータ23への通電が終了する。
P…記録媒体
t…未定着トナー画像
11…定着装置
26…発熱抵抗体
26a、26b、26a´、26b´…発熱抵抗体部分
27…基板
29a、30a…給電部
29b、30b…導電部
29c、30c…電極
29d、30d…中心部
100…画像形成装置
t…未定着トナー画像
11…定着装置
26…発熱抵抗体
26a、26b、26a´、26b´…発熱抵抗体部分
27…基板
29a、30a…給電部
29b、30b…導電部
29c、30c…電極
29d、30d…中心部
100…画像形成装置
Claims (12)
- 発熱抵抗体と、
前記発熱抵抗体に電力を供給する給電部と、
前記給電部と前記発熱抵抗体とを接続する導電部と、
を有し、
前記発熱抵抗体は、第1の領域の前記給電部からの給電に対する発熱量が前記第1の領域より前記発熱抵抗体の短手方向における前記導電部からの距離が遠い第2の領域の前記給電部からの給電に対する発熱量より小さくなるように構成されていることを特徴とする発熱ユニット。 - 前記導電部は、前記発熱抵抗体に沿って設けられることを特徴とする請求項1記載の発熱ユニット。
- 前記導電部は、前記発熱抵抗体の長手方向に沿って設けられることを特徴とする請求項1記載の発熱ユニット。
- 前記発熱抵抗体は、長尺形状に構成され、
前記導電部は、前記発熱抵抗体の長手方向に沿って設けられることを特徴とする請求項1記載の発熱ユニット。 - 前記導電部は、前記長尺形状の発熱抵抗体の短手方向の一方の側に設けられることを特徴とする請求項4記載の発熱ユニット。
- 前記発熱抵抗体の前記第1の領域の発熱特性は、前記第2の領域とは異なる発熱特性を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の発熱ユニット。
- 前記発熱抵抗体の前記第1の領域の温度上昇に対する抵抗値の増加率は、前記第2の領域の温度上昇に対する抵抗値の増加率より小さいことを特徴とする請求項6記載の発熱ユニット。
- 前記発熱抵抗体の長手方向の一端側に設けられる第1の給電部と、
前記発熱抵抗体の長手方向の他端側に設けられる第2の給電部と、
を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の発熱ユニット。 - 前記導電部は、前記発熱抵抗体の長手方向の中央に接続していることを特徴とする請求項7に記載の発熱ユニット。
- 前記発熱抵抗体の長手方向の各部において、前記発熱抵抗体の短手方向における前記抵抗値の増加率の平均値が等しいことを特徴とする請求項9に記載の発熱ユニット
- 請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の発熱部材と、
前記発熱部材の前記短手方向に記録媒体を搬送する搬送手段と
を具備し、
前記発熱部材からの熱により前記記録媒体上の未定着の画像を前記記録媒体に定着することを特徴とする定着装置。 - 記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって形成された画像を熱によって前記記録媒体に定着する請求項11に記載の定着装置と、
を具備することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017128877A JP2019012640A (ja) | 2017-06-30 | 2017-06-30 | 発熱ユニット、定着装置及び画像形成装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2019012640A true JP2019012640A (ja) | 2019-01-24 |
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ID=65227434
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017128877A Pending JP2019012640A (ja) | 2017-06-30 | 2017-06-30 | 発熱ユニット、定着装置及び画像形成装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019012640A (ja) |
-
2017
- 2017-06-30 JP JP2017128877A patent/JP2019012640A/ja active Pending
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