JP2015040276A - 生分解性ポリマーと粘土鉱物とを複合してなるヒドロゲル化剤 - Google Patents

生分解性ポリマーと粘土鉱物とを複合してなるヒドロゲル化剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、従来の温度応答性ゾル‐ゲル転移ポリマーにおける問題を克服し、低濃度条件で温度応答性ゾル‐ゲル転移を示し、さらにゲル状態でタンパク質内包・徐放性、細胞内包性、細胞接着性を特徴とする材料を提供することにある。
【解決手段】水溶性かつ生分解性を有する温度応答性ポリマーの水溶液と、ナノシート構造を有する粘土鉱物の水溶液とを混合し、複合材料を得る。温度応答性ポリマーは、疎水性ブロックAと親水性ブロックBとを有するABA型トリブロック共重合体であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゲル状態でタンパク質内包・徐放性、細胞内包性、細胞接着性を持ち、温度応答性ゾル‐ゲル転移を示す生分解性ポリマーと粘土鉱物との複合組成物に関わる。
温度、pH、および化学物質の濃度の変化に応答性を有する刺激応答性ポリマーの物理化学的応答や材料化に着目した研究がこれまでに数多く実施されてきた。特に、温度変化に応答して水溶液の状態(ゾル)からヒドロゲルへと転移する挙動(以下、「ゾル‐ゲル転移」と表記)を示すポリマーは、薬物担体などの医療用材料として広く研究されてきた。外部からの添加物なしに、留置されたその場で(in situ)ゾルからゲルへの変化が可能なこれらのポリマーは、体内への注射投与が可能な医療用材料として用いることができる。投与の際および投与後において、外科的処置の必要が無く、生体内において低侵襲的に任意の形状や大きさ(数mm〜数cm)のインプラントを形成できるという利点を有する。つまり、生理(薬理)活性物質(核酸医薬、タンパク質・ペプチド医薬などの高分子医薬および抗がん剤などの低分子医薬)とポリマー溶液を体内に注射することで容易に生理(薬理)活性物質を内部に取込んだゲルが作製でき、それをリザーバーとした生理(薬理)活性物質の徐放が可能である。また、適した細胞をポリマー溶液に懸濁させたものを体内に注射することで、容易に細胞を内部に取込んだゲルが作製できる。
このように、温度に応答してin situでゲル化する材料は、注射によって生体内に埋植可能な埋め込み型ドラッグデリバリーシステム用マテリアルや細胞の三次元増殖用スキャホールドとして注目を集めている。理想的な注射可能な系として機能するため、ポリマーの水溶液は注射可能な程度の低い粘性を示し、そして生理条件下(37℃付近)で迅速にゲル化する必要がある。医用材料として考慮する場合、ポリマーの生体適合性および安全性も重要な問題である。このため、その材料は生分解性で代謝可能あるいは毒性を発現することなく体外へ排泄される程度の分子量にまで分解される必要がある。また、その分解中、含水性に富んだヒドロゲルの性質を保持することにより、生体組織の刺激を誘起しないようでなければならない。
近年、Leeらはin situで温度変化に応答してゲル化する生分解性のポリ(DL‐ラクチド‐random‐グリコリド)‐block‐ポリ(エチレングリコール)‐block‐ポリ(DL‐ラクチド‐random‐グリコリド): (PLGA‐PEG‐PLGA)トリブロック共重合体を報告している(非特許文献1)。
一方、有機ポリマーと無機化合物とを複合してなるヒドロゲルが開発されている。例えば、特許文献1は、分岐型PEG鎖が化学架橋された網目構造体と粘土鉱物とが複合化したヒドロゲルにタンパク質の内包が可能であることを報告している。また、特許文献2は、N-置換アクリルアミド誘導体、N,N-ジ置換アクリルアミド誘導体、N-置換メタクリルアミド誘導体、N,N-ジ置換メタクリルアミド誘導体のいずれかをモノマーとする重合体と水膨潤性粘土鉱物とから構成される非生分解性ヒドロゲルを用いた細胞培養基材および細胞培養、回収方法について報告している。さらに特許文献3では、ポリ(メトキシエチルアクリレート)とポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)と粘土鉱物とからなる温度応答性のヒドロゲルおよびその細胞培養への応用が開示されている。
特開2012−24050号公報 特開2005−110604号公報 特開2011−72297号公報
Lee et al., Macromol. Rapid Commun., 22, 587-592 (2001)
非特許文献1のポリマーの水溶液が室温と体温の間で温度応答性のゾル-ゲル転移を示すためには、濃度を15重量%以上に調整する必要がある。そのため溶液の粘性は高くなり、注射器による扱いは困難となる。また、PLGA‐PEG‐PLGAは両親媒性ポリマーであるため界面活性能を有しており、これらポリマーと内包するタンパク質医薬や生体内投与部位のタンパク質との疎水性相互作用により、これらタンパク質の変性を引き起こすことが指摘されている。また、内包する細胞や投与部位周辺組織に含まれる細胞を破壊する(ネクローシス)原因となることも指摘されている。これらはいずれも、温度応答性ゾル‐ゲル転移を示すために高濃度のポリマーが必要であることを原因とする問題であり、低濃度で温度応答性ゾル‐ゲル転移を示すポリマーシステムが開発できれば、解決可能であると考えられる。このように、様々な様態の温度応答性ゲル化ポリマーが開発されているが、低濃度でのゾル‐ゲル転移、ゾル状態での低粘性、生体適合性、生分解性を併せ持つ材料はいまだに得られていない。
そして特許文献1の場合、PEG鎖末端のアミノ基とほかのPEG鎖末端の活性化エステルとの化学反応をゲル形成に利用しているため、ゲル形成反応時に共存させているタンパク質とPEG鎖末端反応性官能基との化学反応が起こり、一部のタンパク質で機能欠損が指摘されている。また、このシステムは温度応答性ゾル‐ゲル転移特性を有していない。また特許文献2のヒドロゲルも化学反応の進行と同時にゲル形成が起こる化学架橋型であり、ゲル形成時に細胞を共存させることが困難であるため、ゲルに細胞を内包することはできず、細胞培養はゲル上に限られている。また、このシステムも温度応答性ゾル‐ゲル転移特性を有していない。さらに特許文献3のポリマーは、ポリマー濃度が10〜30重量%の高濃度ヒドロゲルであり、実際の細胞の内包は報告されていない。
このように、有機ポリマーと無機化合物とを複合してなるヒドロゲルの研究にも進歩は見られるものの、低濃度でのゾル‐ゲル転移、ゾル状態での低粘性、生体適合性、生分解性を併せ持つ材料はいまだに得られていない。
本発明の課題は、上記の従来の温度応答性ゾル‐ゲル転移ポリマーにおける問題を克服し、低濃度条件で温度応答性ゾル‐ゲル転移を示し、さらにゲル状態でタンパク質内包・徐放性、細胞内包性、細胞接着性を特徴とする、複合材料を提供することにある。
本発明者は、上記の従来の温度応答性ゾル‐ゲル転移ポリマーの問題を解決するため鋭意検討を行った結果、生分解性の温度応答性ポリマー水溶液と粘土鉱物水溶液とを混合すると、従来よりも低いポリマー濃度で温度に応答し、in situでゲルを形成し得ることを見出した。かかる知見に基づき、さらにこれを発展させて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を提供する。
[1] 水溶性かつ生分解性を有する温度応答性ポリマーと、ナノシート構造を有する粘土鉱物とを含む、薬物または細胞の送達用の温度応答性複合材料。
[2] 温度応答性ポリマーが、疎水性ブロックAと親水性ブロックBとを有するABA型トリブロック共重合体である、[1]に記載の温度応答性複合材料。
[3] 疎水性ブロックAが生分解性脂肪族ポリエステル、親水性ブロックBがポリエーテルである、[2]に記載の温度応答性複合材料。
[4] 疎水性ブロックAが、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D−ラクチド)、ポリ(DL−ラクチド)、ポリグリコリド、ポリ(L−ラクチド‐random‐グリコリド)、ポリ(D−ラクチド‐random‐グリコリド)、およびポリ(DL−ラクチド‐random‐グリコリド)からなる群より選択されるいずれか一つである、[2]に記載の温度応答性複合材料。
[5] 疎水性ブロックAがポリ(DL−ラクチド‐random‐グリコリド)であり、親水性ブロックBがポリエチレングリコールである、[4]に記載の温度応答性複合材料。
[6] 粘土鉱物が合成ヘクトライトである、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の温度応答性複合材料。
[7] 水溶性かつ生分解性を有する温度応答性ポリマーの水溶液と、ナノシート構造を有する粘土鉱物の水溶液とを混合してなる、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の温度応答性複合材料。
[8] [1]〜[7]のいずれか一つに記載の温度応答性複合材料と、薬物または細胞とを含む、薬物または細胞の送達のための製剤。
[9] 薬物を含み、薬物がタンパク質であるか、または細胞を含み、細胞が幹細胞である、[8]に記載の製剤。
[10] 注射剤である、[8]または[9]に記載の製剤。
[11] 水溶性かつ生分解性を有する温度応答性ポリマーとナノシート構造を有する粘土鉱物とを含む、ゲル化剤。
[12] 水溶性かつ生分解性を有する温度応答性ポリマーの水溶液と、ナノシート構造を有する粘土鉱物の水溶液とを混合することにより調製され、細胞培養上有効な温度においてヒドロゲルを形成する複合材料を用いる、細胞接着または細胞分化の制御方法。
本発明の複合材料は、含まれるポリマーが低濃度である場合も温度応答性のゾル‐ゲル転移を為しうる。特に好ましい態様においては、室温と動物の体温との間の温度でゲル化するという特徴を有している。そのため、優れたin situゲル化システムを提供でき、注射投与により、生体内の任意の部位に任意の形状や大きさ(数mm〜数cm)のインプラントを形成することができる。
また、生理(薬理)活性物質等を安定に内包し、それらを体内で放出できるため、注入可能な(インジェクタブル)ドラッグデリバリーシステム(図1)を提供できる。さらに、組織修復および器官再生用の足場として、また、適した生細胞を内包させることにより、注射投与で生体内組織の欠損部位に細胞を移植する細胞デリバリーシステム(図2)等に用いることもできる。
本発明の温度応答性材料を用いたヒドロゲルは、生体外での使用も可能である。また、本発明の複合材料は培養基材の機械的強度と細胞接着および細胞分化との関係を調べるために用いることが期待される。
異常化した組織の正常化もしくは縮小・消失を可能とするインジェクタブルドラッグデリバリーシステムの概念図 損傷組織修復や再生を可能とするインジェクタブル細胞デリバリーシステムの概念図 PLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物との複合体水溶液の温度応答性ゾル−ゲル転移挙動の例 PLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物との複合体水溶液の温度応答性ゾル−ゲル転移挙動の相図 組成が異なるPLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物とを複合してなるヒドロゲルに内包してから5日後のHDF細胞の蛍光顕微鏡写真 (左)PLGA-PEG-PLGA/粘土鉱物(5.0重量%/0.75重量%)複合ゲル内で球状になったHDF細胞、(中)PLGA-PEG-PLGA/粘土鉱物(5.0重量%/1.0重量%)複合ゲル内で接着伸展したHDF細胞、(右)PLGA-PEG-PLGA/粘土鉱物(5.0重量%/1.0重量%)複合ゲル内で三次元組織化したHDF細胞 BSA-FITCを含むPLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物との複合体水溶液の温度応答性ゾル−ゲル転移挙動の例 PLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物とを複合してなるヒドロゲルからのBSA-FITCの放出挙動の例
本発明で「 〜 」で範囲を表すときは、特に記載した場合を除き、両端の値を含む。
本発明において温度応答性とは、溶液が温度変化に応答して溶媒を含み流動性を示さないゲル状態となり、ゾル‐ゲル転移の相分離挙動を示すものを指す。具体的には、ゾル状態の溶液をLCST(下限臨界溶液温度、Lower Critical Solution Temperature)以上の温度に加熱するとゲル状態となる性質をいう。ゾル状態とゲル状態は、試験管傾斜法という公知の方法を用いて判定できる。本発明の複合材料は、4〜80℃で応答するものであることが好ましく、20〜43℃で応答することがより好ましく、25〜37℃で応答することがさらに好ましい。
本発明において生分解性とは、自然環境の中で微生物や酵素によって分解可能であるか、または生体内で非毒性成分に分解されることを意味する。本発明の複合材料に使用される生分解性であるポリマーとしては、両親媒性を有するABA型のトリブロック共重合体(疎水性ブロックAと親水性ブロックBとを有する)であることが好ましい。疎水性ブロックAが脂肪族ポリエステル,親水性ブロックBがポリエーテルであるものことがより好ましい。好ましいABA型トリブロック共重合体として、疎水性Aブロックにはポリ(L-ラクチド)、ポリ(D-ラクチド)、ポリ(DL-ラクチド)、ポリグリコリド、ポリ(L-ラクチド‐random‐グリコリド)、ポリ(D-ラクチド‐random‐グリコリド)、ポリ(DL-ラクチド‐random‐グリコリド)が挙げられ、親水性Bブロックにはポリ(エチレングリコール)およびプルロニックが挙げられる。より好ましくは、疎水性Aブロックがポリ(DL‐ラクチド‐random‐グリコリド)、親水性Bブロックはポリ(エチレングリコール)である。即ち、ABA型トリブロック共重合体としては、ポリ(DL‐ラクチド‐random‐グリコリド)‐block‐ポリ(エチレングリコール)‐block‐ポリ(DL‐ラクチド‐random‐グリコリド)(PLGA-PEG-PLGA)である。PLGA-PEG-PLGAはPEGの両末端水酸基を重合開始点とする、DL‐ラクチドとグリコリドのバルク開環重合により合成される。この方法で、PEGの末端水酸基に対する各モノマーの仕込み比を変化させることにより、種々のユニット重合度を有する共重合体を得ることが可能である。
疎水性ブロックAが、PLGA-PEG-PLGAである場合、PLGAブロックのDL‐ラクチドとグリコリドの組成は、例えばDL‐ラクチド:80〜20モル%、グリコリド:20〜80モル%、好ましくはDL‐ラクチド:80〜40モル%、グリコリド:20〜60モル%、より好ましくはDL‐ラクチド:80〜50モル%、グリコリド:20〜50モル%が挙げられる。
PLGA-PEG-PLGAのPLGAブロックの重量平均分子量は、例えば500〜5000であり、好ましくは500〜3500であり、より好ましくは1000〜2500が挙げられる。水溶性かつ生分解性を有する温度応答性ポリマーであるPLGA-PEG-PLGAは、一般的には、PLGA部分の重合度を高くすると、疎水化度が高まり、より低い温度で温度応答性を示す。短くするとその逆で、より高い温度で応答を示す。当業者であれば、PLGAの重合度の、本発明の複合材料としての温度応答性に及ぼす影響を確認することができ、PLGAの重合度の調整により、所望の温度で応答する複合材料を設計することができるであろう。
PLGA-PEG-PLGAのPEGブロックの重量平均分子量は、例えば500〜10000であり、好ましくは1000〜7000であり、より好ましくは1000〜5000である。
PLGA-PEG-PLGAの分子量分布(Mw/Mn)は、例えば1.0〜3.0であり、好ましくは1.0〜2.0であり、より好ましくは1.0〜1.7である。
本発明の複合材料は、水溶性かつ生分解性を有する温度応答性ポリマーの水溶液と、ナノシート構造を有する粘土鉱物の水溶液とを混合することにより、製造できる。このように製造する場合、温度応答性ポリマーの濃度を比較的小さくすることができる。より具体的には、温度応答性ポリマーの複合体水溶液におけるポリマー濃度は、溶液状態での取り扱い性および粘度の観点からは、例えば0.3〜10重量%とすることができ、0.5〜7.5重量%とすることが好ましく、1.0〜6.0重量%とすることがより好ましく、1.5〜5.5重量%とすることがさらに好ましい。なお、本発明で水溶液というときは、成分を水に溶解したものであってもよく、生理食塩水、等張液、緩衝液などの水性液に溶解したものであってもよい。
粘土鉱物濃度を固定し、ポリマー濃度を高くする場合、粘度鉱物濃度にも依るが、温度応答性(ゲル化温度)は高くなる傾向がある。当業者であれば、ポリマー濃度の、本発明の複合材料としての温度応答性に及ぼす影響を確認することができ、所望の温度で応答する複合材料を設計することができるであろう。
一方、本発明者らの検討によると、細胞を内包させた場合、混合溶液中のポリマー濃度が7重量%の場合には注射器による操作を問題なく行うことができた。すなわち、注射剤として用いるのに適した粘度であった。混合する粘土鉱物濃度が高くなると複合体水溶液の粘性が高くなるが、当業者であれば適宜取扱うことができると考えられる。
本発明の複合材料に使用されるナノシート構造を有する粘土鉱物としては、水膨潤性のスメクタイト、および雲母等の層状珪酸塩が挙げられる。より具体的には、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、雲母、合成雲母等が挙げられる。より好ましい粘土鉱物としては、例えば、合成ヘクトライト(層状珪酸塩、直径約25nm、一層の厚みは約1nm)が挙げられる。粘土鉱物は、市販のものをそのまま使用することもできる。
粘土鉱物の使用量としては、温度応答性ポリマー1重量部に対して、例えば0.01〜5.0重量部とすることができ、好ましくは0.05〜2.0重量部であり、より好ましくは0.1〜1.0重量部である。
あるいは、本発明の複合材料を水溶性かつ生分解性を有する温度応答性ポリマーの水溶液と、ナノシート構造を有する粘土鉱物の水溶液とを混合することにより製造する場合、粘土鉱物の水溶液における粘土鉱物の濃度は、温度応答性ポリマーの量または濃度に応じて適宜とすることができるが、例えば0.5〜2.0重量%とすることができ、0.6〜1.5重量%とすることが好ましく、0.6〜1.0重量%とすることがより好ましい。粘土鉱物濃度が比較的高い複合材料は、ゲル化した際に粘土鉱物を足場として細胞が接着し、伸展するので、細胞とともに用いる場合に特に好ましい。
本発明の生分解性ポリマーと粘土鉱物との複合物である材料は、典型的には、4〜80℃程度の範囲にLCSTが存在し、かかる範囲で容易にLCSTを調節できる。そのため、当該生分解性ポリマーと粘土鉱物とを複合してなるヒドロゲルの応用範囲は極めて広範である。例えばLCSTを25〜35℃の範囲に有する生分解性ポリマーと粘土鉱物との複合材料である場合、水溶液は、室温(10〜25℃程度)と体温(35〜42℃程度)の間にLCSTが存在するので、温度応答性を有する複合材料として有用である。さらに、本発明の材料から形成されるヒドロゲルは、生分解性であり、分解物の細胞毒性がないかまたは極めて低いことから、安全性の面からも優れている。
本発明は、上述の複合材料と薬物または細胞とを含む、薬物または細胞の送達のための製剤も提供する。薬物としては、活性を有する種々の水溶性の有効成分を用いることができる。有効成分の例としては、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、医薬化合物を挙げることができる。薬物を含む製剤は、除法性または持続性であり得る。例えば、薬物を含む本発明の製剤を対象に注射により投与し、体内で適切にゲルが形成された場合、薬効は数時間〜数日間、より具体的には8時間〜1週間継続しうることが期待できる。また、細胞としては、再生医療に重要なさまざまな種類の細胞を用いることができる。 好ましい例の一つは、幹細胞である。本発明で幹細胞というときは、特に記載した場合を除き、自己複製能力を有し、複数の細胞系譜へ分化する能力を有する細胞をいい、これには外胚葉系幹細胞、中胚葉系幹細胞、内胚葉系幹細胞、間葉系幹細胞、造血幹細胞、神経幹細胞、肝幹細胞、筋幹細胞、膵幹細胞、皮膚幹細胞、網膜幹細胞、毛包幹細胞、骨前駆細胞、脂肪前駆細胞、またはES細胞もしくはiPS細胞が含まれる。また、他の好ましい例は、組織の修復・人工的な形成のために有用な分化した細胞であり、具体的には心筋細胞、軟骨細胞、骨細胞、血管内皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞、各種神経細胞、膵島細胞、肝細胞等である。
薬物を内包させた製剤とする場合、大量の薬物をゲル内に担持させるためには、温度応答性ポリマーの濃度を比較的低くすることが有利であると考えられる。このような観点からは、本発明の一態様においては、複合体水溶液中のポリマー濃度は6.0%以下であることが好ましく、4.5%以下であることがより好ましく、3.0%以下であることがさらに好ましいであろう。いずれの場合も、下限値は1.5%以上であることが好ましい。
一方、細胞を内包させた製剤とする場合、細胞が接着する場を確保するためには、ある程度の量のポリマーを用いることが有利であると考えられる。このような観点からは、本発明の一態様においては、複合体水溶液中のポリマー濃度は3.0%以上であることが好ましく、4.0%以上であることがより好ましく、5.0%以上であることがさらに好ましいであろう。いずれの場合であっても、上限値は10.0%以下であることが好ましい。
本発明の製剤においては、含まれる薬物または細胞の量または濃度は、当業者であれば適宜設計できる。薬物を用いる場合の内包率(薬物の重量/(生分解性ポリマーの重量+粘土鉱物の重量)×100)は、例えば0.01〜130%とすることができ、0.1〜80%とすることがより好ましく、1〜30%とすることがより好ましい。細胞を用いる場合の製剤中での濃度は、体内でゲル化した場合の細胞密度を考慮して、例えば0.1〜100×104cells/mlとすることができ、0.5〜50×104cells/mlとすることが好ましく、1.0〜20×104cells/mlとすることがより好ましい。
本発明の製剤の剤形は特に限定されないが、本発明の製剤は、注射剤または点滴剤などの非経口の溶液剤とするのに特に適している。筋肉内注射、静脈内注射、若しくは皮下注射、または点滴により投与する場合、等張にするために塩化ナトリウムはグルコース等の他の溶質を添加することができ、また無菌の製剤として調製することができる。本発明の製剤には、意図した効果を損なわない限り、医薬として許容される種々の添加物を含んでいてもよい。
本発明の製剤の投与量は、当業者であれば、被投与者の年齢、性別、体重、健康状態、症状の程度、同時処置があるならばその種類、処置頻度、目的の効果の性質等に基づき、適宜設計できる。
本発明の温度応答性材料を用いたヒドロゲルは、生体外での使用も可能であり、例えば、細胞の三次元大量培養を可能とする細胞培養基材としての応用が見込まれる。この目的で本発明のヒドロゲルを用いる場合、種々の細胞への応用が期待される。一方、近年、ヒドロゲルの表面上で細胞を培養すると、ゲルの機械的強度(弾性率)が細胞接着および細胞分化に関与することが報告された。この現象により、材料科学の観点から細胞を制御できる新しい方法論が生まれ、現在再生医療分野で注目を集めている。しかし、細胞培養上有効な温度(25〜42℃、例えば37℃)でゲル状態を示し、かつ当該温度において弾性率をある程度広い範囲で調節可能な温度応答性ゾル‐ゲル転移ポリマーが存在しないため、ゲル内における上記の関係性に関して詳細な検討が行われていない。本発明の複合材料は、ポリマー濃度、粘土鉱物濃度、混合比という3つのパラメータを変化させることにより、上記のパラメータが異なる多くの組成で細胞培養上有効な温度でゲル化が見られるため、当該温度におけるヒドロゲルの弾性率はある程度広い幅で変化させることが可能と考えられる。したがって、本発明の複合材料は培養基材の機械的強度と細胞接着および細胞分化との関係を調べるために用いることが期待される。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1:PLGA‐PEG‐PLGAの合成]
スリ付きナスフラスコに2010mg (0.75mmol)のpoly(ethylene glycol)(Mw:3000)、2018mg(14mmol)のDL-lactide、774mg(6.7mmol)のglycolide、8.4mg(20.7μmol)の2-エチルへキサン酸スズ(II)を加え、スリ付二方コックをかぶせた。その後、バキュームラインにつなぎ、脱気、窒素置換を10回繰り返した。その後ナスフラスコを150℃のオイルバスに浸しモノマーを完全に溶融した後に、6時間保持することにより開環共重合反応を行った。反応終了後、反応混合物を少量のクロロホルムに溶解し、これを大量のジエチルエーテル中に注ぎ、沈殿を生成させた。回収した沈殿物を真空ポンプを用いて24時間減圧乾燥し、4460mgのPLGA-PEG-PLGAを得た。PLGA-PEG-PLGAのラクチドユニットおよびグリコリドユニットの重合度は1H-NMR (CDCl3)から、それぞれ9および4.5と算出された。
1H-NMR (CDCl3),δ (ppm); 1.56 (3H, CHCH 3, lactide ), 3.64 (4H, CH 2CH 2O, PEG), 4.81 (4H, OCH 2CO, glycolide), 5.18 (2H, OCH(CH3)CO, lactide)。
[実施例2:PLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物との複合体水溶液の調製]
実施例1のPLGA-PEG-PLGAを室温でアセトンに溶解し、そこに所定のポリマー濃度(1重量%〜20重量%)になるように純水を加え、ボルテックスにて30秒間撹拌した。得られた溶液をデシケータ内に置き、減圧処理によりアセトンを気化させ、溶液中から除去することで、均一なPLGA-PEG-PLGA水溶液を得た。そこに、別の容器で予め調製しておいた粘土鉱物(ROCKWOOD社製 Laponite(登録商標) XLG、合成ヘクトライト)水溶液を等量加え、ボルテックスにて30秒間撹拌した。得られた混合物を4℃で30分間静置し、所定濃度のPLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物との複合体水溶液を得た。
[実施例3:PLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物との複合体水溶液の温度応答性挙動]
試験管傾斜法により、工程当たりの温度上昇1℃で、実施例2のPLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物との複合体水溶液のゾル‐ゲル転移を測定した。
サンプル管中でPLGA-PEG-PLGA(実施例1)と粘土鉱物(ROCKWOOD社製 Laponite XLG)との複合体水溶液を調製し、水溶液の粘度変化を10℃〜80℃の温度範囲で観察した。このサンプル管を、各温度に設定した湯浴中に5分間浸漬した。このサンプル管を転倒することにより、そのゾル‐ゲル転移温度を監視し、そして30秒流動しなかったらそれをゲルと見なした。この転移温度は、±1℃の精度で測定された。その結果、PLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物との複合体水溶液の低濃度条件での温度変化に応答したゲル化挙動が明確となった。PLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物との複合体水溶液の相図例およびゾル状態とゲル状態の写真例を図3および図4に示す。ある組成においては生理学的に関連する温度(例えば37℃)でのゲル化が確認されたため、薬剤や細胞デリバリー目的のための基材として有用であることが明らかとなった。なお、粘土鉱物水溶液と等量混合して得られた複合体水溶液中のポリマー濃度が10重量%のものまで調製したところ、溶液状態での扱いやすさや粘度の観点からは、複合体水溶液中のポリマー濃度が7重量%以下のものが好適であると考えられた。調製したPLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物との複合体水溶液はいずれも、注射器で扱うのに問題ない程度の粘度であった。
[実施例4:PLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物との複合ヒドロゲルの三次元細胞培養用スカフォールドとしての検討]
PLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物とを複合してなるヒドロゲル(5.0重量%/0.75重量%、5.0重量%/1.0重量%)から調製したゲル内部にヒト皮膚繊維芽細胞(HDF)を封入し、所定時間後の細胞生存率および細胞接着性、三次元組織化について評価し、三次元細胞培養用スカフォールドとしての検討を行なった。なお、5.0重量%/0.75重量%のヒドロゲルのLCSTは約32℃、5.0重量%/1.0重量%のヒドロゲルのLCSTは約27℃であった。
PLGA-PEG-PLGA(実施例1)と粘土鉱物(ROCKWOOD社製 Laponite XLG)それぞれの濃度を5.0重量%/0.75重量%および5.0重量%/1.0重量%に調整した水溶液と細胞懸濁液を室温にて混合した。このHDF細胞を含むPLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物との複合体水溶液を96wellマイクロプレートの各ウェルに150μLずつ加え、5%CO2存在下、37℃でインキュベイトした。本試験は80000 cells/wellの細胞濃度で行なった。なお、調整したPLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物との複合体水溶液(細胞懸濁液を含む)はいずれも、注射器で扱うのに問題ない程度の粘度であった。
生細胞と死細胞をFDAとPIにより染色した後に蛍光顕微鏡観察を行い、所定時間後にヒドロゲル内部で生存する細胞数を決定した。複合ゲルでは両サンプルともに5日目で、PI(赤色蛍光)に染まった細胞が見られなかったことより、細胞生存率は100%であることが分かった(図5)。粘土鉱物濃度が低い複合ゲル(PLGA-PEG-PLGA/粘土鉱物 = 5.0重量%/0.75重量%)内ではHDF細胞本来の伸展した形態は見られなかったが、粘土鉱物濃度が高い複合ゲル(PLGA-PEG-PLGA/粘土鉱物 = 5.0重量%/1.0重量%)内でより多くの伸展した細胞が観察されたことから(図6)、粘土鉱物を足場としてHDF細胞の接着、伸展が起こったものと考えられる。また、粘土鉱物濃度が高い複合ゲル内でHDF細胞の三次元組織体の形成が確認された(図6)。以上の結果、このPLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物とを複合してなるヒドロゲルの三次元細胞培養用スカフォールドとしての有用性が示された。
[実施例5:アルブミンを含有するPLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物とを複合してなるヒドロゲルの作製およびヒドロゲルからのアルブミンのリリース実験]
PLGA-PEG-PLGA(実施例1)と粘土鉱物(ROCKWOOD社製 Laponite XLG)との複合体水溶液(3.0重量%/0.6重量%、LCSTは約35℃)200μLに、モデルタンパク質薬物としてフルオロセインイソチオシアネート標識化ウシ血清アルブミン(BSA−FITC、分子量 67000)2mgを加え、タッピングにて撹拌して均一な溶液とした後、4℃で10分間静置した。なお、調整したPLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物との複合体水溶液(アルブミン含有)は、注射器で扱うのに問題ない程度の粘度であった。その後、アルブミンを含有する複合体水溶液を37℃に加熱すると、BSA−FITCを内包する複合体ヒドロゲルが得られた(図7)。このゲルのBSA−FITC内包率(BSA−FITCの重量/(PLGA-PEG-PLGAの重量+粘土鉱物の重量)×100)は27.8%と高い値であった。
このBSA−FITC内包複合体ヒドロゲルをpH 7.4のリン酸緩衝液1mLに37℃で浸し、ゲルからリン酸緩衝液中へのBSA−FITCの放出挙動を蛍光強度に基づいて調べたところ、内包したBSA−FITCは一気に放出されることなく徐放され、5日間で内包した量の40%が放出された。それ以上の放出は10日後までは見られなかった(図8)。
これより、このPLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物とを複合してなるヒドロゲルのインジェクタブルタンパク質薬物デリバリーキャリアとしての有用性が示された。
本発明の生分解性ポリマーと粘土鉱物とを複合してなるヒドロゲルは、上記のように医用材料として優れた特徴を有していることから、薬物と共に用いて医薬組成物とすることができる。本発明の生分解性ポリマーと粘土鉱物との複合体水溶液は、室温付近では低粘性の溶液状態となるため、注射時における取扱が容易であり、一方、体温付近では不溶のゲル状態となるため、体内に投与後はゲルとなり薬物の早期拡散を抑制し特定部位での薬物の滞留性を向上させることができる。そのため、インジェクタブル製剤、特に持続性インジェクタブル製剤における生分解性ポリマー材料として好適に用いることができる。
また、PLGA-PEG-PLGAと粘土鉱物とを複合してなるヒドロゲルに細胞を内包し、培養することができることが分かっており、この技術はiPS細胞、間葉系幹細胞、正常細胞など再生医療に重要なさまざまな種類の細胞に適用可能であると見込まれる。したがって、生体内外でこれらの細胞を三次元的に培養するスカフォールドとして好適に用いることができるであろう。
ゲル内でのさまざまな細胞を三次元培養できる技術は、病態モデルの人工的な作製およびそれを活用した創薬研究にとっても重要であるため、本発明は創薬分野での応用も期待される。

Claims (12)

  1. 水溶性かつ生分解性を有する温度応答性ポリマーと、ナノシート構造を有する粘土鉱物とを含む、薬物または細胞の送達用の温度応答性複合材料。
  2. 温度応答性ポリマーが、疎水性ブロックAと親水性ブロックBとを有するABA型トリブロック共重合体である、請求項1に記載の温度応答性複合材料。
  3. 疎水性ブロックAが生分解性脂肪族ポリエステル、親水性ブロックBがポリエーテルである、請求項2に記載の温度応答性複合材料。
  4. 疎水性ブロックAが、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D−ラクチド)、ポリ(DL−ラクチド)、ポリグリコリド、ポリ(L−ラクチド‐random‐グリコリド)、ポリ(D−ラクチド‐random‐グリコリド)、およびポリ(DL−ラクチド‐random‐グリコリド)からなる群より選択されるいずれか一つである、請求項2に記載の温度応答性複合材料。
  5. 疎水性ブロックAがポリ(L−ラクチド‐random‐グリコリド)であり、親水性ブロックBがポリエチレングリコールである、請求項4に記載の温度応答性複合材料。
  6. 粘土鉱物が合成ヘクトライトである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の温度応答性複合材料。
  7. 水溶性かつ生分解性を有する温度応答性ポリマーの水溶液と、ナノシート構造を有する粘土鉱物の水溶液とを混合してなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の温度応答性複合材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の温度応答性複合材料と、薬物または細胞とを含む、薬物または細胞の送達のための製剤。
  9. 薬物を含み、薬物がタンパク質であるか、または細胞を含み、細胞が幹細胞である、請求項8に記載の製剤。
  10. 注射剤である、請求項8または9に記載の製剤。
  11. 水溶性かつ生分解性を有する温度応答性ポリマーとナノシート構造を有する粘土鉱物とを含む、ゲル化剤。
  12. 水溶性かつ生分解性を有する温度応答性ポリマーの水溶液と、ナノシート構造を有する粘土鉱物の水溶液とを混合することにより調製され、細胞培養上有効な温度においてヒドロゲルを形成する複合材料を用いる、細胞接着または細胞分化の制御方法。
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