JP2015040026A - 車両の電動制動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車体側から電気モータへの給電が適正に行われない場合には制動トルクが確実に減少されるとともに、その給電が適正である場合には省エネルギであり且つ制動の初期応答性が確保され得る、車両の電動制動装置を提供すること。
【解決手段】この電動制動装置は、電気モータMTRの駆動トルクを利用して摩擦部材を車輪に固定された回転部材に押圧して、車輪に制動トルクを発生させる。この装置は、車両の車体に固定された電気モータ給電用の車体電源BBDと、車輪に固定された電気モータ給電用の緊急電源BEMと、を備える。通常、車体電源を用いて電気モータが駆動される。車体電源から電気モータへの給電状態が適正状態か否かが判定される。不適状態(FLdg=1)との判定がなされ、且つ、摩擦部材の押圧力が発生している場合に限り、車体電源に代えて緊急電源を用いて、押圧力が減少するように電気モータが駆動される。
【選択図】図3
【解決手段】この電動制動装置は、電気モータMTRの駆動トルクを利用して摩擦部材を車輪に固定された回転部材に押圧して、車輪に制動トルクを発生させる。この装置は、車両の車体に固定された電気モータ給電用の車体電源BBDと、車輪に固定された電気モータ給電用の緊急電源BEMと、を備える。通常、車体電源を用いて電気モータが駆動される。車体電源から電気モータへの給電状態が適正状態か否かが判定される。不適状態(FLdg=1)との判定がなされ、且つ、摩擦部材の押圧力が発生している場合に限り、車体電源に代えて緊急電源を用いて、押圧力が減少するように電気モータが駆動される。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両の電動制動装置に関する。
特許文献1には、「車両の車輪に固定された回転部材に摩擦部材を押し付ける際に電動モータの駆動トルクを利用して回転するスピンドルの回転位置が、失陥時、コイルばねの弾性力によって、制動トルクを付与する側とは反対方向に所定角だけ戻される」構成を有する電動制動装置が開示されている。
特許文献1に記載の装置では、制動トルクを付与する際の初期段階にて、先ずは、コイルばねにエネルギを蓄える必要がある。即ち、電気モータの出力が、コイルばねを巻き取るために利用され、その後、制動トルクを増加させるために用いられる。このため、制動トルクが増加される際の初期応答性(制動トルクの立上り特性)を向上させることが望まれている。また、この構成では、制動操作がなされる毎に、コイルばねにエネルギを蓄える必要があるため、省エネルギの観点においても改善が要求されている。
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、車体側から電気モータへの給電が適正に行われない場合には制動トルクが確実に減少されるとともに、その給電が適正である場合には省エネルギであり且つ制動の初期応答性が確保され得る、車両の電動制動装置を提供することにある。
本発明に係る車両の電動制動装置は、車両の車輪(WHL)に固定された回転部材(KTB)と、前記車輪(WHL)側に設けられた電気モータ(MTR)と、前記電気モータ(MTR)の駆動トルクを利用して前記回転部材(KTB)を押圧して、前記車輪(WHL)に制動トルクを発生させる摩擦部材(MSB)と、前記車両の車体(BDY)側に設けられ、前記電気モータ(MTR)に給電する車体電源(BBD)と、前記電気モータ(MTR)を制御する制御手段(CTL)と、を備える。前記制御手段(CTL)は、通常、前記車体電源(BBD)を用いて前記電気モータ(MTR)を駆動する。
この装置の特徴は、前記車輪(WHL)側に設けられ、前記電気モータ(MTR)に給電する緊急電源(BEM)を備え、前記車体電源(BBD)から前記電気モータ(MTR)への給電状態が適正状態(FLdg=0)であるか、不適状態(FLdg=1)であるか、を判定し、前記不適状態(FLdg=1)との判定がなされ、且つ、前記回転部材(KTB)に対する前記摩擦部材(MSB)の押圧力(Fba)が発生している場合に限り、前記車体電源(BBD)に代えて前記緊急電源(BEM)を用いて、前記押圧力(Fba)が減少するように前記電気モータ(MTR)を駆動するように構成されたことにある。
これによれば、車体側の電源(車体電源BBD)から電気モータMTRへの給電が適正に行われていない場合には、車輪側の電源(緊急電源BEM)を利用した電気モータMTRの駆動によって、制動トルクがゼロに向けて減少される作動(引き戻し作動)が確実に実行される。
一方、車体電源BBDから電気モータMTRへの給電が適正に行われている場合には、車体電源BBDがもっぱら利用されて、緊急電源BEMが利用されない。換言すれば、通常の制動要求時(即ち、緊急時でない制動要求時)には、緊急電源BEMは何ら機能しない。このため、緊急電源BEMが制動の初期応答性に悪影響を与えることがなく、且つ、緊急電源BEMによってエネルギが不必要に消費されることもない。
この装置では、前記制御手段(CTL)が、前記緊急電源(BEM)を用いて前記電気モータ(MTR)を駆動する場合、前記押圧力(Fba)を増加するための前記電気モータ(MTR)の駆動を行わないように構成されることが好適である。
これによれば、緊急電源BEMが利用される場合には、制動トルクの増加が行われず、制動トルクの減少のみが行われる。このため、緊急電源BEMの電気容量(電気的なエネルギ容量)が小さくされ得、この結果、装置全体が小型・軽量化され得る。
また、この装置では、前記制御手段(CTL)は、前記押圧力(Fba)の減少が終了したと判定した後、前記判定の結果が前記不適状態から前記適正状態に変更されるまでの間、前記電気モータ(MTR)への通電を行わないことが好適である。
これによれば、上記引き戻し作動が完了した後は、この緊急事態(車体側から電気モータへの給電が適正に行われない状態)が解消されるまで、電気モータへの通電が禁止されて、上記引き戻し作動(MSBがKTBから引き戻される動作)が完了した状態が維持される。このため、緊急電源BEMに要求される電気容量が必要最低限に抑えられ得る。
また、この装置では、前記緊急電源(BEM)は、前記押圧力(Fba)を、設計上の最大値から第1所定値(fb1)に減少するために必要なだけの電気容量(電気的なエネルギ容量)を有することが好適である。
これによれば、緊急電源BEMの電気容量は、2回以上の上記引き戻し作動には対応できず、1回の引き戻し作動に必要なだけの容量となる。上記構成は、緊急電源BEMが、車体電源系(車体電源そのもの、或いは、電力線、コネクタ等の接続状態)に不適切な状態が発生した場合にのみ利用される電源であることを考慮したものである。この結果、緊急電源BEMがより一層小型化され得る。なお、緊急電源BEMは、瞬時に充電されることが望ましい。この観点から、緊急電源BEMとして、内部抵抗の小さい電気2重層電池(キャパシタ)が採用され得る。
また、この装置では、前記制御手段(CTL)は、前記不適状態との判定がなされた時点で前記電気モータ(MTR)への通電を一旦停止し、前記押圧力(Fba)が第2所定値(fb2)以下に減少した後、前記電気モータ(MTR)への通電を再開して、前記押圧力(Fba)が減少するように前記電気モータ(MTR)を駆動することが好適である。
電気モータMTRがフリー状態(通電停止状態)になると、電気モータMTRの保持トルクは、動力伝達部材GSK、NJBの効率等によって決まる或る値にまで減少する。このため、電気モータへの通電の停止によって電気モータがフリー状態になると、摩擦部材、キャリパ等の復元力(弾性による戻り力)によって、制動トルク(即ち、押圧力)は、(制御によってではなく)自然に減少していく。上記構成では、このように押圧力が自然に減少した後に、緊急電源BEMを利用して電気モータMTRを逆転させることによって、押圧力が減少される。この結果、「前記不適状態との判定がなされた直後から緊急電源を利用して電気モータが逆転させられる場合」と比べて、緊急電源BEMの電力消費が抑制され得る。なお、前記第2所定値fb2は、実験的に求められる前記或る値よりも大きい値に設定され得る。
また、この装置において、前記車体電源(BBD)の電圧を第1電圧(Vla)として取得する電圧取得手段(VLA)が備えられる場合、前記制御手段(CTL)は、前記第1電圧(Vla)が所定電圧(vlx)以下になる時点にて、前記判定結果を、前記適正状態(FLdg=0)から前記不適状態(FLdg=1)に変更することが好適である。
これによれば、車体電源BBDから電気モータMTRへの給電状態の適否判定(適正状態か、不適状態かの判定)は、車体電源の電圧が監視されることによって行われる。この場合、適正状態から不適状態への判定の切り替えは、車体電源の電圧を監視する電圧センサの検出値Vlaの変化に基づいて行われ得る。また、前記判定の切り替えを行う手段として、電子的手段に限らず、リレー等による電気・機械的な手段が採用され得る。
また、この装置において、前記電圧取得手段(VLA)に加えて、「前記車体電源(BBD)と前記電気モータ(MTR)とを電気的に接続するコネクタ(CNC)」が備えられる場合、前記緊急電源(BEM)は、前記コネクタ(CNC)から前記電気モータ(MTR)までの電気経路内に配置され、前記制御手段(CTL)は、前記車体電源(BBD)から前記電気モータ(MTR)までの電気経路と、前記緊急電源(BEM)から前記電気モータ(MTR)までの電気経路と、を選択的に接続する切替手段(KRK)を備え、前記電圧取得手段(VLA)は、前記コネクタ(CNC)と前記切替手段(KRK)との間に配置されることが好適である。
コネクタに不調(例えば、接触不良)が発生した場合を想定する。上記構成では、電圧取得手段VLAがコネクタCNCと切替手段KRKとの間に配置(接続)されている(VLAによって、CNCとKRKとの間の電気経路の電圧が取得される)ので、この場合、電圧取得手段VLAが取得する第1電圧Vlaが異常値となる。従って、この場合においても、「車体電源から電気モータへの給電状態」について不適状態が確実に判定され得る。加えて、上記構成では、緊急電源BEMがコネクタCNCから電気モータMTRまでの電気経路内に配置(接続)されているので、この場合においても、緊急電源から電気モータまでの電気経路が正常に維持されて、緊急電源から電気モータへの給電が適正に行われ得る。
以下、本発明の実施形態に係る車両の電動制動装置について図面を参照しつつ説明する。
<本発明の実施形態に係る車両の電動制動装置の全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る電動制動装置の車両への搭載状態を示す。この電動制動装置は、運転者の制動操作部材(例えば、ブレーキペダル)の操作量に応じて、車輪に制動トルクを与えることによって車輪に制動力を発生し、走行中の車両を減速する。
図1は、本発明の実施形態に係る電動制動装置の車両への搭載状態を示す。この電動制動装置は、運転者の制動操作部材(例えば、ブレーキペダル)の操作量に応じて、車輪に制動トルクを与えることによって車輪に制動力を発生し、走行中の車両を減速する。
車体電源(第1電源)BBDが、車体BDYに設けられる(固定される)。車体電源(蓄電池、Battery)BBDは、電子制御ユニットECU、及び、制動手段(ブレーキアクチュエータ)BRKに電力を供給する。さらに、オルタネータALTが、車体BDYに設けられる。車体電源BBDは、オルタネータALTによって充電される。
電子制御ユニットECUが、車体BDYに設けられる(固定される)。電子制御ユニットECUでは、制動操作量Bpaに基づいて電気モータMTRの駆動信号が演算され、信号線(例えば、シリアル通信バス)SCBを介して、BRK内の駆動手段(MTRを駆動する電気回路)DRVに送信される。電気モータMTRを駆動する電力は、車体電源BBDから、ECU、及び、車体電力線(第1電力線)PBDを介して、DRVに供給される。
駆動手段DRVが、キャリパCPR内に設けられる(固定される)。駆動手段DRVは、電気モータMTRを駆動するための駆動回路(電気回路)であり、制御手段CTL、スイッチング素子(例えば、MOS−FET)にて構成されるブリッジ回路HBR、ノイズ低減回路NIZ、及び、緊急電源BEMにて構成される。DRV内にプログラムされる制御手段CTLでは、ECUから送信されるMTRの駆動信号(例えば、目標押圧力Fbt)に基づいて、スイッチング素子が駆動され、MTRの回転方向、及び、回転動力が制御される。
通常時(後述する適正状態の判定時)には、電気モータMTRを駆動するための電力は、車体電源(第1電源)BBDからDRV(即ち、スイッチング素子を経由してMTR)に供給される。この給電は、ECU、及び、車体電力線PBDを介して行われる。また、緊急時(後述する不適状態の判定時)には、電気モータMTRは、緊急電源(第2電源)BEMによって、逆転方向(制動トルクが減少する方向)に駆動される。
緊急電源BEMは、車体電源(主電源)BBDからの通電によって、通常走行時(車輪への制動トルク付与が要求されない時)に充電される。この充電(BBDからBEMへの給電)は、ECU、及び、車体電力線(第1電力線)PBDを介して行われる。信号線(例えば、シリアル通信バス)SCB、及び、車体電力線PBDを総称して「配線(ワイヤハーネス)」と称呼する。
車体電力線PBDが信号線(通信線)SCBとしても利用される電力線通信が採用され得る。この場合には、SCBはPBDに統合され(即ち、SCBが省略され)、電気モータの駆動信号はPBDに重畳されて、DRVに送信される。ここで、電力線通信は、電力線搬送通信(PLC、Power Line Communication)とも称呼される。電力線通信の採用によって、電源配線PBDを利用して高速なデータ通信を行う通信システムが得られる。
サスペンションアーム(例えば、アッパアームUAM、ロアアームLAM)は、一方側が、車両の車体BDYに取り付けられ、他方側がナックルNKLに取り付けられている。コイルスプリングSPR、及び、ショックアブソーバSHAは、サスペンションアーム、又は、ナックルNKLに取り付けられている。コイルスプリングSPR、及び、ショックアブソーバSHAによって、車輪WHLは、車体BDYに懸架されている。サスペンションアーム、SPR、NKL、及び、SHAは、公知の懸架装置を構成する部材である。
ハブベアリングユニットHBUは、ナックルNKLに固定される。ハブベアリングユニットHBU内のハブベアリングにて、車輪WHLが支持される。車輪WHLには、回転部材(ブレーキディスク)KTBが固定され、KTBはWHLと一体となって回転される(即ち、KTBの回転軸とWHLの回転軸は同軸である)。
マウンティングブラケットMTBは、ナックルNKLに、締結部材(例えば、ボルト)TK1、TK2(図示せず)によって、固定されている。キャリパCPRが、スライドピンGD1、GD2(図示せず)を介して、MTBに取り付けられる。ブレーキキャリパCPRは、浮動型キャリパであり、2つの摩擦部材(ブレーキパッド)MSBを介して、回転部材(ブレーキディスク)KTBを挟み込むように構成される。具体的には、スライドピンGD1、GD2がマウンティングブラケットMTBに固定され、GD1、GD2に沿って、キャリパCRP内の押圧部材(ピストン)PSNが回転部材KTBに向けて、電気モータMTRによってスライドされる。
<電子制御ユニットECU、車体電源BBD、及び、制動手段BRKの全体構成>
図2に示すように、この電動制動装置を備える車両には、制動操作部材BP、電子制御ユニットECU、車体電源(蓄電池等)BBD、及び、制動手段(ブレーキアクチュエータ)BRKが備えられる。ここで、ECUとBRKとは、ECU側コネクタCNB、及び、BRK側コネクタCNCを介して、信号線(シグナル線)SCB、及び、車体電力線(パワー線)PBDによって接続される。BRKにはECUから、MTRの駆動信号、及び、電力が供給される。
図2に示すように、この電動制動装置を備える車両には、制動操作部材BP、電子制御ユニットECU、車体電源(蓄電池等)BBD、及び、制動手段(ブレーキアクチュエータ)BRKが備えられる。ここで、ECUとBRKとは、ECU側コネクタCNB、及び、BRK側コネクタCNCを介して、信号線(シグナル線)SCB、及び、車体電力線(パワー線)PBDによって接続される。BRKにはECUから、MTRの駆動信号、及び、電力が供給される。
制動操作部材(例えば、ブレーキペダル)BPは、運転者が車両を減速するために操作する部材である。BPの操作量に基づいて、制動手段(ブレーキアクチュエータ)BRKが、車輪WHLの制動トルクを調整し、車輪WHLに制動力が発生され、走行中の車両が減速される。
制動操作部材BPには、制動操作量取得手段BPAが設けられる。制動操作量取得手段BPAによって、運転者による制動操作部材BPの操作量(制動操作量)Bpaが取得(検出)される。制動操作量取得手段BPAとして、マスタシリンダ(図示せず)の圧力を検出するセンサ(圧力センサ)、制動操作部材BPの操作力、及び/又は、変位量を検出するセンサ(ブレーキペダル踏力センサ、ブレーキペダルストロークセンサ)が採用される。
従って、制動操作量Bpaは、マスタシリンダ圧、ブレーキペダル踏力、及び、ブレーキペダルストロークのうちの少なくとも何れか1つに基づいて演算される。制動操作量Bpaは、電子制御ユニットECUに入力される。なお、Bpaは、他の電子制御ユニットにて演算、又は、取得され、その演算値(信号)が通信バスを介して、ECUに送信され得る。
車体電源(第1電源)BBDは、車体BDYに固定される電源である。車体電源BBDによって、車体側に設けられる電子制御ユニットECU、及び、車輪側に設けられる制動手段BRK(特に、駆動回路DRV)への電力供給が行われる。車体電源BBDとして、充電可能な二次電池(蓄電池、又は、充電式電池とも称呼される)が採用され得る。ここで、二次電池は、物質の化学的なエネルギを化学反応によって直流の電力に変換する電池(化学電池)の1つであり、充電を行うことにより電気を蓄え、繰り返し使用され得る。
具体的には、二次電池は、放電過程では内部の化学エネルギが電気エネルギに変換され、放電時とは逆方向に電流を流すことによって、電気エネルギを化学エネルギに変換して、エネルギが蓄積される。車体電源BBDは、その蓄電量(蓄積エネルギ)が減少した場合には、オルタネータ(発電機)ALTによって充電される。
電子制御ユニットECUは、電気モータMTRを駆動するための目標値(駆動信号)Fbtを、駆動手段DRVに出力する。また、MTRを駆動するための電力が、ECUを経由してDRVに供給される。具体的には、ECUには、コネクタCNBが設けられ、シリアル通信バスSCB、及び、車体電力線PBDが、CNBを介して、駆動手段DRVに接続される。そして、電子制御ユニットECU内にプログラムされる目標演算手段TRGによって目標値(目標押圧力)Fbtが演算され、FbtがSCBを通して、DRVに送信される。また、車体電源BBDからの電力(電流)が、ECU経由で車体電力線PBDを通り、駆動手段DRVに供給される。
〔目標演算手段TRG〕
制動手段BRKの目標値(目標押圧力)Fbtを演算するための目標演算手段TRG(制御アルゴリズム)が、電子制御ユニットECU内にプログラムされている。
制動手段BRKの目標値(目標押圧力)Fbtを演算するための目標演算手段TRG(制御アルゴリズム)が、電子制御ユニットECU内にプログラムされている。
目標演算手段TRGは、制御アルゴリズムであって、指示押圧力演算ブロックFBS、アンチスキッド制御ブロックABS、トラクション制御ブロックTCS、車両安定化制御ブロックESC、及び、目標押圧力演算ブロックFBTにて構成される。
指示押圧力演算ブロックFBSでは、制動操作量Bpa、及び、予め設定された指示押圧力演算特性(演算マップ)CHfbに基づいて、各車輪WHLの指示押圧力Fbsが演算される。Fbsは、電動制動手段BRKにおいて、摩擦部材(ブレーキパッド)MSBが回転部材(ブレーキディスク)KTBを押す力である押圧力の目標値である。
アンチスキッド制御ブロックABSでは、車輪速度取得手段(図示せず)の取得結果(車輪速度)に基づいて、公知のアンチスキッド制御(Anti-skid Control)を実行するための目標押圧力Fabsが演算される。即ち、アンチスキッド制御用目標押圧力Fabsは、車輪ロックを防止するための押圧力の目標値である。
トラクション制御ブロックTCSでは、車輪速度取得手段(図示せず)の取得結果(車輪速度)に基づいて、公知のトラクション制御(Traction Control)を実行するための目標押圧力Ftcsが演算される。即ち、トラクション制御用目標押圧力Ftcsは、車輪スピン(過回転)を抑制するための押圧力の目標値である。
車両安定化制御ブロックESCでは、車両挙動取得手段(例えば、ヨーレイトセンサ、図示せず)の取得結果(ヨーレイト)に基づいて、公知の車両安定化制御(Vehicle Stability Control)を実行するための目標押圧力Fescが演算される。即ち、車両安定化制御用目標押圧力Fescは、過度な車両のアンダステア、及び/又は、オーバステアを抑制するための押圧力の目標値である。
目標押圧力演算ブロックFBTでは、指示押圧力Fbs、アンチスキッド制御用目標押圧力Fabs、トラクション制御用目標押圧力Ftcs、及び、車両安定化制御用目標押圧力Fescに基づいて、最終的な目標押圧力Fbtが演算される。具体的には、Fabs、Ftcs、及び、Fescのうちから1つが選択されて、選択されたものによってFbsが修正されてFbtが演算される。Fabs、Ftcs、及び、Fescの選択順位は、車両の走行状態、及び、車輪の状態に基づいて決定される。なお、該当する車輪が駆動車輪でない場合(ドライブトレインに接続されない場合)には、Ftscは演算されない。
目標演算手段TRGにて演算された目標押圧力(信号)Fbtは、ECU側コネクタCNB、及び、信号線(シリアル通信バス)SCBを通じて、車輪に固定される制動手段BRK(具体的には、駆動回路DRV)に送信される。
〔制動手段BRK〕
制動手段(ブレーキアクチュエータ)BRKは、ブレーキキャリパ(浮動型キャリパ)CPR、押圧部材(ブレーキピストン)PSN、電気モータ(ブラシモータ、又は、ブラシレスモータ)MTR、位置検出手段MKA、減速機GSK、シャフト部材SFT、ねじ部材NJB、押圧力取得手段FBA、及び、駆動手段(MTRの駆動回路)DRVにて構成されている。
制動手段(ブレーキアクチュエータ)BRKは、ブレーキキャリパ(浮動型キャリパ)CPR、押圧部材(ブレーキピストン)PSN、電気モータ(ブラシモータ、又は、ブラシレスモータ)MTR、位置検出手段MKA、減速機GSK、シャフト部材SFT、ねじ部材NJB、押圧力取得手段FBA、及び、駆動手段(MTRの駆動回路)DRVにて構成されている。
ブレーキキャリパCPRは、浮動型キャリパであり、2つの摩擦部材(ブレーキパッド)MSBを介して、回転部材(ブレーキディスク)KTBを挟み込むように構成される。キャリパCPR内で、押圧部材PSNがスライドされ、回転部材KTBに向けて前進又は後退される。キャリパCPRには、キー溝KYMが、シャフト部材SFTの回転軸(シャフト軸Jsf)方向に延びるように形成される。
押圧部材(ブレーキピストン)PSNは、回転部材KTBに摩擦部材MSBを押し付けて摩擦力を発生させる。キー部材KYAが、押圧部材PSNに固定される。キー部材KYAが、キー溝KYMに嵌合されることによって、押圧部材PSNは、シャフト軸まわりの回転運動は制限されるが、シャフト軸の方向(キー溝KYMの長手方向)の直線運動は許容される。
電気モータMTRは、回転部材KTBに摩擦部材MSBを押し付けるための動力を発生する。即ち、電気モータMTRは、押圧部材PSNを駆動する。具体的には、電気モータMTRの出力(モータ軸Jmtまわりの回転動力)は、減速機GSKを介して、シャフト部材SFTに伝達され、SFTの回転動力(シャフト軸Jsfまわりのトルク)は、運動変換部材(例えば、ねじ部材)NJBによって、直線動力(押圧軸Jps方向の推力)に変換され、押圧部材PSNに伝達される。そして、押圧部材(ブレーキピストン)PSNが、回転部材(ブレーキディスク)KTBに向かって前進又は後退される。このPSNの移動により、摩擦部材(ブレーキパッド)MSBが、回転部材KTBを押す力(押圧力)Fbaが調整される。回転部材KTBは車輪WHLに固定されているため、摩擦部材MSBと回転部材KTBとの間に摩擦力が発生し、車輪WHLに制動力が調整され、例えば、走行中の車両が減速される。電気モータMTRとして、ブラシ付モータ、或いは、ブラシレスモータが採用される。
電気モータMTRの回転方向において、正転方向が、摩擦部材MSBが回転部材KTBに近づいていく方向(押圧力が増加し、制動トルクが増加する方向)に相当し、逆転方向が、摩擦部材MSBが回転部材KTBから離れていく方向(押圧力が減少し、制動トルクが減少する方向)に相当する。電気モータMTRの出力は、目標演算手段TRGにて演算される目標通電量Imtに基づいて決定される。具体的には、目標通電量Imtの符号が正符号である場合(Imt>0)には、電気モータMTRが正転方向に駆動され、Imtの符号が負符号である場合(Imt<0)には、電気モータMTRが逆転方向に駆動される。また、目標通電量Imtの大きさ(絶対値)に基づいて電気モータMTRの回転動力が決定される。即ち、目標通電量Imtの絶対値が大きいほど電気モータMTRの出力トルクが大きく、目標通電量Imtの絶対値が小さいほど出力トルクは小さい。
位置取得手段(例えば、回転角度センサ)MKAは、電気モータMTRのロータ(回転子)の位置(例えば、回転角)Mkaを取得(検出)する。位置取得手段MKAは、電気モータMTRの内部であって、回転子、及び、整流子と同軸に配置される(即ち、MTRと同軸であって、モータ軸Jmt上に設けられる)。
減速機GSKは、電気モータMTRの動力において、回転速度を減じて、シャフト部材SFTに出力する。即ち、MTRの回転出力(トルク)が、減速機GSKの減速比に応じて増加され、シャフト部材SFTの回転力(トルク)が得られる。例えば、GSKは、小径歯車SKH、及び、大径歯車DKHにて構成される。GSKとして、歯車伝達機構に代えて、ベルト、チェーン等の巻き掛け伝達機構、或いは、摩擦伝達機構が採用され得る。
シャフト部材SFTは、回転軸部材であって、減速機GSKから伝達された回転動力をねじ部材NJBに伝達する。シャフト部材SFTの端部は、球面状に加工され、ユニバーサル継手として機能する。このユニバーサル継手によって、摩擦部材MSBが摺動する際に生じる押圧部材PSNの揺動(首振り運動)の影響が補償される。
ねじ部材NJBは、シャフト部材SFTの回転動力を、直線動力に変換する動力変換部材である。即ち、ねじ部材NJBは、回転・直動変換機構である。ねじ部材NJBは、ナット部材NUT、及び、ボルト部材BLTにて構成される。ねじ部材NJBには、可逆性があり(逆効率をもち)、双方向に動力伝達が可能である。即ち、制動トルクが増加される場合(押圧力Fbaが増加される場合)、ねじ部材NJBを通して、シャフト部材SFTから押圧部材PSNへ動力が伝達される。逆に、制動トルクが減少される場合(押圧力Fbaが減少される場合)、ねじ部材NJBを介して、押圧部材PSNからシャフト部材SFTへ動力が伝達される(逆効率が「0」よりも大きい)。
ねじ部材NJBは、「滑り」によって動力伝達が行われる滑りねじ(台形ねじ等)によって構成される。この場合には、ナット部材NUTには、めねじ(内側ねじ)MNJが設けられる。ボルト部材BLTには、おねじ(外側ねじ)ONJが設けられ、NUTのMNJと螺合される。シャフト部材SFTから伝達された回転動力(トルク)は、ねじ部材NJB(ONJとMNJ)を介して、押圧部材PSNの直線動力(推力)として伝達される。
また、上記の滑りねじに代えて、ねじ部材NJBには、「転がり」によって動力伝達が行われる転がりねじ(ボールねじ等)が採用され得る。この場合、ナット部材、及び、ボルト部材には、ボール溝が設けられる。このボール溝にはめ合わされるボール(鋼球)を介して、動力伝達が行われる。なお、ねじ部材NJBに代えて、回転運動を直線運動に変換するための動力変換部材として、ボールランプ部材、回転クサビ部材、ラック&ピニオン部材等の変換機構が採用され得る。
押圧力取得手段FBAは、押圧部材PSNが摩擦部材MSBを押す力(押圧力)Fbaの反力(反作用)を取得(検出)する。FBAには、起歪体が形成され、その歪が、歪検出素子によって検出され、Fbaが取得される。例えば、歪検出素子として、電気抵抗変化によるもの(歪ゲージ)、超音波によるもの等が用いられ得る。FBAは、シャフト部材SFTとキャリパCPRとの間に設けられ、キャリパCRPに固定されている。検出された押圧力Fbaは、駆動手段DRVに入力される。
駆動手段DRVは、キャリパCPR内に固定され、目標押圧力Fbtに基づいて、電気モータMTRを駆動し、制御する。DRVは、制御手段CTL、緊急電源BEM、ブリッジ回路HBR等にて構成される。DRVの詳細については、後述する。
〔コネクタCNB、CNC、及び、配線SCB、PBD〕
コネクタCNCが、キャリパCPRの表面に設けられる。ここから、電気モータMTRの駆動電力、及び、MTRの駆動信号(目標押圧力Fbt)が、駆動手段DRVに取り込まれる。なお、目標信号Fbtは信号線SCBによって、電力は車体電力線PBDによって、BRK側コネクタ(車輪側コネクタ)CNCにまで、夫々、供給される。
コネクタCNCが、キャリパCPRの表面に設けられる。ここから、電気モータMTRの駆動電力、及び、MTRの駆動信号(目標押圧力Fbt)が、駆動手段DRVに取り込まれる。なお、目標信号Fbtは信号線SCBによって、電力は車体電力線PBDによって、BRK側コネクタ(車輪側コネクタ)CNCにまで、夫々、供給される。
駆動手段DRVと同様に、コネクタCNBが電子制御ユニットECUに設けられる。ECU側コネクタ(車体側コネクタ)CNBを介して、信号線SCB、及び、電力線PBDが、ECUと接続される。即ち、ECU側コネクタ(車体側コネクタ)CNB、及び、BRK側コネクタ(車輪側コネクタ)CNCによって中継される配線(信号線SCB、及び、電力線PBD)を介して、電子制御ユニットECU(車体BDYに配置)と、駆動回路DRV(車輪WHLに配置)とが接続される。換言すれば、信号線SCBは、コネクタCNB、CNCを介して、目標押圧力FbtをECUからDRVに送信する。また、電力線PBDは、コネクタCNB、CNCを介して、通常時には、電気モータMTRを駆動する電力を、ECUからDRVに供給する。PBDとして、2本の電線がねじり合わされて形成されるツイストペアケーブル(Twisted Pair Cable)が採用され得る。
<駆動手段DRV>
次に、図3を参照しながら、駆動手段(駆動回路)DRVの詳細について説明する。駆動手段DRVは、目標押圧力Fbtに基づいて、電気モータMTRへの通電状態を制御し、MTRの出力(即ち、制動手段BRKが発生する制動トルク)を調整する。図3は、電気モータMTRとして、ブラシ付モータ(単に、ブラシモータともいう)が採用される場合の駆動手段DRVの一例である。駆動手段DRVは、緊急電源BEM、制御手段CTL、複数のスイッチング素子(パワートランジスタ)S1〜S4で形成されるブリッジ回路HBR、ノイズ低減回路NIZ、通電量取得手段IMA、及び、コネクタCNCで構成される。
次に、図3を参照しながら、駆動手段(駆動回路)DRVの詳細について説明する。駆動手段DRVは、目標押圧力Fbtに基づいて、電気モータMTRへの通電状態を制御し、MTRの出力(即ち、制動手段BRKが発生する制動トルク)を調整する。図3は、電気モータMTRとして、ブラシ付モータ(単に、ブラシモータともいう)が採用される場合の駆動手段DRVの一例である。駆動手段DRVは、緊急電源BEM、制御手段CTL、複数のスイッチング素子(パワートランジスタ)S1〜S4で形成されるブリッジ回路HBR、ノイズ低減回路NIZ、通電量取得手段IMA、及び、コネクタCNCで構成される。
電気モータMTRとして、ブラシ付モータ(単に、ブラシモータともいう)が採用される。ブラシ付モータは、整流子電動機(Commutator Motor)とも称呼され、該電気モータでは、電機子(巻線による電磁石)に流れる電流が、機械的整流子(コミュテータ)CMT、及び、ブラシBLCによって、回転位相に応じて切り替えられる。即ち、整流子CMT、及び、ブラシBLCによって、機械的な回転スイッチが構成され、巻線回路への電流が交互に反転される。ブラシ付モータでは、固定子(ステータ)側が永久磁石で、回転子(ロータ)側が巻線回路(電磁石)で構成される。そして、巻線回路(回転子)に電力が供給されるように、ブラシBLCが整流子CMTに当接されている。ブラシBLCは、ばね(弾性体)によって、整流子CMTに押し付けられ、CMTが回転することにより電流が転流される。
〔緊急電源BEM〕
駆動手段DRVには、緊急電源(第2電源)BEMが設けられる。即ち、緊急電源BEMは、車体電源(第1電源)BBDとは別個に、車輪側(制動手段BRKの内部)に設けられる電源である。緊急電源BEMは、車輪電力線PWHによって、ブリッジ回路HBR(即ち、電気モータMTR)に接続される。BEMとHBRとは隣接するため、車輪電力線PWHとして、バスバー(Bus Bar、導電体として機能する金属製の棒)が採用される。このため、配線抵抗による電圧降下が僅かであり、効率良く電気モータMTRが駆動され得る。さらに、バスバーには、絶縁被覆が不要であるため、放熱性が高く、大電流化への対応が容易になり得る。
駆動手段DRVには、緊急電源(第2電源)BEMが設けられる。即ち、緊急電源BEMは、車体電源(第1電源)BBDとは別個に、車輪側(制動手段BRKの内部)に設けられる電源である。緊急電源BEMは、車輪電力線PWHによって、ブリッジ回路HBR(即ち、電気モータMTR)に接続される。BEMとHBRとは隣接するため、車輪電力線PWHとして、バスバー(Bus Bar、導電体として機能する金属製の棒)が採用される。このため、配線抵抗による電圧降下が僅かであり、効率良く電気モータMTRが駆動され得る。さらに、バスバーには、絶縁被覆が不要であるため、放熱性が高く、大電流化への対応が容易になり得る。
緊急電源BEMは、車体電源BBDから駆動手段DRVへの給電状態が適切ではなくなった場合(即ち、不適状態の判定時)に、DRVに電力供給する。しかし、BEMは車輪に設けられるため、大きさ、及び、耐振動性に制約がある。そこで、BEMとして、エネルギ容量(蓄電容量)が、BBDのそれと比較して、非常に小さいものが採用される。このため、BEMは、BBDの不調時に、電気モータMTRを正転するため(即ち、制動トルクを増加、又は、保持するため)には用いられず、MTRを逆転させるため(制動トルクを減少させ、摩擦部材の引き摺りを減少させるため)だけに使用される。BEMは、非制動要求時に、BBD(又は、車両のオルタネータALT)によって充電される。非制動要求時とは、車輪への制動トルク付与が要求されていない場合であり、例えば、運転者によって制動操作部材BPが操作されていないとき(即ち、Bpa=0のとき)である。
緊急電源BEMの電気容量(電気的なエネルギ容量)は、電気モータMTR、及び、動力伝達部材GSK、NJBにおける損失(例えば、摩擦によるトルク損失)に基づいて設定される。即ち、動力伝達部材の損失を補償し、押圧部材PSNの押圧力Fbaを、設計上の最大値から第1所定値fb1以下にし得るに、必要、且つ、十分な電気容量とされ得る。具体的には、緊急電源BEMの電気容量は、1回の引き戻し作動(電気モータMTRの逆転駆動によって、制動トルクが減少される作動)に対応するが、2回以上の引き戻し作動には対応しない容量とされ得る。緊急電源BEMは、電源系(電源そのもの、或いは、電力線、コネクタ等の接続状態)に不適切な状態が発生した場合に対応するものである。このため、容量が必要最低限に制約されることで、BEMが小型化され、容易にキャリパCPRの内部に配置され得る。
緊急電源BEMとして、電気2重層キャパシタ(ウルトラ・キャパシタ、又は、スーパ・キャパシタとも称呼される)が採用され得る。電気2重層キャパシタ(EDLC、Electric double-layer capacitor)では、陽極と陰極の表面付近で生じる電気2重層(荷電粒子が比較的自由に動ける系に電位が与えられたとき、電場にしたがって荷電粒子が移動した結果、界面に正負の荷電粒子が対を形成して層状に並んだもの)が利用される。電気2重層キャパシタは、内部抵抗が小さいため、充電・放電が急速に行われるため、BEMに適している。
〔制御手段CTL〕
制御手段CTLは、目標押圧力(目標値)Fbtに基づいて、電気モータMTRへの実際の通電量(最終的には電流の大きさと方向)を制御する。制御手段CTLの一部は、制御アルゴリズムであり、これは、DRV内のCPU(Central Processing Unit、中央演算処理装置)にプログラムされる。CTLは、指示通電量演算ブロックIST、押圧力フィードバック制御ブロックIFT、通電量調整演算ブロックIMT、パルス幅変調ブロックPWM、スイッチング制御ブロックSWT、及び、電源管理手段DGKにて構成される。
制御手段CTLは、目標押圧力(目標値)Fbtに基づいて、電気モータMTRへの実際の通電量(最終的には電流の大きさと方向)を制御する。制御手段CTLの一部は、制御アルゴリズムであり、これは、DRV内のCPU(Central Processing Unit、中央演算処理装置)にプログラムされる。CTLは、指示通電量演算ブロックIST、押圧力フィードバック制御ブロックIFT、通電量調整演算ブロックIMT、パルス幅変調ブロックPWM、スイッチング制御ブロックSWT、及び、電源管理手段DGKにて構成される。
指示通電量演算ブロックISTは、目標押圧力Fbt(TRGから送信)、及び、予め設定された指示通電量の演算特性(演算マップ)CHs1、CHs2に基づいて、指示通電量Istを演算する。Istは、電動制動手段BRKが目標押圧力Fbtを達成するための、電気モータMTRへの通電量の目標値である。Istの演算マップは、電動制動手段BRKのヒステリシスを考慮して、2つの特性CHs1、CHs2で構成される。特性CHs1は押圧力を増加する場合に対応し、特性CHs2は押圧力を減少する場合に対応する。そのため、特性CHs2に比較して、特性CHs1は相対的に大きい指示通電量Istを出力するように設定されている。
ここで、通電量とは、電気モータMTRの出力トルクを制御するための状態量(変数)である。電気モータMTRは電流に概ね比例するトルクを出力するため、通電量の目標値として電気モータMTRの電流目標値が用いられ得る。また、電気モータMTRへの供給電圧を増加すれば、結果として電流が増加されるため、目標通電量として供給電圧値が用いられ得る。さらに、パルス幅変調(PWM、Pulse Width Modulation)におけるデューティ比によって供給電圧値が調整され得るため、このデューティ比が通電量として用いられ得る。
押圧力フィードバック制御ブロックIFTは、目標押圧力(目標値)Fbt、及び、実押圧力(実際値)Fbaに基づいて、押圧力フィードバック通電量Iftを演算する。指示通電量Istは目標押圧力Fbtに相当する値として演算されるが、電動制動手段BRKの効率変動により目標押圧力Fbtと実押圧力Fbaとの間に誤差(定常的な誤差)が生じる場合がある。押圧力フィードバック通電量Iftは、目標押圧力Fbtと実押圧力Fbaとの偏差(押圧力偏差)ΔFb、及び、予め設定される演算特性(演算マップ)CHpに基づいて演算され、上記の誤差を減少するように決定される。なお、実押圧力Fbaは、後述する押圧力取得手段FBAによって取得(検出)される。
通電量調整演算ブロックIMTは、電気モータMTRへの最終的な目標値である目標通電量Imtを演算する。IMTでは、指示通電量Istが押圧力フィードバック通電量Iftによって調整され、目標通電量Imtが演算される。具体的には、指示通電量Istに対してフィードバック通電量Iftを加えて、これが最終的な目標通電量Imtとして演算される。そして、目標通電量Imtの符号(値の正負)に基づいて電気モータMTRの回転方向(押圧力が増加する正転方向、又は、押圧力が減少する逆転方向)が決定され、目標通電量Imtの大きさに基づいて電気モータMTRの出力(回転動力)が制御される。
また、通電量調整演算ブロックIMTは、電力供給状態を表す制御フラグFLdgを、電源管理手段DGKから受信する。ここで、制御フラグFLdgは、DGKにおける条件判定処理(車体電源BBDが適正状態か、不適状態かの判定処理)が実行された際の結果であり、具体的には、適正状態の場合には「FLdg=0」、不適状態の場合には「FLdg=1」が出力される。そして、IMTでは、「FLdg=0(適正状態)」が受信される場合には、上述する通常時の目標通電量Imtが演算される。一方、「FLdg=1(不適状態)」が受信される場合には、上記のImtに代えて、直ちに、摩擦部材MSBが回転部材KTBから離れる方向(即ち、制動トルクが減少する方向)に電気モータMTRを逆回転させる信号が、IMTから出力される。
パルス幅変調ブロックPWMは、(通常時)目標通電量Imtに基づいて、パルス幅変調(PWM、Pulse Width Modulation)を行うための指示値(目標値)を演算する。具体的には、パルス幅変調ブロックPWMは、目標通電量Imt、及び、予め設定される特性(演算マップ)に基づいて、パルス幅のデューティ比Dut(ON/OFFの時間の割合)を決定する。併せて、PWMは、Imtの符号(正符号、或いは、負符号)に基づいてMTRの回転方向を決定する。例えば、電気モータMTRの回転方向は、正転方向が正(プラス)の値、逆転方向が負(マイナス)の値として設定される。入力電圧(電源電圧)、及び、デューティ比Dutによって最終的な出力電圧が決まるため、PWMでは、MTRの回転方向と、MTRへの通電量(即ち、MTRの出力)が決定される。
パルス幅変調ブロックPWMでは、所謂、電流フィードバック制御が実行され得る。この場合、通電量取得手段IMAの検出値(電気モータMTRへの実際の通電量で、例えば、実電流値)Imaが、PWMに入力される。そして、目標通電量Imtと、実際の通電量Imaとの偏差ΔImに基づいて、デューティ比Dutが修正(微調整)される。この電流フィードバック制御によって、高精度なモータ制御が達成され得る。
スイッチング制御ブロックSWTは、デューティ比(目標値)Dutに基づいて、ブリッジ回路HBRを構成するスイッチング素子(S1〜S4)に駆動信号を出力する。この駆動信号は、各スイッチング素子が、通電状態とされるか、非通電状態とされるか、を指示する。具体的には、デューティ比Dutに基づいて、電気モータMTRが正転方向に駆動される場合には、S1及びS4が通電状態(ON状態)、且つ、S2及びS3が非通電状態(OFF状態)にされるとともに、Dutに対応する通電時間(通電周期)で、S1及びS4の通電/非通電の状態が切替られる。同様に、MTRが逆転方向に駆動される場合には、S1及びS4が非通電状態(OFF状態)、且つ、S2及びS3が通電状態(ON状態)に制御され、S2及びS3の通電状態(ON/OFFの切替周期)が、デューティ比Dutに基づいて調整される。そして、Dutが大きいほど、単位時間当りの通電時間が長くされ、より大きな電流がMTRに流される。例えば、Dut=100%が指示される場合には、該当するスイッチング素子は常時通電され、Dut=0%が指示される場合には非通電状態とされる。
〔ブリッジ回路HBR、及び、ノイズ低減回路NIZ〕
スイッチング素子S1乃至S4は、電気回路の一部をON(通電)/OFF(非通電)できる素子である。例えば、スイッチング素子として、MOS-FET、IGBTが用いられる。スイッチング素子S1乃至S4によって、ブリッジ回路HBRが構成される。ここで、ブリッジ回路は、双方向の電源を必要とすることなく、単一の電源で電気モータへの通電方向が変更され、電気モータの回転方向(正転方向、又は、逆転方向)が制御され得る回路である。このブリッジ回路は、Hブリッジ回路、或いは、フルブリッジ回路とも称呼される。スイッチング素子S1〜S4は、制御手段CTL(スイッチング制御ブロックSWTからの信号)によって駆動される。夫々のスイッチング素子の通電/非通電の状態が切り替えられることによって、電気モータMTRの回転方向(正転方向、逆転方向)と出力トルク(通電量の大きさ)とが調整される。ここで、MTRの正転方向は、摩擦部材MSBを回転部材KTBに近づかせ、制動トルクが増加され、走行中の車両の減速度が増加される回転方向であり、MTRの逆転方向は、MSBをKTBから引き離し、制動トルクが減少され、走行中の車両の減速度が減少される回転方向である。
スイッチング素子S1乃至S4は、電気回路の一部をON(通電)/OFF(非通電)できる素子である。例えば、スイッチング素子として、MOS-FET、IGBTが用いられる。スイッチング素子S1乃至S4によって、ブリッジ回路HBRが構成される。ここで、ブリッジ回路は、双方向の電源を必要とすることなく、単一の電源で電気モータへの通電方向が変更され、電気モータの回転方向(正転方向、又は、逆転方向)が制御され得る回路である。このブリッジ回路は、Hブリッジ回路、或いは、フルブリッジ回路とも称呼される。スイッチング素子S1〜S4は、制御手段CTL(スイッチング制御ブロックSWTからの信号)によって駆動される。夫々のスイッチング素子の通電/非通電の状態が切り替えられることによって、電気モータMTRの回転方向(正転方向、逆転方向)と出力トルク(通電量の大きさ)とが調整される。ここで、MTRの正転方向は、摩擦部材MSBを回転部材KTBに近づかせ、制動トルクが増加され、走行中の車両の減速度が増加される回転方向であり、MTRの逆転方向は、MSBをKTBから引き離し、制動トルクが減少され、走行中の車両の減速度が減少される回転方向である。
電気モータMTRに大出力が要求される場合には、スイッチング素子S1乃至S4に大電流が流される。このとき、スイッチング素子S1〜S4には発熱が生じるため、放熱板(ヒートシンク)が、S1〜S4に設けられ得る。具体的には、熱伝導のよい金属板(例えば、アルミニウム板)が、S1〜S4に固定され得る。
駆動回路DRVには、供給電力を安定化する(即ち、電圧変動を低減する)ためのノイズ低減回路(安定化回路)NIZが設けられる。ノイズ低減回路NIZは、所謂、LC回路(LCフィルタともいう)であり、少なくとも1つのインダクタ(コイル)IND、及び、少なくとも1つのコンデンサ(キャパシタ)CNDの組み合わせによって構成される。例えば、NIZとして、第1、第2コンデンサCND1、CND2、及び、インダクタINDが組み合わされてローパスフィルタ(π型フィルタ)が形成される。具体的には、π型ローパスフィルタは、ラインに並列な2つのコンデンサCND1、CND2と、1つの直列インダクタとで構成されるフィルタで、所謂、チェビシェフ・ローパスLCフィルタである。一般的に、インダクタは、コンデンサ(キャパシタ)よりも高価であるため、π型フィルタが採用されることで、部品コストが抑制され、良好な性能が得られる。また、ノイズ低減フィルタNIZとして、π型ローパスフィルタに代えて、T型ローパスフィルタ(2つの直列インダクタ、及び、1つの並列コンデンサにて構成)が採用され得る。
駆動回路DRVには、通電量取得手段(例えば、電流センサ)IMAが設けられる。通電量取得手段IMAは、電気モータMTRへの実際の通電量(例えば、実際に電気モータMTRに流れる電流)Imaを取得(検出)する。
駆動回路DRVには、電源管理手段DGKが設けられる。電源管理手段DGKは、車体電源BBDからDRVへの給電状態を監視し、BBDが適正状態にあるか、否かを判定する。そして、「BBDが適正状態にある」ことが判定される場合には、DGKは、BBDからDRVへの給電を指示する。一方、「BBDが適正状態にはない(不適状態である)」ことが判定される場合には、電源管理手段DGKは、車体電源BBDからの給電を停止し、緊急電源BEMから駆動回路DRVへの給電を指示する。駆動回路DRVへの電力供給の不適切な状態は、車体電源BBDの性能低下、電力線PBDの断線、或いは、コネクタCNB、CNCの接触不良等で発生し得る。ここで、BBDの適否判定は、車体電源BBDの電圧Vlaに基づいて行われ得る。即ち、電源管理手段DGKは、車体電源BBDに電圧低下がある場合に、駆動回路DRVへの供給電源を、車体電源BBDから緊急電源BEMに変更する。
さらに、電源管理手段DGKは、「BBDの適正状態」を判定する場合には、その判定結果として、制御フラグFLdg=0を通電量調整演算ブロックIMTに送信し、「BBDの不適状態」を判定する場合には、制御フラグFLdg=1をIMTに送信する。制御フラグFLdgは、IMT(制御手段CTLの一部)において、通常時(FLdg=0のとき)の目標通電量Imtに基づく制御が行われるか、或いは、緊急時(FLdg=1のとき)の電気モータMTRの逆回転制御が行われるか、を決定するために用いられる。MTRの逆回転制御では、押圧部材PSNを後退させることによって、摩擦部材(ブレーキパッド)MSBを回転部材(ブレーキディスク)KTBから離れさせるために、MTRが逆回転される(HBRにおいて、S1、S4が非通電、且つ、S2、S3が通電の状態にされる)。
また、電源管理手段DGKは、緊急電源BEMの蓄電状態を監視し、必要であれば充電を行う。具体的には、運転者が制動操作を行っていない場合(非制動要求時)に、車体電源BBD(又は、オルタネータ)から給電されることによって、緊急電源BEMが充電される。ここで、「非制動要求時」は、制動操作量Bpaに基づいて判定される。具体的には、Bpaが所定値bpx未満の条件で、非制動状態が判定される。或いは、制動操作部材(ブレーキペダル)BPにストップスイッチSTPが設けられ、その信号Stpに基づいて判定され得る。
〔電気モータMTR〕
電気モータMTRとして、ブラシ付モータに代えて、ブラシレスモータが採用され得る。ブラシレスモータは、無整流子電動機(ブラシレスDCモータ、Brushless Direct Current Motor)とも称呼され、該電気モータでは、ブラシ付モータの機械式整流子CMTに代えて、電子回路によって電流の転流が行われる。ブラシレスモータでは、回転子(ロータ)が永久磁石に、固定子(ステータ)が巻線回路(電磁石)とされる構造で、ロータの回転位置Mkaが検出され、Mkaに合わせてスイッチング素子が切り替えられることによって、供給電流が転流される。回転子の位置Mkaは、電気モータMTRの内部に設けられる位置取得手段MKAによって検出される。
電気モータMTRとして、ブラシ付モータに代えて、ブラシレスモータが採用され得る。ブラシレスモータは、無整流子電動機(ブラシレスDCモータ、Brushless Direct Current Motor)とも称呼され、該電気モータでは、ブラシ付モータの機械式整流子CMTに代えて、電子回路によって電流の転流が行われる。ブラシレスモータでは、回転子(ロータ)が永久磁石に、固定子(ステータ)が巻線回路(電磁石)とされる構造で、ロータの回転位置Mkaが検出され、Mkaに合わせてスイッチング素子が切り替えられることによって、供給電流が転流される。回転子の位置Mkaは、電気モータMTRの内部に設けられる位置取得手段MKAによって検出される。
ブラシレスモータが採用される場合、駆動手段DRVのブリッジ回路HBRは、6つのスイッチング素子によって構成される。ブラシ付モータの場合と同様に、パルス幅変調ブロックPWMが決定するデューティ比Dutに基づいて、ブリッジ回路HBRを構成するスイッチング素子の通電状態/非通電状態が制御される。
ブラシレスモータでは、位置取得手段MKAによって、電気モータMTRのロータ位置(回転角)Mkaが取得される。そして、スイッチング制御ブロックSWTでは、実際の位置Mkaに基づいて、3相ブリッジ回路を構成する6つのスイッチング素子が制御される。スイッチング素子によって、ブリッジ回路のU相、V相、及びW相のコイル通電量の方向(即ち、励磁方向)が順次切り替えられて、MTRが駆動される。ブラシレスモータの回転方向(正転、或いは、逆転方向)は、ロータと励磁する位置との関係によって決定される。
<車体電源BBD、緊急電源BEM、及び、電源管理手段DGK>
次に、図4を参照しながら、車体電源BBDと緊急電源BEMとの電気的接続、及び、各電源BBD、BEMを管理する電源管理手段DGKについて説明する。
次に、図4を参照しながら、車体電源BBDと緊急電源BEMとの電気的接続、及び、各電源BBD、BEMを管理する電源管理手段DGKについて説明する。
車体電源(第1電源)BBDが、車体BDYに設けられる。さらに、BDYには、電力を生み出し、BBDを充電するオルタネータALTが設けられる。オルタネータALTは、発電機であり、エンジン等の動力源によって駆動される。車体電源BBDの蓄電量(充電量)が低下した場合には、ALTによって発電された電力が、ダイオードDaを介して、BBDに供給され、BBDが充電される。また、ALT、及び、BBDからの電力(電流)は、ダイオードDbを介して、駆動回路DRVに供給される。したがって、オルタネータALTは車体電源の一部である。オルタネータALTが発電している際には、この電力もDRVに供給されるため、BBD、及び、ALTが、DRVへの電力(電流)の供給源(車体電源)となる。
車体電源BBD等から駆動手段DRVへの電力供給は、車体電力線(第1の電気経路)PBDによって行われる。ここで、パワー線PBDとして、ツイストペアケーブル(Twisted Pair Cable、2つの対で撚り合わせた電線)が採用され得る。また、PBDは、ECUに設けられるコネクタ(車体側コネクタ)CNBを介して、駆動手段DRVに接続される。
駆動手段(駆動回路)DRVが、車輪WHLに固定されるキャリパCPR内に設けられる。駆動手段DRVには、コネクタ(車輪側コネクタ)CNCが設けられ、CNCを介して、電力(電流)がDRVに導入される。駆動手段DRVには、緊急電源BEM、及び、これを管理する電源管理手段DGKが設けられる。これらは、CPR内に設けられる(車輪側に固定される)。
緊急電源(第2電源)BEMは、車体電源(第1電源)BBDの電力供給状態が不適切になった場合に、電気モータMTRに電力を供給する。即ち、BEMは、BBDの電力供給能力が低下する緊急的な状況において、補助的に電力を供給するものである。例えば、BEMは、電気2重層キャパシタ(単に、キャパシタともいう)CAP、及び、DC−DCコンバータ(単に、コンバータともいう)DCCにて構成される。キャパシタCAPは、2次電池(蓄電池)に比べ、内部抵抗が低いため、短時間での充放電が可能である。DC−DCコンバータDCCは、キャパシタCAPの出力電圧を、電気モータMTRに合致する電圧に変換する。BEMからMTRへの電力供給経路である、車輪電力線PWHとして、バスバーが採用され得る。バスバーの採用によって、複雑な端子処理が不要で、組み付けが容易になるとともに、大電流の供給にも適する。
DC−DCコンバータDCCは、直流電圧を制御するものであり、或る電圧の直流電流を、異なる電圧の直流電流へ変換する(昇圧、又は、降圧する)。即ち、コンバータ(電圧変換手段)DCCによって、緊急電源BEMの出力電圧が、電気モータMTRの駆動に適した電圧に変更される。DC−DCコンバータDCCとして、チョッパ制御式、スイッチング制御式、及び、シリーズレギュレータ式の各方式のうちのいずれか1つが採用され得る。
電源管理手段DGK(制御手段CTLの一部)は、車体電源BBDが適切に電力供給できる(適正状態)か、否(不適状態)か、を判定する。そして、適正状態が判定される場合には、電源管理手段DGKは、車体電源(第1電源)BBDからブリッジ回路HBR(S1〜S4、最終的には、MTR)に電力供給する。一方、不適状態が判定される場合には、電源管理手段DGKは、緊急電源(第2電源)BEMから、ダイオードDcを経由して、ブリッジ回路HBRに電力を供給する。具体的には、電源管理手段DGKには、電圧取得手段VLA、及び、切替手段(スイッチ)KRKが設けられる。電圧取得手段VLAは、車体電源BBDの供給電圧Vlaを取得(検出)する。そして、DGKは、供給電圧Vlaが所定電圧(所定のしきい値)vlx以上の場合に「適正状態」を判定し、Vlaがvlx未満の場合に「不適状態」を判定する。この判定結果に基づいて、切替手段KRKは、「適正状態」が判定される場合には、車体電源BBDとブリッジ回路HBRとを接続し、「不適状態」が判定される場合には、緊急電源BEMとブリッジ回路HBRとを接続する。
さらに、電源管理手段DGKは、車体電源BBDの電力供給状態を表す制御フラグ(判定結果)FLdgを、目標通電量演算ブロックIMTに送信する。具体的には、電源管理手段DGKは、「適正状態」を判定する場合にはFLdg=0を、「不適状態」を判定する場合にはFLdg=1を、目標通電量演算ブロックIMTに出力する。換言すれば、制御フラグ(BBDの適否を表す適否フラグ)FLdgとして、BBDが適切に機能している場合には「0(正常)」が出力され続け、車体電源BBDの電力供給機能が損なわれた時点で、「0(正常)」が「1(非正常)」に切り替えられる。目標通電量演算ブロックIMTでは、適否フラグFLdgを受けて、FLdg=0の場合には、制動操作量Bpaに基づく電気モータMTRの制御(通常時の制御)が実行される。しかし、FLdg=1を受信した時点で、直ちに、緊急電源BEMからの給電によって、電気モータMTRを逆転させる制御(緊急時の制御)に切り替えられる。
電源管理手段DGKには、緊急電源BEMを充電するための充電手段JDNが設けられる。BEMでは、自己放電によって、電気が時間の経過にともなって失われる。そこで、充電手段JDNは、運転者が制動操作部材BPを操作していない場合(例えば、Bpa<bpxで判定)に、BBD(又は、ALT)からBEMに電流を流し、BEMに電荷を蓄積する(充電する)。そして、JDNは、BEMに電荷が十分に蓄えられた状態(満充電)になった時点で、充電を終了する。充電終了(満充電)は、BEMの充電状態量Jdaに基づいて決定される。
例えば、充電状態量Jdaとして、緊急電源BEMの電圧が検出され、BEMの電圧の変化に基づいて、満充電状態が検知され得る。さらに、BEMの容量、充放電時間に基づいて、充電手段JDNにプログラムされた演算処理によって満充電が判別され得る。さらに、JDNでは、充電方法として、−ΔV方式充電、温度制御方式充電、dT/dt制御方式、パルス充電、及び、トリクル充電のうちで、少なくとも1つが採用され得る。−ΔV方式充電では、満充電状態を超過して充電されるときに、電池の電圧が僅かに低下する現象を利用し、この電圧変化に基づいて充電が行われる。温度制御方式では、充電状態量Jdaとして、電池BEMの温度が検出され、電池の温度上昇に基づいて充電が行われる。dT/dt制御方式充電では、電池BEMの温度(上昇)の微分値(Jdaの時間変化量dJda)が検出され、dJdaに基づいて充電が行われる。パルス充電法では、定電流充電により所定の電圧に達した後、パルス電流により充電が継続される。パルス充電では、セル電圧が極短時間だけ所定の電圧を越えることを容認され、セル電圧が細かく監視されることで、過充電が抑制され、急速充電がなされ得る。トリクル(Trickle)充電法は、電池特性に負荷、及び、影響を与えない程度の微弱電流が常時供給されることによって、満充電の状態が維持される。
車体電源BBDの不適正状態が判定された場合(FLdg=1)に、緊急電源BEMからの給電によって通常時の制御(Bpaに基づく制御)が継続されるのではなく、通常時の制御が直ちに終了され、緊急時の制御(引き戻し制御)に切り替えられる。キャリパCPR内に搭載するためには、緊急電源BEMの蓄電容量が制限され、その給電能力に制約が生じる。電力供給源が切り替えられた場合には、電気モータMTRの制御方法も併せて変更されることによって、容量に制限のある緊急電源BEMが利用される場合であっても、確実に摩擦部材MSBの引き摺りによる課題が解消され得る(摩擦部材MSBの熱膨張によって生じる引き摺りトルク増加の抑制、及び、車両の方向安定性の確保が達成され得る)。
緊急電源(第2電源)BEMは、車輪側コネクタ(即ち、キャリパCPRに固定されるコネクタ)CNCと、電気モータMTRとの間の電気経路内に配置される。即ち、CNCとMTRとの間の電気経路にBEMが接続される。コネクタCNCでは、配線における通電がコンタクトピンの接触(雄側ピンと雌側ピンのはめ合い)によって行われるため、この接触が振動によって緩む場合があり得る。緊急電源BEMが、車輪側コネクタ(BRK側コネクタ)CNCから、ブリッジ回路HBR(即ち、電気モータMTR)までの電気回路内に設けられるため、コネクタCNCの接触不良が発生した場合であっても、適切に緊急時の電気モータ制御が実行され得る。
電圧取得手段VLAは、駆動手段DRVの電気回路において、車輪側コネクタCNCと切替手段KRK(車体電源BBDから電気モータMTRまでの電気経路と、緊急電源BEMから電気モータMTRまでの電気経路とを切り替える手段)との間に配置(接続)される。即ち、VLAによって、CNCとKRKとの間の電気経路の電圧が取得(検出)される。上記と同様に、電圧取得手段VLAが、コネクタCNCとブリッジ回路HBR(即ち、電気モータMTR)との間に配置されるため、コネクタCNCの不調(例えば、接触不良)によって発生する不適状態にも対応し得る。
適正状態から不適状態への切り替えは、電圧センサが設けられて、この検出値によって、車体電源BBDの適否判定(適正状態か、不適状態かの判定)が行われる。しかし、切り替え判定は電子的手段には限定されず、リレー等による電気・機械的な切り替え手段が採用され得る。
<本発明の時系列作動>
次に、図5を参照しながら、以下の状況を想定して、本発明の時系列における作動と、その効果について説明する。車両の走行中に、時点t0において、運転者の制動操作によって、制動操作量Bpaが増加し、或る値bp1にまで増加される。時点t0では、車体電源BBDの給電能力は正常であって、ブリッジ回路HBR(即ち、電気モータMTR)への電力供給はBBDから行われている。そして、制動開始当初は、BBDの状態は適正であったが、電圧が徐々に低下し始める。
次に、図5を参照しながら、以下の状況を想定して、本発明の時系列における作動と、その効果について説明する。車両の走行中に、時点t0において、運転者の制動操作によって、制動操作量Bpaが増加し、或る値bp1にまで増加される。時点t0では、車体電源BBDの給電能力は正常であって、ブリッジ回路HBR(即ち、電気モータMTR)への電力供給はBBDから行われている。そして、制動開始当初は、BBDの状態は適正であったが、電圧が徐々に低下し始める。
図5(a)の例に示すように、車体電源BBDの供給電圧Vlaが徐々に低下し、時点t3にて、Vlaが電圧しきい値(所定電圧)vlxを下回る。このとき、制御手段CTL(特に、電源管理手段DGK)は、電気モータMTRへの電力供給源を、車体電源BBDから緊急電源BEM(電圧Vlb)に切り替える。これにより、ブリッジ回路HBRへの供給電圧は、値vlxから値vl1(緊急電源BEMが供給する適正電圧値)に上昇される。さらに、時点t3までは、目標通電量Imtは、制動操作量Bpaに基づいて演算される(通常時の制御が実行される)が、時点t3で緊急時の引き戻し制御(押圧部材PSNが、回転部材KTBから離れる方向に駆動され、摩擦部材MSBと回転部材KTBとの摩擦が減少される制御)が実行されるために、所定値im2(負の値であり、電気モータMTRを逆回転させる通電量)にまで減少される。この引き戻し制御によって、実際の押圧力Fbaは、値fb1から減少され、概ねゼロ(引き摺りがない状態)にまで減少される(時点t4)。電気モータの目標通電量Imtは、(1)で示すように、不適状態が判定される時点t3の後は、値im2に維持される。または、(2)で示すように、押圧力Fbaが概ねゼロにされた後(例えば、所定時間txが経過した後)に、時点t5にて、Imt=0にされ、緊急電源BEMから、電気モータMTRへの通電が停止され得る。
車体電源BBDの不調が判定される時点で、電気モータMTRへの電力供給源が、車体電源BBDから緊急電源BEMに切り替えられる。このとき、緊急電源BEMによって、電気モータMTRの通常制御(Bpaに基づく制御)が継続されるのではなく、緊急時の制御として、電気モータMTRが直ちに逆回転されて、摩擦部材MSBと回転部材KTBとが引き離される。緊急時の制御に要する電力量(消費電力)は限定的であるため、緊急電源BEMが小型、軽量とされ、キャリパCPR内に搭載され得る。機械的なばねが採用される戻し機構では、通常時の制御において、制動操作毎に、ばねにエネルギが蓄えられる必要がある。小型の緊急電源BEMによって、緊急時に引き戻し動作(即ち、電気モータMTRの逆回転動作)が行われるため、無駄なエネルギ消費が抑制され得る。緊急時の引き戻し制御では、MTRの逆回転によって、引き摺り(MSBとKTBとの僅かな接触によって生じる抵抗)の概ねゼロ状態が実現され得る。このため、車両の方向安定性が確保され得る。具体的には、電動制動装置が前輪に設けられる場合には、車体電源BBDの不調時に、前輪の横滑りが抑制され、車両のアンダステア挙動が抑制され得る。また、電動制動装置が後輪に設けられる場合には、BBDの不調時に、後輪の横滑りが抑制され、車両のオーバステア挙動が抑制され得る。
図5(b)では、図5(a)とは電圧低下は同様であるが、車体電源BBDの不適状態が判定された後の目標通電量Imtのパタンが相違する他の例が示される。この例では、BBDの不調が判定される時点(t3)にて、電気モータMTRへの通電が一旦停止される。摩擦部材MSB、及び、キャリパCPRの剛性(ばね定数、弾性)のため、実際の押圧力Fbaは徐々に減少される。そして、Fbaが所定値fb2未満になる時点(t6)にて、緊急電源BEMからの電力供給によって、電気モータMTRが逆回転方向に駆動されるように通電が開始される。しきい値fb2は、動力伝達機構NJB、GSKの損失トルク、及び、MTRの保持トルクに相当する押圧力fb0よりも僅かに大きい値に設定される。ここで、値fb0は装置設計時に決定される値であるため、値fb2は予め設定される所定値である。BEMの電気容量が、押圧力を値fb2からゼロに引き戻すのに必要最低限であればよいため、BEMが、さらに小型・軽量化され得る。また、図5(a)の(1)にて示す例と同様に、Fbaが概ねゼロになった時点(t7)から、所定時間txを経過した時点(t8)にて、MTRへの通電が停止され得る(破線(4)を参照)。
MSB…摩擦部材、KTB…回転部材、MTR…電気モータ、BBD…車体電源、BEM…緊急電源、CTL…制御手段、Fba…押圧力
Claims (2)
- 車両の車輪に固定された回転部材と、
前記車両の車輪側に設けられた電気モータと、
前記電気モータの駆動トルクを利用して前記回転部材を押圧して、前記車輪に制動トルクを発生させる摩擦部材と、
前記車両の車体側に設けられ、前記電気モータに給電する車体電源と、
前記車両の車輪側に設けられ、前記電気モータに給電する緊急電源と、
前記電気モータを制御する制御手段と、
を備えた、車両の電動制動装置であって、
前記制御手段は、
前記車体電源を用いて前記電気モータを駆動し、
前記車体電源から前記電気モータへの給電状態が適正状態であるか、不適状態であるか、を判定し、
前記不適状態との判定がなされ、且つ、前記回転部材に対する前記摩擦部材の押圧力が発生している場合に限り、前記車体電源に代えて前記緊急電源を用いて、前記押圧力が減少するように前記電気モータを駆動するように構成された、車両の電動制動装置。 - 請求項1に記載の車両の電動制動装置において、
前記制御手段は、
前記緊急電源を用いて前記電気モータを駆動する場合、前記押圧力を増加するための前記電気モータの駆動を行わないように構成された、車両の電動制動装置。
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JP2002178900A (ja) * | 2000-12-18 | 2002-06-26 | Toyota Motor Corp | 車輌の制動制御装置 |
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- 2013-08-23 JP JP2013173834A patent/JP6082944B2/ja active Active
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