JP2015039989A - 鉄道車両構体 - Google Patents

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Abstract

【課題】客室空間を広く確保しつつ、走行時において作用する空気抵抗の抑制を図ることができる鉄道車両構体を提供すること。【解決手段】肩部30は、車外側肩部32の端部と屋根構体10の端部とが凹部33を介して連設されているので、レールRの上面からの屋根構体10の形状および高さ位置を従来の構体530と同一に設計することができる。また、客室側張出部31の曲率半径をR100mm以上かつR450mm以下の範囲内に設定することによって、肩部30に加わる気密荷重により発生する応力が過大になることを回避しつつ、客室側張出部31が客室空間S側へ張り出す量を小さくして、肩部30が位置する客室空間Sの幅方向両端側における高さ寸法を高く設定することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、鉄道車両構体に関し、特に、客室空間を広く確保しつつ、走行時において作用する空気抵抗の抑制を図ることができる鉄道車両構体に関するものである。
客室空間が気密に構成された鉄道車両構体では、トンネル内を通過する際などに、客室空間内と外気との内外圧力差に起因して大きな応力が発生することが知られている。
特許文献1には、発生する応力が最大となる構体肩部(肩部)の構体断面方向の厚さを大きく確保しつつ、側構体および屋根構体のうち発生する応力が小さい部分の構体断面方向の厚さを構体肩部よりも小さくする技術が開示されている。
特開2004−90850号公報(図1など)
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、構体肩部(肩部)の内側面板を外側面板に対して離れる方向、即ち、客室空間側へ張り出すように内側面板を成形することで構体肩部の構体断面方向の厚さを確保していた。そのため、構体肩部が位置する鉄道車両構体の幅方向両端側では客室空間の高さが低くなり、客室空間が狭くなるという問題点があった。
一方、特許文献1における構体肩部の形状を保持したまま、レール上面からの屋根構体の高さ位置を上昇させると、鉄道車両構体の高さ寸法が大きくなるため、走行時において鉄道車両に作用する空気抵抗が大きくなるという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、客室空間を広く確保しつつ、走行時において作用する空気抵抗の抑制を図ることができる鉄道車両構体を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の鉄道車両構体は、屋根構体と、その屋根構体の両側に配設される一対の側構体と、それら一対の側構体の上端および前記屋根構体の幅方向両端の間に連設される一対の肩部とを備え、それら屋根構体、一対の側構体および一対の肩部に包囲された客室空間が気密に構成されたものであり、前記肩部は、前記客室空間に面して形成され、前記屋根構体および一対の側構体の間に連設されると共に前記客室空間とは反対方向へ向けて円弧状に凹設される客室側張出部と、前記客室空間の反対側である車外側へ面して形成され、一対の側構体から前記屋根構体へ向けて延設されると共に前記客室空間とは反対方向へ向けて円弧状に張り出す車外側張出部と、前記客室空間の反対側である車外側へ面して形成され、前記車外側張出部および前記屋根構体の間に連設されると共に前記客室空間側へ向けて凹設される凹部とを備え、前記客室側張出部は、前記客室空間に面する側の曲率半径がR100mm以上かつR450mm以下の範囲内に設定されている。
請求項2記載の鉄道車両構体は、請求項1記載の鉄道車両構体において、レール上面から前記屋根構体までの鉛直方向に沿った高さ寸法に対する前記一対の側構体の水平方向に沿った対向間寸法の比が1以上かつ1.1以下の範囲内に設定され、前記屋根構体の幅方向における中心位置から前記凹部と前記屋根構体との接続位置までの水平方向に沿った離間寸法は、前記屋根構体の幅方向における中心位置から前記側構体までの水平方向に沿った離間寸法の最大値の0.5倍以上かつ0.6倍以下に設定されている。
請求項1記載の鉄道車両構体によれば、客室側張出部の客室空間に面する側の曲率半径がR450mm以下に設定されているので、肩部が位置する鉄道車両構体の幅方向両端側において、客室空間における高さ寸法が車内側張出部によって低く制限されることを抑制できる。よって、客室空間を広く確保できるという効果がある。
また、客室側張出部の曲率半径がR100mm以上に設定されているので、肩部に過大な応力が発生することを回避できるという効果がある。
ここで、客室空間は気密に構成されているので、トンネル内を通過する際などでは、屋根構体や側構体よりも曲率半径が小さく設計された肩部には大きな応力が発生する。よって、肩部の厚さ寸法を大きく確保して肩部の剛性を高めることが好ましい。
この点に関し、請求項1記載の鉄道車両構体によれば、車外側張出部と屋根構体との間には客室空間側へ向けて凹設される凹部が連設されている。これにより、肩部の厚さ寸法を大きく確保した場合であっても、屋根構体の高さ位置を低く設定できる。
よって、肩部に発生する応力に対する剛性を確保しつつ、走行時において作用する空気抵抗の抑制を図ることができるという効果がある。
請求項2記載の鉄道車両構体によれば、請求項1記載の鉄道車両構体の奏する効果に加え、レール上面から屋根構体までの鉛直方向に沿った高さ寸法に対する一対の側構体の水平方向に沿った対向間寸法の比が1以上かつ1.1以下の範囲内に設定されているので、客室空間の幅寸法において車両限界の範囲内で客室空間の広さを最大限確保しつつ、客室空間の高さ寸法において客室空間の広さの確保と走行時に作用する空気抵抗の抑制との両立を図ることができるという効果がある。
また、屋根構体の幅方向における中心位置から凹部と屋根構体との接続位置までの水平方向に沿った離間寸法が、屋根構体の幅方向における中心位置から側構体までの水平方向に沿った離間寸法の最大値の0.5倍以上かつ0.6倍以下となる位置に凹部が形成されているので、トンネル内等を通過する際における鉄道車両構体の変形を抑制できるという効果がある。
即ち、トンネル等を通過する際などに、鉄道車両構体には気密荷重が加わる。この気密荷重により発生する応力は、鉄道車両構体の厚さ寸法が均一で設計された場合に、肩部が最大となるのに対し、屋根構体の幅方向における中心位置から側構体までの水平方向に沿った離間寸法の最大値の0.5倍以上かつ0.6倍以下の長さ寸法だけ、屋根構体の幅方向における中心位置から幅方向へ離間した位置が、最小となる。
また、肩部のうち、凹部が形成される位置は、車外側肩部が形成される位置よりも厚さ寸法が小さくなる。そのため、発生する応力が大きくなる位置に凹部を形成した場合、鉄道車両構体の変形量が大きくなる。
そこで、屋根構体の幅方向における中心位置から側構体までの水平方向に沿った離間寸法の最大値の0.5倍以上かつ0.6倍以下の長さ寸法だけ、屋根構体の幅方向における中心位置から幅方向へ離間した位置に凹部を配置することによって、気密荷重により鉄道車両構体に発生する応力を低減させて、鉄道車両構体の変形を抑制することができる。
本発明の一実施の形態における鉄道車両の側面図である。 構体の断面図である。 構体の断面形状を模式的に表した模式図である。 形状が異なる2つの構体の応力分布を示す応力図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、鉄道車両100の概略構成について説明する。図1は、本発明の一実施の形態における鉄道車両100の側面図である。なお、図1では、鉄道車両100を模式的に図示している。なお、図1では、構体3の内部に設置されたドアエンジン6を破線で模式的に図示している。
図1に示すように、鉄道車両100は、レールR上を転動する複数の車輪2と、その車輪2を軸支する台車(図示せず)と、その台車に支持されると共に乗員および乗客を収容する客室空間S(図2参照)を形成する構体3とを主に備えている。
構体3には、乗員および乗客が乗降する出入口4が開口形成されると共に、その出入口4を開閉可能にスライド移動する扉5が配設されている。また、出入口4の上方には、扉5をスライド移動させるドアエンジン6が設置されている。
次に、図2を参照して、構体3について説明する。図2は、構体3の断面図であり、鉄道車両100の前後方向に対して直交する方向へ切断した断面を模式的に図示している。
図2に示すように、構体3は、客室空間Sに面して形成される内板3aと、客室空間Sの反対側、即ち、車外側に配設される外板3bとが、複数のリブ3cで連結されるダブルスキン構造のアルミニウム製またはアルミニウム合金製の中空形材により構成されている。
構体3は、鉄道車両100の床面を構成する台枠(図示せず)と、その台枠の上部に配設される屋根構体10と、その屋根構体10の幅方向(図2左右方向)両側に配設される一対の側構体20と、鉄道車両100の前後方向(図2紙面垂直方向)両端部に配設される妻構体(図示せず)とを主に備えている。また、屋根構体10及び一対の側構体20の間には、客室空間Sから車外側へ向けて膨らむように湾曲した略円弧状の肩部30が形成され、構体3により包囲される客室空間Sが気密に構成されている。
屋根構体10及び側構体20は、客室空間Sから車外側へ向けて膨らむようにわずかに湾曲した形状に形成されており、肩部30の曲率半径は、屋根構体10及び側構体20よりも小さく設定されている。
構体3は、一対の側構体20の各々の下端が台枠に固定されると共に一対の側構体20の各々の上端が一対の肩部30の各々の一端に連設され、屋根構体10の両端が一対の肩部30の各々の他端に連設されている。
肩部30は、内板3aの一部を構成する客室側張出部31と、外板3bの一部を構成する車外側張出部32と、その車外側張出部32及び屋根構体10を構成する部分に位置する外板3bの間に連設される凹部33とを備えている。
ここで、図3を参照して、肩部30の形状について詳細に説明する。図3は、構体3の断面形状を模式的に表した模式図である。図3は、図2に図示された構体3のうち、一方の肩部30を主として拡大した図であり、図面を簡素化して説明をわかりやすくするため、内板3a及び外板3bの形状を模式的に図示すると共に隔壁3cの図示を省略し、従来における肩部530の形状を破線で図示している。
図3に示すように、客室側張出部31は、屋根構体10を構成する部分に位置する内板3aと側構体20を構成する部分に位置する内板3aとを連設する部位であり、客室空間S側から車外側へ向けて円弧状に凹設されている。
車外側張出部32は、屋根構体10を構成する部分に位置する外板3bと側構体20を構成する部分に位置する外板3bとを連設する部位であり、客室空間S側から車外側へ向けて円弧状に張り出している。
なお、肩部30は、客室側張出部31の形状と車外側張出部32の形状とを異ならせることにより、肩部30の厚さ寸法(即ち、車内側肩部31と車外側肩部32との離間寸法)が、屋根構体10及び側構体20の厚さ寸法(即ち、屋根構体10及び側構体20における内板3aと外板3bとの離間寸法)よりも大きな寸法となるように設計されている。
というのも、鉄道車両100は、客室空間Sが気密に構成されているため、トンネル内を通過する際などに、客室空間S内の気圧とトンネル内の空気圧との間に差圧が生じ、構体3に気密荷重が加わる。この気密荷重により発生する応力は、構体の厚さ寸法が均一で設計された場合には、屋根構体10及び側構体20よりも曲率半径が小さい肩部30が最大となる。
これに対し、肩部30は、屋根構体10及び側構体20よりも厚い厚さ寸法に設定されているので、肩部30の剛性を高めることができる。よって、気密荷重により肩部30に発生する応力を抑制して、構体3の変形を小さくすることができる。
一方、屋根構体10及び側構体20では、気密荷重によって発生する応力が肩部30よりも小さくなる。従って、屋根構体10及び側構体20の厚さ寸法を肩部30よりも小さく設定することで、構体3全体としての重量増加を抑制することができる。これにより、鉄道車両100の高速化を図ることができる。
凹部33は、車外側から客室空間S側へ向けて円弧状に凹設されている。即ち、屋根構体10及び車外側張出部32は、その曲率中心が客室空間S側に位置するのに対し、凹部33では、その曲率中心が車外側に位置している。
ここで、従来における肩部530の形状について説明する。肩部530は、客室側張出部531は、車外側張出部532よりも曲率半径が小さく設定され、客室側張出部531が車外側張出部532から客室空間S側へ張り出した状態で成形されていた。このように従来の肩部530では、屋根構体10及び側構体20よりも肩部530の厚さ寸法が大きくなるように設計し、肩部530に発生する応力による構体の変形量を小さくしていた。
しかしながら、従来の肩部530は、客室側張出部531が客室空間S側へ張り出して形成されることによって、その分、肩部530が位置する幅方向両端側(図2における左右方向両端側、図3右端側)における客室空間Sの高さ寸法が低くなっていた。
これにより、乗員や乗客にとっては客室空間Sが狭く感じられていた。また、客室側張出部531の高さ位置が低くなる分、ドアエンジン6(図1参照)を低い位置に設置する必要がある。その結果、出入口4(図1参照)の高さ寸法が小さくなり、出入口4から乗降する背の高い乗員や乗客に窮屈感を与えていた。
また、従来の肩部530の形状を保持したままレールRの上面からの屋根構体10の高さ位置を上昇させた場合、客室空間Sを広くすることはできるものの、構体の高さ寸法が大きくなる。そのため、走行する鉄道車両に作用する空気抵抗が大きくなり、鉄道車両の高速化を図る上での妨げとなる。
これに対し、本実施の形態における肩部30は、従来の肩部530と比べ、客室側張出部31の曲率半径を小さく設定することで、肩部30が位置する客室空間Sの幅方向両端側における高さ寸法が大きく確保されている。
これにより、乗員や乗客は、客室空間Sを従来よりも広くすることができると共に、ドアエンジン6を従来よりも高い位置に設置できる分、出入口4の高さ寸法を大きく設定して、背の高い乗員や乗客が出入口4から乗降する際に感じる窮屈感を軽減することができる。
なお、客室側張出部31の曲率半径は、R100mm以上かつR450mm以下の範囲内に設定することが好ましい。
即ち、客室側張出部31の曲率半径をR100mm以上に設定することによって、肩部30に加わる気密荷重により発生する応力が過大になることを回避できる。
また、客室側張出部31の曲率半径をR450mm以下に設定することによって、客室側張出部31が客室空間S側へ張り出す量を小さくして、肩部30が位置する客室空間Sの幅方向両端側における高さ寸法を高く設定することができる。
また、肩部30は、車外側肩部32の端部と屋根構体10の端部とが凹部33を介して連設されているので、レールRの上面からの屋根構体10の形状および高さ位置を従来の構体530と同一に設計することができる。
即ち、肩部30の車外側肩部32は、従来における肩部530の車外側肩部532よりも上方に張り出して形成されている。よって、仮に、車外側肩部32と屋根構体に構成する部分に位置する外板とを、曲率中心が客室空間S側に位置する円弧状となるように連設した場合、図3において二点鎖線で図示されるように、屋根構体を構成する外板の高さ位置が高くなる。
これに対し、肩部30では、曲率中心が車外側に位置する円弧状に形成された凹部33を介して、屋根構体10を構成する部分に位置する外板3bと車外側張出部32とが連設されている。これにより、屋根構体10を構成する部分に位置する外板3bの高さ位置および形状を従来の構体530と同一に保持しつつ、車外側張出部32の高さ位置および形状を従来の車外側張出部532よりも高い位置に張り出させた形状に形成することができる。
従って、客室側張出部31の高さ位置を従来の客室側張出部531よりも高くして客室空間Sを広く確保しつつ、肩部30の厚さ寸法を大きく確保して気密荷重により発生する応力に耐えうる剛性を有した肩部30を設計することができる。
また、屋根構体10の外板3bの高さ位置および形状を従来と同様に設計することができるので、構体3の高さ寸法が大きくなることを回避して、走行時において鉄道車両100に作用する空気抵抗の抑制を図ることができる。
図2に戻って説明する。鉄道車両100は、構体3の幅寸法および高さ寸法を車両限界の範囲内に収める必要がある。構体3の幅寸法については、客室空間Sを広く確保する観点から、車両限界の範囲内で最大限大きな寸法に設定することが望ましい。
一方、構体3の高さ寸法については、客室空間Sを広く確保する観点から考えると、車両限界の範囲内で最大限大きな寸法に設定することが望ましいが、空力の観点から考えると、屋根構体10の高さ位置をより低い位置に設定することが望ましい。
即ち、構体3は、その幅寸法をできる限り大きな寸法に設定しつつ、高さ寸法を客室空間Sの広さと空気抵抗の抑制との両立を図ることができる寸法に設定することが望ましい。
この点に関し、発明者は、レールR(図1参照)の上面から屋根構体10の外板3bまでの鉛直方向に沿った構体3の高さ寸法の最大値に対する、水平方向に沿った一対の側構体20の対向間寸法の比を1以上かつ1.1以下の範囲内に設定することで、客室空間Sの広さの確保と走行時において鉄道車両100に作用する空気抵抗の抑制との両立を図ることができることを見出した。
さらに、発明者は、レールRの上面から屋根構体10の外板3bまでの鉛直方向に沿った構体3の高さ寸法の最大値に対する、水平方向に沿った一対の側構体20の対向間寸法の最大値の比を1以上かつ1.1以下の範囲内に設定した場合において、屋根構体10の幅方向における中心位置から凹部33と屋根構体10との接続位置までの水平方向に沿った離間寸法値w1は、屋根構体の幅方向における中心位置から側構体20の外板3b部分までの水平方向に沿った離間寸法の最大値wの0.5倍以上かつ0.6倍以下に設定されることが望ましいことを見出した。
即ち、凹部33は、気密荷重により発生する応力に耐えうる厚さ寸法に設定された肩部30と、その肩部30よりも厚さ寸法が小さく設定された屋根構体10とを連設する部位である。また、内板3aは、全域が曲率中心を客室空間S側とする円弧状に形成されている。従って、肩部30は、凹部33が形成される部位における厚さ寸法が、車外側張出部32が形成される部位における厚さ寸法よりも小さく形成される。
そのため、気密荷重により発生する応力が大きくなる位置、即ち、曲率半径が小さく設計された肩部30が位置する構体3の幅方向両端部に近接した位置に凹部33を形成すると、凹部33に発生する応力が大きくなり、構体3の変形量が大きくなる。
一方、構体3の幅方向における中心位置に近接した位置に凹部33を形成すると、その分、構体3の幅方向において屋根構体10に対して肩部30が占める割合が大きくなる。肩部30よりも厚さ寸法が小さく設計される屋根構体10の構体3全体に占める割合が少なくなるため、構体3の総重量が大きくなり、鉄道車両100の高速化を図る上での妨げとなる。
これに対し、構体の厚さ寸法、即ち、屋根構体、側構体および肩部の厚さ寸法がすべて均一寸法となるように設計した場合に、構体3の幅方向における中心位置から側構体20の外板3b部分までの水平方向に沿った離間寸法の最大値wに対し、構体3の幅方向における中心位置からの離間寸法値w1が0.5倍以上かつ0.6倍以下となる範囲では、気密荷重により構体3に発生する応力が小さいことを発明者は見出した。
ここで、図4を参照して、凹部が異なる位置に形成された2つの構体に発生する応力を比較した試験のシミュレーション結果について説明する。図4は、形状が異なる2つの構体の応力分布を示す応力図である。本試験では、構体の幅方向における中心位置から側構体の外板部分までの水平方向に沿った離間寸法の最大値wに対し、構体の幅方向における中心位置からの離間寸法値が0.57wに設計された構体Aと、構体の幅方向における中心位置から側構体の外板部分までの水平方向に沿った離間寸法の最大値wに対し、構体の幅方向における中心位置からの離間寸法値が0.7wに設計された構体Bとの2つの構体に対し、所定の等分布荷重を負荷した状態において構体A及びBに発生するミーゼス応力を調べた。なお、構体A及び構成Bは、内板の形状が同一形状に設計されると共に、外板の形状は、凹部が形成される位置を除き、同一の形状に設計されている。
図4(a)に示すように、構体Aでは、矢印A1で示す部位が、凹部全体の中で発生した応力が最大となった部位であり、その最大応力値は4.22N/mmであった。また、矢印A2で示す部位は、肩部30全体の中に発生した応力が最大となった部位であり、その最大応力値は5.82N/mmあった。
このように、構体Aでは、全体の中で最も応力値が最大となった部位では、矢印A2で示す部位であり、凹部に発生した最大応力値は、肩部に発生した最大応力値よりも小さい値となった。
図4(b)に示すように、構体Bでは、矢印B1で示す部位が、凹部全体の中で発生した応力が最大となった部位であり、その最大応力値は9.93N/mmであった。また、矢印B2で示す部位は、肩部30全体の中に発生した応力が最大となった部位であり、その最大応力値は5.82N/mmあった。
このように、構体Bでは,全体の中で最も応力値が最大となった部位では、矢印B1で示す部位であり、凹部に発生した最大応力値は、肩部に発生した最大応力値よりも大きい値となった。
この試験結果は、構体Aでは、加わる荷重が比較的小さい位置に凹部を形成したことによって、凹部が形成された位置における構体Aの厚さ寸法が小さく設計されたとしても、凹部に発生する応力を抑制することができたことを示している。一方、構体Bでは、曲率半径が小さく設計された肩部が位置する構体の幅方向における端部に近接した位置に凹部が形成されているために、凹部に発生した応力が大きくなったと考えられる。
以上のように、屋根構体10の幅方向における中心位置から凹部33と屋根構体10との接続位置までの水平方向に沿った離間寸法値w1が、屋根構体10の幅方向における中心位置から側構体20までの水平方向に沿った離間寸法の最大値wの0.5倍以上かつ0.6倍以下となる位置に凹部を形成することによって、気密荷重により構体3に発生する応力を低減させて、構体3の変形を抑制することができる。
また、屋根構体10の幅方向における中心位置から凹部33と屋根構体10との接続位置までの水平方向に沿った離間寸法値w1が、屋根構体10の幅方向における中心位置から側構体20までの水平方向に沿った離間寸法の最大値wの0.5倍以上となる位置に凹部を形成することによって、構体3の幅方向において屋根構体10に対して肩部30が占める割合が大きくなりすぎることを回避できる。よって、肩部30よりも厚さ寸法が小さく設計される屋根構体10の構体3全体に占める割合が多くすることができるので、構体3の総重量を小さくして鉄道車両100の高速化を図ることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。例えば、屋根構体10の幅方向における中心位置から凹部33と屋根構体10との接続位置までの水平方向に沿った離間寸法値W1は任意に設定することができる。
上記実施の形態では、車内側肩部31の曲率半径の最小値が車外側肩部32の曲率半径の最小値よりも小さく設定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、車内側肩部31の曲率半径が最小となる曲率半径の中心と、車外側肩部32の曲率半径が最小となる曲率半径の中心との位置を調整することにより、車内側肩部31の曲率半径の最小値を車外側肩部32の曲率半径の最小値と同等または車外側肩部32の曲率半径の最小値よりも大きく設定してもよい。これにより、肩部30の剛性を確保しつつ、構体3の設計の自由度を高めることができる。
100 鉄道車両
3 構体(鉄道車両構体)
10 屋根構体
20 側構体
30 肩部
31 客室側張出部
32 車外側張出部
33 凹部
S 客室空間

Claims (2)

  1. 屋根構体と、その屋根構体の両側に配設される一対の側構体と、それら一対の側構体の上端および前記屋根構体の幅方向両端の間に連設される一対の肩部とを備え、それら屋根構体、一対の側構体および一対の肩部に包囲された客室空間が気密に構成された鉄道車両構体において、
    前記肩部は、
    前記客室空間に面して形成され、前記屋根構体および一対の側構体の間に連設されると共に前記客室空間とは反対方向へ向けて円弧状に凹設される客室側張出部と、
    前記客室空間の反対側である車外側へ面して形成され、一対の側構体から前記屋根構体へ向けて延設されると共に前記客室空間とは反対方向へ向けて円弧状に張り出す車外側張出部と、
    前記客室空間の反対側である車外側へ面して形成され、前記車外側張出部および前記屋根構体の間に連設されると共に前記客室空間側へ向けて凹設される凹部とを備え、
    前記客室側張出部は、前記客室空間に面する側の曲率半径がR100mm以上かつR450mm以下の範囲内に設定されていることを特徴とする鉄道車両構体。
  2. レールの上面から前記屋根構体までの鉛直方向に沿った高さ寸法に対する前記一対の側構体の水平方向に沿った対向間寸法の比が1以上かつ1.1以下の範囲内に設定され、
    前記屋根構体の幅方向における中心位置から前記凹部と前記屋根構体との接続位置までの水平方向に沿った離間寸法は、前記屋根構体の幅方向における中心位置から前記側構体までの水平方向に沿った離間寸法の最大値の0.5倍以上かつ0.6倍以下に設定されていることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両構体。
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