JP2015039852A - ホットランナーノズルとこのホットランナーノズルを用いた多層成形品成形用の金型 - Google Patents

ホットランナーノズルとこのホットランナーノズルを用いた多層成形品成形用の金型 Download PDF

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【課題】成形品表層用溶融樹脂からなる二層の樹脂層の間に成形品中間層用溶融樹脂からなる中層の樹脂層を配した層構成の成形品をホットランナーノズルを利用した成形により得るに際し、上述した金型コア側製品面に沿って広がる層とする成形品表層用溶融樹脂の送り込みが不足しないようにし、中層の樹脂が成形品断面での中心側(層構成での中心側)に配される成形品を得る。【解決手段】ホットランナーノズル1のシャットピン用孔5に、シャットピン4の径より径が大径とされて中位の樹脂吐出口12と最後位の樹脂吐出口11とが臨んでいる大径部14を設け、その大径部14を介して中位の樹脂吐出口12と最後位の樹脂吐出口11とが連通していて、この大径部14で、中位の樹脂吐出口12から送り込まれる成形品中間層用溶融樹脂bと最後位の樹脂吐出口11から送り込まれる成形品表層用溶融樹脂aとが合流して、ノズルゲート6側に送り出される構成とした。【選択図】図1

Description

本発明は合成樹脂製のコップなどのような複数層の層構成を有して比較的薄肉の成形品を射出成形にて得るためのホットランナーノズルと、このホットランナーノズルを用いた多層成形品成形用の金型とに関するものである。
合成樹脂材からなる成形品には、例えば種類が異なる二種の樹脂を利用し、一方の樹脂を成形品表層用(成形品内表面側の層と外表面側の層)の樹脂を層状にするとともに、他方の樹脂を成形品中層用の樹脂も層状にした層構成を有したものがあって、目的とする機能を発現する樹脂を成形品中層用の樹脂として層状にし、この層を成形品表層用の樹脂からなる層でサンドイッチするように成形しているものがある。多層の成形品には二種の樹脂を三層とする層構成だけでなく、三種の樹脂で五層の層構成、またそれ以上の層が重なっている層構成を備え成形品も流通している。
このような複数層の層構成を有する成形品を射出成形法を用いて成形するに際し、特許文献1に示されているように、複数の射出装置それぞれからの溶融樹脂が流れるようにしたホットランナーノズルを金型側に取り付けて、そのホットランナーノズルで成形品表層用溶融樹脂と成形品中間層用溶融樹脂とを合流させた状態で金型に送り込んで成形を行なう方法が知られている。
多層の層構成を有する成形品として薄肉で器形状やコップ形状の製品では、上述したように内表面側と外表面側との二層を同じ成形品表層用溶融樹脂からなるものとし、その間に成形品中間層用溶融樹脂からなる層をサンドイッチさせて二種三層の層構成を有する成形品が一般的であって、このような成形品をホットランナーノズルを配した金型を利用して成形している。
特公平06−059672号公報
上述した二種三層の成形品を成形する従来のホットランナーノズルは、以下に述べる構成を有している。図20から図25にこのホットランナーノズルを概略的に示し、成形品を得る手順が概略的に示されている。このホットランナーノズル1はシャットピン進退方向に前後にして配置した二つの樹脂吐出口2、3を有していて、前方の樹脂吐出口2と後方の樹脂吐出口3とは、シャットピン4が進退移動するシャットピン用孔5に臨んでいて、一つの射出装置から成形品表層用溶融樹脂aが前方の樹脂吐出口2に送られるとともに、もう一つの射出装置から成形品中間層用溶融樹脂bが後方の樹脂吐出口3に送られる。
シャットピン用孔5の先端のノズルゲート6までにシャットピン4が進み出ているときには、そのシャットピン4の周面が、前方の樹脂吐出口2と後方の樹脂吐出口3とに対応位置し、シャットピン4がノズルゲート6を閉鎖するとともに、両樹脂吐出口2、3をも直接に閉鎖しており、成形品表層用溶融樹脂aと成形品中間層用溶融樹脂bとがシャットピン用孔5に送り込まれるのを止めている状態である。
このホットランナーノズル1は金型7にセットされているものであって、型内空間8を構成する固定型と移動型との内、固定型側に前記ホットランナーノズル1が取り付けられ、ノズルゲート6が型内空間8のスプルー9に相対し、ホットランナーノズル1から溶融樹脂が送り出されれば、スプルー9を介して型内空間8にその溶融樹脂が充填されて成形品が成形される。
ホットランナーノズル1を取り付けた金型で成形品を成形する場合、図20から図25に示す動作が行なわれることとなる。なお、成形の一サイクルが開始される前に、前方の樹脂吐出口2までに成形品表層用溶融樹脂aが達し、同じく後方の樹脂吐出口3までに成形品中間層用溶融樹脂bが達しているものとする。
(1)前成形サイクルでの成形品を取り出してから移動型と固定型とが合わされることで、型内空間8におけるスプルー9の部分にホットランナーノズル1のノズルゲート6が対応位置する。そして、シャットピン4が図示しない駆動手段により前方の樹脂吐出口2の後方まで後退移動し、前方の樹脂吐出口2が開放され、また、前記開放に合わせて一方の射出装置が溶融樹脂の送り込みの動作を開始することで、成形品表層用溶融樹脂aがシャットピン用孔内に送り込まれて、型内空間側への送り込みが開始される。図20
(2)前方の樹脂吐出口2を開放し、後方の樹脂吐出口3をシャットピン4で閉鎖した状態で、前方の樹脂吐出口2からの成形品表層用溶融樹脂aの送り込みを続ける。即ち、成形の初期に前方の樹脂吐出口2のみを開放して、成形品表層用溶融樹脂aを先行して送り込みをする。図21
(3)つぎにシャットピン4が上記駆動手段にて後方の樹脂吐出口3の後方まで後退移動し、後方の樹脂吐出口3も開放され、この開放に合わせて他方の射出装置が溶融樹脂の送り込みの動作を開始する。これによって前方の樹脂吐出口2から成形品表層用溶融樹脂aがシャットピン用孔5に送り込まれるとともに、後方の樹脂吐出口3から成形品中間層用溶融樹脂bもシャットピン用孔5に送り込まれ、両溶融樹脂a,bが合流してシャットピン用孔5から型内空間8に送り込まれる。図22、図23
このときスプルー9の部分では、成形品中間層用溶融樹脂bの流れの周りを成形品表層用溶融樹脂aの流れの部分で囲んだ状態で通過する。そして、成形品中間層用溶融樹脂bは型内空間8に入ってから層状に広がり、先行して送り込まれていた成形品表層用溶融樹脂aの中を進む。また、成形品中間層用溶融樹脂bとともに型内空間8に送り込まれる成形品表層用溶融樹脂aは、図示の例において金型キャビティ側製品面(凹面)に沿って広がり、その成形品表層用溶融樹脂aの先端側の部分は、成形品中間層用溶融樹脂bの先端側の部分を覆いながら金型コア側製品面側(凸面側)にも回り込む。このようにして型内空間8に、成形品表層用溶融樹脂aは二層にし、その間に一層の成形品中間層用溶融樹脂bが入り込んだ三層の状態で充填が進められる。図22において矢印は溶融樹脂の流れを概略的に示している。
(4)溶融樹脂の送り込みの終了段階に近くなると、駆動手段によってシャットピン4が前進移動して後方の樹脂吐出口3を閉鎖して成形品中間層用溶融樹脂bのシャットピン用孔5内への送り込みを止める。射出装置から送り込まれる成形品用中間層用溶融樹脂b自体は閉鎖された後方の樹脂吐出口3に達した状態のままで流れが止まり、また、それに合わせて他方の射出装置の送り込みの動作も止まって、つぎの成形に入る前の待機した状態となる。なお、前方の樹脂吐出口2からの成形品表層用溶融樹脂aのシャットピン用孔5への送り込みは続けられて、スプルー9を介した型内空間8への送り込みが続くので、その流れに伴なって前記成形品中間層用溶融樹脂bの送り込み終了部分も型内空間8側に送り込まれる。図24
(5)そして、上述した成形品中間層用溶融樹脂bの送り込み終了部分が型内空間8内に送り込むのに相当する量とされた成形品表層用溶融樹脂aが型内空間8側に送り込まれてから、上記駆動手段によりシャットピン4がさらに前進移動して前方の樹脂吐出口2を閉鎖し、ノズルゲート6も閉鎖する。射出装置から送り込まれる成形品表層用溶融樹脂a自体は閉鎖された後方の樹脂吐出口3に達した状態のままで流れが止まり、また、それに合わせて一方の射出装置の送り込みの動作も止まって、つぎの成形に入る前の待機した状態となる。
このようにして二種の溶融樹脂a,bの型内空間8への送り込みを行なって成形し、冷却されて型開きすることで、成形品断面を二種三層の層構成を有する成形品が得られる。なお、スプルー9の部分は、成形品表層用溶融樹脂のみからなる樹脂部分となる。図25
しかしながら、二種三層の層構成を有する薄肉の成形品を得る成形に際し、前方の樹脂吐出口からの成形品表層用溶融樹脂と後方の樹脂吐出口からの成形品中間層用溶融樹脂との二層にしてシャットピン用孔に向けて送り込みを行なう構成では、型内空間に向けて二種の溶融樹脂を同時に送り込んでいるときに、金型コア側製品面(凸面)に成形品表層用溶融樹脂が成形品中間層用溶融樹脂の先端部分を回り込んで送り込まれる度合いが小さくなってしまっていた。
そのため、図示の金型コア側製品面に沿って広がる成形品表層用溶融樹脂への補充が不足してしまう。そして、成形品中間層用溶融樹脂による中層が成形品断面の中心に位置せずに前記金型コア側製品面に偏った層構成の成形品となり、薄い成形品表層用溶融樹脂からなる表層の樹脂では、所定の機能を果たさない可能性がある。
そこで本発明は上記事情に鑑み、成形品表層用溶融樹脂からなる二層の樹脂層の間に成形品中間層用溶融樹脂からなる中層の樹脂層を配した層構成の成形品をホットランナーノズルを利用した成形により得るに際し、上述した金型コア側製品面に沿って広がる層とする成形品表層用溶融樹脂の送り込みが不足しないようにすることを課題とし、中層の樹脂が成形品断面での中心側(層構成での中心側)に配される成形品を得ることを目的とするものである。
(請求項1の発明)
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、請求項1に係る発明は、層構成を有する成形品を成形する金型に取り付けられるホットランナーノズルであり、複数の樹脂吐出口がシャットピン用孔の長さ方向に並んでこのシャットピン用孔に臨んでいて、各樹脂吐出口からの溶融樹脂が前記シャットピン用孔で合流し、前記シャットピン用孔の内部を進退移動するシャットピンがノズルゲートを開閉するホットランナーノズルにおいて、
前記複数の樹脂吐出口の内、シャットピン用孔での前方に位置する最前位の樹脂吐出口は、前記成形品の表層を形成する成形材料である成形品表層用溶融樹脂をシャットピン用孔に送り込み可能とした吐出口であるとともに、シャットピン用孔での後方に位置する最後位の樹脂吐出口は、最前位の樹脂吐出口での成形品表層用溶融樹脂と同じ成形品表層用溶融樹脂をシャットピン用孔に送り込み可能とした吐出口であり、前記最前位の樹脂吐出口と最後位の樹脂吐出口との間に中位の樹脂吐出口が位置していて、この中位の樹脂吐出口は、前記成形品表層用溶融樹脂と異なる樹脂である成形品中間層用溶融樹脂をシャットピン用孔に送り込み可能とした吐出口であり、
前記シャットピン用孔には、ノズルゲート側からシャットピンの径に径が合致して前記最前位の樹脂吐出口のみが臨んでいるピン径対応部と、このピン径対応部の後方であって、シャットピンの径より径が大径とされて前記最前位の樹脂吐出口以外の樹脂吐出口が臨んでいる大径部とが設けられており、
前記大径部を介して中位の樹脂吐出口と最後位の樹脂吐出口とが連通していて、この大径部で、中位の樹脂吐出口から送り込まれる成形品中間層用溶融樹脂と最後位の樹脂吐出口から送り込まれる成形品表層用溶融樹脂とが合流して、ノズルゲート側に送り出される構成としたことを特徴とするホットランナーノズルであり、このホットランナーノズルを提供して上記課題を解消するものである。
(請求項2の発明)
また、もう一つの発明である請求項2に係る発明は、層構成を有する成形品を成形する金型に取り付けられるホットランナーノズルであり、複数の樹脂吐出口がシャットピン用孔の長さ方向に並んでこのシャットピン用孔に臨んでいて、各樹脂吐出口からの溶融樹脂が前記シャットピン用孔で合流し、前記シャットピン用孔の内部を進退移動するシャットピンがノズルゲートを開閉するホットランナーノズルにおいて、
前記複数の樹脂吐出口の内、シャットピン用孔での前方に位置する最前位の樹脂吐出口は、前記成形品の表層を形成する成形材料である成形品表層用溶融樹脂をシャットピン用孔に送り込み可能とした吐出口であるとともに、シャットピン用孔での後方に位置する最後位の樹脂吐出口は、最前位の樹脂吐出口での成形品表層用溶融樹脂と同じ成形品表層用溶融樹脂をシャットピン用孔に送り込み可能とした吐出口であり、前記最前位の樹脂吐出口と最後位の樹脂吐出口との間に中位の樹脂吐出口が位置していて、この中位の樹脂吐出口は、前記成形品表層用溶融樹脂と異なる樹脂である成形品中間層用溶融樹脂をシャットピン用孔に送り込み可能とした吐出口であり、
前記シャットピン用孔には、シャットピンの径より径が大径とされて前記全樹脂吐出口が臨んでいる大径部が設けられており、
前記大径部を介して最前位の樹脂吐出口と中位の樹脂吐出口と最後位の樹脂吐出口とが連通していて、この大径部で、最前位の樹脂吐出口から送り込まれる成形品表層用溶融樹脂と中位の樹脂吐出口から送り込まれる成形品中間層用溶融樹脂と最後位の樹脂吐出口から送り込まれる成形品表層用溶融樹脂とが合流して、ノズルゲート側に送り出される構成としたことを特徴とするホットランナーノズルであり、このホットランナーノズルを提供して上記課題を解消するものである。
(請求項3の発明)
そして、請求項1または2に係る発明において、上記樹脂吐出口に至るノズル内樹脂通路それぞれは、ノズル径方向での断平面上で円環同心円状にして配置されていて、前記樹脂吐出口それぞれは、シャットピン用孔の周方向に開口しているものとすることが可能である。
(請求項4の発明)
また、請求項1から3の何れか一項の発明において、上記シャットピンの先端に、該シャットピンでのノズルゲート閉鎖部分より小径にして、このシャットピンでのノズルゲート閉鎖時にノズルゲートに入り込んでノズルゲート内の溶融樹脂をノズル先端側に向けて押し出す凸部が設けられているものとすることが可能である。
(請求項5の発明)
また、もう一つの発明である請求項5に係る発明は、請求項1または3に記載の発明であるホットランナーノズルが設けられていて、このホットランナーノズルから送り込まれた溶融樹脂により層構成を有する成形品を形成する多層成形品成形用の金型であって、
上記シャットピンがピン径対応部範囲内での最前位の樹脂吐出口の後方に位置して、最前位の樹脂吐出口のみを開放した状態と、
前記シャットピンがピン径対応部の後方に位置して、上記全樹脂吐出口から型内空間側への上記溶融樹脂の送り出しが可能とされた全開の状態と、
前記シャットピンが最前位の樹脂吐出口の前方に位置して、最前位の樹脂吐出口を閉鎖しこの最前位の樹脂吐出口の後方でピン径対応部を閉鎖した全閉状態と
の三つのシャットピン開閉状態が切り換え可能とされていることを特徴とする多層成形品成形用の金型であり、この金型を提供して上記課題を解消するものである。
(請求項6の発明)
また、請求項5の発明において、上記シャットピンの先端に、該シャットピンでのノズルゲート閉鎖部分より小径にして、このシャットピンでのノズルゲート閉鎖時にノズルゲートに入り込んでノズルゲート内の溶融樹脂をノズル先端側に向けて押し出す凸部が設けられているものとすることが可能である。
(請求項7の発明)
また、もう一つの発明である請求項7に係る発明は、請求項1から4の何れか一項に記載のホットランナーノズルが設けられていて、このホットランナーノズルから送り込まれた溶融樹脂により層構成を有する成形品を形成する多層成形品成形用の金型であって、該金型の成形品表層用溶融樹脂のランナーに溶融樹脂を送り込む射出装置と該金型の成形品中間層用溶融樹脂のランナーに溶融樹脂を送り込む射出装置が取り付けられて、前記射出装置からの溶融樹脂が送り込まれる多層成形品成形用の金型において、
上記シャットピンを進退移動させる駆動手段が設けられていて、該駆動手段は、シャットピンの進退移動のタイミングと進退移動の動作速度とを上記樹脂吐出口での溶融樹脂の送り出しごとに調整可能な空気圧または油圧のシリンダ回路を備えていることを特徴とする多層成形品成形用の金型であり、この金型を提供して上記課題を解消するものである。
(請求項1の発明の効果)
請求項1に係る発明によれば、ホットランナーノズルのシャットピン用孔に、ノズル前方側である成形品表層用溶融樹脂を送り込む最前位の樹脂吐出口と、同じく成形品表層用溶融樹脂を送り込む最後位の樹脂吐出口と、この最前位の樹脂吐出口と最後位の樹脂吐出口との間にして成形品中間層用溶融樹脂を送り込む中位の樹脂吐出口とが臨んでいて、最前位の樹脂吐出口と中位の樹脂吐出口と最後位の樹脂吐出口とから前記溶融樹脂をノズルゲートを通して型内空間に送り出すときには、最後位の樹脂吐出口から送り込まれて流れる成形品表層用溶融樹脂の流路となる部分の周りを、中位の樹脂吐出口から送り込まれて流れる成形品中間層用溶融樹脂が取り囲むようになる。
また、成形品表層用溶融樹脂の流れの部分を取り囲んで流れる上記成形品中間層用溶融樹脂の流路となる部分(断面が略環状となる)を、さらに最前位の樹脂吐出口から送り込まれて流れる成形品表層用溶融樹脂の流路となる部分(断面が略環状となる)が取り囲むようになり、この状態でスプルーを通り型内空間に入ることで、最後位の樹脂吐出口から送り出された成形品表層用溶融樹脂が金型コア側製品面に沿って層状に広がり、また、中位の樹脂吐出口からの成形品中間層用溶融樹脂も層状に広がり、さらに最前位の樹脂吐出口からの成形品表層用溶融樹脂が金型キャビティ側製品面に沿って層状に広がるようになる。
このように最前位の樹脂吐出口と中位の樹脂吐出口と最後位の樹脂吐出口とから、二層の成形品表層用溶融樹脂とその間の層とした成形品中間層用溶融樹脂とが共に型内空間に送り出されるようにすれば、最後位の樹脂吐出口からの成形品表層用溶融樹脂を、直接に金型コア側製品面に沿う層の部分に送り込み続けることができる。よって、上述したように金型コア側製品面にて形成される樹脂層は、従来のような充填量の不足によりその樹脂層が薄くなるという不具合が生じないため、中層の樹脂層の偏りが無くなってこの中層の樹脂層が成形品断面での中心に位置させることができるようになる。
また、薄肉の成形品を成形するに際し、予め大径部より前方へシャットピンを前進移動させて、ノズルゲートをシャットピンにより閉じておき、大径部で連通する樹脂吐出口に応じた射出装置で溶融樹脂の送り込みを先行させるなどして、大径部内の溶融樹脂に圧力を付加させておくことができる。
そのため、シャットピンをさらに後退移動させたときに、大径部に臨む最後位の樹脂吐出口からの成形品表層用溶融樹脂の型内空間への送り込みの開始と、同じく大径部に臨む中位の樹脂吐出口からの成形品中間層用溶融樹脂の型内空間への送り込みの開始との時間差を小さくして行なわせることができる。よって、このようにすることで、最後位の樹脂吐出口からの成形品表層用溶融樹脂での送り込み始端となる部分を、スプルーの部分を迅速に通過させて金型コア側製品面側により一層送り込み易くなる。
さらに、シャットピン用孔のノズルゲート側となるピン径対応部に最前位の樹脂吐出口のみが臨んでいるので、最前位の樹脂吐出口からの成形品表層用溶融樹脂のみを先行して型内空間に送り込んだり、溶融樹脂の送り込みの最後の段階でこの最前位の樹脂吐出口からの成形品表層用溶融樹脂のみを型内空間に送り込むことができ、成形品を成形する部分でのゲート形状や、送り込む成形品表層用溶融樹脂と成形品中間層用溶融樹脂との相互間の粘度差、そして成形品中間層用溶融樹脂とする発泡性樹脂素材の使用の有無などによらずに成形品の表層の形成が確実に行なえる。
(請求項2の発明の効果)
請求項2に係る発明により、上記請求項1に係る発明の効果と同じように、最前位の樹脂吐出口と中位の樹脂吐出口と最後位の樹脂吐出口とから、二層の成形品表層用溶融樹脂とその間の層とした成形品中間層用溶融樹脂とが共に型内空間に送り込まれるようにすれば、最後位の樹脂吐出口からの成形品表層用溶融樹脂を、直接に金型コア側製品面に沿う層の部分に送り込み続けることができる。よって、上述したように金型コア側製品面に沿う樹脂層には、従来のような充填量が不足してその樹脂層が薄くなるという不具合が生じないため、中層の樹脂層の偏りが無くなってこの中層の樹脂層が成形品断面での中心に位置させることができるようになる。
そして、薄肉の成形品を成形するに際し、予め大径部より前方へシャットピンを前進移動させて、ノズルゲートをシャットピンにより閉じておき、大径部で連通する樹脂吐出口に応じた射出装置で溶融樹脂の送り込みを先行させるなどして、大径部内の溶融樹脂に圧力を付加させておくことができる。
そのため、シャットピンを後退移動させたとき(ノズルゲートを開いたとき)に、大径部に臨む最後位の樹脂吐出口からの成形品表層用溶融樹脂の型内空間側への送り込みの開始と、同じく大径部に臨む中位の樹脂吐出口からの成形品中間層用溶融樹脂の型内空間側への送り込みの開始との時間差を小さくすることができる。よって、このようにすることで、最後位の樹脂吐出口からの成形品表層用溶融樹脂での送り込み始端となる部分を、スプルーの部分を迅速に通過させて金型コア側製品面側により一層送り込み易くなる。
(請求項3の発明の効果)
請求項3の発明によれば、樹脂吐出口に至るノズル内樹脂通路それぞれが、ノズル径方向での断平面上で円環同心円状にして配置されているので、ホットランナーノズルをコンパクトにすることが可能である。
(請求項4、6の発明の効果)
請求項4および6の発明によれば、シャットピンの先端に、該シャットピンでのノズルゲート閉鎖部分より小径にして、このシャットピンでのノズルゲート閉鎖時にノズルゲートに入り込んでノズルゲート内の溶融樹脂をノズル先端側に向けて押し出す凸部が設けられているので、ノズルゲートの径をシャットピンの径に影響を受けることなく細くすることが可能となり、そのようにすることで成形品の外観が向上するという効果を奏する。
(請求項5の発明の効果)
請求項5の発明によれば、ホットランナーノズルから、最前位の樹脂吐出口からの成形品表層用溶融樹脂と中位の樹脂吐出口からの成形品中間層用溶融樹脂と最後位の樹脂吐出口からの成形品表層用溶融樹脂とを型内空間側に送り出したり停止させたりする場合、ホットランナーノズルへ溶融樹脂を送り出す射出装置のスクリューの動作を制御するよりも、シャットピンをシャットピン用孔の予め定めた部分に配するようにしてホットランナーノズルからの溶融樹脂の送り込みとその送り込みの停止とを行なった方が、応答が良好となる。
即ち、最前位の樹脂吐出口からのみの成形品表層用溶融樹脂を型内空間に送り込む状態と、最前位と最後位の樹脂吐出口からの成形品表層用溶融樹脂と中位からの樹脂吐出口からの成形品中間層用溶融樹脂とを型内空間に送り込む状態と、全樹脂吐出口からの溶融樹脂の型内空間への送り込みを止める全閉状態とに応じるように、シャットピンをシャットピン用孔内での所要の位置に配して、ホットランナーノズルからの溶融樹脂の型内空間への送り出しとその停止を行なう方が、型内空間への送り出しとその停止との応答が良好となるという効果を奏する。
(請求項7の発明の効果)
請求項7の発明によれば、各樹脂吐出口からの溶融樹脂の送り込みを行なわせたり止めたりするに際し、シャットピンをその樹脂吐出口間の距離の長短の影響を受けずに配置させることができるという効果を奏する。
本発明に係るホットランナーノズルを配する金型に射出装置を接続した射出成形機の構成例を示す説明図である。 本発明に係るホットランナーノズルの第一の例を配した金型を断面で示す説明図である。 第一の例においてノズルゲートが閉じられた状態を示す説明図である。 第一の例において最前位の樹脂吐出口のみから成形品表層用溶融樹脂が送り出される状態を示す説明図である。 第一の例において中位と最後位との樹脂吐出口からの成形品中間層用溶融樹脂と成形品表層用溶融樹脂がノズルゲートに及んでいる状態を示すもので、(ア)は金型を示す説明図、(イ)は腰部を拡大して示す説明図である。 第一の例において二種三層となった溶融樹脂が型内に広がっている状態を示すもので、(ア)は金型を示す説明図、(イ)は腰部を拡大して示す説明図である。 第一の例において充填終了段階で最前位の樹脂吐出口のみから成形品表層用溶融樹脂が送り出される状態を示す説明図である。 第一の例において充填終了につきノズルゲートが閉じられた状態を示す説明図である。 第一の例の変形例においてノズルゲートが閉じられた状態を示す説明図である。 第一の例の変形例において成形品表層用溶融樹脂が送り出される状態を示す説明図である。 第一の例の変形例において充填終了段階で成形品表層用溶融樹脂が送り出される状態を示す説明図である。 第一の例の変形例において充填終了につきノズルゲートが閉じられた状態を示す説明図である。 ホットランナーノズルの第二の例を配した金型を断面で示す説明図である。 第二の例においてノズルゲートが閉じられた状態を示すもので、(ア)は金型を示す説明図、(イ)は腰部を拡大して示す説明図である。 第二の例においてノズルゲートが開いて成形品表層用溶融樹脂のみが送り込まれる状態を示すもので、(ア)は金型を示す説明図、(イ)は腰部を拡大して示す説明図である。 第二の例においてノズルゲートが開いて成形品中間層用溶融樹脂が送り込まれ始める状態を示すもので、(ア)は金型を示す説明図、(イ)は腰部を拡大して示す説明図である。 第二の例においてノズルゲートが開いて両溶融樹脂が送り込まれる状態を示すもので、(ア)は金型を示す説明図、(イ)は腰部を拡大して示す説明図である。 第二の例において充填終了段階で成形品表層用溶融樹脂のみが送り込まれる状態を示す説明図である。 第二の例において充填終了でノズルゲートを閉じた状態を示す説明図である。 従来のホットランナーノズルを取り付けた金型での成形を示すもので、前方の樹脂吐出口の開放と成形品表層用溶融樹脂の送り込み開始を示す説明図である。 従来での前方の樹脂吐出口からの成形品表層用溶融樹脂の先行送り込みを示す説明図である。 従来での成形品表層用溶融樹脂と成形品中間層用溶融樹脂との送り込みを示す説明図である。 従来での成形品表層用溶融樹脂と成形品中間層用溶融樹脂との送り込みを示す説明図である。 従来での成形終了段階で成形品中間層用溶融樹脂の送り込みを止める状態を示す説明図である。 従来での成形品表層用溶融樹脂と成形品中間層用溶融樹脂との送り込みを止める状態を示す説明図である。
つぎに本発明を図1から図19に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。なお、図20から図25に示した従来の技術と構成が重複する部分は同符号を付してその説明を省略する。本発明に係るホットランナーノズル1は、図1に示すようにカップ状の成形品を成形する型内空間8を固定型7aと移動型7bと間に形成している多層成形品成形用の金型7での前記固定型7aに取り付けられていて、前記型内空間8のスプルー9の部分にノズルゲート6が直接に臨むようにしてこのホットランナーノズル1が配置されている。
(金型)
金型7には、固定型7aに取り付けの上記ホットランナーノズル1側に二種の溶融樹脂を送り込むための二台の射出装置A,Bが接続されていて、これらの射出装置A、Bから二種の溶融樹脂をホットランナーノズル1側に送り込み、このホットランナーノズル1から型内空間8に前記二種の溶融樹脂を送り込んで二種三層の層構成を備える多層成形品を得る射出成形機を構成している。
(第一の例)
図2から図8はホットランナーノズル1の第一の例を示している。このホットランナーノズル1の基本的な構成は先に説明した従来の構成と同じであり、図示のように三つの樹脂吐出口10、11、12が一つのシャットピン用孔5に臨んでいて、この三つの樹脂吐出口がシャットピン用孔5の長さ方向に沿って配列されており、各樹脂吐出口10、11、12からの溶融樹脂a,bがシャットピン用孔5で合流させることができ、シャットピン用孔5の内部を進退移動するシャットピン4が前記ノズルゲート6を開閉するように設けられているものである。
(樹脂吐出口)
図示されているようにシャットピン4が進退移動するシャットピン用孔5に、ノズルゲート6側であって上記一方の射出装置Aからの成形品表層用溶融樹脂aをこのシャットピン用孔5に送り込む最前位の樹脂吐出口10が臨み、シャットピン用孔5でのノズルゲート6側とは反対側であって前記最前位の樹脂吐出口10と同じく一方の射出装置Aからの成形品表層用溶融樹脂aをシャットピン用孔5に送り込む最後位の樹脂吐出口11が臨み、さらに、最前位の樹脂吐出口10と前記最後位の樹脂吐出口11との間であって、上記他方の射出装置Bからの成形品中間層用溶融樹脂bをシャットピン用孔5に送り込む中位の樹脂吐出口12が臨んでいる。
一方の一台の射出装置Aからの成形品表層用溶融樹脂aが、最前位の樹脂吐出口10と最後位の樹脂吐出口11とに送り込まれるようにするために、ホットランナーノズル1では成形品表層用溶融樹脂aが流れるランナーが分岐して最前位の樹脂吐出口10と最後位の樹脂吐出口11とに至るように設けられており、一方の射出装置Aからの同じ成形品表層用溶融樹脂aが前記最前位の樹脂吐出口10と最後位の樹脂吐出口11とからシャットピン用孔5に送り込みできるようにしている。
第一の例として示したホットランナーノズル1での各樹脂吐出口10、12、11に至る溶融樹脂の通路部分それぞれは、ノズル径方向の断平面上で円環同心円状の配置となるようにレイアウトされている。
(シャットピン用孔)
第一の実施の例において、図示されているようにホットランナーノズル1におけるシャットピン用孔5には、ノズルゲート6側に位置してその孔内径がノズルゲート6から連続するように同一としたピン径対応部13と、このピン径対応部13の後端に連続するようにして後方(ノズルゲート6とは反対側)にある大径部14とが設けられている。前記ピン径対応部13は孔内径をシャットピン4の外径と同じにした部分であり、前記大径部14は孔内径をシャットピン4の径より大きくした部分である。
そして、上記最前位の樹脂吐出口10のみがピン径対応部13に臨んでおり、中位の樹脂吐出口12とその後方の最後位の樹脂吐出口11とは上記大径部14に臨んでおり、この大径部14を介して中位の樹脂吐出口12と最後位の樹脂吐出口11とが連通するように設けられている。
このように成形品中間層用溶融樹脂bをシャットピン用孔5に送り込む中位の樹脂吐出口12と、成形品表層用溶融樹脂aをシャットピン用孔5に送り込む最後位の樹脂吐出口11とが、そのシャットピン用孔5の一部分である大径部14を介して連通していることから、後述するごとくシャットピン4が前進移動してノズルゲート6を閉じる状態であっても、中位の樹脂吐出口12からの成形品中間層用溶融樹脂bと最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aとが、大径部14でのシャットピン4の周りに形成された空間で合流することができるようにしているものである。
(駆動手段)
上記固定型7aにシャットピン4を進退移動させる駆動手段15が設けられている。そして、この駆動手段15により、シャットピン4の先端部分がピン径対応部13の部分にあって最前位の樹脂吐出口10の前方に前進位置すれば、即ち、シャットピン4の先端部分がノズルゲート6の位置までやその近傍まで前進すれば、シャットピン4の周面が最前位の樹脂吐出口10に対応してこの最前位の樹脂吐出口4を閉鎖する。この状態では、ピン径対応部13自体がシャットピン4で閉鎖されているので、大径部14に臨む中位の樹脂吐出口12と最後位の樹脂吐出口11とからの各溶融樹脂をノズルゲート側に送り込むことも止められており、全閉状態となる。
上記駆動手段15はシャットピン4を進退移動させる空気圧や油圧を利用したシリンダ回路15aを備えていて、そのシリンダ回路での空気圧や油圧の調整によって、シャットピン4の進退移動のタイミングと進退移動の動作速度とを上記樹脂吐出口での溶融樹脂の送り込みごとに調整可能とされている。即ち、各樹脂吐出口から溶融樹脂の送り込み、またその送り込みの停止がシャットピン4の動きや位置によってコントロールされるようにしている。
そして、上記射出装置Aと射出装置Bとの動作も制御する制御部16にてこの駆動手段15も制御されるものであり(図1参照)、制御部16が不図示の調整器を動作させ、シリンダ回路15aの空気圧や油圧を上記樹脂吐出口(樹脂吐出口での溶融樹脂の送り込みとその停止)ごとに調整することで、前述のようにシャットピン4の進退移動のタイミングと進退移動の動作速度とが樹脂吐出口(樹脂吐出口での溶融樹脂の送り込みとその停止)ごとに調整でき、シャットピン4の停止と進退移動とが適切に行なわれるように設けられている。
(全閉時)
本実施の例でのホットランナーノズル1での全閉状態では、上述したように大径部14でのシャットピン4周りの空間で、中位の樹脂吐出口12からの成形品中間層用溶融樹脂bと最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aとを合流させておくことができる。
(最前位樹脂吐出口のみ開放時)
全閉していたシャットピン4が駆動手段15によって後退し、そのシャットピン4の先端部分がピン径対応部13の範囲内での最前位の樹脂吐出口10の後方に位置する場合、また、シャットピン4の先端部分がピン対応部13より後方の位置から前進し、そのシャットピン4の先端部分がピン径対応部13の範囲内での最前位の樹脂吐出口10の後方に位置する場合は、最前位の樹脂吐出口10のみを開放した状態となる。この状態のホットランナーノズル1では、最前位の樹脂吐出口10からのみ成形品表層用溶融樹脂aを型内空間8側に送り込みできる状態となる。
最前位の樹脂吐出口10からのみ溶融樹脂を送り込みする時点では、上記全閉の状態と同様に、大径部14でのシャットピン周りの空間で、中位の樹脂吐出口12からの成形品中間層用溶融樹脂bと最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aとを合流させておくことができる。
(全開時)
シャットピン4が駆動手段15によってピン径対応部13から離れるように後退位置し、即ち、シャットピン4の先端部分が上記ピン径対応部13の後方に位置している場合は、ピン径対応部13での大径部14側の溶融樹脂に対する型内空間側への送り出しの停止が解かれる状態であるので、大径部14に臨む中位の樹脂吐出口12から大径部14に送り込まれる成形品中間層用溶融樹脂b、最後位の樹脂吐出口11から大径部14に送り込まれる成形品表層用溶融樹脂aの型内空間側への送り込みが行なえる。
この時、成形品中間層用溶融樹脂bを送り込む上記射出装置Bの送り込みの動作を停止させておけば、シャットピン4の全開時の状態であっても、大径部14からは最後位の樹脂吐出口11での成形品表層用溶融樹脂aがピン径対応部13に送り込まれることとなる。勿論、最前位の樹脂吐出口10が開放されているので、この最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aも型内空間側への送り込みが行なえる状態である。
(大径部での事前合流)
以下に、ホットランナーノズルでのシャットピンの動きを含む溶融樹脂の送り込みの一例を説明するが、その一例では、ピン径対応部13が閉じた状態のときに、ノズルゲート6からの送り出しの前に、中位の樹脂吐出口12からの成形品中間層用溶融樹脂bと最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aとを合流させている例である。
この例の場合、両溶融樹脂b、aが合流している状態でシャットピン4の後退移動でピン径対応部13と大径部14とが連通すれば、合流している両溶融樹脂b、aが大径部14の位置からスムーズに型内空間8側に送り出される。また、シャットピン4の前進移動で、ピン径対応部13と大径部14との間を閉じ、射出装置Bからの成形品中間層用溶融樹脂bの送り込みを止めて、最前位の樹脂吐出口10からのみの送り込みが行なわれるようにしている例である。
事前の合流によって、中位の樹脂吐出口12から成形品中間層用溶融樹脂bが送り込まれてから、最後位の樹脂吐出口11から成形品表層用溶融樹脂aが送り込まれるまでの時間差を短くでき、最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aが、型内空間8のノズル側とは反対側の型面に適切に到達し易くなる。
本ホットランナーノズルでの溶融樹脂の送り込みの例を、上述した事前合流を行なう例で説明する。
(1)図3、全閉
シャットピン4にて全閉状態とされて溶融樹脂の送り出し前の時点では、図3に示すようにシャットピン4で直接閉鎖されている最前位の樹脂吐出口10までには成形品表層用溶融樹脂aが送り込まれているが、シャットピン4による閉鎖によってピン径対応部13の内部には送り込まれていない。また、中位の樹脂吐出口12と最後位の樹脂吐出口11とが臨む大径部14でのシャットピン周りの空間には、中位の術吐出口12から成形品中間層用溶融樹脂bが送り込まれているとともに、最後位の樹脂吐出口11から成形品表層用溶融樹脂bが送り込まれていて、ピン径対応部13側に流れ出ない状態で合流している。
なお、射出装置A、Bからは成形品表層用溶融樹脂a、成形品中間層用溶融樹脂bを送り込むための圧力が加えられている。
(2)図4、樹脂吐出口10からのみ送り込み
最前位の樹脂吐出口10を閉鎖していたシャットピン4が後退移動(図面上、右へ)し、シャットピン用孔5の内面に接しているシャットピン4の先端部分が、ピン径対応部13から抜け出ない範囲で最前位の樹脂吐出口10の後方に移動してその樹脂吐出口10を開放すると、最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aが、ピン径対応部13でのシャットピン4の前方に送り込まれ、シャットピン用孔5からノズルゲート6、金型7のスプルー9(ダイレクトゲート)を通り、型内空間8に送り込まれる。
なお、射出装置A、Bからは成形品表層用溶融樹脂a、成形品中間層用溶融樹脂bを送り込むための圧力が加えられている。
このとき、上記最前位の樹脂吐出口10のみからの成形品表層用溶融樹脂aは所定量が先行して型内空間8内に送り込まれることとなり、スプルー部分から広がる形で金型コア側製品面と金型キャビティ側製品面とに案内されて流れるようになる。
(3)図5、樹脂吐出口10、12、11から送り込み
つぎに先端部分がピン径対応部13の部分にあったシャットピン4が後退移動し、シャットピン4の先端部分がピン径対応部13の後方へ位置し、大径部14と前記ピン径対応部13とが繋がるようになる。そのため、大径部14に予め送り込まれていた中位の樹脂吐出口12からの成形品中間層用溶融樹脂bがピン径対応部13側に送り込まれるとともに、同じく予め大径部14に送り込まれていた最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aもピン径対応部13側に送り込まれるようになる。
なお、射出装置A、Bからは成形品表層用溶融樹脂a、成形品中間層用溶融樹脂bを送り込むための圧力が加えられている。
上記全開の状態で各樹脂吐出口10、12、11からの溶融樹脂a、b、aがノズルゲート6とスプルー9の部分を流れるときには、図5(イ)で示すように最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aが最外方の位置で環状に移動することとなり、その環状の流路の内側にして前記中位の樹脂吐出口12からの成形品中間層用溶融樹脂bも環状にして上がれることとなり、さらに成形品中間層用溶融樹脂bの環状の流路の内側を、前記最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aが流れる流路となる。なお、環状とは樹脂の流れ方向に対して直交方向での断面の形状を指している。
(大径部からの溶融樹脂b、aの送り込みの時間差を小に)
シャットピン4がピン径対応部13から後方に離れて後退移動する動作速度は、制御部16の制御によって高められた圧の空気圧(又は油圧)がシリンダ回路15aに通ることで速い速度とされており、中位の樹脂吐出口12からの成形品中間層用溶融樹脂bと最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aとのピン径対応部13側への到達、及び型内空間8への到達に時間差が極力生じないように設けられている。
(4)図6、樹脂吐出口10、12、11から送り込み
上記最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aは型内空間8に達すると、金型コア側製品面(図面上、凸面)に沿って広がる。中位の樹脂吐出口12からの成形品中間層用溶融樹脂bが環状の流れで型内空間8側に達すると、最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aの流れに案内されて型内空間中を流れる。さらに、最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aも型内空間8に達すると、金型キャビティ側製品面に沿って広がるように流れる。
なお、射出装置A、Bからは成形品表層用溶融樹脂a、成形品中間層用溶融樹脂bを送り込むための圧力が加えられている。
このように同一樹脂である二層の成形品表層用溶融樹脂a、aの間に成形品中間層用溶融樹脂bが層となって挟まれながら、三層の状態で型内空間8内に広がる。なお、樹脂の広がりの最先端部分にあっては、先に先行して送り込まれた成形品表層用溶融樹脂aが位置しており、成形品中間層用溶融樹脂bは広がりの最先端部分から表出しない。
(5)図7、樹脂吐出口10からのみ送り込み
型内空間8への充填終了段階では、最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aの送り込みのみにして、大径部14での中位の樹脂吐出口12からの成形品中間層用溶融樹脂bと最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aとがピン径対応部13へ送り込まれないようにする。そのようにするために、制御部16の制御の下で所要の時点でシャットピン4が前進移動してピン径対応部13に入って、ピン径対応部13と大径部14との連通状態を閉じ、そのシャットピン4の先端部分が最前位の樹脂吐出口10の後方に位置させるように設けられている。
なお、射出装置A、Bからは成形品表層用溶融樹脂a、成形品中間層用溶融樹脂bを送り込むための圧力が加えられている。
(6)図8、全閉
そして、成形品表層用溶融樹脂aの流れに伴なって成形品中間層用溶融樹脂bの終端部分が、ノズルゲート6とスプルー9の部分を通過して型内空間8でのスプルー9に対応する部分まで送り込まれると、シャットピン4が駆動手段15の制御の下でノズル先端側に前進移動して最先端の樹脂吐出口10を閉鎖して、成形品表層用溶融樹脂aの型内空間への送り込みを停止させる。
最前位の樹脂吐出口10の閉鎖は、例えば、シャットピン4が大径部14とピン径対応部13との間を閉じてから、成形品中間層用溶融樹脂bの終端部分が型内空間のスプルー9に対応する部分に移動するに相当する時間が経たタイミングにて、制御部16の制御によりシャットピン4を迅速に前進移動させるようにするなどによって行なえばよい。
以上のようにして成形品表層用溶融樹脂aと成形品中間層用溶融樹脂bの型内空間8への送り込みが止まる全閉状態とされ、その後に金型7が型開きして成形品が取り出されることで、その成形品の成形の一サイクルが終了する。
なお、上記の例では、つぎの成形に備えて射出装置A、Bからは成形品表層用溶融樹脂a、成形品中間層用溶融樹脂bを送り込むための圧力が加えられているものとしているが、成形の一サイクルが終了した時点で一旦、射出装置A、Bからの成形品表層用溶融樹脂a、成形品中間層用溶融樹脂bを送り込みを停止するようにしてもよい。
(大径部樹脂に対する加圧)
型内空間8への溶融樹脂の送り込みの最終段階を経た後では、上述したようにシャットピン4を駆動手段15の動作により前進移動させてシャットピン4の先端部分をピン径対応部13内に位置させているので、このピン径対応部13自体が閉鎖(即ち、最前位の樹脂吐出口10が閉鎖)されている。一方、大径部14でのシャットピン4の周りの空間には中位の樹脂吐出口12からの成形品中間層用溶融樹脂bと最後位の成形品表層用溶融樹脂aとが位置して合流している。
そして、射出装置それぞれから溶融樹脂を送り込む圧力を高くして樹脂圧を高める動作を行ない、大径部14にある成形品中間層用溶融樹脂b、成形品表層用溶融樹脂a、及びこの大径部14に至る前記両方の溶融樹脂を圧縮し、これらの溶融樹脂が所定の圧に昇圧されるまで前記大径部14から型内空間8側への前記溶融樹脂の送り出しをシャットピン4のピン径対応部13への配置にて止めるようにすることが可能である。
上述したように事前に大径部14にて、成形品中間層用溶融樹脂bと成形品表層用溶融樹脂aとが昇圧されているようにすることで、シャットピン4が後退したときに、その成形品中間層用溶融樹脂bと成形品表層用溶融樹脂aとが型内空間8側に入る時間差がより一層小さくなり、最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aが金型コア側製品面に沿って広がり易くなり、成形品中間層用溶融樹脂bがその型面側に偏るのを抑える。
例えば、この場合、成形品表層用溶融樹脂aを送り込む射出装置と成形品中間層用溶融樹脂bを送り込む射出装置とのそれぞれで、通常に溶融樹脂を送り込む圧力(充填継続中に溶融樹脂をホットランナーノズル側に送り込む圧力)よりは高い圧力であって、型内空間8へ溶融樹脂の送り込みを開始する前に、射出装置側から若干の圧力を加え、大径部14までに達している成形品中間層用溶融樹脂bと成形品表層用溶融樹脂aとが所定の圧力まで昇圧されたときに、上記シャットピン4が後退移動するように上記駆動手段15でシャットピン4の移動動作を制御するようにすればよいものであり、シャットピン4が後退移動してピン径対応部13と大径部14との間の閉鎖を解いてから、前記射出装置それぞれの溶融樹脂の通常の送り込み動作を行なうようにすればよい。
(第一の例の変形)
上記第一の例の変形の例として、図9に示すように成形品表層用溶融樹脂aと成形品中間層用溶融樹脂bとをホットランナーノズル1から送り出す直前に、前記大径部14が、最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aのみで満たされている状態となっているものであってもよく、第一の例と相違する部分について以下に説明する。
(1a)図9、全閉
図9に示すようにシャットピン4にて全閉状態とされて溶融樹脂の送り出し前の時点では、中位の樹脂吐出口12と最後位の樹脂吐出口11とが臨む大径部14でのシャットピン周りの空間には、最後位の樹脂吐出口11から送り込まれた成形品表層用溶融樹脂bのみで満たされた状態としている。
射出装置Aからは成形品表層用溶融樹脂aを送り込むための圧力が加えられている。一方、射出装置Bからは成形品中間層用溶融樹脂bを送り込むための圧力が加えられてはいない(逆流防止については通常の技術が採用できるので、その説明は省略する)。
(2a)図10、大径部開放、溶融樹脂aのみ送り込み
第一の例では上記(2)の段階で示すようにシャットピン4が最前位の樹脂吐出口10の後方に後退移動して、この最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aが型内空間8に送り込まれるようになっているが、変形の例では、上記(1a)の全閉の状態からシャットピン4が、制御部16の制御の下によるシリンダ回路15aの動作によってピン径対応部13と大径部14との間を開放する位置まで後退移動し、最前位の樹脂吐出口10と最後位の樹脂吐出口11とからの成形品表層用溶融樹脂aのみがこのホットランナーノズル1から金型7の型内空間8に送り込まれる。
(2a)の段階では、射出装置Aから成形品表層用溶融樹脂aを送り込むための圧力が加えられ、他方の射出装置Bからは成形品中間層用溶融樹脂bを送り込むための圧力が加えられてはいない。
上記(2a)の段階で所要量の成形品表層用溶融樹脂aが送り込まれた後には、射出装置Bからは成形品表層用溶融樹脂bを大径部14に送り込むための圧力が加えられ始め、第一の例での(3)の段階に移行し、そのつぎに上記(4)の段階に移行する。
(5a)図11 溶融樹脂aのみ送り込み
変形の例での上記(4)の段階が終了すると、変形の例においても充填終了の段階となる。この変形の例での充填終了段階では、中位の樹脂吐出口12からの成形品中間層用溶融樹脂bの大径部14への送り込みを止めて、最前位の樹脂吐出口10と最後位の樹脂吐出口11とからの成形品表層用溶融樹脂aの送り込みのみにしている。
(5a)の段階では、射出装置Aから成形品表層用溶融樹脂aを送り込むための圧力が加えられ、他方の射出装置Bからは成形品中間層用溶融樹脂bを送り込むための圧力が加えられてはいない。
(6a)図12、全閉
そして、成形品表層用溶融樹脂aの流れに伴なって成形品中間層用溶融樹脂bの終端部分が、ノズルゲート6とスプルー9の部分を通過して型内空間8でのスプルー9に対応する部分まで送り込まれると、シャットピン4が駆動手段15の制御の下でノズル先端側に前進移動して成形品表層用溶融樹脂aの型内空間への送り込みを停止させる。
以上のようにして成形品表層用溶融樹脂aと成形品中層溶融樹脂bの型内空間8への送り込みが止められている全閉状態とされ、その後に金型7が型開きして成形品が取り出されることで、その成形品の成形の一サイクルが終了する。
なお、変形の例でのこの(6a)段階では、つぎの成形での上記(1a)段階に移行できるように、射出装置Aからは成形品表層用溶融樹脂aを送り込むための圧力が加えられた状態となっているとともに、射出装置Bでは成形品中間層用溶融樹脂bを送り込むための圧力を加えていないが、成形の一サイクルが終了した時点で一旦、射出装置A、B共に送り込みを停止するようにしてもよい。
(第二の例)
図13から図18はホットランナーノズル1の第二の例を示していて、この第二の例のホットランナーノズル1を配した金型7にて多層成形品を成形する工程が示されている。この例のホットランナーノズル1は、図示のように最前位の樹脂吐出口10、中位の樹脂吐出口12、最後位の樹脂吐出口11が、即ち全ての樹脂吐出口が一つのシャットピン用孔5に臨んでいて、各樹脂吐出口10、12、11からの溶融樹脂a,bがシャットピン用孔5で合流させることができ、シャットピン用孔5の内部を進退移動するシャットピン4がノズルゲート6を開閉する基本的な構成では上記第一の例の構成と同じである。
(シャットピン用孔)
上記第一の例におけるシャットピン用孔5はノズルゲート6側からピン径対応部13と大径部14とに分かれていたが、第二の例はこれとは相違している。第二の例におけるホットランナーノズル1では、ノズルゲート6の内径がシャットピン4の外径より小さくされていて、ノズルゲート6側からシャットピン用孔5がテーパー状に拡径している。この拡径された部分にシャットピン4の先端部分が当接することで、ノズルゲート6を閉じて溶融樹脂の型内空間に送り込みを止める全閉の状態となり、シャットピン4が後退移動することで、ノズルゲート6を開いて溶融樹脂の送り込みが可能となる全開の状態となる。
そして、拡径された部分を先端側としてシャットピン4の外径より内径が大きい大径部14が、最前位の樹脂吐出口10の位置から最後位の樹脂吐出口11の後位となる部分までの範囲で及んでおり、内径一定とした大径部14に最前位の樹脂吐出口10と中位の樹脂吐出口12と最後位の樹脂吐出口11とが臨んでいる。
よって、成形品表層用溶融樹脂aをシャットピン用孔5に送り込む最前位の樹脂吐出口10と、成形品中間層用溶融樹脂bをシャットピン用孔5に送り込む中位の樹脂吐出口12と、成形品表層用溶融樹脂aをシャットピン用孔5に送り込む最後位の樹脂吐出口11とが、大径部14を介して連通しており、シャットピン4がノズルゲート6を閉じる状態であっても、各樹脂吐出口10、12、11がシャットピン4の周面に直接に閉鎖されず、最前位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aと中位の樹脂吐出口12からの成形品中間層用溶融樹脂bと最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aとが、大径部14でのシャットピン5の周りに形成された空間で合流することができるようにしている。
(駆動手段 全閉)
この第二の例においても、上記駆動手段15のシリンダ回路15aに調整された空気圧または油圧を通すことで、シャットピン4の前進移動、ノズルゲート6側の拡径部分へのシャットピン4の先端部分の当接維持、さらにシャットピン4の後退移動、及び後方位置での停止維持が行なわれるようにしている。よって、全閉の場合は、駆動手段15の働きにより、シャットピン4の先端部分がノズルゲート6の位置まで前進してノズルゲート6を閉鎖することとなり、大径部14に臨む最前位の樹脂吐出口10と中位の樹脂吐出口12と最後位の樹脂吐出口11とからの各溶融樹脂は型内空間8へ送り込むことができない全閉状態となる。
上記全閉の状態では、大径部14でのシャットピン4の周りには空間が形成されているので、大径部14でのシャットピン周りの空間で、最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aと中位の樹脂吐出口12からの成形品中間層用溶融樹脂bと最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aとを合流させておくことができるが、この第二の例では以下に述べるように、全閉の時の大径部14内では、最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aと最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aとを合流させ、待機させるようにしている。
(全開)
第二の例ではシャットピン4がノズルゲート6を開閉する一方、シャットピン4が最前位の樹脂吐出口10、中位の樹脂吐出口12、最後位の樹脂吐出口11を直接閉鎖するものではないことから、ノズルゲート6を閉鎖していたシャットピン4が駆動手段15によってノズルゲート6から離れるように後退してノズルゲート6を開けば、大径部14に臨む最前位の樹脂吐出口10から大径部14に送り込まれる成形品表層用溶融樹脂a、中位の樹脂吐出口12から大径部14に送り込まれる成形品中間層用溶融樹脂b、最後位の樹脂吐出口11から大径部14に送り込まれる成形品表層用溶融樹脂aのそれぞれは、型内空間側への送り込みが可能な全開の状態となる。
成形品表層用溶融樹脂aや成形品中間層用溶融樹脂bの送り出しを止める場合、射出装置側での樹脂の送り出しの停止にて対応が可能であるが、この第二の例では、成形品中間層用溶融樹脂bでの送り出しを止める際に、射出装置側での樹脂の送り出しの停止を行なっている。即ち、大径部14において最前位の樹脂吐出口10と中位の樹脂吐出口12と最後位の樹脂吐出口11とが連通しているので、全閉とした状態のときに、中位の樹脂吐出口12への成形品中間層用溶融樹脂bの送り出しを、射出装置側で停止しておくことができ、これによって最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aと最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aとを大径部14で合流させておくことができる。
そして、最前位の樹脂吐出口10と最後位の樹脂吐出口11との成形品表層用溶融樹脂a、aが合流している状態でシャットピン4の後退移動でノズルゲート6を開放すれば、事前に合流している前記成形品表層用溶融樹脂a、aが大径部14の位置からスムーズに型内空間8側に送り出されることとなる。
この事前の合流により、最後位の樹脂吐出口11から成形品表層用溶融樹脂aを、成形品中間層用溶融樹脂bより先に型内空間8の金型コア側製品面に送り込みさせておくことができ、最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aが金型コア側製品面に沿って広がり始めてから、成形品中間層用溶融樹脂bが大径部14に送り込まれるように、中位の樹脂吐出口12に対応する射出装置を動作させて成形品中間層用溶融樹脂bを送り込ませるようにすればよい。
成形品中間層用溶融樹脂bの送り込み自体はノズル開放後のシャットピン4の位置に関係することがなく、中位の樹脂吐出口12に向けてその成形品表層用溶融樹脂bを送り込む射出装置の動作で制御するものであって、成形品表層用溶融樹脂aを樹脂吐出口10、11に向けて送り出す射出装置との連携や、ノズルゲート6を開くシャットピン4を後退移動させる駆動手段15の動作と成形品表層用溶融樹脂bを送り込む射出装置の動作とを連携すれば、最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aの送り込み開始から前記成形品中間層用溶融樹脂bの送り込みまでの時間差を小さくする上で有効である。
これによって、成形品中間層用溶融樹脂bは、最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aとともに型内空間8内に広がるように充填されて、金型コア側製品面へ偏ることなく成形品断面での適正位置で中層を形成することとなる。
第二の例におけるホットランナーノズルの動作をつぎに挙げる。
(1)図14、ノズルゲート全閉
図14に示すようにシャットピン4がノズルゲート6までに達している全閉状態の時点(成形品成形の開始直前)では、最前位の樹脂吐出口10と最後位の樹脂吐出口11とに向けて射出装置側から成形品表層用溶融樹脂aに対して、その樹脂を送り込むための圧力が加えられているとともに、中位の樹脂吐出口12への射出装置からの成形品中間層用溶融樹脂bの送り込みは停止している。そして、最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aと最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用庁有樹脂aとがその大径部14にて合流しており、成形品表層用溶融樹脂aにて大径部14が満たされた状態となっている。
なお、全閉時、大径部14内が成形品表層用溶融樹脂aで満たされているとともにその成形品表層用溶融樹脂aに圧力が加えられているが、その成形品表層用溶融樹脂aが中位の樹脂吐出口12に流れ込まないように設けられている。
(2)図15、ノズルゲート全開、溶融樹脂aのみ送り込み
つぎに、ノズルゲート6を閉鎖していたシャットピン4が駆動手段15の制御の下で後退移動(図面上、右へ)し、ノズルゲート6を開いた全開の状態とする。これによって、最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aと最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aとが合流した状態でノズルゲート6を通り、スプルー9を経て型内空間8に入って広がるようになる。
このとき、最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aの流れによる流路部分の周りを、最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aの流れの部分が取り囲むように環状となり、両溶融樹脂a、aが伴なった状態で型内空間8に入る。そして、最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aの部分は金型コア側製品面に沿って広がり、最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aの部分は金型キャビティ側製品面に沿って広がる。このようにして予め所要の送り量で成形品表層用溶融樹脂a,aが送り込まれる。
なお、上述した王に上記両溶融樹脂a、aは一つの射出装置から金型7に送り込まれてホットランナーノズル1の分岐したランナーを通ることで別れた同一の溶融樹脂であり、この時点では、型内空間8の内部で両溶融樹脂の間に境界が形成されない。
(3)図16、ノズルゲート全開、溶融樹脂a、bの送り込みの開始
つぎに成形品中間層用溶融樹脂bの射出装置がその成形品中間層用溶融樹脂bを中位の樹脂吐出口12に向けて送り出す動作を行なう。よって、最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aと、中位の樹脂吐出口12からの成形品中間層用溶融樹脂bと、最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aとがともに大径部14を通ってノズルゲート6から型内空間8へ送り込まれ、この型内空間8が満たされるまでこの状態での充填が継続される。
上記全開の状態で各樹脂吐出口10、12、11からの溶融樹脂a、b、aがノズルゲート6とスプルー9の部分を流れるときには、最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aが最外方の位置で環状に移動することとなり、その環状の流路の内側にして前記中位の樹脂吐出口12からの成形品中間層用溶融樹脂bも環状にして流れることとなり、さらに成形品中間層用溶融樹脂bの環状の流路の内側を、最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aが流れる流路となる。
(4)図17、ノズルゲート全開、溶融樹脂a、bの送り込み
上述したように上記最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aが型内空間8に達して金型コア側製品面に沿って広がることから、中位の樹脂吐出口12からの成形品中間層用溶融樹脂bが環状の流れで型内空間8に達すると、最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aの前記広がりに伴なってその成形品中間層用溶融樹脂bも広がるようにして型内空間8の中を流れる。さらに、最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aが金型キャビティ側製品面に沿って広がるようにして流れることから、溶融樹脂a、b、aの三層となった状態で型内空間8が満たされるようになる。
(5)図18、ノズルゲート全開、溶融樹脂aのみの送り込み
成形の一サイクルの最終段階では、射出装置の中位の樹脂吐出口12への成形品中間層用溶融樹脂bの送り込みを停止する。そして、最前位の樹脂吐出口10と最後位の樹脂吐出口12とからの成形品表層用溶融樹脂aの大径部14への送り込みは継続する。シャットピン用孔5の先端側は、最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aと最後位の樹脂吐出口12からの成形品表層用溶融樹脂aとが合流した流れのみとなり、成形品中間層用溶融樹脂bの終端部分が型内空間8へと送り込まれる。
前記合流の成形品表層用溶融樹脂aの送り込みによって上述の成形品中間層用溶融樹脂bの終端部分が成形品でのスプルー対応部分に移動して中層の位置となり、また、合流の成形品表層用溶融樹脂aも金型キャビティ側製品面に沿って位置する。
(6)図19、ノズルゲート全閉
つぎにシャットピン4が駆動手段15の動作によって前進移動して全閉の状態とすることで、上述の段階の最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aと最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aとの送り込みを止めて充填が終了する。このように全閉状態とされ、その後、冷却などの所要の工程を経て金型7が型開きして成形品が取り出されることで、その成形品の成形の一サイクルが終了する。
なお、成形の一サイクルが終了した段階でも、つぎの成形に備えて成形品表層用溶融樹脂aに対応する射出装置は送り込みの動作を継続していて、最前位の樹脂吐出口10からの成形品表層用溶融樹脂aと最後位の樹脂吐出口11からの成形品表層用溶融樹脂aとは送り込みのための圧力を加えられた状態で上記大径部14にて合流しており、駆動手段15の動作の下でシャットピン4により全閉状態とすることで、その成形品表層用溶融樹脂aの型内空間8側への送り込みと止めている。
上記実施の例では、二種樹脂を三層とした層構成の成形品を成形するものとして説明したが、本発明はこの実施の例に限定されるものではない。例えば、成形品中層として複数層が形成できるように複数種の成形品中間層用溶融樹脂を送り出す風数の中位の樹脂吐出口、及びそれらの中位の樹脂吐出口に応じて互いに異なる成形品中間層用溶融樹脂を送り込む射出装置を金型に連結して、これらの成形品中間層用溶融樹脂を送り込む射出装置を同時に動作させる構成とすることが可能である。このように三種以上樹脂を用いて多層とする多層成形の成形品を得る場合であっても、本発明は実施できるものである。
また、上記第一の例ではノズルゲートの径とシャットピン用孔の径とが同一となる箇所(ピン径対応部)を有して、上述したようにシャットピンが最前位の樹脂吐出口の位置より前方に進み出ることでノズルゲートの閉鎖が成され、また、第二の実施例ではノズルゲートの後端にシャットピンが対応位置することでノズルゲートが閉鎖される構成としている。そして本発明では、ノズルゲートでの前記シャットピンによるゲート閉鎖を行なう位置より前方でのゲート部分の径をシャットピンの径より小径とし、さらにシャットピンの先端に、シャットピンでのゲート閉鎖機能部位(ゲート閉鎖を行なう機能を果たす部分)より小径にして、このシャットピンでのノズルゲート閉鎖を行なうときに前記小径としたゲート部分に入り込んで、そのノズルゲート内の溶融樹脂をノズル先端側(型内空間側)に向けて押し出す凸部を設けるようにすることが良好である。このように小径のノズルゲートとすることで成形品の外観が良好となる優れた効果を奏する。
1…ホットランナーノズル
4…シャットピン
5…シャットピン用孔
6…ノズルゲート
7…金型
8…型内空間
9…スプルー
10…最前位の樹脂吐出口
11…最後位の樹脂吐出口
12…中位の樹脂吐出口
13…ピン径対応部
14…大径部
15…駆動手段
15a…シリンダ回路
16…制御部
a…成形品表層用溶融樹脂
b…成形品中間層用溶融樹脂

Claims (7)

  1. 層構成を有する成形品を成形する金型に取り付けられるホットランナーノズルであり、複数の樹脂吐出口がシャットピン用孔の長さ方向に並んでこのシャットピン用孔に臨んでいて、各樹脂吐出口からの溶融樹脂が前記シャットピン用孔で合流し、前記シャットピン用孔の内部を進退移動するシャットピンがノズルゲートを開閉するホットランナーノズルにおいて、
    前記複数の樹脂吐出口の内、シャットピン用孔での前方に位置する最前位の樹脂吐出口は、前記成形品の表層を形成する成形材料である成形品表層用溶融樹脂をシャットピン用孔に送り込み可能とした吐出口であるとともに、シャットピン用孔での後方に位置する最後位の樹脂吐出口は、最前位の樹脂吐出口での成形品表層用溶融樹脂と同じ成形品表層用溶融樹脂をシャットピン用孔に送り込み可能とした吐出口であり、前記最前位の樹脂吐出口と最後位の樹脂吐出口との間に中位の樹脂吐出口が位置していて、この中位の樹脂吐出口は、前記成形品表層用溶融樹脂と異なる樹脂である成形品中間層用溶融樹脂をシャットピン用孔に送り込み可能とした吐出口であり、
    前記シャットピン用孔には、ノズルゲート側からシャットピンの径に径が合致して前記最前位の樹脂吐出口のみが臨んでいるピン径対応部と、このピン径対応部の後方であって、シャットピンの径より径が大径とされて前記最前位の樹脂吐出口以外の樹脂吐出口が臨んでいる大径部とが設けられており、
    前記大径部を介して中位の樹脂吐出口と最後位の樹脂吐出口とが連通していて、この大径部で、中位の樹脂吐出口から送り込まれる成形品中間層用溶融樹脂と最後位の樹脂吐出口から送り込まれる成形品表層用溶融樹脂とが合流して、ノズルゲート側に送り出される構成としたことを特徴とするホットランナーノズル。
  2. 層構成を有する成形品を成形する金型に取り付けられるホットランナーノズルであり、複数の樹脂吐出口がシャットピン用孔の長さ方向に並んでこのシャットピン用孔に臨んでいて、各樹脂吐出口からの溶融樹脂が前記シャットピン用孔で合流し、前記シャットピン用孔の内部を進退移動するシャットピンがノズルゲートを開閉するホットランナーノズルにおいて、
    前記複数の樹脂吐出口の内、シャットピン用孔での前方に位置する最前位の樹脂吐出口は、前記成形品の表層を形成する成形材料である成形品表層用溶融樹脂をシャットピン用孔に送り込み可能とした吐出口であるとともに、シャットピン用孔での後方に位置する最後位の樹脂吐出口は、最前位の樹脂吐出口での成形品表層用溶融樹脂と同じ成形品表層用溶融樹脂をシャットピン用孔に送り込み可能とした吐出口であり、前記最前位の樹脂吐出口と最後位の樹脂吐出口との間に中位の樹脂吐出口が位置していて、この中位の樹脂吐出口は、前記成形品表層用溶融樹脂と異なる樹脂である成形品中間層用溶融樹脂をシャットピン用孔に送り込み可能とした吐出口であり、
    前記シャットピン用孔には、シャットピンの径より径が大径とされて前記全樹脂吐出口が臨んでいる大径部が設けられており、
    前記大径部を介して最前位の樹脂吐出口と中位の樹脂吐出口と最後位の樹脂吐出口とが連通していて、この大径部で、最前位の樹脂吐出口から送り込まれる成形品表層用溶融樹脂と中位の樹脂吐出口から送り込まれる成形品中間層用溶融樹脂と最後位の樹脂吐出口から送り込まれる成形品表層用溶融樹脂とが合流して、ノズルゲート側に送り出される構成としたことを特徴とするホットランナーノズル。
  3. 上記樹脂吐出口に至るノズル内樹脂通路それぞれは、ノズル径方向での断平面上で円環同心円状にして配置されていて、前記樹脂吐出口それぞれは、シャットピン用孔の周方向に開口しているものである請求項1または2に記載のホットランナーノズル。
  4. 上記シャットピンの先端に、該シャットピンでのノズルゲート閉鎖部分より小径にして、このシャットピンでのノズルゲート閉鎖時にノズルゲートに入り込んでノズルゲート内の溶融樹脂をノズル先端側に向けて押し出す凸部が設けられている請求項1から3の何れか一項に記載のホットランナーノズル。
  5. 請求項1または3の何れか一項に記載のホットランナーノズルが設けられていて、このホットランナーノズルから送り込まれた溶融樹脂により層構成を有する成形品を形成する多層成形品成形用の金型であって、
    上記シャットピンがピン径対応部範囲内での最前位の樹脂吐出口の後方に位置して、最前位の樹脂吐出口のみを開放した状態と、
    前記シャットピンがピン径対応部の後方に位置して、上記全樹脂吐出口から型内空間側への上記溶融樹脂の送り出しが可能とされた全開の状態と、
    前記シャットピンが最前位の樹脂吐出口の前方に位置して、最前位の樹脂吐出口を閉鎖しこの最前位の樹脂吐出口の後方でピン径対応部を閉鎖した全閉状態との三つのシャットピン開閉状態が切り換え可能とされていることを特徴とする多層成形品成形用の金型。
  6. 上記シャットピンの先端に、該シャットピンでのノズルゲート閉鎖部分より小径にして、このシャットピンでのノズルゲート閉鎖時にノズルゲートに入り込んでノズルゲート内の溶融樹脂をノズル先端側に向けて押し出す凸部が設けられている請求項5に記載の多層成形品成形用の金型。
  7. 請求項1から4の何れか一項に記載のホットランナーノズルが設けられていて、このホットランナーノズルから送り込まれた溶融樹脂により層構成を有する成形品を形成する多層成形品成形用の金型であって、該金型の成形品表層用溶融樹脂のランナーに溶融樹脂を送り込む射出装置と該金型の成形品中間層用溶融樹脂のランナーに溶融樹脂を送り込む射出装置が取り付けられて、前記射出装置からの溶融樹脂が送り込まれる多層成形品成形用の金型において、
    上記シャットピンを進退移動させる駆動手段が設けられていて、該駆動手段は、シャットピンの進退移動のタイミングと進退移動の動作速度とを上記樹脂吐出口での溶融樹脂の送り出しごとに調整可能な空気圧または油圧のシリンダ回路を備えていることを特徴とする多層成形品成形用の金型。
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