JP2015039119A - 方向性結合器及びそれを備える通信装置 - Google Patents

方向性結合器及びそれを備える通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シングルエンド信号を差動信号に又は差動信号をシングルエンド信号に変換できる、方向性結合器を提供すること。【解決手段】整合終端された終端部と、前記終端部とは反対側の端部である先端部とを有する第1の伝送線路と、前記第1の伝送線路と電磁界結合する第2の伝送線路と、前記第1の伝送線路と電磁界結合する第3の伝送線路とを備え、前記第2の伝送線路と前記第3の伝送線路のそれぞれは、前記先端部から前記第1の伝送線路を辿ると前記先端部から近い方に位置する近端と、前記先端部から前記第1の伝送線路を辿ると前記先端部から遠い方に位置する遠端とを有し、前記第2の伝送線路の近端は、前記第2の伝送線路の特性インピーダンスよりも小さなインピーダンスで終端された、方向性結合器。【選択図】図1

Description

本発明は、方向性結合器、及び方向性結合器によって通信する通信装置に関する。
デジタル信号の伝送方式には、シングルエンド信号伝送と差動信号伝送の2つの方式がある。差動信号伝送は、2本の配線に共通印加されたノイズが相殺するから、ノイズ耐性が高い。したがって、信号振幅を小さくできるので、高速に信号伝送できる。ところが、差動振動伝送の信号線路は、シングルエンド信号伝送の2倍必要になるから、多数の信号を配線する場合は(特にコストや容積や重量の制約が強い場合は)、シングルエンド信号伝送が用いられることが多い。
一方、複数のモジュールを電気的に接続するには、例えば、コネクタが使われる。従来のコネクタは、バネで電極を圧着させる構造であるため、信頼性等の問題が生ずることがある。
このような問題を解決する手段として、電磁界結合で信号伝送する方向性結合器を備えた非接触コネクタ(EMコネクタ)が知られている(例えば、特許文献1を参照)。方向性結合器は、高周波信号成分しか通過させることができないので、デジタル信号が入力されると小振幅のパルス信号を出力する。この信号から、比較回路と信号保持回路を用いた受信回路で、元のデジタル信号が復元される。
特許第5213087号公報
しかしながら、方向性結合器から出力される信号振幅は方向性結合器に入力される信号振幅に対して大きく減衰するため、方向性結合器を用いた信号伝送は、シングルエンド信号伝送同様に、ノイズ耐性が差動信号伝送に比べて低いという問題がある。
そこで、シングルエンド信号伝送の特長と差動信号伝送の特長を兼ね備えるため、シングルエンド信号を差動信号に又は差動信号をシングルエンド信号に変換できる、方向性結合器及びそれを備える通信装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、
整合終端された終端部と、前記終端部とは反対側の端部である先端部とを有する第1の伝送線路と、前記第1の伝送線路と電磁界結合する第2の伝送線路と、前記第1の伝送線路と電磁界結合する第3の伝送線路とを備え、前記第2の伝送線路と前記第3の伝送線路のそれぞれは、前記先端部から前記第1の伝送線路を辿ると前記先端部から近い方に位置する近端と、前記先端部から前記第1の伝送線路を辿ると前記先端部から遠い方に位置する遠端とを有し、前記第2の伝送線路の近端は、前記第2の伝送線路の特性インピーダンスよりも小さなインピーダンスで終端された、方向性結合器及びそれを備える無線装置が提供される。
本発明の一態様によれば、シングルエンド信号を差動信号に又は差動信号をシングルエンド信号に変換できる。
方向性結合器の一構成例を示した図 方向性結合器を備えた無線装置の一構成例を示した図 差動回路の一構成例を示した図 差動回路の一構成例を示した図 方向性結合器を備えた無線装置の一構成例を示した図 方向性結合器の動作原理を説明するための図 方向性結合器の各部における波形を示した図 シミュレーション回路を示した図 方向性結合器のシミュレーション結果を示したグラフ 方向性結合器のシミュレーション結果を示したグラフ 方向性結合器のシミュレーション結果を示したグラフ 方向性結合器の一レイアウト例を示した図 方向性結合器の変形例を示した図 方向性結合器の一構成例を示した図 方向性結合器の一レイアウト例を示した図 方向性結合器の一構成例を示した図 方向性結合器の一レイアウト例を示した図 方向性結合器を備えた無線装置の一構成例を示した図 方向性結合器を備えた無線装置の一構成例を示した図 伝送線路の積層配置の一例を示した図 送受信回路の一構成例を示した図 送受信回路の一構成例を示した図 方向性結合器の第1の送受信構成を示した図 方向性結合器の第2の送受信構成を示した図 方向性結合器を備えた無線装置の一構成例を示した図 送受信回路の一構成例を示した図 送受信回路の一構成例を示した図 マルチドロップバスの第1の送受信構成を示した図 マルチドロップバスの第2の送受信構成を示した図 送受信回路の一構成例を示した図 方向性結合器の一構成例を示した図 結合器(比較例)の構成を示した図 結合器(比較例)のシミュレーション結果を示したグラフ 結合器(比較例)のシミュレーション結果を示したグラフ 方向性結合器(実施例)と結合器(比較例)の結合度を示したグラフ 結合器(比較例)のシミュレーション結果を示したグラフ
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。なお、「シングルエンド回路」とは、シングルエンド信号を送信又は受信可能な回路のことをいい、「差動回路」とは、差動信号を受信又は送信可能な回路のことをいう。
<実施例1の構成>
図1は、方向性結合器1の構成を示した図である。方向性結合器1は、第1の伝送線路10と、第2の伝送線路20と、第3の伝送線路30とを備えている。
伝送線路10は、整合終端された端部である終端部12と、終端部12とは反対側の端部である先端部11とを有している。終端部12は、例えば、伝送線路10の特性インピーダンスZと等しいインピーダンスを有する終端抵抗13で終端電位VT1に整合終端された端部である。終端電位VT1は、例えば、先端部11に接続されるシングルエンド回路(後述の送信回路16など)の電源電位VDDの1/2の電位である。
伝送線路20は、伝送線路10と電磁界結合する伝送線路である。伝送線路20は、例えば、先端部11から伝送線路10を辿ると先端部11から近い方に位置する近端21と、先端部11から伝送線路10を辿ると先端部11から遠い方に位置する遠端22とを有する。例えば、先端部11から伝送線路10を遠端22に最近接する部位まで辿る長さは、先端部11から伝送線路10を近端21に最近接する部位まで辿る長さよりも長い。「遠端22に最近接する部位」とは、伝送線路10の部位であり、例えば、先端部11と終端部12との間の中央部(伝送線路10の中央部)である。「近端21に最近接する部位」とは、伝送線路10の部位であり、例えば、先端部11である。
伝送線路30は、伝送線路10と電磁界結合する伝送線路である。伝送線路30は、例えば、先端部11から伝送線路10を辿ると先端部11から近い方に位置する近端31と、先端部11から伝送線路10を辿ると先端部11から遠い方に位置する遠端32とを有する。例えば、先端部11から伝送線路10を遠端32に最近接する部位まで辿る長さは、先端部11から伝送線路10を近端31に最近接する部位まで辿る長さよりも長い。「遠端32に最近接する部位」とは、伝送線路10の部位であり、例えば、終端部12である。「近端31に最近接する部位」とは、伝送線路10の部位であり、例えば、先端部11と終端部12との間の中央部(伝送線路10の中央部)である。
伝送線路20は、伝送線路30よりも先端部11に近くなるように伝送線路10に対向して配置されている。伝送線路20と伝送線路30は、それぞれ、伝送線路10に対向して近接配置されている。
伝送線路20の遠端22と伝送線路30の近端31との間には微小な間隙が存在する。しかしながら、当該間隙が大きくなりすぎないように、伝送線路20と伝送線路30とが配置されることが好ましい。当該間隙を所定の微小値以下にすることによって、遠端22から出力される信号S−と近端31から出力される信号S+との位相差を180°に容易に近づけることができる。
また、伝送線路10と伝送線路20,30とが対向する方向において伝送線路20と伝送線路30とが重複しないように、伝送線路20と伝送線路30とが配置されることが好ましい。伝送線路20と伝送線路30とがこのように重複しないことによって、伝送線路10と伝送線路20との結合度又は伝送線路10と伝送線路30との結合度が低下することを抑えることができる。
伝送線路20の近端21は、終端電位VT2に短絡終端された端部である。伝送線路30の遠端32は、伝送線路30の特性インピーダンスZと等しいインピーダンスを有する終端抵抗33で終端電位VT2に整合終端された端部である。伝送線路20及び/又は伝送線路30は、伝送線路10の特性インピーダンスZと等しい特性インピーダンスを有している。終端電位VT2は、例えば、遠端22及び近端31に接続される差動回路(後述の受信回路40など)の電源電位VDDの1/2の電位である。終端電位VT2は、終端電位VT1と同じ電位でも異なる電位でもよい。
このような方向性結合器1によれば、シングルエンド信号S0を先端部11に入力することによって、伝送線路20の遠端22は、負極性の信号S−を出力できるとともに、伝送線路30の近端31は、正極性の信号S+を出力できる(詳細後述)。シングルエンド信号S0は、立ち上がり波形又は立ち下がり波形の波頭を有する信号である。一対の信号S−,S+は、互いの位相が反転した差動信号である。つまり、シングルエンド信号を差動信号に変換できる。
逆に、このような方向性結合器1によれば、負極性の信号S−を伝送線路20の遠端22に入力し且つ正極性の信号S+を伝送線路30の近端31に入力することによって、伝送線路10の先端部11は、シングルエンド信号S0を出力できる(詳細後述)。信号S−,S+は、立ち上がり波形又は立ち下がり波形の波頭を有する信号であり、且つ、互いの位相が反転した差動信号である。つまり、差動信号をシングルエンド信号に変換できる。
図2は、方向性結合器1を備えた通信装置101Aの構成を示した図である。通信装置101Aは、方向性結合器1によって、モジュール51とモジュール52との間を非接触で通信する装置である。
モジュール51は、伝送線路10と、終端抵抗13と、先端部11に接続されるシングルエンド式の送信回路16とを有している。先端部11に接続されるシングルエンド式の送信回路16は、先端部11から伝送線路10に入力されるシングルエンド信号Inを送信可能なシングルエンド回路である。
モジュール52は、伝送線路20と、伝送線路30と、終端抵抗33と、伝送線路20の遠端22及び伝送線路30の近端31に接続される差動式の受信回路40とを有している。受信回路40は、遠端22及び近端31から出力される差動信号を受信可能な差動入力回路を有する差動回路である。受信回路40は、例えば、差動入力回路で受信した差動信号に対応したシングルエンド信号Outを出力する。
モジュールは、他のモジュールと方向性結合器を介して非接触で通信するデバイスであり、信号を受信する受信部及び/又は信号を送信する送信部を備えたものである。具体例として、一方のモジュールが、パッケージされた半導体デバイスであり、他方のモジュールが、伝送線路を有する基板であるが、本例は、単なる一例にすぎない。また、一方のモジュールと他方のモジュールとが同一の回路基板上に構成される場合も、本発明に含まれる。
図3は、受信回路40の第1の構成例を示した図である。受信回路40は、比較回路41と、信号保持回路42とを有している。比較回路41は、差動信号を受信可能な差動入力回路であり、信号保持回路42は、比較回路41の出力信号を保持するヒステリシス回路である。本図の受信回路40は、比較回路41及び信号保持回路42によって、受信した差動信号から元のデジタル信号を復元する。
図4は、受信回路40の第2の構成例を示した図である。受信回路40は、比較回路43と、信号保持回路44とを有している。比較回路43は、差動信号を受信可能な差動入力回路であり、信号保持回路44は、比較回路43の出力信号を保持するヒステリシス回路である。本図の受信回路40は、比較回路43及び信号保持回路44によって、受信した差動信号から元のデジタル信号を復元する。
図5は、方向性結合器1を備えた通信装置101Bの構成を示した図である。通信装置101Bは、方向性結合器1によって、モジュール53とモジュール54との間を非接触で通信する装置である。
モジュール53は、伝送線路20と、伝送線路30と、終端抵抗33と、伝送線路20の遠端22及び伝送線路30の近端31に接続される差動式の送信回路17とを有している。差動式の送信回路17は、遠端22及び近端31から伝送線路20,30に入力される差動信号を送信可能な差動回路である。差動式の送信回路17は、負極性の入力信号In−と正極性の入力信号In+とにより構成される差動信号を送信し、入力信号In−と入力信号In+とは互いの位相が反転した信号である。
モジュール54は、伝送線路10と、終端抵抗13と、先端部11に接続される受信回路45とを備えている。受信回路45は、先端部11に接続される非反転入力部(+)と、終端電位VT1に接続される反転入力部(−)とを有する差動入力回路を備えた差動式の差動回路である。受信回路45は、先端部11から出力されるシングルエンド信号を受信可能な回路である。受信回路45は、先端部11から出力されるシングルエンド信号の電位と終端電位VT1との電位差に対応したシングルエンド信号Outを出力する。
<方向性結合器の動作原理>
図6は、方向性結合器1の動作を説明するための図である。図7は、方向性結合器の各部における波形を示した図である。図6及び図7を参照して、方向性結合器の動作原理について説明する。
図7(a)は、入力信号Inが先端部11に入力されることにより、先端部11を終端部12に向かう方向に進行する信号S1の波形である。入力信号Inが伝送線路10の先端部11から終端部12に向けて伝搬するとき、伝搬する信号の波頭では電流と電圧が変化する。伝送線路10と伝送線路20との間及び伝送線路10と伝送線路30との間には、相互キャパシタンスCと相互インダクタンスMが連続して存在する。よって、i=C(dv/dt)およびv=L(di/dt)の結合作用により、容量結合性電流と誘導結合性電流が伝送線路20及び伝送線路30に誘起して流れる。
容量結合性電流は、伝送線路10から伝送線路20に誘起電流が流れた後、その点から左右方向に見た伝送線路20の特性インピーダンスが等しいので、左右に等しく分かれて両端に分流する。つまり、容量性結合電流の半分は近端21へ後戻りし、半分は遠端22へ前進する。
近端21に逆戻りする信号は、その電流信号源である波頭が伝送線路10を先端部11から終端部12に向けて前進するのと同じ速度で伝送線路20を近端21に向けて逆戻りする。
つまり、伝送線路10を伝搬する信号の波頭が、先端部11に入力されてから波の立ち上り時間tr後に伝送線路10に完全に入る。そして、その波頭が伝送線路10の中央部(伝送線路10のうち遠端22及び近端31に対向する線路部位)に向けて伝搬する間は、伝送線路10の中央部に向けて前進する電流信号源から出た誘起電流の半分が、近端21を目指して同じ速度で逆戻りするので、近端21での電流値は一定である。入力信号Inが先端部11から伝送線路10の中央部に伝搬する時間をtdとすると、伝送線路10の中央部に到達した時点で伝送線路20に移った誘起電流の半分は、更に時間tdをかけて伝送線路20の近端21に戻るので、近端21に現れる信号は、2tdの時間幅のパルス信号となる。
また、遠端22を目指して前進する残り半分の電流は、電流信号源が伝送線路10の中央部に向けて前進するので、それと共に電流量を積み重ねながらtd後に遠端22に到達する。
一方、誘導結合性電流は、誘導結合で伝送線路20に誘起される電圧源によって流れる電流であるが、その向きは伝送線路10の電流ループの向きと逆回りになり、巨視的には遠端22から近端21に向かう。
したがって、誘導結合で近端21に生じる信号は、容量結合で近端21に生じる信号と同じ符号で強め合い、近端21で現れる信号は、図7(b)に示す波形となる。図7(b)は、信号S1が伝送線路10から伝送線路20に伝搬することにより、近端21を遠端22から近端21に向かう方向に進行する信号S2の波形である。
ところが、近端21は短絡終端されているので、信号S2が近端21で全反射することによって、信号S2を打ち消すような反射波が近端21に発生する。近端21で発生した反射波は、近端21から遠端22に向かう方向に進行し、近端21から遠端22まで進行するのに時間tdかかる。したがって、遠端22で現れる信号は、図7(c)に示す波形となる。図7(c)は、信号S2が近端21で全反射することによって、遠端22を近端21から遠端22に向かう方向に進行する信号S3の波形である。つまり、負極性のパルス信号Out−が、遠端22から出力される。
一方、伝送線路10を伝搬する信号の波頭は、先端部11に入力されてから時間td経過時に、伝送線路10の中央部を通過しはじめる。そして、その波頭が伝送線路10の中央部から終端部12に向けて伝搬する間は、容量結合性電流と誘導結合性電流が伝送線路20に流れる上記現象と同様の現象が、伝送線路30にも生じる。
したがって、伝送線路30の近端31で現れる信号は、図7(d)に示す波形となる。図7(d)は、信号S1が伝送線路10から伝送線路30に伝搬することにより、近端31を遠端32から近端31に向かう方向に進行する信号S4の波形である。つまり、正極性のパルス信号Out+が、近端31から出力される。
このように、方向性結合器は、負極性のパルス信号Out−と、パルス信号Out−に対して位相が180°反転した正極性の信号Out+とによって構成された差動信号を出力できる。つまり、シングルエンド信号を差動信号に変換できる。なお、逆に、遠端22及び近端31に差動信号を入力する場合も同様に考えることができるので、差動信号をシングルエンド信号に変換することもできる。
<方向性結合器の動作シミュレーション>
次に、本実施形態の方向性結合器をコンピュータ上で動作させたときのシミュレーション結果を示す。図8は、シミュレーションに用いた送信回路を示している。この送信回路は、方向性結合器1の先端部11に入力されるシングルエンド信号Inを生成するための回路であり、プリドライバ46と、50オームドライバ47とを備えている。
インダクタンス48は、送信回路と先端部11とを結ぶボンディングワイヤのインダクタンス成分を表す。キャパシタンス49は、送信回路とボンディングワイヤとを接続するためのパッドの寄生容量を表す。キャパシタンス50は、先端部11とボンディングワイヤとを接続するためのパッドの寄生容量を表す。
本シミュレーションでは、
送信回路と先端部11とを結ぶボンディングワイヤの長さ:2mm
送信回路と先端部11とを結ぶボンディングワイヤのインダクタンス:2nH
キャパシタンス49,50:60fF
伝送線路10及び伝送線路20,30の線幅:500μm
伝送線路10及び伝送線路20,30の線路長:5mm
伝送線路10と伝送線路20,30との間の距離(通信距離):0.1mm
伝送線路10と伝送線路20,30との間の媒質の比誘電率:3.4
伝送線路10と伝送線路20,30が形成された誘電体基板FR4の比誘電率:3.4
伝送線路10及び伝送線路20,30の特性インピーダンス:50Ω
終端抵抗13,33のインピーダンス:50Ω
に設定した。
図9は、方向性結合器1の結合度のシミュレーション結果(Sパラメータ)を示す。S(1,1)は、先端部11における入力反射係数であり、S(2,1)は、先端部11から伝送線路30の近端31への伝送係数であり、S(3,1)は、先端部11から伝送線路20の遠端22への伝送係数である。図9に示されるように、方向性結合器1は、広い周波数帯域で一定の結合度を有している。
図10は、方向性結合器1から出力される差動信号の位相差のシミュレーション結果を示す。図10に示されるように、方向性結合器1によれば、広い周波数帯域で180°の移相が可能である。
図11は、先端部11に振幅600mVのシングルエンド信号を入力したときの、方向性結合器1から出力される差動信号のシミュレーション結果を示す。信号S+は、伝送線路30の近端31から出力される信号であり、信号S−は、伝送線路20の遠端22から出力される信号である。立ち上がり時間trが50psと200psのいずれの場合でも、信号S+と信号S−は、精度よく位相が反転し、振幅もほぼ等しい。
<実施例1のレイアウト>
図12は、方向性結合器1を備えた通信装置101Cの構成を示した図であり、方向性結合器1のレイアウト例を示した図である。通信装置101Cは、方向性結合器1によって、モジュール55とモジュール56との間を非接触で通信する装置である。
モジュール55は、伝送線路10と、終端抵抗13と、先端部11に接続されるシングルエンド式のシングルエンド回路とを有している。本図の伝送線路10は、U字状に折り曲げて形成された折り返し線路であり、伝送線路部14と、伝送線路部15とを有している。
モジュール56は、伝送線路20と、伝送線路30と、終端抵抗33と、伝送線路20の遠端22及び伝送線路30の近端31に接続される差動式の差動回路とを有している。
図12では、便宜上、見えやすいように、モジュール55とモジュール56とが紙面に対して平行な方向に並べて描画されている。しかしながら、モジュール55とモジュール56とは、実際には、紙面に対して直角な方向に積層配置されている。紙面に対して直角な方向(すなわち、モジュールが積層する方向)を単に「積層方向」という。
すなわち、モジュール55とモジュール56との積層方向において、伝送線路部14と伝送線路20とが電磁界結合可能に対向して配置され、伝送線路部15と伝送線路30とが電磁界結合可能に対向して配置されている。また、モジュール55とモジュール56との積層方向において、伝送線路部14の先端部11と伝送線路20の近端21とが対向して配置され、伝送線路部15の終端部12と伝送線路30の遠端32とが対向して配置されている。
伝送線路部14,15,20,30をこのように対向配置し、終端抵抗33で近端21と遠端32とを連結することで、終端電位VT2を1箇所で取ることができる。
<実施例1の変形例>
図13は、方向性結合器1の変形例を示した図である。本図の伝送線路10は、伝送線路部14と伝送線路部15とに配線で連結可能に分割されている。伝送線路部14は、伝送線路20と電磁界結合可能に対向配置され、伝送線路部15は、伝送線路30と電磁界結合可能に対向配置されている。このように構成されていることにより、伝送線路部、終端電位、終端抵抗などに接続する配線の仕方を変更することによって、方向性結合器の差動方式側とシングルエンド方式側とを容易に入れ替えることができる。
図示のように、伝送線路20と伝送線路30とが連結されずに伝送線路部14と伝送線路部15とが配線で連結される場合、伝送線路部14,15側の伝送方式をシングルエンド方式に変更でき、伝送線路20,30側の伝送方式を差動方式に変更できる。図示とは逆に、伝送線路部14と伝送線路部15とが連結されずに伝送線路20と伝送線路30とが配線で連結される場合、伝送線路20,30側の伝送方式をシングルエンド方式に変更でき、伝送線路部14,15側の伝送方式を差動方式に変更できる。
<実施例2の構成>
図1の方向性結合器1において、伝送線路20及び/又は伝送線路30は、伝送線路10の特性インピーダンスZと異なる特性インピーダンスZ1を有してよい。また、終端抵抗33のインピーダンスは、伝送線路30のインピーダンスZ1と整合させてよい。例えば、インピーダンスZ1は、インピーダンスZよりも大きくてよい。具体的には、Z=50Ω,Z1=75Ωでもよい。電磁界結合する伝送線路部間の小さなインピーダンスの不整合は、シングルエンド信号を差動信号に又は差動信号をシングルエンド信号に変換する上で、障害とならない。
<実施例3の構成>
図1の方向性結合器1において、伝送線路30の遠端32は、整合終端でなくても、大きな反射障害は生じない。特に、伝送線路10から伝送線路30の近端31に伝搬する信号が大きく遠端32に伝搬する信号が小さい場合(方向性が強く現れる場合)、遠端32が整合終端されていなくて信号が反射しても、その影響は小さく、障害とならない。そのため、終端抵抗33のインピーダンスZ3は、伝送線路30の特性インピーダンスZと異なってよい。例えば、終端抵抗33のインピーダンスZ3は、伝送線路30の特性インピーダンスZよりも小さなインピーダンスでよい。具体的には、Z=50Ω,Z3=25Ωでもよい。例えば、図14の方向性結合器3のように、遠端32は短絡終端されてよい(Z3=0Ω)。
<実施例3のレイアウト>
図15は、図14の方向性結合器3を備えた通信装置103の構成を示した図であり、方向性結合器3のレイアウト例を示した図である。通信装置103は、方向性結合器3によって、モジュール55とモジュール57との間を非接触で通信する装置である。通信装置103においても、図12と同様に、モジュール55とモジュール57とは、実際には、紙面に対して直角な方向に積層配置されている。
図14の方向性結合器3のように遠端32を短絡終端すると、図15のように、方向性結合器3に構成される伝送線路部のレイアウトが送信側と受信側とで同一になる。したがって、伝送線路部、終端電位、終端抵抗などに接続する配線の仕方を変更することによって、方向性結合器の差動方式側とシングルエンド方式側とを容易に入れ替えることができる。
図15では、近端21と遠端32とが接続され、近端21と遠端32とが接続された部位である接続部95が、終端電位VT2に短絡終端されている。
モジュール55は、伝送線路10と、終端抵抗13と、先端部11に接続されるシングルエンド式のシングルエンド回路とを有している。本図の伝送線路10は、U字状に折り曲げて形成された折り返し線路であり、伝送線路部14と、伝送線路部15とを有している。
モジュール57は、伝送線路20と、伝送線路30と、伝送線路20の遠端22及び伝送線路30の近端31に接続される差動式の差動回路とを有している。モジュール57側の伝送線路は、伝送線路20の近端21と伝送線路30の遠端32とが接続された線路であり、U字状に折り曲げて形成された折り返し線路である。
伝送線路部14と伝送線路部15との接続によって第1のU字状伝送線路が形成され、伝送線路20と伝送線路30との接続によって第2のU字状伝送線路が形成されている。第1のU字状伝送線路と第2のU字状伝送線路とは、第1のU字状伝送線路と第2のU字状伝送線路との積層方向から投影的に見ると一方のU字状伝送線路のみが上下反転して見えるように、電磁界結合可能に対向配置されている(図20と同様)。
<実施例4の構成>
図1の方向性結合器1において、伝送線路20の近端21は、短絡終端でなくても、大きな反射障害は生じない。特に、伝送線路10から伝送線路20の近端31に伝搬する信号が大きく遠端32に伝搬する信号が小さい場合(方向性が強く現れる場合)、近端21が短絡終端されていなくて信号が反射しても、その影響は小さく、障害とならない。そのため、近端21は、伝送線路20の特性インピーダンスZよりも小さなインピーダンスZ2で終端されてよい。図16は、伝送線路20の特性インピーダンスZよりも小さなインピーダンスZ2を有する終端抵抗23で近端21が終端電位VT2に終端された方向性結合器4の構成を示した図である。
伝送線路20の特性インピーダンスをZ、終端抵抗23のインピーダンスをZ2とすると、伝送線路20から終端抵抗23に入力信号を入力したときの近端21での反射係数Aは、
A=(Z2−Z1)/(Z2+Z1)
と表される。したがって、方向性結合器4において、反射係数Aは、−1より大きく0未満の負の値であってよい。なお、方向性結合器4は、終端抵抗23のインピーダンスZ2を0Ωにすると、反射係数Aが−1である図1の方向性結合器1と同じになる。
なお、図16の方向性結合器4において、終端抵抗33のインピーダンスZ3は、伝送線路30の特性インピーダンスZと異なってよい。例えば、終端抵抗33のインピーダンスZ3は、伝送線路30のインピーダンスZよりも小さなインピーダンスでよい。
<実施例4のレイアウト>
図17は、図16の方向性結合器4を備えた通信装置104の構成を示した図であり、方向性結合器4のレイアウト例を示した図である。通信装置104は、方向性結合器4によって、モジュール55とモジュール58との間を非接触で通信する装置である。通信装置104においても、図12と同様に、モジュール55とモジュール58とは、実際には、紙面に対して直角な方向に積層配置されている。
図16の方向性結合器4において、終端抵抗23と終端抵抗33それぞれのインピーダンスを、伝送線路20,30の特性インピーダンスZよりも小さく、且つ、互いに等しいインピーダンスZ2にする(例えば、Z=50Ω、Z2=10Ω)。これにより、図17のように、方向性結合器4に構成される伝送線路部のレイアウトが送信側と受信側とで同一になる。したがって、伝送線路部、終端電位、終端抵抗などに接続する配線の仕方を変更することによって、方向性結合器の差動方式側とシングルエンド方式側とを容易に入れ替えることができる。
図17では、近端21と遠端32とが接続され、近端21と遠端32とが接続された部位である接続部95が、共通の終端抵抗23,33で終端電位VT2に終端されている。
モジュール55は、伝送線路10と、終端抵抗13と、先端部11に接続されるシングルエンド式のシングルエンド回路とを有している。本図の伝送線路10は、U字状に折り曲げて形成された折り返し線路であり、伝送線路部14と、伝送線路部15とを有している。
モジュール58は、伝送線路20と、伝送線路30と、伝送線路20の遠端22及び伝送線路30の近端31に接続される差動式の差動回路とを有している。モジュール58側の伝送線路は、伝送線路20の近端21と伝送線路30の遠端32とが接続された線路であり、U字状に折り曲げて形成された折り返し線路である。
伝送線路部14と伝送線路部15との接続によって第1のU字状伝送線路が形成され、伝送線路20と伝送線路30との接続によって第2のU字状伝送線路が形成されている。第1のU字状伝送線路と第2のU字状伝送線路とは、第1のU字状伝送線路と第2のU字状伝送線路との積層方向から投影的に見ると一方のU字状伝送線路のみが上下反転して見えるように、電磁界結合可能に対向配置されている(図20と同様)。
<実施例5の構成>
図18は、図1の方向性結合器1を複数備えた通信装置105の構成を示した図である。通信装置105は、複数の方向性結合器1によって、モジュール59とモジュール60との間を非接触で通信する装置である。伝送線路10は、伝送線路部10と伝送線路部10と伝送線路部10とが配線で直列接続された構成を有し、当該構成を先端部11と終端部12との間に有している。第1の伝送線路部10は、第2の伝送線路20及び第3の伝送線路30と電磁界結合可能に対向して近接配置されている。同様に、第1の伝送線路部10も、第2の伝送線路20及び第3の伝送線路30と電磁界結合可能に対向して近接配置されている。第1の伝送線路部10も、第2の伝送線路20及び第3の伝送線路30と電磁界結合可能に対向して近接配置されている。
伝送線路20は、先端部11から伝送線路10を辿ると先端部11から近い方に位置する近端21と、先端部11から伝送線路10を辿ると先端部11から遠い方に位置する遠端22とを有する。伝送線路30は、先端部11から伝送線路10を辿ると先端部11から近い方に位置する近端31と、先端部11から伝送線路10を辿ると先端部11から遠い方に位置する遠端32とを有する。他の伝送線路20,30,20,30についても同様である。
伝送線路部10が伝送線路20及び伝送線路30と電磁界結合可能に近接配置されていることにより、結合器1が形成されている。結合器1は、伝送線路部10と、伝送線路20及び伝送線路30とにより構成された方向性結合器である。他の結合器1,1についても同様である。
このような構成を有する通信装置105は、シングルエンドの一つの入力デジタル信号Inを複数組の差動信号(この場合、S1−/S1+と、S2−/S2+と、S3−/S3+との3組の差動信号)に分配するマルチドロップバスとして機能する。各結合器1,1,1で分配された各差動信号は、各受信回路40,40,40で差動増幅され、シングルエンド式の出力信号Out1,Out2,Out3に変換される。
先端部11から入力される信号Inのエネルギーは、先端部11から終端部12に向かう伝搬方向において順番に各結合器1,1,1で分配される。そのため、各結合器に到達する信号のエネルギーは、先端部11から伝送線路10を辿る経路が長いほど小さくなる。
例えば、3つの結合部1,1,1の結合度がいずれも「1/6」であるとすると、信号エネルギーが1の信号Inが先端部11から入力される場合、近似的には、
結合器1の遠端22及び近端31に接続される受信回路40から出力される信号Out1のエネルギーは、先端部11に入力される信号Inのエネルギーに対して、
1×(1/6)=1/6(約0.17)
の割合で低減し、
結合器1の遠端22及び近端31に接続される受信回路40から出力される信号Out2のエネルギーは、先端部11に入力される信号Inのエネルギーに対して、
(1−(1/6))×(1/6)=5/36(約0.14)
の割合で低減し、
結合器1の遠端22及び近端31に接続される受信回路40から出力される信号Out3のエネルギーは、先端部11に入力される信号Inのエネルギーに対して、
(1−(1/6)−(5/36))×(1/6)=25/216(約0.12)
の割合で低減する。
このように、各結合器の結合度が等しいと、各受信回路から出力される信号のエネルギーは、Out1>Out2>Out3となる。つまり、先端部11から伝送線路10を辿る経路において先端部11から遠くなるほど、結合器に到達する信号は大きく減衰するため、先端部11から遠方の結合器で非接触伝送される信号の誤差が大きくなりやすい。
そこで、伝送線路10に構成される複数の伝送線路部10のうち、先端部11から伝送線路10を辿る長さが長い伝送線路部10ほど、伝送線路部10に近接配置された伝送線路20及び伝送線路30と強く結合することが好ましい。jは、その値が大きな自然数ほど、先端部11から伝送線路10を辿る長さが長い結合器であることを表す。例えば、各結合器の結合度が、先端部11から伝送線路10を辿る長さが長い結合器ほど大きく設定されることが好ましい。
例えば、各結合器の結合度Cは、
≦C≦・・・≦C (ただし、C<C
に設定される。このように設定されることにより、先端部11から伝送線路10を辿る経路において先端部11から遠くても、結合器に到達する信号が減衰することが抑えられ、先端部11から遠方の結合器で非接触伝送される信号の誤差が大きくなりにくい。
例えば、3つの結合器1,1,1の結合度が、それぞれ、1/6,1/5,1/4であるとすると、信号エネルギーが1の信号Inが先端部11から入力される場合、近似的には、
結合器1の遠端22及び近端31に接続される受信回路40から出力される信号Out1のエネルギーは、先端部11に入力される信号Inのエネルギーに対して、
1×(1/6)=1/6
の割合で低減し、
結合器1の遠端22及び近端31に接続される受信回路40から出力される信号Out2のエネルギーは、先端部11に入力される信号Inのエネルギーに対して、
(1−(1/6))×(1/5)=1/6
の割合で低減し、
結合器1の遠端22及び近端31に接続される受信回路40から出力される信号Out3のエネルギーは、先端部11に入力される信号Inのエネルギーに対して、
(1−(1/6)−(1/6))×(1/4)=1/6
の割合で低減する。
このように、先端部11から伝送線路10を辿る長さが長い結合器ほど結合度を大きく設定することによって、信号Out2,Out3のエネルギー(例えば、信号振幅)を大きくできる。つまり、先端部11から離れた結合器に到達する信号が減衰することを抑制できるため、先端部11から離れた結合器で非接触伝送される信号の誤差を小さくできる。また、各結合器の結合度Cを適切な値に調整することによって、各受信回路から出力される信号のエネルギーを等しく揃えることができる(Out1=Out2=Out3)。
各結合器の結合度Cは、例えば、伝送線路10と伝送線路20又は伝送線路30との距離、各伝送線路の線路寸法(線路長や線幅等)などに応じて調整できる。例えば、伝送線路10と伝送線路20又は伝送線路30との距離が短いほど、結合度Cは大きくなる。また、各伝送線路の線路幅が広いほど、結合度Cは大きくなる。
なお、結合度Cの数値が大きいほど、伝送線路10と伝送線路20及び伝送線路30との結合が強いことを表す。結合度Cは、例えば、伝送線路10の先端部11側の端部に入力される電力に対する、受信回路40から出力される信号Outの電力の比に応じて決められた値である。ただし、各受信回路40の増幅率は、互いに同じであるとする。
また、伝送線路10と伝送線路20との結合度と、伝送線路10と伝送線路30との結合度とが等しくなるように、伝送線路10,20,30は構成されることが好ましい。伝送線路10と伝送線路20との結合度は、例えば、伝送線路10の先端部11側の端部に入力される電力に対する、伝送線路20の遠端22から出力される電力の比に応じた値である。伝送線路10と伝送線路30との結合度は、例えば、伝送線路10の先端部11側の端部に入力される電力に対する、伝送線路30の近端31から出力される電力の比に応じた値である。
なお、モジュール59とモジュール60とが同一の回路基板上に構成される場合も、本発明に含まれる。また、図18において、2組又は4組以上の差動信号に分配するマルチドロップバスに拡張することも可能である。また、実施例2〜4に示した方向性結合器を用いて、マルチドロップバスとして機能させてもよい。
<実施例6の構成>
図19は、図17のモジュール58側の伝送線路のレイアウトを応用した方向性結合器6を備えた通信装置106の構成を示した図である。通信装置106は、方向性結合器6によって、モジュール61とモジュール62との間を非接触で通信する装置である。通信装置106においても、図12,15,17と同様に、モジュール61とモジュール62とは、実際には、紙面に対して直角な方向に積層配置されている(図20参照)。
方向性結合器6は、第1の伝送線路TL11と、第2の伝送線路TL12とを備えている。第1の伝送線路TL11は、第1の伝送線路部TL1と第4の伝送線路部TL4とを有している。第2の伝送線路TL12は、伝送線路部TL1と電磁界結合する第2の伝送線路部TL2と、伝送線路部TL4と電磁界結合する第3の伝送線路部TL3とを有している。
伝送線路部TL1は、例えば、伝送線路TL12の一端n2から伝送線路TL12を辿ると一端n2から近い方に位置する近端n11と、伝送線路TL12の一端n2から伝送線路TL12を辿ると一端n2から遠い方に位置する遠端n1とを有する。
伝送線路部TL4は、例えば、伝送線路TL12の一端n2から伝送線路TL12を辿ると一端n2から近い方に位置する近端n4と、伝送線路TL12の一端n2から伝送線路TL12を辿ると一端n2から遠い方に位置する遠端n14とを有する。
伝送線路部TL2は、例えば、伝送線路TL11の一端n1から伝送線路TL11を辿ると一端n1から近い方に位置する近端n12と、伝送線路TL11の一端n1から伝送線路TL11を辿ると一端n1から遠い方に位置する遠端n2とを有する。
伝送線路部TL3は、例えば、伝送線路TL11の一端n1から伝送線路TL11を辿ると一端n1から近い方に位置する近端n3と、伝送線路TL11の一端n1から伝送線路TL11を辿ると一端n1から遠い方に位置する遠端n13とを有する。
伝送線路TL11は、伝送線路部TL1の近端n11と伝送線路部TL4の遠端n14とが接続される第1の接続部91を有し、伝送線路TL12は、伝送線路部TL2の近端n12と伝送線路部TL3の遠端n13とが接続される第2の接続部92を有している。
方向性結合器6は、モジュール61に構成されるスイッチ71と、モジュール62に構成されるスイッチ72とを備えている。
スイッチ71は、選択信号Sの論理レベルに従って、伝送線路部TL1及び/又は伝送線路部TL4の特性インピーダンスよりも小さな第1のインピーダンスRonで接続部91を終端するか否かを切り替える切り替え回路である。スイッチ71は、Nチャネル型とPチャネル型のMOSトランジスタを並列接続した構成を有し、両MOSトランジスタがオンしたときのオン抵抗が第1のインピーダンスRonに相当する。
スイッチ72は、選択信号Sの論理レベルに従って、伝送線路部TL2及び/又は伝送線路部TL3の特性インピーダンスよりも小さな第2のインピーダンスRonで接続部92を終端するか否かを切り替える切り替え回路である。スイッチ72は、Nチャネル型とPチャネル型のMOSトランジスタを並列接続した構成を有し、両MOSトランジスタがオンしたときのオン抵抗が第2のインピーダンスRonに相当する。
モジュール61は、伝送線路部TL1の遠端n1及び伝送線路部TL4の近端n4に接続される送受信回路73を有している。モジュール62は、伝送線路部TL2の遠端n2及び伝送線路部TL3の近端n3に接続される送受信回路74を有している。
図21は、送受信回路73の構成を示した図である。送受信回路73は、シングルエンド信号を送信可能な送信回路76と、差動信号を受信可能な受信回路77と、送受切り替え回路75とを有している。送受切り替え回路75は、選択信号Sの論理レベルに従って、伝送線路部TL1の遠端n1の接続先を、送信回路76か受信回路77のいずれか一方に切り替え、伝送線路部TL4の近端n4の接続先を、終端抵抗RR1か受信回路77のいずれか一方に切り替える。
図22は、送受信回路74の構成を示した図である。送受信回路74は、シングルエンド信号を送信可能な送信回路79と、差動信号を受信可能な受信回路80と、送受切り替え回路78とを有している。送受切り替え回路78は、選択信号Sの論理レベルに従って、伝送線路部TL2の遠端n2の接続先を、送信回路79か受信回路80のいずれか一方に切り替え、伝送線路部TL3の近端n3の接続先を、終端抵抗RR2か受信回路80のいずれか一方に切り替える。
選択信号S=0のとき、スイッチ71のオフにより接続部91は第1のインピーダンスRonで短絡されず、スイッチ72のオンにより接続部92は第2のインピーダンスRonで終端される。また、選択信号S=0のとき、送受切り替え回路78は、伝送線路部TL2の遠端n2及び伝送線路部TL3の近端n3の接続先を受信回路80に切り替える。また、選択信号S=0のとき、送受切り替え回路75は、伝送線路部TL1の遠端n1の接続先を送信回路76に切り替え且つ伝送線路部TL4の近端n4の接続先を終端抵抗RR1に切り替える。
すなわち、選択信号S=0のとき、伝送線路部TL4の近端n4は、終端抵抗RR1で整合終端され、モジュール61の伝送線路部TL1,TL4からモジュール62の伝送線路部TL2,TL4に信号が転送される動作モードに切り替えられる(図23参照)。
一方、選択信号S=1のとき、スイッチ72のオフにより接続部92は第2のインピーダンスRonで短絡されず、スイッチ71のオンにより接続部91は第1のインピーダンスRonで終端される。また、選択信号S=1のとき、送受切り替え回路75は、伝送線路部TL1の遠端n1及び伝送線路部TL4の近端n4の接続先を受信回路77に切り替える。また、選択信号S=1のとき、送受切り替え回路78は、伝送線路部TL2の遠端n2の接続先を送信回路79に切り替え且つ伝送線路部TL3の近端n3の接続先を終端抵抗RR2に切り替える。
すなわち、選択信号S=1のとき、伝送線路部TL3の近端n3は、終端抵抗RR2で整合終端され、モジュール62の伝送線路部TL2,TL4からモジュール61の伝送線路部TL1,TL4に信号が転送される動作モードに切り替えられる(図24参照)。
<実施例7の構成>
図25は、図17のモジュール58側の伝送線路のレイアウトを応用した方向性結合器7を備えた通信装置107の構成を示した図である。通信装置107は、方向性結合器7によって、モジュール63とモジュール64との間を非接触で通信する装置である。通信装置107においても、図12,15,17と同様に、モジュール63とモジュール64とは、実際には、紙面に対して直角な方向に積層配置されている(図20参照)。上述の構成と同様の構成についての説明は省略又は簡略する。
方向性結合器7は、第1の伝送線路TL11と、第2の伝送線路TL12と、第3の伝送線路TL13と、第4の伝送線路TL14とを備えている。第3の伝送線路TL13は、第5の伝送線路部TL5と第8の伝送線路部TL8とを有している。第4の伝送線路TL14は、伝送線路部TL5と電磁界結合する第6の伝送線路部TL6と、伝送線路部TL8と電磁界結合する第7の伝送線路部TL7とを有している。
伝送線路部TL5は、例えば、伝送線路TL14の一端n6から伝送線路TL14を辿ると一端n6から近い方に位置する近端n15と、伝送線路TL14の一端n6から伝送線路TL14を辿ると一端n6から遠い方に位置する遠端n5とを有する。
伝送線路部TL8は、例えば、伝送線路TL14の一端n6から伝送線路TL14を辿ると一端n6から近い方に位置する近端n8と、伝送線路TL14の一端n6から伝送線路TL14を辿ると一端n6から遠い方に位置する遠端n18とを有する。
伝送線路部TL6は、例えば、伝送線路TL13の一端n5から伝送線路TL13を辿ると一端n5から近い方に位置する近端n16と、伝送線路TL13の一端n5から伝送線路TL13を辿ると一端n5から遠い方に位置する遠端n6とを有する。
伝送線路部TL7は、例えば、伝送線路TL13の一端n5から伝送線路TL13を辿ると一端n5から近い方に位置する近端n7と、伝送線路TL13の一端n5から伝送線路TL13を辿ると一端n5から遠い方に位置する遠端n17とを有する。
伝送線路TL13は、伝送線路部TL5の近端n15と伝送線路部TL8の遠端n18とが接続される第3の接続部93を有し、伝送線路TL14は、伝送線路部TL6の近端n16と伝送線路部TL7の遠端n17とが接続される第4の接続部94を有している。
方向性結合器7は、モジュール63に構成されるスイッチ71,81と、モジュール64に構成されるスイッチ72,82とを備えている。
スイッチ81は、選択信号Sの論理レベルに従って、伝送線路部TL5及び/又は伝送線路部TL8の特性インピーダンスよりも小さな第3のインピーダンスRonで接続部93を終端するか否かを切り替える切り替え回路である。スイッチ81は、Nチャネル型とPチャネル型のMOSトランジスタを並列接続した構成を有し、両MOSトランジスタがオンしたときのオン抵抗が第3のインピーダンスRonに相当する。
スイッチ82は、選択信号Sの論理レベルに従って、伝送線路部TL6及び/又は伝送線路部TL7の特性インピーダンスよりも小さな第4のインピーダンスRonで接続部94を終端するか否かを切り替える切り替え回路である。スイッチ82は、Nチャネル型とPチャネル型のMOSトランジスタを並列接続した構成を有し、両MOSトランジスタがオンしたときのオン抵抗が第4のインピーダンスRonに相当する。
モジュール63は、伝送線路部TL1,TL5の遠端n1,n5及び伝送線路部TL4,TL8の近端n4,n8に接続される送受信回路85を有している。モジュール64は、伝送線路部TL2,TL6の遠端n2,n6及び伝送線路部TL3,TL7の近端n3,n7に接続される送受信回路86を有している。
図26は、送受信回路85の構成を示した図である。送受信回路85は、シングルエンド信号を送信可能な送信回路Tと、差動信号を受信可能な受信回路88と、送受切り替え回路87とを有している。送受切り替え回路87は、選択信号Sの論理レベルに従って、伝送線路部TL1,TL5の遠端n1,n5の接続先を、送信回路Tか受信回路88のいずれか一方に切り替え、伝送線路部TL4,TL8の近端n4,n8の接続先を、終端抵抗RR3か受信回路88のいずれか一方に切り替える。
図27は、送受信回路86の構成を示した図である。送受信回路86は、シングルエンド信号を送信可能な送信回路Tと、差動信号を受信可能な受信回路90と、送受切り替え回路89とを有している。送受切り替え回路89は、選択信号Sの論理レベルに従って、伝送線路部TL2,TL6の遠端n2,n6の接続先を、送信回路Tか受信回路90のいずれか一方に切り替え、伝送線路部TL3,TL7の近端n3,n7の接続先を、終端抵抗RR4か受信回路90のいずれか一方に切り替える。
選択信号S=0のとき、スイッチ71,81のオフにより接続部91,93は第1,第3のインピーダンスRonで短絡されず、スイッチ72,82のオンにより接続部92,94は第2,第4のインピーダンスRonで終端される。また、選択信号S=0のとき、送受切り替え回路89は、伝送線路部TL2,TL6の遠端n2,n6及び伝送線路部TL3,TL7の近端n3,n7の接続先を受信回路90に切り替える。また、選択信号S=0のとき、送受切り替え回路87は、伝送線路部TL1,TL5の遠端n1,n5の接続先を送信回路Tに切り替え且つ伝送線路部TL4,TL8の近端n4,n8の接続先を終端抵抗RR3に切り替える。
すなわち、選択信号S=0のとき、伝送線路部TL4の近端n4は、伝送線路部TL5及び伝送線路部TL8を介して終端抵抗RR3で整合終端される。そして、モジュール63の伝送線路部TL1,TL4,TL5,TL8からモジュール64の伝送線路部TL2,TL3,TL6,TL7に信号が転送されるマルチドロップバス動作モードに切り替えられる(図28参照)。
一方、選択信号S=1のとき、スイッチ72,82のオフにより接続部92,94は第2,第4のインピーダンスRonで短絡されず、スイッチ71,81のオンにより接続部91,93は第1,第3のインピーダンスRonで終端される。また、選択信号S=1のとき、送受切り替え回路87は、伝送線路部TL1,TL5の遠端n1,n5及び伝送線路部TL4,TL8の近端n4,n8の接続先を受信回路88に切り替える。また、選択信号S=1のとき、送受切り替え回路89は、伝送線路部TL2,TL6の遠端n2,n6の接続先を送信回路Tに切り替え且つ伝送線路部TL3,TL7の近端n3,n7の接続先を終端抵抗RR4に切り替える。
すなわち、選択信号S=1のとき、伝送線路部TL3の近端n3は、伝送線路部TL6及び伝送線路部TL7を介して終端抵抗RR4で整合終端される。そして、モジュール64の伝送線路部TL2,TL3,TL6,TL7からモジュール63の伝送線路部TL1,TL4,TL5,TL8に信号が転送されるマルチドロップバス動作モードに切り替えられる(図29参照)。
<実施例8の構成>
図30は、方向性結合器8の構成を示した図である。図30のように、図1の構成とは逆に、伝送線路20は、伝送線路30よりも先端部11に遠くなるように伝送線路10に対向して配置されてもよい。方向性結合器8の場合、入力信号S0が伝送線路10の中央部まで伝搬する時間分だけ、負極性の信号の出力が正極性の信号よりも遅延するものの、180°移相器として十分に機能する。
この場合、先端部11から伝送線路10を遠端22に最近接する部位まで辿る長さは、先端部11から伝送線路10を近端21に最近接する部位まで辿る長さよりも長い。「遠端22に最近接する部位」とは、伝送線路10の部位であり、例えば、終端部12である。「近端21に最近接する部位」とは、伝送線路10の部位であり、先端部11と終端部12との間の中央部(伝送線路10の中央部)である。同様に、先端部11から伝送線路10を遠端32に最近接する部位まで辿る長さは、先端部11から伝送線路10を近端31に最近接する部位まで辿る長さよりも長い。「遠端32に最近接する部位」とは、伝送線路10の部位であり、例えば、先端部11と終端部12との間の中央部(伝送線路10の中央部)である。「近端31に最近接する部位」とは、伝送線路10の部位であり、例えば、先端部11である。
伝送線路30の遠端32と伝送線路20の近端21との間には微小な間隙が存在する。しかしながら、当該間隙が大きすぎないように、伝送線路20と伝送線路30とが配置されることが好ましい。当該間隙を所定の微小値以下にすることによって、遠端22から出力される信号S−と近端31から出力される信号S+との位相差を180°に容易に近づけることができる。
また、伝送線路10と伝送線路20,30とが対向する方向において伝送線路20と伝送線路30とが重複しないように、伝送線路20と伝送線路30とが配置されることが好ましい。伝送線路20と伝送線路30とがこのように重複しないことによって、伝送線路10と伝送線路20との結合度又は伝送線路10と伝送線路30との結合度が低下することを抑えることができる。
<実施例9の構成>
図1の方向性結合器1において、伝送線路30の遠端32は、整合終端でなくても、大きな反射障害は生じない。特に、伝送線路10から伝送線路30の近端31に伝搬する信号が大きく遠端32に伝搬する信号が小さい場合(方向性が強く現れる場合)、遠端32が整合終端されていなくて信号が反射しても、その影響は小さく、障害とならない。そのため、終端抵抗33のインピーダンスZ3は、伝送線路30の特性インピーダンスZと異なってよい。例えば、終端抵抗33のインピーダンスZ3は、伝送線路30の特性インピーダンスZよりも大きなインピーダンスでよい。具体的には、Z=50Ω,Z3=75Ωでもよい。また、例えば、図31の方向性結合器9のように、遠端32は、開放終端されてもよい(Z3=∞Ω)。この場合、終端抵抗や終端電位への接続配線が不要になる利点が生じる。
<第1の伝送線路の終端部の整合終端について>
次に、シングルエンド側の伝送線路10の終端部12が整合終端されている場合(本発明の実施例:図1の方向性結合器1)と開放されている場合(比較例:図32の結合器100)との違いについて説明する。図32は、終端部12が整合終端されずに開放された結合器100(比較例)の構成を示した図である。結合器100は、マーチャントバランとも称される。
図33は、結合器100の結合度のシミュレーション結果(Sパラメータ)を示す。図9(方向性結合器1)と図33(結合器100)とを比較すると明らかなように、図9の方が、広い周波数帯で結合度が一定であるという点で優れている。特に、13GHz近辺で差異がある。
図34は、結合器100から出力される差動信号の位相差のシミュレーション結果を示す。図10(方向性結合器1)と図34(結合器100)とを比較すると明らかなように、図10の方が、広い周波数帯域で180°近辺での移相が可能であるという点で優れている。特に、13GHz近辺で差異がある。
図35は、図9(方向性結合器1)と図33(結合器100)の低周波数帯域での結合度を拡大表示したグラフである。図35に示されるように、方向性結合器1は低周波数域で20dB/dec減衰する。このため、入力信号は1階微分されるので、デジタル信号を入力するとパルス波形が出力される。したがって、受信回路でデジタル信号に戻すことが容易であり、受信回路の構成を簡易化できる。
これに対し、結合器100は低周波数域で40dB/dec減衰する。このため、入力信号は2階微分されるので、デジタル信号を入力すると双極パルス波形が出力される(図36参照)。したがって、受信回路でデジタル信号に戻すことが容易ではなく、受信回路の構成が複雑化する。
つまり、方向性結合器1は、大振幅で周波数範囲の広いデジタル信号の180°移相器として効果的に機能するのに対し、結合器100は、そのようなデジタル信号の180°移相器として効果的に機能させることが難しい。
以上、方向性結合器及び通信装置を実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。他の実施例の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
例えば、伝送線路の形状の「U字」には、「V字」の意味が含まれてよく、U字の「U」の開き角も任意である。
1,3,4,6,7,8,9 方向性結合器
1a,1b,1c 結合器
10,20,30,20,30,20,30,20,30 伝送線路
10,10,10,14,15 伝送線路部
11 先端部
12 終端部
13,23,33,33a,33b,33c 終端抵抗
16 送信回路
17 受信回路
21,31,21a,31a,21b,31b,21c,31c 近端
22,32,22a,32a,22b,32b,22c,32c 遠端
40,40a,40b,40c 受信回路
41,43 比較回路
42,44 信号保持回路
45 送信回路
46 プリドライバ
47 50オームドライバ
48 インダクタンス
49,50 キャパシタンス
51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64 モジュール
71,72,81,82 スイッチ
73,74,85,86 送受信回路
76,79 送信回路
77,80,88,90 受信回路
75,78,87,89 送受切り替え回路
91,92,93,94,95 接続部
100 結合器
101A,101B,101C,103,104,105,106,107 通信装置

Claims (22)

  1. 整合終端された終端部と、前記終端部とは反対側の端部である先端部とを有する第1の伝送線路と、
    前記第1の伝送線路と電磁界結合する第2の伝送線路と、
    前記第1の伝送線路と電磁界結合する第3の伝送線路とを備え、
    前記第2の伝送線路と前記第3の伝送線路のそれぞれは、前記先端部から前記第1の伝送線路を辿ると前記先端部から近い方に位置する近端と、前記先端部から前記第1の伝送線路を辿ると前記先端部から遠い方に位置する遠端とを有し、
    前記第2の伝送線路の近端は、前記第2の伝送線路の特性インピーダンスよりも小さなインピーダンスで終端された、方向性結合器。
  2. 前記先端部に入力される信号によって、
    前記第2の伝送線路の遠端は、負極性の信号を出力し、
    前記第3の伝送線路の近端は、正極性の信号を出力する、請求項1に記載の方向性結合器。
  3. 前記第2の伝送線路は、前記第3の伝送線路よりも前記先端部から近い、請求項1又は2に記載の方向性結合器。
  4. 前記第2の伝送線路は、前記第3の伝送線路よりも前記先端部から遠い、請求項1又は2に記載の方向性結合器。
  5. 前記第2の伝送線路の近端は、短絡終端された、請求項1から4のいずれか一項に記載の方向性結合器。
  6. 前記第3の伝送線路の遠端は、整合終端された、請求項1から5のいずれか一項に記載の方向性結合器。
  7. 前記第3の伝送線路の遠端は、前記第3の伝送線路の特性インピーダンスよりも小さなインピーダンスで終端された、請求項1から5のいずれか一項に記載の方向性結合器。
  8. 前記第3の伝送線路の遠端は、短絡終端された、請求項7に記載の方向性結合器。
  9. 前記第2の伝送線路の近端と前記第3の伝送線路の遠端との接続部が、短絡終端された、請求項8に記載の方向性結合器。
  10. 前記第2の伝送線路の近端と前記第3の伝送線路の遠端との接続部が、前記第2の伝送線路又は前記第3の伝送線路の特性インピーダンスよりも小さなインピーダンスで終端された、請求項7に記載の方向性結合器。
  11. 前記第2の伝送線路と前記第3の伝送線路とによってU字状の伝送線路が形成された、請求項9又は10に記載の方向性結合器。
  12. 前記第3の伝送線路の遠端は、前記第2の伝送線路の特性インピーダンスよりも大きなインピーダンスで終端された、請求項1から5のいずれか一項に記載の方向性結合器。
  13. 前記第3の伝送線路の遠端は、開放終端された、請求項12に記載の方向性結合器。
  14. 前記第2の伝送線路又は前記第3の伝送線路は、前記第1の伝送線路と等しい特性インピーダンスを有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の方向性結合器。
  15. 前記第2の伝送線路又は前記第3の伝送線路は、前記第1の伝送線路と異なる特性インピーダンスを有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の方向性結合器。
  16. 前記第1の伝送線路は、複数の伝送線路部を前記先端部と前記終端部との間に有し、
    前記複数の伝送線路部は、前記第2の伝送線路及び前記第3の伝送線路と結合する、請求項1から15のいずれか一項に記載の方向性結合器。
  17. 実施例5
    前記複数の伝送線路部のうち、前記先端部から前記第1の伝送線路を辿る長さが長い伝送線路部ほど、前記第2の伝送線路及び前記第3の伝送線路と強く結合する、請求項16に記載の方向性結合器。
  18. 請求項1から17のいずれか一項に記載の方向性結合器と、
    前記先端部に接続されるシングルエンド回路と、
    前記第2の伝送線路の遠端及び前記第3の伝送線路の近端に接続される差動回路とを備えた、通信装置。
  19. 第1の伝送線路部と第4の伝送線路部とを有する第1の伝送線路と、
    前記第1の伝送線路部と電磁界結合する第2の伝送線路部と、前記第4の伝送線路部と電磁界結合する第3の伝送線路部とを有する第2の伝送線路と、
    切り替え回路とを備え、
    前記第1の伝送線路部と前記第4の伝送線路部のそれぞれは、前記第2の伝送線路の一端から前記第2の伝送線路を辿ると前記第2の伝送線路の一端から近い方に位置する近端と、前記第2の伝送線路の一端から前記第2の伝送線路を辿ると前記第2の伝送線路の一端から遠い方に位置する遠端とを有し、
    前記第2の伝送線路部と前記第3の伝送線路部のそれぞれは、前記第1の伝送線路の一端から前記第1の伝送線路を辿ると前記第1の伝送線路の一端から近い方に位置する近端と、前記第1の伝送線路の一端から前記第1の伝送線路を辿ると前記第1の伝送線路の一端から遠い方に位置する遠端とを有し、
    前記第1の伝送線路は、前記第1の伝送線路部の近端と前記第4の伝送線路部の遠端とが接続される第1の接続部を有し、
    前記第2の伝送線路は、前記第2の伝送線路部の近端と前記第3の伝送線路部の遠端とが接続される第2の接続部を有し、
    前記切り替え回路は、前記第2の接続部が短絡されない場合に、前記第1の接続部が前記第1の伝送線路部又は前記第4の伝送線路部の特性インピーダンスよりも小さな第1のインピーダンスで終端されるとき、前記第3の伝送線路部の近端を整合終端に切り替え、
    前記切り替え回路は、前記第1の接続部が短絡されない場合に、前記第2の接続部が前記第2の伝送線路部又は前記第3の伝送線路部の特性インピーダンスよりも小さな第2のインピーダンスで終端されるとき、前記第4の伝送線路部の近端を整合終端に切り替える、方向性結合器。
  20. 請求項19に記載の方向性結合器と、
    前記第3の伝送線路部の近端が整合終端に切り替えられるとき、前記第2の伝送線路部の遠端に接続される第1のシングルエンド回路と、
    前記第3の伝送線路部の近端が整合終端に切り替えられるとき、前記第1の伝送線路部の遠端及び前記第4の伝送線路部の近端に接続される第1の差動回路と、
    前記第4の伝送線路部の近端が整合終端に切り替えられるとき、前記第1の伝送線路部の遠端に接続される第2のシングルエンド回路と、
    前記第4の伝送線路部の近端が整合終端に切り替えられるとき、前記第2の伝送線路部の遠端及び前記第3の伝送線路部の近端に接続される第2の差動回路とを備えた、通信装置。
  21. 第5の伝送線路部と第8の伝送線路部とを有する第3の伝送線路と、
    前記第5の伝送線路部と電磁界結合する第6の伝送線路部と、前記第8の伝送線路部と電磁界結合する第7の伝送線路部とを有する第4の伝送線路とを備え、
    前記第5の伝送線路部と前記第8の伝送線路部のそれぞれは、前記第4の伝送線路の一端から前記第4の伝送線路を辿ると前記第4の伝送線路の一端から近い方に位置する近端と、前記第4の伝送線路の一端から前記第4の伝送線路を辿ると前記第4の伝送線路の一端から遠い方に位置する遠端とを有し、
    前記第6の伝送線路部と前記第7の伝送線路部のそれぞれは、前記第3の伝送線路の一端から前記第3の伝送線路を辿ると前記第3の伝送線路の一端から近い方に位置する近端と、前記第3の伝送線路の一端から前記第3の伝送線路を辿ると前記第3の伝送線路の一端から遠い方に位置する遠端とを有し、
    前記第3の伝送線路は、前記第5の伝送線路部の近端と前記第8の伝送線路部の遠端とが接続される第3の接続部を有し、
    前記第4の伝送線路は、前記第6の伝送線路部の近端と前記第7の伝送線路部の遠端とが接続される第4の接続部を有し、
    前記切り替え回路は、前記第2の接続部及び前記第4の接続部が短絡されない場合に、前記第1の接続部が前記第1のインピーダンスで終端され且つ前記第3の接続部が前記第5の伝送線路部又は前記第8の伝送線路部の特性インピーダンスよりも小さな第3のインピーダンスで終端されるとき、前記第3の伝送線路部の近端を前記第6の伝送線路部及び前記第7の伝送線路部を介して整合終端に切り替え、
    前記切り替え回路は、前記第1の接続部及び前記第3の接続部が短絡されない場合に、前記第2の接続部が前記第2のインピーダンスで終端され且つ前記第4の接続部が前記第6の伝送線路部又は前記第7の伝送線路部の特性インピーダンスよりも小さな第4のインピーダンスで終端されるとき、前記第4の伝送線路部の近端を前記第5の伝送線路部及び前記第8の伝送線路部を介して整合終端に切り替える、請求項19に記載の方向性結合器。
  22. 請求項21に記載の方向性結合器と、
    前記第3の伝送線路部の近端が前記第6の伝送線路部及び前記第7の伝送線路部を介して整合終端に切り替えられるとき、前記第2の伝送線路部の遠端に接続される第1のシングルエンド回路と、
    前記第3の伝送線路部の近端が前記第6の伝送線路部及び前記第7の伝送線路部を介して整合終端に切り替えられるとき、前記第1の伝送線路部の遠端及び前記第4の伝送線路部の近端に接続される第1の差動回路と、
    前記第3の伝送線路部の近端が前記第6の伝送線路部及び前記第7の伝送線路部を介して整合終端に切り替えられるとき、前記第5の伝送線路部の遠端及び前記第8の伝送線路部の近端に接続される第2の差動回路と、
    前記第4の伝送線路部の近端が前記第5の伝送線路部及び前記第8の伝送線路部を介して整合終端に切り替えられるとき、前記第1の伝送線路部の遠端に接続される第2のシングルエンド回路と、
    前記第4の伝送線路部の近端が前記第5の伝送線路部及び前記第8の伝送線路部を介して整合終端に切り替えられるとき、前記第2の伝送線路部の遠端及び前記第3の伝送線路部の近端に接続される第3の差動回路と、
    前記第4の伝送線路部の近端が前記第5の伝送線路部及び前記第8の伝送線路部を介して整合終端に切り替えられるとき、前記第6の伝送線路部の遠端及び前記第7の伝送線路部の近端に接続される第4の差動回路とを備えた、通信装置。
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