JP2015037207A - 音場収音再生装置、方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】一般的なマイクロホン・スピーカを用いて、高精度に音場を収音・再現するための音場収音再生装置、方法及びプログラムを提供する。【解決手段】収音側の空間に配置されたマイクロホン1−1〜1−Mは、収音側の空間の音源で発せられた音を収音して時間領域の信号を生成し、周波数変換部111に送られる。音源位置検出部101は、話者などの音源位置を検出、フィルタ計算部103に入力し変換フィルタ部113に送られる。仮想音源の位置からの波面を制御点で実現するフィルタを用い、変換フィルタ部は周波数領域信号Pi(ω)に対してフィルタ計算部出力を適用してフィルタ処理後信号Dp(ω)を生成、周波数逆変換部115に送られ逆フーリエ変換により時間領域信号dp(t)に変換し、波面の進行方向に対し制御点よりも後方に配置された複数のスピーカ2−1〜2−Lにより再生される。【選択図】図2

Description

本発明、ある音場に設置されたマイクアレイで音信号を収音し、その音信号を用いてスピーカアレイでその音場を再生する波面合成法(Wave Field Synthesis)の技術に関する。
波面合成法は、複数のマイクロホンとスピーカを用いて、遠隔地の音場を仮想的に再現する技術である。遠隔コミュニケーションシステムなどの応用では、リアルタイムの収音・再現が必要になるため、一般的なマイクロホンアレイで収音した音圧を、一般的なスピーカアレイで出力するための音場再現信号へと一意に変換可能であることが必要となる。
波面合成法の従来技術として非特許文献1が知られている。
小山、 古家、 日和崎、 羽田、「音場収音・再現のための時空間周波数領域信号変換法」、 音響学会秋季研究発表会講演論文集、2011年、 pp. 635-636
しかしながら、従来技術では、マイクロホンアレイで取得した音場をスピーカアレイを用いて再現する場合に、マイクロホンやスピーカの間隔に依存する、空間エイリアシングによる誤差が生じる。これはマイクロホンの数がスピーカの数よりも少ない場合に特に顕著であり、再現された音場において、音質や定位感の劣化が生じるという課題があった。
本発明は、一般的なマイクロホン・スピーカを用いて、高精度に音場を収音・再現するための音場収音再生装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第一の態様によれば、音場収音再生装置は、複数のマイクロホンが配置されている空間には音源が一つ以上存在し、複数のスピーカが直線状または平面状に波面の進行方向に対し制御点よりも後方に配置されるものとし、ωを周波数とし、複数のスピーカにより再現される仮想音源の位置と複数のスピーカの位置とに基づいて求まるスピーカの駆動信号の振幅の予測分布と、複数のスピーカの各位置から複数の制御点の各位置までの伝達特性とに基づいて求まり、仮想音源の位置からの波面を制御点で実現するフィルタF(ω)を、複数のマイクロホンで収音された信号それぞれの周波数領域信号P(ω)に対して適用してフィルタ処理後信号D(ω)を生成する変換フィルタ部を含む。
上記の課題を解決するために、本発明の第二の態様によれば、音場収音再生方法は、複数のマイクロホンが配置されている空間には音を発する音源が一つ以上存在し、複数のスピーカが直線状または平面状に波面の進行方向に対し制御点よりも後方に配置されるものとし、ωを周波数とし、複数のスピーカにより再現される仮想音源の位置と複数のスピーカの位置とに基づいて求まるスピーカの駆動信号の振幅の予測分布と、複数のスピーカの各位置から複数の制御点の各位置までの伝達特性とに基づいて求まり、仮想音源の位置からの波面を制御点で実現するフィルタF(ω)を、複数のマイクロホンで収音された信号それぞれの周波数領域信号P(ω)に対して適用してフィルタ処理後信号D(ω)を生成する変換フィルタステップを含む。
本発明によれば、空間エイリアシングによる誤差を軽減することができ、再現された音場における、音質や定位感の劣化の改善を可能にするという効果を奏する。
マイクロホン及びスピーカの配置の例を説明するための図。 音場収音再生装置の例を示す機能ブロック図。 音場収音再生方法の例を示す流れ図。 マイクロホンアレイとスピーカアレイと消音領域の例を示す図。 マイクロホン及びスピーカの配置の例を説明するための図。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行うステップには同一の符号を記し、重複説明を省略する。以下の説明において、テキスト中で使用する記号「」「^」等は、本来直前の文字の真上に記載されるべきものであるが、テキスト記法の制限により、当該文字の直後に記載する。式中においてはこれらの記号は本来の位置に記述している。また、ベクトルや行列の各要素単位で行われる処理は、特に断りが無い限り、そのベクトルやその行列の全ての要素に対して適用されるものとする。
<第一実施形態>
本発明では、マイクロホンアレイで収音した音圧と、収音側のおおまかな音源の位置とを併用した信号変換を行い、空間エイリアシングによる誤差を軽減する。空間フーリエ変換を行う代わりに、音源の位置を利用することで、空間フーリエ変換によるエイリアシングの影響を低減することができ、目的音源の再生音の音色をよくすることができる。
第一実施形態では、平面状にスピーカアレイを配置した場合について説明する。
第一実施形態の音場収音再生装置及び方法は、図1に示すように、収音側の空間に配置されているM個のマイクロホン1−iで構成されるマイクロホンアレイと、再生側の空間に配置されているL個のスピーカ2−pで構成されるスピーカアレイとを用いて、収音側の空間の音源Sで発生した音によって形成された収音側の空間の音場を再生側の空間で再現する。なお、収音側の空間及び再生側の空間は互いに異なる空間であってもよいし、同じ空間であってもよい。図1では、再生側の空間においてL個のスピーカ2−pで再現された音源を音源S'(以下、「仮想音源S’」とも表現する)と表現している。
図2は音場収音再生装置100の機能ブロック図を、図3はその処理フローを示す。
音場収音再生装置100は、音源位置検出部101、フィルタ計算部103、周波数変換部111、変換フィルタ部113及び周波数逆変換部115を含む。
本実施形態では、任意の形状で配置したマイクロホンアレイ(チャネル数M)で収音した音場を、平面状に配置したスピーカアレイ(チャネル数L)を用いて再現するとする。スピーカの素子間隔は任意の配置で構わない。各マイクロホン1−iの位置をr- m,i=(xm,i,ym,i,zm,i)とし、各スピーカ2−pの位置をr- s,p=(xs,p,0,zs,p)とする。つまり、各スピーカ2−pは、xz平面上に、平面状に配置される。ただし、M>2、L>2、i=1,2,…,M、p=1,2,…,Lである。収音側の空間に配置されたマイクロホンの数Mと再生側の空間に配置されたスピーカの数Lとは異なっていてもよいし、同一であってもよい。
また、スピーカアレイの前面に、マイクロホンアレイのマイクロホン1−iと同じ配置の制御点4−iを設定する。各制御点4−iの位置は、r- c,i=(xc,i,yc,i,zc,i)とする。また、各スピーカ2−pの位置r- s,pから制御点4−iの位置r- c,iまでの伝達関数をG(ω,r- c,i-r- s,p)と置き、既知であるとする。伝達関数をG(ω,r- c,i-r- s,p)はあらかじめ測定やシミュレーションにより取得するか、以下のようにモノポール特性を仮定して計算する。
Figure 2015037207
ただし、jは虚数単位、kは波数である。波数kは、周波数ωを音速cで割った値k=ω/cとして定義される。
スピーカ2−pは、波面の進行方向に対し、制御点よりも後方に配置する。なお、スピーカ2−pの位置は、仮想音源S’の位置にはよらず、制御点4−iの位置のみに拘束される。
収音側の空間に配置されたマイクロホン1−1,1−2,…,1−Mは、収音側の空間の音源Sで発せられた音を収音して時間領域の信号を生成する。生成された信号は、周波数変換部111に送られる。r- m,i=(xm,i,ym,i,zm,i)に位置するマイクロホン1−iで収音された時間領域の時刻tの信号をpi(t)と表記する。
<音源位置検出部101>
音源位置検出部101は、収音側の空間で、話者や演奏者などの音源Sの位置r- ps=(xps,yps,zps)を検出し、出力する。位置検出においては従来技術を用いればよい。例えば、カメラ3等の画像を入力として、画像から位置r- psを検出してもよいし、マイクロホンアレイで収音した信号pi(t)を入力として、信号pi(t)から音源定位を行って位置r- psを検出してもよい。
<フィルタ計算部103>
フィルタ計算部103は、音源の位置r- ps=(xps,yps,zps)を入力とし、フィルタF(ω)を計算し、出力する。
例えば、フィルタ計算部103は、音源の位置r- psに加え、M個のマイクロホン1−iの位置r- m,iと、M個の制御点4−iの位置r- c,iまたは仮想音源の位置r- ps'=(xps',yps',zps')とを入力とする。フィルタ計算部103は、音源の位置r- psとM個のマイクロホン1−iの位置r- m,iと用いて、その位置関係を求める。音源の位置r- psとM個のマイクロホン1−iの位置r- m,iとの位置関係と、仮想音源の位置r- ps'とM個の制御点4−iの位置r- c,iとの位置関係とが同じになるように、M個の制御点4−iの位置r- c,iから仮想音源の位置r- ps'を、または、仮想音源の位置r- ps'からM個の制御点4−iの位置r- c,iを求める。
さらに、フィルタ計算部103は、スピーカ2−pの位置r- s,pを入力とする。フィルタ計算部103は、音源S、仮想音源S’の位置(点音源)から発せられる音は球面波で伝わると仮定し、仮想音源の位置r- ps'とスピーカ2−pの位置r- s,pとを用いて、スピーカ2−pの駆動信号の振幅の予測分布(以下「スピーカ駆動信号振幅予測分布」ともいう)wp(ω)を以下のように計算する。
Figure 2015037207
ここで、
Figure 2015037207
である。γpは窓関数である。例えば、通常は打ち切り誤差の影響を軽減するために、Tukey窓関数を用いる。ただし、γpはどのような窓関数を用いても構わないし、なくてもよい。
音源が複数存在する場合でも、単一の音源のみを仮定して、式(3)を利用して構わないが、各音源信号の相対的な振幅の比がわかれば、複数音源を仮定してwp(ω)を計算することもできる。各仮想音源qの位置をr- ps',q、音源信号の振幅をaqとすれば、
Figure 2015037207
とすればよい。仮想音源qの位置をr- ps',qは、単一の仮想音源r- ps'と同様の方法で求めればよい。ただし、各q=1,2,…,Qであり、Qは音源の個数である。音源信号の振幅aqの取得方法は、従来技術を用いればよい。例えば、各話者の口元に取り付けたピンマイクの信号から、各処理フレームでの信号の2乗平均の平方根を取ることで推定できる。または、マイクロホンアレイで指向性制御を行い、各音源位置の方向からの到来音波のパワーを用いることもできる。複数の音源が存在し、各音源の振幅またはその比がわかる場合には、それらの値を入力として、式(4)により、w^p(ω)を求め、求めたw^p(ω)を用いて、式(2)によりスピーカ駆動信号振幅予測分布wp(ω)を求めたほうが、単一の音源のみを仮定した場合よりも、再現された音場における音質や定位感を向上させることができる。
次に、フィルタ計算部103は、M個の制御点4−iとL個のスピーカ2−pとの間のM×L個の伝達特性G(ω,r- c,i-r- s,p)を用いて、空間相関行列R-(ω)∈CM×Mを以下のように計算する。ただし、Cは複素数全体の集合を表す。
Figure 2015037207
ここで、n=1,2,…,Mであり、上付き添え字*は複素共役を表し、Rin(ω)は空間相関行列R-(ω)の(i,n)番目の要素である。なお、M×L個の伝達特性G(ω,r- c,i-r- s,p)は前述の通り、予め測定やシミュレーションにより取得するか、モノポール特性を仮定して計算して、記憶部等に記憶しておく。フィルタ計算部103は、空間相関行列R-(ω)の固有値展開を計算する。
Figure 2015037207
ここで、Λ(ω)を空間相関行列R-(ω)の固有値成分の対角行列、U(ω)を対応する固有ベクトルを列とする行列、上付き添え字Hを複素共役転置とする。なお、固有値展開にはどのような数値計算アルゴリズムを用いても構わない。
フィルタ計算部103は、信号変換用のフィルタF(ω)∈CL×Mの第p行目を以下のように計算する。
Figure 2015037207
ここで、αは正則化パラメータ、Iは単位行列を表しGp(ω)∈CM×1は伝達特性G(ω,r- c,i-r- s,p)を各要素にもつベクトルである。1≦p≦Lの各行f- p(ω)を計算し、フィルタF(ω)を得る。
フィルタF(ω)は、入力である音源の位置r- psに応じてオンラインで計算しても構わないし、予め複数の音源の位置に対して計算しておいた複数のフィルタF(ω)の中から、収音時の音源の位置と、最も近い音源の位置に対応するフィルタF(ω)を選択して出力する構成でも構わない。
<周波数変換部111>
周波数変換部111は、マイクロホン1−iで収音された信号pi(t)をフーリエ変換により周波数領域信号Pi(ω)に変換する(S1)。生成された周波数領域信号Pi(ω)は、変換フィルタ部113に送られる。ωは周波数である。なお、ωを音速cで割った値k=ω/cを波数として定義する。波数とは、いわゆる空間周波数又は角度スペクトルのことである。例えば、短時間離散フーリエ変換により周波数領域信号Pi(ω)が生成される。もちろん、他の既存の方法により周波数領域信号Pi(ω)を生成してもよい。また、オーバーラップアド等の方法を用いて周波数領域信号Pi(ω)を生成してもよい。入力信号が長い場合や、リアルタイム処理のように連続して信号が入力される場合には、例えば10msごとといったフレームごとに処理を行う。周波数領域信号Pi(ω)は、例えば次式のように定義される。
Figure 2015037207
ただし、exp関数の引数の中のjは虚数単位である。
<変換フィルタ部113>
変換フィルタ部113は、周波数領域信号Pi(ω)とフィルタF(ω)とを入力とし、周波数領域信号Pi(ω)に対してフィルタF(ω)を適用してフィルタ処理後信号Dp(ω)を生成する(S4)。フィルタ処理後信号D(ω)は、周波数逆変換部115に送信される。
周波数領域信号Pi(ω)とフィルタ処理後信号Dp(ω)とをそれぞれベクトル形式でP(ω)∈CM×1、D(ω)∈CL×1と表記するとき、
Figure 2015037207
として計算する。
<周波数逆変換部115>
周波数逆変換部115は、周波数領域信号Dp(ω)を逆フーリエ変換により時間領域信号dp(t)に変換する(S6)。逆フーリエ変換によりフレーム毎に得られた時間領域信号dp(t)は適宜シフトされて線形和が取られて、連続した時間領域信号となる。逆フーリエ変換は短時間離散逆フーリエ変換等の既存の方法を用いればよい。例えば、離散逆フーリエ変換(IDFT)は例えば次式で定義される。
Figure 2015037207
時間領域信号dp(t)は、スピーカ2−pに送られる。
スピーカ2−pは、時間領域信号dp(t)に基づいて音を再生する。例えば、r- s,p=(xs,p,0,zs,p)に位置するスピーカ2−pが時間領域信号dp(t)に基づいて音を再生する。これにより、第一の空間の音場を第二の空間に再現することができる。
<効果>
このような構成により、マイクロホンアレイで収音した音圧と、収音側のおおまかな音源位置とを併用した信号変換を行い、空間エイリアシングによる誤差を軽減することができる。再現された音場における、音質や定位感の劣化の改善を可能にする。特に従来技術では、マイクロホンの数がスピーカの数よりも少ない場合に顕著に音質や定位感の劣化が生じるが、本実施形態であれば、マイクロホンの数がスピーカの数よりも少ない場合にも劣化を改善できる。
<変形例>
なお、制御点4−iは、スピーカアレイの前面に、マイクロホンアレイのマイクロホン1−iに対応するように配置する。マイクロホン1−iと制御点4−iとは、配置が対応していればよく、その配置の形状は、平面状である必要はなく、自由に配置してよい。
また、周波数ωごとに異なる音源位置に対するフィルタF(ω)を計算したり、適用しても構わない。換言すると、全ての周波数ωに対して、同じ音源の位置を仮定したフィルタF(ω)を計算したり、適用しなくともよい。周波数ωによって音源位置検出の精度が異なる場合がある。例えば、高い周波数においては精度が高いが、低い周波数においては精度が低くなる場合等がある。その場合、フィルタ計算部103は、精度の高い周波数では、検出される音源の位置の全てを使って、式(4)により、w^p(ω)を求め、精度の低い周波数では、検出される音源の位置の一部を使って、式(3)(検出される音源の位置の一部が、単一の音源からなる場合)または式(4)(検出される音源の位置の一部が、検出される音源の位置の全てではないが、2個以上の音源からなる場合)により、w^p(ω)を求める。
変換フィルタ部113は、精度の高い周波数では、検出される音源の位置の全てを使って、求めたフィルタF(ω)を適用し、精度の低い周波数では、検出される音源の位置の一部を使って、求めたフィルタF(ω)を適用する。このような構成とすることで、周波数ωによって音源位置検出の精度が異なる場合(特に精度が低い周波数ωを含む場合)には、全ての周波数ωに対して、同じ音源の位置を仮定したフィルタF(ω)を計算するよりも、再現された音場における音質や定位感を向上させることができる。
本実施形態では、収音側の空間の音場を再生側の空間で再現しているが、一つの部屋にマイクロホンアレイとスピーカアレイを設置し、音源からの音波を消音するために利用してもよい。この場合、マイクロホンアレイのマイクロホン1−iと同じ配置の制御点4−iを設定し、フィルタ係数を逆相とすることによって、実現可能である。この場合、マイクロホンアレイとスピーカアレイとは同一空間に向かい合うように配置される。音源Sがマイクロホンアレイの前方に位置する場合には、制御点4−iよりマイクロホンアレイ側が消音領域となる(図4A及び図4B参照)。一方、音源Sがマイクロホンアレイの後方に位置する場合には、制御点4−iの位置に関係なく、マイクロホンアレイ周辺のみが消音領域となる(図4C参照)。このような構成により、再現された音場における、音質や定位感の劣化の改善を可能とし、音源からの音波との類似性を高めることで、消音性能を高めている。
<第二実施形態>
第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第二実施形態では、直線状にスピーカアレイを配置した場合について説明する。
各スピーカ2−pの位置をr- s,p=(xs,p,0,0)とする。つまり、各スピーカ2−pは、x軸上に直線状に配置される(図5参照)。また、各スピーカ2−pの位置r- s,pから制御点4−iの位置r- c,iまでの伝達関数をG(ω,r- c,i-r- s,p)と置き、既知であるとする。これはあらかじめ測定やシミュレーションにより取得するか、以下のように線音源特性を仮定して計算する。
Figure 2015037207
ただし、H(1) 0は0次の第一種ハンケル関数を表す。または、第一実施形態の平面状スピーカアレイの場合と同じく、モノポール特性を仮定して計算してもよい。直線状スピーカアレイの場合は、フィルタ計算部103におけるスピーカ駆動信号振幅予測分布wpの計算のみが平面状スピーカアレイの場合と異なる。
<フィルタ計算部103>
フィルタ計算部103は、音源の位置r- ps=(xps,yps,zps)を入力とし、フィルタF(ω)を計算し、出力する。
フィルタ計算部103は、仮想音源の位置r- ps'とスピーカ2−pの位置r- s,pとを用いて、スピーカ2−pの駆動信号の振幅の予測分布(以下「スピーカ駆動信号振幅予測分布」ともいう)wp(ω)を以下のように計算する。
Figure 2015037207
ここで、
Figure 2015037207
である。ただし、H(1) 0は0次の第一種ハンケル関数である。なお、スピーカ駆動信号振幅予測分布wp(ω)を平面状スピーカアレイの場合と同じように計算してもよい。ただし、直線状スピーカアレイに対するフィルタ係数としては、式(13)に基づいて生成したもののほうが精度が高い。
音源が複数存在する場合でも、単一の音源のみを仮定して、式(13)を利用して構わないが、各音源信号の振幅またはその比がわかれば、次式により、複数音源を仮定してwp(ω)を計算することもできる。
Figure 2015037207
ただし、H(1) 1は1次の第一種ハンケル関数である。
<効果>
このような構成により、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、第二実施形態においても、第一実施形態の変形例と同様の変形を行うことができる。
<その他の変形例>
音場収音再生装置を構成する各部は、収音側の空間に配置された収音装置と再生側の空間に配置された再生装置の何れに備えられていてもよい。換言すれば、周波数変換部111、変換フィルタ部113、周波数逆変換部115、音源位置検出部101及びフィルタ計算部103のそれぞれの処理は、収音側の空間に配置された収音装置で実行されてもよいし、再生側の空間に配置された再生装置で実行されてもよい。収音装置で生成された信号は、再生装置に送信される。
収音側の空間と再生側の空間の位置は、図1や図5に示したものに限定されない。収音側の空間と再生側の空間は、隣接していても互いに離れた位置にあってもよい。また、収音側の空間と再生側の空間の向きもどのようなものであってもよい。
音場収音再生装置は、変換フィルタ部113を含みさえすれば、他の部を備えていなくてもよい。例えば、音場収音再生装置は、変換フィルタ部113及び周波数逆変換部115から構成されていてもよい。また、音場収音再生装置は、周波数変換部111、及び変換フィルタ部113から構成されていてもよい。
音場収音再生装置は、コンピュータによって実現することができる。この場合、この装置の各部の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、この装置における各部がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、これらの装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。

Claims (8)

  1. 複数のマイクロホンが配置されている空間には音源が一つ以上存在し、複数のスピーカが直線状または平面状に波面の進行方向に対し制御点よりも後方に配置されるものとし、ωを周波数とし、
    前記複数のスピーカにより再現される仮想音源の位置と前記複数のスピーカの位置とに基づいて求まるスピーカの駆動信号の振幅の予測分布と、前記複数のスピーカの各位置から複数の前記制御点の各位置までの伝達特性とに基づいて求まり、前記仮想音源の位置からの波面を前記制御点で実現するフィルタF(ω)を、前記複数のマイクロホンで収音された信号それぞれの周波数領域信号P(ω)に対して適用してフィルタ処理後信号D(ω)を生成する変換フィルタ部を含む、
    音場収音再生装置。
  2. 請求項1の音場収音再生装置であって、
    wp(ω)をスピーカpの駆動信号の振幅の予測分布とし、Gp(ω)をスピーカpの位置r- s,pから制御点cの位置r- c,iまでの伝達特性G(ω,r- c,i-r- s,p)を要素にもつベクトル、上付き添え字Hを複素共役転置、Λ(ω)を空間相関行列の固有値成分の対角行列、U(ω)を対応する固有ベクトルを列とする行列、αを正則化パラメータ、Iを単位行列、Cを複素数全体の集合とし、前記フィルタF(ω)∈CL×Mの第p行目は、
    Figure 2015037207

    またはf-p(ω)の逆相と定義され、
    前記変換フィルタ部は、フィルタ処理後信号D(ω)を
    Figure 2015037207

    として生成する、
    音場収音再生装置。
  3. 請求項1または2の音場収音再生装置であって、
    前記複数のスピーカが平面状に配置されるものとし、γpを窓関数、ys,pをスピーカpの位置r- s,pのy座標、yps'を仮想音源の位置r- ps'のy座標、jを虚数単位、kを波数、cを音速、k=ω/cとし、スピーカpの駆動信号の振幅の予測分布wp(ω)は、
    Figure 2015037207

    と定義される、
    音場収音再生装置。
  4. 請求項1または2の音場収音再生装置であって、
    前記複数のスピーカが直線状に配置されるものとし、γpを窓関数、ys,pをスピーカpの位置r- s,pのy座標、yps'を仮想音源の位置r- ps'のy座標、jを虚数単位、kを波数、cを音速、k=ω/c、H(1) 0を0次の第一種ハンケル関数とし、スピーカpの駆動信号の振幅の予測分布wp(ω)は、
    Figure 2015037207

    と定義される、
    音場収音再生装置。
  5. 請求項1から4の何れかの音場収音再生装置であって、
    スピーカpの駆動信号の振幅の予測分布wp(ω)は、
    Figure 2015037207

    と定義され、
    音源を複数とし、γpを窓関数、ys,pをスピーカpの位置r- s,pのy座標、yps',qを仮想音源qの位置r- ps',qのy座標、jを虚数単位、kを波数、cを音速、k=ω/c、音源の振幅またはその比をaq、H(1) 0を0次の第一種ハンケル関数とし、
    前記複数のスピーカが平面状に配置される場合には、前記w^p
    Figure 2015037207

    とし、
    前記複数のスピーカが直線状に配置される場合には、前記w^p
    Figure 2015037207

    とする、
    音場収音再生装置。
  6. 請求項5の音場収音再生装置であって、
    前記変換フィルタ部は、周波数ωごとに、異なる音源の位置に対するフィルタF(ω)を適用する、
    音場収音再生装置。
  7. 複数のマイクロホンが配置されている空間には音源が一つ以上存在し、複数のスピーカが直線状または平面状に波面の進行方向に対し制御点よりも後方に配置されるものとし、ωを周波数とし、
    前記複数のスピーカにより再現される仮想音源の位置と前記複数のスピーカの位置とに基づいて求まるスピーカの駆動信号の振幅の予測分布と、前記複数のスピーカの各位置から複数の前記制御点の各位置までの伝達特性とに基づいて求まり、前記仮想音源の位置からの波面を前記制御点で実現するフィルタF(ω)を、前記複数のマイクロホンで収音された信号それぞれの周波数領域信号P(ω)に対して適用してフィルタ処理後信号D(ω)を生成する変換フィルタステップを含む、
    音場収音再生方法。
  8. 請求項1から請求項6の何れかの音場収音再生装置として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
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