JP2015036452A - 銅合金板材とそれを用いたコネクタ、及びその銅合金板材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】NiとCoのいずれか1種又は2種を合計で1.8〜6.0質量%、Siを0.4〜1.6質量%、Sn、Zn、Ag、Mn、P、Mg、Cr、Zr、Fe及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種を合計で0〜2.0質量%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる合金組成を有し、その金属組織中に粒子径が20nm以上である第二相を15個/μm2以下の密度で含み、その圧延方向を回転軸として圧延面からφ(°)の傾きを有する母相の{220}面のX線回折測定において、φ=0及び30(°)のときの回折強度I0及びI30の比であるR=I0/I30が20以上である銅合金板材、それを用いたコネクタ及びその銅合金板材の製造方法。
【選択図】なし
Description
しかし、上記の高強度(例えば、高い降伏強度)と良好な導電性は、相反する特性である。これに対して、従来、種々の銅合金で高強度と良好な導電性を達成しようとする試みが行われてきた。
特許文献2では、Cu−Sn系合金の結晶粒径と仕上げ圧延条件を調整して、高強度の銅合金とすることが提案されている。
特許文献3では、Cu−Ni−Si系合金の中でも高濃度の場合に、特定の工程で調製することで高強度とすることが提案されている。
特許文献4では、Cu−Ti系合金の成分を選定し、特定の工程で時効析出硬化させることで高強度とすることが提案されている。
そこで、良好な導電性を有しながら高い降伏強度を有する銅合金材が求められている。
(1)NiとCoのいずれか1種又は2種を合計で1.8〜6.0質量%、Siを0.4〜1.6質量%、並びにSn、Zn、Ag、Mn、P、Mg、Cr、Zr、Fe及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を合計で0〜2.0質量%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金板材であって、
前記銅合金板材の金属組織中に、粒子径が20nm以上である第二相を15個/μm2以下の密度で含み、
前記銅合金板材の圧延方向を回転軸として圧延面からφ(°)の傾きを有する、前記銅合金板材母相の{220}面のX線回折測定において、φ=0(°)及びφ=30(°)のときの回折強度I0及びI30の比であるR=I0/I30が20以上であることを特徴とする銅合金板材。
(2)Sn、Zn、Ag、Mn、P、Mg、Cr、Zr、Fe及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を合計で0.005〜2.000質量%含有する(1)項に記載の銅合金板材。
(3)(1)又は(2)項に記載の銅合金板材を使用したコネクタ。
(4)NiとCoのいずれか1種又は2種を合計で1.8〜6.0質量%、Siを0.4〜1.6質量%、並びにSn、Zn、Ag、Mn、P、Mg、Cr、Zr、Fe及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を合計で0〜2.0質量%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる合金組成を与える銅合金原料を溶解、鋳造し、
900〜1040℃で1時間以上保持する均質化熱処理し、
熱間圧延後に水冷し、
350〜600℃で5分から10時間保持する時効処理し、
加工率は95%以上で冷間圧延し、及び
200〜500℃で5秒〜2時間保持する低温焼鈍する
各工程をこの順に有することを特徴とする銅合金板材の製造方法。
(5)前記熱間圧延後に、加工率1〜50%で冷間圧延し、その後、時効処理する(4)項に記載の銅合金板材の製造方法。
(6)前記合金組成が、Sn、Zn、Ag、Mn、P、Mg、Cr、Zr、Fe及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を合計で0.005〜2.000質量%含有する(4)又は(5)項に記載の銅合金板材の製造方法。
また、本発明の銅合金板材の製造方法によれば、前記優れた特性を有する銅合金板材を簡便に製造することができる。
「マテリアル工学シリーズ3 材料強度学」、加藤雅治ら、1999年、69〜86頁、(株)朝倉書店
本発明においては、析出強化と結晶粒微細化強化に、さらに強加工による転位強化を重畳させることによって、良好な導電性を有しながら、圧延垂直方向の降伏強度が高い銅合金板材を得るものである。
本発明の銅合金板材は、高い降伏強度を有するため、へたりにくいバネ用材料として用いることができる。この為、例えば、コネクタ材として好適である。
銅合金板材の圧延面からの{220}面のX線回折に関し、図1に概略を模式的に示した装置によって、スキャン角度(φ(°)、入射角度)と回折強度(I)の関係の測定(いわゆるロッキングカーブ測定)を行う。この測定では、試料(銅合金板材)1の圧延面に対して、線源2からX線を照射し、回折したX線を検出器3で検出する。銅合金板材の試料には異なる結晶面を有する結晶粒が複数種存在しているため、検出器3では入射X線4に対してBraggの回折条件を満たした結晶面で回折する回折X線5を検知することができる。本発明の銅合金板材中の母相は面心立方格子(fcc)であるため、X線が回折する結晶面としては{200}面、{220}面、{111}面、{311}面等がある。その中で本発明では、回折強度を高く検出できる{220}面に着目し、圧延方向(Rolling Direction;RD)を回転軸にして{220}面が圧延面に対してφ(°)傾いた結晶面を有する結晶粒の回折強度を測定する。これにより、銅合金板材の集合組織状態を特定する。すなわち、本発明の測定では、{220}面がBraggの回折条件を満たすときの回折条件(X線入射角θ(°))を採用する。なお、図1のRD、TD、NDは、それぞれ試料1の圧延方向、圧延垂直方向(幅方向)、圧延面垂直方向(厚さ方向)を指す。
本発明において銅合金板材の金属組織中には、粒子径が20nm以上である第二相の粒子が15個/μm2以下の密度で含まれる。この第二相の粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察する。粒子径が20nm以上の第二相の密度が15個/μm2以下の場合に、良好な高い強度、すなわち所定の良好な降伏強度が得られる。この密度が低いことは、20nmよりも小さいサイズ、もしくは、原子集団のようなサイズで第二相が分散していることに相当し、このような状態の場合に、最も結晶すべりが起きがたくなるものと考えられる。
・Ni、Co、Si
上記の第二相を構成する元素である。これらは前記金属間化合物を形成する。これらは本発明の必須添加元素である。
NiとCoのいずれか1種又は2種の含有量の総和は、1.8〜6.0質量%、好ましくは2.6〜6.0質量%、より好ましくは3.4〜6.0質量%である。また、Siの含有量は0.4〜1.6質量%、好ましくは0.55〜1.6質量%、より好ましくは0.8〜1.6質量%である。添加量が少なすぎる場合には、得られる効果が不十分となり、多すぎる場合は、圧延工程中に材料割れが発生する場合がある。
本発明の銅合金板材は、前記必須添加元素の他に、Sn、Zn、Ag、Mn、P、Mg、Cr、Zr、Fe及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を任意添加元素として含有してもよい。これらの元素は、前記Rの値を高める作用が確認された。含有する場合、Sn、Zn、Ag、Mn、P、Mg、Cr、Zr、Fe及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の含有量は、合計で0.005〜2.0質量%とする。但し、これらの任意添加元素の含有量が多すぎると導電率を低下させる弊害を生じる場合がある。
合金組成中の不可避不純物は、銅合金に含まれる通常の元素である。不可避不純物としては、例えば、O、H、S、Pb、As、Cd、Sbなどが挙げられる。これらは、その合計の量として0.1質量%程度までの含有が許容される。
通常の析出硬化型銅合金材の製造方法では、溶体化熱処理によって過飽和固溶状態とした後に、時効処理によって析出させ、必要に応じて調質圧延(仕上げ圧延)及び調質焼鈍(低温焼鈍、歪み取り焼鈍)が行われる。
一方、本発明においては、この仕上の冷間圧延[工程7]は、結晶方位及び第二相の分散状態を制御するために重要であり、95%以上の高い加工率で強加工として行う。また、この仕上の冷間圧延[工程7]の前の時効析出のための熱処理[工程6]で予め第二相を析出、分散させる。この場合に、仕上の冷間圧延[工程7]前の状態の強度が高くなる場合もあるが、本発明で規定する合金組成の範囲内であれば、圧延割れなどを生じることながく、製造を行うことが可能である。
均質化熱処理[工程2]は、900〜1040℃で1時間以上、好ましくは5時間〜10時間保持する。
熱間圧延等の熱間加工[工程3]は、熱間加工開始から終了の温度範囲として500〜1040℃で、加工率は約10〜90%とする。
水冷[工程4]は焼き入れとも言われ、通常、冷却速度が1〜200℃/秒である。
任意に行う中間の冷間圧延[工程5]は、加工率は1〜50%とする。冷間圧延[工程5]は省略してもよい。
時効析出のための熱処理[工程6]は時効処理ともいい、その条件は350〜600℃において5分から10時間の保持であり、好ましい温度範囲は、360〜410℃である。
仕上の冷間圧延[工程7]の加工率は95%以上、好ましくは97%以上である。
加工率(%)={(t1−t2)/t1}×100
式中、t1は圧延加工前の厚さを、t2は圧延加工後の厚さをそれぞれ表わす。
本発明の銅合金板材の一つの好ましい実施態様では、圧延垂直方向の降伏強度(降伏応力または0.2%耐力とも言う)は好ましくは1020MPa以上、より好ましくは1080MPa以上、更に好ましくは1140MPa以上である。導電率は好ましくは13%IACS以上、より好ましくは15%IACS以上、更に好ましくは17%IACS以上、特に好ましくは19%IACS以上である。
なお、本発明において、降伏強度はJIS Z2241に基づく値である。また、上記の「%IACS」とは、万国標準軟銅(International Annealed Cupper Standard)の抵抗率1.7241×10−8Ωmを100%IACSとした場合の導電率を表したものである。
表1に記載の合金成分元素を含有し、残部がCuと不可避不純物から成る合金の原料を高周波溶解炉により溶解し、これを鋳造して鋳塊を得て、900〜1040℃で1時間以上保持する均質化熱処理を行い、この高温状態のまま板厚12mmまで熱間圧延を行い、直ちに水冷した。この状態を提供材とし、下記A、B、C、D、Eのいずれかの製法にて、本発明に従った発明例とこれとは別に比較例の銅合金板材の供試材を、それぞれ製造した。なお、表1にA〜Eのいずれの製法を用いたのかを示した。最終的な銅合金板材の厚さは特に断らない限り150μmとした。
350〜600℃に5分〜10時間保持する時効処理、加工率が95%以上の冷間圧延、調質焼鈍をこの順に行った。
加工率が1〜50%の冷間圧延、350〜600℃に5分〜10時間保持する時効処理、加工率が95%以上の冷間圧延、調質焼鈍をこの順に行った。
350〜600℃に5分〜10時間保持する時効処理、加工率が85〜94%の冷間圧延、調質焼鈍をこの順に行った。
加工率が95%以上の冷間圧延、350〜600℃に5分〜10時間保持する時効処理、加工率が1〜50%の冷間圧延、調質焼鈍をこの順に行った。
加工率が95%以上の冷間圧延、800〜1000℃に5〜60秒保持した後に焼き入れする溶体化処理、350〜600℃に5分〜10時間保持する時効処理、加工率が1〜50%の冷間圧延、調質焼鈍をこの順に行った。
なお、各熱処理や圧延の後に、材料表面の酸化や粗度の状態に応じて、必要により、面削や酸洗浄、又は表面研磨によって、表面の酸化層を除去した。また、形状に応じて、必要により、テンションレベラーによる矯正を行った。
下記表に示した銅合金組成を与える原料を大気溶解炉を用いて溶製し、厚さ20mm×幅60mmのインゴットに鋳造した。このインゴットを1000℃で3時間の均質化焼鈍を施した後、この温度で熱間圧延を開始した。厚みが15、10及び5mmになった時点で、圧延途中の材料を1000℃にて30分、再加熱し、熱間圧延後に3mmの板厚とした。その後に、面削、板厚0.625mmまで冷間圧延(加工率79%)、800℃に3分保持する溶体化処理、水冷、板厚0.5mmまでの冷間圧延(加工率20%)、400〜600℃に3時間保持する時効処理を、この順に行った。
下記表に示した銅合金組成を与える原料を高周波溶解炉を用いて大気中で木炭被覆下で溶解し、溶製した溶湯をカーボン製鋳型に鋳造し、厚さ50mm、幅80mm、長さ180mmの鋳塊を得た。その後、この鋳塊の表面の疵取りをし、950℃に加熱後、厚さ15mmまで熱間圧延を行ない、750℃以上の温度から水中に浸漬して急冷した。つぎに、面削、冷間圧延(板厚0.20mmまで)(加工率約98%)、750℃に調整した塩浴中に30秒間浸漬した後に水焼き入れする固溶化処理、水中に浸漬して急冷、冷間圧延(板厚0.15mmまで)(加工率25%)、500℃の温度で2時間加熱する析出処理を、この順に行なった。
なお、この製法Gは、前記特許文献3(特開2006−152392号公報)に記載の実施例の製法に相当するものである。
下記表に示した銅合金組成を与える原料を溶製し、縦型連続鋳造機を用いて鋳造し、得られた鋳片を950℃に加熱し、950〜650℃の温度範囲で熱間圧延を行うことにより厚さ10mmの板材にし、その後、急冷(水冷)した。次いで、面削、91%の圧延率で冷間圧延、平均結晶粒径が25μmを超え〜40μmとなる溶体化処理(700〜800℃、10秒〜10分)、450℃に硬さがピークになるだけの時間保持する時効処理、35%の圧延率で仕上げ冷間圧延(板厚0.2mmまで)、400℃で5分保持する低温焼鈍を、この順に行った。
図1(a)及び図1(b)に示した装置を用いて、ターゲットには銅合金板材の各供試材を用いて測定を行った。管電圧及び管電流はそれぞれ40kV、30mAとした。θ/2θ測定によって{220}面の回折強度が最大となる2θ値を測定し(Braggの回折条件を満たすのは2θ=74.2(°)である。)、その条件に検出器を固定した。そして、その条件をφ=0(°)(図1(a))とし、φ=30(°)(図1(b)においてφ1=30(°))までφ軸を銅合金板材試料の圧延方向RDを回転軸にして1°ステップで変化させ、X線回折ロッキングカーブを測定した。カーブは移動平均などの方法によってスムージングしてノイズを除去した。そして、φ=0(°)の場合の回折強度(I0)とφ=30(°)の場合の回折強度(I30)の比、R=I0/I30を求めた。
なお、I30で規格化した図2と図3中では、Y軸(縦軸)切片がRの値を意味する。図2からR=I0/I30が約26であり、図3中からR=I0/I30が約10であることが分かる。
透過電子顕微鏡(TEM)を用いて、各供試材について薄膜法によって観察した。加速電圧は300kVとした。観察倍率は10万倍とし、1視野の面積は約4μm2である。これを20視野観察して、20nm以上の大きさの第二相の個数を測定し、全面積で割り戻し、単位面積あたりの個数(密度、個/μm2)を求めた。
代表例として、発明例25と比較例23について観察したTEM写真を、それぞれ、図4と図5に示した。比較例23について示した図5中に見られる輪郭のはっきりした略丸形で示される部分が第二相粒子である。
これらのTEM写真の対比から、図5の比較例23では20nm以上の大きさの第二相が15個/μm2よりも多く分散していることがわかる。一方、図4の発明例25では粒子径が20nm以上の大きさの第二相は殆ど見られず、15個/μm2よりも少ない。
各供試材から圧延垂直方向(TD)を長手にして切り出したJIS Z2201−13B号の試験片をJIS Z2241に準じて3本測定しその平均値を示した。応力−歪み曲線を採取し、0.2%耐力(降伏強度)を求めた。
各供試材について20℃(±0.5℃)に保たれた恒温漕中で四端子法により比抵抗を計測して導電率を算出した。なお、端子間距離は100mmとした。
一方、比較例11では、Ni、Co、Siが少なすぎたのでYSが劣った。また、Ni、Co、Siが多すぎた比較例12では、圧延割れが発生し、製造性が劣った。製法Cによる比較例13はRが低すぎて、製法Dによる比較例14はρが高すぎて、また、製法Eによる比較例15はR及びρを満足せず、いずれもYSが劣った。他の比較例として製法F、G、Hによる比較例16、17及び18は、R及びρを満足せず、YSが劣った。
実施例1と同様の製造方法及び試験・測定方法によって、表2に示す各種銅合金を用いて銅合金板材を製造し、その特性を評価した。結果を表2に示す。
一方、比較例21では、副添加元素が多すぎたのでECが劣った。製法Cによる比較例22はRが低すぎて、製法Dによる比較例23はρが高すぎて、また、製法Eによる比較例24はR及びρを満足せず、いずれもYSが劣った。他の比較例として製法F、G、Hによる比較例25、26及び27は、R及びρを満足せず、YSが劣った。
2 線源
3 検出器
4 入射X線
5 回折X線
Claims (6)
- NiとCoのいずれか1種又は2種を合計で1.8〜6.0質量%、Siを0.4〜1.6質量%、並びにSn、Zn、Ag、Mn、P、Mg、Cr、Zr、Fe及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を合計で0〜2.0質量%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金板材であって、
前記銅合金板材の金属組織中に、粒子径が20nm以上である第二相を15個/μm2以下の密度で含み、
前記銅合金板材の圧延方向を回転軸として圧延面からφ(°)の傾きを有する、前記銅合金板材母相の{220}面のX線回折測定において、φ=0(°)及びφ=30(°)のときの回折強度I0及びI30の比であるR=I0/I30が20以上であることを特徴とする銅合金板材。 - Sn、Zn、Ag、Mn、P、Mg、Cr、Zr、Fe及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を合計で0.005〜2.000質量%含有する請求項1に記載の銅合金板材。
- 請求項1又は2に記載の銅合金板材を使用したコネクタ。
- NiとCoのいずれか1種又は2種を合計で1.8〜6.0質量%、Siを0.4〜1.6質量%、並びにSn、Zn、Ag、Mn、P、Mg、Cr、Zr、Fe及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を合計で0〜2.0質量%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる合金組成を与える銅合金原料を溶解、鋳造し、
900〜1040℃で1時間以上保持する均質化熱処理し、
熱間圧延後に水冷し、
350〜600℃で5分から10時間保持する時効処理し、
加工率は95%以上で冷間圧延し、及び
200〜500℃で5秒〜2時間保持する低温焼鈍する
各工程をこの順に有することを特徴とする銅合金板材の製造方法。 - 前記水冷後に、加工率1〜50%で冷間圧延し、その後、時効処理する請求項4に記載の銅合金板材の製造方法。
- 前記合金組成が、Sn、Zn、Ag、Mn、P、Mg、Cr、Zr、Fe及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を合計で0.005〜2.000質量%含有する請求項4又は5に記載の銅合金板材の製造方法。
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