JP2015035552A - 電気化学デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】異常時における蓄電素子の膨張を抑制し、かつ高容量を実現することが可能な電気化学デバイスを提供する。【解決手段】電気化学デバイスは、蓄電素子を有する。蓄電素子は、表面及び裏面を有する正極集電体と、正極材料からなり表面に積層された第1の厚みD1を有する第1の正極電極層132と、正極材料からなり裏面に積層され、第1の厚みD1より小さい第2の厚みD2を有する第2の正極電極層133とを有する正極と、負極と、セパレータとを有し、第1の正極電極層132が第2の正極電極層133より巻回内側となるように巻回された蓄電素子であって、第1の厚み及び前記第2の厚みは、正極の当初の厚みを厚みAとし、正極に電圧を印加した後の正極の厚みを厚みBとしたときに、(第1の厚み)/(第2の厚み)がB/Aの二乗より大きいとの関係を有する。【選択図】図6
Description
本発明は、正極、負極及びセパレータが巻回されて構成された蓄電素子を有する電気化学デバイスに関する。
近年、キャパシタ等の電気化学デバイスは、電池の補助機能としての必要性が高まっていることもあり、高容量化が望まれている。電気化学デバイスの高容量化は、デバイス内の空隙を減らすことや、高容量な電極材料を使用することによって実現可能である。しかし、このような場合、過充電時等の異常時に電極の膨張や電解液の分解によりガスが発生する等の影響が顕著となる。
このような問題に対し、例えば、特許文献1では、緩衝機能をもつ絶縁性シートをセパレータとして利用する巻回型の電気二重層キャパシタが提案されている。この電気二重層キャパシタでは、電圧印加時に分極性電極が膨張しても、セパレータによって膨張圧が内部で緩和及び均一化され、電極に歪みが生じることが防止されている。
また、特許文献2では、ガス放出流路が形成された芯体を備える巻回型のリチウム二次電池が提案されている。発生したガスは当該放出流路を通過して電池ケースの外部へ放出され、電池ケース内部が高圧となることが防止されている。
しかしながら、特許文献1の構成では、セパレータ体積が大きくなるため、エネルギー密度が小さくなり、電極膨張時にセパレータの密度が高くなるため、電気二重層キャパシタの出力が低下するという問題がある。また、特許文献2の構成では、芯体等の構造が複雑であるため、製造コストが大きいという問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、異常時における蓄電素子の膨張を抑制し、かつ高容量を実現することが可能な電気化学デバイスを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る電気化学デバイスは、蓄電素子を有する。上記蓄電素子は、表面及び裏面を有する正極集電体と、正極材料からなり上記表面に積層された第1の厚みを有する第1の正極電極層と、上記正極材料からなり上記裏面に積層され、上記第1の厚みより小さい第2の厚みを有する第2の正極電極層とを有する正極と、負極集電体と、負極材料からなり上記負極集電体に積層された負極電極層とを有する負極と、上記正極と上記負極を隔て、電解液を透過させるセパレータとを有し、上記正極、上記負極及び上記セパレータが積層され、上記第1の正極電極層が上記第2の正極電極層より巻回内側となるように巻回された蓄電素子であって、
上記第1の厚み及び上記第2の厚みは、上記正極の当初の厚みを厚みAとし、上記正極に電圧を印加した後の上記正極の厚みを厚みBとしたときに、下記[式1]の関係を有する。
(第1の厚み)/(第2の厚み)>(B/A)2 [式1]
上記第1の厚み及び上記第2の厚みは、上記正極の当初の厚みを厚みAとし、上記正極に電圧を印加した後の上記正極の厚みを厚みBとしたときに、下記[式1]の関係を有する。
(第1の厚み)/(第2の厚み)>(B/A)2 [式1]
本発明の一実施形態に係る電気化学デバイスは、蓄電素子を有する。上記蓄電素子は、表面及び裏面を有する正極集電体と、正極材料からなり上記表面に積層された第1の厚みを有する第1の正極電極層と、上記正極材からなり上記裏面に積層され、上記第1の厚みより小さい第2の厚みを有する第2の正極電極層とを有する正極と、負極集電体と、負極材料からなり上記負極集電体に積層された負極電極層とを有する負極と、上記正極と上記負極を隔て、電解液を透過させるセパレータとを有し、上記正極、上記負極及び上記セパレータが積層され、上記第1の正極電極層が上記第2の正極電極層より巻回内側となるように巻回された蓄電素子であって、
上記第1の厚み及び上記第2の厚みは、上記正極の当初の厚みを厚みAとし、上記正極に電圧を印加した後の上記正極の厚みを厚みBとしたときに、下記[式1]の関係を有する。
(第1の厚み)/(第2の厚み)>(B/A)2 [式1]
上記第1の厚み及び上記第2の厚みは、上記正極の当初の厚みを厚みAとし、上記正極に電圧を印加した後の上記正極の厚みを厚みBとしたときに、下記[式1]の関係を有する。
(第1の厚み)/(第2の厚み)>(B/A)2 [式1]
この構成によれば、第1の正極電極層は正極集電体に対して巻回内側となり、第2の正極電極層は正極集電体に対して巻回外側となる。これにより、蓄電素子に電圧が印加された際、第1の正極電極層の膨張は正極集電体によって防止される。第2の正極電極層の膨張は正極集電体によって防止されないが、第2の正極電極層の厚みである第2の厚みは、第1の正極電極層の厚みである第1の厚みより小さいため、第2の正極電極層の膨張による正極の膨張は抑制される。これにより、正極の膨張による蓄電素子の膨張が防止される。さらに、第1の厚みと第2の厚みを、上記[式1]の関係を有する厚みとすることにより、膨張を生じやすい高容量の正極材料を使用することが可能となるため、蓄電素子の容量を高容量化することが可能である。即ち、本発明によれば、蓄電素子の膨張を抑制し、かつ蓄電素子の容量を高容量化することが可能である。
上記厚みBは、上記正極に上記蓄電素子の設定電圧の1.5倍の電圧を5分間印加したときの上記正極の厚みであり、上記厚みAの1.1倍より大きくてもよい。
この構成によれば、蓄電素子に設定電圧(製品の使用電圧)の1.5倍の電圧が5分間にわたって印加される異常時においても蓄電素子の膨張を防止することが可能である。
上記正極材料は、活性炭を含み、
上記負極材料は、非分極性であり、リチウムイオンを吸蔵し、放出することが可能な物質を含んでもよい。
上記負極材料は、非分極性であり、リチウムイオンを吸蔵し、放出することが可能な物質を含んでもよい。
この構成によれば、電気化学デバイスは、活性炭を正極活物質とし、リチウムイオンを吸蔵し、放出することが可能な物質を負極活物質とする電気化学デバイス、即ちリチウムイオンキャパシタであるものとすることができる。活性炭は電圧が印加されると膨張する性質を有するが、リチウムイオンを吸蔵し、放出することが可能な物質は一般的に膨張する性質を有しない。このため、リチウムイオンキャパシタにおいては、正極の膨張を防止することにより、蓄電素子の膨張を防止することが可能である。
上記負極集電体は、表面及び裏面を有し、
上記負極電極層は、上記負極材料からなり上記表面に積層された第1の負極電極層と、上記負極材料からなり上記裏面に積層された第2の負極電極層とを含んでもよい。
上記負極電極層は、上記負極材料からなり上記表面に積層された第1の負極電極層と、上記負極材料からなり上記裏面に積層された第2の負極電極層とを含んでもよい。
この構成によれば、負極においても負極集電体の表裏両面に負極材料が積層されているため、正極電極層と負極電極層が常にセパレータを介して対向する。これにより、負極集電体の一面にのみ負極電極層が積層されている場合に比べ、蓄電素子の容量を大きくすることが可能である。
本実施形態に係る電気化学デバイスについて説明する。本実施形態に係る電気化学デバイスハリチウムイオンキャパシタであるものとすることができる。
[電気化学デバイスの構造]
図1は、本実施形態に係る電気化学デバイス100の斜視図である。同図に示すように電気化学デバイス100は、蓄電素子110が容器120に収容されて構成されている。
図1は、本実施形態に係る電気化学デバイス100の斜視図である。同図に示すように電気化学デバイス100は、蓄電素子110が容器120に収容されて構成されている。
図2は、蓄電素子110の模式図であり、図3は蓄電素子110の拡大断面図である。また、図4は、巻回前の蓄電素子110の積層構造を示す模式図である。これらの図に示すように、蓄電素子110は、正極130、負極140、第1セパレータ150及び第2セパレータ160を有し、これらが積層された積層体が巻回芯170の回りに巻回されて構成されている。
積層順は、巻回芯170側(巻回内側)から、負極140、第1セパレータ150、正極130、第2セパレータ160の順とすることができるが、これに限定されず、正極130及び負極140がセパレータによって隔てられる順であればよい。
正極130は、蓄電素子110の正極として機能する。図3及び図4に示すように、正極130は、正極集電体131、第1正極電極層132及び第2正極電極層133を有する。
正極集電体131は、導電性を有する材料からなり、例えばアルミニウム箔やその表面が化学的、機械的に粗面化されたもの、貫通孔を有するものとすることができる。また、正極集電体131には図示しない導線が接続され、容器120に設けられた正極端子に接続されているものとすることができる。
第1正極電極層132は、正極材料からなり、正極集電体131の一面に積層されている。正極材料は、正極活物質を含み、さらにバインダ樹脂や導電助材を含んでもよい。正極活物質は、活性炭であるものとすることができる。図3に示すように、第1正極電極層132は、正極130が巻回されると第2正極電極層133より巻回内側となる。第1正極電極層132の厚みについては後述する。
第2正極電極層133は、第1正極電極層132と同一の正極材料からなり、正極集電体131の、第1正極電極層132が積層された面の裏面に積層されている。図3に示すように、第2正極電極層133は、正極130が巻回されると第1正極電極層132より巻回外側となる。第2正極電極層133の厚みについては後述する。
負極140は、蓄電素子110の負極として機能する。図3及び図4に示すように、負極140は、負極集電体141、第1負極電極層142及び第2負極電極層143を有する。
負極集電体141は導電性を有する材料からなり、例えばアルミニウム箔や銅箔及びそれらの表面が化学的、機械的に粗面化されたもの、貫通孔を有するものとすることができる。また、負極集電体141には図示しない導線が接続され、容器120に設けられた負極端子に接続されているものとすることができる。
第1負極電極層142は、負極材料からなり、負極集電体141の一面に積層されている。負極材料は、負極活物質を含み、さらにバインダ樹脂や導電助剤を含んでもよい。負極活物質は、非分極性であり、リチウムイオンを吸蔵し、放出することが可能な物質(炭素系材料等)であるものとすることができる。図3に示すように、第1負極電極層142は、負極140が巻回されると第2負極電極層143より巻回内側となる。
第2負極電極層143は、第1負極電極層142と同一の負極材料からなり、負極集電体141の、第1負極電極層142層された面の裏面に積層されている。図3に示すように、第2負極電極層142は、負極140が巻回されると第1負極電極層142より巻回外側となる。
なお、第1負極電極層142と第2負極電極層143はいずれか一方のみが設けられてもよいが、両方が設けられている方が蓄電素子110の容量が大きくなり、好適である。
第1セパレータ150及び第2セパレータ160は、正極130と負極140を隔て、後述する電解液中に含まれるイオンを透過する。具体的には、第1セパレータ150及び第2セパレータ160は、織布、不織布、合成樹脂微多孔膜等であるものとすることができる。図4に示すように第1セパレータ150は、巻回芯170に挟み込まれているものとすることができるが、これに限られない。また、第1セパレータ150及び第2セパレータ160は連続した一枚のセパレータであってもよい。
容器120は、円筒形状を有し、蓄電素子110を収容する。容器120の上面及び下面は図示しない蓋によって閉塞されるものとすることができ、正極集電体131及び負極集電体141にそれぞれ接続された正極端子及び負極端子が設けられるものとすることができる。また、当該蓋には、容器120の内圧が異常に上昇した際に開放する安全弁が設けられているものとすることができる。
容器120内には、蓄電素子110と共に電解液が収容されている。電解液は特に限定されず、アニオンとリチウムイオンを含む液体、例えばLiBF4やLiPF6を電解質として、炭酸エステルに電解質を溶解させた液体を利用することが可能である。
[正極電極層の厚みについて]
第1正極電極層132及び第2正極電極層133の厚みについて説明する。図5は、第1正極電極層132及び第2正極電極層133の厚みを示す模式図である。同図に示すように、第1正極電極層132(巻回内側)の厚みを厚みD1とし、第2正極電極層133(巻回外側)の厚みを厚みD2とすると、厚みD1は厚みD2より大きい。
第1正極電極層132及び第2正極電極層133の厚みについて説明する。図5は、第1正極電極層132及び第2正極電極層133の厚みを示す模式図である。同図に示すように、第1正極電極層132(巻回内側)の厚みを厚みD1とし、第2正極電極層133(巻回外側)の厚みを厚みD2とすると、厚みD1は厚みD2より大きい。
具体的には、厚みD1と厚みD2は、以下の[式1]で表される関係を有するものとすることができる。
(D1)/(D2)>(B/A)2 [式1]
ここで、Aは正極130の当初の厚み、Bは正極130に電圧を印加した後の正極130の厚みである。厚みAと厚みBは、次のようにして求めることができる。まず、集電体に電極層が積層されて構成されている電極を一対作製する。電極層は、第1正極電極層132及び第2正極電極層133と同一の正極材料からなるものとする。この電極の厚みを厚みAとする。
この電極を、電極より大きいセパレータを介して対向させ、積層体を形成する。積層体に、電気化学デバイス100で利用する電解液を添加し、電気二重層コンデンサを作製する。この電気二重層コンデンサを剛直な板で挟み、電極間に電圧を印加する。印加電圧は、蓄電素子110の設定電圧の1.5倍とする。例えば蓄電素子110の設定電圧が2.5Vである場合、3.75Vとすることができる。この電圧を、5分間印加すると、活性炭が膨張し、電極の厚みが大きくなる。電圧を印加した両電極のうち、厚い方の電極の厚みを厚みBとする。
なお、厚みBが厚みAの1.1倍より大きいとき、即ちB/Aが1.1以上の場合に、上記[式1]の関係を有する厚みD1と厚みD2とすると特に有効である。
[効果について]
第1正極電極層132の厚みD1と第2正極電極層133の厚みD2を上記関係とすることにより、次のような効果が得られる。図6は、蓄電素子110の巻回断面を示す模式図であり、図6(a)は電圧印加前、図6(b)は電圧印加後を示す。図6(a)に示すように、第1正極電極層132の厚みD1は第2正極電極層133の厚みD2より大きく、上記[式1]を満たすとする。
第1正極電極層132の厚みD1と第2正極電極層133の厚みD2を上記関係とすることにより、次のような効果が得られる。図6は、蓄電素子110の巻回断面を示す模式図であり、図6(a)は電圧印加前、図6(b)は電圧印加後を示す。図6(a)に示すように、第1正極電極層132の厚みD1は第2正極電極層133の厚みD2より大きく、上記[式1]を満たすとする。
蓄電素子110に電圧が印加されると、第1正極電極層132及び第2正極電極層133の正極材料に含まれる活性炭が膨張する。ここで、図6(b)に示すように、正極集電体131の巻回内側に位置する第1正極電極層132の膨張は正極集電体131によって防止され、電圧印加後の第1正極電極層132の厚みD1’は厚みD1とほぼ同じである。
これに対し、第2正極電極層133の膨張は正極集電体131によって防止されず、電圧印加後の第2正極電極層133の厚みD2’は厚みD2より大きくなる。しかしながら、電圧印加前における第2正極電極層133の厚みD2は第1正極電極層132の厚みD1に比べて小さいため、第2正極電極層133の膨張も小さく、正極130としては膨張がほとんど生じない。
具体的には、上記B/Aが1.1である場合、第1正極電極層132の厚みD1’は1.1×1.1より小さく、第2正極電極層132の厚みD2’は1.1×0.9となる。正極130の厚みは、正極130の巻回数に応じて積算される。
図7は、比較例に係る電気化学デバイス200が備える蓄電素子210の巻回断面を示す模式図であり、図7(a)は電圧印加前、図7(b)は電圧印加後を示す。図7(a)に示す蓄電素子210は、正極230、負極240、第1セパレータ250、及び第2セパレータ260を有する。正極230は正極集電体231の一面に第1正極電極層232が積層され、裏面に第2正極電極層233が積層されている。ここで、巻回内側である第1正極電極層232の厚みD1は、巻回外側である第2正極電極層233の厚みD2より十分小さいとする。負極240は、負極集電体241の一面に第1負極電極層242が積層され、裏面に第2正極電極層243が積層されている。
蓄電素子210に電圧が印加されると、第1正極電極層232及び第2正極電極層233の正極材料に含まれる活性炭が膨張する。ここで、図7(b)に示すように、正極集電体231の巻回内側に位置する第1正極電極層232の膨張は正極集電体231によって防止され、電圧印加後の第1正極電極層232の厚みD1’は厚みD1とほぼ同じである。
これに対し、第2正極電極層233の膨張は正極集電体231によって防止されず、電圧印加後の第2正極電極層233の厚みD2’は厚みD2より大きくなる。ここで、電圧印加前における第2正極電極層233の厚みD2は第1正極電極層232の厚みD1に比べて大きいため、第2正極電極層233の膨張は蓄電素子110(図6参照)の場合より大きく、正極230が膨張する。これにより、蓄電素子210全体が膨張する。
具体的には、上記B/Aが1.1である場合、第1正極電極層232の厚みD1’は1.1×0.9より小さく、第2正極電極層232の厚みD2’は1.1×1.1となる。正極230の厚みは、正極230の巻回数に応じて積算される。
このように、本実施形態に係る蓄電素子110は、正極130の膨張を防止することができ、これにより正極130の膨張による蓄電素子110の膨張(径の膨張)が防止される。また、第1正極電極層132及び第2正極電極層133を構成する正極材料は、高容量な材料ほど厚みBが厚みAより大きくなる傾向がある。しかし、本実施形態においては蓄電素子110の膨張を防止することが可能であるため、高容量の正極材料を使用することが可能であり、蓄電素子110の容量を高容量化することが可能である。
また、上述のように蓄電素子110が膨張しないため、電気化学デバイス100では異常時のガス発生に伴なう破裂音の発生が防止される。図8は、ガス発生時の電気化学デバイス100の状態を示す模式図である。図8(a)に示すように、容器120内においてガスが発生すると、ガスは容器120に設けられた安全弁(図示せず)から放出される。これにより、図8(b)に示すようにガスが蓄電素子110と容器120の間を通過し、蓄電素子110を挟んで圧力差が発生しない。
これに対し、比較例に係る電気化学デバイス200においては次のようになる。図9は、ガス発生時の電気化学デバイス200の状態を示す模式図である。図9(a)に示すように、容器220内においてガスが発生すると、ガスは容器220に設けられた安全弁(図示せず)から放出される。しかし蓄電素子210が膨張しているため、ガスは蓄電素子210と容器220の間を通過することができない。これにより、蓄電素子210を挟んで容器220内に圧力差が生じる。このため、蓄電素子210は当該圧力差によって移動し、容器220に衝突することによって破裂音が発生する。
このように、本実施形態に係る電気化学デバイス100においては、蓄電素子110の膨張が生じないため、蓄電素子110の膨張に起因する破裂音の発生が防止される。
本発明の実施例及び比較例に係るリチウムイオンキャパシタを作製し、各測定を実施した。図10は、実施例及び比較例に係るリチウムイオンキャパシタの構造、測定結果及び観察結果を示す表である。
リチウムイオンキャパシタは、以下のように作製した。まず、厚みA及び厚みBを測定した。正極材料(活性炭電極材料)をアルミニウム箔(正極集電体)の表裏両面に積層した電極を一対作成した。このときの電極の厚みを測定し、厚みAとした。この電極を、電極より大きいセパレータを介して対向させ、積層体を形成した。当該積層体に、電解液を添加し、電気二重層コンデンサを形成した。この電気二重層コンデンサを剛直な板で挟み、電極間に上限電圧を3.8Vとして1.5倍の5.75Vの電圧を5分間印加した。電圧印加後の両電極の厚みを測定し、厚い方の電極の厚みを厚みBとした。
正極材料をアルミニウム箔(正極集電体)の表裏両面に積層し、第1正極電極層及び第2正極電極層を形成した。上記[式1]の関係となるように第1正極電極層及び第2正極電極層の厚みを設定した。当該アルミニウム箔は、エッチングにより貫通孔が形成されている。また、負極材料をCu箔(負極集電体)の表裏両面に積層し、第1負極電極層及び第2負極電極層を形成した。負極についても正極と同様に厚みを設定した。当該Cu箔には、複数の貫通孔が形成されている。負極については、予めリチウム充電可能なリチウム量を測定し、最大充電できる90%のリチウム箔(厚み50μm)を負極表面に貼り付けた。
セパレータを介して負極が正極を覆うような電極面積比及び配置とし、正極及び負極をセパレータを介して巻回した。なお、正極は第1正極電極層が巻回内側となるように、負極は第1負極電極層が巻回内側となるように巻回した。この巻回体に上記厚み測定時に使用した電解液と同種の電解液を添加した。リチウムイオンをドープするため、積層体を剛直な板で挟み込んだまま、20日間保管した。以上により、たて径18mm、高さ40mmのリチウムイオンキャパシタを作製した。
実施例及び比較例に係るリチウムイオンキャパシタの、正極及び負極の電極層の厚みを図10に示す。なお、「正極(内)」は巻回内側となる第1正極電極層の厚みであり、「正極(外)」は巻回外側となる第2正極電極層の厚みである。また、「負極(内)」は巻回内側となる第1負極電極層の厚みであり、「負極(外)」は巻回外側となる第2負極電極層の厚みである。
実施例及び比較例に係る各リチウムイオンキャパシタについて、容量を測定すると、図10に示すように、実施例に係るリチウムイオンキャパシタは高容量が実現された。
実施例及び比較例に係る各リチウムイオンキャパシタについて、電圧を印加し、弁作動の状態を確認した。なお、印加電圧は電極の膨張を試験した電圧と同一である。図10に示すように、実施例に係るリチウムイオンキャパシタでは弁作動時の発生音は軽微であったが、比較例に係るリチウムイオンキャパシタでは弁作動時に破裂音が発生した。
また、実施例及び比較例に係る各リチウムイオンキャパシタについて、定格電圧と過充電試験のおよそ中間である4.8Vを1時間印加し、その後、径を測定した。図10に示す「4.8V径変化」は、蓄電素子のたて径18mmからの変化量(mm)である。同図に示すように、実施例に係るリチウムイオンキャパシタについては、蓄電素子の径はほとんど変化しなかったが、実施例に係るリチウムイオンキャパシタについては蓄電素子の径が増加し、即ち膨張が生じていた。また、実施例に係るリチウムイオンキャパシタについては、容器の変形はほとんど認められなかった。
以上のように、本発明の実施例に係るリチウムイオンキャパシタについては、高容量化が実現できると共に、蓄電素子の膨張及びそれによる破裂音の発生を防止することが可能であるといえる。
100…電気化学デバイス
110…蓄電素子
120…容器
130…正極
131…正極集電体
132…第1正極電極層
133…第2正極電極層
140…負極
141…負極集電体
142…第1負極電極層
143…第2負極電極層
150…第1セパレータ
160…第2セパレータ
170…巻回芯
110…蓄電素子
120…容器
130…正極
131…正極集電体
132…第1正極電極層
133…第2正極電極層
140…負極
141…負極集電体
142…第1負極電極層
143…第2負極電極層
150…第1セパレータ
160…第2セパレータ
170…巻回芯
Claims (4)
- 表面及び裏面を有する正極集電体と、正極材料からなり前記表面に積層された第1の厚みを有する第1の正極電極層と、前記正極材料からなり前記裏面に積層され、前記第1の厚みより小さい第2の厚みを有する第2の正極電極層とを有する正極と、
負極集電体と、負極材料からなり前記負極集電体に積層された負極電極層とを有する負極と、
前記正極と前記負極を隔て、電解液を透過させるセパレータと
を有し、前記正極、前記負極及び前記セパレータが積層され、前記第1の正極電極層が前記第2の正極電極層より巻回内側となるように巻回された蓄電素子であって、
前記第1の厚み及び前記第2の厚みは、前記正極の当初の厚みを厚みAとし、前記正極に電圧を印加した後の前記正極の厚みを厚みBとしたときに、下記[式1]の関係を有する
(第1の厚み)/(第2の厚み)>(B/A)2 [式1]
電気化学デバイス。 - 請求項1に記載の電気化学デバイスであって、
前記厚みBは、前記正極に前記蓄電素子の設定電圧の1.5倍の電圧を5分間印加したときの前記正極の厚みであり、前記厚みAの1.1倍より大きい
蓄電素子。 - 請求項1に記載の電気化学デバイスであって、
前記正極材料は、活性炭を含み
前記負極材料は、非分極性であり、リチウムイオンを吸蔵し、放出することが可能な物質を含む
電気化学デバイス。 - 請求項1に記載の電気化学デバイスであって、
前記負極集電体は、表面及び裏面を有し、
前記負極電極層は、前記負極材料からなり前記表面に積層された第1の負極電極層と、前記負極材料からなり前記裏面に積層された第2の負極電極層とを含む
電気化学デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013166762A JP2015035552A (ja) | 2013-08-09 | 2013-08-09 | 電気化学デバイス |
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JP2013166762A Pending JP2015035552A (ja) | 2013-08-09 | 2013-08-09 | 電気化学デバイス |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2015035552A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018166139A (ja) * | 2017-03-28 | 2018-10-25 | 太陽誘電株式会社 | 電気化学デバイス |
-
2013
- 2013-08-09 JP JP2013166762A patent/JP2015035552A/ja active Pending
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JP2018166139A (ja) * | 2017-03-28 | 2018-10-25 | 太陽誘電株式会社 | 電気化学デバイス |
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