JP2015035522A - Cmp用研磨液 - Google Patents
Cmp用研磨液 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015035522A JP2015035522A JP2013166121A JP2013166121A JP2015035522A JP 2015035522 A JP2015035522 A JP 2015035522A JP 2013166121 A JP2013166121 A JP 2013166121A JP 2013166121 A JP2013166121 A JP 2013166121A JP 2015035522 A JP2015035522 A JP 2015035522A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polishing
- abrasive particles
- abrasive
- mol
- cmp
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
- Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
Abstract
【課題】本発明の課題は、研磨傷やディッシングを抑制し、より高い研磨速度及び洗浄性を得ることができるCMP用研磨液を提供することである。【解決手段】本発明のCMP用研磨液は、研磨材、分散剤及び水を含む研磨材スラリーと、カルボン酸又はカルボン酸塩基を有する水溶性有機高分子を含む添加剤、無機酸又は無機酸塩及び水を含む添加液とを研磨時に混合して被研磨膜の研磨に用いる研磨液であって、研磨材に含有される研磨材粒子中、少なくともCeを含み、Ce、La、Pr、Nd、Sm及びEuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量の合計が、研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、81mol%以上であり、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が、研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、19mol%以下であり、かつ、研磨材粒子が、球形状を有する。【選択図】なし
Description
本発明は、CMP用研磨液に関する。より詳しくは、研磨傷やディッシングを抑制し、より高い研磨速度及び洗浄性を得ることができるCMP用研磨液に関する。
半導体装置の集積度の向上、多層配線化に伴い、メモリデバイスの記憶容量は飛躍的に増大している。これは、加工技術の微細化の進歩に支えられたものであるが、多層配線化等にも関わらず、チップサイズは大きくなり、微細化に伴い工程は増え、チップのコストアップを招いている。
このような状況下、高密度、微細化のための加工技術が研究開発されており、その一つとしてCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)技術が導入され、広く採用されている。このCMP技術を適用することにより、例えば、半導体素子の製造工程では、層間絶縁膜やBPSG膜(ボロン、リン等をドープした二酸化ケイ素膜)の平坦化等、多くの微細化技術が具体化された。
そのような微細化技術としては、例えば、微細化素子分離(Shallow Trench Isolation)、いわゆるSTI技術が知られている。STI技術において、CMPはウエハ基板上に成膜した余分の酸化ケイ素絶縁膜を除去するために使用される。
このSTI技術では、研磨を停止させるため、酸化ケイ素膜の下に研磨速度の小さい、窒化ケイ素等のストッパ膜が形成される。そのため、CMP用研磨液としては、酸化ケイ素膜とストッパ膜との研磨速度比が大きいものが望ましく、加えて、被研磨面の平坦性を得るため、これまで種々の研磨材が検討されている。
このSTI技術では、研磨を停止させるため、酸化ケイ素膜の下に研磨速度の小さい、窒化ケイ素等のストッパ膜が形成される。そのため、CMP用研磨液としては、酸化ケイ素膜とストッパ膜との研磨速度比が大きいものが望ましく、加えて、被研磨面の平坦性を得るため、これまで種々の研磨材が検討されている。
従来、CMP用研磨液に用いられる研磨材粒子としてはシリカ粒子が一般的であったが、酸化ケイ素膜の研磨速度と窒化ケイ素膜の研磨速度との選択比が小さいことから、STI工程においては、研磨選択性に優れた酸化セリウム粒子が用いられるようになっている。
例えば、特許文献1及び2には、STIのCMP工程において、研磨材粒子として酸化セリウムを使用した水系分散体を用いることにより、研磨速度が速く、しかも比較的研磨傷の少ない被研磨面を得られる技術について開示されている。
しかし、当該技術では、例えば、トレンチ溝以外の部分の研磨残りを除去するための過剰研磨を実施すると、トレンチ溝に埋め込まれた酸化ケイ素膜が研磨され、窪みのような構造的欠陥が発生するディッシングと呼ばれる現象が起こり、平坦化が不十分になったり、電気的な性能が劣化したりする場合がある。ディッシングの程度はトレンチ溝の幅に依存しており、特に幅の広いトレンチ溝ではディッシングが大きくなる傾向がある。
しかし、当該技術では、例えば、トレンチ溝以外の部分の研磨残りを除去するための過剰研磨を実施すると、トレンチ溝に埋め込まれた酸化ケイ素膜が研磨され、窪みのような構造的欠陥が発生するディッシングと呼ばれる現象が起こり、平坦化が不十分になったり、電気的な性能が劣化したりする場合がある。ディッシングの程度はトレンチ溝の幅に依存しており、特に幅の広いトレンチ溝ではディッシングが大きくなる傾向がある。
また、CMP工程に用いる研磨液中の不純物及び研磨材粒子に起因する、研磨後の基板上の汚染物質は、後工程に移る前に洗浄工程により除去されなければならないため、CMP後の洗浄方法について数多くの提案がなされている。
しかし、これら従来の洗浄方法は、研磨液中の研磨材粒子がシリカ粒子である場合には有効であるが、酸化セリウム粒子である場合には、酸化セリウム粒子がシリカ粒子に比べ、化学的に活性であり、半導体基板表面への付着力が格段に大きいことから、充分な洗浄効果が望めないという大きな問題があった。
しかし、これら従来の洗浄方法は、研磨液中の研磨材粒子がシリカ粒子である場合には有効であるが、酸化セリウム粒子である場合には、酸化セリウム粒子がシリカ粒子に比べ、化学的に活性であり、半導体基板表面への付着力が格段に大きいことから、充分な洗浄効果が望めないという大きな問題があった。
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、研磨傷やディッシングを抑制し、より高い研磨速度及び洗浄性を得ることができるCMP用研磨液を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、セリウムを含み、かつ、球形状を有する研磨材粒子を含むCMP用研磨液が、研磨傷やディッシングを抑制し、より高い研磨速度及び洗浄性を得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.研磨材、分散剤及び水を含む研磨材スラリーと、カルボン酸又はカルボン酸塩基を有する水溶性有機高分子を含む添加剤、無機酸又は無機酸塩及び水を含む添加液とを研磨時に混合して被研磨膜の研磨に用いるCMP用研磨液であって、
前記研磨材に含有される研磨材粒子中、少なくともセリウム(Ce)を含み、かつ、セリウム(Ce)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)及びユウロピウム(Eu)から選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量の合計が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、81mol%以上であり、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、19mol%以下であり、かつ、
前記研磨材粒子が、球形状を有することを特徴とするCMP用研磨液。
前記研磨材に含有される研磨材粒子中、少なくともセリウム(Ce)を含み、かつ、セリウム(Ce)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)及びユウロピウム(Eu)から選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量の合計が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、81mol%以上であり、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、19mol%以下であり、かつ、
前記研磨材粒子が、球形状を有することを特徴とするCMP用研磨液。
2.前記研磨材粒子中、セリウム(Ce)の含有量が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、81mol%以上であり、かつ、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、19mol%以下であることを特徴とする第1項に記載のCMP用研磨液。
3.前記研磨材粒子中、セリウム(Ce)の含有量が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、90mol%以上であり、かつ、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、10mol%以下であることを特徴とする第1項又は第2項に記載のCMP用研磨液。
4.研磨材、分散剤及び水を含む研磨材スラリーと、カルボン酸又はカルボン酸塩基を有する水溶性有機高分子を含む添加剤、無機酸又は無機酸塩及び水を含む添加液とを研磨時に混合して被研磨膜の研磨に用いるCMP用研磨液であって、
前記研磨材に含有される研磨材粒子中、セリウム(Ce)の含有量が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、95〜100mol%の範囲内であり、かつ、
前記研磨材粒子が、球形状を有することを特徴とするCMP用研磨液。
前記研磨材に含有される研磨材粒子中、セリウム(Ce)の含有量が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、95〜100mol%の範囲内であり、かつ、
前記研磨材粒子が、球形状を有することを特徴とするCMP用研磨液。
5.前記CMP用研磨液の25℃におけるpHが4〜5の範囲内であり、かつ、カルボン酸基又はカルボン酸塩基を有する水溶性有機高分子の合計濃度が研磨液全質量の0.01〜0.5質量%の範囲内であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
本発明の上記手段により、研磨傷やディッシングを抑制し、より高い研磨速度及び洗浄性を得ることができるCMP用研磨液を提供することができる。
本発明の効果の発現機構・作用機構については明確になっていないが、以下のように推察している。
すなわち、研磨材粒子を含有する研磨材は、セリウムを含有させることで、高い研磨速度を得ることができるが、研磨材粒子の表面にエッジが存在すると、研磨の際の傷の発生につながる。そこで、研磨材粒子にセリウムを含有させるとともに、球形状とすることで、研磨速度を維持し、精密研磨が可能になったものと考えている。
本発明のCMP用研磨液は、研磨材、分散剤及び水を含む研磨材スラリーと、カルボン酸又はカルボン酸塩基を有する水溶性有機高分子を含む添加剤、無機酸又は無機酸塩及び水を含む添加液とを研磨時に混合して被研磨膜の研磨に用いる研磨液であって、研磨材に含有される研磨材粒子中、少なくともセリウム(Ce)を含み、かつ、研磨材粒子が、球形状を有することを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項5までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、研磨速度を向上させる観点から、研磨材粒子中、Ceの含有量が、研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、81mol%以上であり、かつ、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が、研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、19mol%以下であることが好ましく、Ceの含有量が、研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、90mol%以上であり、かつ、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が、研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、10mol%以下であることがより好ましい。
また、研磨傷の発生を抑制する観点から、研磨材粒子の単分散度が20.0%以下であることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
≪研磨材≫
一般的な研磨材には、ベンガラ(αFe2O3)、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ等の研磨材粒子を、水や油に分散させてスラリー状にしたものなどがある。本発明は、半導体デバイスやガラスの研磨加工において、高精度に平坦性を維持しつつ、十分な研磨速度を得るため、物理的な作用と化学的な作用の両方で研磨を行う、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)が可能な酸化セリウムを含有する研磨材を含有するCMP用研磨液に関するものであり、以下にその詳細を説明する。
一般的な研磨材には、ベンガラ(αFe2O3)、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ等の研磨材粒子を、水や油に分散させてスラリー状にしたものなどがある。本発明は、半導体デバイスやガラスの研磨加工において、高精度に平坦性を維持しつつ、十分な研磨速度を得るため、物理的な作用と化学的な作用の両方で研磨を行う、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)が可能な酸化セリウムを含有する研磨材を含有するCMP用研磨液に関するものであり、以下にその詳細を説明する。
<研磨材粒子>
本発明に係る研磨材粒子は、少なくともCeを含み、Ce、La、Pr、Nd、Sm及びEuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量の合計が、研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、81mol%以上であり、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量が、研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、19mol%以下であり、かつ、球形状を有していることを特徴とする。
本発明に係る研磨材粒子は、少なくともCeを含み、Ce、La、Pr、Nd、Sm及びEuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量の合計が、研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、81mol%以上であり、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量が、研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、19mol%以下であり、かつ、球形状を有していることを特徴とする。
研磨材粒子には、Ceが必ず含まれており、La、Pr、Nd、Sm及びEuから選ばれる少なくとも1種類が含まれていてもよく、目的とする研磨材の性能に合わせて適宜数種類の元素が含まれていてもよい。
研磨材粒子に含まれるCe、La、Pr、Nd、Sm及びEuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量の合計を、希土類元素全体に対して、81mol%以上、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量が、希土類元素全体量に対して、19mol%以下とし、かつ研磨材粒子を球形状とすることにより、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量を抑制しながらも、高い研磨性能を有する研磨材を得ることができる。
研磨材粒子に含まれるCe、La、Pr、Nd、Sm及びEuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量の合計を、希土類元素全体に対して、81mol%以上、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量が、希土類元素全体量に対して、19mol%以下とし、かつ研磨材粒子を球形状とすることにより、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量を抑制しながらも、高い研磨性能を有する研磨材を得ることができる。
研磨材粒子における各希土類元素の含有量は、元素分析により求めることができる。例えば、測定対象物である研磨材粒子1gを硝酸水溶液10mlと過酸化水素水1.0mlとの混合溶液に溶解させ、エスアイアイナノテクノロジー社製のICP発光分光プラズマ装置(ICP−AES)を使用して元素分析を行う。研磨材粒子の各希土類元素の含有量から組成比(mol%)として求めることができる。
なお、研磨材粒子の組成分布については、研磨材粒子の断面の元素分析を行うことにより求めてもよい。例えば、日立ハイテクノロジーズ製 集束イオンビーム(FB−2000A)により断面加工を行い、粒子中心付近を通る面を切り出す。そして、切断面より、日立ハイテクノロジーズ製 STEM−EDX(HD−2000)を使用して元素分析を行い、研磨材粒子の各希土類元素の組成分布を求めることもできる。
なお、研磨材粒子の組成分布については、研磨材粒子の断面の元素分析を行うことにより求めてもよい。例えば、日立ハイテクノロジーズ製 集束イオンビーム(FB−2000A)により断面加工を行い、粒子中心付近を通る面を切り出す。そして、切断面より、日立ハイテクノロジーズ製 STEM−EDX(HD−2000)を使用して元素分析を行い、研磨材粒子の各希土類元素の組成分布を求めることもできる。
本発明において、球形状とは、研磨材粒子の走査型顕微鏡写真(SEM像)に基づいて規定されるものである。
具体的には、研磨材粒子について、走査型顕微鏡写真の撮影を行い、研磨材粒子100個を無作為に選択する。選択された研磨材粒子の長径をa、短径をbとして、a/bの値の平均値をアスペクト比として求める。各粒子の長径a及び短径bは、各粒子に外接する長方形(「外接長方形」という。)を描いたとき、外接長方形の短辺及び長辺のうち、最長の長辺の長さを長径a、最短の短辺の長さを短径bとする。このアスペクト比が、1.00〜1.15の範囲内である場合に球形状として分類する。アスペクト比は、より好ましくは1.00〜1.05の範囲内である。なお、アスペクト比が1.00〜1.15の範囲外である場合は、不定形として分類する。
具体的には、研磨材粒子について、走査型顕微鏡写真の撮影を行い、研磨材粒子100個を無作為に選択する。選択された研磨材粒子の長径をa、短径をbとして、a/bの値の平均値をアスペクト比として求める。各粒子の長径a及び短径bは、各粒子に外接する長方形(「外接長方形」という。)を描いたとき、外接長方形の短辺及び長辺のうち、最長の長辺の長さを長径a、最短の短辺の長さを短径bとする。このアスペクト比が、1.00〜1.15の範囲内である場合に球形状として分類する。アスペクト比は、より好ましくは1.00〜1.05の範囲内である。なお、アスペクト比が1.00〜1.15の範囲外である場合は、不定形として分類する。
アスペクト比が1に近づくほど、球形度が高いことを表している。本発明に係る研磨材粒子を含有する研磨材は、高い球形度を有しているため、精密研磨に適しており、研磨速度も速いため、生産性も高い点で優れている。
本発明に係る研磨材粒子の走査型顕微鏡写真を、図1(拡大率1000倍)及び図2(拡大率30000倍)に示す。
図1及び図2に示されるように、本発明に係る研磨材粒子は球形状を有しており、また、高い単分散度を示している。
ここで、単分散度は、所定の個数の研磨材粒子の走査型顕微鏡写真から求めることができる粒子径分布の変動係数により規定することができる。
例えば、研磨材粒子100個のSEM像から粒子径分布の変動係数(「単分散度」ともいう。)を求めることにより、単分散性を評価することができる。なお、粒子径は、各粒子の写真画像の面積に基づき、面積円相当粒子径を求め、これを各粒子の粒子径とする。
粒子径分布変動係数は下記の式で求められる。
変動係数(%)=(粒子径分布の標準偏差/平均粒子径)×100
なお、上記粒子径、分布等の測定は、画像処理測定装置(例えば、ルーゼックス AP;株式会社ニレコ製)を用いて行うことができる。
図1及び図2に示されるように、本発明に係る研磨材粒子は球形状を有しており、また、高い単分散度を示している。
ここで、単分散度は、所定の個数の研磨材粒子の走査型顕微鏡写真から求めることができる粒子径分布の変動係数により規定することができる。
例えば、研磨材粒子100個のSEM像から粒子径分布の変動係数(「単分散度」ともいう。)を求めることにより、単分散性を評価することができる。なお、粒子径は、各粒子の写真画像の面積に基づき、面積円相当粒子径を求め、これを各粒子の粒子径とする。
粒子径分布変動係数は下記の式で求められる。
変動係数(%)=(粒子径分布の標準偏差/平均粒子径)×100
なお、上記粒子径、分布等の測定は、画像処理測定装置(例えば、ルーゼックス AP;株式会社ニレコ製)を用いて行うことができる。
また、本発明に係る研磨材粒子は、Ceの含有量が、希土類元素全体量に対して、81mol%以上であり、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量が、希土類元素全体量に対して、19mol%以下であることが好ましい。
研磨材粒子中のCeの含有量が多くなるほど、研磨速度は速くなる。
ここで、研磨速度は、研磨材粒子を含有する研磨材の粉体を水等の溶媒に分散させた研磨材スラリーを、研磨機に循環供給しながら、研磨対象面を研磨布で研磨することで測定できる。研磨前後の厚さをNikon Digimicro(MF501)にて測定し、厚さ変位から1分間当たりの膜厚変化(Å)を算出し、研磨速度とすることができる。
研磨材粒子中のCeの含有量が多くなるほど、研磨速度は速くなる。
ここで、研磨速度は、研磨材粒子を含有する研磨材の粉体を水等の溶媒に分散させた研磨材スラリーを、研磨機に循環供給しながら、研磨対象面を研磨布で研磨することで測定できる。研磨前後の厚さをNikon Digimicro(MF501)にて測定し、厚さ変位から1分間当たりの膜厚変化(Å)を算出し、研磨速度とすることができる。
さらに、本発明に係る研磨材粒子は、Ceの含有量が、希土類元素全体量に対して、90mol%以上であり、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量が、希土類元素全体量に対して、10mol%以下であることが好ましい。
これにより、Ceとともに含有されるY、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量を抑制し、球形状を維持しながらも生産コストを抑えることができる。
これにより、Ceとともに含有されるY、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量を抑制し、球形状を維持しながらも生産コストを抑えることができる。
また、本発明に係る研磨材粒子は、Ceの含有量が、希土類元素全体量に対して、95〜100mol%の範囲内であり、かつ、球形状を有することが特に好ましい態様である。
Ceの含有量が、95〜100mol%の範囲内である球形状の研磨材粒子を含有する研磨材は、Ceの割合が高いため、速い研磨速度が得られる。
Ceの含有量が、95〜100mol%の範囲内である球形状の研磨材粒子を含有する研磨材は、Ceの割合が高いため、速い研磨速度が得られる。
また、本発明に係る研磨材粒子の粒子径の単分散度は、20.0%以下であることが好ましい。高い単分散度を示す研磨材粒子を含有する研磨材は、キズ(傷)が発生しにくく、精密研磨に適している。
ここで、傷の発生については、ガラス基板の表面状態を評価することにより求めることができる。例えば、ガラス基板表面の表面状態(表面粗さRa)について、30分間研磨加工を行ったガラス基板を、光波干渉式表面粗さ計(Zygo社製Dual−channel ZeMapper)により表面粗さ評価を行うことができる。なお、Raとは、JIS B 0601−2001における算術平均粗さを表している。
ここで、傷の発生については、ガラス基板の表面状態を評価することにより求めることができる。例えば、ガラス基板表面の表面状態(表面粗さRa)について、30分間研磨加工を行ったガラス基板を、光波干渉式表面粗さ計(Zygo社製Dual−channel ZeMapper)により表面粗さ評価を行うことができる。なお、Raとは、JIS B 0601−2001における算術平均粗さを表している。
<研磨材粒子の特性>
研磨材粒子は、その使用用途によって粒子径に対する要求レベルは異なるが、研磨後の仕上がり表面精度が高くなるにつれて、使用される研磨材に含まれる研磨材粒子の微粒子化が必要になり、例えば、半導体デバイスの製造工程で使用する際には平均粒子径が2.0μm以下である必要がある。しかし、研磨材粒子の粒子径は、小さくなるほど研磨後の仕上がり表面精度が高くなるのに対して、研磨速度は遅くなる傾向があり、例えば、0.02μm未満の粒子径では、セリウム系研磨材の研磨速度がコロイダルシリカ等の研磨材に比べて速いという優位性が失われてしまう。したがって、研磨材粒子の平均粒子径としては、0.02〜2.0μmの範囲内が好ましく、更には0.05〜1.5μmの範囲内がより好ましい。
また、研磨加工後の平面精度を高めるため、できるだけ粒子径が揃っており、粒子径分布変動係数が小さい研磨材を使用することが望ましい。
研磨材粒子は、その使用用途によって粒子径に対する要求レベルは異なるが、研磨後の仕上がり表面精度が高くなるにつれて、使用される研磨材に含まれる研磨材粒子の微粒子化が必要になり、例えば、半導体デバイスの製造工程で使用する際には平均粒子径が2.0μm以下である必要がある。しかし、研磨材粒子の粒子径は、小さくなるほど研磨後の仕上がり表面精度が高くなるのに対して、研磨速度は遅くなる傾向があり、例えば、0.02μm未満の粒子径では、セリウム系研磨材の研磨速度がコロイダルシリカ等の研磨材に比べて速いという優位性が失われてしまう。したがって、研磨材粒子の平均粒子径としては、0.02〜2.0μmの範囲内が好ましく、更には0.05〜1.5μmの範囲内がより好ましい。
また、研磨加工後の平面精度を高めるため、できるだけ粒子径が揃っており、粒子径分布変動係数が小さい研磨材を使用することが望ましい。
≪研磨材粒子の製造方法≫
本発明に係る研磨材粒子の製造方法は、図3に示すように、主に、以下の5工程からなる。
(i)尿素水溶液調製工程A
(ii)希土類水溶液調製工程B
(iii)尿素水溶液の添加・加熱撹拌工程C
(iv)固液分離工程D
(v)焼成工程E
以下、各工程について、順次説明する。
本発明に係る研磨材粒子の製造方法は、図3に示すように、主に、以下の5工程からなる。
(i)尿素水溶液調製工程A
(ii)希土類水溶液調製工程B
(iii)尿素水溶液の添加・加熱撹拌工程C
(iv)固液分離工程D
(v)焼成工程E
以下、各工程について、順次説明する。
(i)尿素水溶液調製工程A
尿素水溶液調製工程Aでは、室温(25℃)にて、所定の濃度の尿素水溶液を調製し、密閉容器内で加熱することにより、添加する尿素水溶液を調製する。
例えば、5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L調製し、密閉容器内で100℃、6時間加熱する。その後、20℃まで冷ました尿素水溶液を、添加する尿素水溶液とすることができる。
尿素水溶液を密閉容器内で加熱することにより、溶媒を保持したまま加水分解を進めることができる。これにより、尿素水溶液中には、尿素の加水分解により生じた二酸化炭素及びアンモニアに加え、尿素の三成分が溶存している。
なお、尿素水溶液の代わりに、尿素の塩(例えば、硝酸塩、塩酸塩等)、N,N′−ジメチルアセチル尿素、N,N′−ジベンゾイル尿素、ベンゼンスルホニル尿素、p−トルエンスルホニル尿素、トリメチル尿素、テトラエチル尿素、テトラメチル尿素、トリフェニル尿素、テトラフェニル尿素、N−ベンゾイル尿素、メチルイソ尿素、エチルイソ尿素等を使用することもできる。なお、以下では、尿素水溶液を用いて塩基性炭酸塩を形成させる場合について示すが、一例であって、これに限定されるものではない。
尿素水溶液調製工程Aでは、室温(25℃)にて、所定の濃度の尿素水溶液を調製し、密閉容器内で加熱することにより、添加する尿素水溶液を調製する。
例えば、5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L調製し、密閉容器内で100℃、6時間加熱する。その後、20℃まで冷ました尿素水溶液を、添加する尿素水溶液とすることができる。
尿素水溶液を密閉容器内で加熱することにより、溶媒を保持したまま加水分解を進めることができる。これにより、尿素水溶液中には、尿素の加水分解により生じた二酸化炭素及びアンモニアに加え、尿素の三成分が溶存している。
なお、尿素水溶液の代わりに、尿素の塩(例えば、硝酸塩、塩酸塩等)、N,N′−ジメチルアセチル尿素、N,N′−ジベンゾイル尿素、ベンゼンスルホニル尿素、p−トルエンスルホニル尿素、トリメチル尿素、テトラエチル尿素、テトラメチル尿素、トリフェニル尿素、テトラフェニル尿素、N−ベンゾイル尿素、メチルイソ尿素、エチルイソ尿素等を使用することもできる。なお、以下では、尿素水溶液を用いて塩基性炭酸塩を形成させる場合について示すが、一例であって、これに限定されるものではない。
(ii)希土類水溶液調製工程B
希土類水溶液調製工程Bでは、室温(25℃)にて、Ceの含有量が95〜100mol%である水溶液、又はCeを必ず含み、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する水溶液を調製する。
Ceの含有量が95〜100mol%である水溶液、又はCeを必ず含み、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する水溶液中でのイオン濃度は、0.001〜0.1mol/Lの範囲内で、尿素の濃度は、前述のイオン濃度の5〜50倍の濃度であることが好ましい。
これは、Ceのみ、又はCeを必ず含み、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種の元素の水溶液中でのイオン濃度及び尿素の濃度が当該範囲内であれば、単分散性を示す球形状の研磨材粒子を合成することができると考えられるためである。
当該水溶液を調製するために用いることができるこれらの元素の塩として、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩等を用いることができるが、硝酸塩を使用することが好ましい。これにより、不純物の少ない研磨材を製造することができる。
希土類水溶液調製工程Bでは、室温(25℃)にて、Ceの含有量が95〜100mol%である水溶液、又はCeを必ず含み、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する水溶液を調製する。
Ceの含有量が95〜100mol%である水溶液、又はCeを必ず含み、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する水溶液中でのイオン濃度は、0.001〜0.1mol/Lの範囲内で、尿素の濃度は、前述のイオン濃度の5〜50倍の濃度であることが好ましい。
これは、Ceのみ、又はCeを必ず含み、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種の元素の水溶液中でのイオン濃度及び尿素の濃度が当該範囲内であれば、単分散性を示す球形状の研磨材粒子を合成することができると考えられるためである。
当該水溶液を調製するために用いることができるこれらの元素の塩として、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩等を用いることができるが、硝酸塩を使用することが好ましい。これにより、不純物の少ない研磨材を製造することができる。
(iii)尿素水溶液の添加・加熱撹拌工程C
尿素水溶液の添加・加熱撹拌工程Cでは、尿素水溶液調製工程Aで調製した尿素水溶液を希土類水溶液調製工程Bで調製した水溶液を90℃まで加熱した溶液に添加し、当該混合した溶液を加熱しながら撹拌する。
尿素水溶液と希土類水溶液とを混合することで、研磨材粒子の核が生成し、当該混合溶液に分散する。研磨材粒子の核が分散する混合溶液を加熱撹拌することにより、当該研磨材の核が成長し、研磨材粒子の前駆体が得られる。
尿素水溶液の添加速度は、速いことが好ましい。具体的には、尿素水溶液の添加速度は、0.5L/min以上が好ましく、1.0L/min以上がより好ましい。尿素水溶液の添加速度を速めることで、尿素水溶液により生成した研磨材粒子の核が異方成長することなく、球形状に成長することができると考えられる。
尿素水溶液の添加・加熱撹拌工程Cでは、尿素水溶液調製工程Aで調製した尿素水溶液を希土類水溶液調製工程Bで調製した水溶液を90℃まで加熱した溶液に添加し、当該混合した溶液を加熱しながら撹拌する。
尿素水溶液と希土類水溶液とを混合することで、研磨材粒子の核が生成し、当該混合溶液に分散する。研磨材粒子の核が分散する混合溶液を加熱撹拌することにより、当該研磨材の核が成長し、研磨材粒子の前駆体が得られる。
尿素水溶液の添加速度は、速いことが好ましい。具体的には、尿素水溶液の添加速度は、0.5L/min以上が好ましく、1.0L/min以上がより好ましい。尿素水溶液の添加速度を速めることで、尿素水溶液により生成した研磨材粒子の核が異方成長することなく、球形状に成長することができると考えられる。
研磨材粒子の前駆体は、希土類水溶液と尿素水溶液とが反応することで、塩基性炭酸塩として生成する。
加熱する際の加熱温度は、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。また、撹拌時間は、1〜10時間の範囲内が好ましく、1〜3時間の範囲内がより好ましい。なお、加熱温度及び撹拌時間は、目的とする粒子径に合わせて適宜調整することができる。
また、加熱撹拌の際には、十分な撹拌効率を得られれば、特に撹拌機は限定されないが、より高い撹拌効率を得るためには、ローター・ステータータイプの撹拌機を使用することが好ましい。
加熱する際の加熱温度は、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。また、撹拌時間は、1〜10時間の範囲内が好ましく、1〜3時間の範囲内がより好ましい。なお、加熱温度及び撹拌時間は、目的とする粒子径に合わせて適宜調整することができる。
また、加熱撹拌の際には、十分な撹拌効率を得られれば、特に撹拌機は限定されないが、より高い撹拌効率を得るためには、ローター・ステータータイプの撹拌機を使用することが好ましい。
(iv)固液分離工程D
固液分離工程Dでは、加熱撹拌した後、生成した沈殿(研磨材微粒子の前駆体)を溶液と分離する固液分離を行う。固液分離の方法は、一般的な方法でよく、例えば、フィルター等を使用して濾過により研磨材粒子の前駆体を得ることができる。
固液分離工程Dでは、加熱撹拌した後、生成した沈殿(研磨材微粒子の前駆体)を溶液と分離する固液分離を行う。固液分離の方法は、一般的な方法でよく、例えば、フィルター等を使用して濾過により研磨材粒子の前駆体を得ることができる。
(v)焼成工程E
焼成工程Eでは、固液分離工程Dにより得られた研磨材粒子の前駆体を、空気中若しくは酸化性雰囲気中で、400℃以上で焼成する。焼成された研磨材粒子の前駆体は、酸化物となり、酸化セリウムを含有する研磨材粒子となる。
なお、必要に応じて焼成する前に水又はアルコール等で洗浄、乾燥を行ってから焼成してもよい。
焼成を経て冷却することにより、研磨材粒子を安定させた後、当該研磨材粒子を含有する研磨材として回収することができる。
焼成工程Eでは、固液分離工程Dにより得られた研磨材粒子の前駆体を、空気中若しくは酸化性雰囲気中で、400℃以上で焼成する。焼成された研磨材粒子の前駆体は、酸化物となり、酸化セリウムを含有する研磨材粒子となる。
なお、必要に応じて焼成する前に水又はアルコール等で洗浄、乾燥を行ってから焼成してもよい。
焼成を経て冷却することにより、研磨材粒子を安定させた後、当該研磨材粒子を含有する研磨材として回収することができる。
上記研磨材の製造方法を使用して研磨材を製造することで、異方成長した研磨材粒子をほとんど含まない、球形状の研磨材粒子を含有する研磨材を得ることができる。
本発明に係る研磨材は、研磨材粒子を50質量%以上含有し、好ましくは70質量%以上含有し、より好ましくは90質量%以上含有する。これにより、研磨による表面粗さが小さい研磨材を得ることができる。
本発明に係る研磨材は、研磨材粒子を50質量%以上含有し、好ましくは70質量%以上含有し、より好ましくは90質量%以上含有する。これにより、研磨による表面粗さが小さい研磨材を得ることができる。
≪研磨材スラリー≫
本発明に係る研磨材スラリーは、例えば、上記特徴を有する研磨材粒子と研磨材粒子の水への分散剤と水とからなる組成物を分散させることによって得られる。
研磨材粒子の含有量に制限はないが、研磨材スラリーの取り扱いやすさから、研磨材スラリー100質量%に対して、0.1〜40質量%の範囲内が好ましく、0.5〜20質量%の範囲内がより好ましい。含有量が0.1質量%以上であれば、研磨速度が低下することがなく、40質量%以下であれば、研磨材粒子の凝集を抑制することができる。
また、研磨材スラリーと後述する添加液とを混合したときのCMP用研磨液中の研磨材粒子の含有量は、0.01〜10質量%の範囲内が好ましく、0.1〜5質量%の範囲内がより好ましい。
本発明に係る研磨材スラリーは、例えば、上記特徴を有する研磨材粒子と研磨材粒子の水への分散剤と水とからなる組成物を分散させることによって得られる。
研磨材粒子の含有量に制限はないが、研磨材スラリーの取り扱いやすさから、研磨材スラリー100質量%に対して、0.1〜40質量%の範囲内が好ましく、0.5〜20質量%の範囲内がより好ましい。含有量が0.1質量%以上であれば、研磨速度が低下することがなく、40質量%以下であれば、研磨材粒子の凝集を抑制することができる。
また、研磨材スラリーと後述する添加液とを混合したときのCMP用研磨液中の研磨材粒子の含有量は、0.01〜10質量%の範囲内が好ましく、0.1〜5質量%の範囲内がより好ましい。
<分散剤>
分散剤としては、高分子分散剤、水溶性陰イオン性界面活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤、水溶性陽イオン性界面活性剤及び水溶性両性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の化合物が使用される。半導体チップ研磨に使用することから、分散剤中のナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、ハロゲン原子、イオウ原子等の不純物の含有率は、10ppm以下に抑えることが好ましい。
分散剤としては、高分子分散剤、水溶性陰イオン性界面活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤、水溶性陽イオン性界面活性剤及び水溶性両性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の化合物が使用される。半導体チップ研磨に使用することから、分散剤中のナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、ハロゲン原子、イオウ原子等の不純物の含有率は、10ppm以下に抑えることが好ましい。
(高分子分散剤)
高分子分散剤としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸の重合体やそのアンモニウム塩又はアミン塩、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸と、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸アルキル、アクリル酸ヒドロキシエチル等のアクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸アルキル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のメタクリル酸ヒドロキシアルキル、酢酸ビニル、ビニルアルコール等の共重合体単量体との共重合体やそのアンモニウム塩又はアミン塩等がある。
これらの重合体又は共重合体における不飽和カルボン酸は、重合前にアンモニウム塩とされていてもよい。また、これらの重合体又は共重合体における不飽和カルボン酸の割合は、1〜100モル%の範囲内であることが好ましく、10〜100モル%の範囲内であることがより好ましい。
高分子分散剤の分子量は、標準ポリスチレンの検量線を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量で、100〜100000の範囲内が好ましく、100〜50000の範囲内がより好ましく、1000〜10000の範囲内が更に好ましい。分散剤の分子量が100以上であれば、酸化ケイ素膜あるいは窒化ケイ素膜を研磨する際、十分な研磨速度を得ることができ、分散剤の分子量が100000以下であれば、粘度が低く、研磨材スラリーの保存安定性が向上する。
高分子分散剤としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸の重合体やそのアンモニウム塩又はアミン塩、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸と、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸アルキル、アクリル酸ヒドロキシエチル等のアクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸アルキル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のメタクリル酸ヒドロキシアルキル、酢酸ビニル、ビニルアルコール等の共重合体単量体との共重合体やそのアンモニウム塩又はアミン塩等がある。
これらの重合体又は共重合体における不飽和カルボン酸は、重合前にアンモニウム塩とされていてもよい。また、これらの重合体又は共重合体における不飽和カルボン酸の割合は、1〜100モル%の範囲内であることが好ましく、10〜100モル%の範囲内であることがより好ましい。
高分子分散剤の分子量は、標準ポリスチレンの検量線を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量で、100〜100000の範囲内が好ましく、100〜50000の範囲内がより好ましく、1000〜10000の範囲内が更に好ましい。分散剤の分子量が100以上であれば、酸化ケイ素膜あるいは窒化ケイ素膜を研磨する際、十分な研磨速度を得ることができ、分散剤の分子量が100000以下であれば、粘度が低く、研磨材スラリーの保存安定性が向上する。
上記分散剤の中でも、アクリル酸アンモニウム塩を共重合成分とした重合体、ポリアクリル酸アンモニウム塩又はポリアクリル酸アミン塩が特に好ましい。ポリアクリル酸アンモニウム塩又はポリアクリル酸アミン塩の重量平均分子量は、好ましくは1000〜100000の範囲内、より好ましくは3000〜60000の範囲内、更に好ましくは10000〜40000の範囲内である。また、ポリアクリル酸アンモニウム塩又はポリアクリル酸アミン塩の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、好ましくは1.005〜1.300の範囲内、より好ましくは1.100〜1.250の範囲内、更に好ましくは1.150〜1.200の範囲内である。重量平均分子量が1000以上、分子量分布が1.005以上であれば、研磨材粒子が凝集することがなく、重量平均分子量が100000以下、分子量分布が1.300以下であれば、研磨速度比が低下することがない。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、標準ポリスチレンの検量線を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したものを用いる。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、標準ポリスチレンの検量線を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したものを用いる。
ポリアクリル酸アンモニウム塩又はポリアクリル酸アミン塩は、ポリアクリル酸と、そのカルボキシ基と等モルのアンモニア又はアミンとを混合し、中和反応させて得られるが、塩を形成していないフリーのアンモニア又はアミンの割合が10モル%以下のものが、高平坦性を得られるため特に好ましい。なお、塩を形成していないフリーのアンモニア又はアミンの量は、有機溶媒を加えてポリマーを沈殿濾過した液中のアンモニア又はアミンを定量することで確認することができる。
(水溶性陰イオン性界面活性剤)
水溶性陰イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられる。
水溶性陰イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられる。
(水溶性非イオン性界面活性剤)
水溶性非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
水溶性非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
(水溶性陽イオン性界面活性剤)
水溶性陽イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等が挙げられる。
水溶性陽イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等が挙げられる。
(水溶性両性界面活性剤)
水溶性両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
水溶性両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
(分散剤添加量)
上記分散剤は、単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
研磨材スラリー中のこれらの分散剤添加量は、スラリー中の粒子の分散性及び沈降防止、更には研磨傷と分散剤添加量との関係から、研磨材粒子100質量%に対して、0.1〜1.0質量%の範囲内が好ましく、0.3〜0.7質量%の範囲内がより好ましい。分散剤添加量が0.1質量%以上の場合、分散剤濃度が十分であるため、分散剤を介さずに粒子−粒子間の凝集を引き起こすことがなく、凝集に伴う研磨傷増加を抑制することができる。また、1.0質量%以下の場合、分散剤が過剰に存在することによる分散剤分子が橋架けとなる粒子−粒子間の凝集を引き起こすことがなく、これも研磨傷増加を抑制することができる。
上記分散剤は、単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
研磨材スラリー中のこれらの分散剤添加量は、スラリー中の粒子の分散性及び沈降防止、更には研磨傷と分散剤添加量との関係から、研磨材粒子100質量%に対して、0.1〜1.0質量%の範囲内が好ましく、0.3〜0.7質量%の範囲内がより好ましい。分散剤添加量が0.1質量%以上の場合、分散剤濃度が十分であるため、分散剤を介さずに粒子−粒子間の凝集を引き起こすことがなく、凝集に伴う研磨傷増加を抑制することができる。また、1.0質量%以下の場合、分散剤が過剰に存在することによる分散剤分子が橋架けとなる粒子−粒子間の凝集を引き起こすことがなく、これも研磨傷増加を抑制することができる。
(分散手段)
研磨材粒子を水中に分散させる方法としては、通常の撹拌機による分散処理の他にホモジナイザー、超音波分散機、湿式ボールミル等を用いることができる。
研磨材粒子を水中に分散させる方法としては、通常の撹拌機による分散処理の他にホモジナイザー、超音波分散機、湿式ボールミル等を用いることができる。
≪添加液≫
一方、CMP用研磨液用の添加液は、添加剤、無機酸又は無機酸塩基及び水を含有する。
一方、CMP用研磨液用の添加液は、添加剤、無機酸又は無機酸塩基及び水を含有する。
添加剤としては、水溶性有機高分子及び陰イオン性界面活性剤から選ばれる1種以上であり、いずれも上記の高分子分散剤及び水溶性陰イオン性界面活性剤を使用することができる。
特に、本発明においては、水溶性有機高分子として、カルボン酸基又はカルボン酸塩基を有するものが含まれることを特徴とする。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等のカルボン酸基を有するモノマーの単独重合体や、当該重合体のカルボン酸基の部分がアンモニウム塩等の塩となっている単独重合体が挙げられる。また、カルボン酸基を有するモノマーとカルボン酸塩基を有するモノマーとの共重合体や、カルボン酸塩基を有するモノマーとカルボン酸のアルキルエステル等の誘導体との共重合体も好ましい。さらに、ポリビニルアルコール等の水溶性有機高分子類、オレイン酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等の陰イオン性界面活性剤が好適に使用できる。
特に、カルボン酸基又はその塩を有するポリマーが好ましい。具体的には、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸のカルボン酸基の少なくとも一部がカルボン酸アンモニウム塩基に置換されたポリマー(以下、ポリアクリル酸アンモニウムと称する。)等が挙げられる。
研磨剤中に後述する無機酸又は無機酸塩を含有させ、CMP用研磨液のpH(25℃)を4〜5の範囲内に調整するためには、ポリアクリル酸アンモニウムが特に好ましい。ポリアクリル酸アンモニウム等の水溶性有機高分子を添加剤として使用する場合、その分子量は1000〜50000の範囲内であることが好ましく、2000〜30000の範囲内であることがより好ましい。
特に、本発明においては、水溶性有機高分子として、カルボン酸基又はカルボン酸塩基を有するものが含まれることを特徴とする。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等のカルボン酸基を有するモノマーの単独重合体や、当該重合体のカルボン酸基の部分がアンモニウム塩等の塩となっている単独重合体が挙げられる。また、カルボン酸基を有するモノマーとカルボン酸塩基を有するモノマーとの共重合体や、カルボン酸塩基を有するモノマーとカルボン酸のアルキルエステル等の誘導体との共重合体も好ましい。さらに、ポリビニルアルコール等の水溶性有機高分子類、オレイン酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等の陰イオン性界面活性剤が好適に使用できる。
特に、カルボン酸基又はその塩を有するポリマーが好ましい。具体的には、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸のカルボン酸基の少なくとも一部がカルボン酸アンモニウム塩基に置換されたポリマー(以下、ポリアクリル酸アンモニウムと称する。)等が挙げられる。
研磨剤中に後述する無機酸又は無機酸塩を含有させ、CMP用研磨液のpH(25℃)を4〜5の範囲内に調整するためには、ポリアクリル酸アンモニウムが特に好ましい。ポリアクリル酸アンモニウム等の水溶性有機高分子を添加剤として使用する場合、その分子量は1000〜50000の範囲内であることが好ましく、2000〜30000の範囲内であることがより好ましい。
添加剤は、研磨材スラリーの分散剤の種類と同一であっても異なっていてもよい。
CMP用研磨液に含有されるカルボン酸基又はカルボン酸塩基を有する水溶性有機高分子(研磨材スラリーに含有される分散剤が、カルボン酸基又はカルボン酸塩基を有する水溶性有機高分子を含む場合は、分散剤中に含まれる水溶性有機高分子と添加剤との合計)の濃度は、研磨液全質量の0.01〜0.5質量%の範囲内であることが好ましい。
CMP用研磨液に含有されるカルボン酸基又はカルボン酸塩基を有する水溶性有機高分子(研磨材スラリーに含有される分散剤が、カルボン酸基又はカルボン酸塩基を有する水溶性有機高分子を含む場合は、分散剤中に含まれる水溶性有機高分子と添加剤との合計)の濃度は、研磨液全質量の0.01〜0.5質量%の範囲内であることが好ましい。
無機酸又は無機酸塩としては、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、炭酸及びそれらのアンモニウム塩又はカリウム塩等を例示できる。無機酸又は無機酸塩により、研磨液のpHを調整することができる。
本発明のCMP用研磨液は、研磨材スラリーと添加液とを別々に用意し、研磨時に両者を混合して使用される。理由として、研磨材スラリーと添加液とが混合された状態で保存すると、研磨材粒子が凝集して、研磨傷の発生、研磨速度の変動をもたらすからである。このため、CMP用研磨液の使用方法としては、研磨材スラリーと添加液とを別々に研磨定盤上に供給し、研磨定盤上で混合する方法、又は研磨直前に研磨材スラリーと添加液とを混合し、研磨定盤上に供給する方法が採用される。このとき、研磨材スラリーと添加液との混合比率は、最終的に目的の濃度になれば特に制限はない。
≪研磨液pH≫
本発明におけるCMP用研磨液のpH(25℃)は、3〜6の範囲内であることが好ましい。pHは、より好ましくは3.5〜6の範囲内、更に好ましくは4〜5の範囲内である。pHが3以上であれば、平坦化特性に必要な、窒化ケイ素膜表面に吸着する添加剤の量を極端に少なくなる必要がなく、窒化ケイ素膜の表面保護が不十分となることがない。また、添加剤の電荷が小さくならず、添加剤の研磨材粒子に対する吸着力を得ることができる。さらに、研磨材粒子表面に吸着した添加剤の電荷も小さくなることがなく、電気的な反発が減ることによる研磨液の分散安定性の劣化を抑制することができる。また、pHが6以下であれば、添加剤濃度を減少させることができるため、研磨材粒子の分散安定性が得られ、凝集・沈降を抑制することができる。
本発明におけるCMP用研磨液のpH(25℃)は、3〜6の範囲内であることが好ましい。pHは、より好ましくは3.5〜6の範囲内、更に好ましくは4〜5の範囲内である。pHが3以上であれば、平坦化特性に必要な、窒化ケイ素膜表面に吸着する添加剤の量を極端に少なくなる必要がなく、窒化ケイ素膜の表面保護が不十分となることがない。また、添加剤の電荷が小さくならず、添加剤の研磨材粒子に対する吸着力を得ることができる。さらに、研磨材粒子表面に吸着した添加剤の電荷も小さくなることがなく、電気的な反発が減ることによる研磨液の分散安定性の劣化を抑制することができる。また、pHが6以下であれば、添加剤濃度を減少させることができるため、研磨材粒子の分散安定性が得られ、凝集・沈降を抑制することができる。
CMP用研磨液のpHの調整は、添加液に含有される無機酸又は無機酸塩以外に、例えば、酢酸、アンモニア水等の酸又はアルカリを添加することによって行われてもよい。
また、研磨液のpHを所定の値にする方法としては、添加剤のpHを制御する方法も採用できる。例えば、添加剤としてカルボン酸とカルボン酸の塩とからなる共重合体を使用する場合、カルボン酸とカルボン酸の塩との重合比率を制御することによりpH調製する方法も採用できる。
また、研磨液のpHを所定の値にする方法としては、添加剤のpHを制御する方法も採用できる。例えば、添加剤としてカルボン酸とカルボン酸の塩とからなる共重合体を使用する場合、カルボン酸とカルボン酸の塩との重合比率を制御することによりpH調製する方法も採用できる。
研磨材スラリー及び添加液の濃度調整方法としては特に限定されるものではないが、例えば、研磨時の使用濃度の2倍とし、両者を質量比1:1で混合することにより、所定の濃度とすることができる。また、保管や輸送の利便性のため、例えば、両者の濃度は、研磨材粒子や添加剤等の成分の濃度を研磨使用時の濃度の10倍程度とし、使用時に2倍濃度に希釈した後、質量比1:1で混合することにより、所定の濃度になるようにしてもよい。また、10倍濃度の研磨材スラリー、添加液及び脱イオン水を、質量比で1:1:8となるように混合することにより所定の濃度になるようにすることもできる。
≪その他添加剤≫
本発明のCMP用研磨液は、上記研磨材スラリー及び添加液をそのまま使用してもよいが、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等の非高分子添加剤を研磨材スラリー又は添加液に添加して、CMP用研磨液とすることもできる。これらの添加剤は、最終的なCMP用研磨液における濃度が、0.001〜20質量%になるように使用されることが好ましく、0.01〜10質量%になるように使用されることがより好ましい。
本発明のCMP用研磨液は、上記研磨材スラリー及び添加液をそのまま使用してもよいが、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等の非高分子添加剤を研磨材スラリー又は添加液に添加して、CMP用研磨液とすることもできる。これらの添加剤は、最終的なCMP用研磨液における濃度が、0.001〜20質量%になるように使用されることが好ましく、0.01〜10質量%になるように使用されることがより好ましい。
≪無機絶縁膜の作製方法≫
本発明のCMP用研磨液が使用される無機絶縁膜の作製方法としては、低圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。
低圧CVD法による酸化ケイ素膜形成は、Si源としてモノシラン(SiH4)、酸素源として酸素(O2)を用いる。このSiH4−O2系酸化反応を400℃以下の低温で行うことにより酸化ケイ素膜が得られる。場合によっては、CVD後、1000℃又はそれ以下の温度で熱処理される。高温リフローによる表面平坦化を図るためにリン(P)をドープするときには、SiH4−O2−PH3系反応ガスを用いることが好ましい。
プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が低温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量結合型と誘導結合型との2つが挙げられる。反応ガスとしては、Si源としてSiH4、酸素源としてN2Oを用いたSiH4−N2O系ガスと、テトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用いたTEOS−O2系ガス(TEOS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は250〜400℃の範囲内、反応圧力は67〜400Paの範囲内が好ましい。酸化ケイ素膜にはリン、ホウ素等の元素がドープされていてもよい。
本発明のCMP用研磨液が使用される無機絶縁膜の作製方法としては、低圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。
低圧CVD法による酸化ケイ素膜形成は、Si源としてモノシラン(SiH4)、酸素源として酸素(O2)を用いる。このSiH4−O2系酸化反応を400℃以下の低温で行うことにより酸化ケイ素膜が得られる。場合によっては、CVD後、1000℃又はそれ以下の温度で熱処理される。高温リフローによる表面平坦化を図るためにリン(P)をドープするときには、SiH4−O2−PH3系反応ガスを用いることが好ましい。
プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が低温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量結合型と誘導結合型との2つが挙げられる。反応ガスとしては、Si源としてSiH4、酸素源としてN2Oを用いたSiH4−N2O系ガスと、テトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用いたTEOS−O2系ガス(TEOS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は250〜400℃の範囲内、反応圧力は67〜400Paの範囲内が好ましい。酸化ケイ素膜にはリン、ホウ素等の元素がドープされていてもよい。
同様に、低圧CVD法による窒化ケイ素膜形成は、Si源としてジクロロシラン(SiH2Cl2)、窒素源としてアンモニア(NH3)を用いる。このSiH2Cl2−NH3系酸化反応を900℃の高温で行うことにより窒化ケイ素膜が得られる。プラズマCVD法は、反応ガスとしては、Si源としてSiH4、窒素源としてNH3を用いたSiH4−NH3系ガスが挙げられる。基板温度は300〜400℃の範囲内が好ましい。
基板としては、半導体基板、すなわち回路素子と配線パターンとが形成された段階の半導体基板や回路素子のみが形成された段階の半導体基板等の半導体基板上に、酸化ケイ素膜あるいは窒化ケイ素膜が形成された基板が使用できる。半導体基板上に形成された酸化ケイ素膜あるいは窒化ケイ素膜を上記CMP用研磨液で研磨することによって、酸化ケイ素膜等表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面とすることができる。
また、シャロー・トレンチ分離にも使用できる。シャロー・トレンチ分離に使用するためには、酸化ケイ素膜研磨速度と窒化ケイ素膜研磨速度の比(酸化ケイ素膜研磨速度/窒化ケイ素膜研磨速度)が、10以上であることが必要である。この比が小さすぎると、酸化ケイ素膜研磨速度と窒化ケイ素膜研磨速度の差が小さくなり、シャロー・トレンチ分離をする際、所定の位置で研磨を停止することができなくなる。また、研磨速度比が50以上の場合は、特に、窒化ケイ素膜の研磨速度が更に小さくなって研磨の停止が容易になり、シャロー・トレンチ分離により好適である。
また、シャロー・トレンチ分離にも使用できる。シャロー・トレンチ分離に使用するためには、酸化ケイ素膜研磨速度と窒化ケイ素膜研磨速度の比(酸化ケイ素膜研磨速度/窒化ケイ素膜研磨速度)が、10以上であることが必要である。この比が小さすぎると、酸化ケイ素膜研磨速度と窒化ケイ素膜研磨速度の差が小さくなり、シャロー・トレンチ分離をする際、所定の位置で研磨を停止することができなくなる。また、研磨速度比が50以上の場合は、特に、窒化ケイ素膜の研磨速度が更に小さくなって研磨の停止が容易になり、シャロー・トレンチ分離により好適である。
≪研磨装置≫
研磨装置としては、半導体基板を保持するホルダーと研磨布(パッド)とを貼り付けた、回転数が変更可能なモーター等が取り付けてある定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等が使用でき、特に制限されない。また、研磨布にはCMP用研磨液が保持されるような溝加工が施されていることが好ましい。
研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は半導体基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましく、半導体基板にかける圧力は研磨後に傷が発生しないように1kg/cm2以下が好ましい。
シャロー・トレンチ分離に使用するためには、研磨時に傷の発生が少ないことが必要である。研磨している間、研磨布にはスラリーをポンプ等で連続的に供給する。この供給量には制限はないが、研磨布の表面が常にスラリーで覆われていることが好ましい。
研磨装置としては、半導体基板を保持するホルダーと研磨布(パッド)とを貼り付けた、回転数が変更可能なモーター等が取り付けてある定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等が使用でき、特に制限されない。また、研磨布にはCMP用研磨液が保持されるような溝加工が施されていることが好ましい。
研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は半導体基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましく、半導体基板にかける圧力は研磨後に傷が発生しないように1kg/cm2以下が好ましい。
シャロー・トレンチ分離に使用するためには、研磨時に傷の発生が少ないことが必要である。研磨している間、研磨布にはスラリーをポンプ等で連続的に供給する。この供給量には制限はないが、研磨布の表面が常にスラリーで覆われていることが好ましい。
≪洗浄≫
研磨終了後の半導体基板は、流水中でよく洗浄後、スピンドライヤー等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
研磨終了後の半導体基板は、流水中でよく洗浄後、スピンドライヤー等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
このようにして平坦化されたシャロー・トレンチを形成したあと、酸化ケイ素絶縁膜の上に、アルミニウム配線を形成し、その配線間及び配線上に再度上記方法により酸化ケイ素絶縁膜を形成後、上記CMP用研磨液を用いて研磨することによって、絶縁膜表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の層数の半導体を製造することができる。
≪その他≫
本発明のCMP用研磨液は、半導体基板に形成された酸化ケイ素膜だけでなく、所定の配線を有する配線板に形成された酸化ケイ素膜、ガラス、窒化ケイ素膜等の無機絶縁膜、フォトマスク、レンズ、プリズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路、光スイッチング素子、光導波路、光ファイバーの端面、シンチレーター等の光学用単結晶、固体レーザ単結晶、青色レーザLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAS等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を研磨することができる。
本発明のCMP用研磨液は、半導体基板に形成された酸化ケイ素膜だけでなく、所定の配線を有する配線板に形成された酸化ケイ素膜、ガラス、窒化ケイ素膜等の無機絶縁膜、フォトマスク、レンズ、プリズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路、光スイッチング素子、光導波路、光ファイバーの端面、シンチレーター等の光学用単結晶、固体レーザ単結晶、青色レーザLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAS等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を研磨することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
≪研磨材粒子の作製≫
<研磨材粒子1の作製>
(1)5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、密閉容器内で、100℃で6時間加熱した。その後、当該尿素水溶液を20℃まで冷却した。
(2)1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液200mLに純水を加えて9.5Lとし、この水溶液を90℃に加熱した。
(3)手順(2)で90℃に加熱した硝酸セリウム水溶液に、手順(1)で調製した尿素水溶液を1L/minの添加速度で添加した。
(4)手順(3)で硝酸セリウム水溶液に尿素水溶液を添加した混合液を、90℃で2時間加熱撹拌した。
(5)手順(4)で加熱撹拌した混合液中に析出した研磨材粒子の前駆体を、メンブランフィルターで分離した。
(6)手順(5)で分離した研磨材粒子の前駆体を600℃で焼成して、研磨材粒子1を作製した。
<研磨材粒子1の作製>
(1)5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、密閉容器内で、100℃で6時間加熱した。その後、当該尿素水溶液を20℃まで冷却した。
(2)1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液200mLに純水を加えて9.5Lとし、この水溶液を90℃に加熱した。
(3)手順(2)で90℃に加熱した硝酸セリウム水溶液に、手順(1)で調製した尿素水溶液を1L/minの添加速度で添加した。
(4)手順(3)で硝酸セリウム水溶液に尿素水溶液を添加した混合液を、90℃で2時間加熱撹拌した。
(5)手順(4)で加熱撹拌した混合液中に析出した研磨材粒子の前駆体を、メンブランフィルターで分離した。
(6)手順(5)で分離した研磨材粒子の前駆体を600℃で焼成して、研磨材粒子1を作製した。
<研磨材粒子2の作製>
(1)5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、密閉容器内で、100℃で6時間加熱した。その後、当該尿素水溶液を20℃まで冷却した。
(2)1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3)手順(2)で90℃に加熱した混合水溶液に、手順(1)で調製した尿素水溶液を1L/minの添加速度で添加した。
(4)手順(3)で調製した混合水溶液に尿素水溶液を添加した混合液を、90℃で2時間加熱撹拌した。
(5)手順(4)で加熱撹拌した混合液中に析出した研磨材粒子の前駆体を、メンブランフィルターで分離した。
(6)手順(5)で分離した研磨材粒子の前駆体を600℃で焼成して、研磨材粒子2を作製した。
(1)5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、密閉容器内で、100℃で6時間加熱した。その後、当該尿素水溶液を20℃まで冷却した。
(2)1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3)手順(2)で90℃に加熱した混合水溶液に、手順(1)で調製した尿素水溶液を1L/minの添加速度で添加した。
(4)手順(3)で調製した混合水溶液に尿素水溶液を添加した混合液を、90℃で2時間加熱撹拌した。
(5)手順(4)で加熱撹拌した混合液中に析出した研磨材粒子の前駆体を、メンブランフィルターで分離した。
(6)手順(5)で分離した研磨材粒子の前駆体を600℃で焼成して、研磨材粒子2を作製した。
<研磨材粒子3の作製>
研磨材粒子2の作製において、手順(2)における1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとの混合を、1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液162mLと1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液38mLとの混合に変更した以外は同様にして、研磨材粒子3を作製した。
研磨材粒子2の作製において、手順(2)における1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとの混合を、1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液162mLと1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液38mLとの混合に変更した以外は同様にして、研磨材粒子3を作製した。
<研磨材粒子4の作製>
研磨材粒子2の作製において、手順(2)における1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとの混合を、1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液162mLと1.0mol/Lの硝酸ガドリニウム水溶液38mLとの混合に変更した以外は同様にして、研磨材粒子4を作製した。
研磨材粒子2の作製において、手順(2)における1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとの混合を、1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液162mLと1.0mol/Lの硝酸ガドリニウム水溶液38mLとの混合に変更した以外は同様にして、研磨材粒子4を作製した。
<研磨材粒子5の作製>
研磨材粒子2の作製において、手順(2)における1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとの混合を、1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液162mLと1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLと1.0mol/Lの硝酸ガドリニウム水溶液18mLとの混合に変更した以外は同様にして、研磨材粒子5を作製した。
研磨材粒子2の作製において、手順(2)における1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとの混合を、1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液162mLと1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLと1.0mol/Lの硝酸ガドリニウム水溶液18mLとの混合に変更した以外は同様にして、研磨材粒子5を作製した。
<研磨材粒子6の作製>
(1)5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、密閉容器内で、100℃で6時間加熱した。その後、当該尿素水溶液を20℃まで冷却した。
(2)1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液140mLと、1.0mol/Lの硝酸ランタン水溶液60mLを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3)手順(2)で90℃に加熱した混合水溶液に、手順(1)で調製した尿素水溶液を1L/minの添加速度で添加した。
(4)手順(3)で調製した混合水溶液に尿素水溶液を添加した混合液を、90℃で2時間加熱撹拌した。
(5)手順(4)で加熱撹拌した混合液中に析出した研磨材粒子の前駆体を、メンブランフィルターで分離した。
(6)手順(5)で分離した研磨材粒子の前駆体を600℃で焼成して、研磨材粒子6を作製した。
(1)5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、密閉容器内で、100℃で6時間加熱した。その後、当該尿素水溶液を20℃まで冷却した。
(2)1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液140mLと、1.0mol/Lの硝酸ランタン水溶液60mLを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3)手順(2)で90℃に加熱した混合水溶液に、手順(1)で調製した尿素水溶液を1L/minの添加速度で添加した。
(4)手順(3)で調製した混合水溶液に尿素水溶液を添加した混合液を、90℃で2時間加熱撹拌した。
(5)手順(4)で加熱撹拌した混合液中に析出した研磨材粒子の前駆体を、メンブランフィルターで分離した。
(6)手順(5)で分離した研磨材粒子の前駆体を600℃で焼成して、研磨材粒子6を作製した。
<研磨材粒子7の作製>
(1)2.5mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(2)1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液200mLに純水を加えて9.0Lとした。
(3)手順(2)で調製した硝酸セリウム水溶液に、手順(1)で用意した尿素水溶液を添加し、10分間撹拌した。
(4)手順(3)で撹拌した混合液を90℃まで加熱し、2時間加熱撹拌した。
(5)手順(4)で加熱撹拌した混合液中に析出した研磨材粒子の前駆体を、メンブランフィルターで分離した。
(6)手順(5)で分離した研磨材粒子の前駆体を600℃で焼成して、研磨材粒子7を作製した。
(1)2.5mol/Lの尿素水溶液を1.0L用意した。
(2)1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液200mLに純水を加えて9.0Lとした。
(3)手順(2)で調製した硝酸セリウム水溶液に、手順(1)で用意した尿素水溶液を添加し、10分間撹拌した。
(4)手順(3)で撹拌した混合液を90℃まで加熱し、2時間加熱撹拌した。
(5)手順(4)で加熱撹拌した混合液中に析出した研磨材粒子の前駆体を、メンブランフィルターで分離した。
(6)手順(5)で分離した研磨材粒子の前駆体を600℃で焼成して、研磨材粒子7を作製した。
<研磨材粒子8の作製>
研磨材粒子7の作製において、手順(2)として、1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液162mLと1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液38mLとを混合した後、純水を加えて9.0Lとした以外は同様にして、研磨材粒子8を作製した。
研磨材粒子7の作製において、手順(2)として、1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液162mLと1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液38mLとを混合した後、純水を加えて9.0Lとした以外は同様にして、研磨材粒子8を作製した。
<研磨材粒子9の作製>
研磨材粒子8の作製において、手順(2)における1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液162mLと1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液38mLとの混合を、1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液140mLと1.0mol/Lの硝酸ランタン水溶液22mLと1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液38mLとの混合に変更した以外は同様にして、研磨材粒子9を作製した。
研磨材粒子8の作製において、手順(2)における1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液162mLと1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液38mLとの混合を、1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液140mLと1.0mol/Lの硝酸ランタン水溶液22mLと1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液38mLとの混合に変更した以外は同様にして、研磨材粒子9を作製した。
<研磨材粒子10の作製>
炭酸セリウムを、空気中、700℃で4時間加熱し、酸化セリウムを得た。この酸化セリウムをイオン交換水と混合して、ジルコニアビーズを使用したビーズミルで粉砕した。
これを72時間静置し、上部の90質量%相当分を分取することにより分級し、28.7質量%の酸化セリウムを含有する酸化セリウムの水分散体(研磨材粒子10)を作製した。
炭酸セリウムを、空気中、700℃で4時間加熱し、酸化セリウムを得た。この酸化セリウムをイオン交換水と混合して、ジルコニアビーズを使用したビーズミルで粉砕した。
これを72時間静置し、上部の90質量%相当分を分取することにより分級し、28.7質量%の酸化セリウムを含有する酸化セリウムの水分散体(研磨材粒子10)を作製した。
≪研磨材粒子の評価≫
<粒子形状・アスペクト比>
作製した各研磨材粒子について、走査型顕微鏡写真(SEM像)の撮影を行い、粒子100個を無作為に選択し、その長径をa、短径をbとしたとき、a/bの値の平均値をアスペクト比として求めた。なお、各粒子の長径a及び短径bは、各粒子に外接する長方形(「外接長方形」という。)を描いたとき、外接長方形の短辺及び長辺のうち、最長の長辺の長さを長径a、最短の短辺の長さを短径bとした。
アスペクト比が、1.00〜1.15の範囲内である場合に球形状として分類し、1.00〜1.15の範囲外である場合は不定形として分類した。
結果を表1に示す。
<粒子形状・アスペクト比>
作製した各研磨材粒子について、走査型顕微鏡写真(SEM像)の撮影を行い、粒子100個を無作為に選択し、その長径をa、短径をbとしたとき、a/bの値の平均値をアスペクト比として求めた。なお、各粒子の長径a及び短径bは、各粒子に外接する長方形(「外接長方形」という。)を描いたとき、外接長方形の短辺及び長辺のうち、最長の長辺の長さを長径a、最短の短辺の長さを短径bとした。
アスペクト比が、1.00〜1.15の範囲内である場合に球形状として分類し、1.00〜1.15の範囲外である場合は不定形として分類した。
結果を表1に示す。
<粒子径変動係数(CV値)>
作製した各研磨材粒子について、研磨材粒子100個の走査型顕微鏡写真(SEM像)から粒子径分布の変動係数(「単分散度」ともいう。)を求め、単分散性を評価した。なお、粒子径は、各粒子の写真画像の面積に基づき、面積円相当粒子径を求め、これを各粒子の粒子径とした。
粒子径分布変動係数は下記の式で求めた。
変動係数(%)=(粒子径分布の標準偏差/平均粒子径)×100
結果を表1に示す。
作製した各研磨材粒子について、研磨材粒子100個の走査型顕微鏡写真(SEM像)から粒子径分布の変動係数(「単分散度」ともいう。)を求め、単分散性を評価した。なお、粒子径は、各粒子の写真画像の面積に基づき、面積円相当粒子径を求め、これを各粒子の粒子径とした。
粒子径分布変動係数は下記の式で求めた。
変動係数(%)=(粒子径分布の標準偏差/平均粒子径)×100
結果を表1に示す。
なお、表1中の添加元素1は、硝酸セリウム水溶液に他の希土類水溶液を添加する場合に、当該水溶液に含まれる希土類元素を表している。同様に、添加元素2は、添加元素1に加え、更に他の種類の希土類水溶液を添加する場合の水溶液に含まれる希土類元素を表している。
また、研磨材粒子の合成方法について、あらかじめ加熱した尿素水溶液を、あらかじめ加熱した希土類水溶液に添加する合成方法を「分解尿素」による合成方法(図3参照)と表記し、尿素水溶液と希土類水溶液を混合した後に加熱する合成方法を「加熱尿素」による合成方法と表記する。いずれにも該当しない合成方法については、合成方法の欄に「−」と記載した。
また、研磨材粒子の合成方法について、あらかじめ加熱した尿素水溶液を、あらかじめ加熱した希土類水溶液に添加する合成方法を「分解尿素」による合成方法(図3参照)と表記し、尿素水溶液と希土類水溶液を混合した後に加熱する合成方法を「加熱尿素」による合成方法と表記する。いずれにも該当しない合成方法については、合成方法の欄に「−」と記載した。
≪研磨材スラリーの調製≫
<研磨材スラリー1の調製>
研磨材粒子1を125g、分散剤として重量平均分子量5000のポリアクリル酸アンモ二ウム塩水溶液(40質量%)2.2g、及び脱イオン水2372gを混合し、撹拌しながら超音波分散を行った。超音波周波数40kHz、分散時間10分として分散を実施した。得られたスラリーを0.8ミクロンフィルターで濾過し、更に脱イオン水を加えることにより2質量%の研磨材スラリー1を調製した。研磨材スラリー1のpH(25℃)は、7.6であった。
<研磨材スラリー1の調製>
研磨材粒子1を125g、分散剤として重量平均分子量5000のポリアクリル酸アンモ二ウム塩水溶液(40質量%)2.2g、及び脱イオン水2372gを混合し、撹拌しながら超音波分散を行った。超音波周波数40kHz、分散時間10分として分散を実施した。得られたスラリーを0.8ミクロンフィルターで濾過し、更に脱イオン水を加えることにより2質量%の研磨材スラリー1を調製した。研磨材スラリー1のpH(25℃)は、7.6であった。
<研磨材スラリー2〜10の調製>
研磨材スラリー1の調製において、研磨材粒子1を研磨材粒子2〜10に変更した以外は同様にして、研磨材スラリー2〜10を調製した。
それぞれの研磨材スラリーのpH(25℃)を、表2に示す。
研磨材スラリー1の調製において、研磨材粒子1を研磨材粒子2〜10に変更した以外は同様にして、研磨材スラリー2〜10を調製した。
それぞれの研磨材スラリーのpH(25℃)を、表2に示す。
≪添加液の調製≫
添加剤として重量平均分子量5000のポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40質量%)を調製し、これを脱イオン水中に表2に示す濃度になるように調製した後、硝酸水溶液でpH調整を行い、これを添加液とした。表2には、研磨材スラリーと添加液とを混合したときのCMP用研磨液のpH(25℃)を示す。
なお、CMP用研磨液116に用いる添加液には、ポリアクリル酸アンモニウム塩を添加せず、CMP用研磨液117に用いる添加液では、硝酸によるpH調整を行わなかった。
添加剤として重量平均分子量5000のポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40質量%)を調製し、これを脱イオン水中に表2に示す濃度になるように調製した後、硝酸水溶液でpH調整を行い、これを添加液とした。表2には、研磨材スラリーと添加液とを混合したときのCMP用研磨液のpH(25℃)を示す。
なお、CMP用研磨液116に用いる添加液には、ポリアクリル酸アンモニウム塩を添加せず、CMP用研磨液117に用いる添加液では、硝酸によるpH調整を行わなかった。
≪評価≫
以上のようにして調製した研磨材スラリー1〜10と添加液とを、表2に示す組み合わせ(CMP用研磨液101〜126)で用い、下記の各評価を行った。
以上のようにして調製した研磨材スラリー1〜10と添加液とを、表2に示す組み合わせ(CMP用研磨液101〜126)で用い、下記の各評価を行った。
<研磨速度の評価>
研磨装置(ロジテック社製;製品名「PM5」)の2層タイプの半導体装置研磨用パッド(ロデールニッタ(株)社製;製品名「IC1000/Suba400」)を貼り付けた定盤上に、基板取り付け用の吸着パッドを取り付けたホルダーにTEOS−プラズマCVD法で作製した酸化ケイ素膜を形成した直径125mmのシリコンウエハを絶縁膜面を下にしてセットし、研磨荷重が300g/cm2になるように重りをのせた。定盤上に表1に示す組み合わせで、研磨材スラリー(固形分:5質量%)と添加液とを各々25ml/minの速度で送り、定盤の直前で1液になるようにノズルを調節して滴下しながら、定盤を40rpmで2分間回転させ、絶縁膜を研磨した。
研磨後、ウエハをホルダーから取り外して、流水でよく洗浄後、超音波洗浄機により更に20分間洗浄した。洗浄後、スピンドライヤーで水滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。光干渉式膜厚測定装置((株)チノー社製:製品名「IRM8599B」)を用いて、研磨前後の膜厚変化を測定し、研磨速度を計算した。
結果を表3に示す。
研磨装置(ロジテック社製;製品名「PM5」)の2層タイプの半導体装置研磨用パッド(ロデールニッタ(株)社製;製品名「IC1000/Suba400」)を貼り付けた定盤上に、基板取り付け用の吸着パッドを取り付けたホルダーにTEOS−プラズマCVD法で作製した酸化ケイ素膜を形成した直径125mmのシリコンウエハを絶縁膜面を下にしてセットし、研磨荷重が300g/cm2になるように重りをのせた。定盤上に表1に示す組み合わせで、研磨材スラリー(固形分:5質量%)と添加液とを各々25ml/minの速度で送り、定盤の直前で1液になるようにノズルを調節して滴下しながら、定盤を40rpmで2分間回転させ、絶縁膜を研磨した。
研磨後、ウエハをホルダーから取り外して、流水でよく洗浄後、超音波洗浄機により更に20分間洗浄した。洗浄後、スピンドライヤーで水滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。光干渉式膜厚測定装置((株)チノー社製:製品名「IRM8599B」)を用いて、研磨前後の膜厚変化を測定し、研磨速度を計算した。
結果を表3に示す。
同様にして、TEOS−プラズマCVD法で作製した酸化ケイ素膜の代わりに低圧CVD法で作製した窒化ケイ素膜を同じ条件で研磨し、研磨前後の膜厚変化を測定し、研磨速度を計算した。また、膜厚測定の結果から、TEOS−プラズマCVD法で作製した酸化ケイ素膜及び低圧CVD法で作製した窒化ケイ素膜は、ウエハ全面にわたって均一の厚さになっていることがわかった。
結果を表3に示す。
結果を表3に示す。
<研磨傷の評価>
水銀灯の光源下での目視観察では絶縁膜表面に傷は見られなかったが、更にウエハの外観検査装置(オリンパス(株)社製:製品名「オリンパスAL−2000」)で詳細に観察した。
結果を表3に示す。
水銀灯の光源下での目視観察では絶縁膜表面に傷は見られなかったが、更にウエハの外観検査装置(オリンパス(株)社製:製品名「オリンパスAL−2000」)で詳細に観察した。
結果を表3に示す。
<平坦性(ディッシング)の評価>
同様にして、20μm角で高さが5000Åの凸部を100μm間隔で形成した酸化ケイ素膜を研磨し、凸部が研磨されたときの凸部と凹部の中間点のへこみ(ディッシング)量を走査型プローブ顕微鏡(セイコーインスツルメンツ社製:製品名「SPI3800N/SPA400」)で求め、平坦性を評価した。
結果を表3に示す。
同様にして、20μm角で高さが5000Åの凸部を100μm間隔で形成した酸化ケイ素膜を研磨し、凸部が研磨されたときの凸部と凹部の中間点のへこみ(ディッシング)量を走査型プローブ顕微鏡(セイコーインスツルメンツ社製:製品名「SPI3800N/SPA400」)で求め、平坦性を評価した。
結果を表3に示す。
<洗浄性の評価>
研磨速度の評価と同様にして、TEOS−プラズマCVD法で作製した酸化ケイ素膜及び低圧CVD法で作製した窒化ケイ素膜を研磨した後、その各研磨面から試料を抽出し、ICP分析(検出限界は3×108個/cm2)により、残留セリウム量(原子数)を評価した。
結果を表3に示す。
研磨速度の評価と同様にして、TEOS−プラズマCVD法で作製した酸化ケイ素膜及び低圧CVD法で作製した窒化ケイ素膜を研磨した後、その各研磨面から試料を抽出し、ICP分析(検出限界は3×108個/cm2)により、残留セリウム量(原子数)を評価した。
結果を表3に示す。
<まとめ>
表3から明らかなように、本発明のCMP用研磨液101〜115は、比較例のCMP用研磨液116〜126と比較して、酸化ケイ素膜の研磨速度及び酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜との研磨速度比、研磨傷、平坦性並びに洗浄性において優れていた。
以上から、研磨材粒子中、少なくともCeを含み、Ce、La、Pr、Nd、Sm及びEuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量の合計が、研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、81mol%以上であり、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が、研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、19mol%以下であり、かつ、球形状を有する研磨材粒子を用いたCMP用研磨液が、研磨傷やディッシングを抑制し、より高い研磨速度及び洗浄性を得ることに有用であることがわかる。
表3から明らかなように、本発明のCMP用研磨液101〜115は、比較例のCMP用研磨液116〜126と比較して、酸化ケイ素膜の研磨速度及び酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜との研磨速度比、研磨傷、平坦性並びに洗浄性において優れていた。
以上から、研磨材粒子中、少なくともCeを含み、Ce、La、Pr、Nd、Sm及びEuから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量の合計が、研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、81mol%以上であり、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が、研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、19mol%以下であり、かつ、球形状を有する研磨材粒子を用いたCMP用研磨液が、研磨傷やディッシングを抑制し、より高い研磨速度及び洗浄性を得ることに有用であることがわかる。
A 尿素水溶液調製工程
B 希土類水溶液調製工程
C 尿素水溶液の添加・加熱撹拌工程
D 固液分離工程
E 焼成工程
B 希土類水溶液調製工程
C 尿素水溶液の添加・加熱撹拌工程
D 固液分離工程
E 焼成工程
Claims (5)
- 研磨材、分散剤及び水を含む研磨材スラリーと、カルボン酸又はカルボン酸塩基を有する水溶性有機高分子を含む添加剤、無機酸又は無機酸塩及び水を含む添加液とを研磨時に混合して被研磨膜の研磨に用いるCMP用研磨液であって、
前記研磨材に含有される研磨材粒子中、少なくともセリウム(Ce)を含み、かつ、セリウム(Ce)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)及びユウロピウム(Eu)から選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量の合計が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、81mol%以上であり、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、19mol%以下であり、かつ、
前記研磨材粒子が、球形状を有することを特徴とするCMP用研磨液。 - 前記研磨材粒子中、セリウム(Ce)の含有量が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、81mol%以上であり、かつ、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、19mol%以下であることを特徴とする請求項1に記載のCMP用研磨液。
- 前記研磨材粒子中、セリウム(Ce)の含有量が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、90mol%以上であり、かつ、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、10mol%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のCMP用研磨液。
- 研磨材、分散剤及び水を含む研磨材スラリーと、カルボン酸又はカルボン酸塩基を有する水溶性有機高分子を含む添加剤、無機酸又は無機酸塩及び水を含む添加液とを研磨時に混合して被研磨膜の研磨に用いるCMP用研磨液であって、
前記研磨材に含有される研磨材粒子中、セリウム(Ce)の含有量が、前記研磨材粒子に含有される希土類元素全体量に対して、95〜100mol%の範囲内であり、かつ、
前記研磨材粒子が、球形状を有することを特徴とするCMP用研磨液。 - 前記CMP用研磨液の25℃におけるpHが3〜6の範囲内であり、かつ、カルボン酸基又はカルボン酸塩基を有する水溶性有機高分子の合計濃度が研磨液全質量の0.01〜0.5質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013166121A JP2015035522A (ja) | 2013-08-09 | 2013-08-09 | Cmp用研磨液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013166121A JP2015035522A (ja) | 2013-08-09 | 2013-08-09 | Cmp用研磨液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015035522A true JP2015035522A (ja) | 2015-02-19 |
Family
ID=52543849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013166121A Pending JP2015035522A (ja) | 2013-08-09 | 2013-08-09 | Cmp用研磨液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015035522A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019193693A1 (ja) * | 2018-04-04 | 2019-10-10 | 日立化成株式会社 | 研磨液及び研磨方法 |
WO2022121816A1 (zh) * | 2020-12-11 | 2022-06-16 | 安集微电子(上海)有限公司 | 一种化学机械抛光液及其使用方法 |
-
2013
- 2013-08-09 JP JP2013166121A patent/JP2015035522A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019193693A1 (ja) * | 2018-04-04 | 2019-10-10 | 日立化成株式会社 | 研磨液及び研磨方法 |
WO2022121816A1 (zh) * | 2020-12-11 | 2022-06-16 | 安集微电子(上海)有限公司 | 一种化学机械抛光液及其使用方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3649279B2 (ja) | 基板の研磨方法 | |
JP5110058B2 (ja) | Cmp研磨剤及び研磨方法 | |
JP5176154B2 (ja) | Cmp研磨剤及び基板の研磨方法 | |
JP4872919B2 (ja) | 酸化ケイ素用研磨剤、添加液および研磨方法 | |
JP4983603B2 (ja) | 酸化セリウムスラリー、酸化セリウム研磨液及びこれらを用いた基板の研磨方法 | |
JP5831495B2 (ja) | スラリー及びその製造方法、研磨液セット、研磨液及びその製造方法、並びに、基板の研磨方法 | |
JP5655879B2 (ja) | Cmp研磨剤及び基板の研磨方法 | |
WO2007088868A1 (ja) | 絶縁膜研磨用cmp研磨剤、研磨方法、該研磨方法で研磨された半導体電子部品 | |
WO2004107429A1 (ja) | 研磨剤及び研磨方法 | |
JP2010028086A (ja) | Cmp研磨剤、このcmp研磨剤を用いた研磨方法 | |
WO2015019911A1 (ja) | Cmp用研磨液 | |
WO2015019849A1 (ja) | Cmp用研磨液 | |
JP2015035522A (ja) | Cmp用研磨液 | |
WO2015019848A1 (ja) | Cmp用研磨液 | |
JP2006179678A (ja) | 半導体絶縁膜用cmp研磨剤及び基板の研磨方法 | |
JP4604727B2 (ja) | Cmp研磨剤用添加液 | |
JP4501694B2 (ja) | Cmp研磨剤用添加液 | |
JP2015035521A (ja) | Cmp用研磨液 | |
JP2015034244A (ja) | Cmp用研磨液 | |
JP4608925B2 (ja) | Cmp研磨剤用添加液 | |
JP2015034243A (ja) | Cmp用研磨液 | |
JP2015035514A (ja) | Cmp用研磨液 | |
JP2015035519A (ja) | Cmp用研磨液 | |
JP2006041034A (ja) | Cmp研磨剤及び基板の研磨方法 | |
JP2006041033A (ja) | Cmp研磨剤及び基板の研磨方法 |