JP2015033714A - やに入りはんだ用フラックス及びやに入りはんだ - Google Patents

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Abstract

【課題】保存安定性、生産性に優れた、熱硬化性樹脂を含むやに入りはんだ用フラックス、並びにこれを内蔵してなるやに入りはんだを提供する。
【解決手段】熱硬化性樹脂を含んでなる固体状の第1のフラックス11と、酸化還元作用を有する硬化剤を含んでなる固体状の第2のフラックス12とを含み、前記第1のフラックス11と、前記第2のフラックス12とが、非接触状態で存在する、やに入りはんだ用フラックス、並びに、当該やに入りはんだ用フラックスと、融点が130℃〜250℃の鉛フリーはんだ合金とを含んでなるやに入りはんだであって、前記鉛フリーはんだ合金2に前記第1のフラックス11が内蔵されてなる第1のやに入りはんだ21と、前記鉛フリーはんだ合金2に前記第2のフラックス12が内蔵されてなる第2のやに入りはんだ22とから構成される、やに入りはんだ100a。
【選択図】図4

Description

本発明は、やに入りはんだ用フラックス及びこれを含んでなるやに入りはんだに関する。特には、電子部品をリペア、もしくは手付けする際に用いられるやに入りはんだにおいて、フラックス残渣の洗浄が不要で、且つ部品の接合強度補強が実現できる、やに入りはんだ用フラックス及びこれを含んでなるやに入りはんだに関する。
はんだ付け用フラックスの多くは、ロジンやロジン変性樹脂に、有機酸、ハロゲン化塩、ハロゲン化合物からなる活性剤を添加したものである。しかし、これらの成分は、はんだ付け作業終了後残渣としてプリント回路板上に残り、この残渣が基材の腐食、マイグレーション等の原因になることが多かった。また、残渣の残ったプリント回路板を、シリコーンゲル、エポキシ樹脂などの樹脂で封止する場合、はんだ付け作業後のフラックス残渣が原因で封止樹脂の硬化阻害を起こし、基板との密着性、絶縁性にも影響を及ぼすことがあった。そこで、残渣を除去するため、はんだ付け作業後は代替フロンや有機溶剤での洗浄を行っている。しかし、フロンや揮発性有機化合物(VOC)などの環境問題により、洗浄剤が規制されているのが現状である。
フラックスの残渣の洗浄無しでも、腐食、マイグレーションを起こさず、封止樹脂の硬化阻害を起こさないフラックスの一つとして、エポキシ樹脂を用いたエポキシ系フラックスが知られている。従来技術によるエポキシ系フラックスとして、主成分としてのエポキシ樹脂と、硬化剤または活性剤である有機酸もしくはアミンと、アルコール系溶剤とから構成されるクリームはんだが知られている(特許文献1を参照)。エポキシ系フラックスを使用したクリームはんだを用いてプリント基板に部品実装した場合、リフローはんだ付け時に、カルボン酸による導体表面の酸化膜除去と同時にエポキシ樹脂とカルボン酸が硬化反応を起こし、はんだが溶融しはんだ付け終了時に硬化反応が終了するように設計されている。はんだ付け後、エポキシ樹脂硬化物がフラックス残渣として残る。このエポキシ樹脂は、一般的に使用されるロジン系フラックス残渣と比べ、部品はんだ付け後、無洗浄で樹脂封止してもプリント回路板と封止樹脂の接着性を妨げることなく、絶縁性も優れている。
また、エポキシ系フラックス入りのはんだワイヤ、すなわち、やに入りはんだであって、反応性エポキシ樹脂と、活性剤、エポキシ硬化剤、及びチキソトロープ剤からなるフラックスを内側のコアとし、はんだ合金を外側のシェルとしたやに入りはんだが知られている(特許文献2を参照)。
特開2000-216300号公報 特表2002-514973号公報
熱硬化性樹脂系フラックスを用いてやに入りはんだを製造しようとする際、通常の製造方法によれば、製造上のやに入れ工程、伸線等の工程に伴い発熱が生ずる。熱硬化性樹脂を含有するフラックスには、熱硬化性樹脂主剤と硬化剤として用いる有機酸とが混合されているため、製造工程を経る間に、熱により樹脂が硬化してしまうことがあった。また、やに入りはんだは、実使用現場では、通常、室温に放置され保管される。その際にも、熱硬化性樹脂主剤と硬化剤とが経時的にゆっくりと反応する場合があり、保管期間が短くなってしまう問題がある。
本発明者らは、このような課題に対して、熱硬化性樹脂主剤と硬化剤とを、別々に構成したやに入りはんだを作製することを考えた。すなわち、熱硬化性樹脂主剤と硬化剤とが使用時までに接触することがないように、別々に、やに入りはんだとして構成し、これらのやに入りはんだをまとめて縒り線にしたり、束ねたりすることで、熱硬化性樹脂を硬化させることなく製造可能で、保管期間も長くすることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一実施形態によれば、やに入りはんだ用フラックスであって、熱硬化性樹脂主剤を含んでなる固体状の第1のフラックスと、酸化還元作用を有する硬化剤を含んでなる固体状の第2のフラックスとを含み、前記第1のフラックスと、前記第2のフラックスとが、非接触状態で存在する。
前記やに入りはんだ用フラックスにおいて、前記第1のフラックスと、前記第2のフラックスとが、各々1以上含まれることが好ましい。
前記やに入りはんだ用フラックスにおいて、前記第1のフラックスと、前記第2のフラックスとが、別個に、鉛フリーはんだ合金に少なくとも部分的に被覆されていることが好ましい。
前記やに入りはんだ用フラックスにおいて、前記部分的に被覆された第1のフラックスと、前記第2のフラックスとが、束ねられ、もしくは縒られていることが好ましい。
前記やに入りはんだ用フラックスにおいて、前記熱硬化性樹脂の融点が、50〜150℃であることが好ましい。
前記やに入りはんだ用フラックスにおいて、前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、およびこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
前記やに入りはんだ用フラックスにおいて、前記酸化還元作用を有する硬化剤が、アミン、ハロゲン化アミン塩、ハロゲン化有機酸塩、ハロゲン化合物、有機酸、酸無水物、フェノール樹脂および、これらの混合物からなる群より選択されることが好ましい。
前記やに入りはんだ用フラックスにおいて、前記熱硬化性樹脂主剤と前記硬化剤との当量比が、1:0.8〜1.3であることが好ましい。
本発明は、別の実施形態によれば、やに入りはんだであって、前述のいずれかに記載のやに入りはんだ用フラックスと、鉛フリーはんだ合金とを含んでなり、前記鉛フリーはんだ合金に前記第1のフラックスが内蔵されてなる第1のやに入りはんだと、前記鉛フリーはんだ合金に前記第2のフラックスが内蔵されてなる第2のやに入りはんだとから構成される。
前記やに入りはんだにおいて、前記第1のやに入りはんだと、前記第2のやに入りはんだとが、別個の線状はんだであることが好ましい。
前記やに入りはんだにおいて、前記第1のやに入りはんだと、前記第2のやに入りはんだとが束ねられ、縒られ、もしくは編まれていることが好ましい。
前記やに入りはんだにおいて、1以上の前記第1のやに入りはんだと、1以上の前記第2のやに入りはんだとが、前記鉛フリーはんだ合金部分で固着してなり、一本の多芯やに入りはんだを構成することが好ましい。
前記いずれかのやに入りはんだにおいて、前記鉛フリーはんだ合金が、融点130〜250℃のSn含有鉛フリーはんだであることが好ましい。
本発明のやに入りはんだ用フラックスは、やに入りはんだの製造工程における発熱や、保管時における温度条件によって劣化することがなく、取り扱いが容易であり、かつ、はんだと一緒に使用したときには、フラックスの残渣の洗浄が不要で、電子部品の接合強度の補強が可能であるという効果を奏する。また、熱硬化性樹脂の高い絶縁性により、導体間の電気的信頼性が確保でき、かつはんだ付け後無洗浄で樹脂封止した場合でも密着性に優れた皮膜を形成できる。熱硬化性樹脂を含んでなる固体状の第1のフラックスと、酸化還元作用を有する硬化剤を含んでなる固体状の第2のフラックスとを、非接触状態で存在する別個の固体として構成することで、使用時に、熱硬化性樹脂と硬化剤との割合を変化させたりすることも容易にできる。
図1は、本発明の一実施形態に係るやに入りはんだ用フラックスを示す概念図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るやに入りはんだ用フラックスを構成する、第1のフラックスを示す図であり、図2(a)は線状やに入りはんだの平面図、図2(b)は、図2(a)のA−Aによる断面図である。 図3は、本発明の第一実施形態に係るやに入りはんだ用フラックスを構成する、第1のフラックスを示す図であり、図3(a)は線状やに入りはんだの平面図、図3(b)は、図3(a)のB−Bによる断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係るやに入りはんだ用フラックスを含んでなる、束ねた線状やに入りはんだを示す図である。 図5は、本発明の一実施形態に係るやに入りはんだ用フラックスを含んでなる、別の束ねた線状やに入りはんだを示す図である。 図6は、本発明の一実施形態に係るやに入りはんだ用フラックスを含んでなるまた別の線状やに入りはんだを示す図であり、図6(a)は線状やに入りはんだの斜視図、図6(b)は、図6(a)のC−Cによる断面図である。 図7は、本発明の第一実施形態に係るやに入りはんだ用フラックスを含んでなる、縒った線状やに入りはんだを示す図である。 図8は、本発明の一実施形態に係るやに入りはんだ用フラックスを含んでなる、編んだ線状やに入りはんだを示す図である。 図9は、本発明の一実施形態に係るやに入りはんだ用フラックスを含んでなる、球状やに入りはんだを示す図である。
次に、本発明を実施の形態を挙げて詳細に説明する。以下の説明は本発明の例示にすぎず、本発明を限定するものではない。
本発明は、第一実施形態によれば、やに入りはんだ用フラックスである。図1は、本実施形態に係るやに入りはんだ用フラックス1を説明する概念図である。本実施形態に係るやに入りはんだ用フラックスは、第1のフラックス11と、第2のフラックス12とから構成される。図示されるように、第1のフラックス11と、第2のフラックス12とは、非接触状態で存在する別個の固体状フラックスである。
第1のフラックス11は、熱硬化性樹脂主剤を含んでなる固体状フラックスである。本明細書において、固体状とは、常温、常圧の条件下で固体であることをいい、特には、融点が、50℃以上であることをいう。第1のフラックス11は、熱硬化性樹脂の主剤を主として含み、それ以外に微量の添加剤を含んでも良い。好ましくは、第1のフラックス11は、熱硬化性樹脂の主剤のみからなる。鉛フリーはんだ合金とともに使用した後に、プリント回路板などの基板に何らかの影響を与える物質を最小限とするためである。第1のフラックス11には、熱硬化性樹脂の主剤に対して硬化剤として機能し得る物質、及び熱硬化性樹脂の主剤と反応する物質は、実質的には含まれない。なお、かかる第1のフラックスは、従来の樹脂主剤と硬化剤が一緒に含まれるフラックスの成分のうち、樹脂主剤成分を主として含むものであり、フラックス主剤成分とも指称することができる。
熱硬化性樹脂の主剤としては、エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらには限定されない。特には、常温、常圧の条件下で固体であり、融点が、50〜150℃、好ましくは、70〜145℃であって、後述する酸化還元作用を有する硬化剤により硬化するエポキシ樹脂の主剤が好ましい。このようなエポキシ樹脂の主剤としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらには限定されない。また、エポキシ当量が、150〜4000g/eqのエポキシ樹脂であることが好ましい。
本実施形態による第1のフラックス11には、任意選択的に、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、チクソ剤、キレート化剤、脱泡剤、界面活性剤、および酸化防止剤が挙げられる。フラックスの総質量に対して、5質量%以下のチクソ剤、5質量%以下のキレート剤、1質量%以下の脱泡剤、2質量%以下の界面活性剤、3質量%以下の酸化防止剤を含有してもよい。ここで、フラックスの総質量とは、第1のフラックス11と第2のフラックス12とを合計した質量をいうものとする。
例えば、添加剤の一例であるチクソ剤は、熱硬化性樹脂主剤に粘性を付与して、本実施形態において第1のフラックスとして好適な融点を与えることができる点で有利であるが、必須の構成成分として含まれる必要はない。チクソ剤としては、フラックスに用いられる通常のものを用いることができ、例えば、ひまし油、硬化ひまし油等が挙げられるが、これらには限定されない。
第1のフラックス11は、典型的には、線状であるが、そのほかに、棒状、板状、球状などであってもよく、特定の形状に限定されるものではない。第1のフラックス11は、直径が例えば、0.01〜2.0(mm)、好ましくは、0.3〜0.8(mm)、最も好ましくは、0.05〜0.3(mm)の線状であってよい。あるいは、第1のフラックスは、プリフォームとして作製され、流通してもよく、この場合、鉛フリーはんだ合金とともに所望の形状に加工することができる。
次に、第1のフラックス11を、その製造方法の点から説明する。第1のフラックス11の製造方法は、常温、常圧下で固体状の熱硬化性樹脂の主剤を選択する工程と、熱硬化性樹脂の主剤を特定の形状に成形する工程とを備える。常温、常圧下で固体状の熱硬化性樹脂の主剤を選択する工程においては、上記のように、融点が、50〜150℃、好ましくは、70〜145℃であって、後述する酸化還元作用を有する硬化剤により硬化する熱硬化性樹脂を選択することができる。次に、熱硬化性樹脂の主剤を特定の形状に成形する工程においては、通常の方法で成形を行う。例えば、単独で、あるいは後述する鉛フリーはんだ合金と一緒に延伸することにより、特定の径を有する線状のフラックスに成形することができる。あるいは、プリフォームとする場合には、通常の方法に従って、目的及び用途に合わせてプリフォームを製造する。
第1のフラックス11は、使用するまで、後述する第2のフラックス12とは接触しない状態に保持される。具体的には、第1のフラックス11は、常温、常圧の条件下で、液ダレなどを生じることなく特定の形状を保ち、その表面に鉛フリーはんだ合金を被覆した状態で保持される。
次に、第2のフラックス12について説明する。第2のフラックス12は、酸化還元作用を有する硬化剤を含んでなる固体状のフラックスである。第2のフラックス12は、酸化還元作用を有する硬化剤を主として含み、これ以外に、上述の添加剤等を含んでも良い。第2のフラックス12には、熱硬化性樹脂の主剤として機能し得る物質、及び硬化剤と反応する成分は実質的に含まれない。なお、かかる第2のフラックスは、従来の樹脂主剤と硬化剤が一緒に含まれるフラックスの成分のうち、硬化剤を主として含むものであるため、フラックス硬化剤成分とも指称することができる。
第2のフラックス12の主成分となる硬化剤は、常温、常圧下で固体であって、鉛フリーはんだ合金及びはんだ付けの対象物に由来する金属酸化物に対して酸化還元作用を有するものであることが好ましい。すなわち、第1のフラックス11の主成分である熱硬化性樹脂の主剤を硬化させる作用と、フラックスにおいて酸化物を除去する活性剤として機能する作用との両方の性質を有するものが好ましい。硬化剤となる化合物としては、アミン、ハロゲン化アミン塩、ハロゲン化有機酸塩、ハロゲン化合物、有機酸、酸無水物、フェノール樹脂および、これらの混合物が挙げられるが、これらには限定されない。特には、融点が、130℃以上の硬化剤が好ましい。
例えば、エポキシ樹脂主剤に対する硬化剤としては、有機酸、特には有機カルボン酸が挙げられる。有機カルボン酸は、上記エポキシ樹脂との硬化反応、あるいは封止樹脂との反応で消費されるため、フラックス無洗浄で使用可能となる。有機カルボン酸は、2官能以上の有機カルボン酸を用いることが好ましく、例えば、飽和脂肪族系ジカルボン酸、不飽和脂肪族系ジカルボン酸、環状脂肪族系ジカルボン酸、芳香族系ジカルボン酸、アミノ基含有カルボン酸、水酸基含有カルボン酸、複素環系ジカルボン酸、またはこれらの混合物などが使用できる。
さらに具体的には、飽和脂肪族系ジカルボン酸であるコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、不飽和脂肪族系ジカルボン酸であるイタコン酸、メサコン酸、環状脂肪族系カルボン酸であるシクロブタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、側鎖のある飽和脂肪族系ジカルボン酸であるジメチルグルタル酸、メチルアジピン酸、アミノ基含有カルボン酸であるグルタミン酸、エチレンジアミン四酢酸、水酸基含有カルボン酸であるクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、複素環系ジカルボン酸であるピラジンジカルボン酸を用いることができ、その他、フェニレン二酢酸、カテコール二酢酸、ハイドロキノン二酢酸、チオプロピオン酸、チオジブチル酸、ジチオグリコール酸、またはこれらの混合物などが使用できる。はんだ濡れ性、保存安定性、フラックス硬化物の絶縁性の向上等のフラックスの諸特性を良くする観点から、有機カルボン酸は、シクロヘキセンジカルボン酸、ジメチルグルタル酸、グルタミン酸、フタル酸、イタコン酸、およびこれらの混合物からなる群から選択することが好ましい。
また、硬化剤は、熱硬化性樹脂の主剤との関係で選択することが好ましく、当業者であれば、目的及び用途に応じた好適な組み合わせを選択することができる。
第1のフラックス11について説明した、任意成分である添加剤は、第2のフラックス12に含有されていてもよい。この場合、第1のフラックス11と第2のフラックス12とに含まれる添加剤の総質量が、フラックスの総質量に対して、前述の含有量の範囲内にあることが好ましい。
図示するように、第2のフラックス12は、第1のフラックス11と同様の形状とすることができる。例えば、第1のフラックス11が線状である場合には、第2のフラックス11も線状とすることができる。この場合の、線の径や長さについては、使用方法に応じて当業者が決定することができ、同一径、同一長さであってもよいし、特定の比率としてもよい。また、図示はしないが、第1のフラックスが球状である場合には、第2のフラックスも球状とすることができる。あるいは、第1のフラックスがプリフォームの場合には、第2のフラックスもプリフォームとして製造することができる。
第2のフラックス12の製造においては、通常、固体として存在している硬化剤を溶解し、通常の方法に従って特定の形状に成形することができる。
第2のフラックス12は、はんだ付けに使用されるまで、第1のフラックス11とは接触しない状態に保持される。具体的には、第2のフラックス12は、常温、常圧の条件下で、特定の形状を保ち、その表面に鉛フリーはんだ合金を被覆した状態で保持される。
本実施形態による、第1のフラックス11と、第2のフラックス12とを含んでなる、やに入りはんだ用フラックスについて、その使用方法の観点から説明する。本実施形態によるやに入りはんだ用フラックスは、第1のフラックス11と、第2のフラックス12とが、それぞれ、鉛フリーはんだ合金に内蔵され、鉛フリーはんだ合金と一体となってやに入りはんだを構成する。そして、フラックスと鉛フリーはんだ合金とが一緒に使用される。したがって、やに入りはんだ用フラックスの使用方法は、やに入りはんだの実施形態とともに以下に詳細に説明する。
本発明におけるやに入りはんだの第1実施形態として、本発明に係るやに入りはんだ用フラックスを内蔵し、一体となった線状のやに入りはんだについて説明する。図2〜4は、線状のやに入りはんだを説明する図である。本実施形態による線状のやに入りはんだ100aは、第1のフラックス11を内蔵してなる第1のやに入りはんだと、第2のフラックス11を内蔵してなる第2のやに入りはんだとから構成される。
図2は、第1のフラックス11を内蔵してなる第1のやに入りはんだを図示する概念図である。図2(a)は、第1のやに入りはんだ21の平面図あるいは正面図である。第1のやに入りはんだ21は、線状の鉛フリーはんだ合金2の芯部に、第1のフラックス11が充填されてなる。言い換えれば、線状の第1のフラックス11の長さ方向の側面は、鉛フリーはんだ合金2に被覆されており、両方の端部は、鉛フリーはんだ合金2に被覆されていてもよく、被覆されていなくてもよい。
第1のやに入りはんだ21のA−A断面図を、図2(b)に示す。図2(b)において、線状の第1のやに入りはんだ21の芯部に第1のフラックス11が存在し、その周囲を鉛フリーはんだ合金2が被覆している。
第1のフラックス11を被覆する鉛フリーはんだ合金2は、好ましくは融点が約150〜240℃の鉛フリーはんだであり、より好ましくは融点が210〜230℃の鉛フリーはんだである。より好ましい実施態様として、融点が約190〜240℃の鉛フリーのSn含有はんだを用いる。該Sn含有鉛フリーはんだには、Snはんだ、Sn−Bi系はんだ、Sn−Ag系はんだ、Sn−Cu系はんだ、Sn−Zn系はんだ、Sn−Sb系はんだ(融点:約190〜240℃)などが含まれる。より好ましくはSn−Ag系はんだである。該Sn−Ag系はんだには、Sn−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Ag−Bi、Sn−Ag−Cu−Bi、Sn−Ag−Cu−In、Sn−Ag−Cu−S、およびSn−Ag−Cu−Ni−Geなどが含まれる。より好ましくは、Sn−3.5Ag−0.5Cu−0.1Ni−0.05Geはんだ、またはSn−3.5Ag−0.5Cuはんだである。
第1のやに入りはんだ21において、鉛フリーはんだ合金2は、第1のやに入りはんだ21の総質量に対して、例えば、90質量%以上含まれていてよく、約90〜99.9質量%含まれていてよく、約95〜99質量%含まれていることがさらに好ましい。残量の、10質量%以下、例えば、約0.1〜10質量%、好ましくは約1〜5質量%を、第1のフラックス11とすることができる。
このような第1のやに入りはんだ21の製造方法としては、通常の方法で、鉛フリーはんだ合金とフラックスとを一緒にして、はんだ径の太いやに入りはんだを作製した後、複数回の伸線工程を経て所定の太さに形成することができる。やに入りはんだの製造方法及び製造装置は当業者には良く知られており、当業者であれば、通常の方法に従って製造することが可能である。
なお、図2においては、単芯の第1のやに入りはんだ21を図示して説明したが、第1のやに入りはんだ21は多芯であってもよく、目的や用途に応じて、当業者が任意に決定することができる。
次に、第2のやに入りはんだ22を、図3に示す。図3(a)は、第2のやに入りはんだ22の平面図あるいは正面図であり、図3(b)は、図3(a)のB−B断面図である。第2のやに入りはんだ22においても、線状のやに入りはんだの芯部に第2のフラックス12があり、その周囲を鉛フリーはんだ合金2が被覆している。なお、第2のやに入りはんだ22についても、単芯には限定されず、多芯であってもよい。
鉛フリーはんだ合金2としては、上記第1のやに入りはんだ21で説明したのと同様の鉛フリーはんだ合金を用いることができる。一般的には、第1のやに入りはんだ21と、同一の鉛フリーはんだ合金を用いることができる。しかし、鉛フリーはんだ合金の組成は、限定されることなく、用途に応じて、第1のやに入りはんだ21で用いたのとは、異なる鉛フリーはんだ合金を用いてもよい。
第2のやに入りはんだ22において、鉛フリーはんだ合金2は、第2のやに入りはんだ22の総質量に対して、例えば、約90%以上含まれていてよく、約90〜99.9質量%含まれていてよく、約95〜99質量%含まれていることがさらに好ましい。残量の、例えば、約0.1〜10質量%を、好ましくは約0.1〜5質量%を、第2のフラックス12とすることができる。
第1のやに入りはんだ21と、第2のやに入りはんだ22とは、別個に製造され、別々に流通して、別々に保管されてもよく、あるいは一緒に流通して、一緒に保管されてもよい。そして、第1のやに入りはんだ21と、第2のやに入りはんだ22とは、はんだ付けにおいて、一緒に用いられる。図4に、本実施形態に係るやに入りはんだ用フラックスを内蔵した、やに入りはんだの第一実施形態を示す。図4に示すやに入りはんだ100aは、線状の第1のやに入りはんだ21と、線状の第2のやに入りはんだ22とを一本ずつ組み合わせて、束ねてなる。
図4に示すやに入りはんだ100aにおいて、線状の第1のやに入りはんだ21と、線状の第2のやに入りはんだ22とは、独立して別個の線状固体であってよく、両者が束ねられているものであって、固着している必要はない。しかし、任意選択的に、第1のやに入りはんだ21と、第2のやに入りはんだ22とは、鉛フリーはんだ合金2の部分で、部分的に固着していてもよい。
このとき、第1のやに入りはんだ21が含有する第1のフラックスと、第2のやに入りはんだ22が含有する第2のフラックスとの質量比が、第1のフラックスを構成するエポキシ樹脂の反応等量と、第2のフラックスを構成する硬化剤の反応等量との関係で決定されることが好ましい。具体的には、第1のフラックスを構成するエポキシ樹脂主剤と、第2のフラックスを構成する硬化剤との当量比が、1:0.8〜1:1.3となるようにすることが好ましく、1:0.9〜1:1.2となるようにすることがさらに好ましい。例えば、図示する線状やに入りはんだ100aにおいて、双方の長さは同一で、第1のやに入りはんだ21に含まれるエポキシ樹脂主剤と、第2のやに入りはんだ22に含まれる硬化剤の当量比が上記の範囲となるようにすることで、上記当量比を達成することができる。あるいは、第1のやに入りはんだ21の長さと、第2のやに入りはんだ22の長さを、上記当量比を達成することができるように調節することもできる。一般的に、線状のやに入りはんだは、一巻単位で流通することが多いことから、第1のやに入りはんだ21と第2のやに入りはんだ22とを、同一長さで使用すれば、第1のフラックスを構成するエポキシ樹脂主剤と、第2のフラックスを構成する硬化剤との好適な当量比が達成されるように構成することが好ましい。
図4に示すやに入りはんだ100aの使用方法は、これらを一緒にして、通常のやに入りはんだと同様の方法により使用すればよい。
次に、第2実施形態によるやに入りはんだの概念図を、図5に示す。図5に示すやに入りはんだ100bは、略同一の長さの二本の線状の第1のやに入りはんだ21と、一本の線状の第2のやに入りはんだ22とを組み合わせてなるものである。図5に示すやに入りはんだ100bにおいても、二本の第1のやに入りはんだ21と、第2のやに入りはんだ22とは、独立して別個の線状固体であってよく、両者が固着している必要はないが、任意選択的に、部分的に固着していても良い。
本実施形態においては、第1のやに入りはんだ21と、第2のやに入りはんだ22が、別々の固体であることを利用して、使用時において、使用者が決定した任意の本数比で使用することができるという利点がある。図示したやに入りはんだ100bにおいては、二本の第1のやに入りはんだ21に対し、一本の第2のやに入りはんだ22を組み合わせているが、この本数比には限定されない。一本または複数の第1のやに入りはんだと、一本または複数の第2のやに入りはんだとから構成される、やに入りはんだであればよい。第1のやに入りはんだ21の本数と第2のやに入りはんだ22との本数比は、例えば、3:1、3:2、4:1、4:3などであってもよい。
第3実施形態によるやに入りはんだの概念図を図6に示す。図6に示すやに入りはんだ100cは、第1のフラックス11と第2のフラックス12が、一本のやに入りはんだに、別々に包含されており、単線の多芯やに入りはんだを構成している。この実施形態においては、第1のやに入りはんだ21と、第2のやに入りはんだ22とが明確に区別はされていない。しかし、この形態は、1以上の第1のやに入りはんだと、1以上の第2のやに入りはんだとが、それぞれの鉛フリーはんだ合金部分で固着してなり、一本の多芯やに入りはんだを構成するものであるともいえる。そして、図6に示すはんだ100cにおいては、第1のフラックス11と第2のフラックス12とは、使用されるまで接触しない位置関係で、鉛フリーはんだ合金に内蔵されている。
第3実施形態において、第1及び第2のフラックスの組成や、熱硬化性樹脂主剤と硬化剤との組成比、それぞれの製造方法については、フラックスに関する実施形態において述べたとおりである。このようなやに入りはんだ100cは、通常の多芯やに入りはんだの製造方法に従って製造することができる。図6に示す多芯やに入りはんだ100cは、第1のフラックス11と第2のフラックス12とを、それぞれ二本ずつ内蔵したものであるが、芯の本数もしくは本数比は特定のものに限定されない。単線の多芯やに入りはんだにおいて、所定の熱硬化性樹脂主剤と硬化剤との組成比を達成するように、当業者が適宜決定することができる。
第3実施形態によるやに入りはんだ100cは、第1のフラックス11と第2のフラックス12とを接触させることなく、別個に保持できるいっぽうで、単線で用いることができるため、取り扱い易いという利点がある。
第4実施形態によるやに入りはんだの概念図を図7に示す。図7に示すやに入りはんだ100dは、別々の線状はんだとして存在する、第1のやに入りはんだ21と、第2のやに入りはんだ22とを縒ったものである。
第4実施形態において、第1及び第2のフラックスの組成や、熱硬化性樹脂主剤と硬化剤との組成比、それぞれの製造方法については、フラックスに関する実施形態において述べたとおりである。また、第4実施形態によるやに入りはんだ100dを構成する、第1及び第2のやに入りはんだについては、第1実施形態によるはんだ100aにおいて述べたとおりである。
図7においては、一例として、第1のやに入りはんだ21と、第2のやに入りはんだ22とを各一本ずつ縒ってできたやに入りはんだ100dを示しているが、この本数比には限定されない。一本または複数の第1のやに入りはんだと、一本または複数の第2のやに入りはんだとを縒って得られる、やに入りはんだであればよい。縒るときの本数ならびに本数比は任意であり、目的に応じた本数及び本数比の第1のやに入りはんだ21と、第2のやに入りはんだ22とを縒ることができる。
本実施形態においては、第1のやに入りはんだ21と、第2のやに入りはんだ22とを縒ることで、次のようなという利点がある。すなわち、熱硬化性樹脂の主剤を主として含む第1のフラックス11を内蔵してなる第1のやに入りはんだ21と、酸化還元作用を有する硬化剤を主として含む第2のフラックス12を内蔵してなる第2のやに入りはんだ22とを縒ってやに入りはんだ100dを構成しているので、やに入りはんだ100dを加熱し、はんだが溶融する際に、同時に主剤と硬化剤とが溶融し混合するようにすることができる。
また、縒った形態とすることで、はんだ付け工程において第1のやに入りはんだ21と第2のやに入りはんだ22とを別々に供給する手間が省けるという利点もある。
さらに、縒り合わされる第1のやに入りはんだ21と第2のやに入りはんだ22との本数比などを調整することにより、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂の主剤と、熱硬化性樹脂の主剤を硬化させる作用とはんだ付けに必要な酸化還元作用とを有する硬化剤との比率を目的の比率にして供給することも可能となる。
さらに、通常の多芯線や圧延線などのやに入りはんだでは、製造の際に発熱などによるやに入りはんだのやにの部分が熱変性してしまうことなどが問題であったが、熱硬化性樹脂の主剤と硬化剤とが使用時まで接触することがないようにしているので、製造の際における上記の問題を回避することができる。
さらにまた、通常の単芯または多芯のやに入りはんだでは、急激な加熱によるフラックスの蒸発の際に逃げ場がなく,それに伴い発生するフラックスやはんだの飛散などが問題となる場合があるが、縒った形態では、第1のやに入りはんだ21と第2のやに入りはんだ22との接触部に隙間が生まれるため、上記の問題を抑止できるという利点もある。
第5実施形態によるやに入りはんだの概念図を図8に示す。図8に示すやに入りはんだ100eは、複数の第1のやに入りはんだ21と、複数の第2のやに入りはんだ22とを、複数本ずつ、編んでなる。
第5実施形態において、第1及び第2のフラックスの組成や、熱硬化性樹脂主剤と硬化剤との組成比、それぞれの製造方法については、フラックスに関する実施形態において述べたとおりである。また、第5実施形態によるやに入りはんだ100eを構成する、第1及び第2のやに入りはんだについては、第1実施形態によるはんだ100aにおいて述べたとおりである。
本実施形態は編まれたやに入りはんだを意図し、説明するものであって、図示した態様は一実施形態を例示するに過ぎず、当業者であれば、種々の線状はんだの編み方を理解し、実施することができる。本実施形態においては、第1のやに入りはんだ21と、第2のやに入りはんだ22とを編むことで、上記第4実施形態において述べた縒った形態と概ね同様の利点が得られる。
第6実施形態によるやに入りはんだの概念図を図9に示す。図9に示すやに入りはんだ100fは、球状はんだである。図9(a)に示すように、球状の第1のやに入りはんだ21、及び球状の第2のやに入りはんだ22においては、その表面は、実質的に、あるいは完全に鉛フリーはんだ合金2で覆われ、外観からはフラックスが見えないようになっている。図9(a)の断面図を、図9(b)に示す。球状の第1のやに入りはんだ21においては、第1のフラックス11が、球状体の中心に存在し、鉛フリーはんだ合金2がその表面を実質的に、あるいは完全に被覆している。球状の第2のやに入りはんだ22においても、第2のフラックス12が、球状体の中心に存在し、鉛フリーはんだ合金2がその表面を実質的に、あるいは完全に被覆している。
第6実施形態において、第1及び第2のフラックスの組成や、熱硬化性樹脂主剤と硬化剤との組成比、それぞれの製造方法については、フラックスに関する実施形態において述べたとおりである。
ここでは、球状の第1のやに入りはんだ21と、球状の第2のやに入りはんだ22の大きさ及び内包されているフラックスの体積が同一の場合を例示したが、二つの球状体の大きさが異なってもよい。あるいは球状体の大きさは同一で、内部に含有される第1のフラックス11と、第2のフラックス12との体積及び質量が異なっていてもよい。また、球状の第1のやに入りはんだ21と、球状の第2のやに入りはんだ22の球状体の大きさ及び内包されているフラックスの体積が同一の場合に、先の実施形態によるやに入りはんだ100bにおいて説明した場合と同様に、使用時に、異なる数量の第1のやに入りはんだ21と、第2のやに入りはんだ22とを組み合わせて用いても良い。さらには、各やに入りはんだが球状体には限定されず、粒状体や、棒状であってもよい。
本発明の第1〜第6の実施形態によるやに入りはんだによれば、第1のフラックスと第2のフラックスとが、それぞれ鉛フリーはんだ合金に覆われており、使用時までは接触することがない構造的特徴を備える。これにより、やに入りはんだの保管性を向上させつつ、従来のロジン系やに入りはんだと異なり、熱硬化性樹脂系やに入りはんだの利点を生かすことができる。
以下に、本発明を、実施例を参照してより詳細に説明する。以下の実施例は、本発明の一例を示すものにすぎず、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例のやに入りはんだ]
第1のフラックスとして、エポキシ樹脂からなるフラックスを、第2のフラックスとして、有機酸からなるフラックスを調製した。これらをそれぞれ用い、一般的なロジン系やに入りはんだの作製方法を用いて、第1のやに入りはんだ、第2のやに入りはんだを作製した。エポキシ樹脂主剤として、実施例1では、AER260(旭化成イーマテリアルズ製 ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量192g/eq、常温、常圧下にて液状)を用い、実施例2では、YD−011(新日鉄住金化学製 ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量500g/eq、融点70℃)を用い、実施例3では、YD−019(新日鉄住金化学製 ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量3300g/eq、融点145℃)を用いた。実施例2、3のエポキシ樹脂主剤は、常圧下にて固体であった。有機酸としては、実施例1、2、3とも、cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸(無水物の融点98℃)を用いた。
実施例1〜3において、鉛フリーはんだ合金としては、Sn−3.0Ag−0.5Cu質量%を用いた。いずれの実施例においても、線状の第1のやに入りはんだ(主剤線ともいう)における、第1のフラックスと鉛フリーはんだ合金の質量比は、5:95であった。また、線状の第2のやに入りはんだ(硬化剤線ともいう)における、第2のフラックスと鉛フリーはんだ合金の質量比は、主剤線に使用されるエポキシ樹脂と硬化剤線に使用される硬化剤との当量比が1:1となるように設定しており、上記質量比は、実施例1では、2.25:97.75、実施例2では、0.86:99.14、実施例3では、0.13:99.87であった。
第1及び第2のやに入りはんだ製造の際に、常温で固体のものは融点以上に加温し、従来の方法にしたがって、製造した。第1及び第2のやに入りはんだの双方とも、φ0.3に伸線したものを同じ長さに切断し、第1のやに入りはんだに相当するエポキシ樹脂線、第2のやに入りはんだに相当する硬化剤線を、図7に例示するように、一本ずつ、縒ったものを評価用やに入りはんだとした。
用いたエポキシ樹脂主剤、硬化剤、並びに第1のやに入りはんだに含まれる単位長さあたりのエポキシ樹脂と、第2のやに入りはんだに含まれる硬化剤との質量比は、以下の表1に示す。
次に、このようにして得られた実施例1〜3のやに入りはんだについて、以下の4項目を試験した。
(評価項目と判定基準)
(1)製造性
従来のやに入りはんだの製造方法による、製造の可否を判断した。下記の表中、「○」は問題なく製造可、「△」は、製造は可能だが、フラックスもれあり、「×」は製造不可能であったことを示す。
(2)はんだ付け性
350℃のはんだごてを用いてはんだ付けしたのち、再度こて先をはんだ付け部に当て、つのがでるまでの回数をカウントして評価した。下記の表中、「○」は3回以上、「△」は1回以上3回未満、「×」は最初からつのあり、であったことを示す。
(3)保存安定性
常温放置した状態で何日後まではんだ付け可能か、物性の経時変化を評価した。下記の表中、「○」は6ヶ月以上、「△」は1ヶ月以上3ヶ月以内、「×」は1ヶ月未満であったことを示す。
(4)硬化性
微小硬度計(エリオニクス製ENT1100a)にてはんだ付け後のフラックス弾性率を評価した。下記の表中、「○」は1GPa以上、「△」は0.5GPa以上1GPa未満、「×」は0.5GPa未満であったことを示す。
[比較例のやに入りはんだ]
比較例として、第1のフラックスと、第2のフラックスとを別々に製造することなく、いっしょにフラックス組成物としたやに入りはんだの製造を試みた。エポキシ樹脂の主剤としてAER260を、硬化剤として有機酸cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸を、下記の表1に示すとおりに計量し、エポキシ樹脂中に有機酸を添加し、加熱混合した。主剤と硬化剤の化合物は、実施例1と同一であった。加熱混合の際にエポキシ樹脂と有機酸が架橋反応を開始し、硬化したため、やに入りはんだの製造は不可能であった。したがって、はんだ付け性や保存安定性、硬化性の評価はできなかった。
結果を以下の表に示す。
Figure 2015033714
本発明に係るやに入りはんだ用フラックス及びこれを内蔵してなるやに入りはんだは、電子部品のはんだ付けに好ましく用いられる。
1 やに入りはんだ用フラックス
11 熱硬化性樹脂を含んでなる第1のフラックス
12 硬化剤を含んでなる第2のフラックス
2 鉛フリーはんだ合金
21 第1のやに入りはんだ線
22 第2のやに入りはんだ線
100a 第1実施形態によるやに入りはんだ
100b 第2実施形態によるやに入りはんだ
100c 第3実施形態によるやに入りはんだ
100d 第4実施形態によるやに入りはんだ
100e 第5実施形態によるやに入りはんだ
100f 第6実施形態によるやに入りはんだ

Claims (13)

  1. やに入りはんだ用フラックスであって、
    熱硬化性樹脂の主剤を含んでなる固体状の第1のフラックスと、
    酸化還元作用を有する硬化剤を含んでなる固体状の第2のフラックスと
    を含み、前記第1のフラックスと、前記第2のフラックスとが、非接触状態で存在する、やに入りはんだ用フラックス。
  2. 前記第1のフラックスと、前記第2のフラックスとが、各々1以上含まれる、請求項1に記載のやに入りはんだ用フラックス。
  3. 前記第1のフラックスと、前記第2のフラックスとが、別個に、鉛フリーはんだ合金に少なくとも部分的に被覆されている、請求項1または2に記載のやに入りはんだ用フラックス。
  4. 前記部分的に被覆された第1のフラックスと、前記第2のフラックスとが、束ねられ、もしくは縒られている、請求項3に記載のやに入りはんだ用フラックス。
  5. 前記熱硬化性樹脂の融点が、50〜150℃である請求項1に記載のやに入りはんだ用フラックス。
  6. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のやに入りはんだ用フラックス。
  7. 前記酸化還元作用を有する硬化剤が、アミン、ハロゲン化アミン塩、ハロゲン化有機酸塩、ハロゲン化合物、有機酸、酸無水物、フェノール樹脂および、これらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載のやに入りはんだ用フラックス。
  8. 前記熱硬化性樹脂主剤と前記硬化剤との当量比が、1:0.8〜1.3である請求項1〜7のいずれかに記載のやに入りはんだ用フラックス。
  9. 請求項1に記載のやに入りはんだ用フラックスと、鉛フリーはんだ合金とを含んでなるやに入りはんだであって、
    前記鉛フリーはんだ合金に前記第1のフラックスが内蔵されてなる1以上の第1のやに入りはんだと、前記鉛フリーはんだ合金に前記第2のフラックスが内蔵されてなる1以上の第2のやに入りはんだとから構成される、やに入りはんだ。
  10. 前記第1のやに入りはんだと、前記第2のやに入りはんだとが、別個の線状はんだである、請求項9に記載のやに入りはんだ。
  11. 前記第1のやに入りはんだと、前記第2のやに入りはんだとが束ねられ、縒られ、もしくは編まれている、請求項10に記載のやに入りはんだ。
  12. 前記やに入りはんだにおいて、1以上の前記第1のやに入りはんだと、1以上の前記第2のやに入りはんだとが、前記鉛フリーはんだ合金部分で固着してなり、一本の多芯やに入りはんだを構成する、請求項9に記載のやに入りはんだ。
  13. 前記鉛フリーはんだ合金が、融点130〜250℃のSn含有鉛フリーはんだ合金である、請求項9〜12のいずれかに記載のやに入りはんだ。
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