JP2015033470A - カップ型マスク - Google Patents
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Abstract
Description
そして、着用者がじん埃やウイルスなどを吸引するのを防止できるように、カップ型マスクには、着用者の顔面との間に隙間が生じないようにして着用できることが求められている。
なお、特許文献1に開示されているマスクはフィルタ部を補強するため、着用者側の内面において着用者から離れる方向へ突出する縦溝を、左右方向へ平行を成すようにして設けることを開示している。
更に、着用時や着用中にカップ型マスクに意図せず凹みが生じ易いという前記問題は、多孔性基材にフィルタ性能などの機能性を有する別途用意した通気性を有する多孔性の素材を積層してなるマスク本体部を備えたカップ型マスクにおいて、発生し易い傾向があった。
「しめひもとカップ型の形状をした多孔性基材を備えたカップ型マスクであって、
前記しめひもは、前記多孔性基材の左右方向の両端部分に設けられており、
前記多孔性基材は、主面上における前記しめひも同士の間に溝を有しており、
前記溝はアーチ状部分を有する形状であり、
前記溝のアーチ状部分が、前記多孔性基材の主面上における前記しめひも同士の中間を向いている、
カップ型マスク。」
である。
つまり、しめひもによりカップ型マスクを着用者の顔面へ押し付けて保持する際に、多孔性基材の主面上において前記中間からしめひもへ向かう方向に作用する張力を、溝におけるアーチ状部分が支えることができるため、前記張力が分散して、意図せず凹みが生じるのを防止できると考えられる。
そのため、本発明のカップ型マスクは、着用時や着用中に意図せず凹みが生じるのを防止できる。
なお、図1−2では、多孔性基材の一部がカップ型マスクにおける着用者の顔面側(図1における紙面上の奥側、図2における紙面上の下側)に突出することで形成された溝を備える、カップ型マスクを図示している。また、図2ではしめひもの一部を省略してカップ型マスクを図示している。
しめひも(1)はカップ型マスク(10)を着用者の顔面へ押し付けて保持する役割を担う。
多孔性基材(2)は主として、カップ型マスク(10)におけるカップ型の立体形状を保持すると共に、カップ型マスク(10)の着用時や着用中にカップ型マスク(10)に意図せず凹みが生じるのを防止する役割を担う部材である。なお、ここでいうカップ型とは、図2に図示しているように、マスクの外周に対して中央部分が着用者の顔面から離れる方向(図2における紙面上の上方向)へ突出している形状を指す。
ここでいう左右方向(A)とは多孔性基材(2)における、着用者がカップ型マスク(10)を着用した際に着用者の鼻と口を結ぶ方向(B、以降、上下方向と称することがある)と直交する方向を意味する。なお、しめひも(1)は多孔性基材(2)の外周に設けられている態様に限定されるものではなく、図1に図示した態様のように、多孔性基材(2)の主面上における前記外周の近隣(多孔性基材(2)の外周から、多孔性基材(2)の中央側に寄った位置)にしめひも(1)が設けられている態様も含む。
1.多孔性基材(2)の主面と直交する方向における多孔性基材(2)の外側から、溝(3)を正面にとらえた写真を撮影することで、溝(3)の平面図を作成する。
2.平面図に図示されている溝(3)に対し、平面図における中間側(図3では、溝(3)に対する紙面上の左方向側)に上下方向(B)と平行をなす直線(b)を作成する。
なお、写真に写る溝(3)の輪郭線が部分的に不鮮明で溝(3)の形状が不明確な場合には、前記不鮮明な部分において最短距離をなし隣接する輪郭線同士を結ぶことで、一つの輪郭線で囲まれた形状を作成し、その形状を溝(3)の形状とする。
3.直線(b)と溝(3)の最短距離をなす線分(a)を作成する。
4.溝(3)における上下方向(B)の各端部(t1、t2)を選出し、直線(b)と溝(3)における一方の端部(t1)との最短距離をなす線分(c1)、および、直線(b)と溝(3)におけるもう一方の端部(t2)との最短距離をなす線分(c2)を作成する。
また、直線(b)と最短距離をなす溝(3)の部分(以降、アーチ形状のトップ部分、と称することがある)が、中間(5)としめひも(1)を結ぶ線分上に存在していると、更に上述の効果が効果的に発揮され好ましい。
つまり、しめひも(1)によりカップ型マスク(10)を着用者の顔面へ押し付けて保持する際に、多孔性基材(2)の主面上における前記中間(5)からしめひも(1)へ向かう方向に作用する張力を、溝(3)におけるアーチ状部分が支えることができるため、前記張力が分散して、意図せず凹みが生じるのを防止できる。
なお、本発明でいう「目付」とは主面における面積1m2あたりの質量をいい、主面とは面積が広い面をいう。また、本発明でいう「厚さ」は、圧縮弾性式厚み計により計測した値であり、具体的には測定対称物の主面に対して5cm2の荷重領域に100gfの荷重をかけた際の前記領域における厚さの値をいう。
1.複数の素材や、多孔性基材(2)と別途用意した素材を一体化することなく、ただ重ね合わせる方法、
2.各素材を重ね合わせてなる積層体や、多孔性基材(2)と別途用意した素材を重ね合わせてなる積層体を、例えばニードルパンチ装置や水流絡合装置に供することで絡合する方法、
3.各素材を重ね合わせてなる積層体や、多孔性基材(2)と別途用意した素材を重ね合わせてなる積層体を、加熱手段に供することで素材の構成成分を溶融させて一体化する方法、
4.バインダやホットメルト樹脂などの接着剤を間に介在させて、各素材や、多孔性基材(2)と別途用意した素材を接着一体化する方法、
5.各素材を重ね合わせてなる積層体や、多孔性基材(2)と別途用意した素材を重ね合わせてなる積層体の周辺を縫製や接着、あるいは、超音波融着を用いたポイントシール処理などを施して、融着し一体化する方法、
などを用いることができる。
このとき、多孔性基材(2)の主面に後述する溝(3)を形成できるように、表面に求める形状の溝(3)を形成可能な凹凸を備えたマスク成形型を使用するのが好ましい。
上述の素材は、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリエーテル系樹脂(ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、エポキシ系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、二トリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)など、公知の有機ポリマーからなることができる。
繊維ウエブを加熱処理する方法として、例えば、カレンダーロールにより加熱加圧する方法、熱風乾燥機により加熱する方法、無圧下で赤外線を照射する方法などを用いることができる。
また、直接紡糸法を用いて、紡糸溶液や溶融した樹脂を細径化して直接紡糸すると共に繊維を捕集して不織布を調製してもよい。
そして、機能性成分は素材の表面及び/又は内部に粒子状、あるいは、前記素材の表面(例えば、繊維表面など)の一部または全部を被覆するように皮膜状で存在していることができる。
前記素材を帯電させる手段として、例えば、プラズマ帯電処理やコロナ帯電などイオンを注入して帯電させる手段、極性液体を介して力を作用させて帯電させる手段、複数種類の繊維成分を摩擦して帯電させる手段など、公知の手段を適宜選択して、又は組み合わせて利用できる。
また、当該添加量が5質量%を超えた場合、素材の強度が劣る傾向にある。そのため、より好ましくは当該添加量を4質量%以下とする。
また、液体帯電過程において使用される極性液体の温度は、素材を帯電できるのであれば、限定されるものではないが、40℃以下であることが好ましい。
乾燥処理に使用する装置は、例えば、キャンドライヤやカレンダなどの加熱ローラ、熱風ドライヤ、熱風乾燥機、電気炉、ヒートプレートなど、公知の装置を挙げられる。乾燥処理における温度は、好ましくは120℃以下、より好ましくは105℃以下、さらに好ましくは90℃以下である。
あるいは、上述の乾燥装置を使用することなく自然乾燥する、または、超音波や振動を作用させて極性液体を除くなど、素材が熱を受け難い乾燥処理を行っても良い。
不織布を帯電させる手段として、複数種類の繊維成分を摩擦して帯電させる手段を利用する場合、フラットカードやローラーカードに代表されるカード装置の他、ガーネット装置或いはエアレイ法に属する装置を用いると、繊維同士が互いに摩擦しやすいため好ましい。また、最終的に得られる帯電された素材の強度を高めると共に帯電量の向上を図るために、ニードルパンチ装置に供してなる不織布であるのが好適である。
多孔性基材(2)の主面上における溝(3)の左右方向(A)の長さは1mm〜200mmであることができ、3mm〜160mmであることができ、5mm〜120mmであることができる。溝(3)の深さは0.1mm〜80mmであることができ、0.5mm〜60mmであることができ、1mm〜40mmであることができる。なお、溝(3)の左右方向(A)の長さは、均一であることも、不均一であることもできる。
なお、間に保持部材(4)を介してしめひも(1)が多孔性基材(2)に設けられている場合、前記保持部材(4)も、しめひも(1)の構成部材としてみなす。
なお、多孔性基材(2)の主面や、多孔性基材(2)と後述する別途用意した素材の積層体の主面に保持部材(4)を固定する方法は適宜選択するものであり限定されるものではないが、例えば、バインダで接着する方法、溶着させる方法、縫い付ける方法などを挙げることができる。
接顔体(6)を備えたカップ型マスク(20)であると、カップ型マスク(20)と着用者の顔面の間に隙間が形成され難くなり、隙間を通過したじん埃やウイルスを着用者が吸引するという問題を防止でき好ましい。
接顔体(6)の形状や大きさ、カップ型マスク(20)における接顔体(6)を設ける位置や数は適宜調整するが、本発明で使用できる接顔体の模式的平面図である図6に図示しているように中心部分に開口(7)を有する略環帯形状をした接顔体(6)であるのが好ましい。このような形状をした接顔体(6)であることによって、着用者の口と鼻が前記接顔体(6)の開口(7)に納まり、上述の問題が発生するのを防止でき好ましい。
特に、カップ型マスク(20)が帯電された素材を用いて調製された接顔体(6)を備えていると、じん埃やウイルスが接顔体(6)を通過するのを防止できるため、更にじん埃の捕集性能に優れたカップ型マスク(20)を提供でき好ましい。
以下の組成の繊維を混合してカード装置に供することで、目付が40g/m2の乾式ウェブAを調製した。
・ポリエチレン/ポリプロピレン芯鞘型複合繊維(繊度:6.6dtex、繊維長:102mm):70質量%
・ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートコポリマーサイドバイサイド型複合繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm):25質量%
・エチレン−エチレン酢酸ビニル共重合体/ポリプロピレン芯鞘型複合繊維(繊度:3.3dtex、繊維長:64mm):5質量%
次いで、以下の組成の繊維を混合してカード装置に供することで、目付が40g/m2の乾式ウェブBを調製した。
・ポリエチレン/ポリプロピレン芯鞘型複合繊維(繊度:20dtex、繊維長:102mm):30質量%
・ポリエチレン/ポリプロピレン芯鞘型複合繊維(繊度:6.6dtex、繊維長:102mm):65質量%
・エチレン−エチレン酢酸ビニル共重合体/ポリプロピレン芯鞘型複合繊維(繊度:3.3dtex、繊維長:64mm):5質量%
そして、乾式ウェブAと乾式ウェブBを積層し、乾式ウェブA側からニードルパンチ処理を行うことで、ニードルパンチ積層不織布(目付:80g/m2)を調製した。
「ニードルパンチ積層不織布の調製方法」の項目で調製したニードルパンチ積層不織布を2枚積層して積層体を用意した。そして、積層体を加熱温度が180℃となるように調整したオーブンへ入れ、30秒間加熱処理を行った。
その後、表面が平滑なマスク成形型を用いて、加熱処理した積層体を10秒間プレス成型処理することで、溝を有していないカップ型の形状をした多孔性基材を調製した。
上述のようにして調製した多孔性基材を正面から撮影した写真を図7に図示した。
最後に、図1に図示した態様のように、多孔性基材の外周から中央側に寄った位置に、紐を掛ける切れ込みを備えた平板状の部材を超音波融着によって一体化させ、前記切れ込みに紐を引っ掛け固定して、しめひもを備えたカップ型マスクを調製した。
溝を形成可能な凹凸を表面に備えたマスク成形型を用いて、着用者の顔面側に多孔性基材の一部を突出させて溝を形成したこと以外は、比較例1と同様にして、溝を有するカップ型の形状をした多孔性基材を調製した。
上述のようにして調製した多孔性基材を正面から撮影した写真を図8に図示した。
最後に、上述のようにして調製した、溝を有するカップ型の形状をした多孔性基材を用いたこと以外は比較例1と同様にして、カップ型マスクを調製した。
なお、多孔性基材に設けられた溝の態様は以下の通りであった。
・溝の形状:略く字型形状(アーチ状部分が中間を向いている)
・溝の大きさ:上下方向に50mm、左右方向に10mm
・溝の深さ:4mm
・溝の総数:4つ
・溝の配置:中間を通り上下方向(B)と平行をなす直線に対して線対称をなすようにして、前記中間と各しめひも(紐を掛けた平板状の部材)間に各々2つずつ配置されており、中間には溝が設けられていない。
・溝におけるアーチ形状のトップ部分が、中間と各しめひも(紐を掛けた平板状の部材)を結ぶ線分上に存在する。
・中間と各しめひも(紐を掛けた平板状の部材)間に設けられた溝における、溝の中心部分同士の間隔:12mm
実施例1で形成した溝の形状と異なる溝を形成可能な凹凸を表面に備えた別のマスク成形型を用いて、着用者の顔面側に多孔性基材の一部を突出させて溝を形成したこと以外は、比較例1と同様にして、溝を有するカップ型の形状をした多孔性基材を調製した。
上述のようにして調製した多孔性基材を正面から撮影した写真を図9に図示した。
最後に、上述のようにして調製した、溝を有するカップ型の形状をした多孔性基材を用いたこと以外は比較例1と同様にして、カップ型マスクを調製した。
なお、多孔性基材に設けられた溝の態様は以下の通りであった。
・溝の形状:直線型形状(多孔性基材の主面上における上下方向(B)と溝の長辺方向が平行であり、アーチ状部分を有していない)
・溝の大きさ:上下方向に50mm、左右方向に10mm
・溝の深さ:4mm
・溝の総数:4つ
・溝の配置:中間を通り上下方向(B)と平行をなす直線に対して線対称をなすようにして、前記中間と各しめひも(紐を掛けた平板状の部材)間に各々2つずつ配置されており、中間には溝が設けられていない
・中間と各しめひも(紐を掛けた平板状の部材)間に設けられた溝における、溝の中心部分同士の間隔:15mm
実施例1および比較例2で形成した溝の形状と異なる溝を形成可能な凹凸を表面に備えた別のマスク成形型を用いて、着用者の顔面側に多孔性基材の一部を突出させて溝を形成したこと以外は、比較例1と同様にして、溝を有するカップ型の形状をした多孔性基材を調製した。
上述のようにして調製した多孔性基材を正面から撮影した写真を図10に図示した。
最後に、上述のようにして調製した、溝を有するカップ型の形状をした多孔性基材を用いたこと以外は比較例1と同様にして、カップ型マスクを調製した。
なお、多孔性基材に設けられた溝の態様は以下の通りであった。
・溝の形状:直線型形状(多孔性基材の主面上における左右方向(A)と溝の長辺方向が平行であり、アーチ状部分を有していない)
・溝の大きさ:上下方向に15mm、左右方向に70mm
・溝の深さ:3mm
・溝の総数:3つ
・溝の配置:中間を通り左右方向(A)と平行をなす1つの溝と、中間とマスクの上側端部の間、および、中間とマスクの下側端部の間に各々1つずつ溝が配置されている
・溝の中心部分同士の間隔:17mm
「ニードルパンチ積層不織布の調製方法」の項目で調製したニードルパンチ積層不織布を2枚積層して積層体を用意した。そして、積層体を加熱温度が180℃となるように調整したオーブンへ入れ、1分間加熱処理を行った。
その後、実施例1および比較例2−3で形成した溝の形状と異なる溝を形成可能な凹凸を表面に備えたマスク成形型を用いて、着用者の顔面側に多孔性基材の一部を突出させて溝を形成して、加熱処理した積層体を10秒間プレス成型処理することで、溝を有するカップ型の形状をした多孔性基材を調製した。
上述のようにして調製した多孔性基材を正面から撮影した写真を図11に図示した。
最後に、上述のようにして調製した、溝を有するカップ型の形状をした多孔性基材を用いたこと以外は比較例1と同様にして、カップ型マスクを調製した。
なお、多孔性基材に設けられた溝の態様は以下の通りであった。
・溝の形状:略く字型形状(アーチ状部分が中間を向いている)
・溝の大きさ:上下方向に60mm、左右方向に10mm
・溝の深さ:4mm
・溝の総数:4つ
・溝の配置:中間を通り上下方向(B)と平行をなす直線に対して線対称をなすようにして、前記中間と各しめひも(紐を掛けた平板状の部材)間に各々2つずつ配置されており、中間には溝が設けられていない
・溝におけるアーチ形状のトップ部分が、中間と各しめひも(紐を掛けた平板状の部材)を結ぶ線分上に存在する。
・中間と各しめひも(紐を掛けた平板状の部材)間に設けられた溝における、溝の中心部分同士の間隔:15mm
また、実施例2の多孔性基材は、多孔性基材の外側の主面上における、着用者の顔面から最も離れた、中間以外の部分(マスクの上側端部近隣)に、上述した溝と異なる別の溝を1つ備えているものであった。
別の溝の態様は以下の通りであった。
・溝の形状:直線型形状(多孔性基材の主面上における左右方向(A)と溝の長辺方向が平行)
・溝の大きさ:上下方向に12mm、左右方向に35mm
・溝の深さ:3mm
実施例および比較例で調製したカップ型マスクにおける、多孔性基材の内側主面と紐で囲われた空間に、着用者の顔面として見立てた円柱(直径:110mm、長さ:150mm以上)を挿入し、多孔性基材から円柱に向かう方向へ、紐を引張った。
そして、多孔性基材の主面上におけるしめひも(紐を掛けた平板状の部材)同士の間に凹みが生じたときの、紐を引張っている力の値を、多孔性基材の主面上において中間からしめひも(紐を掛けた平板状の部材)へ向かう方向に作用する張力の大きさとみなし評価した。
なお、形状変化測定は各々3回行い、得られた各結果の算術平均値を前記張力の大きさ(単位:N)とみなした。
(液体帯電処理したメルトブロー不織布の調製方法)
体積固有抵抗値が1016程度(Ω・cm)である市販のポリプロピレン樹脂を用い、メルトブロー不織布(目付:50g/m2、平均繊維径:6μm)を調製した。
得られたメルトブロー不織布を、極性液体として電気伝導度が3.2(μS/cm)、温度が20±5℃の範囲に保たれた純水(蒸留、イオン交換を経た二次蒸留水に相当)が保持された浴槽内に搬送し、純水を付与した後、周波数20kHzの超音波を作用させた。次いで、超音波を作用させたメルトブロー不織布を、コンベヤ式ドライヤーを用いて105℃で乾燥し、液体帯電処理したメルトブロー不織布(目付:50g/m2、平均繊維径:6μm)を調製した。
(摩擦帯電処理したニードルパンチ不織布の調製方法)
体積固有抵抗値が1016程度(Ω・cm)である市販のポリプロピレン繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)と、アクリル系繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)を、60℃の温水で洗浄し、繊維に付着した繊維油剤の量を繊維質量に対して0.1%以下になるように調整した後、混合比が(ポリオレフィン系繊維:アクリル系繊維=40質量%:60質量%)となるように均一に混ぜ合わせて、乾燥させた。
この混ぜ合わせた繊維をカード装置によって乾式ウェブCとすると共に摩擦帯電させ、この乾式ウェブCをポリプロピレンスパンボンド不織布(目付:15g/m2)に積層した後、乾式ウェブC側からニードルパンチ処理を行い、摩擦帯電処理したニードルパンチ不織布(目付:160g/m2)を調製した。
(スパンボンド不織布の調製方法)
目付20g/m2のポリプロピレンスパンボンド不織布を用意した。
(積層不織布の調製方法)
上述のようにして調製した各不織布を、以下の番号順に上層から下層へ向かい積層することで、積層不織布を調製した。
1.スパンボンド不織布
2.液体帯電処理したメルトブロー不織布
3.摩擦帯電処理したニードルパンチ不織布(ポリプロピレンスパンボンド不織布が下層側に面している)
4.摩擦帯電処理したニードルパンチ不織布(ポリプロピレンスパンボンド不織布が上層側に面している)
5.液体帯電処理したメルトブロー不織布
6.スパンボンド不織布
そして、積層不織布をサインカーブ形状に超音波溶断して、一つだけ凸形を有する略半円形状に溶断すると共に、溶断部において各不織布層間を融着一体化した。
次いで、積層不織布の融着一体化してなる融着線が中心となるように、略半円形状の積層不織布の直線部分を左右に展開することで、上層から下層へ向かい、スパンボンド不織布−液体帯電処理したメルトブロー不織布−摩擦帯電処理したニードルパンチ不織布(ポリプロピレンスパンボンド不織布が下層側に面している)の順で積層されてなる、計3枚の不織布が積層した態様をなすカップ型の形状をした積層不織布を調製した。
(コロナ帯電処理された接顔体の調製方法)
ポリエチレン/ポリプロピレン芯鞘型複合繊維(繊度:3.3dtex、繊維長:64mm)をカード装置に供することで、目付10g/m2の乾式ウェブDを調製した。
次いで、ポリエチレン/ポリプロピレン芯鞘型複合繊維(繊度:3.3dtex、繊維長:64mm)20質量%とポリプロピレン繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)80質量%を混合して、カード装置に供することで、目付40g/m2の乾式ウェブEを調製した。
このようにして調製された乾式ウェブDと乾式ウェブEを積層し、水流絡合処理に供することで互いの繊維を絡み合わせ、その後、乾燥することで、水流絡合不織布(目付:50g/m2)を調製した。
そして上述のようにして調製した水流絡合不織布を2枚積層して、コロナ放電処理(15kv)を行った後、図6に図示した略環帯形状となるように打ち抜くことで、開口と外周との最短距離が10mmの、コロナ帯電処理された接顔体を調製した。
(カップ型マスクの調製方法)
実施例1で調製した多孔性基材の正面側(多孔性基材における外側の主面側)に「カップ型の形状をした積層不織布の調製方法」の項目で調製したカップ型の形状をした積層不織布を積層した後、「コロナ帯電処理された接顔体の調製方法」の項目で調製したコロナ帯電処理された接顔体における全外周と、上述のようにして調製された多孔性基材と積層不織布を積層したものにおける、多孔性基材側の全外周を接触させ、超音波融着により各部材における全外周を互いに一体化して、接顔体を備えるマスク本体部を調製した。
最後に、図1に図示した態様のように、多孔性基材の外周から中央側に寄った位置に、紐を掛ける切れ込みを備えた平板状の部材を超音波融着によって一体化させ、前記切れ込みに紐を引っ掛け固定して、しめひもを備えたカップ型マスクを調製した。
実施例2で調製した多孔性基材を用いたこと以外は実施例3と同様にして接顔体を備えるマスク本体部を調製し、しめひもを備えたカップ型マスクを調製した。
1・・・しめひも
2・・・多孔性基材
3・・・溝
4・・・保持部材(しめひもの構成部材)
5・・・多孔性基材の主面上におけるしめひも同士の中間
6・・・接顔体
7・・・接顔体の開口
t1、t2・・・溝における上下方向の端部
c1、c2・・・直線(b)と溝における上下方向の端部との最短距離をなす線分
a・・・直線(b)と溝の最短距離をなす線分
b・・・上下方向と平行をなす直線
A・・・左右方向
B・・・上下方向
Claims (1)
- しめひもとカップ型の形状をした多孔性基材を備えたカップ型マスクであって、
前記しめひもは、前記多孔性基材の左右方向の両端部分に設けられており、
前記多孔性基材は、主面上における前記しめひも同士の間に溝を有しており、
前記溝はアーチ状部分を有する形状であり、
前記溝のアーチ状部分が、前記多孔性基材の主面上における前記しめひも同士の中間を向いている、
カップ型マスク。
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