JP2015033223A - 単独運転検出回路、単独運転検出方法、当該単独運転検出回路を備えたインバータ装置、および、電力システム - Google Patents

単独運転検出回路、単独運転検出方法、当該単独運転検出回路を備えたインバータ装置、および、電力システム Download PDF

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Abstract

【課題】分散形電源が複数並列接続されている電力システムにおいて、集中監視方式などで単独運転検出回路のタイミング位相を同期させる場合に生じる問題点を解消することができる同期方法を提供する。【解決手段】単独運転検出回路6において、タイミング位相θiを生成するタイミング位相生成部64と、少なくとも1つの他の単独運転検出回路6と通信を行う通信部68とを備えた。通信部68は、タイミング位相生成部64が生成したタイミング位相θiを、他の単独運転検出回路6に送信する。タイミング位相生成部64は、生成したタイミング位相θiと、通信部68が受信した他の単独運転検出回路6のタイミング位相θjとに基づく演算結果uiを用いて、タイミング位相θiを生成する。この処理が各単独運転検出回路6それぞれで行われることにより、各単独運転検出回路6のタイミング位相θiは同じ値に収束する。【選択図】図2

Description

本発明は、能動方式の単独運転検出回路、単独運転検出方法、当該単独運転検出回路を備えたインバータ装置、および、電力システムに関する。
分散形電源を電力系統に連系する場合、様々な要件を満たす必要がある。分散形電源とは、分散配置される小規模電源であり、太陽電池などの電源自体と、当該電源が生成する電力を負荷や電力系統に供給可能な電力に変換するための設備とを合わせたものである。分散形電源を逆潮流有りの条件で電力系統に連系する場合、単独運転を防止するための単独運転検出回路を設ける必要がある。単独運転とは、分散形電源が連系された配電系統が電力系統から切り離された場合に、分散形電源が配電系統の負荷に電力の供給を継続することである。単独運転検出回路は、単独運転状態であることを検出した場合に、分散形電源を配電系統から切り離す指示を出して、分散形電源から負荷への電力の供給を停止させる。単独運転の検出方法には受動方式と能動方式とがあり、様々な検出方法が開発されている。単独運転検出回路はいくつかの検出方法を組み合わせて単独運転を検出する。
単独運転の能動方式の検出方法としては、スリップモード周波数シフト方式、QCモード周波数シフト方式、有効電力変動方式、無効電力変動方式などがある。これらは、分散形電源から積極的に電圧(または無効電力、有効電力、周波数など)の周期的な微小変動を与え、検出された周波数(または電圧など)の変化に応じて単独運転を検出するものである(例えば、特許文献1参照)。
配電系統に複数の分散形電源が並列接続されている場合、各分散形電源の単独運転検出回路同士の干渉によって、単独運転を検出できない場合がある。つまり、単独運転検出回路が与えた微小変動が互いに打ち消しあうことで、検出される変化が単独運転と判定されるレベルに達しない場合がある。これを回避するために、微小変動のタイミングを同期させる方法が提案されている。
図8は、配電系統に複数の分散形電源A”が並列接続されている従来の電力システムを説明するための図である。
分散形電源A”は、連系用遮断器7を介して配電系統に連系しており、当該配電系統は、配電線遮断器Cを介して電力系統Bに連系している。分散形電源A”は、単独運転検出回路6’を備えている。単独運転検出回路6’は、タイミング位相θに基づいて生成したパルス信号を、制御回路3に出力する。制御回路3は、入力されるパルス信号に応じてインバータ回路2の出力目標を変化させることで、インバータ回路2の出力に周期的変動を与える。単独運転検出回路6’は、インバータ回路2の出力電圧から周波数を検出して、単独運転判定部67が周波数の変化に基づいて単独運転の判定を行う。単独運転判定部67は、単独運転状態であると判定した場合、検出信号を制御回路3および連系用遮断器7に出力する。
図8に示すように、複数の分散形電源A”が同じ配電系統に連系している場合、各分散形電源A”の単独運転検出回路6’のタイミング位相θを同期させる必要がある。このため、各分散形電源A”を集中監視するための監視装置Cが、各単独運転検出回路6’のタイミング位相θを同期させる機能を有する。以下では、この方式を「集中監視方式」とする。すなわち、各単独運転検出回路6’のタイミング位相生成部64’が生成したタイミング位相θを、通信部68が監視装置Cに送信する。監視装置Cは、受信した各単独運転検出回路6’のタイミング位相θの例えば相加平均値(算術平均値)を算出して、目標タイミング位相θ*として各単独運転検出回路6’に送信する。タイミング位相生成部64’は、タイミング位相θが目標タイミング位相θ*になるように制御する。あるいは、1つの単独運転検出回路6’(マスタ)が監視装置Cの代わりとなり、他の単独運転検出回路6’(スレイブ)に目標タイミング位相θ*を出力する。以下では、この方式を「マスタスレイブ方式」とする。マスタスレイブ方式でタイミングの同期を行うものとして、例えば、特許文献2などがある。
特開2000−358331号公報 特開平10-94174号公報
Reza Olfati-Saber, J. Alex Fax, and Richard M. Murray, "Consensus and Cooperation in Networked Multi-Agent Systems", Proceedings of the IEEE, Vol.95, No.1, (2007) Mehran Mesbahi and Magnus Egerstedt, "Graph Theoretic Methods in Multiagent Networks", Princeton (2010)
上述したような集中監視方式やマスタスレイブ方式でタイミング位相θを同期させる場合、システムが大がかりになるし、分散形電源A”の増減に柔軟に対応しにくく、故障に脆弱であるという問題点がある。例えば、集中監視方式の場合、監視装置Cを設け、各単独運転検出回路6’と通信を行う必要がある。有線通信の場合は、監視装置Cと各単独運転検出回路6’とをそれぞれ通信線で接続する必要がある。無線通信の場合は、障害物などによって電波が遮断されないようにする必要がある。マスタスレイブ方式の場合、別途監視装置Cを設ける必要はないが、単独運転検出回路6’(マスタ)と各単独運転検出回路6’(スレイブ)とで通信を行う必要がある。また、分散形電源A”を増減させる場合、監視装置Cまたは単独運転検出回路6’(マスタ)の制御プログラムを変更する必要がある。さらに、監視装置Cや単独運転検出回路6’(マスタ)が故障した場合は、タイミング位相θの同期ができなくなるという問題もある。
本発明は上述した事情のもとで考え出されたものであって、上述した問題点を解消することができる単独運転検出回路を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供される単独運転検出回路は、主従関係にない分散形電源が複数並列接続されている電力システムにおいて、前記各分散形電源の単独運転を検出するための単独運転検出回路であって、タイミング位相を生成するタイミング位相生成手段と、前記タイミング位相に応じた周期的な変動要素を注入させる周期変動注入手段と、前記分散形電源の出力の変化を検出した場合に単独運転状態であると判定する単独運転判定手段と、少なくとも1つの他の分散形電源と通信を行う通信手段とを備え、前記通信手段は、前記タイミング位相生成手段が生成したタイミング位相を、前記他の分散形電源の少なくとも1つに送信し、前記タイミング位相生成手段は、前記生成したタイミング位相と、前記通信手段が前記他の分散形電源の少なくとも1つより受信したタイミング位相とに基づく演算結果を用いて、タイミング位相を生成することを特徴とする。なお、「主従関係にない」とは、分散形電源(および、その分散形電源の単独運転を検出する単独運転検出回路)の内の1つ(マスタ:主)がその他(スレイブ:従)を監視したり制御したりする関係ではなく、いずれも対等の関係であることを意味している。また、「電力システム」とは、例えば、インバータ装置が複数並列接続された配電系統などを意味し、多数のインバータ装置が並列接続されて太陽光発電を行う発電所(例えば、メガソーラ)なども含まれる。また、「変動要素を注入」とは、例えば、分散形電源の出力無効電力(または、出力電圧、有効電力など)の目標値を変動させることで分散形電源の出力を変動させることなどを意味する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記タイミング位相生成手段は、前記生成したタイミング位相と、前記受信したタイミング位相とに基づく演算を行う演算手段と、前記演算手段が出力する演算結果を所定の角周波数に加算して、修正角周波数として出力する加算手段と、前記修正角周波数を積分して、タイミング位相を算出する積分手段とを備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記演算手段は、前記受信したタイミング位相から前記生成したタイミング位相をそれぞれ減算し、減算結果をすべて加算することで、演算結果を演算する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記演算手段は、前記受信したタイミング位相から前記生成したタイミング位相をそれぞれ減算し、減算結果をすべて加算して、前記通信手段が通信を行っている他の分散形電源の数で除算することで、演算結果を演算する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記演算手段は、前記受信したタイミング位相から前記生成したタイミング位相をそれぞれ減算し、減算結果をすべて加算して、前記生成したタイミング位相を乗算することで、演算結果を演算する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記演算手段は、前記受信したタイミング位相を前記生成したタイミング位相からそれぞれ減算し、減算結果をすべて加算して、前記生成したタイミング位相の2乗を乗算することで、演算結果を演算する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記周期変動注入手段は、周期的に変動する無効電力を注入させ、前記単独運転判定手段は、前記分散形電源の出力電圧の周波数が所定値以上変化した場合に、単独運転状態であると判定する。
本発明の第2の側面によって提供されるインバータ装置は、本発明の第1の側面によって提供される単独運転検出回路を備えていることを特徴とする。
本発明の第3の側面によって提供される電力システムは、直流電源と本発明の第2の側面によって提供されるインバータ装置とを有する分散形電源が、複数並列接続されていることを特徴とする。
本発明の第4の側面によって提供される単独運転検出方法は、主従関係にない分散形電源が複数並列接続されている電力システムにおいて、前記各分散形電源の単独運転を検出する方法であって、タイミング位相を生成する第1の工程と、前記第1の工程で生成したタイミング位相を少なくとも1つの他の分散形電源に送信する第2の工程と、少なくとも1つの他の分散形電源が送信したタイミング位相を受信する第3の工程と、前記第1の工程で生成したタイミング位相に応じた周期的な変動要素を注入させる第4の工程と、前記分散形電源の出力の変化を検出した場合に単独運転状態であると判定する第5の工程とを各分散形電源で行わせるものであり、前記第1の工程は、生成したタイミング位相と、前記第3の工程で受信したタイミング位相とに基づく演算結果を用いて、タイミング位相を生成することを特徴とする。
本発明によると、タイミング位相生成手段は、生成したタイミング位相と、通信手段が受信した他の単独運転検出回路のタイミング位相とに基づく演算結果を用いて、タイミング位相を生成する。各単独運転検出回路のタイミング位相生成手段がこれを行うことで、すべての単独運転検出回路のタイミング位相が同じ値に収束する。各単独運転検出回路は少なくとも1つの単独運転検出回路(例えば、近隣に位置するもの)とだけ相互通信を行えばよく、1つの単独運転検出回路や監視装置が他の全ての単独運転検出回路と通信を行う必要はない。したがって、システムが大がかりにならない。ある単独運転検出回路が故障した場合でも、他の全ての単独運転検出回路がいずれかの単独運転検出回路と通信可能であれば、タイミング位相を同期させることができる。また、分散形電源の増減に柔軟に対応できる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
第1実施形態に係る単独運転検出回路を備えた分散形電源を説明するための図である。 第1実施形態に係る単独運転検出回路の内部構成を説明するための機能ブロック図である。 第1実施形態に係る分散形電源が複数並列接続された電力システムを示す図である。 パルス生成部が生成するパルス信号の一例を説明するための図である。 電力システムにおける各分散形電源の単独運転検出回路のタイミング位相の変化のシミュレーション結果を示す図である。 電力システムに並列接続された分散形電源の単独運転検出回路の他の通信状態を説明するための図である。 第2実施形態に係る、交流発電機による分散形電源を説明するための図である。 従来の電力システムを説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を、本発明に係る単独運転検出回路を分散形電源に用いた場合を例として、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、第1実施形態に係る単独運転検出回路を備えた分散形電源を説明するための図である。図2は、単独運転検出回路の内部構成を説明するための機能ブロック図である。図3は、分散形電源が複数並列接続された電力システムを示す図である。
図1に示すように、分散形電源Aは、直流電源1、インバータ回路2、制御回路3、電流センサ4、電圧センサ5、単独運転検出回路6、および連系用遮断器7を備えている。分散形電源Aは、連系用遮断器7を介して、配電系統に連系している。当該配電系統は、配電線遮断器Cを介して電力系統Bに連系している。分散形電源Aは、直流電源1が出力する直流電力をインバータ回路2によって交流電力に変換して出力し、配電系統に接続された負荷L(図3参照)に供給する。負荷Lには、電力系統Bからも電力が供給される。また、分散形電源Aは、逆潮流ありのシステムであり、交流電力を電力系統Bにも供給する。なお、図示しないが、インバータ回路2の出力側には、交流電圧を昇圧(または降圧)するための変圧器が設けられている。インバータ回路2、制御回路3、電流センサ4、電圧センサ5、単独運転検出回路6、および連系用遮断器7をまとめたものがインバータ装置であり、いわゆるパワーコンディショナと呼ばれるものである。
直流電源1は、直流電力を出力するものであり、太陽電池を備えている。太陽電池は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換することで、直流電力を生成する。直流電源1は、生成された直流電力を、インバータ回路2に出力する。なお、直流電源1は、太陽電池により直流電力を生成するものに限定されない。例えば、直流電源1は、燃料電池、蓄電池、電気二重層コンデンサやリチウムイオン電池であってもよいし、ディーゼルエンジン発電機、マイクロガスタービン発電機や風力タービン発電機などにより生成された交流電力を直流電力に変換して出力する装置であってもよい。
インバータ回路2は、直流電源1から入力される直流電力を交流電力に変換して出力するものである。インバータ回路2は、図示しないPWM制御インバータとフィルタとを備えている。PWM制御インバータは、図示しない2組4個のスイッチング素子を備えた単相インバータであり、制御回路3から入力されるPWM信号に基づいて各スイッチング素子のオンとオフとを切り替えることで直流電力を交流電力に変換する。フィルタは、スイッチングによる高周波成分を除去する。なお、インバータ回路2は、これに限られない。例えば、PWM制御インバータは、三相インバータであってもよいし、マルチレベルインバータであってもよい。また、PWM制御に限定されず、フェーズシフト制御など他の方式を用いるものであってもよい。
制御回路3は、インバータ回路2を制御するものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御回路3は、電流センサ4より入力される電流信号I、電圧センサ5より入力される電圧信号V、および、単独運転検出回路6より入力される変動信号Qinに基づいてPWM信号を生成して、インバータ回路2に出力する。制御回路3は、無効電力検出部31、目標値設定部32、無効電力制御部33、電流制御部34、およびPWM信号生成部35を備えている。
無効電力検出部31は、分散形電源Aが配電系統に連系する連系点(以下では、単に「連系点」とする。)での無効電力を検出するものである。無効電力検出部31は、電流センサ4が連系点を流れる電流を検出してディジタル変換した電流信号Iと電圧センサ5が連系点の電圧を検出してディジタル変換した電圧信号Vとを入力され、無効電力値Qを算出する。なお、電流センサ4は、連系点を流れる電流を検出すればよいので、連系用遮断器7の後段に配置してもよい。また、電圧センサ5は、連系点の電圧を検出すればよいので、連系用遮断器7の前段に配置してもよい。
目標値設定部32は、目標値Qrefを設定するものである。目標値設定部32には、無効電力値Qの制御の目標値である基本目標値Q0があらかじめ設定されている。本実施形態では、力率が「1」になるように、基本目標値Q0として「0」が設定されている。目標値設定部32は、単独運転検出回路6から入力される変動信号Qinを基本目標値Q0に加算することで目標値Qref(=Q0+Qin)を設定する。
無効電力制御部33は、無効電力検出部31より出力される無効電力値Qと目標値設定部32より出力される目標値Qrefとの偏差(Qref−Q)を入力されて、当該偏差を「0」とするための補正値を補正値信号として出力する。
電流制御部34は、電流センサ4より入力される電流信号Iと無効電力制御部33より入力される補正値信号との偏差を入力されて、当該偏差を「0」とするための補正値を指令値信号としてPWM信号生成部35に出力する。
PWM信号生成部35は、電流制御部34より入力される指令値信号と、所定の周波数(例えば、4kHz)の三角波信号として生成されたキャリア信号とに基づいて、三角波比較法によりPWM信号を生成する。例えば、指令値信号がキャリア信号より大きい場合にハイレベルとなり、指令値信号がキャリア信号以下の場合にローレベルとなるパルス信号が、PWM信号として生成される。生成されたPWM信号は、インバータ回路2に出力される。なお、PWM信号生成部35は、三角波比較法によりPWM信号を生成する場合に限定されず、例えば、ヒステリシス方式でPWM信号を生成するようにしてもよい。また、PWM信号生成部35は、単独運転検出回路6から検出信号を入力された場合に、PWM信号の生成を停止する。検出信号は、単独運転検出回路6が単独運転を検出した時に出力する信号である。PWM信号生成部35からのPWM信号の入力が停止することで、インバータ回路2の電力変換動作は停止する。
制御回路3は、無効電力値Qを目標値Qrefに制御するためのPWM信号をインバータ回路2に出力する。インバータ回路2は、当該PWM信号に基づいて電力変換を行うことで、無効電力値Qを目標値Qrefに制御しようとする。
なお、制御回路3の構成は上記に限られず、無効電力値Qを制御できPWM信号を生成するものであればよい。例えば、電流信号Iと無効電力値Q以外(例えば、電圧信号Vや有効電力値、直流電源1の出力電圧値)をフィードバック制御するものであってもよい。
また、本実施形態では、分散形電源Aが単相のシステムの場合について説明したが、三相のシステムであってもよい。この場合、無効電力検出部31が電流センサ4および電圧センサ5からそれぞれ入力される三相の信号に基づいて無効電力値Qを算出するようにすればよい。また、電流制御部34が、電流センサ4から入力される三相の電流信号を三相/二相変換(αβ変換)および回転座標変換(dq変換)し、2つの軸成分についての補正値を逆変換して3つの指令値信号を出力するようにすればよい。このとき、一方の軸成分に代えて、当該軸成分と無効電力値Qとの偏差を用いるようにすればよい。
本実施形態では、制御回路3をディジタル回路として実現した場合について説明したが、アナログ回路として実現してもよい。また、各部が行う処理をプログラムで設計し、当該プログラムを実行させることでコンピュータを制御回路3として機能させてもよい。また、当該プログラムを記録媒体に記録しておき、コンピュータに読み取らせるようにしてもよい。
連系用遮断器7は、分散形電源Aと配電系統との連系を遮断するものである。連系用遮断器7は通常時は閉路されており、分散形電源Aは配電系統に連系している。しかし、単独運転検出回路6から検出信号が入力された場合、連系用遮断器7は開放され、分散形電源Aと配電系統との連系が遮断される。これにより、分散形電源Aの単独運転状態が回避される。
単独運転検出回路6は、単独運転を検出するものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。単独運転検出回路6は、単独運転を検出した場合に検出信号を出力する。単独運転検出回路6が出力した検出信号は、PWM信号生成部35および連系用遮断器7に入力される。
図2に示すように、単独運転検出回路6は、周波数検出部61、変化量検出部62、ゲイン乗算部63、タイミング位相生成部64、パルス生成部65、リミッタ66、および、単独運転判定部67を備えている。なお、図2においては、本発明に係る単独運転検出のための構成のみを記載している。実際には、単独運転検出回路6は、他の能動方式の単独運転検出のための構成や受動方式の単独運転検出のための構成も備えているが、本実施形態ではその記載および説明を省略している。
周波数検出部61は、電圧センサ5から入力される電圧信号Vに基づいて、連系点の電圧の周波数fを検出して、変化量検出部62に出力する。変化量検出部62は、周波数検出部61から入力される周波数fの変化量Δfを検出して、ゲイン乗算部63および単独運転判定部67に出力する。ゲイン乗算部63は、変化量検出部62から入力される変化量Δfに正帰還のゲインKを乗算して出力する。
タイミング位相生成部64は、単独運転検出回路6のタイミング位相θiを生成するものである。タイミング位相θiは、インバータ回路2の出力に周期的変動を与えるタイミングを決定するためのものである。タイミング位相生成部64の詳細については、後述する。
パルス生成部65は、タイミング位相生成部64から入力されるタイミング位相θiに応じてパルス信号を生成するものである。本実施形態では、正の値と負の値とを繰り返すパルス信号を生成しており、正の値と負の値との間でゼロとなる期間を設けている。すなわち、周期Tの1/4の期間でゼロとなり、続く1/4の期間で正の値となり、続く1/4の期間でゼロとなり、続く1/4の期間で負の値となるパルス信号を生成している(図4参照)。なお、パルス生成部65が生成するパルス信号は、これに限られず、矩形波や三角波、のこぎり波であってもよいし、正弦波であってもよい。
リミッタ66は、ゲイン乗算部63から出力される信号とパルス生成部65から出力される信号とを加算した信号の出力範囲を制限した信号を変動信号Qinとして、目標値設定部32に出力する。
単独運転判定部67は、分散形電源Aが単独運転状態であるか否かを判定するものである。単独運転判定部67は、変化量検出部62から入力される変化量Δfが所定値を超えた場合に、単独運転状態であると判定して、検出信号をPWM信号生成部35および連系用遮断器7に出力する。
電力系統Bで事故が発生した場合などに、電力系統B側に設けられた保護装置によって配電線遮断器Cが開放されて、配電系統が電力系統Bから切り離される。これにより、電力系統Bから切り離された配電系統に連系している分散形電源Aが単独運転状態になる。
分散形電源Aが単独運転状態でない場合、すなわち、分散形電源Aが連系された配電系統が電力系統Bに連系している場合、連系点(分散形電源Aが配電系統に連系する連系点)の電圧の位相は電力系統Bの系統電圧の位相に一致している。したがって、目標値Qrefが変動して連系点を流れる電流の位相が変動しても、連系点の電圧の位相は変化せず、周波数fも変化しない。一方、分散形電源Aが単独運転状態の場合、すなわち、分散形電源Aが連系された配電系統が電力系統Bに連系していない場合、連系点の電圧の位相は電力系統Bの系統電圧の位相とは関係なく変化する。したがって、目標値Qrefが変動して連系点を流れる電流の位相が変動すると、連系点の電圧の位相も変動し、周波数fも変動する。つまり、周波数fが変動するか否かで、単独運転状態であるか否かを判定することができる。周波数fが変動すると、周波数fの変化量Δfも変動し、変化量Δfに正帰還のゲインKを乗算したものがさらに加算されるので、目標値Qrefの変動が大きくなる。これにより、変化量Δfの変動も大きくなって、変化量Δfが所定値を超えることで、単独運転状態であると判定される。
単独運転判定部67は、単独運転状態であると判定しない場合(連系運転状態であると判定した場合)にローレベル信号を出力し、単独運転状態であると判断した場合に検出信号としてのハイレベル信号を出力する。なお、検出信号はこれに限られない。検出信号が入力されたPWM信号生成部35は、PWM信号の生成を停止する。これにより、インバータ回路2の電力変換動作は停止する。また、検出信号が入力された連系用遮断器7は、分散形電源Aと配電系統との連系を遮断する。これらにより、分散形電源Aの単独運転状態が回避される。なお、連系用遮断器7が連系を遮断すれば単独運転状態が回避されるので、インバータ回路2の電力変換動作の停止は必ずしも必要ではない。例えば、連系用遮断器7より上流側に接続されている負荷に電力を供給するために、インバータ回路2の電力変換動作を継続するようにしてもよい。
通信部68は、他の分散形電源Aとの間で通信を行うものである。通信部68は、タイミング位相生成部64が生成したタイミング位相θiを入力され、他の分散形電源Aの通信部68に送信する。また、通信部68は、他の分散形電源Aの通信部68から受信したタイミング位相θjを、タイミング位相生成部64に出力する。なお、通信方法は限定されず、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
図3に示すように、分散形電源Aは電力システムにおいて、他の分散形電源Aと並列接続されている。図3においては、5つの分散形電源A(A1〜A5)と、4つの負荷Lとが接続されている状態を示している。なお、実際の電力システムにおいては、より多くの分散形電源Aおよび負荷Lが接続されているが、説明の簡略化のために極端に少ないケースを示している。
図3に示す矢印は、通信を行っていることを示している。分散形電源A1の単独運転検出回路6は分散形電源A2の単独運転検出回路6とのみ通信を行っており、分散形電源A2の単独運転検出回路6は分散形電源A1の単独運転検出回路6および分散形電源A3の単独運転検出回路6とのみ通信を行っている。また、分散形電源A3の単独運転検出回路6は分散形電源A2の単独運転検出回路6および分散形電源A4の単独運転検出回路6とのみ通信を行っており、分散形電源A4の単独運転検出回路6は分散形電源A3の単独運転検出回路6および分散形電源A5の単独運転検出回路6とのみ通信を行っており、分散形電源A5の単独運転検出回路6は分散形電源A4の単独運転検出回路6とのみ通信を行っている。このように、分散形電源Aの単独運転検出回路6は、電力システムに接続している分散形電源Aのうち、少なくとも1つの分散形電源Aの単独運転検出回路6と通信を行っており、電力システムに接続している任意の2つの分散形電源Aの単独運転検出回路6に対して通信経路が存在している状態(以下ではこの状態を「連結状態」と言う。)であればよく、電力システムに接続しているすべての分散形電源Aの単独運転検出回路6と通信を行う必要はない。
例えば、分散形電源Aが分散形電源A2の場合、単独運転検出回路6の通信部68は、タイミング位相生成部64が生成したタイミング位相θ2を分散形電源A1およびA3の単独運転検出回路6の通信部68に送信し、分散形電源A1の単独運転検出回路6の通信部68からタイミング位相θ1を受信し、分散形電源A3の単独運転検出回路6の通信部68からタイミング位相θ3を受信する。
次に、タイミング位相生成部64の詳細について説明する。
タイミング位相生成部64は、生成したタイミング位相θiと、通信部68より入力される、他の分散形電源Aの単独運転検出回路6のタイミング位相θjとを用いて、タイミング位相θiを生成する。タイミング位相θiとタイミング位相θjとが異なっていても、タイミング位相生成部64での演算処理が繰り返されることで、タイミング位相θiとタイミング位相θjとが共通のタイミング位相に収束する。図2に示すように、タイミング位相生成部64は、演算部641、乗算器642、加算器643および積分器644を備えている。
演算部641は、下記(1)式に基づく演算を行う。すなわち、演算部641は、通信部68から入力される各タイミング位相θjから、タイミング位相生成部64が生成したタイミング位相θiをそれぞれ減算し、減算結果をすべて加算した演算結果uiを乗算器642に出力する。
例えば、分散形電源Aが分散形電源A2の場合(図3参照)、演算部641は、下記(2)式の演算を行い、演算結果u2を出力する。
乗算器642は、演算部641から入力される演算結果uiに所定の係数εを乗算して加算器643に出力する。係数εは、0<ε<1/dmaxを満たす値であり、あらかじめ設定されている。dmaxは、通信部68が通信を行う他の単独運転検出回路6の数であるdiのうち、電力システムに接続しているすべての分散形電源Aの単独運転検出回路6の中で最大のものである。つまり、電力システムに接続している分散形電源Aの単独運転検出回路6のなかで、一番多くの他の単独運転検出回路6と通信を行っているものの通信部68に入力されるタイミング位相θjの数である。なお、係数εは、修正角周波数ωiが大きく(小さく)なりすぎて、タイミング位相θiの変動が大きくなりすぎることを抑制するために、演算結果uiに乗算されるものである。したがって、タイミング位相生成部64での処理が連続時間処理の場合は、乗算器642を設ける必要はない。
加算器643は、乗算器642からの入力を所定の角周波数ω0に加算して、修正角周波数ωiとして積分器644に出力する。積分器644は、加算器643から入力される修正角周波数ωiを積分することでタイミング位相θiを生成して出力する。積分器644は、前回生成したタイミング位相θiに修正角周波数ωiを加算することでタイミング位相θiを生成する。また、積分器644は、タイミング位相θiを(−π<θi≦π)の範囲の値として出力する。なお、タイミング位相θiの範囲の設定の仕方はこれに限定されず、例えば、(0≦θi<2π)としてもよい。タイミング位相θiは、パルス生成部65、通信部68および演算部641に出力される。
本実施形態では、単独運転検出回路6をディジタル回路として実現した場合について説明したが、アナログ回路として実現してもよい。また、各部が行う処理をプログラムで設計し、当該プログラムを実行させることでコンピュータを単独運転検出回路6として機能させてもよい。また、当該プログラムを記録媒体に記録しておき、コンピュータに読み取らせるようにしてもよい。
本実施形態において、タイミング位相生成部64は、生成したタイミング位相θiと、通信部68より入力される、他の単独運転検出回路6のタイミング位相θjとを用いて、タイミング位相θiを生成する。タイミング位相θiが各タイミング位相θjの相加平均値より大きい場合、演算部641が出力する演算結果uiは負の値になる。そうすると、修正角周波数ωiは所定の角周波数ω0より小さくなり、タイミング位相θiの変化量は小さくなる。一方、タイミング位相θiが各タイミング位相θjの相加平均値より小さい場合、演算部641が出力する演算結果uiは正の値になる。そうすると、修正角周波数ωiは所定の角周波数ω0より大きくなり、タイミング位相θiの変化量は大きくなる。つまり、タイミング位相θiは各タイミング位相θjの相加平均値に近づいていく。この処理が各単独運転検出回路6それぞれで行われることにより、各単独運転検出回路6のタイミング位相θiは同じ値に収束する。タイミング位相θiは時間とともに変化するものであり、角周波数ω0に応じて変化する成分と、初期位相のずれを補償するように変化する成分とを合成したものと考えることができる。後者が同じ値θαに収束することで、各単独運転検出回路6のタイミング位相θiも同じ値に収束する。後者が同じ値に収束することは、数学的にも証明されている(非特許文献1,2参照)。また、収束値θαが、下記(3)式に示すように、各単独運転検出回路6のタイミング位相θiの初期値の相加平均値になることも証明されている。nは電力システムに接続されている分散形電源Aの数(すなわち、単独運転検出回路6の数)であり、下記(3)式は、分散形電源A1〜Anの単独運転検出回路6のタイミング位相θ1〜θnの初期値をすべて加算してnで除算した相加平均値を算出することを示している。
以下に、図3に示す電力システムにおいて、タイミング位相θiが収束することを確認したシミュレーションについて説明する。
分散形電源A1〜A5の単独運転検出回路6のタイミング位相θ1〜θ5の初期値を、それぞれ、θ1=π/2,θ2=0,θ3=π,θ4=3π/2,θ5=−π/4としてシミュレーションを行った。図5は、当該シミュレーションの結果を示すものであり、それぞれタイミング位相θ1〜θ5のうちの角周波数ω0に応じて変化する成分を除いたものの時間応答を示している。同図(a)は、タイミング位相θiの同期を行わなかった場合(すなわち、図2に示す演算部641および通信部68がない構成の場合)のものであり、同図(b)は、タイミング位相θiの同期を行った場合(すなわち、図2に示す構成の場合)のものである。同図(a)においては、初期値から変化していない。一方、同図(b)においては、初期値の相加平均値である「11π/20」に収束している。
本実施形態によると、電力システムに接続されている各分散形電源Aの単独運転検出回路6がそれぞれ少なくとも1つの分散形電源A(例えば、近隣に位置するもの)の単独運転検出回路6と相互通信を行っており、電力システムが連結状態であることで、すべての単独運転検出回路6のタイミング位相θiが同じ値に収束する。つまり、1つの単独運転検出回路6や監視装置が他の全ての単独運転検出回路6と通信を行う必要はない。したがって、システムが大がかりにならない。また、ある分散形電源Aが故障した場合や、ある分散形電源Aを削減した場合でも、他の全ての分散形電源Aの単独運転検出回路6がいずれかの分散形電源Aの単独運転検出回路6と通信可能であり、電力システムが連結状態であれば、タイミング位相θiを同期させることができる。また、分散形電源Aを増加する場合は、その分散形電源Aの単独運転検出回路6が少なくとも1つの分散形電源Aの単独運転検出回路6と通信を行うようにすればよいだけである。したがって、分散形電源Aの増減に柔軟に対応できる。
なお、上記第1実施形態においては、単独運転検出回路6のタイミング位相θiの初期位相のずれを補償するように変化する成分を、各単独運転検出回路6のタイミング位相θiの初期値の相加平均値に収束させる場合について説明したが、これに限られない。演算部641に設定する演算式によって、収束値θαは変わってくる。
例えば、演算部641に設定する演算式を下記(4)式とした場合、収束値θαは下記(5)式に示すような値になる。diは、通信部68が通信を行う他の単独運転検出回路6の数、すなわち、通信部68に入力されるタイミング位相θjの数である。つまり、収束値θαは、通信相手の数による重み付けを行った、各単独運転検出回路6のタイミング位相θiの初期値の加重平均値である。
また、演算部641に設定する演算式を下記(6)式とした場合、収束値θαは下記(7)式に示すように、各単独運転検出回路6のタイミング位相θiの初期値の相乗平均値(幾何平均値)になる。
また、演算部641に設定する演算式を下記(8)式とした場合、収束値θαは下記(9)式に示すように、各単独運転検出回路6のタイミング位相θiの初期値の調和平均値になる。
また、演算部641に設定する演算式を下記(10)式とした場合、収束値θαは下記(11)式に示すように、各単独運転検出回路6のタイミング位相θiの初期値のP次平均値になる。
なお、上記第1実施形態においては、各単独運転検出回路6が相互通信を行う場合について説明したが、これに限られず、片側通信を行うようにしてもよい。例えば、図6に示すように、分散形電源A1の単独運転検出回路6が分散形電源A2の単独運転検出回路6に送信のみを行い、分散形電源A2の単独運転検出回路6が分散形電源A1の単独運転検出回路6から受信のみを行って、分散形電源A3の単独運転検出回路6に送信のみを行い、分散形電源A3の単独運転検出回路6が分散形電源A2の単独運転検出回路6から受信のみを行って、分散形電源A4の単独運転検出回路6に送信のみを行い、分散形電源A4の単独運転検出回路6が分散形電源A3の単独運転検出回路6から受信のみを行って、分散形電源A5の単独運転検出回路6に送信のみを行い、分散形電源A5の単独運転検出回路6が分散形電源A4の単独運転検出回路6から受信のみを行う場合でも、タイミング位相θiの同期を行うことができる。より一般的に言うと、電力システムに接続されたある分散形電源Aの単独運転検出回路6から送信先をたどっていくと、電力システムに接続された任意の分散形電源Aの単独運転検出回路6に到達することができる状態(グラフ理論における「全域木を含む」状態)であることが、タイミング位相θiの同期を行うことができる条件である。
上記第1実施形態では、周波数の変化量を正帰還させる場合について説明したが、これに限られない。ゲイン乗算部63から出力される信号を加算することなく、パルス生成部65から出力される信号の出力範囲を制限した信号を変動信号Qinとして、目標値設定部32に出力するようにしてもよい。また、無効電力を変動させる代わりに、電圧や有効電力、周波数などを変動させるようにしてもよいし、周波数の変化量で単独運転を判定する代わりに、周波数変化率や、出力電圧の変化、無効電力の変化などで単独運転を判定するようにしてもよい。本発明は、周期的な変動を生じさせるための変動信号を生成するすべての単独運転検出回路に適用することができる。
上記第1実施形態では、本発明に係る単独運転検出回路6を、インバータ回路2を備えた分散形電源Aに用いた場合について説明したが、これに限られない。本発明に係る単独運転検出回路6は、インバータ回路2を備えない交流発電機による分散形電源A’にも用いることができる。以下に、本発明に係る単独運転検出回路6を交流発電機による分散形電源A’に用いた場合を、第2実施形態として説明する。
図7は、第2実施形態に係る、交流発電機による分散形電源A’を説明するための図である。同図において、第1実施形態に係る分散形電源A(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図7に示す分散形電源A’は、直流電源1およびインバータ回路2に代えて交流発電機1’を備え、制御回路3に代えて制御回路3’を備えている点で、第1実施形態に係る分散形電源Aと異なる。
交流発電機1’は、交流電力を出力するものであり、例えばディーゼルエンジンを備えている。なお、交流発電機1’は、ディーゼルエンジン発電機に限定されず、マイクロガスタービン発電機や風力タービン発電機などであってもよい。
単独運転検出回路6は、変動信号Qinに代えて、分散形電源A’の目標電圧を変動させるための変動信号Vinを目標値設定部32に出力する。目標値設定部32は、変動信号Vinを基本目標値V0に加算することで目標値Vref(=V0+Vin)を設定し、AVR36に出力する。AVR36は、自動電圧調整回路であり、目標値Vrefに応じて、交流発電機1’の出力電圧を調整する。
第2実施形態においても、単独運転検出回路6が少なくとも1つの他の単独運転検出回路6と相互通信を行っており、電力システムが連結状態であれば、タイミング位相θiを同期させることができる。したがって、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
上記第1および第2実施形態においては、複数の分散形電源A(A’)が電力系統Bに連系している場合について説明したが、これに限られない。例えば、多数のインバータ装置が並列接続されて太陽光発電を行う発電所(例えば、メガソーラ)などの場合でも、本発明を適用することができる。
本発明に係る単独運転検出回路、単独運転検出方法、当該単独運転検出回路を備えたインバータ装置、および、電力システムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る単独運転検出回路、単独運転検出方法、当該単独運転検出回路を備えたインバータ装置、および、電力システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A,A’,A1〜A5 分散形電源
1 直流電源
1’交流発電機
2 インバータ回路
3,3’ 制御回路
31 無効電力検出部
32 目標値設定部
33 無効電力制御部
34 電流制御部
35 PWM信号生成部
36 AVR
4 電流センサ
5 電圧センサ
6 単独運転検出回路
61 周波数検出部
62 変化量検出部
63 ゲイン乗算部
64 タイミング位相生成部
641 演算部
642 乗算器
643 加算器
644 積分器
65 パルス生成部(周期変動注入手段)
66 リミッタ
67 単独運転判定部
68 通信部
7 連系用遮断器
B 電力系統
C 配電線遮断器
L 負荷

Claims (10)

  1. 主従関係にない分散形電源が複数並列接続されている電力システムにおいて、前記各分散形電源の単独運転を検出するための単独運転検出回路であって、
    タイミング位相を生成するタイミング位相生成手段と、
    前記タイミング位相に応じた周期的な変動要素を注入させる周期変動注入手段と、
    前記分散形電源の出力の変化を検出した場合に単独運転状態であると判定する単独運転判定手段と、
    少なくとも1つの他の分散形電源と通信を行う通信手段と、
    を備え、
    前記通信手段は、前記タイミング位相生成手段が生成したタイミング位相を、前記他の分散形電源の少なくとも1つに送信し、
    前記タイミング位相生成手段は、前記生成したタイミング位相と、前記通信手段が前記他の分散形電源の少なくとも1つよりより受信したタイミング位相とに基づく演算結果を用いて、タイミング位相を生成する、
    ことを特徴とする単独運転検出回路。
  2. 前記タイミング位相生成手段は、
    前記生成したタイミング位相と、前記受信したタイミング位相とに基づく演算を行う演算手段と、
    前記演算手段が出力する演算結果を所定の角周波数に加算して、修正角周波数として出力する加算手段と、
    前記修正角周波数を積分して、タイミング位相を算出する積分手段と、
    を備えている、請求項1に記載の単独運転検出回路。
  3. 前記演算手段は、前記受信したタイミング位相から前記生成したタイミング位相をそれぞれ減算し、減算結果をすべて加算することで、演算結果を演算する、
    請求項2に記載の単独運転検出回路。
  4. 前記演算手段は、前記受信したタイミング位相から前記生成したタイミング位相をそれぞれ減算し、減算結果をすべて加算して、前記通信手段が通信を行っている他の分散形電源の数で除算することで、演算結果を演算する、
    請求項2に記載の単独運転検出回路。
  5. 前記演算手段は、前記受信したタイミング位相から前記生成したタイミング位相をそれぞれ減算し、減算結果をすべて加算して、前記生成したタイミング位相を乗算することで、演算結果を演算する、
    請求項2に記載の単独運転検出回路。
  6. 前記演算手段は、前記受信したタイミング位相を前記生成したタイミング位相からそれぞれ減算し、減算結果をすべて加算して、前記生成したタイミング位相の2乗を乗算することで、演算結果を演算する、
    請求項2に記載の単独運転検出回路。
  7. 前記周期変動注入手段は、周期的に変動する無効電力を注入させ、
    前記単独運転判定手段は、前記分散形電源の出力電圧の周波数が所定以上変化した場合に、単独運転状態であると判定する、
    請求項1ないし6のいずれかに記載の単独運転検出回路。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の単独運転検出回路を備えていることを特徴とするインバータ装置。
  9. 直流電源と請求項8に記載のインバータ装置とを有する分散形電源が、複数並列接続されていることを特徴とする電力システム。
  10. 主従関係にない分散形電源が複数並列接続されている電力システムにおいて、前記各分散形電源の単独運転を検出する方法であって、
    タイミング位相を生成する第1の工程と、
    前記第1の工程で生成したタイミング位相を少なくとも1つの他の分散形電源に送信する第2の工程と、
    少なくとも1つの他の分散形電源が送信したタイミング位相を受信する第3の工程と、
    前記第1の工程で生成したタイミング位相に応じた周期的な変動要素を注入させる第4の工程と、
    前記分散形電源の出力の変化を検出した場合に単独運転状態であると判定する第5の工程と、
    を各分散形電源で行わせるものであり、
    前記第1の工程は、生成したタイミング位相と、前記第3の工程で受信したタイミング位相とに基づく演算結果を用いて、タイミング位相を生成する、
    ことを特徴とする方法。
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