JP6591904B2 - 通信機能を備えた装置、および、インバータ装置 - Google Patents

通信機能を備えた装置、および、インバータ装置 Download PDF

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Description

本発明は、他の装置と通信を行う通信機能を備えた装置、および、インバータ装置に関する。
近年、太陽光などの自然エネルギーを利用する分散形電源の研究が進んでいる。一般的に、分散形電源は、発電した電力を電力系統に逆潮流するために、電力系統に連系している。この場合、分散形電源は、電力系統の系統電圧の位相を自分の内部位相として用いて、出力電流を制御して電力調整を行っている(例えば、特許文献1参照)。
一方、災害などにより電力系統が長期で停電になる場合や、離島などで電力系統がない場合、分散形電源は電力系統に連系せず、自立運転を行う必要がある。この場合、分散形電源は、電力系統の系統電圧から位相を検出することができないので、内部位相を自ら発振させ、これを用いて出力電圧制御を行う。複数の分散形電源が並列接続された電力システムの場合、各分散形電源の内部位相を同期させる必要がある。各分散形電源を集中監視するための監視装置が、各分散形電源の内部位相を同期させる方法があるが、システムが大がかりになるし、分散形電源の増減に柔軟に対応しにくく、故障に脆弱であるという問題点があった。これらの問題点を解消する方法として、各分散形電源同士で内部位相を送受信することで内部位相を同期させる方法が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
図6は、各分散形電源同士で内部位相を送受信することで内部位相を同期させる分散形電源を示している。分散形電源A’の制御回路3は、通信部34によって、少なくとも1つの他の分散形電源A’と通信を行って、内部位相の送受信を行っている。そして、演算部311’が内部位相θiと受信した内部位相θjとの差に基づいて演算を行い、内部位相生成部31は、当該演算結果を用いて内部位相θiを生成する。この処理が各分散形電源A’それぞれで行われることにより、各分散形電源A’の内部位相は同じ値に収束する。したがって、上記問題点を解消しつつ、各分散形電源A’の内部位相を同期することができる。
特開2010‐68630号公報 特開2015‐27155号公報
Reza Olfati-Saber, J. Alex Fax, and Richard M. Murray, "Consensus and Cooperation in Networked Multi-Agent Systems", Proceedings of the IEEE, Vol.95, No.1, (2007) Mehran Mesbahi and Magnus Egerstedt, "Graph Theoretic Methods in Multiagent Networks", Princeton (2010)
内部位相生成部31の積分器314は、内部位相θiが無限に発散してしまうことを防ぐために、内部位相θiが所定の閾値に達した場合にゼロクリアを行う。図7は、当該ゼロクリアによる問題を説明するための図である。同図に示す太線は、内部位相θiの変化を示している。内部位相θiは、時刻t4において、閾値Xに達したので、ゼロに戻っている。同様に、他の分散形電源A’から受信する内部位相θjも、他の分散形電源A’の内部でゼロクリアが行われる。同図に示す細線は、内部位相θjの変化を示している。内部位相θjは、時刻t2において、閾値Xに達したので、ゼロに戻っている。この場合、時刻t2から時刻t4までの間において、内部位相θiと内部位相θjとの差が突然大きな差になってしまうという問題がある。例えば、時刻t1や時刻t5においては、内部位相θiと内部位相θjとの差が適切に得られる。しかし、内部位相θjのゼロクリアが行われた時刻t2から内部位相θiのゼロクリアが行われた時刻t4までは、内部位相θjだけがゼロクリアされた状態なので、内部位相θiと内部位相θjとの差が本来の差(同図に示すΔθ’)とはかけ離れた大きな差(同図に示すΔθ)となってしまう。内部位相の同期の途中で、このような状態(いずれかの分散形電源A’の内部位相がゼロクリアされる)になると、演算部311’での演算結果が不適切な値となり、同期の妨げになる。
この現象は、内部位相の同期に限られず、同様の方法で同期を行うすべての装置において、問題になる。
本発明は上述した事情のもとで考え出されたものであって、上述した問題を解消することができる、通信機能を備えた装置を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供される装置は、内部値を生成する内部値生成手段と、少なくとも1つの他の装置と通信を行う通信手段とを備え、前記通信手段は、前記内部値生成手段が生成した内部値を、前記他の装置の少なくとも1つに送信し、前記内部値生成手段は、前記生成した内部値と、前記通信手段が前記他の装置の少なくとも1つより受信した内部値とに基づく演算を行う演算手段と、前記演算手段が出力する演算結果を積分して、内部値を算出する積分手段とを備えており、前記積分手段は、上限値と下限値との間でのみ前記内部値を変化させ、前記演算手段は、前記受信した内部値から前記生成した内部値を減算した値が所定値より大きい場合、前記生成した内部値の代わりに、前記生成した内部値に前記上限値と前記下限値との差を加算した値を用い、前記生成した内部値から前記受信した内部値を減算した値が所定値より大きい場合、前記生成した内部値の代わりに、前記生成した内部値から前記上限値と前記下限値との差を減算した値を用いることを特徴とする。
本発明の第2の側面によって提供される装置は、内部値を生成する内部値生成手段と、少なくとも1つの他の装置と通信を行う通信手段とを備え、前記通信手段は、前記内部値生成手段が生成した内部値を、前記他の装置の少なくとも1つに送信し、前記内部値生成手段は、前記生成した内部値と、前記通信手段が前記他の装置の少なくとも1つより受信した内部値とに基づく演算を行う演算手段と、前記演算手段が出力する演算結果を積分して、内部値を算出する積分手段とを備えており、前記積分手段は、上限値と下限値との間でのみ前記内部値を変化させ、前記演算手段は、前記受信した内部値から前記生成した内部値を減算した値が所定値より大きい場合、前記受信した内部値の代わりに、前記受信した内部値から前記上限値と前記下限値との差を減算した値を用い、前記生成した内部値から前記受信した内部値を減算した値が所定値より大きい場合、前記受信した内部値の代わりに、前記受信した内部値に前記上限値と前記下限値との差を加算した値を用いることを特徴とする。
本発明の第3の側面によって提供される装置は、内部値を生成する内部値生成手段と、少なくとも1つの他の装置と通信を行う通信手段とを備え、前記通信手段は、前記内部値生成手段が生成した内部値を、前記他の装置の少なくとも1つに送信し、前記内部値生成手段は、前記生成した内部値と、前記通信手段が前記他の装置の少なくとも1つより受信した内部値とに基づく演算を行う演算手段と、前記演算手段が出力する演算結果を積分して、内部値を算出する積分手段とを備えており、前記積分手段は、上限値と下限値との間でのみ前記内部値を変化させ、前記演算手段は、前記受信した内部値から前記生成した内部値を減算した値が所定値より大きい場合、前記生成した内部値の代わりに、前記生成した内部値に前記上限値と前記下限値との差を加算した値を用い、前記生成した内部値から前記受信した内部値を減算した値が所定値より大きい場合、前記受信した内部値の代わりに、前記受信した内部値に前記上限値と前記下限値との差を加算した値を用いることを特徴とする。
本発明の第4の側面によって提供される装置は、内部値を生成する内部値生成手段と、少なくとも1つの他の装置と通信を行う通信手段とを備え、前記通信手段は、前記内部値生成手段が生成した内部値を、前記他の装置の少なくとも1つに送信し、前記内部値生成手段は、前記生成した内部値と、前記通信手段が前記他の装置の少なくとも1つより受信した内部値とに基づく演算を行う演算手段と、前記演算手段が出力する演算結果を積分して、内部値を算出する積分手段とを備えており、前記積分手段は、上限値と下限値との間でのみ前記内部値を変化させ、前記演算手段は、前記受信した内部値から前記生成した内部値を減算した値が所定値より大きい場合、前記受信した内部値の代わりに、前記受信した内部値から前記上限値と前記下限値との差を減算した値を用い、前記生成した内部値から前記受信した内部値を減算した値が所定値より大きい場合、前記生成した内部値の代わりに、前記生成した内部値から前記上限値と前記下限値との差を減算した値を用いることを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記下限値はゼロである。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記所定値は、前記上限値から前記下限値を減算した値の2分の1の値である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記演算手段は、前記受信した内部値から前記生成した内部値をそれぞれ減算し、減算結果をすべて加算することで、演算結果を演算する。
本発明の第5の側面によって提供されるインバータ装置は、本発明の第1ないし第4のいずれかの側面によって提供される装置であって、インバータ回路をさらに備えており、前記内部値生成手段が前記インバータ回路の制御に用いる内部位相を内部値として生成することを特徴とする。
本発明によると、演算手段は、受信した内部値と生成した内部値との差が所定値より大きい場合、生成した内部値または受信した内部値に、上限値と下限値との差を加算または減算した値を用いて演算を行う。したがって、生成した内部値または受信した内部値のいずれか一方のみが、上限値に達して下限値に戻されていたとしても、この影響を受けない適切な演算結果を演算することができ、同期の妨げになることを防ぐことができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
第1実施形態に係る分散形電源を説明するための図である。 第1実施形態に係る分散形電源が複数並列接続された電力システムを示す図である。 演算部が行う演算処理を説明するためのフローチャートである。 演算部が行う演算処理の変形例を説明するためのフローチャートである。 演算部が行う演算処理の他の変形例を説明するためのフローチャートである。 自立運転を行う従来の分散形電源を説明するための図である。 ゼロクリアによる問題を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を、本発明に係る装置が分散形電源のインバータ装置である場合を例として、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、第1実施形態に係る分散形電源を説明するための図である。図2は、第1実施形態に係る分散形電源が複数並列接続された電力システムを示す図である。
図1に示すように、分散形電源Aは、直流電源1、インバータ回路2、および、制御回路3を備えている。分散形電源Aは、直流電源1が出力する直流電力をインバータ回路2によって交流電力に変換して出力する。なお、図示しないが、インバータ回路2の出力側には、交流電圧を昇圧(または降圧)するための変圧器が設けられている。インバータ回路2および制御回路3をまとめたものがインバータ装置4であり、いわゆるパワーコンディショナと呼ばれるものである。当該「インバータ装置4」が本発明の「装置」に相当する。なお、「制御回路3」および「分散形電源A」も、本発明の「装置」に相当すると考えることができる。
直流電源1は、直流電力を出力するものであり、太陽電池を備えている。太陽電池は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換することで、直流電力を生成する。直流電源1は、生成された直流電力を、インバータ回路2に出力する。なお、直流電源1は、太陽電池により直流電力を生成するものに限定されない。例えば、直流電源1は、燃料電池、蓄電池、電気二重層コンデンサやリチウムイオン電池であってもよいし、ディーゼルエンジン発電機、マイクロガスタービン発電機や風力タービン発電機などにより生成された交流電力を直流電力に変換して出力する装置であってもよい。
インバータ回路2は、直流電源1から入力される直流電力を交流電力に変換して出力するものである。インバータ回路2は、図示しないPWM制御インバータとフィルタとを備えている。PWM制御インバータは、図示しない3組6個のスイッチング素子を備えた三相インバータであり、制御回路3から入力されるPWM信号に基づいて各スイッチング素子のオンとオフとを切り替えることで直流電力を交流電力に変換する。フィルタは、スイッチングによる高周波成分を除去する。なお、インバータ回路2は、これに限られない。例えば、PWM制御インバータは、単相インバータであってもよいし、マルチレベルインバータであってもよい。また、PWM制御に限定されず、フェーズシフト制御など他の方式を用いるものであってもよい。
制御回路3は、インバータ回路2を制御するものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御回路3は、分散形電源Aに設けられた各センサが検出したインバータ回路2の入力電圧、出力電圧、出力電流などに基づいてPWM信号を生成して、インバータ回路2に出力する。制御回路3は、内部位相生成部31、指令信号生成部32、PWM信号生成部33、および、通信部34を備えている。
内部位相生成部31は、指令信号を生成するために用いられる内部位相θiを生成するものである。内部位相生成部31の詳細については、後述する。
指令信号生成部32は、出力電圧制御を行うための指令信号を生成するものである。指令信号生成部32は、インバータ回路2の出力電圧を検出した三相の電圧信号に、いわゆる三相/二相変換処理(αβ変換処理)および回転座標変換処理(dq変換処理)を行い、d軸成分とq軸成分の信号に変換する。三相/二相変換処理とは、三相の交流信号をそれと等価な二相の交流信号に変換する処理であり、三相の交流信号を静止した直交座標系(以下、「静止座標系」という。)における直交するα軸とβ軸の成分にそれぞれ分解して各軸の成分を足し合わせることで、α軸成分の交流信号とβ軸成分の交流信号に変換するものである。また、回転座標変換処理とは、静止座標系の二相(α軸成分とβ軸成分)の信号を回転座標系の二相(d軸成分とq軸成分)の信号に変換する処理である。回転座標系は、直交するd軸とq軸とを有し、所定の角速度で回転する直交座標系である。回転座標変換処理は、内部位相生成部31より入力される内部位相θiに基づいて行われる。
指令信号生成部32は、電圧信号のd軸成分とq軸成分から直流成分だけを抽出し、それぞれ別に制御処理を行って、2つの補償信号に静止座標変換処理(逆dq変換処理)および二相/三相変換処理(逆αβ変換処理)を行って3つの補償信号に変換する。静止座標変換処理は回転座標変換処理の逆の処理を行い、二相/三相変換処理は三相/二相変換処理の逆の処理を行う。静止座標変換処理は、内部位相生成部31より入力される内部位相θiに基づいて行われる。指令信号生成部32は、内部位相生成部31より入力される内部位相θiに基づいて生成された正弦波信号と、3つの補償信号とから3つの指令信号を生成して、PWM信号生成部33に出力する。
なお、本実施形態では、分散形電源Aが三相のシステムである場合について説明したが、単相のシステムであってもよい。単相のシステムの場合、指令信号生成部32は、インバータ回路2の出力電圧を検出した単相の電圧信号に対して制御を行えばよい。
PWM信号生成部33は、PWM信号を生成するものである。PWM信号生成部33は、キャリア信号と指令信号生成部32より入力される指令信号とに基づいて、三角波比較法によりPWM信号を生成する。例えば、指令信号がキャリア信号より大きい場合にハイレベルとなり、指令信号がキャリア信号以下の場合にローレベルとなるパルス信号が、PWM信号として生成される。生成されたPWM信号は、インバータ回路2に出力される。なお、PWM信号生成部33は、三角波比較法によりPWM信号を生成する場合に限定されず、例えば、ヒステリシス方式でPWM信号を生成するようにしてもよい。
通信部34は、他の分散形電源Aとの間で通信を行うものである。通信部34は、内部位相生成部31が生成した内部位相θiを入力され、他の分散形電源Aの通信部34に送信する。通信部34は、所定の周期(例えば1[s])ごとに、内部位相θiの送信を行う。また、通信部34は、他の分散形電源Aの通信部34から受信した内部位相θjを、内部位相生成部31に出力する。なお、通信方法は限定されず、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
図2に示すように、分散形電源Aは電力システムにおいて、他の分散形電源Aと並列接続されている。図2においては、5つの分散形電源A(A1〜A5)と、4つの負荷Lとが接続されている状態を示している。なお、実際の電力システムにおいては、より多くの分散形電源Aおよび負荷Lが接続されているが、説明の簡略化のために極端に少ないケースを示している。
図2に示す実線矢印は、相互通信を行っていることを示している。分散形電源A1は分散形電源A2とのみ相互通信を行っており、分散形電源A2は分散形電源A1および分散形電源A3とのみ相互通信を行っている。また、分散形電源A3は分散形電源A2および分散形電源A4とのみ相互通信を行っており、分散形電源A4は分散形電源A3および分散形電源A5とのみ相互通信を行っており、分散形電源A5は分散形電源A4とのみ相互通信を行っている。このように、分散形電源Aの通信部34は、電力システムに接続している分散形電源Aのうち、少なくとも1つの分散形電源A(例えば、近隣に位置するものや、通信が確立されたもの)の通信部34と通信を行っており、電力システムに接続している任意の2つの分散形電源Aに対して通信経路が存在している状態(以下ではこの状態を「連結状態」と言う。)であればよく、電力システムに接続しているすべての分散形電源Aの通信部34と通信を行う必要はない。
例えば、分散形電源Aが分散形電源A2の場合、通信部34は、内部位相生成部31が生成した内部位相θ2を分散形電源A1およびA3の通信部34に送信し、分散形電源A1の通信部34から内部位相θ1を受信し、分散形電源A3の通信部34から内部位相θ3を受信する。
次に、内部位相生成部31の詳細について説明する。
内部位相生成部31は、生成した内部位相θiと、通信部34より入力される、他の分散形電源Aの内部位相θjとを用いて、内部位相θiを生成する。内部位相θiと内部位相θjとが異なっていても、内部位相生成部31での演算処理が繰り返されることで、内部位相θiと内部位相θjとが共通の内部位相に収束する。図1に示すように、内部位相生成部31は、演算部311、乗算器312、加算器313および積分器314を備えている。
演算部311は、下記(1)式に基づく演算を行う。すなわち、演算部311は、通信部34から入力される各内部位相θjから、内部位相生成部31が生成した内部位相θiをそれぞれ減算し、減算結果をすべて加算した演算結果uiを乗算器312に出力する。
Figure 0006591904
例えば、分散形電源Aが分散形電源A2の場合(図2参照)、演算部311は、下記(2)式の演算を行い、演算結果u2を出力する。
Figure 0006591904
本実施形態では、各分散形電源Aの演算部311での演算タイミングを同期しておらず、演算部311は、いずれかの分散形電源Aから内部位相θjを受信する毎に、逐次演算を行う。例えば、装置A2の演算部311は、装置A1から内部値θ1を受信したときに、u2=θ1−θ2を演算し、装置A3から内部値θ3を受信したときに、u2=θ3−θ2を演算する。
また、演算部311は、後述する積分器314でのゼロクリアによる不都合を回避するための処理を行う。すなわち、通信部34から入力される内部位相θjまたは内部位相生成部31が生成した内部位相θiのいずれか一方のみがゼロクリアされたことにより、内部位相θiと内部位相θjとの差が本来の差(図7に示すΔθ’参照)とはかけ離れた大きな差(同図に示すΔθ参照)となってしまい、演算結果uiが不適切な値になってしまう。これを回避するために、演算部311は、上記(1)式に基づく演算を行う際に、内部位相θjまたは内部位相θiのいずれか一方のみがゼロクリアされていた場合、内部位相θiを変更して減算を行う。
図3は、演算部311が行う演算処理を説明するためのフローチャートである。当該演算処理は、通信部34が他の分散形電源Aから内部位相θjを受信したときに実行される。なお、通信部34が他の複数の分散形電源Aから同時に内部位相θjを受信する場合もあるので、複数の内部位相θjが受信された場合について、記載している。
まず、積分器314より内部位相θiが入力され、通信部34より各内部位相θjが入力される(S1)。そして、ステップS3〜S9の処理が、入力された内部位相θjの数だけ繰り返される(S2−S2’)。当該繰り返し処理は、入力された内部位相θjごとに、内部位相θjから内部位相θiを減算した値を積算するもの(上記(1)式参照)であり、ゼロクリアによって内部位相θiと内部位相θjとの差が異常値になっている場合には本来の値になるように、内部位相θiを変更して減算を行う。なお、通信部34が受信した内部位相θjが1つだけの場合は、ステップS3〜S9の処理が1度だけ行われることになる。
繰り返し処理においては、まず、内部位相θjから内部位相θiを減算した値が所定値(1/2)Xより大きいか否かが判別される(S3)。Xは、ゼロクリアを行うための閾値であり、内部位相θiの上限値である。なお、他の分散形電源Aにおいても、閾値Xでゼロクリアが行われる。本実施形態においては、内部位相θjと内部位相θiとの差が閾値Xの半分より大きくなることはない{(−1/2)X≦θj−θj≦(1/2)X}ので、内部位相θjと内部位相θiとの差が閾値Xの半分より大きくなった場合、ゼロクリアによって異常値になっていると判断している。なお、内部位相θjから内部位相θiを減算した値と比較するための所定値は、(1/2)Xに限定されない。例えば、(2/3)Xとしてもよいし、(1/3)Xとしてもよい。当該所定値は、ゼロクリアによる異常値か正常値かを適切に判断できる値であればよく、正常値が大きな値になる可能性がある場合は所定値を大きな値にする必要があり、ゼロクロスによる異常値が小さな値になる可能性がある場合は所定値を小さな値にする必要がある。本実施形態においては、所定値を閾値Xの2分の1とすることにより、ゼロクリアによる異常値を確実に検出することができ、かつ、正常値の場合に異常値だと誤検出してしまうことを防ぐことができる。
内部位相θjから内部位相θiを減算した値が所定値(1/2)Xより大きい場合(S3:YES)、内部位相θiはゼロクリアされたが内部位相θjはゼロクリアされていないことによる異常値であると判断される。この場合、内部位相θiに閾値Xを加算した値を仮の内部位相θi’とし(S4)、ステップS8に進む。つまり、内部位相θiを、ゼロクリアされなかった場合の値に変更する。
内部位相θjから内部位相θiを減算した値が所定値(1/2)Xより大きくない場合(S3:NO)、当該減算値が(−1/2)Xより小さいか否かが判別される(S5)。つまり、内部位相θiから内部位相θjを減算した値が所定値(1/2)Xより大きいか否かが判別される。内部位相θjから内部位相θiを減算した値が(−1/2)Xより小さい場合(S5:YES)、内部位相θjはゼロクリアされたが内部位相θiはゼロクリアされていない(図7参照)ことによる異常値であると判断される。この場合、内部位相θiから閾値Xを減算した値を仮の内部位相θi’とし(S6)、ステップS8に進む。つまり、内部位相θiを、ゼロクリアされた内部位相θjに対応する値に変更する。
内部位相θjから内部位相θiを減算した値が(−1/2)Xより小さくない場合(S5:NO)、すなわち、{(−1/2)X≦θj−θj≦(1/2)X}の場合、内部位相θjから内部位相θiを減算した値は正常な値であると判断され、内部位相θiを仮の内部位相θi’とし(S7)、ステップS8に進む。つまり、内部位相θiを変更しない。
次に、内部位相θjから仮の内部位相θi’を減算した値が算出され(S8)、当該減算値が積算される(S9)。繰り返し処理(S2−S2’)が終了すると、積算値が演算結果uiとして乗算器312に出力されて(S10)、演算処理は終了する。なお、演算部311が行う演算処理は、上述したものに限定されない。
乗算器312は、演算部311から入力される演算結果uiに所定の係数εを乗算して加算器313に出力する。係数εは、0<ε<1/dmaxを満たす値であり、あらかじめ設定されている。dmaxは、通信部34に同時に入力される可能性のある内部位相θjの数の最大値である。なお、係数εは、積分器314への入力が大きく(小さく)なりすぎて、内部位相θiの変動が大きくなりすぎることを抑制するために、演算結果uiに乗算されるものである。したがって、内部位相生成部31での処理が連続時間処理の場合は、乗算器312を設ける必要はない。
加算器313は、乗算器312からの入力と、所定の角周波数ω0および積分器314のサンプリング周期Tに基づく値Tω0を加算して、積分器314に出力する。値Tω0は、サンプリング周波数f(=1/T)のタイミングで入力され、乗算器312からは、演算部311が演算を行ったタイミング(すなわち、内部位相θjを受信したタイミング)で乗算結果が入力される。積分器314は、加算器313からの入力を積分することで内部位相θiを生成して出力する。積分器314は、前回生成した内部位相θiに加算器313からの入力を加算することで内部位相θiを生成する。また、積分器314は、内部位相θiが無限に発散してしまうことを防ぐために、所定の閾値X(2πの倍数)を上限値として、内部位相θiを(0≦θi<X)の範囲の値として出力する。つまり、積分器314は、内部位相θiが範囲の上限値である閾値Xに達した場合に、ゼロクリアすることで、内部位相θiを範囲の下限値である「0」にする。内部位相θiは、指令信号生成部32、通信部34および演算部311に出力される。なお、本実施形態においては、内部位相生成部31が出力する内部位相θiを、指令信号生成部32がそのまま使用できるように、積分器314のサンプリング周波数fを高くして、サンプリング周波数fに応じたTω0を加算するようにしているが、これに限られない。例えば、サンプリング周波数fを低くしたり(例えば1Hz)、より高くしてもよい。この場合は、指令値信号生成部32に出力するとき、または、指令値信号生成部32内部で、分周するなどして調整すればよい。また、加算する値を角周波数ω0と関係ない値(例えば「1」)としてもよく、この場合は、閾値Xを調整すればよい。
本実施形態では、制御回路3をディジタル回路として実現した場合について説明したが、アナログ回路として実現してもよい。また、各部が行う処理をプログラムで設計し、当該プログラムを実行させることでコンピュータを制御回路3として機能させてもよい。また、当該プログラムを記録媒体に記録しておき、コンピュータに読み取らせるようにしてもよい。
本実施形態において、内部位相生成部31は、生成した内部位相θiと、通信部34より入力される、他の分散形電源Aの内部位相θjとを用いて、内部位相θiを生成する。内部位相θiが内部位相θjより大きい場合、演算部311が出力する演算結果uiは負の値になる。そうすると、積分器314より出力される内部位相θiは減少されて、内部位相θjに近づく。一方、内部位相θiが内部位相θjより小さい場合、演算部311が出力する演算結果uiは正の値になる。そうすると、積分器314より出力される内部位相θiは増加されて、内部位相θjに近づく。この処理が各分散形電源Aそれぞれで行われることにより、各分散形電源Aの内部位相θiは同じ値に収束する。内部位相θiは時間とともに変化するものであり、角周波数ω0に応じて変化する成分と、初期位相のずれを補償するように変化する成分とを合成したものと考えることができる。後者が同じ値θαに収束することで、各分散形電源Aの内部位相θiも同じ値に収束する。後者が同じ値θαに収束することは、数学的にも証明されている(非特許文献1,2参照)。また、各分散形電源Aの演算部311での演算タイミングを同期している場合は、収束値θαが、下記(3)式に示すように、各分散形電源Aの内部位相θiの初期値の相加平均値になることも証明されている。nは電力システムに接続されている分散形電源Aの数であり、下記(3)式は、分散形電源A1〜Anの内部位相θ1〜θnの初期値をすべて加算してnで除算した相加平均値を算出することを示している。ただし、本実施形態では当該タイミングを同期していないので、収束値θαは相加平均値に収束するとは限らない。しかし、同じ値に収束するので、収束値θαが相加平均値でないことは、問題にならない。
Figure 0006591904
次に、分散形電源Aの作用について説明する。
本実施形態によると、演算部311は、演算結果uiを演算する際に、内部位相θiと内部位相θjとの差がゼロクリアによる異常値であるか否かを判別し、異常値である場合は内部位相θiを変更して減算を行うことにより正常な値にしている。したがって、内部位相θiまたは内部位相θjのいずれか一方のみがゼロクリアされていたとしても、ゼロクリアによる影響を受けない適切な演算結果uiを演算することができ、同期の妨げになることを防ぐことができる。
また、本実施形態によると、電力システムに接続されている各分散形電源Aがそれぞれ少なくとも1つの分散形電源A(例えば、近隣に位置するもの)と相互通信を行っており、電力システムが連結状態であることで、すべての分散形電源Aの内部位相θiが同じ値に収束する。つまり、1つの分散形電源Aや監視装置が他の全ての分散形電源Aと通信を行う必要はない。したがって、システムが大がかりにならない。また、ある分散形電源Aが故障した場合や、ある分散形電源Aを削減した場合でも、他の全ての分散形電源Aがいずれかの分散形電源Aと通信可能であり、電力システムが連結状態であれば、内部位相θiを同期させることができる。また、分散形電源Aを増加する場合は、その分散形電源Aが少なくとも1つの分散形電源Aと通信を行うようにすればよいだけである。したがって、分散形電源Aの増減に柔軟に対応できる。
なお、上記第1実施形態においては、演算部311が上記(1)式に基づく演算を行う場合について説明したが、これに限られない。
例えば、演算部311に設定する演算式を下記(4)式としてもよい。この場合、収束値θαは上記(1)式を用いた場合と異なるが、内部位相θiは同じ値に収束する。diは、通信部34に入力される内部位相θjの数である。
Figure 0006591904
また、演算部311に設定する演算式を下記(5)、(6)、(7)式としてもよい。これらの場合も、収束値θαは上記(1)式を用いた場合と異なるが、内部位相θiは同じ値に収束する。
Figure 0006591904
上記第1実施形態においては、各分散形電源Aの演算部311での演算タイミングを同期していない場合について説明したが、これに限られない。各分散形電源Aの演算部311での演算タイミングを同期していてもよい。この場合、各分散形電源Aの通信部34が内部位相θiを出力するタイミングも同期させている。演算部311は、通信部34が受信した各内部位相θjに基づいて、所定のタイミングで上記(1)式の演算を行う。この場合でも、入力された内部位相θjごとに、内部位相θiと内部位相θjとの差がゼロクリアによる異常値であるか否かを判別し、異常値である場合は内部位相θiを変更して減算を行うことにより正常な値にすることができる。したがって、ゼロクリアによる影響を受けない適切な演算結果uiを演算することができ、同期の妨げになることを防ぐことができる。
上記第1実施形態においては、ゼロクリアが行われたと判断すると、内部位相θiを変更する場合について説明したが、これに限られない。例えば、図4に示すフローチャートのように、内部位相θjを変更するようにしてもよい。図4は、図3に対して、ステップS4、S6,S7およびS8の処理を、それぞれステップS4’、S6’,S7’およびS8’に変更した点が異なる。図4に示す変形例においては、ステップS3でYESの場合(内部位相θiはゼロクリアされたが内部位相θjはゼロクリアされていない場合)、内部位相θjから閾値Xを減算した値を仮の内部位相θj’とする(S4’)。つまり、内部位相θjを、ゼロクリアされた内部位相θiに対応する値に変更する。また、ステップS5でYESの場合(内部位相θjはゼロクリアされたが内部位相θiはゼロクリアされていない場合)、内部位相θjに閾値Xを加算した値を仮の内部位相θj’とする(S6’)。つまり、内部位相θjを、ゼロクリアされなかった場合の値に変更する。また、ステップS5でNOの場合(ゼロクリアによる異常値にならない場合)、内部位相θjを仮の内部位相θj’とする(S7’)。つまり、内部位相θjを変更しない。そして、仮の内部位相θj’から内部位相θiを減算した値が算出される(S8’)。当該変形例においては、内部位相θiと内部位相θjとの差がゼロクリアによる異常値となる場合に、内部位相θjを変更して減算を行うことにより正常な値にしている。したがって、内部位相θiまたは内部位相θjのいずれか一方のみがゼロクリアされていたとしても、ゼロクリアによる影響を受けない適切な演算結果uiを演算することができ、同期の妨げになることを防ぐことができる。
また、図5に示すフローチャートのように、ゼロクリアされた方に閾値Xを加算するようにしてもよい。図5は、図3に対して、ステップS4の後にステップS7’を追加し、ステップS6をステップS7およびステップS6’に変更し、ステップS7の後にステップS7’を追加し、ステップS8をステップS8”に変更した点が異なる。図5に示す変形例においては、ステップS3でYESの場合(内部位相θiはゼロクリアされたが内部位相θjはゼロクリアされていない場合)、内部位相θiに閾値Xを加算した値を仮の内部位相θi’とし(S4)、内部位相θjを仮の内部位相θj’とする(S7’)。つまり、内部位相θiを、ゼロクリアされなかった場合の値に変更する。また、ステップS5でYESの場合(内部位相θjはゼロクリアされたが内部位相θiはゼロクリアされていない場合)、内部位相θiを仮の内部位相θi’とし(S7)、内部位相θjに閾値Xを加算した値を仮の内部位相θj’とする(S6’)。つまり、内部位相θjを、ゼロクリアされなかった場合の値に変更する。また、ステップS5でNOの場合(ゼロクリアによる異常値にならない場合)、内部位相θiを仮の内部位相θi’とし(S7)、内部位相θjを仮の内部位相θj’とする(S7’)。つまり、内部位相θiおよび内部位相θjを変更しない。そして、仮の内部位相θj’から仮の内部位相θi’を減算した値が算出される(S8”)。当該変形例においては、内部位相θiと内部位相θjとの差がゼロクリアによる異常値となる場合に、ゼロクリアされた内部位相(θiまたはθj)をゼロクリアされなかった場合の値に変更して減算を行うことにより正常な値にしている。したがって、内部位相θiまたは内部位相θjのいずれか一方のみがゼロクリアされていたとしても、ゼロクリアによる影響を受けない適切な演算結果uiを演算することができ、同期の妨げになることを防ぐことができる。
また、逆に、ゼロクリアされなかった方から閾値Xを減算するようにしてもよい。すなわち、図5に示すフローチャートにおいて、ステップS3でYESの場合の処理であるステップS4,S7’をステップS7,S4’に変更し、ステップS5でYESの場合の処理であるステップS7,S6’をステップS6,S7’に変更するようにしてもよい。当該変形例においては、内部位相θiと内部位相θjとの差がゼロクリアによる異常値となる場合に、ゼロクリアされなかった内部位相(θiまたはθj)をゼロクリアされた方に対応する値に変更して減算を行うことにより正常な値にしている。したがって、内部位相θiまたは内部位相θjのいずれか一方のみがゼロクリアされていたとしても、ゼロクリアによる影響を受けない適切な演算結果uiを演算することができ、同期の妨げになることを防ぐことができる。
上記第1実施形態においては、積分器314が内部位相θiの範囲を(0≦θi<X)とする場合について説明したが、これに限られない。上限値Xと下限値X’とを設定して、内部位相θiの範囲を(X’≦θi<X)としてもよい。この場合、内部位相θiは、上限値Xに達した場合に、ゼロクリアされるのではなく、下限値に戻される。すなわち、上限値Xに達したときに、内部位相θiは、上限値と下限値との差が減算される。この場合、演算部311は、内部位相θjから内部位相θiを減算した値を(1/2)(X−X’)と比較して、ゼロクリアによる異常値か否かを判断する。なお、上記第1実施形態は、下限値をゼロに限定したものであり、下限値に戻す処理をゼロクリアとすることができる。
上記第1実施形態においては、分散形電源A(インバータ装置4)の内部位相を一致させる場合について説明したが、これに限られない。本発明は、その他の位相を一致させる場合や、所定の内部値を一致させる場合にも、適用することができる。また、本発明は、分散形電源A(インバータ装置4)以外の装置(例えば、計測装置など)にも適用することができる。つまり、本発明は、複数の装置が通信によって内部値を送受信することにより内部値を一致させる場合に、適用することができる。
本発明に係る通信機能を備えた装置およびインバータ装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る通信機能を備えた装置およびインバータ装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A,A1〜A5 分散形電源(装置)
1 直流電源
2 インバータ回路
3 制御回路(装置)
31 内部位相生成部(内部値生成手段)
311 演算部
312 乗算器
313 加算器
314 積分器
32 指令信号生成部
33 PWM信号生成部
34 通信部(通信手段)
4 インバータ装置(装置)
L 負荷

Claims (8)

  1. 内部値を生成する内部値生成手段と、
    少なくとも1つの他の装置と通信を行う通信手段と、
    を備え、
    前記通信手段は、前記内部値生成手段が生成した内部値を、前記他の装置の少なくとも1つに送信し、
    前記内部値生成手段は、
    前記生成した内部値と、前記通信手段が前記他の装置の少なくとも1つより受信した内部値とに基づく演算を行う演算手段と、
    前記演算手段が出力する演算結果を積分して、内部値を算出する積分手段と、
    を備えており、
    前記積分手段は、上限値と下限値との間でのみ前記内部値を変化させ、
    前記演算手段は、
    前記受信した内部値から前記生成した内部値を減算した値が所定値より大きい場合、前記生成した内部値の代わりに、前記生成した内部値に前記上限値と前記下限値との差を加算した値を用い、
    前記生成した内部値から前記受信した内部値を減算した値が所定値より大きい場合、前記生成した内部値の代わりに、前記生成した内部値から前記上限値と前記下限値との差を減算した値を用いる、
    ことを特徴とする装置。
  2. 内部値を生成する内部値生成手段と、
    少なくとも1つの他の装置と通信を行う通信手段と、
    を備え、
    前記通信手段は、前記内部値生成手段が生成した内部値を、前記他の装置の少なくとも1つに送信し、
    前記内部値生成手段は、
    前記生成した内部値と、前記通信手段が前記他の装置の少なくとも1つより受信した内部値とに基づく演算を行う演算手段と、
    前記演算手段が出力する演算結果を積分して、内部値を算出する積分手段と、
    を備えており、
    前記積分手段は、上限値と下限値との間でのみ前記内部値を変化させ、
    前記演算手段は、
    前記受信した内部値から前記生成した内部値を減算した値が所定値より大きい場合、前記受信した内部値の代わりに、前記受信した内部値から前記上限値と前記下限値との差を減算した値を用い、
    前記生成した内部値から前記受信した内部値を減算した値が所定値より大きい場合、前記受信した内部値の代わりに、前記受信した内部値に前記上限値と前記下限値との差を加算した値を用いる、
    ことを特徴とする装置。
  3. 内部値を生成する内部値生成手段と、
    少なくとも1つの他の装置と通信を行う通信手段と、
    を備え、
    前記通信手段は、前記内部値生成手段が生成した内部値を、前記他の装置の少なくとも1つに送信し、
    前記内部値生成手段は、
    前記生成した内部値と、前記通信手段が前記他の装置の少なくとも1つより受信した内部値とに基づく演算を行う演算手段と、
    前記演算手段が出力する演算結果を積分して、内部値を算出する積分手段と、
    を備えており、
    前記積分手段は、上限値と下限値との間でのみ前記内部値を変化させ、
    前記演算手段は、
    前記受信した内部値から前記生成した内部値を減算した値が所定値より大きい場合、前記生成した内部値の代わりに、前記生成した内部値に前記上限値と前記下限値との差を加算した値を用い、
    前記生成した内部値から前記受信した内部値を減算した値が所定値より大きい場合、前記受信した内部値の代わりに、前記受信した内部値に前記上限値と前記下限値との差を加算した値を用いる、
    ことを特徴とする装置。
  4. 内部値を生成する内部値生成手段と、
    少なくとも1つの他の装置と通信を行う通信手段と、
    を備え、
    前記通信手段は、前記内部値生成手段が生成した内部値を、前記他の装置の少なくとも1つに送信し、
    前記内部値生成手段は、
    前記生成した内部値と、前記通信手段が前記他の装置の少なくとも1つより受信した内部値とに基づく演算を行う演算手段と、
    前記演算手段が出力する演算結果を積分して、内部値を算出する積分手段と、
    を備えており、
    前記積分手段は、上限値と下限値との間でのみ前記内部値を変化させ、
    前記演算手段は、
    前記受信した内部値から前記生成した内部値を減算した値が所定値より大きい場合、前記受信した内部値の代わりに、前記受信した内部値から前記上限値と前記下限値との差を減算した値を用い、
    前記生成した内部値から前記受信した内部値を減算した値が所定値より大きい場合、前記生成した内部値の代わりに、前記生成した内部値から前記上限値と前記下限値との差を減算した値を用いる、
    ことを特徴とする装置。
  5. 前記下限値はゼロである、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の装置。
  6. 前記所定値は、前記上限値から前記下限値を減算した値の2分の1の値である、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の装置。
  7. 前記演算手段は、前記受信した内部値から前記生成した内部値をそれぞれ減算し、減算結果をすべて加算することで、演算結果を演算する、
    請求項1ないし6のいずれかに記載の装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の装置であって、
    インバータ回路をさらに備えており、
    前記内部値生成手段が前記インバータ回路の制御に用いる内部位相を内部値として生成する、
    ことを特徴とするインバータ装置。
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