JP2015032714A - 有機薄膜トランジスタ、有機半導体薄膜および有機半導体材料 - Google Patents

有機薄膜トランジスタ、有機半導体薄膜および有機半導体材料 Download PDF

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Abstract

【課題】有機薄膜トランジスタの半導体活性層に用いたときにキャリア移動度が高く、かつ、繰り返し駆動後の閾値電圧変化が小さく、有機溶媒への高い溶解性を有する化合物および該化合物を用いた有機薄膜トランジスタの提供。【解決手段】一般式(1)で表される化合物を半導体活性層に含む有機薄膜トランジスタ(X1およびX2はそれぞれ独立に硫黄原子またはセレン原子を表し、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、n個のR1およびn個のR2のうち少なくとも一個が一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10は独立に水素原子または置換基を表す。Lは特定の2価の連結基を表す。Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。)。【選択図】なし

Description

本発明は、有機薄膜トランジスタ、有機半導体薄膜および有機半導体材料などに関する。詳しくは、本発明は、トリフェノジチアジンおよびその類似骨格構造を有する化合物またはトリフェノジセレナジンおよびその類似骨格構造を有する化合物、該化合物を含有する有機薄膜トランジスタ、該化合物を含有する非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料、該化合物を含有する有機薄膜トランジスタ用材料、該化合物を含有することを特徴とする非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液、該化合物を含有する非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜に関する。
有機半導体材料を用いたデバイスは、従来のシリコンなどの無機半導体材料を用いたデバイスと比較して、様々な優位性が見込まれているため、高い関心を集めている。有機半導体材料を用いたデバイスの例としては、有機半導体材料を光電変換材料として用いた有機薄膜太陽電池や固体撮像素子などの光電変換素子や、非発光性の有機トランジスタが挙げられる。有機半導体材料を用いたデバイスは、無機半導体材料を用いたデバイスと比べて低温、低コストで大面積の素子を作製できる可能性がある。さらに分子構造を変化させることで容易に材料特性を変化させることが可能であるため材料のバリエーションが豊富であり、無機半導体材料ではなし得なかったような機能や素子を実現することができる。
非特許文献1には、n型有機半導体として2,9−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)トリフェノジオキサジン(以下、TIPSトリフェノジオキサジンとも言う。また、トリイソプロピルシリルエチニル基置換体をTIPSとも言う)を用いた有機トランジスタの特性を、電子がキャリアとなるn型有機半導体としてTIPSペンタセンを用いた有機トランジスタと比較した例が記載されている。この文献によれば、n型有機半導体としてはTIPSペンタセンよりもTIPSトリフェノジオキサジンの方がキャリア移動度(すなわち電子移動度)が102倍高くなり、4×10-3cm2/Vsとなったと記載されている。しかしながら、TIPSトリフェノジオキサジンはイオン化ポテンシャルが深いため、すなわちイオン化ポテンシャルが大きいため、正孔がキャリアとなるp型トランジスタ特性は得られなかったとの記載があった。また、n型有機半導体であることを考慮しても、有機半導体としてはキャリア移動度が小さかった。
また、非特許文献2には、n型有機半導体として、2,9−ジトリフルオロメチル−トリフェノジオキサジンを用いた有機トランジスタの特性が記載されている。なお、非特許文献2には2,9−ジトリフルオロメチル−トリフェノジオキサジンをp型半導体材料として用いることについて記載されていなかった。
一方、これらのトリフェノジオキサジン誘導体に類似する骨格の化合物として、非特許文献3では無置換トリフェノジチアジンの蒸着膜を用いて、光起電流を評価し、光電流の発生を確認した例が記載されている。非特許文献3は、ほとんど調べられていなかったトリフェノジチアジンの基礎的物性評価の位置付けであることが記載されており、また無置換トリフェノジチアジンのキャリア移動度の値は2×10-5cm2/Vsと低かった。また、非特許文献3では蒸着膜を形成しているため、トリフェノジチアジンやその誘導体の有機溶媒への溶解性も不明であった。
Organic Electronics, 13, 1392 (2012) Org. Lett., 10, 3025 (2008) Bull. Chem. Soc. Jpn., 66, 3548 (1993)
このような状況のもと、本発明者らが実際に非特許文献1〜非特許文献3に記載の化合物を有機薄膜トランジスタに応用してみたところ、十分なトランジスタ特性を得ることができないという問題があることが判明した。具体的には、非特許文献1〜3に記載の化合物を有機半導体材料として有機薄膜トランジスタに応用した場合、非特許文献1に記載のTIPSペンタセンを除き、高いキャリア移動度を得ることができないことが本発明者らの検討により明らかになった。その上、TIPSペンタセンも含めて非特許文献1〜3に記載の化合物を用いた有機薄膜トランジスタは、繰り返し駆動した場合、閾値電圧の変化が大きくなることも本発明者らの検討により明らかになった。閾値電圧の変化が大きくなると、トランジスタとしての信頼性が低下し、長期間使用することができなくなってしまうという問題があり、このような繰り返し駆動後の閾値電圧変化はこれまで知られていなかった問題である。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために検討を進めた。本発明が解決しようとする課題は、有機薄膜トランジスタの半導体活性層に用いたときにキャリア移動度が高く、かつ、繰り返し駆動後の閾値電圧変化が小さく、有機溶媒への高い溶解性を有する化合物および該化合物を用いた有機薄膜トランジスタを提供することである。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行い、キャリア移動度が低く、有機溶媒への溶解性も不明であるため、通常は高いキャリア移動度を得られる発想には繋がらない非特許文献3に記載のトリフェノジチアジンやトリフェノセレナジンのイオン化ポテンシャルの計算値(真空状態での値)を検討したところ、実際にトリフェノジオキサジンとほぼ同じであった。しかしながら、本発明者らが実際に成膜して検討を行った結果、計算上の予測に反して、トリフェノジチアジンおよびその類似骨格の環またはトリフェノジセレナジンおよびその類似骨格の環を構成する骨格中央部の芳香族炭化水素基に特定の置換基を導入した化合物は、成膜すると母骨格間の相互作用が強くなり、膜状態でのイオン化ポテンシャルがトリフェノジオキサジンよりも浅くなる(イオン化ポテンシャルの値が小さくなる)ことがわかった。それによって、HOMOが浅くなって正孔が流れやすくなり、p型トランジスタ特性が得られ、キャリア移動度の高い有機薄膜トランジスタを得られることがわかった。また、これらの化合物は有機溶媒に対する溶解性も高く、塗布可能なトランジスタ用半導体材料としての十分な性能を示すことがわかった。
さらに、本発明者らは、これらの化合物を半導体活性層に用いた有機薄膜トランジスタは、繰り返し駆動後の閾値電圧変化も小さいことを見出し、本発明に至った。
上記課題を解決するための具体的な手段である本発明は、以下の構成を有する。
[1] 下記一般式(1)で表される化合物を半導体活性層に含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
一般式(1)
Figure 2015032714
(一般式(1)において、X1およびX2はそれぞれ独立に硫黄原子またはセレン原子を表し、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、n個のR1およびn個のR2のうち少なくとも一個が下記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
−L−R 一般式(W)
(一般式(W)において、Lは下記一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の下記一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表す。Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。)
Figure 2015032714
(一般式(L−1)〜(L−9)において、波線部分は骨格中央部の芳香族炭化水素環との結合部位を表し、*は一般式(L−1)〜(L−9)で表される2価の連結基およびRのいずれかとの結合位置を示す。一般式(L−6)におけるmは4を表し、一般式(L−7)および(L−8)におけるmは2を表す。一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)、(L−7)および(L−8)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただし、一般式(L−1)および(L−2)中のR’は、それぞれLに隣接するRと結合して縮合環を形成してもよい。)
[2] [1]に記載の有機薄膜トランジスタは、前記一般式(1)におけるX1およびX2が硫黄原子であることが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の有機薄膜トランジスタは、前記一般式(1)におけるnが1〜3の整数であることが好ましい。
[4] [1]に記載の有機薄膜トランジスタは、前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(2)
Figure 2015032714
(一般式(2)において、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1およびR2のうち少なくとも一個が前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の有機薄膜トランジスタは、前記一般式(W)におけるLが前記一般式(L−1)、(L−3)または(L−6)で表される置換基であることが好ましい。
[6] [4]または[5]に記載の有機薄膜トランジスタは、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(3)
Figure 2015032714
(一般式(3)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R2は前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
[7] [4]〜[6]のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタは、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(4)
Figure 2015032714
(一般式(4)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
[8] [4]または[5]に記載の有機薄膜トランジスタは、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(5)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(5)
Figure 2015032714
(一般式(5)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R2は前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
[9] [4]、[5]および[8]のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタは、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(6)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(6)
Figure 2015032714
(一般式(6)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
[10] [4]または[5]に記載の有機薄膜トランジスタは、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(7)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(7)
Figure 2015032714
(一般式(7)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、mは4を表す。R2は前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
[11] [4]、[5]および[10]のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタは、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(8)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(8)
Figure 2015032714
(一般式(8)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、mは4を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
[12] [1]〜[11]のいずれか一項に記載の有機薄膜トランジスタは、前記一般式(1)〜(8)において、R3〜R10がそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルケニル基、炭素数1〜2の置換または無置換のアルコキシ基、炭素数6〜10の置換または無置換のアリール基、炭素数3〜10の置換または無置換のヘテロアリール基、あるいは、置換または無置換のメチルチオ基であることが好ましい。
[13] [6]〜[12]のいずれか一項に記載の有機薄膜トランジスタは、前記一般式(3)〜(8)において、R11およびR12が全て置換または無置換のアルキル基を含む基であることが好ましい。
[14] [6]〜[12]のいずれか一項に記載の有機薄膜トランジスタは、前記一般式(3)〜(8)において、R11およびR12が全て分枝アルキル基を含む基であることが好ましい。
[15] 下記一般式(1)で表されることを特徴とする化合物。
一般式(1)
Figure 2015032714
(一般式(1)において、X1およびX2はそれぞれ独立に硫黄原子またはセレン原子を表し、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、n個のR1およびn個のR2のうち少なくとも一個が下記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
−L−R 一般式(W)
(一般式(W)において、Lは下記一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の下記一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表す。Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。)
Figure 2015032714
(一般式(L−1)〜(L−9)において、波線部分は骨格中央部の芳香族炭化水素環との結合部位を表し、*は一般式(L−1)〜(L−9)で表される2価の連結基およびRのいずれかとの結合位置を示す。一般式(L−6)におけるmは4を表し、一般式(L−7)および(L−8)におけるmは2を表す。一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)、(L−7)および(L−8)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただし、一般式(L−1)および(L−2)中のR’は、それぞれLに隣接するRと結合して縮合環を形成してもよい。)
[16] [15]に記載の化合物は、前記一般式(1)におけるX1およびX2が硫黄原子であることが好ましい。
[17] [15]または[16]に記載の化合物は、前記一般式(1)におけるnが1〜3であることが好ましい。
[18] [15]に記載の化合物は、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(2)
Figure 2015032714
(一般式(2)において、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1およびR2のうち少なくとも一個が前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
[19] [15]〜[18]のいずれか一項に記載の化合物は、前記一般式(W)におけるLが前記一般式(L−1)、(L−3)または(L−6)で表される置換基であることが好ましい。
[20] [18]または[19]に記載の化合物は、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(3)
Figure 2015032714
(一般式(3)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R2は前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
[21] [18]〜[20]のいずれか1項に記載の化合物は、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(4)
Figure 2015032714
(一般式(4)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
[22] [18]または[19]に記載の化合物は、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(5)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(5)
Figure 2015032714
(一般式(5)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R2は前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
[23] [18]、[19]および[22]のいずれか1項に記載の化合物は、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(6)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(6)
Figure 2015032714
(一般式(6)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
[24] [18]または[19]に記載の化合物は、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(7)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(7)
Figure 2015032714
(一般式(7)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、mは4を表す。R2は前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
[25] [18]、[19]および[24]のいずれか1項に記載の化合物は、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(8)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(8)
Figure 2015032714
(一般式(8)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、mは4を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
[26] [15]〜[25]のいずれか一項に記載の化合物は、前記一般式(1)〜(8)において、R3〜R10がそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルケニル基、炭素数1〜2の置換または無置換のアルコキシ基、炭素数6〜10の置換または無置換のアリール基、炭素数3〜10の置換または無置換のヘテロアリール基、あるいは、置換または無置換のメチルチオ基であることが好ましい。
[27] [20]〜[26]のいずれか一項に記載の化合物は、前記一般式(3)〜(8)において、R11およびR12が全て置換または無置換のアルキル基を含む基であることが好ましい。
[28] [20]〜[26]のいずれか一項に記載の化合物は、前記一般式(3)〜(8)において、R11およびR12が全て分枝アルキル基を含む基であることが好ましい。
[29] [15]〜[28]のいずれか一項に記載の前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料。
[30] [15]〜[28]のいずれか一項に記載の前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする有機薄膜トランジスタ用材料。
[31] [15]〜[28]のいずれか一項に記載の前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液。
[32] [15]〜[28]のいずれか一項に記載の前記一般式(1)で表される化合物とポリマーバインダーを含有することを特徴とする非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液。
[33] [15]〜[28]のいずれか一項に記載の前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜。
[34] [15]〜[28]のいずれか一項に記載の前記一般式(1)で表される化合物とポリマーバインダーを含有することを特徴とする非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜。
[35] [33]または[34]に記載の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜は、溶液塗布法により作製されたことが好ましい。
本発明によれば、有機薄膜トランジスタの半導体活性層に用いたときにキャリア移動度が高く、かつ、繰り返し駆動後の閾値電圧変化が小さく、有機溶媒への高い溶解性を有する化合物および該化合物を用いた有機薄膜トランジスタを提供することができる。
図1は、本発明の有機薄膜トランジスタの一例の構造の断面を示す概略図である。 図2は、本発明の実施例でFET特性測定用基板として製造した有機薄膜トランジスタの構造の断面を示す概略図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明において、各一般式の説明において特に区別されずに用いられている場合における水素原子は同位体(重水素原子等)も含んでいることを表す。さらに、置換基を構成する原子は、その同位体も含んでいることを表す。
[有機薄膜トランジスタ]
本発明の有機薄膜トランジスタは、下記一般式(1)で表される化合物を半導体活性層に含むことを特徴とする。
一般式(1)
Figure 2015032714
(一般式(1)において、X1およびX2はそれぞれ独立に硫黄原子またはセレン原子を表し、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、n個のR1およびn個のR2のうち少なくとも一個が下記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
−L−R 一般式(W)
(一般式(W)において、Lは下記一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の下記一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表す。Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。)
Figure 2015032714
(一般式(L−1)〜(L−9)において、波線部分は骨格中央部の芳香族炭化水素環との結合部位を表し、*は一般式(L−1)〜(L−9)で表される2価の連結基およびRのいずれかとの結合位置を示す。一般式(L−6)におけるmは4を表し、一般式(L−7)および(L−8)におけるmは2を表す。一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)、(L−7)および(L−8)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
このような構成により、本発明の有機薄膜トランジスタは、キャリア移動度が高く、繰り返し駆動後の閾値電圧変化が小さい。
前記一般式(1)で表される化合物は、n個のR1およびn個のR2のうち少なくとも1つが前記一般式(W)で表される基を有するため、材料の溶液プロセス適性および膜中での分子配列の観点で好ましい。これにより有機薄膜トランジスタに適用できる均質な有機薄膜の歩留まりを向上させ、製造コストを抑制することができる。キャリア移動度をはじめとするキャリア輸送特性や薄膜の化学的、物理的安定性も向上する。前記一般式(1)における上記一般式(W)で表される基の置換位置として、これらの位置が好ましいのは、化合物の化学的安定性に優れ、HOMO準位、分子の膜中でのパッキングの観点からも好適であるためであると考えられる。
さらに、前記一般式(1)で表される化合物は、X1およびX2が硫黄原子またはセレン原子である骨格構造であるため、X1およびX2が酸素原子である場合よりもカルコゲン原子間での相互作用のためか、成膜すると母骨格間の相互作用が強くなり、膜状態でのイオン化ポテンシャルがトリフェノジオキサジンよりも浅くなる(イオン化ポテンシャルの値が小さくなる)。そのメカニズムによってHOMOも浅くなって、より正孔が流れやすくなる。これにより、キャリア移動度が高い有機薄膜トランジスタを得ることができる。
なお、多環縮合化合物が有機EL素子材料として有用であることは従来から知られている。しかし、有機EL素子材料として有用なものが、ただちに有機薄膜トランジスタ用半導体材料として有用であると言うことはできない。これは、有機EL素子と有機薄膜トランジスタでは、有機化合物に求められる特性が異なるためである。有機EL素子では通常薄膜の膜厚方向(通常数nm〜数100nm)に電荷を輸送する必要があるのに対し、有機薄膜トランジスタでは薄膜面方向の電極間(通常数μm〜数100μm)の長距離を電荷(キャリア)輸送する必要がある。このため、求められるキャリア移動度が格段に高い。そのため、有機薄膜トランジスタ用半導体材料としては、分子の配列秩序が高い、結晶性が高い有機化合物が求められている。また、高いキャリア移動度発現のため、π共役平面は基板に対して直立していることが好ましい。一方、有機EL素子では、発光効率を高めるため、発光効率が高く、面内での発光が均一な素子が求められている。通常、結晶性の高い有機化合物は、面内の電界強度不均一、発光不均一、発光クエンチ等、発光欠陥を生じさせる原因となるため、有機EL素子用材料は結晶性を低くし、アモルファス性の高い材料が望まれる。このため、有機EL素子材料を構成する有機化合物を有機半導体材料にそのまま転用しても、ただちに良好なトランジスタ特性を得ることができる訳ではない。
一方、繰り返し駆動後の閾値電圧変化が小さいためには、有機半導体材料のHOMOが浅すぎずかつ深すぎないこと、有機半導体材料の化学的安定性(特に耐空気酸化性、酸化還元安定性)、薄膜状態の熱安定性、空気や水分が入りこみにくい高い膜密度、電荷がたまりにくい欠陥の少ない膜質、等が必要である。前記一般式(1)で表される化合物はX1およびX2が硫黄原子またはセレン原子である骨格構造であるために上述のようにHOMOが浅くなり、かつ、X1およびX2が酸素原子である場合よりもカルコゲン原子間での相互作用のためか、成膜するとcofacialなπスタック構造をとる母骨格間の相互作用が強くなってにより結晶後の膜質が良好となる効果が働く。そのため、これら特性を満足するため、繰り返し駆動後の閾値電圧変化が小さいと考えられる。すなわち、繰り返し駆動後の閾値電圧変化が小さい本発明の有機薄膜トランジスタは、半導体活性層が高い化学的安定性や膜密度等を有し、長期間に渡ってトランジスタとして有効に機能し得る。
以下、本発明の化合物や本発明の有機薄膜トランジスタなどの好ましい態様を説明する。
<一般式(1)で表される化合物>
本発明の化合物は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。本発明の化合物は、本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、後述の半導体活性層に含まれる。すなわち、本発明の化合物は、有機薄膜トランジスタ用材料として用いることができる。
一般式(1)
Figure 2015032714
(一般式(1)において、X1およびX2はそれぞれ独立に硫黄原子またはセレン原子を表し、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、n個のR1およびn個のR2のうち少なくとも一個が下記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
−L−R 一般式(W)
(一般式(W)において、Lは下記一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の下記一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表す。Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。)
Figure 2015032714
(一般式(L−1)〜(L−9)において、波線部分は骨格中央部の芳香族炭化水素環との結合部位を表し、*は一般式(L−1)〜(L−9)で表される2価の連結基およびRのいずれかとの結合位置を示す。一般式(L−6)におけるmは4を表し、一般式(L−7)および(L−8)におけるmは2を表す。一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)、(L−7)および(L−8)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただし、一般式(L−1)および(L−2)中のR’は、それぞれLに隣接するRと結合して縮合環を形成してもよい。)
一般式(1)において、X1およびX2はそれぞれ独立に硫黄原子またはセレン原子を表す。X1およびX2は互いに同一であっても異なっていてもよいが、互いに同一であることが好ましい。X1およびX2はともに硫黄原子であることが、より原子半径が小さく、分子の配向秩序がより高くなり、キャリア移動度が高くなる点から好ましい。
一般式(1)において、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、n個のR1およびn個のR2のうち少なくとも1つが前記一般式(W)で表される基である。
前記一般式(1)で表される化合物は、R1およびR2が前記一般式(W)で表される基以外のその他の置換基を有していてもよい。
前記一般式(1)のR1およびR2が採りうる置換基として、ハロゲン原子、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜40のアルキル基、ただし、2,6−ジメチルオクチル基、2−デシルテトラデシル基、2−ヘキシルドデシル基、2−エチルオクチル基、2−デシルテトラデシル基、2−ブチルデシル基、1−オクチルノニル基、2−エチルオクチル基、2−オクチルテトラデシル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基(1−ペンチニル基、トリメチルシリルエチニル基、トリエチルシリルエチニル基、トリ−i−プロピルシリルエチニル基、2−p−プロピルフェニルエチニル基等を含む)、アリール基(フェニル基、ナフチル基、p−ペンチルフェニル基、3,4−ジペンチルフェニル基、p−ヘプトキシフェニル基、3,4−ジヘプトキシフェニル基の炭素数6〜20のアリール基等を含む)、複素環基(ヘテロ環基といってもよい。2−ヘキシルフラニル基等を含む)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アシル基(ヘキサノイル基、ベンゾイル基等を含む)、カルボキシ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキシロキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、ノニロキシ基、デシロキシ基、2−ヘキシルデシロキシ基、ウンデシロキシ基、ドデシロキシ基、トリデシロキシ基、テトラデシロキシ基、ペンタデシロキシ基等の炭素数1〜40のアルコキシ基(好ましくは炭素数3〜40のアルコキシ基、より好ましくは炭素数10〜30のアルコキシ基))、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基含む)、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基(ジトリメチルシロキシメチルブトキシ基)、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基が挙げられる。
また、これら置換基は、さらに上記置換基を有していてもよい。
また、これら置換基は、重合性基を有していてもよい。
前記一般式(1)で表される化合物中において、R1およびR2のうち、前記一般式(W)で表される基以外のその他の置換基の個数は0〜2であることが好ましく、0または1個であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
次に、下記一般式(W)で表される基について説明する。
−L−R 一般式(W)
前記一般式(W)において、Lは下記一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の下記一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表す。
Figure 2015032714
一般式(L−1)〜(L−9)において、波線部分は骨格中央部の芳香族炭化水素環との結合位置を示し、*は一般式(L−1)〜(L−9)で表される2価の連結基およびRのいずれかとの結合位置を示す。一般式(L−6)におけるmは4を表し、一般式(L−7)および(L−8)におけるmは2を表す。一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)、(L−7)および(L−8)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただし、一般式(L−1)および(L−2)中のR’は、それぞれLに隣接するRと結合して縮合環を形成してもよい。
前記Lが一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基が結合した連結基を形成する場合、一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基の結合数は2〜9であることが好ましく、2または3であることがより好ましい。
特に、上記の一般式(L−6)〜(L−8)においては、*とRの間にさらに一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかが挿入されて、前記Lが一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基が結合した連結基を形成することも好ましい。
一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)、(L−7)および(L−8)中の置換基R’としては、上記の一般式(1)のR1およびR2が採りうる置換基として例示したものを挙げることができる。R’としては、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜10の置換または無置換のアルキル基、シアノ基、あるいは、炭素数1〜10の置換または無置換のアルコキシ基であることが好ましく、水素原子、フッ素原子、あるいは、炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。ただし、一般式(L−1)および(L−2)中のR’は、それぞれLに隣接するRと結合して縮合環を形成してもよい。
一般式(L−6)におけるmは4を表し、一般式(L−7)および(L−8)におけるmは2を表す。
Lは前記一般式(L−1)、(L−3)、(L−6)、(L−8)および(L−9)のいずれかで表される2価の連結基またはこれらの2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることが好ましく、化学的安定性、キャリア移動度の観点から一般式(L−1)、(L−3)および(L−6)のいずれかで表される2価の連結基またはこれらの2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることがより好ましく、前記一般式(L−3)および(L−6)のいずれかで表される2価の連結基であることが特に好ましく、前記一般式(L−3)で表される2価の連結基であることがより特に好ましい。
Lが前記一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基が2以上結合した2価の連結基である場合、好ましい組合せとしては、−(L−1)−(L−1)−*、−(L−1)−(L−2)−*、−(L−1)−(L−4)−*、−(L−2)−(L−6)−*、−(L−3)−(L−6)−*、−(L−5)−(L−6)−*、(L−8)−(L−1)−*およびこれらの組み合わせを挙げることができる(*は一般式(L−1)〜(L−9)で表される2価の連結基およびRのいずれかとの結合位置を示す)。
前記一般式(W)において、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、オキシエチレン基の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは置換または無置換のシリル基を表す。
前記一般式(W)において、Rに隣接するLが前記一般式(L−1)で表される2価の連結基である場合は、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基であることが好ましい。
前記一般式(W)において、Rに隣接するLが前記一般式(L−3)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基であることが好ましく、置換または無置換のシリル基であることがより好ましい。
前記一般式(W)において、Rに隣接するLが前記一般式(L−2)、(L−4)、(L−5)、(L−7)、(L−8)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換または無置換のアルキル基であることが好ましい。
前記一般式(W)において、Rに隣接するLが前記一般式(L−6)で表される2価の連結基である場合は、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基であることが好ましく、置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
前記一般式(W)において、Rに隣接するLが前記一般式(L−9)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換または無置換のアルキル基、オキシエチレン基の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基であることが好ましく、置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
各置換基の好ましい範囲を以下において説明する。
Rが採りうる置換または無置換のアルキル基としては、Lが前記一般式(L−1)で表される場合、炭素数は2〜18であることが好ましく、2〜12であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点からより好ましく、2〜10であることがさらに好ましい。また、Rが採りうる置換または無置換のアルキル基としては、Lが前記一般式(L−1)で表される場合、直鎖または分枝のアルキル基であることが好ましく、分枝のアルキル基であることが溶解性を高める観点からより好ましい。
Lが前記一般式(L−2)で表される場合はRが採りうる置換または無置換のアルキル基としては、炭素数が1以上のアルキル基であることが好ましく、炭素数が1〜18のアルキル基であることがより好ましく、炭素数が1〜10のアルキル基であることがより好ましく、炭素数が1〜6のアルキル基であることが特に好ましい。また、LがRに隣接する一般式(L−2)を含む場合は、Rはメチル基であることが好ましく、Rに隣接する一般式(L−2)中のR’の一つがメチル基であり、かつ、Rがメチル基であることがキャリア移動度と溶解性を高める観点からより好ましい。
Lが前記一般式(L−3)で表される場合はRが採りうる置換または無置換のアルキル基としては、炭素数が2以上のアルキル基であることが好ましく、炭素数が3〜18のアルキル基であることがより好ましく、炭素数が3〜12のアルキル基であることがさらに好ましく、炭素数が4〜10のアルキル基であることが特に好ましい。Rが採りうる置換または無置換のアルキル基としては、Lが前記一般式(L−3)で表される場合、直鎖または分枝のアルキル基であることが好ましく、分枝のアルキル基であることが溶解性を高める観点からより好ましい。
Lが前記一般式(L−4)、(L−5)、(L−7)〜(L−9)で表される場合はRが採りうるアルキル基としては、炭素数が2以上のアルキル基であることが好ましく、炭素数が3〜18のアルキル基であることが好ましく、炭素数が4〜12のアルキル基であることがさらに好ましく、炭素数が4〜10のアルキル基であることが特に好ましい。Rが採りうる置換または無置換のアルキル基としては、Lが前記一般式(L−4)、(L−5)、(L−7)〜(L−9)で表される場合、直鎖または分枝のアルキル基であることが好ましく、分枝のアルキル基であることが溶解性を高める観点からより好ましい。
Lが前記一般式(L−6)で表される場合はRが採りうるアルキル基としては、炭素数が1以上のアルキル基であることが好ましく、炭素数が1〜18のアルキル基であることが好ましく、炭素数が3〜12のアルキル基であることがさらに好ましく、炭素数が4〜12のアルキル基であることが特に好ましい。Rが採りうる置換または無置換のアルキル基としては、Lが前記一般式(L−6)で表される場合、直鎖または分枝のアルキル基であることが好ましく、分枝のアルキル基であることが溶解性を高める観点からより好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物は、前記一般式(W)で表される基にアルキル基が含まれる場合、Rが表すアルキル基が上記範囲の下限値以上であるとキャリア移動度が高くなる。また、LがRに隣接する一般式(L−1)を含む場合は、一般式(L−1)で表されるアルキレン基およびRで表されるアルキル基が結合して形成されるアルキル基の炭素数が上記範囲の下限値以上であるとキャリア移動度が高くなる。
Rが置換基を有するアルキル基である場合の該置換基としては、ハロゲン原子などを挙げることができ、フッ素原子が好ましい。なお、Rがフッ素原子を有するアルキル基である場合は該アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されてパーフルオロアルキル基を形成してもよい。ただし、Rは無置換のアルキル基であることが好ましい。
前記一般式(W)におけるRがオキシエチレン基の繰り返し数が2以上のオリゴエチレンオキシ基の場合、Rが表す「オキシエチレン基」とは本明細書中、−(CH2CH2O)vYで表される基のことを言う(オキシエチレン単位の繰り返し数vは2以上の整数を表し、末端のYは水素原子または置換基を表す)。なお、オリゴオキシエチレン基の末端のYが水素原子である場合はヒドロキシ基となる。オキシエチレン単位の繰り返し数vは2〜4であることが好ましく、2〜3であることがさらに好ましい。オリゴオキシエチレン基の末端のヒドロキシ基は封止されていること、すなわちYが置換基を表すことが好ましい。この場合、ヒドロキシ基は、炭素数が1〜3のアルキル基で封止されること、すなわちYが炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、Yがメチル基やエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
前記一般式(W)におけるRがケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基の場合、シロキサン単位の繰り返し数は2〜4であることが好ましく、2〜3であることがさらに好ましい。また、Si原子には、水素原子やアルキル基が結合することが好ましい。Si原子にアルキル基が結合する場合、アルキル基の炭素数は1〜3であることが好ましく、例えば、メチル基やエチル基が結合することが好ましい。Si原子には、同一のアルキル基が結合してもよく、異なるアルキル基または水素原子が結合してもよい。また、オリゴシロキサン基を構成するシロキサン単位はすべて同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一であることが好ましい。
Rに隣接するLが前記一般式(L−1)〜(L−3)で表される2価の連結基である場合に限り、Rが置換または無置換のシリル基をとり得る。シリル基の置換基としては特に制限はないが、置換または無置換のアルキル基が好ましく、分枝アルキル基であることがより好ましい。Rがトリアルキルシリル基の場合、Si原子に結合するアルキル基の炭素数は1〜3であることが好ましく、例えば、メチル基やエチル基やイソプロピル基が結合することが好ましく、エチル基およびイソプロピル基がより好ましく、イソプロピル基が特に好ましい。Si原子には、同一のアルキル基が結合してもよく、異なるアルキル基が結合してもよい。Rがアルキル基上にさらに置換基を有するトリアルキルシリル基である場合の該置換基としては、特に制限はない。
前記一般式(1)で表される化合物中において、n個のR1およびn個のR2のうち、前記一般式(W)で表される基の個数は1〜4であることが好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物においてnが1または2の場合、n個のR1およびn個のR2のうち、前記一般式(W)で表される基の個数は1〜2であることがより好ましく、2であることが特に好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物においてnが3以上の場合、n個のR1およびn個のR2のうち、前記一般式(W)で表される基の個数は2〜4であることが好ましく、3または4個であることがより好ましく、4個であることが特に好ましい。
特に、前記一般式(1)において、n個のR1およびn個のR2のうち、R1およびR2が結合している1つのベンゼン環のR1およびR2の2箇所を前記一般式(W)で表される基とすることにより、高いキャリア濃度を得ることができる。例えば、nが3であり、前記一般式(W)で表される基の個数が4である場合、R1およびR2が結合している3つのベンゼン環のうち、2つのベンゼン環はR1およびR2の2箇所が前記一般式(W)で表される基であり、残りの1つのベンゼン環はR1およびR2の2箇所がいずれも水素原子または他の置換基であることが好ましい。
前記一般式(1)において、R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R3〜R10がとり得る置換基としては、R1およびR2が採りうる置換基として挙げた置換基を挙げることができる。
中でも、R3〜R10は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルケニル基、炭素数1〜2の置換または無置換のアルコキシ基、炭素数6〜10の置換または無置換のアリール基、炭素数3〜10の置換または無置換のヘテロアリール基、あるいは、置換または無置換のメチルチオ基であることが好ましく、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基、炭素数6〜10の置換または無置換のアリール基、置換または無置換のチエニル基であることがより好ましく、水素原子が特に好ましい。
前記一般式(1)において、R3〜R10が置換基である場合、置換基の個数は0〜4であることが好ましく、0〜2であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
前記一般式(1)において、R3〜R10が置換基である場合における置換基の好ましい位置は、分子全体が点対称の構造となる位置であることが好ましく、置換基の構造を含めて分子全体が点対称の構造となるように同じ置換基を分子全体が点対称の構造となる位置に有することがより好ましい。具体的には、R3およびR7の位置に置換基(好ましくは同じ置換基)をともに有する場合、R4およびR8の位置に置換基(好ましくは同じ置換基)をともに有する場合、R5およびR9の位置に置換基(好ましくは同じ置換基)をともに有する場合、R6およびR10の位置に置換基(好ましくは同じ置換基)をともに有する場合、ならびにこれらの2以上の場合の組み合わせが好ましい。これらの中でも、R4およびR8の位置に置換基をともに有する場合、R5およびR9の位置に置換基をともに有する場合、R3、R6、R7およびR10の位置に置換基をともに有する場合がより好ましく、R4およびR8の位置に同じ置換基をともに有する場合、R5およびR9の位置に同じ置換基をともに有する場合、R3、R6、R7およびR10の位置に同じ置換基をともに有する場合が特に好ましい。
前記一般式(1)において、nは1〜6の整数を表し、1〜3の整数であることが溶解性を高める好ましく、同様の観点から1または2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
本発明では、前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(2)
Figure 2015032714
(一般式(2)において、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1およびR2のうち少なくとも一個が前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
前記一般式(2)において、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1およびR2のうち少なくとも一個が前記一般式(W)で表される基を表す。前記一般式(2)におけるR1およびR2の好ましい範囲は前記一般式(1)におけるR1およびR2の好ましい範囲と同様である。
前記一般式(2)において、R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。前記一般式(2)におけるR3〜R10の好ましい範囲は前記一般式(1)におけるR3〜R10の好ましい範囲と同様である。
本発明では、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(3)、下記一般式(5)または下記一般式(7)で表される化合物であることが好ましく、下記一般式(3)または下記一般式(5)で表される化合物であることがより好ましく、下記一般式(3)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(3)
Figure 2015032714
(一般式(3)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R2は前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
一般式(5)
Figure 2015032714
(一般式(5)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R2は前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
一般式(7)
Figure 2015032714
(一般式(7)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、mは4を表す。R2は前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
以下、前記一般式(3)で表される化合物、前記一般式(5)で表される化合物および前記一般式(7)で表される化合物についてこの順に説明する。
(前記一般式(3)で表される化合物)
一般式(3)
Figure 2015032714
前記一般式(3)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。
前記一般式(3)におけるR11の好ましい範囲は、前記一般式(1)において前記一般式(W)に含まれるLが(L−3)である場合のRの好ましい範囲と同様である。
2は前記一般式(W)で表される基を表す。前記一般式(3)における一般式(W)で表される基の好ましい範囲は、前記一般式(1)における一般式(W)で表される基の好ましい範囲と同様であり、その中でも前記一般式(W)に含まれるLが(L−3)であることがより好ましい。
前記一般式(3)において、R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。前記一般式(3)におけるR3〜R10の好ましい範囲は前記一般式(1)におけるR3〜R10の好ましい範囲と同様である。
前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(4)
Figure 2015032714
(一般式(4)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
一般式(4)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。前記一般式(4)におけるR11およびR12の好ましい範囲は、それぞれ独立に、前記一般式(1)において前記一般式(W)に含まれるLが(L−3)である場合のRの好ましい範囲と同様である。
前記一般式(4)におけるR3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。前記一般式(4)におけるR3〜R10の好ましい範囲は前記一般式(1)におけるR3〜R10の好ましい範囲と同様である。
(前記一般式(5)で表される化合物)
一般式(5)
Figure 2015032714
前記一般式(5)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。
前記一般式(5)におけるR11の好ましい範囲は、前記一般式(1)において前記一般式(W)に含まれるLが(L−1)である場合のRの好ましい範囲と同様である。
前記一般式(5)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
前記一般式(5)におけるR’の好ましい範囲は、前記一般式(1)において前記一般式(W)に含まれるLが(L−1)であるときに(L−1)中に含まれるR’の好ましい範囲と同様である。
2は前記一般式(W)で表される基を表す。前記一般式(5)における一般式(W)で表される基の好ましい範囲は、前記一般式(1)における一般式(W)で表される基の好ましい範囲と同様であり、その中でも前記一般式(W)に含まれるLが(L−1)であることがより好ましい。
前記一般式(5)において、R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。前記一般式(5)におけるR3〜R10の好ましい範囲は前記一般式(1)におけるR3〜R10の好ましい範囲と同様である。
前記一般式(5)で表される化合物は、下記一般式(6)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(6)
Figure 2015032714
(一般式(6)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
一般式(6)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。前記一般式(6)におけるR11およびR12の好ましい範囲は、それぞれ独立に、前記一般式(1)において前記一般式(W)に含まれるLが(L−1)である場合のRの好ましい範囲と同様である。
前記一般式(6)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。前記一般式(6)におけるR’の好ましい範囲は、前記一般式(1)において前記一般式(W)に含まれるLが(L−1)であるときに(L−1)中に含まれるR’の好ましい範囲と同様である。
前記一般式(6)におけるR3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。前記一般式(6)におけるR3〜R10の好ましい範囲は前記一般式(1)におけるR3〜R10の好ましい範囲と同様である。
(前記一般式(7)で表される化合物)
一般式(7)
Figure 2015032714
前記一般式(7)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。
前記一般式(7)におけるR11の好ましい範囲は、前記一般式(1)において前記一般式(W)に含まれるLが(L−6)である場合のRの好ましい範囲と同様である。
前記一般式(7)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
前記一般式(7)におけるR’の好ましい範囲は、前記一般式(1)において前記一般式(W)に含まれるLが(L−6)であるときに(L−6)中に含まれるR’の好ましい範囲と同様である。
前記一般式(7)におけるmは4を表す。
2は前記一般式(W)で表される基を表す。前記一般式(7)における一般式(W)で表される基の好ましい範囲は、前記一般式(1)における一般式(W)で表される基の好ましい範囲と同様であり、その中でも前記一般式(W)に含まれるLが(L−6)であることがより好ましい。
前記一般式(7)において、R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。前記一般式(7)におけるR3〜R10の好ましい範囲は前記一般式(1)におけるR3〜R10の好ましい範囲と同様である。
前記一般式(7)で表される化合物は、下記一般式(8)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(8)
Figure 2015032714
(一般式(8)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、mは4を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
一般式(8)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。前記一般式(8)におけるR11およびR12の好ましい範囲は、それぞれ独立に、前記一般式(1)において前記一般式(W)に含まれるLが(L−6)である場合のRの好ましい範囲と同様である。
前記一般式(8)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。前記一般式(8)におけるR’の好ましい範囲は、前記一般式(1)において前記一般式(W)に含まれるLが(L−6)であるときに(L−6)中に含まれるR’の好ましい範囲と同様である。
前記一般式(8)におけるmは4を表す。
前記一般式(8)におけるR3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。前記一般式(8)におけるR3〜R10の好ましい範囲は前記一般式(1)におけるR3〜R10の好ましい範囲と同様である。
以下に上記一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明で用いることができる一般式(1)で表される化合物は、これらの具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
Figure 2015032714
Figure 2015032714
Figure 2015032714
Figure 2015032714
Figure 2015032714
上記一般式(1)で表される化合物は、分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましく、850以下であることが特に好ましい。分子量を上記上限値以下とすることにより、溶媒への溶解性を高めることができるため好ましい。
一方で、薄膜の膜質安定性の観点からは、分子量は300以上であることが好ましく、350以上であることがより好ましく、400以上であることがさらに好ましい。
また、前記一般式(1)で表される化合物が繰り返し構造を有する高分子化合物の場合は、重量平均分子量が3万以上であることが好ましく、5万以上であることがより好ましく、10万以上であることがさらに好ましい。前記一般式(1)で表される化合物が繰り返し構造を有する高分子化合物である場合に、重量平均分子量を上記下限値以上とすることにより、分子間相互作用を高めることができ、高い移動度が得られるため好ましい。
繰り返し構造を有する高分子化合物としては、一般式(1)で表される化合物が少なくとも1つ以上のアリーレン基、ヘテロアリーレン基(チオフェン、ビチオフェン)を表して繰り返し構造を示すπ共役ポリマーや、一般式(1)で表される化合物が高分子主鎖に側鎖を介して結合したペンダント型ポリマーがあげられ、高分子主鎖としては、ポリアクリレート、ポリビニル、ポリシロキサンなどが好ましく、側鎖としては、アルキレン基、ポリエチレンオキシド基などが好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物は、Journal of Chemical Society. C, Organic Chemistry, 1875 (1971)、Organic Electronics, 13, 1392 (2012)などを参考にして合成することができる。
本発明の化合物の合成において、いかなる反応条件を用いてもよい。反応溶媒としては、いかなる溶媒を用いてもよい。また、環形成反応促進のために、酸または塩基を用いることが好ましく、特に塩基を用いることが好ましい。最適な反応条件は、目的とするトリフェノジチアジン誘導体およびその類似骨格を有する化合物の誘導体またはトリフェノジセレナジン誘導体およびその類似骨格構造を有する化合物の誘導体の構造により異なるが、上記の文献に記載された具体的な反応条件を参考に設定することができる。
各種置換基を有する合成中間体は公知の反応を組み合わせて合成することができる。また、各置換基はいずれの中間体の段階で導入してもよい。中間体の合成後は、カラムクロマトグラフィー、再結晶等による精製を行った後、昇華精製により精製する事が好ましい。昇華精製により、有機不純物を分離できるだけでなく、無機塩や残留溶媒等を効果的に取り除くことができる。
<有機薄膜トランジスタの構造>
本発明の有機薄膜トランジスタは、前記一般式(1)で表される化合物を含む半導体活性層を有する。
本発明の有機薄膜トランジスタは、さらに前記半導体活性層以外にその他の層を含んでいてもよい。
本発明の有機薄膜トランジスタは、有機電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor、FET)として用いられることが好ましく、ゲート−チャンネル間が絶縁されている絶縁ゲート型FETとして用いられることがより好ましい。
以下、本発明の有機薄膜トランジスタの好ましい構造の態様について、図面を用いて詳しく説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
(積層構造)
有機電界効果トランジスタの積層構造としては特に制限はなく、公知の様々な構造のものとすることができる。
本発明の有機薄膜トランジスタの構造の一例としては、最下層の基板の上面に、電極、絶縁体層、半導体活性層(有機半導体層)、2つの電極を順に配置した構造(ボトムゲート・トップコンタクト型)を挙げることができる。この構造では、最下層の基板の上面の電極は基板の一部に設けられ、絶縁体層は、電極以外の部分で基板と接するように配置される。また、半導体活性層の上面に設けられる2つの電極は、互いに隔離して配置される。
ボトムゲート・トップコンタクト型素子の構成を図1に示す。図1は、本発明の有機薄膜トランジスタの一例の構造の断面を示す概略図である。図1の有機薄膜トランジスタは、最下層に基板11を配置し、その上面の一部に電極12を設け、さらに該電極12を覆い、かつ電極12以外の部分で基板11と接するように絶縁体層13を設けている。さらに絶縁体層13の上面に半導体活性層14を設け、その上面の一部に2つの電極15aと15bとを隔離して配置している。
図1に示した有機薄膜トランジスタは、電極12がゲートであり、電極15aと電極15bはそれぞれドレインまたはソースである。また、図1に示した有機薄膜トランジスタは、ドレイン−ソース間の電流通路であるチャンネルと、ゲートとの間が絶縁されている絶縁ゲート型FETである。
本発明の有機薄膜トランジスタの構造の一例としては、ボトムゲート・ボトムコンタクト型素子を挙げることができる。
ボトムゲート・ボトムコンタクト型素子の構成を図2に示す。図2は本発明の実施例でFET特性測定用基板として製造した有機薄膜トランジスタの構造の断面を示す概略図である。図2の有機薄膜トランジスタは、最下層に基板31を配置し、その上面の一部に電極32を設け、さらに該電極32を覆い、かつ電極32以外の部分で基板31と接するように絶縁体層33を設けている。さらに絶縁体層33の上面に半導体活性層35を設け、電極34aと34bが半導体活性層35の下部にある。
図2に示した有機薄膜トランジスタは、電極32がゲートであり、電極34aと電極34bはそれぞれドレインまたはソースである。また、図2に示した有機薄膜トランジスタは、ドレイン−ソース間の電流通路であるチャンネルと、ゲートとの間が絶縁されている絶縁ゲート型FETである。
本発明の有機薄膜トランジスタの構造としては、その他、絶縁体、ゲート電極が半導体活性層の上部にあるトップゲート・トップコンタクト型素子や、トップゲート・ボトムコンタクト型素子も好ましく用いることができる。
(厚さ)
本発明の有機薄膜トランジスタは、より薄いトランジスタとする必要がある場合には、例えばトランジスタ全体の厚さを0.1〜0.5μmとすることが好ましい。
(封止)
有機薄膜トランジスタ素子を大気や水分から遮断し、有機薄膜トランジスタ素子の保存性を高めるために、有機薄膜トランジスタ素子全体を金属の封止缶やガラス、窒化ケイ素などの無機材料、パリレンなどの高分子材料や、低分子材料などで封止してもよい。
以下、本発明の有機薄膜トランジスタの各層の好ましい態様について説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
<基板>
(材料)
本発明の有機薄膜トランジスタは、基板を含むことが好ましい。
前記基板の材料としては特に制限はなく、公知の材料を用いることができ、例えば、ポリエチレンナフトエート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステルフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリイミドフィルム、およびこれらポリマーフィルムを極薄ガラスに貼り合わせたもの、セラミック、シリコン、石英、ガラス、などを挙げることができ、シリコンが好ましい。
<電極>
(材料)
本発明の有機薄膜トランジスタは、電極を含むことが好ましい。
前記電極の構成材料としては、例えば、Cr、Al、Ta、Mo、Nb、Cu、Ag、Au、Pt、Pd、In、NiあるいはNdなどの金属材料やこれらの合金材料、あるいはカーボン材料、導電性高分子などの既知の導電性材料であれば特に制限することなく使用できる。
(厚さ)
電極の厚さは特に制限はないが、10〜50nmとすることが好ましい。
ゲート幅(またはチャンネル幅)Wとゲート長(またはチャンネル長)Lに特に制限はないが、これらの比W/Lが10以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。
<絶縁層>
(材料)
絶縁層を構成する材料は必要な絶縁効果が得られれば特に制限はないが、例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、PTFE、CYTOP等のフッ素ポリマー系絶縁材料、ポリエステル絶縁材料、ポリカーボネート絶縁材料、アクリルポリマー系絶縁材料、エポキシ樹脂系絶縁材料、ポリイミド絶縁材料、ポリビニルフェノール樹脂系絶縁材料、ポリパラキシリレン樹脂系絶縁材料などが挙げられる。
絶縁層の上面は表面処理がなされていてもよく、例えば、二酸化ケイ素表面をヘキサメチルジシラザン(HMDS)やオクタデシルトリクロロシラン(OTS)の塗布により表面処理した絶縁層を好ましく用いることができる。
(厚さ)
絶縁層の厚さに特に制限はないが、薄膜化が求められる場合は厚さを10〜400nmとすることが好ましく、20〜200nmとすることがより好ましく、50〜200nmとすることが特に好ましい。
<半導体活性層>
(材料)
本発明の有機薄膜トランジスタは、前記半導体活性層が前記一般式(1)で表される化合物、すなわち本発明の化合物を含むことを特徴とする。
前記半導体活性層は、本発明の化合物からなる層であってもよく、本発明の化合物に加えて後述のポリマーバインダーがさらに含まれた層であってもよい。また、成膜時の残留溶媒が含まれていてもよい。
前記半導体活性層中における前記ポリマーバインダーの含有量は、特に制限はないが、好ましくは0〜95質量%の範囲内で用いられ、より好ましくは10〜90質量%の範囲内で用いられ、さらに好ましくは20〜80質量%の範囲内で用いられ、特に好ましくは30〜70質量%の範囲内で用いられる。
(厚さ)
半導体活性層の厚さに特に制限はないが、薄膜化が求められる場合は厚さを10〜400nmとすることが好ましく、10〜200nmとすることがより好ましく、10〜100nmとすることが特に好ましい。
[非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料]
本発明は、前記一般式(1)で表される化合物、すなわち本発明の化合物を含有する非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料にも関する。
(非発光性有機半導体デバイス)
なお、本明細書において、「非発光性有機半導体デバイス」とは、発光することを目的としないデバイスを意味する。非発光性有機半導体デバイスは、薄膜の層構造を有するエレクトロニクス要素を用いた非発光性有機半導体デバイスとすることが好ましい。非発光性有機半導体デバイスには、有機薄膜トランジスタ、有機光電変換素子(光センサ用途の固体撮像素子、エネルギー変換用途の太陽電池等)、ガスセンサ、有機整流素子、有機インバータ、情報記録素子などが包含される。有機光電変換素子は光センサ用途(固体撮像素子)、エネルギー変換用途(太陽電池)のいずれにも用いることができる。好ましくは、有機光電変換素子、有機薄膜トランジスタであり、さらに好ましくは有機薄膜トランジスタである。すなわち、本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料は、上述のとおり有機薄膜トランジスタ用材料であることが好ましい。
(有機半導体材料)
本明細書において、「有機半導体材料」とは、半導体の特性を示す有機材料のことである。無機材料からなる半導体と同様に、正孔をキャリアとして伝導するp型(ホール輸送性)有機半導体と、電子をキャリアとして伝導するn型(電子輸送性)有機半導体がある。
本発明の化合物はp型有機半導体材料、n型の有機半導体材料のどちらとして用いてもよいが、p型として用いることがより好ましい。有機半導体中のキャリアの流れやすさはキャリア移動度μで表される。キャリア移動度μは高い方がよく、1×10-3cm2/Vs以上であることが好ましく、5×10-3cm2/Vs以上であることがより好ましく、1×10-2cm2/Vs以上であることが特に好ましく、1×10-1cm2/Vs以上であることがより特に好ましく、1cm2/Vs以上であることがよりさらに特に好ましい。キャリア移動度μは電界効果トランジスタ(FET)素子を作製したときの特性や飛行時間計測(TOF)法により求めることができる。
[非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜]
(材料)
本発明は、上記一般式(1)で表される化合物、すなわち本発明の化合物を含有する非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜にも関する。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜は、前記一般式(1)で表される化合物、すなわち本発明の化合物を含有し、ポリマーバインダーを含有しない態様も好ましい。
また、本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜は、前記一般式(1)で表される化合物、すなわち本発明の化合物とポリマーバインダーを含有してもよい。
前記ポリマーバインダーとしては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの絶縁性ポリマー、およびこれらの共重合体、ポリビニルカルバゾール、ポリシランなどの光伝導性ポリマー、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレンなどの導電性ポリマー、半導体ポリマーを挙げることができる。
前記ポリマーバインダーは、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
また、有機半導体材料と前記ポリマーバインダーとは均一に混合していてもよく、一部または全部が相分離していてもよいが、電荷移動度の観点では、膜中で膜厚方向に有機半導体とバインダーが相分離した構造が、バインダーが有機半導体の電荷移動を妨げず最も好ましい。
薄膜の機械的強度を考慮するとガラス転移温度の高いポリマーバインダーが好ましく、電荷移動度を考慮すると極性基を含まない構造のポリマーバインダーや光伝導性ポリマー、導電性ポリマーが好ましい。
ポリマーバインダーの使用量は、特に制限はないが、本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜中、好ましくは0〜95質量%の範囲内で用いられ、より好ましくは10〜90質量%の範囲内で用いられ、さらに好ましくは20〜80質量%の範囲内で用いられ、特に好ましくは30〜70質量%の範囲内で用いられる。
さらに、本発明では、化合物が上述した構造をとることにより、膜質の良い有機薄膜を得ることができる。具体的には、本発明で得られる化合物は、結晶性が良いため、十分な膜厚を得ることができ、得られた本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜は良質なものとなる。
(成膜方法)
本発明の化合物を基板上に成膜する方法はいかなる方法でもよい。
成膜の際、基板を加熱または冷却してもよく、基板の温度を変化させることで膜質や膜中での分子のパッキングを制御することが可能である。基板の温度としては特に制限はないが、0℃から200℃の間であることが好ましく、15℃〜100℃の間であることがより好ましく、20℃〜95℃の間であることが特に好ましい。
本発明の化合物を基板上に成膜するとき、真空プロセスあるいは溶液プロセスにより成膜することが可能であり、いずれも好ましい。
真空プロセスによる成膜の具体的な例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、分子ビームエピタキシー(MBE)法などの物理気相成長法あるいはプラズマ重合などの化学気相蒸着(CVD)法が挙げられ、真空蒸着法を用いることが特に好ましい。
溶液プロセスによる成膜とは、ここでは有機化合物を溶解させることができる溶媒中に溶解させ、その溶液を用いて成膜する方法をさす。具体的には、キャスト法、ディップコート法、ダイコーター法、ロールコーター法、バーコーター法、スピンコート法などの塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソグラフィー印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクト印刷法などの各種印刷法、Langmuir−Blodgett(LB)法などの通常の方法を用いることができ、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、グラビア印刷法、フレキソグラフィー印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクト印刷法を用いることが特に好ましい。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜は、溶液塗布法により作製されたことが好ましい。また、本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜がポリマーバインダーを含有する場合、層を形成する材料とポリマーバインダーとを適当な溶媒に溶解させ、または分散させて塗布液とし、各種の塗布法により形成されることが好ましい。
以下、溶液プロセスによる成膜に用いることができる、本発明の非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液について説明する。
[非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液]
本発明は、前記一般式(1)で表される化合物、すなわち本発明の化合物を含有する非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液にも関する。
溶液プロセスを用いて基板上に成膜する場合、層を形成する材料を適当な有機溶媒(例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、デカリン、1−メチルナフタレンなどの炭化水素系溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒、例えば、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル系溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン、1−メチルー2−イミダゾリジノン等のアミド・イミド系溶媒、ジメチルスルフォキサイドなどのスルホキシド系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒)および/または水に溶解、または分散させて塗布液とし、各種の塗布法により薄膜を形成することができる。溶媒は単独で用いてもよく、複数組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒またはエーテル系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジクロロベンゼンまたはアニソールがより好ましく、トルエン、キシレン、テトラリン、アニソールが特に好ましい。その塗布液中の一般式(1)で表される化合物の濃度は、好ましくは、0.1〜80質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.5〜10重量%とすることにより、任意の厚さの膜を形成できる。
溶液プロセスで成膜するためには、上記で挙げた溶媒などに材料が溶解することが必要であるが、単に溶解するだけでは不十分である。通常、真空プロセスで成膜する材料でも、溶媒にある程度溶解させることができる。しかし、溶液プロセスでは、材料を溶媒に溶解させて塗布した後で、溶媒が蒸発して薄膜が形成する過程があり、溶液プロセス成膜に適さない材料は結晶性が高いものが多いため、この過程で不適切に結晶化(凝集)してしまい良好な薄膜を形成させることが困難である。一般式(1)で表される化合物は、このような結晶化(凝集)が起こりにくい点でも優れている。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液は、前記一般式(1)で表される化合物、すなわち本発明の化合物を含み、ポリマーバインダーを含有しない態様も好ましい。
また、本発明の非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液は、前記一般式(1)で表される化合物、すなわち本発明の化合物とポリマーバインダーを含有してもよい。この場合、層を形成する材料とポリマーバインダーとを前述の適当な溶媒に溶解させ、または分散させて塗布液とし、各種の塗布法により薄膜を形成することができる。ポリマーバインダーとしては、上述したものから選択することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
<合成例1> 化合物22の合成
以下のスキームに示した具体的合成手順にしたがって、一般式(1)で表される化合物である、化合物22を合成した。
Figure 2015032714
2−アミノベンゼンチオールから化合物22までは以下論文を参照して合成した。
・Journal of Chemical Society. C, Organic Chemistry, 1875 (1971)
・Organic Electronics, 13, 1392 (2012)
化合物cまでの合成と化合物22の合成方法の詳細を以下に示す。
(化合物aの合成)
1Lナス型フラスコに水酸化ナトリウム(0.2mol、8g)と純水25mLを入れて撹拌しているところに2−アミノベンゼンチオール(東京化成製 、0.2mol、25g)をゆっくりと滴下する。そこに純水250mLを加え、60℃のウォーターバスで完溶するまで撹拌し、室温で3時間反応させる。不溶物をフィルターろ過した後、ろ液を塩化亜鉛(和光純薬製、0.11mol、15g)の酢酸溶液中(氷酢酸45mL、純水250mL)にゆっくりと注ぐ。15分間の還流後、白色固体をろ過・回収し、減圧乾燥することで化合物aを得た(30g)。
(化合物bの合成)
110mLのエタノール中で化合物a(32mmol、10g)とブロマニル(東京化成製、32mmol、13.5g)を室温で1時間撹拌した後、還流下で6時間反応させる。析出物をろ過した後、エタノール、50℃まで暖めた希塩酸、水、エタノールの順に洗浄した。得られた粉をトルエンから再結晶精製することで化合物bを合成した(10g)。
(化合物cの合成)
化合物a(10mmol、3.2g)と化合物b(11mmol、5g)を氷酢酸(40mL)に入れ、還流下4時間反応させた。放冷後、析出物をろ過し、エタノール、50℃まで暖めた希塩酸、水、エタノールの順に洗浄した。得られた粉をトルエンから再結晶することで化合物cを得た(3.3g)。
(化合物22の合成)
窒素雰囲気下、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(5mol%、0.24g)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(10mol%、0.15g)、テトラブチルアンモニウムアセテート(10mmol、3g)、(トリイソプロピルシリル)アセチレン(10mmol、1.8g)および化合物c(4.2mmol、2g)をジメチルホルムアミド溶液(230mL)中、90℃で24時間反応させた。反応終了後、1Nの塩酸(1.8L)に反応液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。硫酸マグネシウム脱水処理した後、エバポレーションにより回収した素体を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン=1/1)と再結晶(シクロヘキサン)により精製することで化合物22(1.9g)を合成した。
構造は1H−NMR、MALDI−TOF MassおよびX線単結晶構造解析により確認した。
他の実施例に用いた一般式(1)で表される化合物も化合物22と同様にして合成した。
比較素子の半導体活性層(有機半導体層)に用いた比較化合物1〜4を、各文献に記載の方法にしたがって合成した(TIPS−ペンタセンはAldrichより購入)。比較化合物1〜4の構造を以下に示す。
Figure 2015032714
<素子作製・評価>
素子作製に用いた材料は全て昇華精製を行い、高速液体クロマトグラフィー(東ソーTSKgel ODS−100Z)により純度(254nmの吸収強度面積比)が99.5%以上であることを確認した。
[実施例2]
<化合物単独で半導体活性層(有機半導体層)を形成>
本発明の化合物または比較化合物(各1mg)とトルエン(1mL)を混合し、100℃に加熱したものを、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液とした。この塗布溶液を窒素雰囲気下、90℃に加熱したFET特性測定用基板上にキャストすることで、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜を形成し、FET特性測定用の実施例2の有機薄膜トランジスタ素子を得た。FET特性測定用基板としては、ソースおよびドレイン電極としてくし型に配置されたクロム/金(ゲート幅W=100mm、ゲート長L=100μm)、絶縁膜としてSiO2(膜厚200nm)を備えたボトムゲート・ボトムコンタクト構造のシリコン基板(図2に構造の概略図を示した)を用いた。
実施例2の有機薄膜トランジスタ素子のFET特性は、セミオートプローバー(ベクターセミコン製、AX−2000)を接続した半導体パラメーターアナライザー(Agilent製、4156C)を用いて常圧・窒素雰囲気下で、キャリア移動度、繰り返し駆動後の閾値電圧変化の観点で評価した。
得られた結果を下記表1に示す。
(a)キャリア移動度
各有機薄膜トランジスタ素子(FET素子)のソース電極−ドレイン電極間に−80Vの電圧を印加し、ゲート電圧を20V〜−100Vの範囲で変化させ、ドレイン電流Idを表わす式Id=(w/2L)μCi(Vg−Vth2(式中、Lはゲート長、Wはゲート幅、Ciは絶縁層の単位面積当たりの容量、Vgはゲート電圧、Vthは閾値電圧)を用いてキャリア移動度μを算出した。なお、キャリア移動度が1×10-5cm2/Vsを下回るものに関しては特性が低過ぎるため、後の(b)繰り返し駆動後の閾値電圧変化の評価は行っていない。
(b)繰り返し駆動後の閾値電圧変化
各有機薄膜トランジスタ素子(FET素子)のソース電極−ドレイン電極間に−80Vの電圧を印加し、ゲート電圧を+20V〜−100Vの範囲で100回繰り返して(a)と同様の測定を行い、繰り返し駆動前の閾値電圧V前と繰り返し駆動後の閾値電圧V後の差(|V後−V前|)を以下の3段階で評価した。この値は小さいほど素子の繰り返し駆動安定性が高く、好ましい。実用上、繰り返し駆動後の閾値電圧変化はA評価であることが好ましい。
A:|V後−V前|≦5V
B:5V<|V後−V前|≦10V
C:|V後−V前|>10V
Figure 2015032714
上記表1より、本発明の化合物を用いた有機薄膜トランジスタ素子は、キャリア移動度が高く、繰り返し駆動後の閾値電圧変化が小さいことがわかった。そのため、本発明の化合物は非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料として好ましく用いられることがわかった。
一方、比較化合物4以外の比較化合物1、2および3を用いた有機薄膜トランジスタ素子は、キャリア移動度が低いものであった。比較化合物1、2、3および4を用いた有機薄膜トランジスタ素子は、繰り返し駆動後の閾値電圧変化が大きいものであった。
[実施例3]
<化合物をバインダーとともに用いて半導体活性層(有機半導体層)を形成>
本発明の化合物または比較化合物(各1mg)、PαMS(ポリ(α−メチルスチレン、Mw=300,000)、Aldrich製)1mg、トルエン(1mL)を混合し、100℃に加熱したものを塗布溶液として用いる以外は実施例2と同様にしてFET特性測定用の実施例3の有機薄膜トランジスタ素子を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
得られた結果を下記表2に示す。
Figure 2015032714
上記表2より、本発明の化合物をバインダーとともに用いて半導体活性層を形成した有機薄膜トランジスタ素子は、キャリア移動度が高く、繰り返し駆動後の閾値電圧変化が小さいことがわかった。そのため、本発明の化合物は非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料として好ましく用いられることがわかった。
一方、比較化合物4以外の比較化合物1、2および3をバインダーとともに用いて半導体活性層を形成した有機薄膜トランジスタ素子は、キャリア移動度が低いものであった。比較化合物1、2、3および4をバインダーとともに用いて半導体活性層を形成した有機薄膜トランジスタ素子は、繰り返し駆動後の閾値電圧変化が大きいものであった。
さらに、実施例3で得られた各有機薄膜トランジスタ素子について、光学顕微鏡観察を行ったところ、バインダーとしてPαMSを用いた薄膜はいずれも膜の平滑性・均一性が非常に高いことが分かった。
以上より、比較素子ではバインダーと比較化合物の複合系で半導体活性層を形成した場合にキャリア移動度が非常に低くなるのに対し、本発明の有機薄膜トランジスタ素子では本発明の化合物をバインダーとともに用いて半導体活性層を形成した場合も良好なキャリア移動度を示し、繰り返し駆動後の閾値電圧変化が小さく、膜の平滑性・均一性が非常に高い素子を得ることができることが分かった。
[実施例4]
<半導体活性層(有機半導体層)形成>
ゲート絶縁膜としてSiO2(膜厚370nm)を備えたシリコンウエハーを用い、オクチルトリクロロシランで表面処理をおこなった。
本発明の化合物または比較化合物(各1mg)とトルエン(1mL)を混合し、100℃に加熱したものを、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液とした。この塗布溶液を窒素雰囲気下、90℃に加熱したオクチルシラン表面処理シリコンウエハー上にキャストすることで、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜を形成した。
更にこの薄膜表面にマスクを用いて金を蒸着することで、ソースおよびドレイン電極を作製し、ゲート幅W=5mm、ゲート長L=80μmのボトムゲート・トップコンタクト構造の実施例4の有機薄膜トランジスタ素子を得た(図1に構造の概略図を示した)。
実施例4の有機薄膜トランジスタ素子のFET特性は、セミオートプローバー(ベクターセミコン製、AX−2000)を接続した半導体パラメーターアナライザー(Agilent製、4156C)を用いて常圧・窒素雰囲気下で、キャリア移動度、繰り返し駆動後の閾値電圧変化の観点で評価した。
得られた結果を下記表3に示す。
Figure 2015032714
上記表3より、本発明の化合物を用いた有機薄膜トランジスタ素子は、キャリア移動度が高く、繰り返し駆動後の閾値電圧変化が小さいことがわかった。そのため、本発明の化合物は非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料として好ましく用いられることがわかった。
一方、比較化合物4以外の比較化合物1、2および3を用いた有機薄膜トランジスタ素子は、キャリア移動度が低いものであった。比較化合物1、2、3および4を用いた有機薄膜トランジスタ素子は、繰り返し駆動後の閾値電圧変化が大きいものであった。
11 基板
12 電極
13 絶縁体層
14 半導体活性層(有機物層、有機半導体層)
15a、15b 電極
31 基板
32 電極
33 絶縁体層
34a、34b 電極
35 半導体活性層(有機物層、有機半導体層)

Claims (35)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物を半導体活性層に含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
    一般式(1)
    Figure 2015032714
    (一般式(1)において、X1およびX2はそれぞれ独立に硫黄原子またはセレン原子を表し、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、n個のR1およびn個のR2のうち少なくとも一個が下記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
    −L−R 一般式(W)
    (一般式(W)において、Lは下記一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の下記一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表す。Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。)
    Figure 2015032714
    (一般式(L−1)〜(L−9)において、波線部分は骨格中央部の芳香族炭化水素環との結合部位を表し、*は一般式(L−1)〜(L−9)で表される2価の連結基およびRのいずれかとの結合位置を示す。一般式(L−6)におけるmは4を表し、一般式(L−7)および(L−8)におけるmは2を表す。一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)、(L−7)および(L−8)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただし、一般式(L−1)および(L−2)中のR’は、それぞれLに隣接するRと結合して縮合環を形成してもよい。)
  2. 前記一般式(1)におけるX1およびX2が硫黄原子であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  3. 前記一般式(1)におけるnが1〜3の整数であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機薄膜トランジスタ。
  4. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
    一般式(2)
    Figure 2015032714
    (一般式(2)において、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1およびR2のうち少なくとも一個が前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  5. 前記一般式(W)におけるLが前記一般式(L−1)、(L−3)または(L−6)で表される置換基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  6. 前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項4または5に記載の有機薄膜トランジスタ。
    一般式(3)
    Figure 2015032714
    (一般式(3)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R2は前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  7. 前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
    一般式(4)
    Figure 2015032714
    (一般式(4)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  8. 前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする請求項4または5に記載の有機薄膜トランジスタ。
    一般式(5)
    Figure 2015032714
    (一般式(5)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R2は前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  9. 前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(6)で表される化合物であることを特徴とする請求項4、5および8のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
    一般式(6)
    Figure 2015032714
    (一般式(6)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  10. 前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(7)で表される化合物であることを特徴とする請求項4または5に記載の有機薄膜トランジスタ。
    一般式(7)
    Figure 2015032714
    (一般式(7)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、mは4を表す。R2は前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
  11. 前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(8)で表される化合物であることを特徴とする請求項4、5および10のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
    一般式(8)
    Figure 2015032714
    (一般式(8)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、mは4を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  12. 前記一般式(1)〜(8)において、R3〜R10がそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルケニル基、炭素数1〜2の置換または無置換のアルコキシ基、炭素数6〜10の置換または無置換のアリール基、炭素数3〜10の置換または無置換のヘテロアリール基、あるいは、置換または無置換のメチルチオ基であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  13. 前記一般式(3)〜(8)において、R11およびR12が全て置換または無置換のアルキル基を含む基であることを特徴とする請求項6〜12のいずれか一項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  14. 前記一般式(3)〜(8)において、R11およびR12が全て分枝アルキル基を含む基であることを特徴とする請求項6〜12のいずれか一項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  15. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする化合物。
    一般式(1)
    Figure 2015032714
    (一般式(1)において、X1およびX2はそれぞれ独立に硫黄原子またはセレン原子を表し、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、n個のR1およびn個のR2のうち少なくとも一個が下記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、nは1〜6の整数を表す。)
    −L−R 一般式(W)
    (一般式(W)において、Lは下記一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の下記一般式(L−1)〜(L−9)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表す。Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。)
    Figure 2015032714
    (一般式(L−1)〜(L−9)において、波線部分は骨格中央部の芳香族炭化水素環との結合部位を表し、*は一般式(L−1)〜(L−9)で表される2価の連結基およびRのいずれかとの結合位置を示す。一般式(L−6)におけるmは4を表し、一般式(L−7)および(L−8)におけるmは2を表す。一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)、(L−7)および(L−8)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただし、一般式(L−1)および(L−2)中のR’は、それぞれLに隣接するRと結合して縮合環を形成してもよい。)
  16. 前記一般式(1)におけるX1およびX2が硫黄原子であることを特徴とする請求項15に記載の化合物。
  17. 前記一般式(1)におけるnが1〜3であることを特徴とする請求項15または16に記載の化合物。
  18. 下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項15に記載の化合物。
    一般式(2)
    Figure 2015032714
    (一般式(2)において、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1およびR2のうち少なくとも一個が前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  19. 前記一般式(W)におけるLが前記一般式(L−1)、(L−3)または(L−6)で表される置換基であることを特徴とする請求項15〜18のいずれか一項に記載の化合物。
  20. 前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項18または19に記載の化合物。
    一般式(3)
    Figure 2015032714
    (一般式(3)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R2は前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  21. 前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする請求項18〜20のいずれか1項に記載の化合物。
    一般式(4)
    Figure 2015032714
    (一般式(4)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  22. 前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする請求項18または19に記載の化合物。
    一般式(5)
    Figure 2015032714
    (一般式(5)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R2は前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  23. 前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(6)で表される化合物であることを特徴とする請求項18、19および22のいずれか1項に記載の化合物。
    一般式(6)
    Figure 2015032714
    (一般式(6)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  24. 前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(7)で表される化合物であることを特徴とする請求項18または19に記載の化合物。
    一般式(7)
    Figure 2015032714
    (一般式(7)において、R11は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、mは4を表す。R2は前記一般式(W)で表される基を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  25. 前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(8)で表される化合物であることを特徴とする請求項18、19および24のいずれか1項に記載の化合物。
    一般式(8)
    Figure 2015032714
    (一般式(8)において、R11およびR12は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシリル基、エチレンオキシ単位の繰り返し数vが2以上のオリゴエチレンオキシ基またはケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基を表す。R’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、mは4を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  26. 前記一般式(1)〜(8)において、R3〜R10がそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルケニル基、炭素数1〜2の置換または無置換のアルコキシ基、炭素数6〜10の置換または無置換のアリール基、炭素数3〜10の置換または無置換のヘテロアリール基、あるいは、置換または無置換のメチルチオ基であることを特徴とする請求項15〜25のいずれか一項に記載の化合物。
  27. 前記一般式(3)〜(8)において、R11およびR12が全て置換または無置換のアルキル基を含む基であることを特徴とする請求項20〜26のいずれか一項に記載の化合物。
  28. 前記一般式(3)〜(8)において、R11およびR12が全て分枝アルキル基を含む基であることを特徴とする請求項20〜26のいずれか一項に記載の化合物。
  29. 請求項15〜28のいずれか一項に記載の前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料。
  30. 請求項15〜28のいずれか一項に記載の前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする有機薄膜トランジスタ用材料。
  31. 請求項15〜28のいずれか一項に記載の前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液。
  32. 請求項15〜28のいずれか一項に記載の前記一般式(1)で表される化合物とポリマーバインダーを含有することを特徴とする非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液。
  33. 請求項15〜28のいずれか一項に記載の前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜。
  34. 請求項15〜28のいずれか一項に記載の前記一般式(1)で表される化合物とポリマーバインダーを含有することを特徴とする非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜。
  35. 溶液塗布法により作製されたことを特徴とする請求項33または34に記載の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体薄膜。
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