JP2015032706A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015032706A
JP2015032706A JP2013161672A JP2013161672A JP2015032706A JP 2015032706 A JP2015032706 A JP 2015032706A JP 2013161672 A JP2013161672 A JP 2013161672A JP 2013161672 A JP2013161672 A JP 2013161672A JP 2015032706 A JP2015032706 A JP 2015032706A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor chip
submount
semiconductor
semiconductor device
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013161672A
Other languages
English (en)
Inventor
佐藤 弘人
Hiroto Sato
弘人 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ushio Denki KK
Ushio Inc
Original Assignee
Ushio Denki KK
Ushio Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ushio Denki KK, Ushio Inc filed Critical Ushio Denki KK
Priority to JP2013161672A priority Critical patent/JP2015032706A/ja
Publication of JP2015032706A publication Critical patent/JP2015032706A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/73Means for bonding being of different types provided for in two or more of groups H01L2224/10, H01L2224/18, H01L2224/26, H01L2224/34, H01L2224/42, H01L2224/50, H01L2224/63, H01L2224/71
    • H01L2224/732Location after the connecting process
    • H01L2224/73251Location after the connecting process on different surfaces
    • H01L2224/73265Layer and wire connectors

Landscapes

  • Die Bonding (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

【課題】製造時における加熱/冷却過程で半導体チップに対して加えられる応力を抑制しながらも、駆動時に半導体チップから生じる熱を効率的に排熱する機能を十分に発揮できる半導体装置を提供する。【解決手段】 半導体装置は、サブマウントと、サブマウントよりも線熱膨張係数の低い材料で構成され、サブマウントの一部上面に搭載された、サブマウントよりも厚みの薄い半導体チップを有する。サブマウントは、一部の箇所において主平面に対して突出した突出部を有し、半導体チップは、一部箇所に主平面に対して鉛直方向に貫通する溝部を有する。突出部が溝部に嵌合して半導体チップよりも突出し、半導体チップの溝部の内側面と突出部が当接している。【選択図】 図3

Description

本発明は半導体装置に関し、特に、半導体チップを搭載するサブマウントを備えた半導体装置に関する。また、本発明は、このような半導体装置の製造方法に関する。
半導体レーザ素子等の光半導体素子を含む半導体チップが搭載された半導体装置においては、駆動時に大きな熱が発生する。この発熱による温度変化によって、光半導体素子の発振波長や発光強度が変化する。半導体装置からの発熱量は、出力に比例して増大するため、特に光半導体素子が複数配列されてなるような半導体装置においては、この駆動時に生じる熱をいかに効率的に排熱するかが重要である。
このような観点から、従来、光半導体素子で発生する熱を効率的に排出するために、熱伝導性の高い材料を用いてサブマウントを形成し、このサブマウント上に半導体チップを搭載する技術が提案されている。サブマウント上に半導体チップを搭載するに際しては、サブマウント上の所定の箇所に接合材を介して半導体チップを載置した後、加熱をしてサブマウントと半導体チップを接合する。その後、接合された両者が常温程度に冷却される。
なお、サブマウントとして利用される熱伝導率の高い材料としては、Cu、Cu−W合金、Cu−Mo合金があり、これらはいずれも熱伝導率が200W/m・Kを超える値を示す(特許文献1参照)。また、特許文献2に示されている異方性熱伝導素子はグラフェンシート面内の熱伝導率が1500W/m・Kと非常に大きく、半導体チップからの排熱性に優れた素子であるといえる。
特許第3509809号明細書 特開2011−23670号公報
しかし、これらのサブマウント基板材料の線熱膨張係数は、半導体チップの構成材料の線熱膨張係数と整合しないという問題点がある。例えば、光半導体素子を搭載する半導体チップとして一般的に用いられるGaAs基板の線熱膨張係数は5.6×10−6/K〜6.0×10−6/K程度である。これに対し、サブマウントの材料として前述したCu、Cu−W合金(Cu20%)の線熱膨張係数は、それぞれ17×10−6/K程度、8.3×10−6/K程度であり、いずれもGaAsの線熱膨張係数と比べてその値は大きい。
また、特許文献2に示されている高配向性熱分解グラファイトを積層した構造体を用いた異方性熱伝導素子も、グラファイト積層方向の線熱膨張係数は25×10−6/K程度であり、GaAsの線熱膨張係数と比べてその値は極めて大きい。
このため、上記のような線熱膨張係数の大きい材料で形成されたサブマウント上に、Au−Snハンダ等の硬ハンダ材料を用いて、サブマウント材料よりも線熱膨張係数の小さい材料で形成された半導体チップを接合すると、この接合プロセス中における加熱/冷却過程を経て、半導体チップに大きな圧縮応力が発生し、半導体チップを損傷してしまう。また、残留応力のために半導体チップに搭載された光半導体素子の特性を損なってしまう。
一方、接合材料としてインジウムハンダなどの軟ハンダを用いれば、接合時の熱応力を一定程度低減することはできるが、繰り返し応力によって塑性変形が進行しやすいため、接合箇所に対する信頼性が低下してしまうという課題がある。かかる観点から、半導体チップとサブマウントを接合させるための材料として、軟ハンダは適していないとされている。
また、別の方法として、サブマウントと半導体チップの間に、線熱膨張係数の値が両者の間の値を示す他の材料で構成された層を複数層形成することで、半導体チップに対して加えられる熱応力を緩和する方法が考えられる。しかし、これらの層を形成する材料は、サブマウントよりも熱伝導率が低い材料となってしまうため、結果的に駆動時の排熱性を阻害することになり、高い排熱効果が得られない。加えて、サブマウントの上層に異なる材料からなる多層構造を形成する必要があるため、製造が極めて煩雑化するという別の課題も生じる。
本発明は、上記の課題に鑑み、製造時における加熱/冷却過程で半導体チップに対して加えられる応力を抑制しながらも、駆動時に半導体チップから生じる熱を効率的に排熱する機能を十分に発揮できる半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の半導体装置は、
サブマウントと、
前記サブマウントよりも線熱膨張係数の低い材料で構成され、前記サブマウントの一部上面に搭載された、前記サブマウントよりも厚みの薄い半導体チップを有し、
前記サブマウントは、一部の箇所において主平面に対して突出した突出部を有し、
前記半導体チップは、一部箇所に主平面に対して鉛直方向に貫通する溝部を有し、
前記突出部が前記溝部に嵌合して前記半導体チップよりも突出し、前記半導体チップの前記溝部の内側面と前記突出部が当接していることを特徴とする。
なお、本明細書において、ある部材が他の部材に対して「当接する」とは、両部材が完全に接触している場合の他、極めて微小な距離を隔てて対向し、実質的に接触している場合を含む概念である。
上記構成によれば、サブマウントと半導体チップを加熱して接合する際、線熱膨張係数がサブマウントよりも半導体チップの方が小さいため、半導体チップよりもサブマウントの方が大きく熱膨張しようとする。しかし、サブマウントが熱膨張し、サブマウントに設けられた突出部が半導体チップの溝部の内側面に接触すると、この時点で半導体チップとサブマウントが実質的に一体化される。すると、これ以後は、半導体チップよりも厚みが大きいサブマウントの線熱膨張係数に依存して、半導体チップはサブマウントと同等に膨張する。つまり、半導体チップはサブマウントの伸びに引っ張られる形で従来よりも大きく伸びる。
そして、サブマウントと半導体チップが接合された後、常温程度にまで冷却される過程において、サブマウントと半導体チップは一体化されているため、やはりサブマウントの線熱膨張係数に依存して収縮する。
つまり、サブマウントの突出部が存在しない従来の構成の場合、半導体チップは加熱によってサブマウントよりも伸びが小さい一方で、冷却時にサブマウントと同程度に大きく収縮する結果、冷却後の半導体装置においては半導体チップに対して圧縮応力が発生することになる。この圧縮応力の存在が、半導体チップの損傷や破損、ひいては半導体チップに搭載された光半導体素子の特性劣化につながる。
これに対し、本発明の構成によれば、サブマウントの突出部が存在することで、上述したように半導体チップの溝部内の内側面が突出部に接触した後は、半導体チップの伸びはサブマウントと同程度に大きくなる。そして、冷却過程における収縮量もサブマウントと同程度となる。この結果、半導体チップは、従来よりも圧縮応力が大幅に軽減され、搭載された光半導体素子の特性に影響が及ばない。
更に、この構成によれば、サブマウントの突出部によって熱応力の問題が解消できているため、サブマウントと半導体チップの間に、熱応力を緩和するための別材料を多層構造で形成する必要はない。このため、半導体チップに搭載された光半導体素子の駆動時に生じる熱を、サブマウントを通じて効率的に排熱することができる。
更に上記構成において、
前記半導体チップは直方体形状を有し、少なくとも短手方向の一対の外縁に沿って、当該一対の外縁の内側の箇所に溝部を有しているものとしても構わない。
上記構成によれば、加熱工程の際、サブマウントの突出部によって、少なくとも半導体チップの対向する短手方向の一対の外縁を構成する外側面をそれぞれ外側に伸ばす力が働くため、半導体チップに対する圧縮応力を大きく低減させることができる。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、
前記突出部を有する前記サブマウントを準備する工程(a)と、
前記サブマウントの上面に前記半導体チップを載置して、前記溝部に前記突出部を嵌合させ、前記サブマウント及び前記半導体チップを加熱して接合する工程(b)と、
前記工程(b)の後に冷却する工程(c)を有し、
前記工程(b)の実行時において、前記半導体チップの前記溝部の内側面と前記サブマウントの前記突出部が接触することを特徴とする。
本方法によれば、上述したように接合の際の加熱時に半導体チップの溝部の内側面とサブマウントの突出部が接触するため、これ以後、半導体チップはサブマウントの熱膨張に応じて熱膨張する。この結果、従来よりも加熱工程中の半導体チップの伸び量が増大するため、冷却後における半導体チップの圧縮応力が低減される。
本発明によれば、製造時における半導体チップへの応力の抑制機能と、駆動時における半導体チップからの発熱の効率的な排熱機能の両者を従来よりも高めた半導体装置が実現できる。
本発明の半導体装置の構造を示す模式的な斜視図である。 異方性熱伝導素子によって形成されたサブマウント上に半導体チップを載置した状態を示す模式的な斜視図である。 本発明の半導体装置の構造を示す模式的な斜視図である。 図3における一部分を拡大した図である。 図3の状態の半導体装置に関して、各部材を分解して図示した模式的な斜視図である。 本発明の半導体装置の構造を示す模式的な平面図である。 図6におけるA−A線の模式的な断面図である。 図6におけるB−B線の模式的な断面図である。 比較例(1,2)の半導体装置の構造を示す模式的な斜視図である。 実施例1及び比較例1における半導体チップに発生したZ方向垂直応力の分布状態を示す画像である。 実施例2及び比較例2における半導体チップに発生したZ方向垂直応力の分布状態を示す画像である。 半導体チップに発生するZ方向垂直応力分布を求めた方向を説明するための図である。 実施例1及び比較例1において、半導体チップの基準位置71から経路72に沿って離れた位置におけるZ方向垂直応力の分布を示すグラフである。 実施例1及び比較例1において、半導体チップの基準位置73から経路74に沿って離れた位置におけるZ方向垂直応力の分布を示すグラフである。 実施例2及び比較例2において、半導体チップの基準位置71から経路72に沿って離れた位置におけるZ方向垂直応力の分布を示すグラフである。 実施例2及び比較例2において、半導体チップの基準位置73から経路74に沿って離れた位置におけるZ方向垂直応力の分布を示すグラフである。 実施例及び比較例における半導体チップとサブマウントの変形の様子を模式的に示す図である。 溝部8の形状に関する別構成を説明するための概念図である。
本発明の半導体装置につき、図面を参照して説明する。なお、各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。
〈構造〉
図1は、半導体装置の模式的な斜視図である。半導体装置10は、ヒートシンク3上に、Sn−Ag−Cuハンダなどで構成された第1接合層5を介して固着されたサブマウント1と、このサブマウント1上に、第2接合層25(図1では不図示)を介して固着された半導体チップ7を備える。半導体チップ7は、サブマウント1よりも線熱膨張係数の低い材料で構成されている。一例として、サブマウント1は、シート状グラファイトの積層体で構成され、半導体チップ7はGaAsで構成される。ヒートシンク3は例えばCu等の熱伝導率が高い材料で構成される。なお、ヒートシンク3の半導体チップ7の搭載面と反対側の面には、必要に応じて排熱のための冷却手段(不図示)が設けられる。
以下では、図1に示すように、半導体チップ7の長手方向をZ方向、短手方向をX方向、厚み方向をY方向と定義する。
シート状グラファイトでサブマウント1を構成するに際しては、図2に示すように、シート状グラファイトの積層方向dが半導体チップ7の長手方向、すなわちZ方向となるように配置する。シート状グラファイトは、シート平面内方向(XY平面に平行な方向)に対する物性値とシート積層方向(Z方向)に対する物性値が異なる。このようなサブマウント1としては、例えば、上記特許文献2に開示されているような異方性熱伝導素子を用いることができる。
なお、特許文献2に示されている異方性熱伝導素子においては、シート平面内方向(XY平面に平行な方向)の熱伝導率がシート積層方向(Z方向)の熱伝導率の200倍以上である。従って、図2に示すように半導体チップ7の厚み方向をシート平面内方向に一致させることにより、高い熱伝導率を示すシート平面内方向を通じて半導体チップ7で発生した熱を効率的にヒートシンク3へと排熱することができる。
また、シート状グラファイトで構成されるサブマウント1のシート積層方向の線熱膨張率は25×10−6/Kであり、GaAsで構成される半導体チップ7の線熱膨張係数(約6×10−6/Kよりもかなり大きい値を示す。
図3は、図1からヒートシンク3と第1接合層5の図示を省略し、サブマウント1及び半導体チップ7の領域を拡大して図示した図面である。図3に示すように、サブマウント1は突出部11Aを有する構成である。図4は、この突出部11Aの周辺箇所33を拡大した図面である。
図3に示すように、半導体チップ7には複数の光取り出し部42がアレイ状に配置されており、半導体チップ7の層内に形成された光半導体素子41(図3では不図示)からの光が光取り出し部42を介して上方向に取り出される。
また、サブマウント1には、半導体チップ7の短手方向(X方向)の辺を構成する外縁よりも内側の位置に突出部11Aが形成されている。より詳細には、半導体チップ7は、短手方向の辺を構成する外縁よりも内側において、当該短手方向の辺に沿って、主平面に対して鉛直方向に貫通する溝部8を有する構造であり、サブマウント1は同箇所に鉛直方向に突出した突出部11Aを有しており、この突出部11Aが溝部8に嵌合することで、半導体チップ7よりも上面に突出している。これにより、半導体チップ7の溝部8の内側面が、サブマウント1の突出部11Aの外側面に当接している。
なお、この溝部8は、半導体装置7上において、光取り出し部42及び光半導体素子41よりも外側の位置に形成されている。
サブマウント1は、上述したシート状グラファイト等の熱伝導率が高い材料で形成されたサブマウント基材11と、サブマウント基材11の一部上面に形成された第1導電層21、及び第1導電層21と分離した位置においてサブマウント基材11の一部上面に形成された第2導電層23を有する。本実施形態では、サブマウント基材11の一部箇所が主平面に対して突出することで突出部11Aを形成しているものとして説明する。ただし、突出部11Aは、半導体チップ7よりも線熱膨張係数が高い材料であれば、サブマウント基材11と全く同じ材料で構成されていなくても構わない。
図5は、図3の斜視図を分解して図示した模式的な斜視図である。図5(d)が突出部11Aを含むサブマウント基材11に対応する。この突出部11Aを含む箇所9に、図5(a)の半導体チップ7が搭載される。
図6は、半導体装置10の模式的な平面図である。また、図7は図6におけるA−A線の断面図であり、図8は図6におけるB−B線の断面図である。A−A線は、光取り出し部42を通るX方向に平行な線であり、B−B線は、光取り出し部42及びワイヤ43が形成されていない半導体チップ7上の位置を通るZ方向に平行な線である。なお、図7及び図8では、ヒートシンク3についても図示している。また、説明の都合上、突出部11Aの高さを誇張して図示しており、一部の導電層(電極層)の図示を省略している。
サブマウント基材11の上面に、図5(c)に示すような第1導電層21及び第2導電層23を形成する。これらの導電層(21,23)は、Au等で形成される。ここで、図5(c)によれば、第1導電層21は、サブマウント基材11の上面のうち、半導体チップ7を搭載する箇所9の外側に配置される。一方、第2導電層23は、サブマウント基材11の上面のうち、半導体チップ7が搭載される箇所9と、その外側の箇所に連絡されるように配置される。また、第1導電層21と第2導電層23とは分離され、両者の絶縁が確保されている。
サブマウント基材11の上面に、第1導電層21及び第2導電層23が上記のように形成された状態で、半導体チップ7を搭載する箇所9のうち、突出部11Aに挟まれた領域にAu−Snハンダ等で構成された第2接合層25が形成される。その後、この第2接合層25の上面に半導体チップ7が載置される。この半導体チップ7は、一部箇所に主平面に対して鉛直方向に貫通する溝部8を有しており、この溝部8に突出部11Aを嵌合させるように半導体チップ7を載置する。その後、例えば320℃程度にまで加熱されることにより、第2接合層25を介してサブマウント1と半導体チップ7が接合される。その後、加熱を停止すると室温によって冷却され始め、約280℃程度を下回った時点で第2接合層25が固化してサブマウント1と半導体チップ7が一体化される。その後、室温程度にまで冷却される。
半導体チップ7は、半導体チップ基材45、半導体チップ基材45の層内に形成された光半導体素子41、表面に形成された第1電極層27、及び裏面に形成された第2電極層(不図示)を有する(図7参照)。第1電極層27と第2電極層の間に電圧が印加されると、光半導体素子41に電流が供給されて発光し、光取り出し部42から光が取り出される構成である。
上記のようにサブマウント1と半導体チップ7が接合されると、サブマウント基材11の上面に形成されていた第2導電層23と半導体チップ7の裏面側に形成されている第2電極層(不図示)が、第2接合層25を介して電気的に接続される。そして、サブマウント1と半導体チップ7の接合後、半導体チップ7の表面に形成された第1電極層27と第1導電層21がAu等で形成されたワイヤ43によって接続される。これにより、図3に示す構成が実現される。図示していないが、第1導電層21に対しては例えば電源の負極が接続され、第2導電層23に対しては例えば電源の正極が接続される。そして、この電源を通じて第1導電層21と第2導電層23の間に電圧が印加されることで、半導体チップ7が備える光半導体素子41に対して電流が供給され、発光する。
図8に示すように、突出部11Aが、半導体チップ7に設けられた溝部8に嵌合することによって半導体チップ7より突出する構成であるため、半導体チップ7の溝部8の内側面と、サブマウント1の突出部11Aが当接している。
なお、このような突出部11Aを有するサブマウント1は、種々の方法によって製造することが可能である。一例としては、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法によってシート状グラファイトを成長させて平坦なサブマウント基材11を製造した後、更にCVD法によって所定の箇所に対してのみシート状グラファイトを再び成長させることで、突出部11Aを形成することができる。
なお、突出部11Aを形成するに際し、他の材料をCVD法によって成長させることで実現しても構わない。このとき、第1導電層21及び第2導電層23を形成した後に、突出部11A及び突出部11Bを形成してもよい。
また、別の方法としては、シート状グラファイトをサブマウント基材11よりも厚膜で成長させた後、突出部11Aの形成箇所以外の箇所をエッチング等によって削ることで、突出部11Aを有するサブマウント1を形成することができる。
そして、半導体チップ7に関しては、例えば半導体チップ7に対してドライエッチングを施すことで、ビアホール形成技術を利用して鉛直方向に貫通する溝部8を所定箇所に設けることで実現できる。
〈性能検証〉
次に、本実施形態の半導体装置10が備える半導体チップ7の性能につき、比較例との比較結果を参照して説明する。
(実施例1)
図1〜図8を参照して説明した構造を有する半導体装置10を実施例1として作製した。なお、各構成の材質と寸法を以下の通りとした。
半導体チップ7の構成について説明する。半導体チップ基材45をGaAsで構成し、その外形寸法を、Z方向×X方向×Y方向に関して、7.2mm×1mm×0.06mmとした。また、光エミッタを構成する光半導体素子41は、GaAs系化合物で構成し、その大きさは直径250μm程度の円形状とした。また、光取り出し部42の直径を200μmの円形状とした。
第1電極層27及び第2電極層は、いずれもAuで構成し、厚みを2μmとした。
次に、サブマウント1の構成について説明する。サブマウント基材11をシート状グラファイトで構成し、その外形寸法を、Z方向×X方向×Y方向に関して10.7mm×3.5mm×1.0mmとした。ただしこのY方向の寸法には突出部11Aの高さは含まれていない。また、突出部11Aの高さを107μmとした。
第1導電層21及び第2導電層23は、いずれもAuで構成し、厚みを3μmとした。
ヒートシンク3とサブマウント1を接合するための第1接合層5は、SnとAgとCuとの質量比が96.5:3:0.5のSnAgCu共晶ハンダで構成し、その寸法をZ方向×X方向×Y方向に関して11.4mm×4.5mm×20μmとした。
サブマウント1と半導体チップ7を接合するための第2接合層25は、AuとSnとの質量比が80:20のAuSn共晶ハンダで構成し、その寸法をZ方向×X方向×Y方向に関して6.6mm×1mm×10μmとした。
次に、ヒートシンク3の構成について説明する。ヒートシンク3はCuで構成し、その外形の寸法をZ方向×X方向×Y方向に関して32.8mm×18mm×5.8mmとした。
また、半導体チップ7とサブマウント1を接合する前の時点において、溝部8に嵌合させたサブマウント1の突出部11Aの外側面と、溝部8の内側面の間隔sを1μmとした。この間隔sについては、図11を参照して後述される。
(比較例1)
図9は、比較例1の半導体装置60の構造を模式的に示す斜視図である。なお、図9では説明の都合上、ヒートシンク3、第1接合層5、及びワイヤ43の図示を省略している。
比較例1の半導体装置60は、実施例1のサブマウント1に代えて突出部11Aを有しないサブマウント61を備え、実施例1の半導体チップ7に代えて溝部8を有しない半導体チップ62を備えている点が異なる。他の構成及び材料は実施例1と共通とした。
(実施例2)
実施例2の半導体装置10は、サブマウント1の材料としてWの重量%が80%のCu−W合金を用い、溝部8に嵌合させたサブマウント1の突出部11Aの外側面と、溝部8の内側面の間隔sを0.1μmとした点を除いて、実施例1と共通とした。
(比較例2)
比較例2の半導体装置60は、サブマウント61の材料をCu−W合金とした点を除いて、比較例1と共通とした。
(検証方法)
上記の各実施例及び各比較例に関し、それぞれサブマウント(1,61)の上面に形成された第2接合層25(Au−Snハンダ)上に半導体チップ(7,62)を載置した状態で温度280℃まで加熱して半導体チップ(7,62)とサブマウント(1,61)を固着させ、その状態から22℃(室温)まで温度を低下させた。このときの、半導体チップ(7,62)に対して加えられる応力に関し、有限要素法による構造解析によって算出した。
なお、計算に用いた各材料の物性値は以下の通りである。
GaAsの0℃時における線熱膨張係数は5.6×10−6/Kであり、100℃時における線熱膨張係数が6.0×10−6/Kである。GaAsの縦弾性係数は85GPaであり、ポアソン比は0.31である。
シート状グラファイトは、シート平面内方向(XY平面に平行な方向)について、線熱膨張係数は−0.6×10−6/Kであり、縦弾性係数は50GPaであり、ポアソン比は0.3である。また、シート状グラファイトは、シート積層方向(Z方向)について、線熱膨張係数は25×10−6/Kであり、縦弾性係数は3.4GPaであり、ポアソン比は0.002である。
Auの線熱膨張係数は1.4×10−6/Kである。Auの25℃時における縦弾性係数は78GPaであり、50℃時における縦弾性係数は75GPaであり、100℃時における縦弾性係数は59GPaであり、ポアソン比は0.42である。
Au−Snハンダ(Sn20wt%)の線熱膨張係数は16×10−6/Kである。また、同ハンダの25℃時における縦弾性係数は59GPaであり、50℃時における縦弾性係数は57GPaであり、100℃時における縦弾性係数は45GPaであり、ポアソン比は0.4である。
Cu−W合金の線熱膨張係数は8.3×10−6/Kである。また、Cu−W合金の縦弾性係数は290GPaであり、ポアソン比は0.3である。
(検証結果)
図10A〜図10Gを参照して、検証結果について説明する。図10Aは、実施例1及び比較例1における半導体チップ(7,62)に発生したZ方向垂直応力の分布状態を、応力の大小に応じて濃淡を付けた二次元画像として表示したものであり、第2電極層側、すなわち裏面側から半導体チップ(7,62)を見たときの応力分布である。また、図10Bは、同様に、実施例2及び比較例2における半導体チップ(7,62)に発生したZ方向垂直応力の分布状態を、応力の大小に応じて濃淡を付けた二次元画像として表示したものである。なお、図10A及び図10Bにおいて、Z方向垂直応力(圧縮応力)が大きい箇所ほど濃い色に表示され、小さい箇所ほど薄い色に表示されている。
図10Dは、半導体チップ(7,62)の長手方向(Z方向)の中心箇所を通る、短手方向に平行な線を基準位置71とし、この基準位置71から、長手方向(Z方向)に平行な経路72に沿って離れた位置における最大主応力(図10C参照)を、実施例1及び比較例1のそれぞれで求めて同一のグラフ上に表示したものである。なお、グラフの横軸はZ方向の位置を示し、縦軸はZ方向の垂直応力の大きさを示している。縦軸の値に関し、正の符号が引張り応力を、負の符号が圧縮応力を示しており、絶対値の大きさが大きいほど強い応力が生じていることを表している。
図10Eは、光取り出し部42及びその下方に光半導体素子41が形成されている位置において、半導体チップ(7,62)の基準位置73(ここでは半導体チップ7の長手方向に沿った外縁とした。)から半導体チップ7の短手方向(X方向)に平行な経路74に沿って離れた位置におけるZ方向垂直応力(図10C参照)を、実施例1及び比較例1のそれぞれで求めて同一のグラフ上に表示したものである。なお、グラフの横軸はX方向の位置を示し、縦軸はZ方向の垂直応力の大きさを示している。
図10Fは、半導体チップ(7,62)の長手方向(Z方向)の中心箇所を通る、短手方向に平行な線を基準位置71とし、この基準位置71から、長手方向(Z方向)に平行な経路72に沿って離れた位置におけるZ方向垂直応力(図10C参照)を、実施例2及び比較例2のそれぞれで求めて、図10Dにならって同一のグラフ上に表示したものである。
図10Gは、光取り出し部42及びその下方に光半導体素子41が形成されている位置において、半導体チップ(7,62)の基準位置73(ここでは半導体チップ7の長手方向に沿った外縁とした。)から半導体チップ7の短手方向(X方向)に平行な経路74に沿って離れた位置におけるZ方向垂直応力(図10C参照)を、実施例2及び比較例2のそれぞれで求めて図10Eにならって同一のグラフ上に表示したものである。
(検証考察)
実施例1と比較例1の結果を比較する。図10Aによれば、実施例1の方が比較例1よりも色が薄い画像になっており、応力が緩和されていることが分かる。また、図10D及び図10Eによれば、長手方向(Z方向)及び短手方向(X方向)のいずれの方向についても、比較例1より実施例1の方が半導体チップ(7,62)への応力が緩和されていることが分かる。
次に、実施例2と比較例2の結果を比較する。図10Bによれば、実施例2の方が比較例2よりも色が薄い画像になっており、応力が緩和されていることが分かる。また、図10F及び図10Gによれば、長手方向(Z方向)及び短手方向(X方向)のいずれの方向についても、比較例2より実施例2の方が半導体チップ(7,62)への応力が緩和されていることが分かる。
このように、実施例の構成によれば比較例よりも応力が緩和される理由について、以下に説明する。図11は、実施例及び比較例における半導体チップ(7,62)とサブマウント(1,61)の変形の様子を模式的に示す図であり、(a)が比較例に対応し、(b)が実施例に対応する。なお、説明の都合上、いずれの図面上においても、半導体チップ(7,62)の+Z方向の先端部分のみを示している。
いずれの図面においても、(1)は、室温下においてサブマウント(1,61)の上面に形成された第2接合層25の上面に、半導体チップ(7,62)を載置した状態に対応する。(2)は、(1)の状態から加熱された状態に対応する。(3)は、(2)の状態で固着された状態に対応する。(4)は、(3)の状態から室温程度にまで冷却された状態に対応する。
まず、(a)の比較例について説明する。説明の都合上、(1)の時点において半導体チップ62の先端部分が位置するサブマウント61上の箇所を「注目箇所76」と呼ぶ。
(2)の状態においては、第2接合層25はまだ溶融されていないため、サブマウント61と半導体チップ62は、それぞれの線熱膨張係数に依存して自由膨張する。(2)の状態においては、半導体チップ62が距離aだけ伸び、半導体チップ62よりも線熱膨張係数の高い材料で構成されているサブマウント61は、距離aよりも長いbだけ伸びている様子が示されている。
(3)の状態になると、サブマウント61と半導体チップ62が固着して一体化される。その後、冷却されて(4)の状態になると、半導体チップ62よりも厚みが十分に大きく、構造体としての剛性が大きいサブマウント61の線熱膨張係数に依存して、サブマウント61及び半導体チップ62の両者が収縮する。(4)の状態が(1)の状態とほぼ同等の室温であるとすれば、サブマウントの注目箇所76は、(3)の状態から距離bだけ収縮してほぼ(1)の状態と同じ位置に戻る。そして、半導体チップ62もサブマウント61と同じくほぼ距離bだけ収縮する。
この結果、半導体チップ7は、(2)において距離aだけ膨張した後、(4)において距離aよりも長い距離bだけ収縮するため、(4)の状態では(1)の状態から(b−a)だけ縮んだ状態となる。このため、半導体チップ62に対して圧縮応力が発生する。
次に、(b)の実施例について説明する。実施例の構成では、サブマウント1は、半導体チップ7に設けられた溝部8に嵌合して鉛直方向に突出した突出部11を有する。なお、実施例では、(1)の状態において、サブマウント1の突出部11Aの外側面のうち、半導体チップ7の先端に最も近い位置を「注目箇所76」としている。そして、図11に示すように、溝部8の内径は突出部11Aの外形よりも少し大きい構成である。すなわち、(1)の状態において、突出部11Aの、半導体チップ7の先端に近い方向(図面上「+Z方向」)には、幅sに対応する間隙が形成されており、この箇所は突出部11Aと半導体チップ7が接触していない。
(1)の状態から加熱が開始されると、第2接合層25はまだ溶融されていないため、サブマウント1と半導体チップ7は、それぞれの線熱膨張係数に依存して自由膨張する。しかし、サブマウント1がある程度膨張した時点で、半導体チップ7の先端に近い側に位置する突出部11Aの外側面、すなわち注目箇所76に位置する突出部11Aの外側面が、溝部8内の半導体チップ7の内側面に接触する(状態(2)参照)。すると、これ以後は、加熱によりサブマウント1が膨張すると突出部11Aは+Z方向に伸び、この突出部11Aと接触している溝部8内の半導体チップ7の内側面も、この突出部11Aの+Z方向への伸びに押される形で+Z方向に伸びる。つまり、突出部11Aが溝部8内の半導体チップ7を外側(+Z方向)に押すように膨張する結果、実質的に半導体チップ7を自由膨張時よりも引き伸ばす作用が働く。
上述したように、サブマウント1は半導体チップ7よりも厚みが十分に大きく、構造体としての剛性が大きい。このため、半導体チップ7がサブマウント1の突出部11Aに接触した後は、サブマウント1の線熱膨張係数に依存してサブマウント1及び半導体チップ7の両者が膨張する。つまり、半導体チップ7がサブマウント1の突出部11Aに接触した後は、半導体チップ7はサブマウント1と同等程度の伸びを示すことになる。
この結果、(2)の時点における半導体チップ7の伸びは、比較例よりも大きくなる。なお、サブマウント1の伸びについても、比較例と異なる数値になる可能性があるため、ここではb’としているが、この伸びb’は比較例の伸びbとほぼ同程度の値となる。
その後、(3)の状態になると、サブマウント1と半導体チップ7が固着して一体化される。その後、冷却されて(4)の状態になると、半導体チップ7よりも厚みが十分に大きく、構造体としての剛性が大きいサブマウント1の線熱膨張係数に依存してサブマウント1及び半導体チップ7の両者が収縮する。(4)の状態が(1)の状態とほぼ同等の室温であるとすれば、サブマウント1上の注目箇所76は、(3)の状態から距離b’だけ収縮してほぼ(1)の状態と同じ位置に戻る。そして、半導体チップ7もサブマウント1と同じくほぼ距離b’だけ収縮する。
この結果、半導体チップ7は、(2)において距離a’だけ膨張した後、(4)において距離b’だけ収縮することになる。しかし、これらの距離の差は、半導体チップ7の先端に最も近い位置における突出部11Aの外側面と、半導体チップ7に設けられた溝部8の内側面の間の間隙の幅sにほぼ相当する。つまり、製造時において、この幅sが小さくなるように、溝部8の内径と突出部11Aの外径を調整しておけば、(4)の状態における半導体チップ7には圧縮応力を極力小さくすることができる。ただし、溝部8の内径と突出部11Aの外径の差をあまりに小さくし過ぎると、突出部11Aを溝部8内に嵌合させる際に困難性を伴う可能性がある。このため、前記の嵌合作業に支障が生じない範囲内において、幅sが小さくなるように溝部8の内径と突出部11Aの外径を調整するものとしても構わない。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、サブマウント1が突出部11Aを備える構成としたことで、従来よりも加熱接合時に半導体チップ7を伸ばすことができるため、その後の冷却過程を経て形成される半導体装置10において、半導体チップ7に対する圧縮応力が抑制される。よって、本発明の構成によれば、従来のように、半導体チップ7とサブマウント1の間に熱応力を緩和させることを目的とした他の層を介在させる必要がない。
従って、半導体装置10の駆動時に生じる熱は、熱伝導率の高いサブマウント1を介して効率的に排熱することが可能となる。つまり、本実施形態の構成によれば、半導体装置10の製造時における半導体チップ7への熱応力を抑制しながら、半導体装置10の駆動時における半導体チップ7からの発熱を効率的に排熱することが可能となる。
なお、前記した説明では、半導体チップ7とサブマウント1が固着により一体化される結果、構造体としての剛性が大きいサブマウント1の線熱膨張係数に依存してサブマウント1及び半導体チップ7の両者が収縮するとした。しかし、実際には、サブマウント1の方が半導体チップ7よりも線熱膨張係数が大きいため、第2接合層25(Au−Snハンダ)の塑性変形分だけサブマウント1の方が半導体チップ7よりも熱収縮量がわずかに大きくなる。この結果、冷却過程を経て製造された半導体装置10において、半導体チップ7とサブマウント1の突出部11Aの間には、極めて微小の隙間が形成される場合がある。ただし、このような半導体装置10においても、半導体チップ7とサブマウント1の突出部11Aは実質的に接触しているため、両者は「当接」しているといえる。本発明は、かかる構成を排除する趣旨ではない。
[別実施形態]
以下、別実施形態について説明する。
〈1〉半導体チップ7に設けられる溝部8の形状や配置位置については、適宜選択することが可能である。図12は、この溝部8の形状及び配置位置に関する実施形態を説明するための図面である。なお、図12では、半導体チップ7に設けられた溝部8のうち、短手方向(X方向)の構成する外縁のうちの一方の外縁(辺)50の内側に位置する溝部8のみを表示している。
図12(a)は、半導体チップ7が外縁50に沿って矩形状の溝部8を有する構成を示しており、上述した実施形態の構成に対応する。
図12(b)に示すように、溝部8の角を丸めた構成としても構わない。このとき、サブマウント1の突出部11Aの形状も、溝部8の形状に合わせて角を丸めた構成とすることができる。このような構成とした場合、(a)の構成と比べて溝部8の角の付近に発生する応力の集中を緩和する効果が得られる。更に、図12(e)に示すように、溝部8の形状自体を円筒形状又は楕円筒形状にしても構わない。
また、図12(c)に示すように、半導体チップ7が、外縁50に沿って不連続的に配置された複数の溝部8を備える構成としても構わない。このとき、図12(d)に示すように、溝部8が半導体チップ7の長手方向(Z方向)の外縁51側に突き抜けることで、XZ平面視で切り込み形状を示す構成であっても構わない。
〈2〉半導体チップ7の長手方向の外縁の内側において、当該外縁に沿って溝部8を形成しても構わない。ただしこの場合、半導体チップ7上には、長手方向に沿って光取り出し部42やワイヤ43が形成されているため、これらの機能を害さないように溝部8を設ける必要がある。
〈3〉上記の実施形態では、半導体チップ7が長方体形状を有する場合を採り上げて説明したが、本発明は半導体チップ7が他の形状を有する場合を排除する趣旨ではない。半導体チップ7が直方体形状でない場合であっても、半導体チップ7の外縁の内側に溝部8を設けると共に、サブマウント1の突出部11Aを当該溝部8に嵌合させて、半導体チップ7の主表面から突出させることで、加熱/冷却工程を経た後の半導体チップ7に対する圧縮応力が緩和される。
〈4〉上記の実施形態においては、サブマウント(1:より詳細にはサブマウント基材11)をシート状グラファイト又はCu−W合金で構成し、半導体チップ(7:より詳細には半導体チップ基材45)をGaAsで構成する場合について説明した。しかし、本発明は、サブマウント1上に、サブマウント1よりも線熱膨張係数の低い材料で構成された半導体チップ7を搭載した半導体装置10について一般的に適用可能である。例えば、半導体チップ7を構成する材料としてGaAsを例示したが、これ以外に、GaN(線熱膨張係数3.4×10−6/K)やSi(線熱膨張係数2.6×10−6/K)を主成分とした半導体装置にも適用できる。また、サブマウント1を構成する材料としては、実施例1及び2で用いた材料の他に、Cu−Mo合金が利用可能である。
〈5〉上記の実施形態では、半導体装置10がサブマウント1の上面に半導体チップ7を搭載し、このサブマウント1がヒートシンク3の上面に搭載されている構造について説明した。しかし、サブマウント1通じた排熱効果が極めて高い場合には、半導体装置10は必ずしもヒートシンク3を備えなくても構わない。
〈6〉本発明の半導体装置10は、半導体レーザ装置の他、LEDやパワー半導体スイッチなどに適用が可能である。
1 : サブマウント
3 : ヒートシンク
5 : 第1接合層
7 : 半導体チップ
8 : 半導体チップ7に設けられた溝部
9 : サブマウント上の半導体チップ搭載箇所
10 : 半導体装置
11 : サブマウント基材
11A : サブマウントの突出部
21 : 第1導電層
23 : 第2導電層
25 : 第2接合層
27 : 第1電極層
33 : 突出部11Aの周辺箇所
41 : 光半導体素子
42 : 光取り出し部
43 : ワイヤ
45 : 半導体チップ基材
50 : 半導体チップの短手方向の外縁
51 : 半導体チップの長手方向の外縁
60 : 比較例の半導体装置
61 : 比較例のサブマウント
62 : 比較例の半導体チップ
71 : 基準位置
72 : 長手方向に平行な経路
73 : 基準位置
74 : 短手方向に平行な経路
76 : サブマウント上の注目箇所

Claims (3)

  1. サブマウントと、
    前記サブマウントよりも線熱膨張係数の低い材料で構成され、前記サブマウントの一部上面に搭載された、前記サブマウントよりも厚みの薄い半導体チップを有し、
    前記サブマウントは、一部の箇所において主平面に対して突出した突出部を有し、
    前記半導体チップは、一部箇所に主平面に対して鉛直方向に貫通する溝部を有し、
    前記突出部が前記溝部に嵌合して前記半導体チップよりも突出し、前記半導体チップの前記溝部の内側面と前記突出部が当接していることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記半導体チップは直方体形状を有し、少なくとも短手方向の一対の外縁に沿って、当該一対の外縁の内側の箇所に溝部を有していることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記突出部を有する前記サブマウントを準備する工程(a)と、
    前記サブマウントの上面に前記半導体チップを載置して、前記溝部に前記突出部を嵌合させ、前記サブマウント及び前記半導体チップを加熱して接合する工程(b)と、
    前記工程(b)の後に冷却する工程(c)を有し、
    前記工程(b)の実行時において、前記半導体チップの前記溝部の内側面と前記サブマウントの前記突出部が接触することを特徴とする半導体装置の製造方法。
JP2013161672A 2013-08-02 2013-08-02 半導体装置及びその製造方法 Pending JP2015032706A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013161672A JP2015032706A (ja) 2013-08-02 2013-08-02 半導体装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013161672A JP2015032706A (ja) 2013-08-02 2013-08-02 半導体装置及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015032706A true JP2015032706A (ja) 2015-02-16

Family

ID=52517789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013161672A Pending JP2015032706A (ja) 2013-08-02 2013-08-02 半導体装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015032706A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018508979A (ja) * 2015-02-18 2018-03-29 ツーシックス、インコーポレイテッドIi−Vi Incorporated 間隔が密なレーザダイオードの構成

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018508979A (ja) * 2015-02-18 2018-03-29 ツーシックス、インコーポレイテッドIi−Vi Incorporated 間隔が密なレーザダイオードの構成

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9203213B2 (en) Semiconductor light-emitting device
US7724791B2 (en) Method of manufacturing laser diode packages and arrays
WO2013150715A1 (ja) 半導体レーザ装置およびその製造方法
JP2013004752A5 (ja) レーザモジュール、及び、その製造方法
JP2009111230A (ja) レーザモジュール
JP2005158917A (ja) 電子ヒートポンプ装置、レーザ部品、光ピックアップおよび電子機器
JP2014229744A (ja) 半導体発光組立体
JP2009141094A (ja) 半導体レーザ装置
CN102882124B (zh) 一种适用于倒焊装的半导体激光器芯片结构
WO2017126035A1 (ja) レーザ光源装置およびその製造方法
JP2015109356A (ja) レーザ装置、レーザ装置の製造方法、レーザ加工機及び表示装置
JP2015032706A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP5444289B2 (ja) メタルベース及びその製造方法
JP5280119B2 (ja) 半導体レーザ装置
JP2007013002A (ja) 半導体レーザー装置
JP6245791B2 (ja) 縦型窒化物半導体素子およびその製造方法
JP2015179759A (ja) 半導体装置
JP2013211303A (ja) 半導体レーザ装置
JP2010245207A (ja) マルチビーム半導体レーザ装置
WO2016117539A1 (ja) レーザ光源装置およびその製造方法
JP6678427B2 (ja) レーザ光源装置
JP2015176925A (ja) 半導体装置
JP2015032709A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2007180264A (ja) アレイ型半導体レーザ装置
JP2016186997A (ja) 半導体レーザ装置及びその製造方法