JP2015032410A - 導光板及びこれを用いたバックライトユニット並びに表示装置 - Google Patents

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玲子 吉成
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Abstract

【課題】本発明は、高い輝度を得つつ、輝度むらおよびホットスポットを低減した導光板を提供する。
【解決手段】基材50の第1主面50aに入射光を第2主面に50b側へ偏向する第1光学要素51を設け、基材50の第2主面50bに入射光を基材50内に閉じ込め、かつ入射光を第2主面50bの面方向に拡散/集光する光閉じ込めレンズからなる第2光学要素52を設ける。そして、各光閉じ込めレンズの頂部には、前記延在方向と直交する方向に水平に延在し、かつ縦断面形状が円弧状曲面を呈する一定の幅と一定の深さを有する溝状凹部を前記延在方向に沿い複数連続して並列に形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、光路制御に用いられる導光板、および当該導光板を用いたバックライトユニット、並びに当該バックライトユニットを組み込んでなる表示装置に関する。
液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)に代表されるフラットパネルディスプレイには、提供される情報を認識するために必要なバックライトを内蔵したタイプが普及している。バックライト用の光源としては、冷陰極管がよく知られている。液晶表示装置の輝度、輝度の視野角分布、輝度の空間分布は、このバックライトの性能が大きく影響する。従って、バックライトの輝度を高め、輝度の空間分布を均一にすることは、液晶表示装置の輝度を高め、輝度の空間分布を均一にすることに直結する。
液晶表示装置に使用されるバックライトとしては、主に直下方式とエッジライト方式とが挙げられる。直下方式のバックライトは、光源を平面方向に多数配置することが可能であるため、主として20インチ以上の大型の液晶表示装置に用いられている。一方、エッジライト方式は光源の配置位置が限定されるため、大型の表示装置には向いておらず、主としてノート型パソコン、液晶モニター、携帯情報端末等の小型の表示装置に用いられている。
しかし、最近では、バックライト用の光源として冷陰極管に代わって、低消費電力が図れる、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が採用され始めたことにより、薄型化の容易なエッジライト方式のバックライトが、小型から大型の液晶表示装置にも用いられている。
一般的に、エッジライト方式は、導光板と呼ばれる透光性のある板の厚さ方向である側面に光源が配置されており、光源から側面を通して導光板内に入射された光を側面と略直交する上面又は下面の全体から射出させる方式である。従って、エッジライト方式は、液晶表示装置が大型になるにつれて表示画面全体を均一に輝度むらなく明るくすることが難しくなるという性質がある。また、光源は導光板の側面にのみ配置されるため、光源の設置数に限界がある。従って、液晶表示装置が大型になるにつれて表示画面の輝度を向上させることも難しくなる。逆に、エッジライト方式を採用した、小型の液晶画面では薄型化が進んでおり、導光板から射出させた光の光路長が短く、明るく且つ輝度むらをなくす光学シートの枚数や厚みが減少することで、表示画面全体を輝度むらなく均一にすることが難しくなっている。
表示画面全体を均一に明るくする方法としては、特許文献1や特許文献2において、導光板の射出面及びそれと対向する面にレンズ形状の光学構造物を設ける方法が提案されている。特許文献1や特許文献2では、この光学構造物として連続するプリズム形状やレンチキュラー形状の構造物が開示されている。
特許第4273930号公報 特開2002−98960号公報
ところで、光源としてLEDに代表される点光源32を使用した場合、図7(a)に示すように、導光板5の光入射面54側の端部付近で光の明部202と暗部201の明暗発生部(ホットスポット)200が生じてしまい、表示品位が低下する。このため、その明暗発生部200が視認されないように端部付近を覆う必要がある。そのためには、光入射面54側の端部付近の幅に応じたバックライトユニットの枠を設置しなければならないという問題がある。
そこで本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、高い正面輝度を得ながら、輝度むらをなくし、ホットスポットを軽減させることが可能な導光板、および当該導光板を用いたバックライトユニット、並びに当該バックライトユニットを組み込んでなる表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、厚さ方向の一方の面を第1主面とし、厚さ方向の他方の面を第2主面とし、かつ前記第1主面の縁部と前記第2主面の縁部とを接続する端面の少なくとも一部を光入射面とする光透過性の基材を有する導光板であって、前記第1主面に形成され前記光入射面から前記基材内に入射した光を前記第2主面側へ偏向する第1光学要素と、前記第2主面に形成され前記光入射面から入射した光を前記基材内に閉じ込め、かつ該閉じ込められた光および前記第1光学要素により前記第2主面側へ偏向された光を前記第2主面の外方に拡散/集光する第2光学要素とを備え、前記第2光学要素は、前記第2主面に沿い互いに接して一次元方向に平行に配列された一定の高さと一定の幅を有して凸条に延在する複数の光閉じ込めレンズからなり、前記複数の光閉じ込めレンズの延在方向の端部に位置する前記端面が前記光入射面となっており、少なくとも前記光入射面側の前記複数の光閉じ込めレンズの延在方向の端部に位置する前記各光閉じ込めレンズの頂部箇所に、円弧状曲面が前記光閉じ込めレンズの延在方向と直交する方向に延在することで形成された溝状凹部が前記光閉じ込めレンズの延在方向に沿い複数連続して設けられていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の導光板において、前記溝状凹部の幅をWrとし、前記溝状凹部の深さをHrとしたとき、前記溝状凹部の幅Wrと前記溝状凹部の深さHrとの比が、1/200≦Hr/Wr≦7/200を満足することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の導光板において、前記光閉じ込めレンズの高さをHlとし、前記溝状凹部の深さをHrとしたとき、前記溝状凹部の深さHrと前記光閉じ込めレンズの高さHlの比が、1/322≦Hr/Hlを満足することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1に記載の導光板において、前記第1光学要素は、前記第1主面に沿い二次元方向に配列された凸状または凹状の複数のマイクロレンズであることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載の導光板において、前記マイクロレンズは、前記光入射面から離れるにつれて前記マイクロレンズの二次元方向のピッチが減少するように配列されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4または5に記載の導光板において、前記光入射面と直交する方向で、かつ前記第1主面と直交する方向と一致する前記マイクロレンズの中心線を含む面で前記マイクロレンズを断面したときの断面形状の縦横比であるアスペクト比が0.05以上0.2以下の範囲内であることを特徴とする。
請求項7の発明は、バックライトユニットであって、請求項1乃至6の何れか一項に記載された導光板と、前記導光板の前記光入射面に対向して配置された光源とを備えることを特徴とする。
請求項8の発明は、表示装置であって、請求項7に記載のバックライトユニットと、前記バックライトユニットの光出射側に対向配置された画像表示パネルとを備えることを特徴とする。
本発明の導光板によれば、基材の第1主面に入射光を第2主面側へ偏向する第1光学要素を設け、基材の第2主面には、光入射面から入射した光を基材内に閉じ込め、かつ該閉じ込められた光を第2主面の外方に拡散/集光する、一定の高さと一定の幅を有して凸条に延在する複数光閉じ込めレンズからなる第2光学要素を設け、そして、少なくとも光入射面側の複数の光閉じ込めレンズの頂部に、円弧状曲面が光閉じ込めレンズの延在方向と直交する方向に延在することで形成された溝状凹部を光閉じ込めレンズの延在方向に沿い複数連続して設ける構成にしたので、光の出射方向を調整して効率の良い光利用による輝度の向上を実現し、輝度むらによる表示品位の低下を抑制し、導光板の光入射面側の端部付近におけるホットスポットを低減して、表示品位を向上させるとともにバックライトユニットの枠を小さくすることが可能となる。
(A)は本発明の第1の実施の形態を示す導光板の概略斜視図、(B)は本発明の第2の実施の形態を示す導光板の概略斜視図、(C)は本発明の第3の実施の形態を示す導光板の概略斜視図である。 (A)は図1Aに示す導光板を矢印D方向から見た概略側面図、(B)は図1Bに示す導光板を矢印D方向から見た概略側面図である。 (a−1)は第2光学要素の凸条レンズ形状を示す概略斜視図、(a−2)は(a−1)に示す第2光学要素の矢印E方向から見た頂部形状を示す説明図、(b−1)は第2光学要素の頂部に平坦部がある凸条レンズ形状を示す概略斜視図、(b−2)は(b−1)に示す第2光学要素の矢印E方向から見た頂部形状を示す説明図、(c−1)は図1A及び図1Bに示す導光板の第2光学要素の頂部に凹凸パターンがある凸条レンズ形状を示す概略斜視図、(c-2)は(c-1)に示す第2光学要素の矢印E方向から見た頂部形状を示す説明図、(c−3)は(c−1)に示す第2光学要素の矢印F方向から見た頂部形状を示す説明図である。 本発明の導光板の製作に用いられるシート押出成形装置の一例を示す概略図である。 本発明の導光板を用いたランプハウス、バックライトユニット、および表示装置の一例を示す要部の概略断面図である。 本発明の導光板を用いたランプハウスのシミュレーションモデルである。 本発明の導光板と従来の導光板とで発生するホットスポットを説明する図である。 (A)は本発明にかかるホットスポット評価における測定位置の一例を示す説明図、(B)は本発明にかかる正面輝度および面内輝度むら評価における測定位置の一例を示す説明図、(C)は本発明にかかる直進性評価における測定位置の一例を示す説明図である。 本発明にかかる導光板の第1光学要素の形状の一例を示す図である。 本発明の導光板を用いて実測により性能評価した結果を示す一覧表である。 本発明の導光板を用いて実測により性能評価した結果を示す一覧表である。 本発明の導光板モデルを用いてシミュレーションにより性能評価した結果を示す一覧表である。
以下、本発明に係る導光板の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に示す導光板5は、図1A及び図2Aに示すように、平面視形状が長方形で全体が直方体を呈する一定の厚さの光透過性の基材50を有している。
この基材50の厚さ方向の一定の面を第1主面50aとし、厚さ方向の他方の面を第2主面50bとし、かつ第1主面50aの縁部と第2種面50bの縁部とを接続する4つの端面のうちの1つの端面を光入射面50cとしている。そして、第1主面50aには、光入射面50cから基材50内に入射した光を第2主面50b側へと偏向する凸状のマイクロレンズからなる第1光学要素51が第1主面50aに沿い2次元方向に配列して形成されている。この第1光学要素51を構成する凸状マイクロレンズの配列密度は、光入射面50cから、これと正反対の端面側へ行くに従い増加する配列、すなわち2次元方向のピッチが減少する配列になっている。また、第2主面50bには、光入射面50cから入射した光が基材50内を伝播する光の光路を規制して、光を基材50内に閉じ込め、かつ外入射光を第2主面50bの外方に拡散/集光する第2光学要素52が形成されている。
第2光学要素52は、第2主面50bに沿い互いに接して一次元方向に平行に配列された、単位形状が凸状レンチキュラーレンズ形状を呈する一定の幅と一定の高さを有する凸条に延在する複数の光閉じ込めレンズから構成されている。そして、第2光学要素52を構成する各光閉じ込めレンズの頂部には、光閉じ込めレンズの延在方向と直交する方向に延在し、かつ縦断面形状が円弧状曲面を呈する一定の幅と一定の深さを有する複数の溝状凹部53が光閉じ込めレンズの全長に亘り連続して並列に形成されている。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に示す導光板5は、図1B及び図2Bに示すように、第1の実施の形態に示す導光板と同様に、平面視形状が長方形で全体が直方体を呈する一定の厚さの光透過性の基材50を有している。
この第2の実施の形態に示す導光板5と上記第1の実施の形態に示す導光板5との異なる点は、第1主面50aに形成される第1光学要素51が、凹状のマイクロレンズを第1主面50aに沿い二次元方向に形成されているところにある。そして、第1光学要素51を構成する凹状マイクロレンズの配列密度は、光入射面50cから、これと正反対の端面側へ行くに従い増加する配列、すなわち2次元方向のピッチが減少する配列になっている。
なお、第2光学要素52は上記第1の実施の形態に示す場合と同様に構成されている。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に示す導光板5は、図1Cに示すように、第1の実施の形態に示す導光板と同様に、平面視形状が長方形で全体が直方体を呈する一定の厚さの光透過性の基材50を有している。
この第3の実施の形態に示す導光板5における第2光学要素52は、第1の実施の形態に示す導光板5と同様に、第2主面50bに沿い互いに接して一次元方向に平行に配列された、単位形状が凸状レンチキュラーレンズ形状を呈する一定の幅と一定の高さを有する凸条に延在する複数の光閉じ込めレンズから構成される。そして、上記第1の実施の形態に示す導光板5と異なる点は、光入射面50c側の複数の光閉じ込めレンズの延在方向の端部に、光閉じ込めレンズの延在方向と直交する方向に水平に延在し、かつ縦断面形状が円弧状曲面を呈する一定の幅と一定の深さを有する複数の溝状凹部53が光入射面50cから光閉じ込めレンズの延在方向に一定の長さLに亘り連続して並列に形成されているところにある。
この場合の溝状凹部53が形成された光閉じ込めレンズの頂部の高さは、第2主面50bから弧状頂部を有する光閉じ込めレンズの頂部までの高さより低く形成されている。なお、第1光学要素51は、上記第1の実施の形態に示す場合と同様に構成されている。
上記のように構成された各実施の形態において、第1主面50aの光偏向要素である第1光学要素51は、光入射面50cから入射された光を第2主面50bに出射させる凹または凸状のマイクロレンズパターン、つまり光立ち上げパターンであることが好ましい。この光立ち上げパターンを第1主面50aに形成することにより、エッジライト型の導光板として利用することができる。光立ち上げパターンとしては、光入射面50cから、これと正反対の端面側へ行くに従い、すなわち光源から離れるにしたがってマイクロレンズパターン密度を徐々に増加させるパターンが挙げられる。例えば、第1主面50aに形成されるマイクロレンズパターンとして、グラデーション状のマイクロレンズパターンやストライプパターンを用いてもよい。第1主面50aに形成されるマイクロレンズパターンとしては、図1Aでは、凸状のマイクロレンズパターンを示している。また、図1Bでは凹状のマイクロレンズパターンを示した。
第1光学要素51の凹または凸状のマイクロレンズパターンの配列形状は、二次元方向に配列された形状のマイクロレンズパターンであることが最も好ましい。また、第1光学要素51が二次元方向に配列された形状のマイクロレンズパターンである場合、一次元方向に延在するパターンと比較して、第1光学要素51によって立ち上げられた光の明暗の間隔が狭くなり、観察者側から視認されることを防ぐ、つまり隠蔽することができる。
また、第1光学要素51の凹または凸状のマイクロレンズパターンの配列が一次元方向に延在するパターンと二次元方向に配列形状を有するパターンとでは、第1主面50aに占める割合が同じであるときに、二次元方向に配列形状を有するパターンの方が、より分散して配置することができ、隣り合う第1光学要素51の間隔を狭くすることができる。すなわち、第1光学要素51によって立ち上げられた光の明暗の間隔が狭くなり、観察者側から視認されにくくすることができる。
次に、第1光学要素51を構成するマイクロレンズについて説明する。
光入射面50cと直交する方向で、かつ第1主面50aと直交する方向と一致するマイクロレンズの中心線を含む面でマイクロレンズを断面したときの断面形状の縦横比であるアスペクト比が0.05以上0.2以下の範囲内であることが最も好ましい。マイクロレンズ形状のアスペクト比が変わると立ち上げられた光の分布が変化する。アスペクト比が0.05より小さいと、立ち上げられた光が斜めになり、導光板5の第2主面50bから射出されない光が増大し、光の効率が下がってしまうという不具合がある。また、アスペクト比が0.2よりも大きいと第2主面50b側に立ち上げられる光だけでなく、第1主面50a側に抜けてしまう光が発生してしまうため、導光板5の第2主面50bから出射される光の効率が下がってしまうという不具合がある。
上記実施の形態において、第1光学要素51を構成する凹または凸状のマイクロレンズパターンとしてのマイクロレンズの形状としては、図9(a)、(b)に示すように、凸状の円弧曲面を有する凸状マイクロレンズ51aでも良いし、図9(c)、(d)に示すように、四角錐状を呈する凸状マイクレンズ51aでも良い。また、図9(e)〜(h)に示すように、曲面と平面とを混在させて凸状を呈するように形成された凸状マイクロレンズ51aでも良い。上記凸状マイクロレンズと同様の形状を有する凹状マイクロレンズでも良い。
第2主面50bの光閉じ込めレンズである第2光学要素52は、その面方向に光を拡散/集光可能な凹凸(レンズ状)パターンであることが好ましい。面方向に光を拡散/集光することで観察面からみたときの輝度を向上させることができる。例えば、第2主面50bに形成される凹凸パターンとして、凸状レンチキュラーレンズ形状を複数平行配列したパターンや、三角プリズム形状を複数平行配列したパターン等を用いてもよい。
凸状レンチキュラーレンズの頂部に形成された溝状凹部53は、第2光学要素52を構成する凸状レンチキュラーレンズ形状に対し、その側面形状が第2主面50bから凸状レンチキュラーレンズ形状の頂部に行くに従い幅方向の断面積が減少する弧状の形状を維持し、かつその頂部が平坦状になるように、凸状レンチキュラーレンズの弧状頂部をレンズの高さ方向に一定量取り除いたような形状にし、さらに凸状レンチキュラーレンズの凸条の延在方向と直交する方向に延在し、かつ縦断面形状が円弧状曲面を呈する一定の幅と一定の深さを有する複数の溝状凹部53を光閉じ込めレンズの延在方向に連続して並列に形成した形状に、すなわち、図3(c−2)のレンズ形状に対して、図3(c−3)のように溝状凹部の幅や深さを変化させることが好ましい。この場合、第2光学要素52の第2主面50bから凸状レンチキュラーレンズの頂部までの高さHlが変化してもよい。
なお、図3(a−1)及び(a−2)は、図1Cに示した第2光学要素52を構成する凸状レンチキュラーレンズの頂部がカットされていない箇所の頂部形状を表している。また、図3(b−1)及び(b−2)は、第2光学要素52を構成する凸状レンチキュラーレンズの頂部に形成された溝状凹部の深さがゼロ、すなわち、平坦状の頂部形状を表している。
また、上記凸状レンチキュラーレンズの弧状部と頂部の平坦部が接する境界の形状は、図3(b−2)、図(c−2)に示したような角状の形状でも良いし、丸みを帯びた緩やかな弧状でも良い。
第2光学要素52を構成する凸状レンチキュラーレンズの頂部に形成された溝状凹部53は、第2主面50b側に出射する光を、入射面50c側から入射面50cと反対の面側の方向に光を拡散/集光し、出射分布の調節ができるような形状が好ましく、入射面50cと平行する方向であって、溝状凹部の幅と深さが一定で、かつ連続的に形状を呈することが好ましい。また、例えば、凹部の表面粗さが、JISB0601(1982年)に準拠して十点平均粗さRzとして測定された場合に、0.001μm以上が好ましい。
なお、溝状凹部53が形成される領域Lは、導光板5に光を入射する光源に近い箇所、例えば光源から20mmの位置までに存在すればよい。図1Cでは、第2光学要素52の凹凸パターン53を光源に近い領域(L)にのみ形成した本発明の導光板を示している。また、図1Cにあっては、第2光学要素52の一端部が頂部に溝状凹部パターンを備えており、その他の領域では溝状凹部パターンを備えない構造となっている。
凸状レンチキュラーレンズの頂部に形成された溝状凹部53の幅Wrと深さHrとは、図3に示すように、深さHrと幅Wrとの比が、1/200≦Hr/Wr≦7/200であることが好ましい。Hr/Wrが1/200より小さいとホットスポットの低減効果が得られず、Hr/Wrが7/200より大きいと輝度むらが低下するため、好ましくない。
凸状レンチキュラーレンズの頂部に形成された溝状凹部の幅Wrと深さHrとの比が、1/200≦Hr/Wr≦7/200であって、第2光学要素52の凸状レンチキュラーレンズの高さHlと、頂部の溝状凹部の深さHrとの比が、1/322≦Hr/Hlであると、より好ましい。Hr/Hlが1/322であるとホットスポット低減効果が高くなるため、好ましい。
本発明の導光板5は、図1A、図1B及び図1Cに示したように1層構造の基材50以外にも、2層以上の多層構造であってもよい。この場合、各層の材料は同種であっても異種であってもよい。
また、本発明の導光板5が2層以上で構成される場合、各層に異なる機能を付与することができる。一例として、外表層に熱に対する流動性が高い樹脂を使用すると、表層に形状を賦形しやすくなる。また、一例として、外表層に硬い樹脂を使用すると、導光板5の剛性を向上させることができる。
本発明の導光板5の材料は光透過性を有する材料であれば制限はなく、例えばポリ塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖低密度ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、セルロースアセテート樹脂、エチレン−ビニルアセテート樹脂、アクリル−アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリル−塩素化ポリエチレン樹脂、エチレン−ビニルアルコール樹脂、フッ素樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、アクリル系ゴム等のゴム状重合体ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等の汎用またはエンジニアリングプラスチックの他に、ポリ塩化ビニル系エラストマー、塩素化ポリエチレン、エチレン−アクリル酸エチル樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、アイオノマー樹脂、スチレン・ブタジエンブロックポリマー、エチレン―プロピレンゴム、メチルペンテン樹脂ポリブタジエン樹脂、メタクリル酸メチル樹脂が挙げられ、これらは1種または2種以上をブレンドして用いてもよい。
例えば、光源から出射される光が可視光の場合、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、アクリル−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリル系樹脂、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)等を含む材料を用いてもよい。なお、アクリル系樹脂、特にPMMA(ポリメチルメタアクリレート)は可視光に対する光透過性が良好なことから、本発明の導光板5に用いる主たる材料として好ましい。
導光板5は押出法、キャスト法、もしくはインジェクション法で作製することができる。これらの作製法を使用した場合、導光板5の厚さが12μm以上6mm以下で作製することができる。これは厚さが12μm未満では、上述した製造方法による加工に耐えうる剛性が無く、厚さ6mmを越えると加工に耐えうる柔軟性がない。
本発明の導光板5は、バックライトユニットに搭載し使用する場合、光源のサイズや筐体の大きさに合わせて適宜調整されればよく、特に0.3mm以上5mm以下が望ましい。0.3mm以下の場合、導光板自体の強度が低下し、ディスプレイを点灯して使用する際に生じる熱にシワやうねり、変形等が発生し、これが画面上の明暗差や輝度不均一を引き起こすために好ましくない。また、5mm以上の場合、使用される液晶ディスプレイ自体を厚くすることに繋がり、薄さを強みとする液晶ディスプレイ向けの光学部材としては望ましくない。
上記作製手法の中でも、本発明の導光板5は押出法によって製造することが好ましい。押出法では、共押出法により、1層でも多層でも押し出すことができる。また、凹凸パターンが形成された金型ロールを用いることにより、外表層の第1主面側又は第2主面側、あるいは両面側共にインラインで凹凸パターンを付与でき、連続的に導光板5を製造することができる。
金型ロールの作製方法は、金型ロールに対して、各種レンズ形状を有するダイヤモンドバイトを用いて(例えば、断面形状が三角形状やレンチキュラーレンズ形状を有するタイヤモンドバイト)、金型ロールを切削し各種レンズ形状に対応する部分を形成する。
このような切削方式は、金型ロールに対して、縦方向でも横方向でも切削することが可能で、金型ロールを回転させながらでも、停止させながらでも切削加工することができ、先端形状が非球面形状であるバイトの中心を金型ロールに断続的あるいは連続的に押し当て、光学突起部に対応する部分を形成することができる方法であり、上記のようなダイヤモンドバイトを複数用いて、上記のような加工を複数組み合わせることで、様々な形状を施した金型ロールを作製することができる。また、先端形状が非球面形状であるバイトの中心を金型ロールに連続的に押し当てながら横に移動させて、平滑な面を形成することもできる方法である。
また、半球状や楕円球状のレンズ形状に対応する部分を有する金型の作製方法は、切削方式の他に、レーザー方式が挙げられる。レーザー方式は、金型ロールに表面にブラック樹脂を均一に塗布し、レーザーを照射後、金型ロール全体を酸溶液につけることでレーザー照射部が腐食され光学突起部に対応する部分を成形する方法である。また、切削方式やレーザー方式以外にも、サンドブラストを使用する方法やビーズ分散による方法がある。サンドブラスト方式は、金属表面に直接ガラスビーズなどを吹きつけ、表面に凹凸をつける方法である。またビーズ分散方式は、ガラスビーズを平面状に密に充填させたシートから逆版を作製する方法である。
金型ロールの作製方法は凹凸形状や凹凸の密度、また金型ロールの材料等により適する方法が異なるため、求められる表面状態により適宜選択される。金型ロールの作製方法は一方式のみを採用する必要はなく、2方式以上を採用してもよい。また上記以外の作製方法により作製してもよい。
本発明の導光板5を作製するときに用いられる押出成形装置について、図4を参照して説明する。
押出成形装置は、図4に示すように、溶融樹脂をシート状に押し出す押出機としてのTダイ91と、Tダイ91から押し出された溶融樹脂シート9を冷却する冷却ロール92と、冷却ロール92との間で溶融樹脂シート9を挟圧しながら冷却する冷却ロール93と、冷却ロール93との間で溶融樹脂シート9を挟圧しながら冷却する冷却ロール94と、冷却ロール94との間で溶融樹脂シート9を挟圧しながら冷却する冷却ロール95と、上下一対の引取ロール96とを備える。
冷却ロール92は、Tダイ91の下方位置に水平配置されている。冷却ロール93は、周面部を冷却ロール92に近接されて冷却ロール92と平行に配置されている。冷却ロール92および93のロール表面は、一般に、銅メッキ、硬質クロムメッキ、ニッケルメッキ等の金属メッキが施され、ロール表面は鏡面でも良いし、凹凸が施されていてもよい。冷却ロール94は、周面部を冷却ロール93に近接させて冷却ロール92および93と平行に配置されている。また、冷却ロール95は、周面部を冷却ロール94に近接させて冷却ロール92〜94と平行に配置されている。
なお、Tダイ91から押し出された溶融樹脂シート9を冷却ロール92〜95により冷却するときには、冷却ロール92および94は図4中時計回りに一定速度で回転し、冷却ロール93および95は図4中反時計回りに一定速度で回転する。
図4に示す押出成型装置において、冷却ロール93〜95の間を通過して凹凸パターンが表面に転写された光学シート10は、引取ロール96の下流側で図示しないシート断裁機によって断裁され、導光板5が得られる。
なお、冷却ロール95と引取ロール96との間には、引取ロール96に案内するガイドロール97が設けられている。また光学シート10の厚みが薄い場合には、樹脂シート用の巻取機(図示せず)によって巻き取るようにしてもよい。
図1Aに示した1層の導光板5の作製方法について説明する。
図4に示す押出成型装置の冷却ロール92にロールの円周方向と平行する向きにレンチキュラーレンズ形状の凹凸および頂部に溝状凹部を形成した金型ロールを設置し、冷却ロール93に円周方向と直交する向きに疎部から密部にグラデーションとなるマイクロレンズ形状の凹凸を形成した金型ロールを設置する。樹脂の温度を高温にして流動性を高くするため、Tダイ91の温度は200℃以上が好ましい。樹脂層を押し出し、光学シート10の厚さに合わせて、Tダイ91の吐出量及び成形速度を調整する。溶融樹脂シート9の表裏にレンズパターンが賦形できるように、冷却ロール92と冷却ロール93とによって十分な線圧の圧力で押すのが好ましい。冷却ロール92、93、94、95は温度調整を行う。冷却ロールの温度は、押し出された光学シート10とロール表面とが完全に密着するために十分な温度で、かつ光学シート10がロールに貼り付いて剥がれにくくならない温度にする。光学シート10のそりが少なく、平面性が高くなるように、4本の冷却ロールの回転速度は、冷却ロール93の速度に対して、冷却ロール92は溶融樹脂シート9の表裏が同じ速度で通過するように調節し、冷却ロール94と冷却ロール95は、溶融樹脂シート9が冷却固化しながら通過するように、溶融樹脂シート9を引き取るように調節を行う。
上述のような条件で、導光板5を作製すると、冷却ロールのレンズ形状の凹凸によって、溶融樹脂シート9に冷却ロール92側の凹凸レンズ形状およびレンズ形状の頂部に溝状凹部が形成された、平面性のある導光板5が得られる。
以下、図5を参照して、本発明の導光板5を用いたバックライトユニット4について説明する。
本発明に係る導光板を用いたバックライトユニット4は、上述した導光板5および導光板5へ光を入射する面光源32を含むランプハウス3と、各種の光学シート6〜8とを備える。ランプハウス3は、導光板5の側面である光入射面54に光源32を配置し、導光板5の第1光学要素51側にリフレクタ31を配置しており、光入射面54から入射した光を光出射面55から出射する構成になっている。
光源32は、用途および仕様により、所望する特性の光を発する適宜公知の光源を用いてよい。例えば、蛍光管、冷陰極管、熱陰極管、外部電極管、LED、有機EL、無機EL等の光源である。1つのバックライトユニット4に対し配置する光源32の個数は、仕様に応じて適宜決めてよく、少なくとも1つ以上備えていればよい。特に、LED光源のような点光源の場合、複数の光源を配置することが好ましく、例えば、列状に配置されたLED群や列状に配置された半導体レーザー群を用いてもよい。また、複数の光源を配置する場合、導光板5を囲むように周囲に配置してもよい。例えば、4つの側面を有する導光板5では、1つの側面から最大4つの側面に光源を配置する構成を採用することができる。
また、光源32を配置するにあたり、導光板5の厚さ方向に対する光源の寸法は、導光板5の厚さ方向の寸法と同程度であることが好ましい。導光板5の厚さ方向に対する光源の寸法と導光板5の厚さ方向の寸法とを同程度にすることにより、エッジライト型として導光板5の側面に光源を配置したとき、光源からの光をロスすることなく導光板5内に入射することができる。
また、バックライトユニット4において、更に、導光板5の出射面上に配置される光学シート6〜8を備えていてもよい。適宜公知の光学シートと組み合わせることにより、所望の表示性能を有する表示装置を提供することができる。例えば、偏光機能を有する偏光光学シート8、光を均一に広げるようにプリズム状パターン71が平行に配列された集光光学シート7、集光機能を有するように透明基材61上にレンズパターン62を成形した拡散光学シート6である。これらの光学シート6〜8は、所望の輝度と視野角を得られるように複数種類組み合わせて使用してもよい。
例えば、光学シートとして、断面が三角形状の単位プリズムが一方向に一定のピッチで配列された光学シートを用いてもよい。単位プリズムは入射する光の波長に比較して大きいサイズ(ピッチ)であることより、軸外(off−axis)からの光を集光し、この光を視聴者に向けて軸上(on−axis)に方向転換(redirect)又はリサイクル(recycle)することができる。
また、例えば、凸シリンドリカルレンズが並列されたレンチキュラーレンズが形成された光学シートや、マトリックス状に配置されたマイクロレンズなどが形成された光学シート等を用いてもよい。このとき、レンズ形状は必要な集光性能に応じて、周知の適宜のレンズ面形状、例えば、球面、楕円面等を採用してもよい。また、集光効率を向上するために、楕円面を基準面とし高次項により補正を加えた非球面形状としてもよい。
また、上述のバックライトユニット4において、導光板5の下層側の下部にリフレクタ31を配置してもよい。光反射性を有するリフレクタ31を配置することにより、下層側へ抜けた光を上層側へ反射することができ、光取り出し効率を向上させることができる。リフレクタ31として、例えば、(1)ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)等にフィラーを混練後延伸することによりボイドを形成して反射率を高めた樹脂シート、(2)透明もしくは白色の樹脂シート表面にアルミ蒸着等で鏡面を形成したシート、(3)アルミ等の金属箔もしくは金属箔を担持した樹脂シート、(4)表面に十分な反射性を有する金属薄板等を用いてもよい。
次に、図5を参照して、本発明の導光板5を用いた表示装置1について説明する。
本発明に係る表示装置1は、上述したバックライトユニット4と、このバックライトユニット4から出射される光が背面側から入射されるように配置された画像表示素子2とを備える。
画像表示素子2は、複数の画素が配列され、各画素を切り替えることにより所望する画像を表示画像として表示することができるものであり、液晶素子22を一対の偏光板21で両面から挟持した構成になっている。画像表示素子2としては、例えば、液晶表示素子、カラーフィルタを備えた液晶表示素子、有機EL素子、無機EL素子、フィルム等を用いてよい。用いる画像表示素子により、投射スクリーン装置、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ、液晶表示装置等となる。
表示装置1において、光源32から出射された光は、直接的に又はリフレクタ31での反射を介した後に導光板5に入射される。導光板5に入射された光は、導光板5の内部を通過して直接的に、または第2光学要素52を構成するレンチキュラーレンズパターンで反射された後に光出射面55から出射される。導光板5から出射された光は、拡散光学シート6、集光光学シート7、偏光光学シート8を通過して、画像表示素子2へ到達する。画像表示素子2では、不図示の駆動部によって画像信号に基づいて制御された各画素領域の偏光状態に応じて、所定の画素領域からの光が表示光として透過され、観察面方向Sから観察したとき画像表示が行われる。
以下、本発明にかかる導光板の具体的な実施例について説明する。
図1Aに示したように、1層構造で、光出射面側である第2主面50bの第2光学要素52としてレンチキュラーレンズ形状を配置し、光出射面側と反対側の第1主面50aの第1光学要素51として直径50μm、高さ10μmのマイクロレンズ形状を光源からの距離に対して面積率を変化、すなわち光源から離れるに従いマイクロレンズパターンの密度が徐々に増加するように配置してなる導光板5を作製した。第1光学要素51の配置は、第2光学要素52のレンチキュラーレンズ形状による拡散/集光性能に合わせて、面内の輝度分布が最適になるように適宜調整した。
導光板5は、図4に示す押出成型装置を用いて、共押出法にて作製した。押出成形装置として、スクリュー直径65mmの押出機と、4本の冷却ロール92〜95として表面にクロムメッキが施された金型ロールを用いた。そして、冷却ロール92に第2光学要素52の形状を賦形する溝(パターン)が形成されており、冷却ロール93に第1光学要素51の形状を賦形する溝(パターン)が形成されている。冷却ロール94および95は、鏡面ロールになっている。Tダイ91から溶融したアクリル樹脂を、冷却ロール92と冷却ロール93の間に押し出し、この2つの冷却ロールで挟圧しながらアクリル樹脂が冷却されて硬化する前に、冷却ロールの溝形状を溶融樹脂シートに形成した。導光板5の厚さは0.5mmである。
導光板材料は、基材50のアクリル樹脂にPMMA樹脂(製品名:三菱レイヨン製アクリペット(登録商標)VH000)を用いた。
第2光学要素52のレンチキュラーレンズ形状で頂部に溝状凹部を有する形状を賦形する冷却ロール92は、切削方式により粗面出しを行った金型ロールに、横方向に溝状凹部パターン形状に対応する溝を形成したあとに、縦方向に隣り合うレンチキュラーレンズ形状の谷部の形状に対応する溝を形成することで実現した。レンチキュラーレンズ形状で頂部に溝状凹部パターンを有する形状に対応するそれぞれの溝は、精密切削機に金型ロールをセットし、先端にそれぞれの形状を有する複数のダイヤモンドバイトで、金型ロールの表面を順次切り込むことにより形成した。
第1光学要素51のマイクロレンズ形状を賦形する冷却ロール93は、切削方式により鏡面出しを行った金型ロールに、マイクロレンズ形状に対応する部分を形成することで実現した。マイクロレンズ形状に対応する部分は、精密切削機に金型ロールをセットし、非球面形状であるバイトの中心を金型ロールの表面に断続的に押し当てることにより形成した。
(実施例1〜4)
冷却ロール92には、ロールの円周方向と平行する向きに底部幅50μm、高さが16.1μmの凸条レンチキュラーレンズ形状で頂部に溝状凹部を有する形状に対応する溝の幅/深さがそれぞれ、10μm/0.05μm〔実施例1〕、10μm/0.15μm〔実施例2〕、10μm/0.25μm〔実施例3〕、10μm/0.35μm〔実施例4〕である金型ロールを設置した。また、レンチキュラーレンズ形状に対応する弧の形状は一定にした。
冷却ロール93には、円周方向と直交する向きに疎部から密部にグラデーションとなるマイクロレンズ形状の凹または凸を形成した金型ロールを設置した。
光学シート10の厚さが0.5mmになるように、Tダイ91の出口のアクリル樹脂温度は260℃にし、Tダイ91の吐出量を5.0m/minの成形速度に調整して、樹脂層を押し出し、押し出された溶融樹脂シート9を冷却ロール92と冷却ロール93とによって線圧15kgf/cmの圧力で挟みながら、それぞれ両面に形状(パターン)を賦形する。4個の冷却ロールの温度と回転速度を調整することで、第1主面50aにはマイクロレンズ形状を有し、第2主面50bにはレンチキュラー形状で頂部に溝状凹部パターンを有する形状が成形された、平面性のある導光板5を得た。
(実施例5、6)
冷却ロール92には、ロールの円周方向と平行する向きに底部幅50μm、高さが16.1μmの凸条レンチキュラーレンズ形状で頂部に溝状凹部パターンを有する形状に対応する溝の幅/深さがそれぞれ、10μm/0.02μm〔実施例4〕、10μm/0.45μm〔実施例5〕である金型ロールを設置した。また、レンチキュラーレンズ形状に対応する弧の形状は、実施例1から4と同じにした。
冷却ロール93には、円周方向と直交する向きに疎部から密部にグラデーションとなるマイクロレンズ形状の凹または凸を形成した金型ロールを設置した。
光学シート10の厚さが0.5mmになるように、Tダイ91の出口のアクリル樹脂温度は260℃にし、Tダイ91の吐出量を5.0m/minの成形速度に調整して、樹脂層を押し出し、押し出された溶融樹脂シート9を冷却ロール92と冷却ロール93とによって線圧15kgf/cmの圧力で挟みながら、それぞれ両面に形状(パターン)を賦形する。4個の冷却ロールの温度と回転速度を調整することで、第1主面50aにはマイクロレンズ形状を有し、第2主面50bにはレンチキュラー形状で頂部に溝状凹部パターンを有する形状が成形された、平面性のある導光板を得た。
(比較例1)
冷却ロール92には、ロールの円周方向と平行する向きに底部幅50μm、高さが16.8μmの凸条レンチキュラーレンズ形状に対応する溝がある金型ロールを設置した。
冷却ロール93には、円周方向と直交する向きに疎部から密部にグラデーションとなるマイクロレンズ形状の凹または凸を形成した金型ロールを設置した。また、レンチキュラーレンズ形状に対応する弧の形状は、実施例1から4と同じにした。
光学シート10の厚さが0.5mmになるように、Tダイ91の出口のアクリル樹脂温度は260℃にし、Tダイ91の吐出量を5.0m/minの成形速度に調整して、樹脂層を押し出し、押し出された溶融樹脂シート9を冷却ロール92と冷却ロール93とによって線圧15kgf/cmの圧力で挟みながら、それぞれ両面に形状(パターン)を賦形する。4個の冷却ロールの温度と回転速度を調整することで、第1主面50aにはマイクロレンズ形状を有し、第2主面50bにはレンチキュラー形状を有した、平面性のある導光板を得た。
(比較例2)
冷却ロール92には、ロールの円周方向と平行する向きに底部幅50μmレンチキュラーレンズ形状で頂部の平坦部までの高さ16.1μmを有する形状に対応する溝がある金型ロールを設置した。また、レンチキュラーレンズ形状に対応する弧の形状は、実施例1から4と同じにした。
冷却ロール93には、円周方向と直交する向きに疎部から密部にグラデーションとなるマイクロレンズ形状の凹または凸を形成した金型ロールを設置した。
光学シート10の厚さが0.5mmになるように、Tダイ91の出口のアクリル樹脂温度は260℃にし、Tダイ91の吐出量を5.0m/minの成形速度に調整して、樹脂層を押し出し、押し出された溶融樹脂シート9を冷却ロール92と冷却ロール93とによって線圧15kgf/cmの圧力で挟みながら、それぞれ両面に形状(パターン)を賦形する。4個の冷却ロールの温度と回転速度を調整することで、第1主面50aにはマイクロレンズ形状を有し、第2主面50bにはレンチキュラー形状で頂部に平坦部を有する形状が成形された、平面性のある導光板を得た。
(比較例3)
冷却ロール92には、鏡面の金型ロールを設置し、冷却ロール93には、円周方向と直交する向きに疎部から密部にグラデーションとなるマイクロレンズ形状の凹凸を形成した金型ロールを設置した。
光学シート10の厚さが0.5mmになるように、Tダイ91の出口のアクリル樹脂温度は260℃にし、Tダイ91の吐出量を5.0m/minの成形速度に調整して、樹脂層を押し出し、押し出された溶融樹脂シート9を冷却ロール92と冷却ロール93とによって線圧15kgf/cmの圧力で挟みながら、片面に形状(パターン)を賦形する。4個の冷却ロールの温度と回転速度を調整することで、第1主面50aにはマイクロレンズ形状を有し、第2主面50bには表面が平滑な面を有した、平面性のある導光板を得た。
上述した各条件(実施例1〜6、比較例1〜3)に基づいて作製した9種類の導光板5を使用して、バックライト性能に関する評価を行った。その評価結果を図10の一覧表に示す。各評価は、以下のようにして行った。
(ホットスポット評価)
薄型バックライトパネルを光出射面が上方に向くように静置し、光源を点灯した状態で、導光板、拡散フィルム、拡散フィルム、および90°プリズムを光出射面と反対側からこの順番に積層した状態で、図8(A)に示すように、光源から12mmの位置における光出射方向の明暗コントラスト(ホットスポット)を目視評価した。明暗の確認がされない場合は合格(○)、わずかに確認されるがバックライト光源の各々の間隔が変わる場合などでは確認されない程度の場合は準合格(△)、確認される場合は不合格(×)である。
(ホットスポットの評価結果)
溝状凹部の深さと幅の比(深さ/幅)が0.005μm以上であるか第2光学要素がないと、明暗が確認されず良好であった。しかしながら、溝状凹部の深さと幅の比(深さ/幅)が0.002μmであると、わずかに明暗が確認された。また、溝状凹部がない(凸条レンズ形状及び頂部平坦状)と、明暗が確認され、不良であった。
以上の結果を考察する。第2光学要素のレンズによる、光閉じ込め効果で、導光する光の直進性が上がり、光源付近の明暗の強度が確認される(顕在化する)。一方で、第2光学要素の頂部の溝状凹部パターンでは、光の直進性が低下するため明暗の強度が鈍化する。結果、第2光学要素による明暗の強度の顕在化と第2光学要素の頂部の溝状凹部による明暗の強度の鈍化のそれぞれの効果を合わせた明暗のコントラストが確認される。このため、第2光学要素の頂部の溝状凹部があると、光の直進性の低下による明暗の強度の鈍化により、確認される明暗のコントラストが低くなった。しかしながら、第2光学要素の頂部の溝状凹部の幅に対する深さが小さくなると、すなわち、アスペクトが低くなると、光の直進性の低下による明暗の強度の鈍化の効果が小さくなり、確認される明暗のコントラストが高くなってしまう。つまり、第2光学要素の頂部の溝状凹部の幅に対する深さが大きくなると共に、徐々に明暗のコントラストが低下していくという、図7(a)に示すような状態から図7(b)に示すような状態に変化し、明暗箇所がより光源32側へ後退して、表示品位の低下を軽減できた。また、第2光学要素がない場合は、導光する光の直進性が低いために、光源付近においても、隣り合う光が重なり易く、明暗の強度が小さくなる。
(隠蔽性評価)
ホットスポット評価と同様に、薄型バックライトパネルを光出射面が上方に向くように静置し、光源を点灯した状態で、導光板、拡散フィルム、拡散フィルム、および90°プリズムを光出射面と反対側からこの順番に積層した状態で、マイクロレンズの一つ一つが識別されるかどうかを、目視で確認した。一つ一つが識別されないということは、隠蔽性が高いということである。目視確認できる場合は欠陥となるため、確認されない場合は合格(○)、確認される場合は不合格(×)である。
(隠蔽性の評価結果)
第2光学要素があると目視で確認されず良好であったが、第2光学要素がないと目視確認され不良であった。
以上の結果を考察する。第1光学要素のマイクロレンズから立ち上がった光が、第2光学要素のレンチキュラーレンズにより、観察側に方向に変えて出射するため、観察側からは広がった大きさのマイクロレンズの光として視認される。そこで、さらに隣り合うマイクロレンズから立ち上がった、広がった大きさのマイクロレンズの光が出射面に並ぶため、光の明暗差が少なくなり、観察側からは一つ一つのマイクロレンズは視認されにくくなる。一方で、第2光学要素がなく平坦である場合は、第1光学要素のマイクロレンズから立ち上がった光は、出射の向きがほとんど変わらず、マイクロレンズと同等の大きさの光が出射面に並ぶため、光の明暗差が大きくなり、観察側からは一つ一つのマイクレンズの光として視認されやすくなる。すなわち、第2光学要素のレンチキュラーレンズによる、マイクロレンズの隠蔽性の効果が得られる。
(正面輝度評価及び面内輝度むら評価)
隠蔽性評価と同様に、薄型バックライトパネルに導光板を設置し、光源を点灯した状態で、導光板、拡散フィルム、拡散フィルム、および90°プリズムを光出射面と反対側からこの順番に積層した状態で、導光板の鉛直方向から図8Bに示す13箇所において輝度測定を行った。測定装置にはSR−3(株式会社トプコン製)を使用し、暗所にてパネルと50cmの距離から測定を行った。
正面輝度は画面の中心位置で、第2光学要素の頂部に平坦および溝状凹部がない、凸条レンズ形状の導光板の値に対する比で表した。第2光学要素の頂部に平坦および溝状凹部がない導光板の輝度マイナス3%、すなわち0.97以上の場合は合格(○)、0.97より低い値の場合は不合格(×)である。
(評価結果)
第2光学要素の頂部の溝状凹部の深さと幅の比(深さ/幅)が0.035μm以下である導光板は、平坦および溝状凹部がない凸条レンズ形状の導光板の輝度と比較して、いずれも97%以上となり良好であった。第2光学要素の頂部の溝状凹部の深さと幅の比(深さ/幅)が0.045μm以上の導光板は、平坦および溝状凹部がない凸条レンズ形状の導光板の輝度と比較して、光源の近くにおける出射光が大きく増えるため、光源から離れるにつれ出射光の輝度が下がる割合が大きく、中心輝度も低くなり不良であった。また、第2光学要素がない導光板は、平坦および溝状凹部がない凸条レンズ形状の導光板の輝度と比較して、光の出射方向が広がって鉛直方向の強度が下がるため、輝度が低くなり不良であった。
面内輝度むらは13箇所の輝度値の、最大値/最小値で表した。面内輝度むらは1.25以下の場合は合格(○)、1.25より大きい場合は不合格(×)である。
(評価結果)
第2光学要素の頂部の溝状凹部の深さと幅の比(深さ/幅)が0.035μm以下である導光板か、第2光学要素の頂部に溝状凹部がない(凸条レンズ形状及び頂部平坦状)導光板か、第2光学要素のない導光板は、面内輝度むらが1.25以下となり良好であった。第2光学要素の頂部の溝状凹部の深さと幅の比(深さ/幅)が0.045μm以上の導光板は、光源の近くにおける出射光が増えるため、面内の輝度むらが悪化し不良であった。
総合判定は、ホットスポット評価、隠蔽性評価、正面輝度評価及び面内輝度むら評価の全てが合格(○)について合格(○)とし、ホットスポット効果が準合格(△)ないしは、ホットスポット効果は合格(○)であるが、面内の輝度むらの不良(×)がある場合は準合格(△)とし、ホットスポット効果が不良(×)ないしは、隠蔽性が不良(×)の場合は不合格(×)とした。ホットスポットの低減効果が準合格(△)は、バックライト光源の各々のサイズや明るさ、各々の間隔の変更によっては十分に使用に耐える程度であり、面内の輝度むらについては、上の光学シートの違いやさらに上のパネルによっては良程度のため、準合格(△)とした。ホットスポット評価が不良(×)の場合は、バックライトの光源の違いによっても大きく視認される程度であり、また、隠蔽性評価の不良(×)は強く視認され、上の光学シートの変更やさらに上のパネルによっても視認される程度のため、不合格(×)とした。
つまり、上記に記述したように、第2光学要素の頂部の溝状凹部の深さと幅の比(深さ/幅)が0.002μmの導光板だと、ホットスポットの効果が観察されるものの、十分ではなく、0.045μmの導光板は、ホットスポットの低減効果は十分に観測されるものの、面内の輝度のむらが大きくなるという、別の不良が発生する。ホットスポットの効果が十分に得られるか、他の光学評価も良好であるためには、第2光学要素の頂部の溝状凹部の深さと幅の比(深さ/幅)が、0.005μm以上0.035μm以下の範囲がより好ましい。
(実施例7)
上記(実施例1)と同様に、平面性のある導光板5を得た。
(実施例8から10)
冷却ロール92には、ロールの円周方向と平行する向きに凸条レンチキュラーレンズ形状の底部幅/高さに対応する溝の幅/高さがそれぞれ、50μm/8μm〔実施例8〕、50μm/4μm〔実施例9〕、50μm/1μm〔実施例10〕で、頂部に溝状凹部パターンを有する形状に対応する溝の幅/深さは、10μm/0.05μmの一定である金型ロールを設置した。また、レンチキュラーレンズ形状に対応する弧の形状は一定にした。
冷却ロール93には、円周方向と直交する向きに疎部から密部にグラデーションとなるマイクロレンズ形状の凹凸を形成した金型ロールを設置した。
光学シート10の厚さが0.5mmになるように、Tダイ91の出口のアクリル樹脂温度は260℃にし、Tダイ91の吐出量を5.0m/minの成形速度に調整して、樹脂層を押し出し、押し出された溶融樹脂シート9を冷却ロール92と冷却ロール93とによって線圧15kgf/cmの圧力で挟みながら、それぞれ両面に形状(パターン)を賦形する。4個の冷却ロールの温度と回転速度を調整することで、第1主面50aにはマイクロレンズ形状を有し、第2主面50bにはレンチキュラー形状で頂部に溝状凹部パターンを有する形状が成形された、平面性のある導光板5を得た。
(比較例4)
冷却ロール92には、ロールの円周方向と平行する向きに凸条レンチキュラーレンズ形状の底部幅/高さに対応する溝の幅/深さが、50μm/32μmで、頂部に溝状凹部パターンを有する形状に対応する溝の幅/深さは、10μm/0.05μmである金型ロールを設置した。また、レンチキュラーレンズ形状に対応する弧の形状は実施例5から8と同じにした。
冷却ロール93には、円周方向と直交する向きに疎部から密部にグラデーションとなるマイクロレンズ形状の凹凸を形成した金型ロールを設置した。
光学シート10の厚さが0.5mmになるように、Tダイ91の出口のアクリル樹脂温度は260℃にし、Tダイ91の吐出量を5.0m/minの成形速度に調整して、樹脂層を押し出し、押し出された溶融樹脂シート9を冷却ロール92と冷却ロール93とによって線圧15kgf/cmの圧力で挟みながら、それぞれ両面に形状(パターン)を賦形する。4個の冷却ロールの温度と回転速度を調整することで、第1主面50aにはマイクロレンズ形状を有し、第2主面50bにはレンチキュラー形状で頂部に溝状凹部パターンを有する形状が成形された、平面性のある導光板5を得た。
上述した各条件(実施例5〜8、比較例6)に基づいて作製した5種類の導光板5を使用して、バックライト性能に関する評価を行った。その評価結果を図11の一覧表に示す。
(ホットスポット評価)
薄型バックライトパネルを光出射面が上方に向くように配置し、光源を点灯した状態で、導光板、拡散フィルム、拡散フィルム、および90°プリズムを光出射面と反対側からこの順番に積層した。この状態で、光源から7mmの位置における光出射方向の明暗コントラスト(ホットスポット)を目視評価した。明暗の確認がされない場合は合格(○)、わずかに確認されるがバックライト光源の各々の間隔が変わる場合などでは確認されない程度の場合は準合格(△)、確認される場合は不合格(×)である。
(ホットスポットの評価結果)
溝状凹部の深さと凸条レンズ高さの比(溝状凹部の深さ/凸状レンズ高さ)が0.003μm以上であると、明暗が確認されず良好であった。しかしながら、溝状凹部の深さと凸条レンズ高さの比(溝状凹部の深さ/凸状レンズ高さ)が0.002μm以下であると、明暗がわずかに確認された。
すなわち、溝状凹部が溝状凹部の深さと幅の比(深さ/幅)が0.005μmであって、溝状凹部の深さと凸条レンズ高さの比(溝状凹部の深さ/凸状レンズ高さ)が0.003μm以上であると、光源から12mmから7mmの位置までホットスポットを軽減することができることができた。つまり、さらにバックライトユニットの枠を小さくすることが可能となる。
<シミュレーション>
コンピュータを用いたシミュレーションを行った。その結果を図12の一覧表にそれぞれ示す。
(シミュレーションモデル)
Optical Research Associates 社製照明設計解析ソフトウェアLight Toolsを用いて、図6に示す照明ユニット100のモデルを以下のように組み立てシミュレーションを行った。
光源32から導光板5の光源より最も離れた位置までの距離を175mmとし、導光板5の厚みを500μmとした。導光板5は、1層からなる構成で、出射面側の第2光学要素として高さが16.8μm、底部幅が50μmとなるレンチキュラーレンズ形状を配置した(ケース1)。また、高さが16.1μm、底部幅が50μmとなるレンチキュラーレンズ形状の頂部に一定の周期の凹凸パターンを配置し、溝状凹部の幅は10.0μmで高さを変化させた(ケース3からケース6)。ケース2は深さが16.1μm、底部幅が50μmとなるレンチキュラーレンズ形状の頂部の溝状凹部の深さがゼロ、つまり、レンチキュラーレンズ形状の頂部に平坦部を配置した。さらに、ケース7は第2光学要素52の形状がなく、平面とした。レンチキュラーレンズ形状は一定にした。一方、出射面側と反対側の第1主面の第1光学要素51として凸状のマイクロレンズ形状を光源32からの距離に対して面積率を変化させて配置した(ケース1からケース7)。
導光板5にはPMMA樹脂(屈折率 1.4912、厚み 500μm)を用いた。
導光板5の第1主面と対向する位置には、リフレクタ31を配置した。導光板5の第2主面と対向する位置には、光学シート101としてマイクロレンズシートと、光学シート102としてプリズムシートについて、導光板5/光学シート101/光学シート102を光出射面と反対側からこの順番に積層した状態で配置した。
また、評価項目はホットスポット、輝度むら、直進性の3つを評価した。
(ホットスポット評価)
光源からの距離12mmにおけるホットスポットの明暗強度比、すなわち(最大輝度−最小輝度)/輝度平均値をパーセント表記した。光源からの距離については、表示上に影響が出ない距離に設定した。8.5%以下が良好であるため、8.5%以下の場合は合格(○)、8.5%より大きい場合は不合格(×)である。
(ホットスポットの評価結果)
レンチキュラーレンズ形状の頂部の溝状凹部の深さが0.1μm以上あるか、第2光学要素がないと、明暗強度比が8.5%を以下となり、良好であったが、レンチキュラーレンズ形状の頂部の溝状凹部がないと、8.5%より高くなり、不良であった。
(輝度むら評価)
このモデルにおいて、第1光学要素について様々なレンズと、第2光学要素のレンチキュラーレンズとの組み合わせでシミュレーションを行った結果、輝度をほぼ均一に射出させる、つまり、輝度むらをなくした場合には、輝度は15800程度まで向上させられることが判明した。導光板に入射した光のうちおおよそ90%程度が利用できた場合に15800という値を得ることができた。
つまり、第2光学要素のみのモデルにおいて、ピーク値が15800を超えてしまうと、輝度むらをなくすことはできなくなってしまう。ピーク値が15800以下の場合は合格(○)、15800より大きい場合は不合格(×)である。
(輝度むらの評価結果)
レンチキュラーレンズ形状の頂部の溝状凹部の深さが0.3μm以下であるとピーク値が15800以下となり良好であったが、0.5μm以上あると不良であった。
(直進性評価)
光源のLEDを1個とし、光源から入射した光について、光源から150mmの位置における光源と直行する方向の広がりを評価した。図8Cに示すように、輝度値がピーク強度値の半分値になる位置(中心からの距離y1)を比較した。第2光学要素が、レンチキュラーレンズ形状である場合、LED光源の光が導光板の中を伝播してゆく際、導光板の光源と直交する横端部からの光漏れが少ないという、光閉じ込め効果がある。そこで、第2光学要素の頂部に溝状凹部がない導光板と比較して、第2光学要素の頂部に溝状凹部がある導光板と第2光学要素のない導光板について、上述した光閉じ込め効果が同等であるかどうかを評価した。第2光学要素の頂部に溝状凹部がない導光板と比較して光の広がりが5%以下である場合は合格(○)であり、5%より大きい広がりがある場合は不合格(×)とした。
直進性評価の結果、第2光学要素がある場合は良好であったが、第2光学要素がない場合では不良となった。
また、このとき、第2光学要素のないケース7は、ケース1と比較して、光源から150mmの位置で636%、およそ6倍の広がりでy1=140mm程度となり、直進性がほとんどなく、光が放射状に導光していることが分かった。
このことから、第2光学要素がレンチキュラーレンズ形状である場合に、非常に光の直進性が良いことが分かり、所定の位置を光らせる等にも対応でき、光の有効利用に繋がる。
以上に示した、実施例1〜6および比較例1〜6の評価結果(図10及び図11参照)と、シミュレーションによるケース1〜7の結果(図12参照)から、実際に作製した導光板とシミュレーションとは同等である、との結果が得られた。
以上のように、本発明によれば、導光板の出射面側に設ける光学要素の頂部の溝状凹部を調節することで、光の出射方向を調整して効率の良い光利用による輝度の向上を実現し、輝度むらによる表示品質の低下を抑制し、ホットスポットを低減して、表示品位を向上させることが可能であることが分かった。
本発明の導光板は、光源からの入射光を面方向に拡散する用途に対し広範に利用することができる。例えば、フラットパネルディスプレイに代表される画像表示装置、3D用液晶表示装置、カラーノートPC(パーソナルコンピュータ)、照明具、建材、などの用途に用いることができる。
1…表示装置
2…液晶表示素子
21…偏光板
22…液晶素子
3、100…ランプハウス
31…リフレクタ
32…光源
4…バックライトユニット
5…導光板
50…基材
50a…第1主面
50b…第2主面
50c…光入射面
51…第1光学要素
52…第2光学要素
53…溝状凹部
54…光入射面
55…光出射面
6…拡散光学シート
61…透明基材
62…レンズパターン
7…集光光学シート
71…プリズム状パターン
8…偏光光学シート
9…溶融樹脂シート
91… Tダイ
92〜95…冷却ロール
96…引取ロール
10、101…光学シート
200…明暗発生部
201…暗部
202…明部

Claims (8)

  1. 厚さ方向の一方の面を第1主面とし、厚さ方向の他方の面を第2主面とし、かつ前記第1主面の縁部と前記第2主面の縁部とを接続する端面の少なくとも一部を光入射面とする光透過性の基材を有する導光板であって、
    前記第1主面に形成され前記光入射面から前記基材内に入射した光を前記第2主面側へ偏向する第1光学要素と、
    前記第2主面に形成され前記光入射面から入射した光を前記基材内に閉じ込め、かつ該閉じ込められた光および前記第1光学要素により前記第2主面側へ偏向された光を前記第2主面の外方に拡散/集光する第2光学要素とを備え、
    前記第2光学要素は、前記第2主面に沿い互いに接して一次元方向に平行に配列された一定の高さと一定の幅を有して凸条に延在する複数の光閉じ込めレンズからなり、
    前記複数の光閉じ込めレンズの延在方向の端部に位置する前記端面が前記光入射面となっており、
    少なくとも前記光入射面側の前記複数の光閉じ込めレンズの延在方向の端部に位置する前記各光閉じ込めレンズの頂部箇所に、円弧状曲面が前記光閉じ込めレンズの延在方向と直交する方向に延在することで形成された溝状凹部が前記光閉じ込めレンズの延在方向に沿い複数連続して設けられている、
    ことを特徴とする導光板。
  2. 前記溝状凹部の幅をWrとし、前記溝状凹部の深さをHrとしたとき、前記溝状凹部の幅Wrと前記溝状凹部の深さHrとの比が、
    1/200≦Hr/Wr≦7/200を満足する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の導光板。
  3. 前記光閉じ込めレンズの高さをHlとし、前記溝状凹部の深さをHrとしたとき、前記溝状凹部の深さHrと前記光閉じ込めレンズの高さHlの比が、
    1/322≦Hr/Hlを満足する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の導光板。
  4. 前記第1光学要素は、前記第1主面に沿い二次元方向に配列された凸状または凹状の複数のマイクロレンズであることを特徴とする請求項1に記載の導光板。
  5. 前記マイクロレンズは、前記光入射面から離れるにつれて前記マイクロレンズの二次元方向のピッチが減少するように配列されていることを特徴とする請求項4に記載の導光板。
  6. 前記光入射面と直交する方向で、かつ前記第1主面と直交する方向と一致する前記マイクロレンズの中心線を含む面で前記マイクロレンズを断面したときの断面形状の縦横比であるアスペクト比が0.05以上0.2以下の範囲内であることを特徴とする請求項4または5に記載の導光板。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載された導光板と、前記導光板の前記光入射面に対向して配置された光源とを備える、
    ことを特徴とするバックライトユニット。
  8. 請求項7に記載のバックライトユニットと、前記バックライトユニットの光出射側に対向配置された画像表示パネルとを備える、
    ことを特徴とする表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017126481A (ja) * 2016-01-14 2017-07-20 大日本印刷株式会社 導光板、面光源装置、透過型表示装置

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